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ナポリイタリアモデル
都市形態の変化に着目した日本と欧州の都市比較研究 - 二次元フーリエ変換による画像解析を用いて - 古堅 宏和 1.研究の背景と目的 周波数 k、l をパラメータとするフーリエ係数を 近年,画像認識を用いた指紋認証などの技術が注目 を集めている.入力された一枚の画像から様々な特徴 すると、 は (1) 式によって表現される。これを二 次元フーリエ変換という。 を抽出し,モデルデータと比較を行うことで,それが 何物であるのか高い精度で認識することができる. 一方,都市研究の分野においても、GIS などコンピ と (1) 2-3. 類似度の定義 ュータを利用した情報に重点が置かれるようになって 二次元フーリエ変換による出力は、空間周波数 (k、 きた。かつては紙媒体であった地図も画像データとし l)、および振幅スペクトル て利用される機会が多くなってきている. 表現される。これを1枚の画像に濃淡で表現したもの の三次元情報によって このような背景を受け、本研究では都市形態に着目 をパワースペクトル画像 ( 以下 PSP:Power Spectrum し、画像認識を地図画像に対して用いることで、異な Picture)という(図 3)。これにより元画像の特徴を る都市形態の類似性を「類似度」という客観的指標で 捉えることができ、これを用いて画像間の相関を表す。 算出する。そして、その有用性を示すと共に、日本と 本研究では、PSP の特徴ベクトルとして動径方向分 欧州の都市形態の違いを考察することを目的とする。 布 、角度方向分布 分布 2. 二次元フーリエ変換による画像認識について を使用する(図 4)。動径方向 は中心から の距離に存在する環状 領域内のパワースペクトルの和を表しており、 角度方 2-1. 画像認識の原理 n 1l 一般的に、画像認識とは、未知の入力パターンがあ = tan −1 (l / k ) 2A 2 らかじめ登録されているモデルにどれだけ似ているの 2 +l 1 k A かを数値で評価し、最終的に入力パターンがどの認識 m −A 1k パターンに属するのかを決定することである。このプ 図 2 二次元画像の波 ロセスは図 1 のフローに従う。画像認識における識別 法は複数存在し、本研究では、パターンを解析するの に最適とされ、テクスチャ解析などに用いられる二次 元フーリエ変換を用いてマッチングを行っていく。 2-2. 二次元フーリエ変換 フーリエ変換の基本的な概念は「すべての信号は三 角関数の和として表現できる」というところにある。 これは二次元画像に対しても言える。図 2 のように、 ర↹㧔ᧅᏻ㧕 ࠬࡍࠢ࠻࡞↹ 図 3 パワースペクトル画像例:札幌 二次元画像を、色の濃淡を振幅とする二次元波と捉え l ることで、二次元画像にもフーリエ変換が適用できる。 画素数M×Nの画像上において、任意の画素の位置 (m、n) における濃度値を 、横方向・縦方向の空間 モデル パターン入力 画像入力 前処理 特徴抽出 マッチング 特徴データ l ∆r r (0,0) 比較画像の 特徴データ k ∆ (0,0) 認識パターン出力 C േᓘᣇะಽᏓ 類似度出力 D ⷺᐲᣇะಽᏓ 図 4 類似度に用いるパラメータ 図 1 画像認識の流れ 14-1 k 向分布 は水平軸から角度θの線形領域内のパワー 格子状のパターン 1 ~ 6 を作成し、二次元フーリエ変 スペクトルの和を表している。これを図 5 のように、 の場合は横軸を半径 r、縦軸を 軸を角度θ、縦軸を この と 、 換を適用した(図 6)。 は道路数が増えるにつれて、単一の周期の波で の場合は横 としたデータを作成する。 なく、多くの異なる周期の波が合成された複雑な波を を特徴ベクトルとし、(2) 式によって 入力画像・比較画像2つの画像の類似性を評価する。 取るようになっていった。これは画像上に要素(道路 数)が増え、単一の波では画像上の特徴を表現できな くなったためと思われる。逆に、 (2) は 0 度、90 度の みで高い値を示し、ほとんど変化がなかった。これは この評価値はユークリッド距離を利用したものであ 構成パターンである格子状の 0 度、90 度という方向性 る。本研究での類似度 R は、この評価値を正規化し、 を反映しているためである。類似度 R については、道 0 ≦ R ≦ 1 の値をとるものとする。比較した画像が似 路数の変化が大きいほど小さい類似度が算出され、変 ていれば 1 を取り、似ていなければ 0 をとる。 化に合わせて値が変化していることがわかる(表 1)。 次に道路の角度を変えた場合を考える。まず、2本 2-4. 基本構造 都市形態に二次元フーリエ変換を適用した際の動径 の道路を十字に交差させたパターン 7 を作成する。次 、類似度 R の挙動を見 に、パターン 7 を反時計まわりに 30 度、60 度、90 度 るため、基本パターンをいくつか作成し、二次元フー 回転させたパターン 8 ~ 10 を作成し、二次元フーリ リエ変換を適用した。 エ変換を適用した(図 7)。 方向分布 、角度方向分布 まず道路を増やした場合の挙動を見る。白線を道路 と見立て、白線数を 2、4、6、10、18、38 と増やした はパターン 7 と 10、パターン 8 と 9 がほぼ同じ 挙動を示した。 が二つの違う波形を示したのは、 道路長の違い、また回転による濃度変換の為だと思わ れる。 については、回転角度と同様に一定の間隔 ర↹ T T q C േᓘᣇะಽᏓ 図 5 動径方向分布 ర↹ q േᓘᣇะಽᏓ ⷺᐲᣇะಽᏓ q D ⷺᐲᣇะಽᏓ 、角度方向分布 േᓘᣇะಽᏓ 例:札幌 ⷺᐲᣇะಽᏓ T T q q q q q q q q q ࡄ࠲ࡦ 㧔࿁ォⷺᐲ q㧕 T T q q q ࡄ࠲ࡦ 㧔⊕✢ᢙ 㧕 T T q ࡄ࠲ࡦ 㧔࿁ォⷺᐲ q㧕 T T q q q ࡄ࠲ࡦ 㧔⊕✢ᢙ 㧕 T T q ࡄ࠲ࡦ 㧔࿁ォⷺᐲ q㧕 T T q q q ࡄ࠲ࡦ 㧔⊕✢ᢙ 㧕 図 6 道路数を増やした場合の挙動 䊌䉺䊷䊮㪈㩷 䊌䉺䊷䊮㪉㩷 䊌䉺䊷䊮㪊㩷 䊌䉺䊷䊮㪋㩷 䊌䉺䊷䊮㪌㩷 䊌䉺䊷䊮㪍㩷 䊌䉺䊷䊮㪈㩷 䊌䉺䊷䊮㪉㩷 䊌䉺䊷䊮㪊㩷 䊌䉺䊷䊮㪋㩷 䊌䉺䊷䊮㪌㩷 䊌䉺䊷䊮㪍㩷 ⊕✢ᢙ 㪉 㪋 㪍 㪈㪇 㪈㪏 㪊㪏 㪉 㪋 㪍 㪈㪇 㪈㪏 㪊㪏 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪋㪍㪌㪉 㪇㪅㪋㪌㪏㪍 㪇㪅㪊㪌㪋㪈 㪇㪅㪈㪊㪏㪌 㪇㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪋㪍㪌㪉 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪎㪏㪎㪎 㪇㪅㪌㪌㪏㪊 㪇㪅㪋㪉㪋㪐 㪇㪅㪊㪉㪎㪌 㪇㪅㪋㪌㪏㪍 㪇㪅㪎㪏㪎㪎 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪍㪇㪎㪉 㪇㪅㪋㪏㪌㪈 㪇㪅㪊㪏㪊㪐 T q 図 7 回転させた場合の挙動 表 1 道路数を増やした場合の類似度 R 䊌䉺䊷䊮 T ࡄ࠲ࡦ 㧔࿁ォⷺᐲ q㧕 㪇㪅㪊㪌㪋㪈 㪇㪅㪌㪌㪏㪊 㪇㪅㪍㪇㪎㪉 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪌㪈㪊㪉 㪇㪅㪊㪎㪐㪎 㪇㪅㪈㪊㪏㪌 㪇㪅㪋㪉㪋㪐 㪇㪅㪋㪏㪌㪈 㪇㪅㪌㪈㪊㪉 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪌㪍㪏㪏 表 2 回転させた場合の角度方向成分 㪇㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪊㪉㪎㪌 㪇㪅㪊㪏㪊㪐 㪇㪅㪊㪎㪐㪎 㪇㪅㪌㪍㪏㪏 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 䊌䉺䊷䊮 䊌䉺䊷䊮㪎 ࿁ォⷺᐲ 䊌䉺䊷䊮㪎 䊌䉺䊷䊮㪏 䊌䉺䊷䊮㪐 䊌䉺䊷䊮㪈㪇 14-2 㪇㫦 㪊㪇㫦 㪍㪇㫦 㪐㪇㫦 㪇㫦 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪈㪊㪍㪎 㪇㪅㪈㪊㪍㪏 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 の類似度 R θ 䊌䉺䊷䊮㪏 㪊㪇㫦 㪇㪅㪈㪊㪍㪎 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪈㪊㪍㪎 䊌䉺䊷䊮㪐 㪍㪇㫦 㪇㪅㪈㪊㪍㪏 㪇㪅㪇㪇㪇㪇 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪈㪊㪍㪏 䊌䉺䊷䊮㪈㪇 㪐㪇㫦 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 㪇㪅㪈㪊㪍㪎 㪇㪅㪈㪊㪍㪏 㪈㪅㪇㪇㪇㪇 対象年代は現在と約 100 年前とする。対象地区を市 でグラフ上を移動していることがわかる。都市形態に 当てはめて考えると、 街地の広場、メインストリート上を中心とする 1.5km は道路の方向性を表してい の × 1.5km とし、街区を黒、道路を白とした地図画像 みを特徴ベクトルとした類似度 R θ を見ると、パター を作成した。画像の解像度は二次元フーリエ変換の ン 7 ~ 10 は都市形態的に考えれば同じものであるの 特性を考慮し、512 × 512 と設定した。トレースの元 に、0.13 前後と小さい値が算出されるという問題が起 にした地図は各国の測量機関発行の縮尺 1:20,000 ~ きている(表 2)。これは評価式 (2) において、同角度 1:25,000 の地図を使用した。 の 3-2. 経年比較結果 る特徴ベクトルであることが言える。しかし、 を比較していることが原因である。これを解決 表 3 に結果を示す。全体的に欧州都市は高い値を、 するためには、元画像の道路の方向性を一致させる必 要がある。そこで、 日本都市は低い値を示し、欧州都市の経年変化が小さ のグラフを水平に1度ずつず く、日本都市の経年変化が大きいことがわかる。 らす、つまり擬似的に元画像を1度ずつ回転するとい う作業を行い、ずらす度に類似度 R θ n を算出する。そ 日本において、さいたま市大宮が最も低い値を示し して、最も高い類似度 R θ max を示す角度が道路の方向 ている。かつては門前町として栄え、100 年前までは 性の一致している角度であり、その類似度 R θ max が二 その骨格が残っているが、現在では、都市近郊という 画像間の正しい値となる。 こともあり、大きな変容を遂げている(図 8)。そのため、 以上より、 低い値が算出されたのだと考えられる。 の値からは人が見て判るレベルの都 欧州においてはすべての都市で高い値を示している 市形態の具体的な特徴を 述べることはできないが、そ の形態的特徴を精確に捉えていることがわかる。また、 が、その中でも特にバロック都市、城塞都市において 高い値を示している。これはバロック都市ではブール は都市形態の方向性を表しており、都市形態に適 ヴァール、城塞都市ではかつて城壁であった位置の街 用する際の問題点、解決策を把握することができた。 路などの都市の骨格がそのまま残り、ほとんど変わっ 3. 日本と欧州の経年比較 ていないことが多いため、高い値が算出されたのだと 3-1. 対象都市・対象画像 思われる(図 9)。 日本都市 14 都市(出雲、熊本、さいたま、神戸、堺、 名古屋、奈良、成田、日光、函館、姫路、弘前、広島、 4. 日本と欧州の都市間比較 横浜)と欧州都市 14 都市(アムステルダム、ウィー 4-1. 対象都市・対象画像 ン、ヴェネツィア、コペンハーゲン、ストックホルム、 経年比較と同様に、日本都市 14 都市と欧州都市 14 チューリッヒ、トリノ、ナポリ、パリ、フィレンツェ、 都市の合計 28 都市を選定した。対象年代は現在とし、 ヘルシンキ、マドリード、ローマ、ロンドン)の合計 対象地区、作成画像については経年比較と同様に、範 28 都市を選定し、経年比較を行った。 囲 1.5km × 1.5km の解像度 512 × 512 とした。 表 3 経年比較結果 ㇺᏒฬ䋨᰷Ꮊ䋺࿖ฬ䇭ᣣᧄ䋺⋵ฬ䋩 ᰷ Ꮊ ㇺ Ꮢ ᣣ ᧄ ㇺ Ꮢ 䉝䊛䉴䊁䊦䉻䊛㩷䋨䉥䊤䊮䉻䋩 䉡䉞䊷䊮㩷䋨䉥䊷䉴䊃䊥䉝䋩 䊯䉢䊈䉿䉞䉝㩷䋨䉟䉺䊥䉝䋩 䉮䊕䊮䊊䊷䉭䊮㩷䋨䊂䊮䊙䊷䉪䋩 䉴䊃䉾䉪䊖䊦䊛㩷䋨䉴䉡䉢䊷䊂䊮䋩 䉼䊠䊷䊥䉾䊍㩷䋨䉴䉟䉴䋩 䊃䊥䊉㩷䋨䉟䉺䊥䉝䋩 䊅䊘䊥㩷䋨䉟䉺䊥䉝䋩 䊌䊥㩷䋨䊐䊤䊮䉴䋩 䊐䉞䊧䊮䉿䉢㩷䋨䉟䉺䊥䉝䋩 䊓䊦䉲䊮䉨㩷䋨䊐䉞䊮䊤䊮䊄䋩 䊙䊄䊥䊷䊄㩷䋨䉴䊕䉟䊮䋩 䊨䊷䊙㩷䋨䉟䉺䊥䉝䋩 䊨䊮䊄䊮㩷䋨䉟䉩䊥䉴䋩 㔕Ꮢ䋨ፉᩮ⋵䋩 ᾢᧄᏒ䋨ᾢᧄ⋵䋩 ᚭᏒ䋨ᐶ⋵䋩 䈘䈇䈢䉁Ꮢᄢች䋨ၯ₹⋵䋩 ႓Ꮢ䋨ᄢ㒋ᐭ䋩 ฬฎደᏒ䋨ᗲ⍮⋵䋩 ᄹ⦟Ꮢ䋨ᄹ⦟⋵䋩 ᚑ↰Ꮢ䋨ජ⪲⋵䋩 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リングを行い、4つのクラスターに分類した(図 11)。 城下町が格子状の街区をしており、また近代に開港・ ⅰ.一方向格子型 整備された多くの港町は格子状の街区を形成している 格子状街路が一方向にのみ広がっている。属する都 ため、このような傾向が出たと考えられる。一方、欧 市は堺、名古屋、奈良、日光、姫路、広島、トリノ。 州では格子状の都市計画がなされたところや近代に開 ⅱ.多方向格子型 発された港町は格子状をしているが、その他のバロッ 格子状街路が異なる方向にいくつか重なったもので ク都市や城塞都市ではかつての都市の骨格がそのまま ある。属する都市は出雲、熊本、さいたま市大宮、神戸、 残っている。そのため、街区が一定の形を持たず、街 函館、横浜、コペンハーゲン、ストックホルム、ヘル 路が多方向に広がる都市が多いのだと考えられる。特 シンキ、マドリードで、港町である都市が多い。 に旧市街地を持つ都市ほどこの傾向が強い。 ⅲ.多方向分散型 一定の方向に街路が広がっているのではなく、多方 5. 総括 本研究ではフーリエ変換による画像認識を日本都 向に分散しているものである。属する都市は成田、弘 前、アムステルダム、ウィーン、チューリッヒ、パリ、 市、欧州都市の都市形態に適用することで、それぞれ フィレンツェ、ローマ、ロンドンで、城塞都市が多い。 の都市の経年比較、都市間比較を行った。この先の展 ⅳ.多方向小街区型 開として、都市政策などの他の要素との関連性がない 多方向に街路が広がり、街区が小さく迷路状の構造 か調べることで、都市計画の際の助力としたい。 をしている。属する都市はヴェネツィア・ナポリ。 参考文献 以上のように分類できたが、全体的に格子状の都市 1) 酒井幸市:画像処理とパターン認識入門 - 基礎から VC#/VC++.NET によ るプロジェクト作成まで -、森北出版株式会社、2006 年 形態は日本都市に多く、多方向に分散している都市形 2) 都市史図集編集委員会編:都市史図集,彰国社,1999 年 態は欧州都市に多いといえる。日本においては多くの 3) 日端康雄:都市計画の世界史,講談社現代新書,2008 年 14-4