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未来の医療情報共有と方法論
未来の医療情報共有と方法論 2013 第33回医療情報学連合大会 患者プロファイル情報基盤を考える 浪速区医師会 久保田 泰弘 「ブルーカード」とは 浪速区医師会が始めた事業で、 在宅患者や外来の重病患者が 「かかりつけ医」に発行してもらうカード 注意事項:症状が急変しそうな患者さんに 限定して発行します!(主治医に相談) 浪速区医師会により 2009年11月より始まった ブルーカードを発行してもらうには? まずは、かかりつけ医に相談! 病院 浪速区住民 在宅患者 病院 病院 かかりつけ医 主治医に相談 病院 病院 ブルーカード交付 病院 病院 病院 主治医に相談してブルーカード発行すると 12の病院が連携して守ってくれる ブルーカード記入内容 登録病院 有郊期限 1年毎に更新 かかりつけ医 緊急連絡先 既往歴 薬剤 アレルギー歴 障害・認知 自立度 ブルーカードの発行手順 1 ブルーカードに必要事項を記入してもらう。 2 カードの説明をかかりつけ医から受けてもらう。 (封筒と電話の横に貼り付けるカード+病院の地図) 3 カードのコピーを登録病院に FAXしてもらう。(かかりつけ医) ブルーカードは病診連携病院の協力で成り立っています 大手前病院 内藤病院 大野記念病院 多根総合病院 南医師会 富永病院 浪速生野病院 天王寺 医師会 警察病院 四天王寺病院 愛染橋病院 大和中央病院 山本第三病院 育和会記念病院 現時点の成果 (2013年11月1日現在) 延べ利用者:486件 スムーズに処理 現在登録数:515件 緊急時の受け入れ拒否が皆無に! 搬送所要時間が平均8分短縮! 未来の医療情報共有と方法論 現状 開業医の電子カルテ率 は、まだ2∼3割 PHRが進みにくい要因 しばらくはアナログ&デジタルの両用で ブルーカードプロジェクトで目指した事 1 2 3 4 ブルーカードにより緊急時の医療は家族共々 安心して暮らせる ブルーカードは、紙カルテも含め出来るだけ医師会員 全員参加できるよう計画した。 ブルーカードは、OpenVPNを使用することにより SSL−VPNよりも高いセキュリティへと進化した。 ブルーカードは、アウトカムとして搬送時間短縮や 拒否回数減少を実現している。 今後のデータマイニングにより更なる利活用を目指す。 WHY? 提案の背景 未来の医療情報共有と方法論 リスク クラウド化したカルテ情報を すべて患者に渡すことを 疑問視する医師も多い 患者の誤解を招く カルテの初期の段階で医師が思考した所見を 患者が誤診と誤解するケースが多くなるため 未来の医療情報共有と方法論 コスト 病院間ネットワークの構築 には、莫大な経費と 強固なPCシステムが必要 システムの運用・修正 にもコストがかかる 地区医師会として持続可能なシステムの 構築:OpenVPNなど 未来の医療情報共有と方法論 未来の医療情報共有のためには もう少しシンプルに、医師なら誰でもテンプレートを 発信できる仕組み(紙カルテであっても)が必要! 地区医師会がビッグデータを構築 ∼利活用できる仕組み 未来の医療情報共有と方法論 i-Project • 病院間ネットワーク • ブルーカードシステム カルテサーバ 診察室 地域連携サーバ 病院 中核病院LAN 病院 VPN 病院 病院 浪速区医師会 メンバー 病院 診療所 病院 病院 診療所 病院 病院 病院 莫大な経費と強固なPCシステム 比較的安い経費とFax 患者プロファイル情報基盤 を実現するには? 未来の医療情報共有と方法論 2つの基本方針 1 小規模から大規模へ 2 アナログ&デジタル化 実際に有益性を確認 開業医も病院勤務医も しながら広げていける 全員参加型へ 未来の医療情報共有と方法論 現状の課題と解決方法 PHR(Personal Health Record) 現状の課題 約80%の開業医の患者が参加できない 広げるには…… 患者カードを発行し、データを添付していく 最小限の患者情報(確定病名や既往歴、アレルギー歴など)をクラウド化し、 それに検査や薬剤情報を添付する仕組み 未来の医療情報共有と方法論 1 小規模から大規模へ Step Step Step 1 2 3 浪速区・中央区など 人口30万規模で検証 浪速区医師会 30名で検証 数人で検証 少人数→徐々に大規模へ 未来の医療情報共有と方法論 2 アナログ&デジタル化 FAX PDF化 デジタル アナログ 地区医師会 情報共有システム 未来の医療情報共有と方法論 患者プロファイル情報をさらに利活用 医師の手間を省いた汎用性の高い システムをめざすためには? 浪速区医師会 iProjectサーバ 臨床検査 会社 パイロット 患者プロファイル情報以外は すべて外部から転送する 調剤 薬局 画像 センター 未来の医療情報共有と方法論 i-Project 在宅医療 ブルーカード ネットワーク iProjectサーバ 臨床検査 会社 調剤 薬局 救急医療 病診連携 画像 センター 病院と開業医が双方向で連携し、 データをi-Projectで相互利活用 未来の医療情報共有と方法論 i-Project 「予知医療」とは? 情報共有システム 地域の ビッグデータ • 5年後にその地域の在宅患者が 何人増加するか? • データから、その地域の救急医療の 疾患特性を知る • データによって、地区医師会が 対策を立てる 未来の医療情報共有と方法論 i-Project 「予知医療」とは? 情報共有システム 広域医療データベース かかりつけ医 • i-Projectを導入し、ある程度大きな規模 でのデータ解析により、疾患予防を可能に • より意義のある食事指導やリハビリなどの 浪速区住民 生活指導が可能になる 未来の医療情報共有と方法論 i-Project ブルーカードなどのデータのフィードバック ブルーカードのデータ利活用 による有効な戦略 使用状況 iPad 報告書 地域の 医療戦略 ①基礎疾患や既往歴 ②過去の搬送歴 ③搬送所要時間の長い ケースのデータ分析 データマイニングすることによって、 病診連携委員会で何をすべきか決定 未来の医療情報共有と方法論 i-Project 結語 ①ブルーカードは、患者基本情報として考案され、 救急医療と在宅医療の架け橋として導入された ②ブルーカードをベーシックカードとして在宅医療・ 救急医療・介護情報・病診連携パスなどを シームレスに情報共有化を目指す ③医療圏レベルで医師会と複数病院のネットワークが 構築され、その上で双方向での情報共有が可能となる システムを目指す→基盤情報が必要