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夏学期マクロ経済学 課題6解答

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夏学期マクロ経済学 課題6解答
夏学期マクロ経済学 課題6解答∗
2010 年 7 月 8 日
応用篇・第 4 章
1
タコ・ベルが自由の鐘を購入すれば政府収入が増え、財政赤字が減り、結果政府債務を減らすこ
とになると考えられる。しかし、資本予算が採用されていたら資産の減少と負債の減少が相殺され
るため、変化はない。なお、広告が掲載されたのはエイプリルフールである。
3
1. 高齢者のほうが若者よりも限界消費性向は高いと考えられる。それゆえ、全体の消費水準が
高くなる。
2. 各世代が利他的に結びついていれば、高齢者は将来世代のために遺産を残そうとすると考え
られ、消費の増加が抑えられる。
応用篇・第 6 章
1
資本のレンタル料は M P K に等しく、資本コストは (PK /P )(r + δ) である。また、投資関数は
I = In [M P K − (PK /P )(r + δ)] + δK
とかける。
1. 資本のレンタル料は変わらない。資本コストが上昇し、投資は減少する。
2. 資本ストックの減少に伴い、資本の限界生産性は逓減的なので上昇する。したがって資本レ
ンタル料は増加。資本コストに変化なし。投資は増加する。
3. 労働投入が増加しているので資本の限界生産性は上昇し、資本レンタル料は増加する。資本
コストに変化はなく、投資は増加する。
∗
一部は略解であり、試験の際にはもっと丁寧な解答が求められる。
1
2
すでに保有している石油の価値に対する課税と考えれば、この税が一回限りである場合、資本の
限界生産性および資本コストに影響はない。したがって企業固定投資に影響はない。しかし、資金
調達制約に直面している場合、投資は企業が現在得ている利潤に依存する。税によって利潤が減少
するので、投資は少なくなる。
3
1. 考えられる理由を挙げる。
• 新古典派モデルによれば、労働が増加すると資本の限界生産性は高まる。仮に国民所得
の上昇が労働の増加によってもたらされた場合、資本の限界生産性が高まり、投資が増
える。
• 資金調達制約に直面していれば生産の増加によって投資に回すことのできる額が増
える。
• 所得の増加によって住宅需要が増え、住宅の価格が上昇し、住宅投資を促す。
• 加速度モデルによれば生産が増えるほど在庫投資が増加する。
2. 上巻第 8 章にならって計算すればよい。政府購入が ∆G だけ増えたとき、最初の所得の変
化は ∆G である。この所得の変化により、消費が M P C × ∆G だけ増え、投資が a × ∆G
増加する。これを繰り返すことで、
∆Y = ∆G[1 + (M P C + a) + (M P C + a)2 + . . . ]
を得るから、政府購入乗数は
∆Y
1
=
∆G
1 − MPC − a
となる。同様にして、租税乗数は
∆Y
MPC
=−
∆T
1 − MPC − a
である。
3. b で求めたように、政府購入が ∆G 増えたときに IS 曲線が
∆G
1−M P C−a
右にシフトする。こ
れは基本的な IS-LM モデルでのシフト幅よりも大きい。図より明らかに所得と利子率は上
がる。所得が増加するから、消費も増える。ただし、基本的な IS-LM モデルとは違い、投
資の増減は決まらない。利子率の増加は投資に負の影響を及ぼすが、所得増は投資を増やす
効果を持つからである。
2
r
LM
∆G/(1-MPC-a)
IS
IS
Y
入門篇・第 4 章
2
教科書の表記に従えば、失業者の変化分 ∆U は、新たに職を失う人 sE と新たに就職する人 f U
の差であり、
∆U = sE − f U
= s(L − U ) − f U
= sL − (s + f )U
で表される。両辺を L で割って整理すると、
∆U
= (s + f )
L
s
s+f
が自然失業率であり、失業率
U
L
(
s
U
−
s+f
L
)
が自然失業率よりも大きければ ∆U < 0、すなわち失業が減
少する。逆は逆になる。
3
恋人がいる人の数を Y 、いない人の数を N とする。定常状態では
0.1Y = 0.05N
が成立するので、寮生全体に対する恋人がいない人の比率は
N
2
=
Y +N
3
である。
3
入門篇・第 11 章
1
p.381、図 11-1 を参照。
a. 価格の変化に対して名目賃金が調整され、実質賃金が一定になる。それゆえ価格の変化が雇
用や生産に影響せず、総供給曲線が垂直になる。
b. インデクセーションがまったくない場合と比べて価格の上昇に対する実質賃金の下がり方が
小さい。それゆえ、雇用と所得の変化も小さくなる。以上により、総供給曲線の傾きは急に
なる。
3
a. π = π−1 とすればよい。よって、u = 0.06。
b. 以下のとおり。
π
long run
π -1
0.5
short run
1
0.06
u
c. π − π−1 = −0.05 より、u = 0.16。したがって循環的失業は 10 パーセントポイントであ
る。オークンの法則より、1 パーセントポイントの失業率の変化は 2 パーセントポイントの
GDP の変化になる。よって、20 パーセントポイントの GDP が犠牲になっており、またイ
ンフレ率は 5 パーセントポイント低下しているから、犠牲率は 4。
d. フィリップス曲線の式より、例えば
• 失業率を 16 パーセントにする
• 8 パーセントの失業率を 5 年間保つ
などが考えられる。
4
4
期待インフレ率が下がるから。
信頼性をあげるために、例えばインフレ抑制派として名高い人を政策運営の立場につかせること
などが考えられる。
5
総供給曲線は Y = Ȳ + α(P − P e ) である。
a. マネーサプライの変化がすべて予想されたものである場合、P = P e になるから。
b. 中央銀行がマネーサプライを決定するときに用いた情報を用いて合理的期待を持つ人々も価
格を予想し、必ず P = P e になるため。
c. 中央銀行が人々よりも多くの情報を用いてマネーサプライを決定するので、人々の予想と異
なるマネーサプライの変化および価格が実現することによる。
6
a. 履歴現象から説明できる。p.410-411 を参照。
b. 中央銀行は π1 − π0 = −1 とし、その後のインフレ率を一定に保つ政策を追求している。こ
こで、簡単化のため第 1 期の自然失業率 un
1 は初期状態の失業率に等しいと仮定する。つま
り、un
1 = u0 。このとき、
π1 = π0 − 0.5(u1 − un1 )
より、u1 − un
1 = 2。ここで、第 2 期のインフレ率は第 1 期のインフレ率と等しくするので、
π2 − π1 = 0 より、u2 − un2 = 0。ここで、
un2 = 0.5(u1 + u0 )
= 0.5(un1 + 2 + un1 )
= un1 + 1
であるから、
u2 = un2 = un1 + 1
となる。これと u1 より、un
3 (= u3 ) を計算できる。以上を繰り返すことで、つねに失業率が
un1 よりも 1 パーセントポイント以上大きくなることが分かる。
c. 無限大になる。
d. 履歴現象があると短期的にだけでなく長期的にも失業とインフレーションのトレードオフが
発生する。インフレ率を下げようとすると恒久的に失業率が高くなってしまう。(履歴現象
がない場合は失業とインフレーションの短期のトレードオフは存在するものの長期的なト
レードオフはない。
)
5
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