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グループヒアリング(インタビュー)の進め方 暮らしと健康を考える ひとこと

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グループヒアリング(インタビュー)の進め方 暮らしと健康を考える ひとこと
グループヒアリング(インタビュー)の進め方
グループでの話し合いの内容を録音し分析することが普通です。
しかし、実際すべての単語をテープおこしして記録していくことは大変です。むしろ話
し合いの、いろいろな要素が出てくる過程が大切であり、それを受けて個人個人が思った
ことの「一押しを」書いてもらうといった進め方など工夫してみてもよいでしょう。
Step1
司会者:
「自分の身近な困ったこと、不便なこと、不安、あるいはこのような暮し
がしてみたいとか、自分がこういう風になったらいいなーといったこと
を自由に話してみましょう」
参加者:フリーディスカッション 30 分~45 分程度
順番は決めてもよし、自由でもよし。話題がきれたら次の方へ
記録者: 適宜ディスカッションの内容を黒板又は模造紙などに記載します
*この記録はグループヒアリング(インタビュー)の分類わけの際に活用します。
Step2
ディスカッション終了後に、下記用紙に回答していただき、回収します。
暮らしと健康を考える
ひとこと(イチオシ)カード
(グループヒアリングで活用するカードの例)
年齢
歳
性別
男
・
女
住所(地域・地区)
1
自分がこうありたいなと思うことはなんですか?
例)毎日をさわやかにすごしたい
2
いま困っていることはなんですか?
例)朝から調子がすぐれない日が多い
3
どうしたら解決できるでしょうか?
例)運動してストレスを発散する(素敵な友人を見つける)
4
健康法をひとこと提言してください
(なにか健康について提案、自分がやっている健康法があればご紹介ください)
ありがとうございました
*
参考:福永一郎
著 ホンネで語る保健計画
P99
このひとことカードを記入していただくことで、雑談の延長で話が変な方向に進んだ
場合でも、皆さんの思いと願いをきちんと拾いあげることができます。
また、回答する側も、自分の望んでいる姿とか困っていることなどを、ひとつに集約
する作業を通じ、いま直面している一番大きな問題を認識することもできます。
Step3
1回目は話し合いで終了し、2回目に前回の記録を参考にしていただくために、
記録を印刷し配布します。
4
Step4
グループヒアリング結果を整理します
地区での情報を地区でのプリシード・プロシードモデルにより整理(例)
段
階
項
社会診断
QOL
疫学診断
健康
行動・環境
行動
教育組織診
断
目
内 容
心穏やかに元気ですごしたい。
毎日健康で過ごしたい。
自分で自分のことができる。自立した生活を送りたい。
人に迷惑をかけない。
生涯現役で PPK。
長く仕事を続けたい。
充実した毎日をおくりたい。
笑顔、笑いのある生活をおくりたい。
などなど
体力の低下
肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病
腰痛、ひざの痛み、肩こり
更年期、過労、疲労
メンタルヘルス(神経質、精神的なもの)不安、イライラ
食生活に気をつける
気分転換を図る。外出する。外で遊ぶ。趣味を持つ。
挨拶をする。人と会話する。交流する。
気の持ちよう(明るく)を心がける。プラス思考でいく。
地域行事への参加。人の集まりに参加する。
運動する。体を動かす。ウォーキングをする。
適当な休養をとる。十分な睡眠をとる。
ストレス解消法を持つ。自分のことは自分でする。
家の中を片付ける。自然を親しむ。
気の合う仲間、友人関係をつくる。
環境
時間の確保。経済的余裕。安眠の確保。
家族や友人が近くにいる。家庭環境、家族関係が良好である。
運動場所の確保。公共サービスの充実。安全の確保。
医療機関の確保。スーパーなど商店の充実。
人間関係、近所づきあい。
保健福祉サービス施設の充実。
準備因子
やる気、気持ちの持ちよう。
常に向上心をもつ。何かやろうとする意識を持つ。
運動をこころがける。無理をしない。楽しいことを探す。
なにか打ち込める趣味を探す。まず行動してみる。
強化因子
家族の理解。周囲の励まし。やり遂げたという達成感。
愚痴を言い合える仲間。笑い合える仲間。
実現因子
サポート機関。安価に利用できる運動施設。
親切に対応、説明してくれる医療機関。
政策運営診
断
健康教育
市町村の出前健康教室の充実。
生涯学習内容、回数、場所の充実。
制度法規組
織
医療費、介護保険料の改善
ボランティアの養成・育成。
自治体活動の活性化。
5
Step5
出された生活上の満足、不満、不便さなどに関する情報から、少し発展し、健康
上の課題や保健行動や環境の問題など参加者の関心ごとにも目をむけ考えて見まし
ょう。
このグループヒアリングには 4~5 回の開催を要します。
最初の 2 回は、主に「目的目標」に属する QOL、健康、保健行動、環境の問題点を
あげてもらいます。ここでは、条件や活動については話の流れであげられる程度と
し、具体的な話し合いは 3 回目以降とします。
2 回の話し合いの内容、経過を整理し、3 回目に「生活や健康上の問題点や理想の
姿」を想像していただき、「何が必要か?」「どうやったら解決するか?」について
話し合っていただきます。
この話し合いを 2~3 回繰り返し、重要点を住民が自ら考えると思われる「条件」
「活動」の視点として記録します。
これは、計画策定段階で住民があげた主体的「条件」「活動」として参考又は活用
することができます。
●
グループヒアリング項目から調査質問作成への具体例
例)ヒアリングで抽出された項目 「毎日を健康で過ごしたい」
→普段の健康状態はいかがですか?
1 健康だと思う
2 あまり健康ではない 3 健康ではない
例)「自立した生活を送りたい」
→自立度をたずねる質問にします
・身の回りのものの管理はできますか?
・体が不自由で外出するのに不便はないですか?
例)「人とふれあいを大切に」
→実際に人的ネットワークを尋ねる
・身近なこころがほっとする友人はいますか?
・近所の趣味などの集まりにでかけていますか?
例)「食生活に気をつける」
→「行動」として実際の食生活をききます
・栄養のバランスの取れた食事をしていますか?
→「意識」として食生活で気をつけていることをききます
・朝食は必ず食べるように心がけていますか?
抽出された内容をダイレクトに聞く方法もありますが通常はこのようにヒアリング
で抽出された内容を、別の表現や聞き方に置き換えて質問します。
参考:
福永一郎著
ホンネで語る「保健計画」
6
保健計画総合研究所
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