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積層接着された木材の内部応力に関する研究

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積層接着された木材の内部応力に関する研究
積層接着された木材の内部応力に関する研究
AMHH
)
市ム
(
代
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p
-
純
椋
目次
緒
言…・…・…ー・ー・……・…・ー………・・・ H ・ H ・-…................・ H ・-……....・........…… 2
I
E
既往の研究……...………・……-…-………・…......・ H ・...……………….....・ H ・....
2
応力緩和および残留ひずみと弾性係数ーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ー・ー.......................
4
:
r-1
:
r-2
:
r-3
E
研究の目的・ H ・ H ・-…...・ H ・..……...・ H ・-……...・ H ・.....・ H ・..……一一…...・ H ・....…..
実
験
方
4
法・………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ーーー・・・・・・・・・・........ 4
実験結果および考察...・ H ・..……...........…・・………・…...・ H ・..………...・ H ・.....・ H ・.....
7
積層接着された木材中の残留応力・.....…・……・..........…...・ H ・-……………・…………… 12
ill-1
研究の目的…・........……………… H ・ H ・-………・………………….........… H ……ー 12
i
l
l
2
残留応力と接着剤の種類'"・ H ・-…………...・ H ・ H ・ H ・.._.…・……・-……・......……・・……… 12
i
l
l
3
残留応力と接着時の熱圧温度・.....・ H ・-・…… H ・ H ・..……...・ H ・..………………....・ H ・ ......18
ill-3-1
単板積層板….....・ H ・....…....・ H ・-…・…………....・ H ・-……………… H ・ H ・ ....18
ill-3-2
合
板・……-……………・・……………… H ・ H ・-…ー… H ・ H ・...…-… ...19
i
l
l
3
3 実験結果および考察…………………・…….............・ H ・-・…………......・ H ・-… ..21
i
l
l
4 残留応力と被接着材の含水率………・……....・ H ・...…………一………………....・ H ・ .....25
i
l
l
4
1 応力解析方法・・ H ・ H ・-・・…....・ H ・.....…………………...・ H ・-…………....・ H ・ .....25
ill-4-2
実験方法・……-・・……・…....・ H ・-………・…・…・…・・…-…・……....・ H ・・… 25
i
l
l
4
3 実験結果および考察…………………....・ H ・......・ E ・-…...・ H ・-・…… E ・ E ・-…・・ H ・ H ・… 25
ill-5
W
考
察・……....・ H ・...…ー・ H ・ H ・...……・・……・…・…・・………・………-…・...・ H ・ ...26
積層接着された木材の含水率変化によって発生する内部応力……………………………… ..27
I
V
1
ひき板集成材・………・・・… H ・ H ・.....…....・ H ・.......……….....・ H ・.....…・…....・ H ・ ......27
IV-1-1
研究の目的………....・ H ・........・ H ・-……・……...・ H ・-……………… H ・ H ・..… 27
IV-1-2
応力解析方法…....・ H ・..……・…...・ H ・-…・…・……・…………...........・ H ・……… 28
I
V1
3
実
験
方
法司............................................................._._.._.............・・・・・却
I
V-1-4 実験結果および考察……...・ H ・-……....・ H ・-……・・ H ・ H ・..…………………・…・…・ 31
I
V
2 ひき板集成材のはく離と内部応力との関係……………………………………….....・ H ・ .41
I
V2
1 はく離促進試験方法.................................................................・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
百 2-2
IV-3
実験結果および、考察-………・・……………・........………...・ H ・..……………....・ H ・ ..50
化粧集成柱……・…・……ー……………………………...・ H ・..………・ H ・ H ・....…・・ 53
I
V-3-1
研究の目的………………...・ H ・...…………...・ H ・-…………...・ H ・..………・・…・・ 53
I
V-3-2
応力解析方法…………一・…………………-………-………………ー…....・ H ・ 53
町 -3-3
実験
方
法…・・ H ・ H ・・…....・ H ・-….....・ H ・.......・ H ・..…・・ー・ H ・ H ・...……....・ H ・ ..55
I
V-3-4 実験結果および考察……・…・・………………………………………・...・ H ・……… 56
総
括…....・ H ・...・ H ・-…………・…・…・・……・…・…………………………… 63
文
献………・…・・…....・ H ・-…-……………………………....・ H ・.....……… ..66
Rるsumé ………・・・田・・…・・・…・・・・・・… 一…… 一...………… 一… ・-…… 一 一・・・…… ・-…・・・…・ ・ ・・ ・・… 68
(1) 元木材部材料科物理研究室・現京都府立大学農学部助教授,農学博士
-
2
ー
林業試験場研究報告第 211 号
緒言
木材の接着に関しては,従来主として接着埋論,接着剤について研究され,これらの研究結果は近年に
おける合成樹脂化学工業の発展と相まって,合板句集成材,パーティクルボードなど.接着工程を必要と
する工業をめざましく発展させた。
しかしながら,これらの接着された木質材料は,木材のもつ異方性の改良司節などの欠点の除去あるい
は分散による強度的性質の改良,ノl 、径木の利用など幾多の長所をもっ反而,接着されたことによって.は
く離ー割れ,狂いなどの欠点を生じている。
接着された木材聞の物理的性質,力学的性質の差異に基づく内部応力が大きく影響すると考えられてい
るはく l枇害IJ れ.狂いなどの欠点に対しては司従来製品あるいは試片によってこれらの現象を観測して経
験的に適合条件を模索するという方向がとられてきた。
しかしながら,これらの問題はその起因と考えられる内部応力との関連において研究されなければ本質
的な解決は不可能であると考えられる。
このように接着された木材中の内部応力は.重要な意味をもつにもかかわらず実際の応力状態について
は全く研究されていないといっても過言ではない。
本研究は積層接着された木材の内部応カについて,理論的ー実験的に解析し,内部応力の実態を明らか
にして,集成材,合板などの積層接着された木質材料の欠点防止の方策を考察し,これら製品の製造法の
確立に寄与しようとしたものである。
本研究を行なうにあたり.種々ご配慮をいただいた林業試験場上村武木材部長,加納孟材料科長崎蕪
木自輔物理研究室長,その他関係者の方々,また本論文の取りまとめにさいして多くの助言をいただいた
京都大学農学部中戸葵ニ教授ならびに木材研究所満久崇磨教授に対し深じんな謝意を表する次第であるコ
I
既往の研究
D E BRYNE ら 1) および BIKERMANN 2 ) は,接着における内部応力の重要性を指摘しているが,これに
ついての研究は少ない。
小畠ら 14 )1日は,金属接着において,接着層中に生ずる残留応力が接着強度の低下をもたらすとの考えを
持って,金属ーフーラスチックー金属積層材中のプラスチック板の熱応力について解を求め.これと光弾性
の結果とがよく一致するとしているがラこの結果は Fig. IV-19 に示す。
一方,木材が乾燥して収縮する際の内部応力について, ~CHNIEWIND は次のように分類している則。
第 1 次内部応力
細胞膜の層状構造によるもので,単一細胞に発生する応力。
第 2 次内部応力
顕微鏡的構造によるもので,収縮量を具にする組織または細胞集合体に発生するもの。
第 3 次内部応力
乾燥中の水分傾斜,成長域(アテと正常木部)での収縮量の差異にもとづく内部応力のように肉眼的構
造におけるもの。
接着によって生ずる内部応力の発生段階についても,微視的ないし巨視的には同様なことがいいうるだ
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
3
ー
ろう。このなかで主として第 3 次内部応力が主要な役割を演じるものと考えられる。この巨視的な第 3 次
内部応力については,従来 ELLWOOD 3 ペ
McMILLEN 3 山久
YOUNG 34 )36 >, YOUNG and NORRIS 35 ) ,ノj 、
倉37) ,福山 38)39) などによって主として乾燥応力について研究された。
接着によって生ずる内部応力については,
DIETZ ら 1引が集成材の接着層に生ずる応力を数学的に解析
して,次のような結果を示し,上下面からの乾燥によって生ずる接着層に垂直な応力が,側面で高いこと
を指摘している点が注目される。
2plies のひき板集成材について
1
) 一方のひき板が一様に含水率変化をうけた場合,両側面の付近の接着層に次式で示される最大せん
断応力 TO m 吋を生ずる。
T Omax =0.7ε0 v'7I百二7
ただし, ε。 =a(ili2-!l11)
日:含水率 1% の鋭化にともなう膨張または収縮率
l
1i
J:初期の含水率
M2:変化後の含水率
Ex
: x 方向の弾性係数
GXY : x-y 面のせん断弾性係数
2
) ひき板の厚さ方向の含水率変化が上下面より放物線状に生じている場合,両側面の接着層に生じる
層に垂直な最大応力 σOm αz は
σ。… =0.45ε O v' Ex 均五百万
ただし,
Ey : Y 方向の弾性係数
井阪19) は合板とプラスチック板を接着した積層板について,含水率変化によって生ずる内部応力をはり
の曲げ理論によってそりと関連させ,そりは次式によって示されるとした。
Y= 立. __!!_ c(1+c 2 )( 日 l 1n l 一日 2 m il_
4
ここでー
1+6ac 2 +4ac 十 4α c 3 + α .'c 4
•J
J
.
.
:
_
H
Y: 積層はりの中央における矢高
α: 合板のはりの軸方向の弾性係数/プラスチック板のはりの軸方向の弾性係数
c :合板の厚さ/プラスチック板の厚さ
H: はりの全高さ
B: はりの長さ
日 1 :プラスチック板の含水率 1% の変化にともなうはりの軸方向の膨張または収縮率
m1: プラスチック板の含水率変化
日 2 :合板の含水率 1% の変化にともなうはりの軸方向の膨張または収縮率
刀22 :合板の含水率変化
しかしながら,上式は力学的観点からそりについての考え方を式によって表わしたに過ぎ、ず,実験値と
は大きな開きを示している 50 。
浅野ら山は,表面から薄片をスライスして生ずる曲率変化から川田の式10) を用いて,集成材中の繊維方
向の内部応力を計算し,ユリア樹脂接着剤の硬化にともなう収縮応力がフェノー/レ樹脂接着剤のそれより
も大きいことを明らかにしたがラスライス片の厚さが 1- 1. 5mm 程度もあったため,接着層近辺の応力
-
4
林業試験場研究報告第 211 号
ー
状態を明確に求めたとはいい難い。
SCHNIEWIND I8 ) は木材の表面割れが放射組織とそれに接する垂直組織との膨張または収縮の差による
応力集中によって生ずると考え,
C
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c
koak(QuercusJ(e
{
{
{
o
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i NEWBERRY.)
聞に接着されたプラスチ y ク板中の,
の 2 枚の板の
Oak 材の乾燥にともなう応力状態を光弾性によって解析し.側面
付近の接着層にせん断応力が集中し,接着層に垂直な大きな応力が表われることを示している (Fig. I
V
20 参照入試片の幅方向の両側面で,接着層における接着層と平行方向の応力およびせん断応力は,理論
的に 0 とならなければならないにもかかわらず,大きい引張応力を示し,またせん断応力が両倶.1]で集中す
るとしている点はおそらく誤っていると考えられる。
KEYLWERTH 25 )-29) は膨張が制約されている場合の接線,半径、繊維方向の膨潤応力およびひずみを測
定し,またコンクリートと接着されたパーケット・フローリングの内部応力について,はりの曲げ理論よ
り検討を加えヲこれと裏打ちコンクリートの破壊との関連について論じている。
則元ら 20)21) は,各種合成樹脂およびラッカーを材函に塗付した場合の内部応力を,応力緩和測定装置と
類似の装置を用いて測定し,硬化過程における応力の発生状態について検討を加えた。
また,接着によって生ずる内部応力に関連した研究として,藤田ら 22) 却の研究があり.引張応力下にお
ける乾燥ひずみの測定を行ない,乾燥割れは,水分が移動しつつある過程での木材実質部分のすべりやす
さに強く影響されることを指摘している。
以上のように,接着によって生ずる内部応力に関する研究は,現在まではほとんど行なわれていない。
また,これらの少ない既往の研究は,はなはだ断片的であるといわざるを得ない現状である。
H
応力緩和および残留ひずみと弾性係数
II- l.研究の目的
接着によって生ずる内部応力の時間的経過は,木材のクリープならびに応力緩和の性質に関連し,非常
に複雑なものと考えられる。これについての知見をうること,および直接には本研究の内部応力解析に必
要な木材の瞬間弾性回復の変位量および弾性係数を求めることに,本章の研究目的がある。
I
I-2.
実験方法
前記の 2 つの目的のために,本研究においては応力緩和試験を行なって,緩和特性を知るとともに.一
定時間後に除荷したときの瞬間弾性回復ひずみ,クリーフ。回復ひずみおよび瞬間回復時における弾性係数
を測定した。
A. 応力緩和測定装置
荷重測定グージ:測定ゲージとして下記仕様の非接着ストレイン・ゲージ(東洋誤,IJ器株式会社製 TI 型)
を用いた。
最大荷重容量, 500g および 1000g
精度,最大荷重容量の::1: 0.25% 以内
最大変位置, :
I
:0.04mm
荷重指示計:電子管自動平衡式指示計(東洋jJlIJ器株式会社製 SS-8D 型)を用いた ο
おりである。
精度,指示計フルスケールの::1: 0.5%
仕様、は下記のと
il-ー
!!:1111iilJi
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代)
電源、変動
-
5
ー
::!::10% 以内において安
定
荷重形式:両端単純支持支点.中央
集中荷重の曲げ方式でスパン 7.5cm
(Photo. 1I-1,
1I -2 参照〉。
調 ìlil!槽:透明塩化ビニール槽に曲げ
試験装置および飽和塩溶液を入れて密
閉し,槽内での操作は槽に装着のゴム
手袋を通して槽の外部より行なえるよ
うにし fこ。
負荷および除荷方法:曲げ試験装置
Photo. 1
I1 応力緩和測定装置
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p
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.
の下部にある微動ネジにより行なっ
た。負街および除荷速度はほぼ 40g/
sec 程度であった。
B. 試片の形状.大きさ
比重 0.45 ,年輪密度 7.5 のエゾマ
ツ (Picea
j
e
z
o
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n
s
i
sCARR.)
同一部材
より採取した厚さ 0.35cm 角
幅1. 5
cm ,長さ 9cm の試片を用いた。
な
お,負荷面(1. 5X9cm) は板目およ
び柾闘である。
C. たわみ測定方法
Photo. II-2
たわみは試片の中央で,読み取り顕
微鏡により 1/100mm まで読み取っ
負荷装置
D
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.
た。負荷または除荷後読み取るまでに約 10 秒程度の時間を要した。
実験は次の項目について行なった。
温度 20 0 C で, Ca(NOa)2'4H 2 0 の飽和溶液上で調湿された試片(平衡含水率 1 1. 79も),トlaCl の
飽和溶液上で調湿された試片(l 6.0~の. Na2COJ'10H 2 0 の飽和溶液上で調湿された試片 (2 1. 4% )を.
おのおのの飽和溶液上の同一温湿度条件下において応力緩和試験を 48 時間行なった。その後含水率 16.0
?仏 2 1. 4% の板目試片では除荷後の瞬筒弾性およびクリープ回復たわみを測定した。瞬間回復弾性係数
は,除荷直前の荷重および瞬間弾性回復たわみより算出し.これらと緩和試験前にあらかじめ同一温湿度
条件下で.含水率 16.0% では1l0g , 21. 4% では 60g の重錘を負荷して比例限度内で約 10 秒後にたわ
みを測定して算出した弾性係数と比較した。
2
) 含水率 16.0% に調湿した試片を,温度 20 0 C.
関係湿度 92% の条件下で 4 日間(最終平均含水率
20.1~ら),含水率 2 1. 4% に調湿した試片を温度 200 C,関係湿度 76.5% の条件下で 4 日間(最終平均含水
率 17.6%) 緩和試験を行なった。
3
) 含水率 16.0% に調湿した板目試片に一定たわみを与えた後,短時間内に湿度変化のサイクルを与
(
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時周
(時周)4h
(h 陪)
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日奇
36
問
TIME
(時周)
48
(hrs)
TIM E
F
i
g
.1
I1 水分平衡状態における応力緩和曲線
ーエゾマツ. i反日試片,平衡含水率 1 1. 7% 一
1': 緩和時の荷重.
1' 0: 初期荷重
F
i
g
.1
I-2 水分平衡状態における応力緩和曲線
ーエゾマツ,板目試片,平衡含水率 16.0%
1':緩和時の荷重.
Po: 初期荷重
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積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
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6
民間
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(時周)
48
(hrs)
F
i
g
.I
I
3 水分平衡状態における応力緩和曲線
ーエゾマツ,板目試片,平衡含水率 2 1. 4% 一
p: 緩和時の荷重,
po: 初期荷重
Thes
t
r
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a
tgrained Ezomatsu
specimens i
n21
.4% m
oisturecontent
.
えて応力緩和状態を調べた。
なお,おのおのの含水率での破壊荷重は,ほぼ次のとおりであった。
板目試片(おのおの 4 試片についての平均値〉
11.7%
920g
16.0%
855g
21
.4%
650g
柾目試験(おのおの 4 試片についての平均値)
16.0%
1220g
21
.4%
1060g
I
I-3. 実験結果および考察
実験結果は,
F
i
g
. II-1-7 , Table II-1 に示すとおりである。
F
i
g
.I
I-1-5 の緩和曲線は初期荷重に対する測定時の荷重の比率で示した。
これらの応力緩和試験結果から次のことがいえよう。
7
ー
- 8-
林業試験場研究報告第 211 号
平均
2f
百
f
22
INI
T
lAL
DEFLECTION LOAD
/6~
~Ibみ量初期街重
/(0係;~r
1+一一+
DESORPTION
90 ト
乾燥過程 2f.4%~ZZY% 。X-一ー一ー-。x
.
_
_
_
I+
+
A 応ORPTl ON
日立 j:i:i盈4宝 /6.0 'Y.
70 品
-
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X。-ー--・-4X
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(mml
(宮)
0.95
/00
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.
2
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2
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250
350
450
0.99
/45
1
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50
200
300
380
500
2
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4
5
3
.
3
3
4.05
60
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ロ
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2
24
36
48
60
7
2
病問
TIME
F
i
g
. II-4
84 (的周) 9
6
(hrs)
水分非平衡状態における応力緩和曲線
ーエゾマツ,板目試片一
Thes
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fadsorbing a
n
c
l desorbing
f
l
a
tgrained Ezomatsuspecimens.
Adsorption:16. か→20.5% , Desorption:2 1. 4• 17.7%.
1)
含水率 1 1. 7-21. 4% の範囲内の水分平衡状態の場合.含水率 1 1. 7. 16.0% では必ずしもそういえ
ないが,与えたたわみ量が大きいほど応力緩和は大で,等しいたわみの場合含水率が低いほど応力緩和は
小である CFig.
I
I-1-3) 。
2
) 水分平衡状態における応力緩和よりも非平衡状態のそれが初期において大きく,等しい含水率変化
範囲の水分非平衡状態について見れば,乾燥過程よりも吸湿過程の応力緩和は大で.応力緩和のひずみ依
存性は明らかでない (Fig. I
I-4-5) 。
-
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代)
9
ー
1Nl
T
IAL
T
lON LOAD
DEFLEC
左がみ量初期信重
(%)
100
(mm)
(宮)
0.27
0.53
0
.76
0
.91
1
.
3
4
150
255
350
500
600
だれみ量
(mm)
初期街壷
0
.41
α97
1
.
5
3
1
.
9
2
150
250
350
450
550
0.30
0
.
7
4
0
.
9
6
1
.
3
8
1.95
110
295
375
590
790
(牢)
α67
214% 匂11.7%1 ~-ーーー-x
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場一一一巻
弓4
今時
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、Z弘、
10
0
3
12
24
3
6
48
60
72
時間
TIME
84 (B奇用) 9
6
(hrs)
F刕. r
r
5 水分平衡および非平衡状態における応力緩和曲線
エゾマツ,柾目試片ー
Thes
t
r
e
s
s relaxat卲nc
u
r
v
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so
f 16.0% moisturec
o
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t
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tspecimens
むlcl
adsorbing , c
l
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s
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b
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g specimens.
Specimen:e
c
l
g
egrained Ezomatsu.
A
c
l
s
o
r
p
t
i
o
n:16.(}-• 20.4% , Desorption:2 1. 4• 17.7%.
水分非平衡状態において著しい応力緩和が見られるのは,細胞膜中のミクロな組織内に発生する内部応
力と,細胞膜実質の可塑化によるものと考えられる。
また,板目,柾目試片で認められるように吸湿過程よりも乾燥過程において応力緩和が小であること
は,次のような理由によると考えられる。
すなわち今吸湿過程において水分子は細胞膜の表面から非結品域に吸着され,表面より間隔を広げつつ
内部まで比較的均等に吸着される。乾燥過程においては,水分子は逆に表面により脱着されるために表面
の間隔は狭くなり,内部よりの脱着は行なわれ難く,したがって水分子の分布状態は不均等となる。同一
含水率時には,この現象のために乾燥過程における表面は吸湿過程よりも乾燥されている。このための弾
性係数の増加に起因しているのであろう。
3
) 緩和時において周期的に含水率変化を急激に与えた場合,その変化が乾燥,吸湿いずれの場合にも
一時的な弾性の回復が認められる (Fíg.
r-6) 。
- 10-
林業試験場研究報告第 211 号
室 乾玉重;JiヤC)
F田E2250r
回
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C
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500
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~わみ量 0.85mm
200
/00
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1
.
0
2
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0
3
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0
4
.
0
50
6
.
0
測定時間
T1M E
(時間 )7.0
(
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r
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F
i
g
.I
I
6 吸湿乾燥の繰返しと応力緩和
ーエゾマツ,板目試片一
Thes
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x
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t grained Ezomatsuspecimens
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o
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y
c
l
i
ct
e
st
.
Specimen:f
l
a
tgrained Ezomatsu
これは乾燥の場合,緩和速度よりも乾燥による弾性係数の増加速度が大であることによるものであり,
吸湿時の場合,乾燥によるセットが吸湿により解放され,その弾性回復速度が,緩和速度よりも大である
ことによるものであろう。
したがって,このような現象は,含水率の変化速度によって影響されるものであろうと推察される。
ARMSTRONG ら叫は,初期含水率 5% および 140% の 36X3/4X3/4 inch の Hoop p
ine(
A
r
a
u
c
a
r
i
a
cumzinghamiiAIT.) を用いた繊維方向の曲げクリーフ。試験において,吸湿
乾燥または乾燥一吸湿のサ
イクルによるクリーフ。状態を測定しているが,この試験においては吸湿の場合にたわみの減少が大きく表
われ乾燥の場合にはほとんど認められない程度である。これは吸湿速度が速いため(含水率 3% から 40
%までの吸湿が約 1 日, 40% から 10% までの乾燥が約 4-5 日と推定される)と考えられる。
本実験では, ARMSTRONG らの実験に比して,乾燥および吸湿速度がきわめて大きいために, F
i
g
.I
I
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
-11 ー
Table I
I1
. 含水率別のクリープ回復たわみ量
Thec
1e
f
l
e
c
t
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d byunloadinga
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x
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i
o
n
クリーフ.回復たわみ/瞬間回復たわみ X100
瞬間回復
初期荷重
Creep r
e
c
o
v
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c
lc
1eflection/lnstantaneous r
e
c
o
v
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r
e
c
lc
1e
f
l
e
c
t
i
o
nX 100
たわみ
経過時間
n
s
t
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nt
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I
n
it
i
a
ll
o
a
c
l I
r
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c
o
v
e
r
e
d
c
1e
f
l
e
c
t
i
o
n
含水率 2 1. 4% ,
Periodfromu
n
l
o
a
c
l
i
n
gt
omeasuring (min)
分
5
|10
分 I 15
分 I 20
分 I 25
分|ぬ
分
M.C.21.4%
g
%
%
立1m
1
.24
27.42
28.22
350
1
.23
24.39
25.20
1
9
5
0.90
13.33
15.56
50
0.26
9.62
11
.54
450
含水率 16.0% ,
M.C. 16.0%
.82
11
500
2.03
5.91
8.37
9.85
10.84
11.58
350
1
.46
8.22
10.96
13.70
14.73
1
5
.
4
1
15.75
250
0.98
13.27
16.33
18.37
19.39
19.90
20.41
150
0.54
6.48
9.26
.1
1
11
12.04
1
2
.
4
1
12.96
100
0.39
5.13
6.92
7.69
7.69
7.69
7.69
試片:エゾマツ,板目
Specimen:f
l
a
tg
r
a
i
n
e
c
l Ezomatsu.
-6 のような結果を示したものと恩われる。
4
)
除荷後 30 分におけるクリーフ。回復たわみは,高含水率時ほど,
また大きいたわみを与えたときほ
。
、ノ
唱目ム
E
e
‘、
JE
LV
る
し
て
一一小
M32
ど大きい。なお,瞬間弾性回復ひずみ測定上の時間的な遅れにつれて.含まれる誤差も大きくなることを
殺
-十
出 4EEE
童話
•
200
500
600
700
-初期街皇(守}
+
喜一 10
400
300
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刷本山崎帆板削
室。
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1
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A(
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回
-20
F
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. II-7
初期荷重と回復弾性係数
エゾマツ,板目試片ー
Ther
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.
Specimen:f
l
a
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r
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i
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e
c
l Ezomatsu.
岨酬
林業試験場研究報告第 211 号
- 12-
5
) 瞬間回復弾性係数 (Fig. I
I-7) について,次のようなことがいえよう。すなわち,与えられたた
わみが大きいほど瞬間回復弾性係数は低下する。しかし,この実験においては,瞬間回復たわみの測定に
時間を要しているためクリープ回復たわみが多少含まれているので,図示の値よりも低下は少ないと考え
られる。
また,小さなたわみの場合にはほとんど低下が認められないものと考えられるが,それがどの程度のた
わみ範囲かについては,さらに精密な実験が必要であろう。
E
積層接着された木材中の残留応力
][-1. 研究の目的
金属加工の場合には,焼き入れ,圧延,成型加工などによって残留応力を生じ,それが製品の品質に影
響するために従来より種々研究されてきた。
木材の接着においても,主要接着条件である接着剤の種類,熱圧温度および時間,被着材相互間の含水
率差などによって,発生内部応力に差異を生じることが当然予想される。
木質材料においては,含水率変化によって内部応力は変化し,どの時点までが残留応力であるかが問題
であるが,本章においては接着後に気乾含水率 (12-15%程度)になったときの内部応カを残留応力とい
うこととした。
残留応力は,接着性能,狂い,表面割れなど,接着後の製品の品質に影響を及ぼすので,接着条件の指
針をうる目的で,まずその実態を明らかにした。
]
[-2. 残留応力と接着剤の種類
]
[-2- 1.応力計算方法
本研究に用いた方法は,平板の直交する 2 方向の残留応力を解析する方法で,
R.G. TREUTING
と
W.T.READ引が発表したものを,川岡山ω が改良した方法である。
残留応力の存在する平板の表面から,面と平行に薄く切削するとき,残った部分には曲率の変化を生ず
る。板にはその横および縦の断面に垂直な応力のみが存在し,これらが板の幅および長さ方向に均等に分
布し,かっ曲率変化は弾性限界以内の応力によるもので全長にわたって一様であるとすれば,
における X- ,
σ
y
_
z 一
Fig.][-l
軸方向の応力は川田の式6) により,
Ex(h-d)2
6(1 一 μ xy μ yx)
•
f
d( ν Px) ム“一 d(1/py)1
l da
、一一一ー一一一一寸
p. y~!.:
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-一一一一一一一 r
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1
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Ex
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l
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yx一一 J+ 〆
" ¥ (一一 +μ yx一一 Jda
x) ¥px .- Py/-3 (1ー μ Xy μ yx\J\px
'---Py/
一手と~土ーニーて
3 (1ー μ xy μ y
...(][• 1-A)
Yー
Ey(h-a):_.fd(
ν PY) -1- uv.゚(lLPx21
/
、 i 一一一一一 +μ Xy_-_-一一}
6 (1一 μ xyμ yx)
lαj
_ 2 Ey(h-a~.(土+μxyi十
3(1 ー μ Xy μ yx)
Ey
J(土+μ XY~)
¥Py .,~. PxJ' 3(1 ー μ Xy μ yx\J\py .,~. pxJ
、'ノ
旬'
σ y: 表面からの深さ a における Y 一軸方向の応力
B
〆 t、
σx: 表面からの深さ G における X 一軸方向の応力
E
ここで,
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
- 13-
Ex:X 一軸方向の弾性係数
Ey: y 一軸方向の弾性係数
μ Xy: ポアソン比 (y 方向のひずみ/X 方向のひずみ〕
μ YX: ポアソン比 (X 方向のひずみ/y 方向のひずみ)
lz: 板の初期の厚さ
α: 切削した深さ
1_ 1
ーーラ←ー :X
PX
Py
軌
Y
軸方向の主曲率変化
この式から σx を求めるには, F
i
g
. ][-1 のように表面から薄層を除去しながら , X- , Y 軸方向の
主曲率変化 1/px , 1/py を測定し,表面から切削した深さ G を横軸にとって図示し,
(][-1-A) 式右辺
の第 1 項および第 3 項を図式的に求めて σx を計算すればよいっ σy も同様にして求められるつ
!簿〈初即1
E繰返す
方而
ロ lREC Tl ON
OF
SL
lC
lNG
UNIT
単位 :mm
F
i
g
.]
[
1 残留応力の決定法(スライス法)
F
i
g
.]
[
2 残留応力の決定法に用いた積層材試片
Themeasuring method o
fr
e
s
i
d
u
a
l
Thesawed veneer laminated p
l
a
t
e
s
t
r
e
s
si
nap
l
a
t
e
.
.
used f
or t
h
et
e
st
]
[-2-2. 実験方法
板材より鋸断後飽削した 0.2cm 厚さ,
20 0 C,
度
16x16cm のプナ (Fagus c
r
e
n
a
t
a BL.)柾目辺材の単板を温
R.H. 65% の条件下で含水率 1 1. 8-12.4% に調湿後,後記の接着剤を 330 g/m' 塗付し,
F
i
g
. ][-2 のように繊維を平行に 3 枚積層して,約 20 分間 closed assemble し,圧締圧力 15kg/cm' で
前記と同一温湿度条件下で 3 日間圧締して接着した。
解圧後 10 日間前記含水率とほぼ等しい程度に調湿した。
その後前記の方法にしたがって同一温湿度条件下で表面より均等に鈎削しヲ Fig. ][-2 に示すように板
の中央で繊維方向および直角方向の矢高(スバン 13cm) をダイヤルゲージ (1/100mm) で測定した。
また同時に板の厚さを 9 か所で測定したっ 1 回の飽削厚さは 0. 1O -0.40mm 程度で平均 0.25mm であっ
Tこ O
試験に用いた接着剤の種類および性状は次のとおりである。
1
) ユリア系樹脂接着剤
濃縮型ユリア・フォノレムアノレデヒド縮合樹脂(東洋高庄工業株式会社製ユーロイド No.120)
樹脂分: 70 士 2%
比重: 300 C で1. 31 土 0.05
硬化剤: 20% NH ,Cl 水溶液を 5% 添加
2) レゾノレシノール系樹脂接着剤
-
林業試験場研究報告第 211 号
14 ー
レゾノレシノーノレ・フォルムアルデヒド縮合樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製
プライオーへン
N
o
.
6
0
0
0
)
樹脂分:
5
8:
1
:2%
比重: 250 C で1. 12- 1. 14
硬化剤:
TD 473 を 15% 添加
3
) エポキシ系樹脂接着剤
エポキシ樹脂とポリアミド樹脂の混合型樹脂(セメダイン株式会社製
セメダイン No.1500)
樹脂分:エポキシ樹脂 100% ,ポリアミド樹脂 100%
比重: 200 C でエポキシ樹脂1. 24 , 200 C でポリアミド樹脂 0.98
混合比:
1:1
4
) 酢酸ピニーノレ系接着剤
酢酸ピニールエマノレジョン接着剤(鐘紡化学工業株式会社製
樹脂分:
ヨドゾ -1レ EQ-04)
4
5:
1
:1%
比重: 200 C で1. 2- 1. 3
前記計算式 cm-1-A および B) 式を適用するにあたって,供試材から単板を採取した位置に接続して
採取した引張試片(鋸所後鈎削仕上げ)について,
20o C, R.H. 65%
下で調湿後弾性常数を測定し,次
のような数値をえた(試片数 3 個の平均値〉。
ER C半径方向の弾性係数) :1
1
.0xl3
kg/cm2
2
EL (繊維方向の弾性係数) :9
4.0X1
0
3
k
g
/
c
m
μ LR ( ポアソン比:半径方向のひずみ/繊維方向のひずみ) :0
.
3
5
μRL ( ポアソン比:繊維方向のひずみ/半径方向のひずみ) :0
.
0
4
1
ただし, μRL は次式より求めた。
μRL ー μ LR
ER
m-2-3.
EL
実験結果および考察
4 積類の接着剤に対する残留応力の解析結果は Fig. m-3 に示すとおりであった。
ただし,前記計算式を適用するにあたって,接着剤浸透層および接着層は材の性質と等しいとして取り
扱った。
この結果より見れば,
1
) エポキシ樹脂の場合を除き今単板の表面における圧縮応力は内方に向かうにしたがって減少して引
張応力に転じ.とれが接着層近辺で急激に増大する。また,これら応力の大きさはほぼ次の順序になって
u 、る。
ユリア樹脂>レゾルシノ -1レ樹脂>酢酸ビニール樹脂>エポキシ樹脂
この結果はヲ則元20) らの実験結果とよく一致している。接着層でのこのような大きい引張応力は,コア
ー材の中心に向かうにしたがって対称的に減少し,中心付近では圧縮応力に転じている c
エポキシ樹脂の場合には,他樹脂で見られるような接着層へ向かつての引張応力の増大はなし内部応
力値はきわめて小さい。
2
) 繊維方向の応力値は,繊維に直角方向のそれに比し,大きなばらつきを示す。これは局部的なすべ
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
- 15-
FACEVENEER 表キ反
(BA
Q{VEN庄司裏板)
接着層
GLUEL
lNE
COREVENEEAコアー
一一一ー
3
0-20
一一ー __L!.l.. ー-一 ___l__
0 1
0 20 30 40 SO
イo
60-40 ヲO
1
0 0 1
0 20 30 40 50 60
ヨo
6
'
L (勾jcm 2 )
ふ (K~jcm2)
1. リア桔T 脂接這青'J
(a)
UREA RESIN GLUE
接着層
C.L-. 一ーー
50 -20
イo
0
ム一一 I
L
1
0 20 30 40 50
ÓR( 勾/口η2)
6
'
L ( 勾'jcm勺
(bJ [,,:J.ルソール樹脂湾善*, J
RESORGINOL RESIN GUJE
接着層
+:引張応力
:圧縮応力
σR: 繊維に直角方向の応力
OL: 繊維に平行方向の応力
σR (
K
t
t
/
C
m
'
)
(C)
モFし( /(,守/Cm:勺
C.L. :試片の厚さ方向の中心線
工ポキ乞樹脂穆善W' I
E 問 XY
RESIN GWE
F
i
g
.]
[
3 単板積層板の残留応力
Residuals
t
r
e
s
s
e
si
np
l
a
t
e
sgluedwithv
a
r
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o
u
sg
l
u
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s
.
Specimen:Bunasapwood , 3p
l
i
e
ssawedv
e
n
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e
rlaminated p
l
a
t
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.
+:
t
e
n
s
i
l
estress ,一: compressives
t
r
e
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s
t
h
enormals
t
r
e
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s.
.
1tothefiber
。R
:
σL
:
t
h
enormals
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s1
/tothefiber
C.L:t
h
ec
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et
h
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ep
l
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e
-
林業試験場研究報告第 211 号
16 ー
梅若眉
ラo 2
01
0 0 f
O 20 30 40
(
d
.)
て50 4
0 -)0 τ20 1
0
0 1
0 20 50 40
酢酸ビニール樹月旨梅箸青JI
問LYVI
NYL R
E
S
IN EMULSION GLUE
F
i
g
.1
l
I3 (つづき)
りを生じようとしていることを示すと考えられる。
F
i
g
. 1lI -3 に示すように.エポキシ樹脂を除く各接着剤において,接着層付近で引張応力の増大する原
因について考察しよう。
ユリア樹脂,レゾノレシノーノレ樹脂,酢酸ビニーノレ樹脂は,接着剤液中に溶媒として水を含有するため,
塗付後単板の含水率分布は,
F
i
g
.1
l
I4
-A-a の曲線のように示されると考えられる。したがって,接着
層に接する側(塗付íJlIJ)は膨i閏によって A は E まで伸長し (Fig. 1lI -4-A-c) ,表単板は塗付側を凸面に
してそろうとするが,これを平たんに保っとき,応力状態は塗付側に最大圧縮応力 σfc , 非塗付側に最大
引張応力 σfT を生じてつりあう (Fig. 1
l
I4
-A-b)。またこのとき表単板,
面は CD 面まで,
コアー単板はそれぞれ AB
A'B'面は C'D'面まで伸張する (Fig. 1lI -4-A-c) 。
ε f=u'a .r 十 εfT
εc ==u' ・日, +ε cT
ここで, ε f: 表単板の単位長さあたりの伸び
ら:コアー単板の単位長さあたりの伸び
U: 表単板の非塗付側の含水率増加l
af: 表単板の含水率 1% 増加にともなう膨張率
目:コアー単板の中心における含水率増加I
ae :コアー単板の含水率 1% の培加にともなう膨張率
ε fT: 表単板の最大引張ひずみ
ε cT : コアー単板の最大引張ひずみ
接着完了後もとの含水率まで乾燥し, C , D' は A または B' に,また, D , P' はそれぞれ B , O' に収
縮しようとするために,つりあう内部応力に相当するひずみ εf向 εc. が εf, εc にそれぞれ加減される。
そしてこのひずみに相当する内部応力は次章に示すように厚さ方向に傾斜するが,接着剤浸透層の接着
剤硬化にともなう収縮を考慮するとき,酢ピ接着剤の場合における接着層近辺へ向かつての引張応力の急
激な増加は説明できない 3
塗付後の含水率増加によって,塗付側が塑性変形を生じやすいことは第 E 章の応力緩和試験結果におい
て記したことから推察できる (Fig.
1
l
I4
-B-b) 。このために, F
i
g
.m
:-4-B-c のように塗付側におい
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
I"
'
.
.
.←-~長率
u
L
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10
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L
l
コエ単抜
F
i
g
. ill-4 残留応力発生を説明するための模式図
Diagrams i
l
l
u
s
t
r
a
t
i
n
gt
h
ep
r
o
c
e
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l
u
i
n
g
.
r
e
s
i
d
u
a
ls
t
r
e
s
ss
e
tupbyg
ては,実際の圧縮ひずみは CE または D'E' よりも小さく Ce または D'e' となる。したがって,断面
AB または A'B' は膨潤側でこのひずみの差に相当するひずみだけ多く伸張して, KFD または K'F'G'L'
のような曲線をなし,接着されたのち乾燥によって接着層に接する K , K' は A または B' まで収縮し
ようとして接着層近辺は高い引張応力となり,接着剤の浸透層は接着剤硬化にともなう収縮によってさら
に高くなると考えられる。
噌i
。。
林業試験場研究報告第 211 号
このように考えれば宅前記の引張応力の高さによる序列は,接着剤の性状をよく表わしているといえよ
フ。
すなわち,ユリア樹脂,レゾルシノール樹脂,酢酸ビニール樹脂はー
その塗付量のほぼ 30-50% は水
分を含む。このため塗付後の材の膨潤は大きい。また硬化にともなう接着層の収縮は大きく,酢酸ビニー
ル樹脂のみは可塑性があるために収縮応力は IJ 、さい。
エポキシ樹脂の樹脂分はほぼ 100% で,したがって材の膨潤はなく,また収縮もほとんどないため硬化
にともなう収縮応カはほとんどないと考えられる。
ユリア樹脂,レゾルシノール樹脂.酢酸ビ、ニール樹脂による接着においてとくに前 2 者において接着層
付近での急激な引張応力の増加は,その付近での高いせん断応力の存在を示していると恩われる c
]
[-3.
残留応力と接着時の熱圧温度
]
[-3- 1.単板積層板
]
[-3-1-1. 応力解析方法
l
[-2 と同一方法によった。
][-3-1-2. 実験方法
]
[-2 における試片と隣接した部位より採取して,鋸|析後鈎削によって仕上げた 0.2cm 厚さ, 16x16
cm 角のプナ柾目辺材試片を, 20o C , R.H. 65% の条件下で含水率 1 1. 5-12.5% に調湿後,
いたと同ーのユリア樹脂接着剤を 330g/m 2 塗付 ,
前項に用
3 枚を平行積層し約 30 分間 closed assemble し
て,圧締圧力 15kg/cm 2 で次の条件下で圧締した。
圧締時間
圧締温度
0
20C
3 日
60C
25分
1
2
0C
5 分
0
0
その後,ふたたび前記温湿度条件下で 10 日間調湿した c そして前項と同様にして曲率変化および切削
後の試片の厚さを測定した。
l 回の切削厚さは 0. 1O -0.25mm で,切削時の試片の平衡含水率は下記のとおりである。
200 C冷圧試片
12.8%
60 0 C熱圧試片
12.1%
120 0 C熱圧試片
9.7%
なお,弾性常数は,前記単板を採取した位置に接続して採取した 0.35cm 厚さの引張試片を,
れ
15kg/cm 2
の圧締圧力で
60 0 C
で 25 分間‘
1200 C
後弾性常数を測定した。なお冷圧温度 2ぴC 試片についてはラ][ -2 と同一値を用いたコ
その数値は次のとおりである(試片数 3 個の平均値)。記号は][ -2 と同一である。
20C
0
ER
:
EL
:
3
11
.0X1
0
kg/cm'
94.0XI03kg/cm'
μRL :0
.
0
4
1
μ LR :0
.35
0C
60
3
ER :11
.0X10
kg/cm'
それぞ
で 5 分間圧締し, 20 C , R.H. 65% で 10 日間調湿
o
凸可
U
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
EL :9
7.
O
x103kg/cm2
μ RL :0
.
0
4
1
μ LR :0
.36
ER :1
1
.0X103kg/cm2
0
1
2
0
C
3
EL : 109.0X10
kg/cm2
μ RL :0
.
0
3
7
μ LR :0
.37
ただし, μRL は次式の関係より求めた。
μRL
μ LR
E
R
1[ -3-2. 合
EL
板11)
1[ -3-2-1. 応力解析方法
合板に対して前記のようなスライス法を適用した場合,計算式は川田の式のように簡単に表わすことは
できない。そこで著者は次のような計算式を導いた。
いま Fig. 1[ -5 において表単板 (FV) ,裏単板 (BV).
中には引張力 Pb P2 ,
コアー単板 (CV) が接着されて,
CV 中には P3 なる圧縮カが存在するとすれば,
FV ラ
BV
応力の平衡状態において次の式
が成立しなければならない。
P1+ P
2=P
3
この場合 , FV , BV が同一条件であれば次式となるつ
P1=P
2
2P
1= P
3
いま FV の表面より引張応力 σ の存在する厚さ d の薄い層を削ることによってラ
この幅 b の試片の
残部には Fig. 1[ -5 に示すように σ L1 b なる力を作用させたときに起こると同じ変形を起こすことは明
らかである。
いま Table 1[ -1 に示すように FV または BV の L1 Pi 層を削ったとき.
この層中に存在した応力
σF けま次式によって示される (Table 1[ -1 参照〉。
m
・一一____!!_f_mL
1F正一一一一手
(lzFi+HB+Hc 一方 F 隅〕
… (J[ -2-A)
Fi= σFt-rF EFhFm+EBHB十 ECHc zfF ・
rF m
-
ここで σFi は次式で示される。
σ Fi
2
:El
rFi ・ L1 Fi.b(lzFi+ HB 十 HC- f) Fi)
2
:El=EFl(lzFi)+EBICHB ) 十 EcICHc)
三
ただし,
~.d
6
'
.
トb
←仔子一一一刊,.- -t一一一寸+
σ:a h
4CV__ 十品+-,---一-一ーート
│
B
V
I 也 l ll.
1
F
i
g
. 1[ -5 合板におけるスライス法の説明図
S
l
i
c
i
n
g methodused f
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rmeasuringo
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s
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d
u
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l
s
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r
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s
si
nt
h
eplywood.
- 20 ー
林業試験場研究報告第 211 号
Table i
l
l
l
. 単板厚さ切削層中の応力,曲率変化,中立軸の関係
The r
e
l
a
t
i
o
n between the t
h
i
c
k
n
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f veneer and the s
t
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s
l
i
c
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d layer , thev
a
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i
a
t
i
o
no
f curvaturee
t
c
.
d 層きを切
F削
V された
との
の厚さ
切そ削中
される膚の厚きと
のに存在する応力
d 層官削りとられた
ときの曲率変化値
d 層をとられた残
部の中立軸の位置
lT
h
ev
a
r
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i
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f h
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s
l
i
c
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y
e
r
E
i
i
HF「-n; Fm-1
L1 Fl , OFl
AF2. 6F2
llF"5,ゲF3
r
-hFl
llF
ト hFn
,
1/γFm-l
~Fm-I 一一
ヤFm 一一
11γFl
帆一一
I
/YFn-l
.c:. Fn , ヤFn
Hc
llCll σた 1
hCl
~ll_ç..?_J~ç~
hC2-
I/rFn
1/γC 1
1/(C2
.
.
.
Hc
~F2 一一ー
I/rFm
Ft
I
有 Fl 一一一
h 一一
.
c
:
.FmI Fm
ト-hFm
f
-.
n
F
n
l
1/ γF
I/ンF2
「 kp
hcp
hct
I
ム CP , ヤg>
llCl , モ
C
~Fn-l 一一
tzFn 一一一
?Cl 一一ー
'ZC2 一一一
VrCP-l
I/rcp
VrCl
.
ヤCP-l 一一
マCp 一一
h 一一
HB
注) HF: 表単板の厚さ
The thickness o
ff
a
c
e veneer.
Ho: コアー単板の厚さ
HB :;裏単板の厚さ
The thickness o
f coreveneer.
The thickness of back veneer.
ここで, EF: 表単板の弾性係数
EB
:;裏単板の弾性係数
Eo: コアー単板の弾性係数
l(hF
i
):表単板を厚さ hれまで削ったときの中立軸万円に対する表単板の断面二次モーメント
l(H
B) :中立軸守 Fi に対する裏単板の断面二次モーメント
lCHo):中立軸ザ Fi に対するコアー単板の断面二次モーメント
cv 中における応力も同様にして,
aOi=σct(EF吋向 iJ22+ECIfc+ECE鮮品
p
σ Cp L1 0p
1
(π
+ip-Echcp+EBHBj-1zp(hCi+HB 一 η Cp) 1
l
'
.~
+1:Ec' 一一ーで~ととム f
p
=
l
I むP
J
( hOi+HB 一可 Fn)
川
Y
...・ H ・ H ・ H ・..……...・ H ・..……...・ H ・..……・・(1IT 2
-B)
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
-
21 ー
ここで,
Ci-
L
:El
TCi. i1Ci ・ b(hci+HB 一甲 Ci)
ただし ,
L
:El=Ecl(hci)+EBl(HB)
ここで, l(hci): コアー単板を厚さ hCi まで削ったときの中立軸甲 Ci に対するコアー単板の断面二次
モーメント
央 HB ) :中立軸刊に対する裏単板の断面二次モーメント
i
l
l-3-2-2. 実験方法
前記計算式によって,合板中の残留応力を明らかにするために,次のような実験を行なった。
表裏単板として幅(繊維に直交方向) 16.5crn ,長さ(繊維に平行方向) 2.5crn 匂厚さ 2rnrn および、 3
rnrn の柾目ブナ辺材単板を,また,コアー単板として同一材より長さ(繊維に平行方向) 16.5cm ,幅(繊
維に直交方向) 2.5crn ,厚さ 2rnrn および 3rnrn の柾目フ、ナ辺材試片を鋸断後鈎削して製作した。
この試片を乾球 200 C,湿球 17 0 C で調湿し,含水率を 14.2-15.3% にした。これら調湿した単板につ
いて,軸方向の中央に重錘をかけそれぞれの曲げ弾性係数を求めた。表,裏単板はほぼ同一弾性係数のも
のを組み合わせた。
この試片に,前項と同じユリア樹脂接着剤
を 330g/m 2 塗付し
Fig. ill-6 のように積
~
""'/// / / /.//////〆//〆/〆ノ〆ノfノ/ノシ,..
.
.
.
.
唖割
引 3tL lIlrllllllllllrl/III/IIII/~
2'笠込調
層して,圧締圧力 15kg/crn 2 で前記大気条件
7ZZUUZZZZ
A
リ'J
165jS5
2色<311( /1/(/171111177
t
i
0C
0
で冷圧を 1 時間,その後 60 0 C で 25 分, 9
で 17 分,
120 0 Cで
7 分間熱圧した。熱圧時の
圧締圧力は 15kg/crn 2
であった。その後
単位 :mm
F
i
g
. ill-6
残留応力の決定に用いた合板試片
The plywood s
p
e
c
i
r
n
e
n used f
o
rt
h
et
e
s
t
.
ふたたび前記大気条件下で 14 日間調湿した。そのときの平衡含水率は, 60o C 熱圧のものは 14.5%.
0C
90
のものは 12.1% , 1200 C のものは 10.6% であった。
この後スライス法によって,スパン 15crn で中央の矢高量を測定した。
1 回の鈎削量は?
この実験を
通じてほぼ 0.20-0.45mrn であった。前記計算式を適用するにあたって接着層の弾性係数は木材の繊維
方向のそれと同ーとした。
このような実験方法による合板中の内部応力解析結果と照合するために次のような実験をあわせて行な
っ fニ。
前記と同様な表裏単板およびコアー単板を乾球 20o C ,湿球 16 0 C で含水率 1 1. 1-12.3% に調湿し表
(裏)単板およびコアー単板の片面に前記のユリア樹脂接着剤を同様にして塗付しワックスペーパーを
はさんで 45 分間前記大気条件下で closed assemble した後,熱圧温度 60 o C.
12ぴC でおのおの 20 分お
よび 4 分間接着しないで熱圧して,表面に塗付した接着剤を硬化させた。その後ふたたひ、前記条件下で重
量が恒量となるまで調湿して,塗付側を凹面にして湾曲した矢高量を測定し,塗付前の矢高量との差を求
めた。
i
l
l-3-3. 実験結果および考察
単板積層板の結果は, F
i
g
. illー7 に,また合板の結果は, F
i
g
. ill-8-9 に示す。
単板積層板の場合について見れば.応力分布に対する熱圧温度の影響は次の点で現われている c
1
) 表単板の最外層には熱圧温度の上昇にともなって,圧縮応力の増大が表われている。これは加熱温
林業試験場研究報告第 211 号
~ 22 ー
G
.
L
I華箸居
20 30 40 50 60
4
03
02
0/
0 0 /0 20 30 40 50
-605
0-40 3
02
01
0 0 10 20 30 40 )0
熱圧湿度 60 ・C
I
ヘ
R(KVcm')
I
ヘ
L (K~/cm')
穆着届
I
I
コアー
"
・J
C.L _j
ー,_-'_--一一一 一一一ー一一一一一一一一一一一ー
-60 -5iロペ40 3
02
01
0 0 /
0 20 30 6
0)
0-40 3
02
01
0 0 1
0 20 30 40 50 60
。-R (勾/伺7'2)
:
1
:
:
1
1
r
;
-
,,0::::::1
c
!
:
:
. ......"'._
煎圧 fE皮 120'c
(
)
L ( 符,/cm 2 )
+ :号 l 張JJ~ 刀
ー:圧縮 mn
白:繊維に直舟方向のm 刀
モL :縦維に平行方向円mn
C.L: 白it:1tの尽き方向町中 J目黒
F
i
g
.i
l
l
7 熱圧温度と残留応力 (a)
ーブナ辺材
2mm 等厚ソードベニヤ
3 枚積層ーユリア樹脂接着剤
Residual s
t
r
e
s
s
e
si
np
l
a
t
e
s glued under v
a
r
i
o
u
shotp
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m
p
e
r
a
t
u
r
e
.
l
i
e
s sawed veneer laminated p
l
a
t
e
s glued with urea r
e
s
i
n
.
Specimen:Bunasapwood , 3p
度の上昇とともに木材の弾性係数が減少するため,熱圧によって単板の最外層が表面方向に伸張を生じよ
うとしたためと考えられる。
2
) 表単板は温度の上昇とともに全体的に圧縮応力を増し,コアー単板はこの応力とつりあうため引張
応力を増す。これはプレスそう入時および加熱圧締中の表裏単板の収縮がコアー単板のそれよりも大きい
ことに起因すると考えられる則。
この場合,表単板における接着層へ向かつての引張応力の増加勾配はヲ加熱温度の上昇にともなって多
- 23-
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
陀時離T占車問店側IN
PRESS TEMPERATURE
烈圧過度
60 ・ c
表 tR
F
.
Y
{臭主叫 B.Y)
M川
m
m
戸
U
P匂
E
・
Fm口MC
一一
日産一ア
Lea--
A内
Uv
札繊-=
E'
n
n
接着層
A
G
.
L
Cμ.
ム
L ナナ_-一ア
40 ;
0 -20 , 1
0 0 1
0 20 )0 40 50 60 7
0 80
CJ (
KUcm')
書~圧;昆度
90'
c
表板
(裏 fo.)
接着層
コアー
o /0 20 50
40
~日o
60
ô(勾 /cm 勺
無圧温度
120 ・c
表抜
(裏板)
接着居
コア
十: 引う長æ 刀
圧縮鹿力
C.L: 訊庄の厚さ丹斥l t1J 中 J~ 線
F
i
g
. ill-8
一ブナ辺材
熱圧温度と残留応力 (b)
2mm 等厚ソードベニヤ
3 プライスーユリア樹脂接着剤
Residuals
t
r
e
s
s
e
si
n3p
l
i
e
splywood glued under v
a
r
i
o
u
sh
o
tp
r
e
s
st
e
m
p
e
r
a
t
u
r
e
.
Specimen:3p
l
i
e
splywoodcomposed o
fBunasapwood 2m mt
h
i
c
ksawedv
e
n
e
e
r
.
Glue:Urear
e
s
i
n
少減少が認められるが,コアー材中における接着層から厚さの中央へ向かつての応力勾配は,加熱温度が
高いほど明らかに減少する。これは加熱温度の上昇につれてせん断応力の減少を示すと考えられる。
3)
繊維に直角方向では,接着層における硬化にともなう収縮引張応力が,温度の上昇とともに減少
し 1200 C の場合はとくに低い。ユリア樹脂接着剤はその縮合硬化に脱水をともない収縮するコしたがっ
て低温度で硬化した場合ほど接着後の脱水量が多く,このために接着剤の収縮も大きいので,このような
- 24
林業試験場研究報告第 211 号
何百5 TEWE隅TURE
然圧温度
陀RPENDICU.LAR. 1O
60 ・c
織 'll:直角方向
表キ亙
{裏板)
F
A
C
EG
R
A
lN
F
.
V
(
8
.V
)
G
.
L
j幸畳居
繊自問声1
P
A
R
A
L
l
EL
1
'
0F
A
C
EGWN
コアー
C
.
V
-ーーーー一ームー
禦l 圧?置皮
90'
c
1事着層
50 60 7
0
事if圧温度
.
120'
c
表板
(裏ヰ瓦)
.tij畳居
-40 ヲO ぞo
/
0 0 /
0 20 30 40 50 6070
σ (I<~/十m')
+:号 I
~畏~n
圧縮児円
C.L: 訣Jî:尽き方向的中 J巴線
F
i
g
.i
l
l
9 熱圧温度と残留応力 (c)
ーブナ辺材,
3mm 等厚ソードベニヤ守
3 プライスーユリア樹脂接着剤
Residual s
t
r
e
s
s
e
si
n3p
l
i
e
splywood glued underv
a
r
i
o
u
s hotp
r
e
s
st
e
m
p
e
r
a
t
u
r
e
.
Specimen:3p
l
i
e
splywood composed o
f Bunasapwood 3m mt
h
i
c
ksawedv
e
n
e
e
r
.
Glue:Urear
e
s
i
n
結果が得られたと考えられる。
4
) 加熱圧締によって,繊維方向の応力値は,直角方向よりも大きくばらつき.組織簡に過酷なすべり
を生じようとしており,温度の上昇にともなってその傾向は顕著になる。
>F
にd
n,
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
Table I
I
I2
. 熱圧温度と接着剤塗付単板の矢高量
Tl
:edeptho
fc
u
r
v
a
t
u
r
er
e
s
u
l
t
e
d fromhardening o
fg
l
u
espread ont
h
e
11j
ones
i
d
es
u
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f
a
c
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fveneer underv
a
r
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o
u
sh
o
tp
r
e
s
stemperature
れ
4.30
1
2
0
1
.0
5
60
0.50
1
2
0
0
.
1
5
Illi--j11117
60
FV
CY
矢高量 (mm)
Deptho
fcurvature
注)矢高量はスパン 15cm の中央で測定
合板の場合 (Fig.
veneer
FV: 表(裏)板
Face
CV: コアー単板
Corev
e
n
e
e
r
I
I
I-8 , I
I
I-9) ー前記単板積層板と異なり,熱圧温度
IIIlli--!
熱圧温度 (OC)
r
Io
tp
r
e
s
stemperature
60 0 C では表(裏)単板に引張応
カが存在し,接着層に向かうにしたがって増大している。加熱温度の上昇とともに,
これらは減少し
1200 C では逆転して表(裏)単板に圧縮応力を生じ, 60 0 C で見られるような接着層に向かつての引張応力
の急激な増大(圧縮応力の減少)はなしコアー単板中で引張応力が発生し.接着層付近における材中の
せん断応力もノl 、である。
これらの応力状態は Table I1I -2 の結果からも立証されうる。すなわち.熱庄温度 60 0 C では矢高量も
大きく,塗付側に大きな引張応力の存在を示し, 1200 C では引張応力はきん少であることを示している。
このように,合板中の応力状態は単板積層板の場合よりも温度の影響を受けやすいと考えられるここれ
は繊維を直交して接着しているために,表単板の収縮量とコアー単板のそれとの差が大きいことによるも
のと恩われる。単板厚さが 2mm と 3mm では応力分布状態の差は.ほとんど認められない。
残留応力と被接着材の含水率
I
I
I-4- 1.応力解析方法
I1I -2 の場合と同様の方法によって行なった。
I1I -4-2. 実
験方
法
illli--
I
I
I-4.
][-2 におけると同様な試片を隣接した位置より採取した。 1 組の表裏単板は含水率 13.79ふコアー単
]
[-2 と同ーのユリア樹脂接着剤を 330g/m 2 塗付後,繊維を平行にして 13.7ー5 .4-13.7% 含水率の
組合せと, 5.5-13.5-5.5% 含水率の組合せの 2 組の積層板を. 20o C , R.r
I
. 70% で 1 日間 15kg/cm2
の圧締圧力で接着した。
I
. 70% 下で 20 分間 closed assemble を行
なお,圧締に先きだち , 20o C , R.r
11111111
板は 5.4% に調湿,他の組では表裏単板は 5.5% ,コアー単板は 13.5% に調湿した。
なった。接着後そのまま 200 C, R. rI .70% 下で 10 日間調湿して含水率 14.1% にした後,前項と同様に
スライス法によって曲率変化を測定した。スライスの厚さは. 0.15-0.30mm であった。計算に用いた
弾性常数は][ -2 におけると同ーの値を用いた。
]
[-4-3. 実験結果および考察
実験結果を Fig. ][-10 に示す。 14-5-14% の組合せの場合,表面より 2-3 切削層を除いて当然予
想、されるように,表単板は引張応力を,
コアー単板は圧縮応力を示す。 5-14-5% の組合せの場合には
4・
μu
q
,“
林業試験場研究報告第 211 号
G
.
L
袴着届
10 20 50 40 50 60 70
6'.代 (k~/cm')
単板含71<.率組合1::表板 14% -J アー単彼 S'1u一真板 14%
MOISTURECONT芭 NT OFVENEER: F
A
C
E
I
4
'
1
. -CORE5・'1,
- BACK14'1,
指4昔層
コアー
C
.
LL
ー一一­
4
0-30 ヨo /
0 0 /
0 20 30
6
'
H (X:守'/c
m2)
一ω -50
弓百二面て否。
τ両二言0-20 弓(;
0 1
0 20 3
0 40 SO
"(1<:宮/cm')
単彼含 7K率組合t::表抜 5% -コア単彼 14% 一塁t-w. 5%
- CORE14 ・l・ -BACK 5 ・'1.
MOISTURE ∞ NTENT OFVENEER: F
ACE5'1,
+ :ラ l 張店刀
ー:圧縮施刀
ÓR: 繊維に直南方}ÕlQ)Jm刀
6" :繊維に平行方舟の店刀
C.L: 訊止の厚さ方用の中~高泉
F
i
g
.i
l
l
1
0 単板含水率と残留応力
ーブナ辺材
2mm 等厚ソードペニヤ,
3 枚積層ーユリア樹脂接着剤
R
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tmoistur巴 content.
Specimen:Bunas
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sg
l
u
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c
lwithurea r
e
s
i
n
.
反対の傾向を示している。注目すぺき点は, 14ー5-14% の組合せの場合はヲ前項の Fig. i11 -7 における
熱圧温度の低い場合 (200 C) の応力状態に類似し, また 5-14-5% の組合せの場合は,熱圧温度の高い
場合 (1200 C) のそれに類似していることである。すなわち, 14-5-14% の組合せの場合,表単板中の
接着層へ向かつての応力勾配は, 5-14-5% の場合より急でヲ
また,
コアー単板中において,接着層か
ら厚さの中心に向かつての応力勾配はラ非常に急激で、ある。とれに対して, 5-14-5% の場合にはきわ
めてゆるやかである。これは 14-5-14% の組合せの場合,せん断応力が高いことを示すと考えられる。
i11 -5. 考察
以上積層板および合板中の残留応力を解析して,主要接着条件である
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
- 27-
(1) 接着剤の種類
(2) 熱圧温度
(3) 単板相互の含水率差
によって生ずる残留応力の相違について検討を加え.さらに残留応力の成因について.接着剤の特性,熱
圧時の単板の挙動,接着前単板含水率と接着後平衡含水率の相違による膨張収縮の観点より考察を加えて
理論的実証的によく説明できるので,これらの応力解析結果は妥当であることを確認した。
これらの解析結果を総合的に考察すれば次のようなことがいえよう。
1
) 残留応力分布の傾向は,主として用いられた接着剤の性質によって特徴づけられ,これには
(i) 接着剤中の水分
(
i
i
) 接着剤自身の硬化にともなう収縮
(i
i
i
) 硬化した接着剤の弾性,主として弾性係数
が大きな影響を及ぼし,水分が存在し,収縮が大きくかっ硬化後弾性係数の高い接着剤の使用は.接着層
近辺の材中に高い引張応力およびせん断応力を生じさせ,接着性能および狂い.薄単板接着の場合におけ
る表面割れなどに著しく影響を及ぼすと考えられる。
2
) ユリア樹脂接着剤のように,熱硬化性で硬化過程で接着剤からの脱水をともなう接着剤では,冷圧
よりも加熱圧締によって,接着層およびその付近の材中の引張応力ならびにせん断応力が減少する。
3
) 高い熱圧温度および圧締圧力は.単板表面が可塑的に伸張しようとすることによって,表面に高い
圧縮応力を残留させる。また繊維に平行方向の組織聞に過酷なすべりを生じさせようとして.材質的な劣
化を招しこれは単板の表面割れなどに影響する ω と考えられる。
4
) コアー単板の含水率が表単板のそれよりも低い場合は,逆の場合に比し単板中の接着層付近の応
力勾配は急であって.
せん断応力は高いと考えられる。このため前者の組合せよりも後者の組合せの方
がラ接着性能および表単板の表面割れに対して有利であると考えられる。
つぎに,本実験に用いたスライス法について考察すれば,
1
)
板の表面から一様に薄くスライスするためには,ある程度の時間を要するごしたがって.瞬間弾性
たわみのみを測定することは困難で,クリープたわみが含まれるために.応力値は一般に実際よりも高く
出ていると考えられる。このため切削方法について考慮の必要があろう。
2
) 硬化後高い弾性係数を示す接着剤を用いた場合,接着層および接着剤浸透層の弾性常数を考慮する
必要がある。とくに試片の厚さが薄くー材の弾性係数が小さい場合にその影響は大きいと考えられる c
などの欠点があるがー主軸方向の残留応力の傾向を知るには適切な方法であると考えられる c
N
積層接着された木材の含水率変化によって発生する内部応力
IV- l.ひき板集成材 13)
IV-1- 1.研究の目的
積層接着された木材は,第 E 章において明らかにしたようにー製造条件によって異なる残留応力を内蔵
するとともに,使用時の含水率変化による材聞の膨張収縮差のために,比較的大きな内部応力を生じ.こ
れらがはく離,割れなどの欠点を生ずる原函となっている。
本研究においては,ミズナラ
エゾ、マツーミズナラの異樹種接着された材が,含水率変化を受けた場合
28 -
林業試験場研究報告第 211 号
に生ずるエゾマツ・コアー材中の内部応力を解析して,その基本的な分布状態の傾向を明らかにしさら
にその結果とはく離促進試験結果との関連を求めようとした。
IV-1-2. 応力解析方法
後記 IV-3 化粧集成柱におけるように笥スライス法によって側面および接着線上の瞬間弾性回復変位量
を Xー
y- 軸方向について求めればよいのであるが,スライス法は薄片にスライスするため.技術的に
ある程度のスライス片幅を必要とし,変位が局部的に大きく変化する場合などは十分に傾向をはあくする
ことは困難である。またある程度大きい試片でないと変位量の測定はむずかしい。
本研究においては,コアー材中の応力の分布状態の傾向を知ることを目的としたので,次のような解析
方法を用いたの
IV-1-2-1. 含水率傾斜のない場合の応力解析方法
Fig. 町一 1 において,試片の中央 0 点より X
軸, y 軸をとり,この 2 軸がコアー材の接線今半径方
向にそれぞれ一致したとき,
Y
v :X 執方向の変位量
OAK
u:y 一軸方向の変位量
(ミズナラ)
X
aXm:1n% の含水率変化によって生ずる X一軸方向の膨張,収
(工:;.マツ)
R
4
lー→了。
u
¥
.
.1:.
;
:
)
t
"
t
¥
縮率
X
四 Ym: m% の含水率変化によって生ずる Y一軸方向の膨張,収
(:ミス崎 T ヲ)
OAK
縮率
ε x: 内部応力による X一軸方向のひずみ量
Y
ε Y: 内部応力による Y 一軸方向のひずみ量
F
i
g
. IV-l 座標のとり方と標点の位置
Thec
o
o
r
d
i
n
a
t
eandmarksf
o
r
measuringo
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f
o
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m
a
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i
o
n
.
とすれば
ε_ (J v
x
ð子
、
..x 悦|
(
Ju
> …(IV-l-l)
I
ε y= ヲ7 一日 Y m )
接線,半径方向がそれぞれ X- ,
Y=
Y 一軸に一致した時,膨張,収縮によってすべりは生じないとする。
~v +_gと....・ H ・....・ H ・-…....・ H ・........・ H ・-…....・ H ・.-.......・ H ・....・ H ・一 (IV-1-2)
(
Jx
(
Jy
ここでラ rXY: X-y 面におけるせん断ひずみ
そこで
σx=c:1-Zω {(~:-(!x ,n)十円Y(者
(
!
Y
m
)}
σY (
l
f
;
;
Y
P
Y
X
){(者- (!Y m )+ 阿倍 (!xm)}~"""""""'''''''(子同
:
.
y
y
=
G
~竺
+ ~v
I
“\ (
Jx . (
Jy )
)
X Y{
ここで,
σx: X
軸に平行方向の垂直応力
σY:Y
軸に平行方向の垂直応力
'
l
'Xy: X-y
面におけるせん断応力
Ex:X 一軸に平行方向の弾性係数
Ey : Y一軸に平行方向の弾性係数
、
29 -
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
GXY:X-Y 面におけるせん断弾性係数
μ Xy: ポアソン比 (Y 一軸方向のひずみ/X 一軸方向のひずみ)
μ yx: ポアソン比 (X
軸方向のひずみ/Y
軸方向のひずみ)
一方,応力の平衡方程式は,
,I
2主主+_1_立乙=()
a
x
a
y
I.
..
.
.
..
.
.
.
..
..
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
..
..
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
..
.
.
.
......・ H ・ H ・ H ・..…・ (IV -1-4)
0x
y
日σ y
1
"
~
I
--~一一一
a
y
' a
x "
'
(
I
V-1-4)
式へ(IV -1-3) 式を代入すれば,
ん
1μ xy μ y
豆与 + G n•4-竺 +fG yx + 一一」也生_,,1_a2~t =01
x) a
x
"
E
'
.
'a
y
2 .l-.
.
. . (1-flXY μ y x))aXay
司自
(1一 μ xy μ yx)
<
与
+GxA+{Gxy+
ー
ax"
'l VXY'
~
μ山
(1 一 μ Xy μ YX)
I
>… IY -1-5)
'-m
b告示
=0)
f
aXay vJ
GXy=GyX
ただし ,
そこで,接着線上,および側面上における変位量 rム U を境界条件として(町一 1-5)
U. V 値から
式を解き,その
(IV-1-3) 式によって, σx 司 σy , 7" XY は求められる。
ただし,側面上では σx=o , t' XY=O なる境界条件を考慮しなければならない。本研究では実測値の
札 U を用い,応力計算後側面で σ~=o , :-Xy=O なるように外そうした。
(IV-1-5) 式の解を求めるためには,数値解析法にしたがって, Meshpoint を決定したっ
まず同式を
差分方程式で表わし , U , V に関してその pomt 数だけできる多元連立一次方程式を, Gauss-Seidel 法引
によってプログラミングして,
NEAC1210 IJ 、型電子計算機を用いて解いた。
I
V-1-2-2. 含水率傾斜がある場合の応力解析方法
本研究では ,
X 一軸方向にのみ含水率傾斜がある場合について行なった。
前記 (IV-1-3) 式を (IV -1-4) 式へ代入すれば,
。 i21ι 十 2h.3L+GXY21ι +(BáG 川 _a2~{ +a_Bl.~と)
x . aX aX' .
.
.メ
"
y ., •• .
.
./axay
メX
Y
I
一イ(苧L四引
hλ
\ilル
aX J
2
a
'
u , aG XY aU , 1'1, ,,..
a
V , aG XY . a
V _"I
Ø2~a
,,~+GXY~
ー十一一一・一一
+ (O z+ G XY )ー←ー+一一一・ー一一
│
y
2 ..
.
.a
X
"
ay
aゐ
aXay
aX
Y -J
ÒX
) ¥ aX-,
m '~,
V
(
..,
ここで,
ゅ
Ex
ρ ー
μ }'xEx
i 一(1ー μ XY f! YX) ' vl ー (1 一 μ xy μ yx)
の
Ey
.R ー
(1μ xy μ yx) ・ U 2 - Tl
μ xyE y
μ xyμ yx)
したがって, Meshpoint の各点における弾性常数および膨張?収縮率ならびにそれらの X
勾配値を求めて ,
U
, V に関する差分方程式で表わし前記と同様にして求めた。
IV-1-3. 実験方法
本研究では次の 2 つの組合せの集成材を用いた。
1
) ミズナラ板目ーエゾマツ板目
ミズナラ (Quer,仰 s
気乾比重
ミズナラ板目の 3 plies 集成材
c
r
i
s
P
l
aBUJME.) 板目
(M.C. 12%):0.65
軸方向の
- 30
林業試験場研究報告第 211 号
気乾時 CM.C. 12%) より飽水時までの膨張率:板目方向 8.8~ふ柾目方向 3.4%
エゾマツ( P
i
c
e
ajezoe間is CARR.) 板目
気乾比重 CM.C. 12%):0
.36
年輪密度: 7
気乾時 CM.C. 12%) より飽水時までの膨張率:板目方向 4.3% ,柾目方向1. 5%
2
)
ミズナラ柾目ーエゾマツ板目ーミズナラ柾目の 3 plies 集成材
ミズナラ柾目
気乾比重 CM.C. 12%) ・ 0.56
気乾fI寺 CM.C. 12%) より飽水時までの膨張率:板目方向 5.1~ふ柾目方向 2.1%
}エゾマツ板目
気乾比重 CM.C. 12%):0
.37
年輪密度:
7
気乾時 CM.C. 12%) より飽水時までの膨張率:板目方向 4.9% ,柾目方向1. 6%
このような材質のミズナラひき板と
エゾマツひき板をレゾノレシノール樹脂
接着剤(日本ライヒホーノレド株式会社
製プライオーへン 6000) で接着し,
F
i
g
. IV-2 のような試片を製作した。
試片は含水率 12% に調湿し,接着
線上では約 3mm 間隔に標点をつけ,
Fig. 町一2
ひき板集成材試片
Thespecimenu
s
e
c
lf
o
rt
h
et
e
st
.
接着線上の両側付近ではさらにその半
分の位置にもつけた。
コアー材の両側辺では約 2.3mm 間隔に標点をつけた (Fig. IV-1 参照〉。
そして各標点の X ー ,
y-軸座標を1! 100mm ダイヤ Yレゲージヲ
および 5/1000mm" イクロメーター
付き拡大投影機で決定した。
その後注入装置によって飽水状態とし
2 日後ふたたびその位置を測定して飽水までの変位量 U. V を
求めた。
さらにこれら飽水状態の試片の標点上には.透明度の高いビニールテープをはり付け,木口面の他部分
には粘度を高くしたアノレミ微紛入りワニスを塗付した。
このような試片を次のように乾燥した。
ミズナラ板目ーエゾマツ板目
ミズナラ板目の A試片を, 20oC, R.H. 65% に 6 日開放置して乾燥し,
その後,
A1 試片: 7 日目にミズナラ木口面上の塗料を試片の上下面より幅約 0.6cm 表裏両面で取り除き,前
記条件で 4 時間放置後,仏 11 値を測定した。
A2 試片: 6 日目にミキナラ木口面上の塗料を試片の上下面より幅 0.5cm あて表裏両面で取り除き,
7 日目にさらに 0.5mm 取り除いて 5 時間後に U , V 値を測定した。
B 試片:ミズナラ柾目ーエゾマツ板目ーミズナラ柾目の試片を 20o C, R.H. 85% にて 5 日間乾燥し
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
- 31-
ミズナラ木口面の塗料の取り除きを行な
わなかった (Fig. 町一3 参照〉。
このようにして U , V 値を測定した後
ただちに電気抵抗式含水率計
(KETT
社製)によって,含水率分布を測定し
た。なお,電極は針の直径 O.1cm の真
.
o
Scm
ちゅう製で,針の間隔 O.35cm としたも
Al吉司,.H:
A2鵯
t
.J
t
ー
-線日 7日目に塗料正取リ険い空
のであり,あらかじめ含水率目盛につい
線 /t6 日目に塗料正取 'J 険いE
位置在京亨
位置正京守
ー一線は 7 日自に塗料在取リ除 1''=
て絶乾法による含水率との照査試験を行
位置左京す
なった。
膨張率の測定は,試片とほぼ隣接した
位置より採取したエゾマツ試片につい
て,気乾状態より飽水状態までの膨張率
を測定しーその後乾燥して気乾
(M.C.
12%) より測定時の含水率までの膨張率
を求めた。
Bð買It
弾性常数は既往の研究ωω にもとづい
て,
F
i
g
. IV-10 ,
Al
. A2 , B 試片の被覆状況
Thec
o
v
e
r
i
n
gont
h
especimen A1 , A2 , B.
Fig. 町一3
IV-ll に示した。
I
V-1-4. 実験結果および考察
以上のようにして求められた X- ,
Y 軸方向の変位量 V , U , を Fig. 町一 4-IV-9 に示す。
またエゾマツ材中の含水率傾斜の状態およびそれにともなう弾性常数,膨張率の変化状態を Fig. 町一
1
0
. IV-ll
に示すコ
これらに基づいて求められた σx , σY~ TXY の分布状態を Fig. IV-12-IV-17 に示した。
また試片乾燥後の U , V 測定時におけるミズナラ材の乾燥状態を Fig. IV-18 に示す。
F
i
g
.I
V-4-I
V-18 中における X は,中心点 O に対するその点の X 一軸座標的の試片幅の半分 L/2 に
対する比であり,同様に Y は中心点に対する Y 一軸座標%とエゾマツ材の厚さの半分 H/2 との比であ
る。
σx , TXY は X= l. OOO においてともに Ox=O , t"XY=O , なる境界条件を満足せしめる必要があるので
曲線の延長が O となるように外そうした。また接着線上の各応力は,応力の勾配が (IV-1-4) 式を満足す
るように外そうした。
IV-1-2 に記したことから明らかなように,
これらの応力は,塑性変形が除かれていない変位置から求
められたものであるため,定量的に求められたものではない。
しかしながら,第 E 章における応力緩和試験結果と,これらの応力状態とを照らし合わせれば概略の傾
向をはあくすることができるだろう。
合水率変化の過程では,全般的に塑性変形は大きく,とくに高い応力を示す部分は塑性変形が大きいの
で,測定された時点における応力は Fig.
しかし,
IV-12- 町一 14 に示されているより多分に低いと考えられる。
Fig. 百 12-IV-14 に示された応力状態は,気乾状態より飽水状態への含水率変化によって,応
1lωNll
(ι m)
Q020~
0.015 ト
U
0.ωor-ー---一一-
U2i; 大f下El~
0.005ト『、、
o0
0
.273
0
.5
4
5
一一一一-
0
.7
2
7
x(C巧1:m)
l印加
‘
海轟線上の y- 紬方向の史1立量[(
コアー村 ρ側面に;j:.l1õ Y一軸方向の麦fù量 u
コア村の{則面によ..I,~ Y 軸方向の史f立置 u
J串着古車上の y- 事由方向の賓 lù l! 1
(
c
m
)
0250
N難
H時
H4
瀦湖
骨骨糠判丹醐滞砂糖当
(cm)
0
.200
日 200
v
ν
(
c
m
)
0.2,α別
(
c
m
)
0
.
2
5
0
日 100
I
J0
.
2
1
且100
且150
0
.
273
一一一-
0
.
545 0
.727
x(cm/cm)
海昌線」ニの X 軸月聞の里 m 量 V
l
o
o
o
1
0
"
o h
一一-
,1
J生~
。T
I
Y(cm/
cm)
フアー材の側面にま,け .x一軸月向の皇位置 V
X:y- 軸より距離/吉脱帽のをの長さ
y: x- 申由よ')距雄/扶止尽きの言の長さ
0
.545
Q273
一一~
¥
0
.727
x(仰'/cm)
I昏着面聖上の X一車由方向円費fU量 y
l
o
o
O
o
・_
h
2
%
__J
I
一ー一ー Y (叩'/cm)
コアー村の間'1001こ止、 115 x- 馳月伺の聖位置 v
x:y一軸.t')~~舵/訴止憾のす~~主
y:X- 軸よ')佳舵/訣It.llrとの吉の畏と
F
i
g
. lV-4 気乾より飽水状態までの変位量
一板目ひき板集成材 Al 試片ー
F
i
g
. [V -5 気乾より乾燥後までの変位量
The displac~ment ont
l
:ebcundaryo
fs
p
r
u
c
e
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Y:λ
y:x 馳よリä!舵/訣止尽さの古の畏さ
気乾より飽水状態までの変位量
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持轟線上向瓦車由月伺 II Il. 位置ド
x:y 紬.t ')~ê 髄/訣止帽のをの畏さ
Fig , IV-6
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Fig, IV-7
事由よリ距商且訣止厚ミのすの畏さ
気乾より乾燥後までの変位量
-板目ひき板集成材 A2 試片ー
一木口よりの乾燥を部分的に制限した板目ひき板集成材 A2 試)1"­
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Specimen:A2
Specimen:A2
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構轟線上の Y一軸方向の里 f且量 u
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x:y- 軸ょ畑駒枇帽の去の長さ
x: y- 軸ょ惜階ゾ猷見幅けの長さ
y: x- 軸よリ~~隠/試片思さ ρ 去の長と
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. IV-8 気乾より飽水状態までの変位最
-fjE日と板目よりなるひき板集成材 B 試片一
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:X一軸よリ~~随/訴肥厚相去の怪さ
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9 気乾より乾燥後までの変位量
一木口よりの乾燥を全而的に制限した椛日と板目よりなるひき板集成材 B 試片一
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Specimen:B
Specimen:B
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一木口よりの乾燥を部分的に制限した板日ひき板集成材 A 1, A2 試片ー
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l 乾燥後の試片における含水率,膨張率および弾性常数の分布
一木口よりの乾燥を全面的に制限した柾目と板目よりなるひき板集成材 B 試片一
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Specimen:A l, A2
Specimen:B
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6x,o"'y で+ :ヲl 張E 刀
一:圧縮直n
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1
2 気乾より飽水状態までの変位量から求めた応力分布
ー板目ひき板集成材 Al 試片ー
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Specimen:Al
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1
3 気乾より飽水状態までの変位量から求めた応カ分布
一板目ひき板集成材 A2 試片一
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Specimen:A2
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.., -,ョー:圧値鹿刀
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. IV-14 気乾より飽水状態までの変位最;から求めた応力分布
-初日と板 H よりなるひき板集成材 B 試片ー
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. IV-15 気乾より乾燥後までの変位量から求めた応力分布
木口よりの乾燥を部分的に制限した板目ひき板集成材 Al 試片­
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x- 車血月1而の金直liÎ!刀:瓜
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単位: I(官庁m'
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xl C斤t" +:ラ1 張庇刀
- :圧倒肥刀
Y- 軸円陶の垂直Jff!力:
y
Y 一車由方声1 の垂直肥刀: ヤy
x-一一一一
Fig, I
V
1
7 気乾より乾燥後までの変位量から求めた応力分布
一木口よりの乾燥を全面的に制限した統目と板目よりなるひき板集成材 B 試片
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Specimen:B
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- 3
9
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
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F
i
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V-12 , I
V-13 , I
V-14 の飽水における応力状態について考察すれば,
1
) σx が引張応力の場合にはヲ側面で σy は圧縮応力となり (Fig. I
V-12 ,百ー 13) ,
σx が圧縮応力
の場合には,側面で σy は引張応力となる (Fig. IV-14) 。
σy の大きさは (x=o ,
Y=1) における σx とほぼ同程度の高さに達すると推測される。
2
) 'r XY は側面 (X= l, Y=l) の近くでほぼ最高を示すと思われる。その値は (X=o , Y=l) にお
ける行の絶対値が高いほど高いと推測される。
Z" Xl は σx が引張応力の場合 (A 1 , A 2 試片)の方が,圧縮応力の場合 (B 試片)より高い値を示し
ているが,これは前記のように, A l , A2 試片の (X=o, Y=l) における |σxl が B 試片の場合のそ
れよりも高いことによると考えられる。
第 E 章における応力緩和試験の結果にも見られるように,高い応力を示す部分は塑性変形も大きいの
で, A l , A2 試片における側面の σy の Y 方向の傾斜はゆるくなり,
したがって,
(
I
V-1-4) 式から理
解できるようにー 1:"' XY の X- 軸方向の傾斜はゆるくなり,その値は,示されている値よりも多分に低いだ
ろう。
これに対して,コアー材の膨張が制約されて σx が圧縮応力の場合 (B 試片)には σy の Y
軸方向の
傾斜はほとんどなく,したがってせん断応力の低下は A 1, A 2 試片の場合ほど多くないと考えられる。
これらの気乾状態より飽水状態までの変位量より求められた応力状態は, F
i
g
.I
V-19 , I
V-20 に示すIJ、
畠ら 14)15入
0
,
また SCHNIEWINO '8 ) の解析結果と比較してよく類似しているが
rXY の最高値と ,
(X=
Y=l) における σx との比は,本実験結果の方が小さい。
F
i
g
.I
V-15-IV-17 の乾燥後の応力状態についても,全般的には前記飽水の場合と同様なことが考えら
れる。個々の場合について考察すれば,
品
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h: 罵とのき m 量ミ
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y- 't北
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7x.Y'; せん断 1砲刀
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~ :患と月向の中)~線よリの距 m
σX I <
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yI 7xyIYI X l
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t Fi~ .w・ 19 のぜ耐と周一.
x: rt1方声111 中 j巴線よりの ~ê 経
F
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(小畠司井上による)
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(Oal王材の乾燥|時)
(A.P. SCHNIEWIND による〉
Thes
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e glued between twoOak laminations
(by A.P. SCHNIEWIND).
骨骨組
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h
岬滞糧事浦裁時滞日HHh叩
日6
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ぞ
,. 0.4
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
- 4
1
1
) A 1 , A 2 試片ともに X=0.727 付近て, σx , σy の分布曲線に変曲点をもち .σx は側面に向かつ
て急激に増加した後
o に向かつて減少している。これは箆水後乾燥によって含水率が変化した部分であ
るので,塑性変形は大きく司実際には示されている値よりも低い値になると考えられる。
σy についても
同様なことがいえるだろう。
2
) 注目すべき事がらはー A1 試片の場合には,側面における叫に,飽水時における圧縮応力の影響
が著しく残留しているらしいことである (Fig. I
V
1
5
)
o A 2 試片ではこの残留はなく,比較的高い引張
応力が働いている (Fig. IV-16 参照)。
この AL A2 試片の側面における引張応力作は,側面よりの乾燥によって生じた含水率傾斜による
引張応力と,試片の上下面よりの乾燥によって,ミズナラ材中に生じた曲げモーメントに基づく接着層に
垂直に働く引張応力が重畳されたものである。後者の影響が大きいことは Fig. IV-18 の水分分布からも
理解できる。また同時に今飽水時における側面の σy が後時まで残留し.その影響も大きいことを示して
いるといえよう。上下面よりの乾燥によって生ずる垂直応力 Gy が両側面で大きいことは.第 I 章におい
て記したように時 DIETZ ら l 引が指摘したとおりである。
3
) A 1 , A 2 試片ともに , X=0.727 の σX' σy の変曲点付近では水分傾斜によるせん断応力の増加
はさほど認められず ,
X=0.818 に向かつてやや増加し,その後 X= l. OOO に向かつて減少している。と
くに A1 試片ではこの傾向が明らかに見られ,側面付近でのせん断応力集中の危険度は少ないと考えられ
る。
4
) B 試片では, σE は飽水時の応力と比較して側面で急激に増加しており‘ せん断応力は側面付近で
高い。このことは両側面の接着層でせん断応力の集中の恐れがあることを示すものと考えられるふ
以上の事がらは,塑性変形を含む変位量から求められた応力について.応力緩和試験結果と関連せしめ
て考察を加えた結果であるが, F
i
g
. IV-12-IV-17 の応力状態は‘接着された 3 plies 集成材が含水率変
化をうけて応力が増大している段階におけるコアー材中の基本的な傾向を表わしていると考えてよいだろ
つ。
IV-2. ひき板集成材のはく離 ω と内部応力との関係
I
V-2-1. はく離促進試験方法
はく離促進試験の方法は,
ASTM Dli01-53:"
I
n
t
e
g
r
i
t
yo
fg
l
u
el
i
n
ei
n laminated wood p
r
o
d
u
c
t
s
f
o
re
x
t
e
r
i
o
r servicen に準拠して行なった。
試片として,種々な比重のミズナラ板目および征目と,比重 0.43-0.45 のエゾマツ板目および 0.37-
0.40 のエゾマツ柾目のひき板を用いて,
F
i
g
. IV-21 のよう
な構成断面をもっ 7.0cm 長さの試片にフェノーノレ・レゾ/レ
ミス‘ナヲ
シノール・フォルムアルデヒド共縮合樹脂接着剤(日本ライ
工ソ.マツ
ヒホーノレド株式会社製 TD453) を用いて接着した。
この試片を ASTM 法に準拠した方法で真空ー加圧のサイ
クノレによって飽水状態とし乾球
30o C ,湿球
180 C,風速
ミ λ・ 7 ヲ
1
m/sec の条件下で乾燥し,この飽水乾燥を 2 サイクル繰り
返してはく離を測定した。 ただし本実験では乾燥時に Table
IV-1 のようなゴムによる被覆を試片に行なって,試片表面
F
i
g
.I
V
2
1 はく離促進試片
A
c
c
e
l
e
r
a
t
e
e
l
a
m
i
n
a
t
i
o
nt
e
s
ts
p
e
c
i
m
e
n
.
-
林業試験場研究報告第 211 号
42 ー
からの乾燥を規整をすることによって,内部応力の状態を
巨
変化させた。
一方,この試片の隣接部位より
Fig. IV-22 のように採
取した試片によってひき板の含水率 12% 時の曲げ弾性係
数および含水率 12% より飽水までの膨張量を測定した。
また促進試片について,含水率 12% より飽水までの接
Fig. 町 -22
曲げ弾性係数および膨張率測定着層における膨張率をも測定した。
用試片採取位置
はく離は,最初試片の側面の接着層に沿った部分のみに
Specimenf
o
rmeasuringo
fe
l
a
s
t
i
cmodulus
and s
w
e
l
l
i
n
gl
e
n
g
t
hi
nwidthwise.
現われて,それ以外の部分に発生することがなく,しだい
Table IV- 1.
各試片の被覆条件
Dryingc
o
n
d
i
t
i
o
no
fa
c
c
e
l
e
r
a
t
e
d delamination t
e
s
tspecimen
乾燥日程
試片の処理番号
Period o
f
drying(day)
No.
No.
o
fc
o
v
e
rt
r
e
a
t
m
e
n
t
1
示口および側面の全面を被覆し,上下面
は被覆せず。
Wholea
r
e
ao
fend and s
i
d
ef
a
c
eo
f
specimenwasc
o
v
e
r
e
d
. and t
o
pand
bottomf
a
c
ewasnotc
o
v
e
r
e
d
.
No. 2
木口および上下面の全面を被覆し,側面
は被覆せず o
Wholea
r
e
ao
fend a
n
c
lt
o
pand
bottom f
a
c
ewasc
o
v
e
r
e
d
. edge
f
a
c
ewasn
o
tc
o
v
e
r
e
d
.
認 5:d巳
2
上に同じ
Do.
木口および側而で上下面より O.5cm 被覆
をとる。
3
Covero
fO.5cml
e
n
g
t
hfrom t
o
pand
bottoms
i
d
ewast
a
k
e
no
f
f
.
G手屋嘉
上下回より 1.Ocm 被覆をとる。
4
Covero
f l.0cml
e
n
g
t
hfromo
t
f
o
f
p
• and
bottoms
i
c
l
ewast
a
k
e
n
5
Covero
f l.5cml
e
n
g
t
hfromo
t
f
o
f
p
• a
r
l
E
l
bottoms
i
d
ewastaken
1性室長
上下面より 1.5cm 被覆をとる。
6
性重量
上に同じ
Do.
上下面より 2.0cm被覆をとる。
7
Covero
f2.0cml
e
n
g
t
hfromt
o
pand
:
bottoms
i
d
ewastakeno
ff
仁川上正三 ~j
2
.
0 I
重ヲ
I~
下限尽史実;.:;>"'J
上に同じ
Do.
木覆 口および上下商で側端面より O.5cm 被
をとる。
Covero
fO.5cm l
e
n
g
t
hfromedge
s
i
d
ea
tend anda
t
o
k
p
eandbottom
f
a
c
ewas takeno
f
f
.
重習
側端面より
.
0
.
0
c
w
c
m
a
m
s
被ll
t覆
ee
ankを
eggnt
t
とる。
h
Covero
f11e1
.
O
c
m
n
hfromedeg
s
i
d
ewas t
a
k
e
no
f
f
.
重う
1J\IJfrC崩
面より
s
被tll
覆
ee
ankを
ggent
t
とる。
hfromedge
ov
ero
f1.55cwcmam
1.5cm
n
h
s
i
d
ewastakeno
f
f
.
重ヲ
上に同じ
Do.
側端面より 2.0cm 被覆をとる σ
Covero
f 2.0cm l
e
n
g
t
hfrome
c
l
g
e
s
i
c
l
ewas takeno
f
f
.
重胃
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代)
43 ー
法
定
十
測, a一2
離イ
2
LU-
。一
量
牛ふ
く十一
は=
お離
gb
町く
F
Diagrami
l
l
u
s
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i
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g measuringo
f
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e
l
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o
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.
-
F
i
g
. IV-24 矢高測定試片
The specimen f
o
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fc
u
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n caused by drying fromones
u
r
f
a
c
e
.
T
a
b
l
eI
V
2
. 表面からの乾燥によって生ずる幅方向の湾曲を測定した試片の乾燥条件
1ryingconditionofspecimensformeasuringo
fc
u
n
'
a
t
u
r
eo
f lamination
caused bypryingfromones
u
r
f
a
c
e
.
乾燥日程|
Period o
f drying1
試片の処理条件
包笠_)_1
Cover
t
r
e
a
tr
r
:
e
n
to
fspecimen
下面,側面および木口全面を被覆し上面のみあける。
Wholea
r
e
ao
fend. s
i
d
eandbottomf
a
c
ewasc
o
v
e
r
e
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pf
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c
o
v
e
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d
.
../"一一一つ司 .S:J 巴
ι乙レだちo廿om f
a
c
e
'
en
J
2
Wメ.S COV己reJ
|上に同じ Do
|側面および木口面の被覆を上面より O.5cm とる。
1
3
Covero
fO.5cm l
e
n
g
t
hfromt
o
ps
i
d
ewastakeno
f
f
.
l
05C1lt;二百予
側面およひヲド口面の被覆を上面より
1.Ocm とる。
Covero
f 1.0cml
e
n
g
t
hfromt
o
ps
i
d
ewastaken o
f
f
.
4
.
1
0
c
rLrζ一「ジ4
IHアナマ?寸ケノ/
側而および木口面の被覆を上面より
1.5cm とる。
Cover of し 5cm l
e
n
g
t
hfromt
o
ps
i
d
ewas takeno
f
f
.
5
_L_ .乙
.
1
5cm 1
ー
一一一一一_/
1 ",グ
6
側面および木口面の被覆を 2.0cm とる。
7
Covero
f 2.0cm l
e
n
g
t
h fro~ t
o
ps
i
d
ewastakeno
f
f and onlybottom f
a
c
e
wascovenng.
/'パ
L___V Cov巴red
-
林業試験場研究報告第 211 号
44 ー
Table IV-3.
はく離促
The r
e
s
u
l
t
so
fa
c
c
e
l
e
r
a
t
e
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試片記号
重
木組理合せ
の
Marks o
f
Densityo
f S
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c
i
f
i
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speclmen Combinationannual r
r
a
v
i
t
y
i
n
g
s g
。f g
ra;n
(1)
(2)
(3)
(4)
1
0
0.43
ET
NT
NT
TTBl
ET
1
0
NT
ET
NT
ET
NR
ET
NR
ET
1
3
2
.
3
6.62
7
3
.
8
1
2
.
7
4.9
5.6
1
2
.
6
2
.
3
1
5.23
5.54
2.77
3.23
-98.5
3.54
1
1
2
.
3
1
4
.
4
5
.
1
3.9
1
3
.
4
2.92
5.38
5.54
3.08
3.69
-86.2
4.00
-60.0
5
.
7
4.7
5
.
1
5.6
4.46
5.23
5.23
4.46
6.3
3.3
3
.
1
6
.
7
5.38
5.23
5.08
5.54
6.6
4
.
1
3.8
6
.
1
5.69
5.08
5.54
7.54
7.3
5.3
4.2
8.2
7.38
5.23
5.38
6.92
0.45
0.45
0.45
0.45
0.45
0.63
NT
ET
7
.
0
8
0.63
7
NT
TTD2
7.69
4.62
4.77
8.00
0.59
NT
ET
8.4
5
.
4
4.0
9.3
0.43
0.59
7
NT
TTC2
21
.5
0.48
NT
ET
6.00
0.50
8
NT
TTB2
2
3
.
1
0.77
NT
TTA2
5.85
0.76
10
0.67
7
NT
(8)
6
.
3
1
5.23
5.38
6.77
0.67
NR
RTBl
(7)
6.5
3
.
8
3.4
7
.
5
0
.
6
7
1
0
(6)
kg/cm2
0.64
0.45
0.73
NR
RTAl
(5)
EsxJt
Swelling
6
.
4
*
4
0.73
1
1
Swelling
percentag 巴
percentageo
f
h
e
o
f Oakand Spr~ce ont
Eo , E
s
Spruce
A
g
il
u
el
i
n
e
2 (%)
XlO3kg/cm2 JI1 (%)
B
e
n
c
l
i
n
g
modulus
0
.
5
1
0.64
NT
TTCl
ミズナラおよ 促層進試片の接着
ゾ
におけるエ
びエゾマツ材
マツ材の膨張率
の膨張率
4
.
9
2
*
5
4
.
6
2
*
6
4
.
7
7
*
7
5
.
5
4
*
8
0.52
NT
TTAl
係曲げ弾性
数
0.44
0.67
6
.
1
*
1
4
.
3
*
2
3.3判
5.08判
20.0
5.38判。
20.0
4.92
一 15.4
4.77
-23.1
5.38
4.6
5.54
1
3
.
8
6.62
6
3
.
1
7
.
0
8
5
8
.
5
6.46
64.6
6.62
52.3
注) NT: ミズナラ板目, ET: エゾマツ板目, NR: ミズナラ柾目, ER: エゾマツ柾目
E
o:ミズナラの曲げ弾性係数,
Es: エゾマツ材の曲げ弾性係数
*1 ,判は Eo , *2 , 判は Es の値を示す。 *5 , *8 はミズナラの JI" 判,ネ7 はエゾマツの Jl 1 値を
示す。 *9 ,判。は促進試片の上下接着層における L1 1 2 値を示す。
- 45-
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
進試験結
果
delaminationt
e
s
t
No. 1 被覆処理試片
I
2 サイクノレ
fmη ノ一
5
~yh
一-m
。
l サイクノレ
量
60
onu
I(11)
く
5
(10)
い側
(9)
mm(
はく離量 |の主穣日数
Period o
f Amounto
fIP
e
r
i
o
do
f
drying d
e
l
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m
i
n
a
t
i
o
n
l c
l
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y
i
n
g
(days)
(mm り I
(
c
l
a
y
s
)
No.2 被覆処理試片
2c
y
c
l
e
ま
1 はく離まで
tA
の乾燥日数
1c
y
c
l
e
離刷出何一ゆ
l サイクノレ
はて蕗王マ
No. 1 c
o
v
e
rt
r
e
a
t
m
e
n
t
はく離まで
の乾燥日数
1c
y
c
l
e
No.2 ∞ver
I
t
r
e
a
t
m
e
n
t
2 サイク Jレ
|はく離まで
はくり量|お車産自長
2c
y
c
l
e
はく離量
Periodo
f Amounto
f
f IPeriod o
f Amounto
drying
e
l
a
m
i
n
a
t
i
o
n
delaminationI drying d
(
d
a
y
s
)
(mm2)
(mm 引
(days)
(13)
(
1
4
)
Iω
(
1
6
)
1
9
0
。
。
70
。
。
。
。
3
450
750
2
1
0
9
0
1540
2
865
1260
l
1
1
6
5
1420
1
1125
1
1
7
5
。
5
7
5
。
5
5
25
5
80
。
。
380
。
。
60
。
。
85
。
。
No
t
e
) N T:f
l
a
tg
r
a
i
n
e
c
l Oak , ET:f
l
a
tg
r
a
i
n
e
d Spruce , N R:edge grained Oak , ER:edge
grained Spruce.
-
林業試験場研究報告第 211 号
46 ー
Table I
V3
. (つづき) (Continued)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
0.70
7
0.45
8.9
4.9
4.8
7.9
6.46
5.38
5.69
7.54
8.5
4.7
3.9
8.4
8.31
5.08
5.69
8.92
10.2
2.6
2.8
1
0
.
7
2.00
4.62
5.08
2
.
3
1
10.9
4.5
3.6
11
.4
2.92
4.92
5.08
3.08
1
3
.
1
5.2
5.5
1
4
.
7
3.54
5.39
5.69
3.08
6.7
2.8
4
.
1
7.6
7.23
4.15
4.15
5.85
6.8
3
.
1
3.7
7.5
6.62
4.15
4.31
7.54
7.6
3.6
4.3
8
.
1
9.54
4.15
4.31
6.62
8.2
3.0
2.7
9
.
1
6.62
4.46
4.46
8.00
8.0
4
.
1
3.2
8.8
3.54
5.23
5.23
3.54
9.7
3
.
1
3.7
7.6
2.46
4.31
4.15
2.00
1
3
.
1
2.7
3
.
1
11
.2
2.15
4.00
4.15
2.62
1
3
.
3
3.2
3.6
11
.9
2.15
4.15
4
.
3
1
1
.8
5
NT
TTE2
ET
NT
0.70
0.76
NT
TTF2
ET
6
NT
0.77
NR
RTA2
ET
0.49
6
NR
ET
0.67
6
NR
ET
0.74
6
NR
ET
0.59
7
NT
ET
0.60
7
NT
ET
0.68
7
NT
ET
0.76
7
NT
ET
0.59
7
NR
ET
0.62
7
NR
ET
0.65
B
NR
ET
NR
0.34
0.65
NR
RTD3
0.35
0
.
6
1
NR
RTC3
0.35
0.59
NR
RTB3
0.36
0.74
NR
RTA3
0.35
0.68
NT
TTD3
0.35
0.63
NT
TTC3
0.35
0.59
NT
TTB3
0.45
0.72
NT
TTA3
0.45
0.67
NR
RTC2
0.44
0.52
NR
RTB2
0.45
0.72
7
0.35
0
.
7
1
(7)
(8)
6.46
52.3
6.77
52.3
6.92
86.2
7.08
53.8
3.08
-40.0
3.69
-38.5
4.00
.5
-41
4.15
38.5
4.15
64.6
4.46
-67.7
6.15
55.4
5.08
38.5
5.69
47.7
5.39
40.0
7.85
133.8
5.54
52.3
6.15
50.8
6.15
46.2
2.92
93.8
3.69
-49.2
2.62
-52.3
2.15
-73.8
2.15
-49.2
2.62
-47.7
2
.
3
1
-58.5
2
.
3
1
-72.3
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
く 9)
(10)
5
75
。
(11)
5
(12)
(13)
(14)
-
(15)
47 ー
(
1
6
)
195
。
。
90
。
。
70
90
。
。
3
4
1
2
0
350
。
。
4
1
0
180
。
。
4
140
560
。
。
4
140
875
。
。
2
。
3
n
u
qu
。
320
i
l
。
l
。
。
2
50
。
70
10
。
。
150
。
1
0
3
林業試験場研究報告第 211 号
48 ー
Table I
V
3
.
(つづき)
一 RRR
一NEN
一 RRR
一NEN
ER
13.8
3.3
4.9
10.8
2.46
0.77
0.77
3.39
1
3
.
5
2.7
4.5
12.9
2.15
0.92
0.92
2.31
1
2
.
7
2.3
2.6
12.5
2.92
0.92
0.92
2.62
5.6
3.8
0.39
0.39
0.74
0.39
0.53
4
NT
NT
TRB1
I ER
0.40
2.2
0.54
5.2
4.77
0.92
0.92
6.46
0.67
3.2
2.6
7
.
1
3.2
2.6
7
.
1
0.73
8
.
1
9.23
1
.08
1
.08
8
.
3
1
0.68
4
NT
4
0.38
0.37
0.73
0.59
5
0.39
0.59
0.73
RRB2
5
0.37
0.73
TRT
0.63
5
0.39
0.63
一 TRT
一NEN
TRB2
NEN
TRA2
0.68
5
0.39
0.68
TRT
NEN
TRC2
1
.1
0.66
0.72
NT
1
.85
1
.23
1
.23
2.0。
0.74
TRAl
1
0
.
5
2.2
10.8
0.72
5
2.62
0.92
0.92
2.77
0.64
0.66
4
9.8
1
.7
3.9
7.9
0.71
5
0.38
0.71
1
.6
2.6
8
.
1
3.0
1
0
.
2
2
.
3
1
1
.08
0.77
2.00
12.9
3.0
1
.
8
12.6
3.39
1
.08
1
.08
2.77
6
.
1
1
.4
1
.8
6.6
6.31
0.92
0.92
6.62
7.4
2.6
2
.
1
7.5
8.00
1
.23
1
.23
7.08
8.3
1
.6
2
.
1
8.4
8.92
0.77
0.77
7.85
10.1
1
.7
(8)
、
rE
5
0.39
(6)
、,ノ
み
0.63
4
(5)
74
A
〆t‘、
0.40
0.57
一 RRR
一NEN
RREI
0.57
4
一 RRR
RRDI
一NEN
RRCI
RRR
RRBI
NEN
RRAl
(3)
ーノ
(2)
(Continued)
1
.5
4
10.8
1
.69
30.8
1
.6
9
10.8
1
.6
9
4.6
1
.5
4
26.2
1
.69
44.6
1
.39
:2.3
1
.39
21
.5
2.15
27.7
1
.69
20.0
3.23
69.2
3.39
53.8
4.00
4.46
.
4
5.39
69.2
5.85
124.6
1
.69
10.8
1
.39
1
8
.
5
4.62
87.7
4.77
73.8
3.69
46.2
4.77
84.6
-
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
(9)
(10)
(11)
。
。
4
(13)
(
1
4
)
(15)
(
1
6
)
。
1
5
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
1
5
30
。
。
。
。
。
。
。
。
。
。
40
。
。
。
。
。
。
4
(12)
49 ー
。
4
。
。
2
30
。
。
。
4
20
。
。
。
4
25
。
。
。
。
。
。
-
林業試験場研究報告
50 ー
第 211 号
に接着層に沿って内部へ進行した。
そこでラこのはく jlJffi長さ f を側面で測定し,深さを両木仁l 面で測定して a , b とし,はく離量を次式で
表わすこととした (Fig. IV-23 参照)。
。 +b
はく離量 D 二一三一・ f
外側材であるミズナラの外側面(上下面)よりの乾燥のために生ずるミズナフ材中の曲げモーメントに
よヮて,側面の接着層に垂直な引張応力が生じ,
したが,この経過を検討するために,
その垂直応力の影響が大きいことを IV-l において指摘
F
i
g
. I17-24 のような試片を 2 種類の比重のミズナラ板目および柾
目板より採取して,はく離促進試験と同一方法によって飽水とした。
その後‘
Table IV-2 のように木口
およひゆUJ面にゴム被覆をして,はく離促進試片の場合と同ーの条件下で乾燥した。ただし,下面はアルミ
微粉入りワニスによって被覆した。そして.この試片の阿木口市より 1 cmP<]方および長さ方向の中央に
おける幅方向の湾曲の矢高をスバン 6cm の中央で測定した。
IV-2-2. 実験結果および考察
前記の測定値を Table IV-3 および Fig. [V -25 に示す。本実験におけるはく離は,観察の結果,接着
キ』前山肌川川
200
(xゐm
c--e:ナラ比重
••
:
α66 ヰ且目
T ヲ tヒ皇 α72 彼自
x-x: 丁ヲ比重量 α63iiE目
<1>-ー" :すラ比重 α 70 中正日
。
5
mu
/J
件
J 長。
月υ
ぐJ
」「
Z凶トZOUME
0
制曜以内と白川一水告な互に
凶的三 Zト白自主 z-EMトZMU 凶Zトミ
コト昨日口主
ι 〈』紀宮川
ωEコミ〉巴コU 比口 ZEM口
。
234567
乾燥日数(日
PER10D OF DRYJNG (DAYS)
。
234567
乾燥日数(日}
PER
!
OD
OF DR JNG
(DAYS)
F
i
g
. IV-25 乾燥日数と含水率および矢高量
Ther
e
l
a
t
i
o
no
fp
e
r
i
o
do
fdryingand deptho
fc
u
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v
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y
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g froms
u
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f
a
c
ea
c
c
o
r
c
l
i
n
gt
oTable I
V2
.
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
5
1
層中または接着層と木材の界面での破壊によるはく離ではなし接着界面に沿ってエゾマツの繊維がごく
薄くミズナラ側に付着した木部破壊であった。
はく離は乾燥過程においてのみ生じた。
エゾマツ材の膨張率測定試片 (Fig.
I
V-22) による膨張率 L1 11 と,はく離促進用の試片 (Fig. I
V2
1
)
の接着層における膨張率 Jl 2 の差 JI=JI 2 -J んをとり,
を乗じた Es.Jt の値を,
さらに,この値にエゾマツ材の曲げ弾性係数
IV-1 に示したエゾマツ材中の σx の指標とした。
また各サイク/レの乾燥開始
よ日 はく離するまでに要した日数を求め,これらを Table IV-3 に示した。
これらの結果では,柾目のエゾマツを用いた試片は,はく離がきわめて少なくラその傾向ははあくしが
たいので,まず板目エゾマツを用いた試片のはく離発生の傾向について考察することとする。
1
) E
s
.
J
tfi直が負 (σx が圧縮応力)の場合, Table IV-1 に示す被覆条件の異なる No. 1, No. 2 の
試片についての関係は明らかで,
No. 1 ではく離量が多いほど No. 2 でも多く,
はく離までの日数も
ほぼ一致する。
2
) 実際の使用状態に近いと考えられる No. 1 の試片について見れば,
i) Es ・ Jt 値が正 (σx が引張応力〕の場合には,
はく離量と Es' J
t11直の大小関係は明りょうではな
し、。
i
i
) Es ・ Jt 11直が負の場合には,はく離量と Es.Jt 値の大小との関係は比較的明りょうで , Es ・ J liI直が
大きいほどはく離量も大きい。
iii) はく離量を生ずるまでの日数について見れば‘ Es ・ J tiI直が正の場合にはほぼ 3-5 日を要している
が.負の場合には 1-2 日である。
板目エゾマツを用いた No.1 のはく離状態と IV-1 に記した応力状態との関連について考察すれば,
1
) ミズナラ材の被覆状態の関係から見れば, IV-1 における A1 試片の乾燥過程における応力状態は,
本実験におけるミズナラ板目
エゾマツ板目
ミズナラ板目試片の乾燥 2-3 日目のそれに相当すると考
えられ,側面において TXY の集中の危険度は少なく,
また側面における σy も飽水時における圧縮応力
の影響が残留しているために,はく離の危険度は少ない。本実験結果もそれを示していると考えられる。
2
) IV-1 における A2 試片の乾燥過程における応力状態は,本実験におけるミズナラ板目ーエゾマツ
板目ーミズナラ板自の乾燥の 4-5 日目のそれに相当し.側面における TXY の集中と同時に,
A 1 試片
に見られるような飽水時における側面の圧縮応力の残留はなくなり,高い引張応力 σy によって,はく離
の危険度は大きく,本実験結果もそれを示していると考えられる。
また,はく離促進試片のミズナラ外側材の上下面よりの乾燥による側面の引張応力 σy の変化は,
F
i
g
.
IV-25 からも推察され,この実験結果ともほぼ一致することが認められるコ
3
) B 試片の乾燥時における応力状態は.本実験のミズナラ柾目
エゾマツ板目
ミズナラ柾目試片の
乾燥 1-2 日目のそれに相当すると考えられる。側面におけるな y の集中とともに高い引張応力 σy に
よって,はく離の危険度は大きい。本実験結果もそのことを明らかにしている 3
以上の事がらから考察されるように,はく離に対しては,側面におけるせん断応力の集中もさることな
がら,側面における接着層に垂直な応力 σy の影響が大きいと考えられる。
本実験に用いた試片によって,こののとはく離の関係を模式的に示せば Fig. IV-26 のごとくで,材
の組合せにあたっては, σy に関連するこれらの因子に留意する必要がある。
-
林業試験場研究報告第 211 号
52 ー
F-t l ー一一
ロ「一一一一
一
,--工 -7
民
豊百
出民
間、
1
車E
2 (days)
燥期用
O
R
4製
鑓 1m
(A)
t
:
i
(日)
(A):外側材の膨張率<コアー材の膨張率の場合
(B): 外側材の膨張率>コアー材の膨張率の場合
F
t
:コアー材側面の接着層における引張強度
1-1:試片の上下面よりの乾燥によって外側材が湾曲しようとして生ずるコア
一材側面の接着層に重着な引張応力
II-II: 試片側面からの乾燥によって生ずるコアー材側面の接着層に垂直な引張
応力
IIT-][: 外側材とコアー材の膨張収縮によって生ずるコアー材側面の接着層に重
直な応力
Caseo
f(A):s
w
e
l
l
i
n
go
fo
u
t
e
r laminationくswelling o
fc
o
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.
Caseo
f (B):s
w
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r lamination>swelli時 of c
o
r
el
a
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i
n
a
t
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n
.
F
i
g
.I
V
2
6 側面の接着層に垂直な応力とはく離との関係
Schematicdiagramsi
l
l
u
s
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a
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i
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gt
h
etimewhen d
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v
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l
o
p
e
di
nt
h
especimen.
エゾマツ柾目を用いた試片には,はく離が非常に少なく,板目を用いたものにはく離が多い。この原因
については次のように考えられる。
エゾマツ板目を用いた試片では,側面に早材と晩材の境界があらわれ,
それが必然的に接着層に接す
る。との早材と晩材との関係は,本実験におけるミズナラ材とエゾマツ材の関係と同様に,この境界には
応力集中が生ずると考えられ,このためにはく離の発生が多くなったと考えられる。
以上ひき板集成材の内部応力と促進試験によって生じたはく離との関係について考察を加えたが,これ
から次の事がらがいえよう。
1
) 外伝tl材によってコアー材の膨張収縮が制約されている量が少ないほどはく離の危険度が少ないっ
2
) コアー材の膨張が制約されている場合と,収縮が制約されている場合とを比較すれば.前者の場合.
側面には接着層に垂直な引張応力を生じ,制約されている量が多いほどその値は高い。側面からの乾燥に
よって生ずる同方向の引張応力および外側材表面からの乾燥による引張応力がこれに重畳されるため,は
く離に対しては一般的には収縮が制約されている場合より危険度が高いと考えられる。収縮が制約された
場合には側面で接着層に垂直な圧縮応力を生ずるために,膨張が制約されている場合より有利であるが,
外側材の表面から乾燥によって生ずる外側材の曲げモーメントが大きいときには,側面の接着層に震直な
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
応力に強く影響するので,外側材の選定は,
-
53 ー
このような曲げモーメントの小さな材を選定する必要があ
る。
3
) 針葉樹の場合,板目材(集成材の幅方向と接線方向とが一致する材)のものは,早材と晩材との境
界に応力集中を生じ,この境界が接着層に近い場合にはく離の危険度は高い。
IV-3. 化粧集成柱
I
V-3- 1.研究の目的
近年集成材をわが国の木造家屋に適用させる試みがなされ,化粧単板を集成角柱の表面に接着したいわ
ゆる化粧集成柱が製品化され‘市販されるに至った。この集成柱は一面において構造用材としての使命を
有するとともに,他国において銘木柱の代替材としての使命を強調されている。このために化粧用単板の
干割れを防止するため,集成コアー材の表面と化粧単板との問にクロスパンドを接着した構成をとってい
る場合が多い、
この構成の集成柱を用いた木造家屋
の建築に湿式法(土墜による壁体構築
法)を行なった場合,まず接着力が低
いと見られるクロスパンドの木口接着
面にはく離を生じ,その後,大きな割
れをコアー材のかどよりほぼ対角線方
向に生じ (Photo. IV-1 参照),
これ
は集成材工業界に大きな破もんを投げ
かけ fこ。
この原因について,種々憶測がなさ
れたがー明確な解明はいまだなされて
いな U 、。
Photo. I
V
1 市販集成材の割れ
The Vs
h
a
p
ec
r
a
c
ki
nt
h
efancyveneered laminated column.
本研究は,この割れの原因が湿式法
による集成柱の含水率変化にともなう
コアー材:ラワン
クロスパンド:ラワン
表化粧単板:ヒノキ
内部応力にあると考え,この集成柱中の内部応力を解析して苦手l れの原因を究明しようとしたものである。
I
V-3-2. 応力解析方法
前記のように,害IJ れはコアー材のかどから中心部に向かつて生ずるので.この原因を究明するために集
成柱のコアー材中の内部応力を解析することとした。
半径および接線方向がそれぞれ X ー
y 一軸;こ一致したとき.
X 方向の変位量を民
Y 方向の変位量を U.
としたとき,そのひずみはそれぞれ
ε~
x- O
X
I
εy=1竺
(…・…・・…… ・………・……・・………・…… ・…・ (IV -3-1)
o
Y
O
U
(
o
V I
rXY= ヲ7 十五y-)
54 一
ここで,
林業試験場研究報告第 211 号
勺 :x 方向のひずみ
ε y: y 方向のひずみ
方
rx ,':
X-y 面におけるせん断ひずみ
Illi--
っ“
qο
、ノ
J
〆t、、
町
、、,ノ、、,
ー
ーーノ
-1ノ
rt、
vav-ュ
εz
YX
zy
ZY
μμ
++
-lノ
εε
一 Y-Y
/‘、
一Hr-nr
-x-x
ら
Oy:
'i一 YF-Y
ο
一
σ x: X 方向の
E一
4 向勾一向
U
=二ヴ
一
μ
YYY
一一一一一一
σ.σx
ここで,
y 軸に垂直な方向の応力
y 方向の ,
x 軸に垂直な方向の応カ
ロ y: X-Y 面内のせん断応力
Ex: X 方向の弾性係数
Ey : y 方向の弾性係数
GXY:X-Y 面内でのせん断弾性係数
μ Xy: ポアンソ比 (y 方向のひずみ/X 方向のひずみ)
μ YX: ポアソン比 (X 方向のひずみ/Y 方向のひずみ)
したがって,
。
_
x ー (1
I
j
:
x
( éJ vι 日éJ u ¥
t
_
'
y
(
μ xy μ y~) \ヲ"X'- f' げすデ}
。Y 寸=戸商(
飩u
I
飩v¥I
;
;+μxY17);
…… …・・・…・・・…… (IV 3
3
)
J
"Xy=GXY(主+主)
OX ' 飩YJ
一方応力の平衡方程式は,
日σZ
上
OX
éJ, yX 一向、
飩Y
~
I
・・ (町
}
飩O y
飩Y
(
I
V-3-4)
•
飩'xY ~ I
飩x -V'
3
4
)
式へ (IV-3-3) 式を代入して,
Ex
(1μ xy μ Y X)
~乙+GYX21L+JGyx+-l2EL-lJ2L=O)
飩x2 '.~ 飩y2 .l
'
(1一 μ xY μ y x)JO
XoY -I
4
•
>...・ H ・ "(IV-3-5)
2
U , rμ xyE:y
1 飩2
v _ ^I
(1 ー μ川 Yx) 百戸 + GXY繆 2+
tG.rv+ (iー μXy川 j下"[Y =OJ
ゆえに , (IV-3-5) 式を与えられた u , v に関する境界条件によって解き,各点の u , v を求めて (IV-
3-3) 式によって各点の応力が求められる。
この境界条件の変位量 u , v は接着線上における膨張収縮による変位およびレオロジー的な塑性変位を
除いた弾性変位のみをさすものであるつ
このためにはラ試片を測定時に X- ,
Y 一方向に薄くスライスして,スライス片のスライス前と後の瞬
間的な長さの変化(瞬間弾性回復変位)を測定して,この変位量 u , v を境界条件とすればよい。コアー
材の中心点に X- ,
て求めればよい。
Y 一軸の原点、をとれば,左右上下対称、となるので,応力はコアー材の 1/4 部分につい
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
一 55
(IV-3-5) 式の解は IV-1 におけると同様に数値解析法の
1
.
6
Gauss-Seidel 法により‘ NEAC 1210 小型電子計算機を
吋
用いて求めた。
I
V-3-3. 実験方法
試片:比重 0.37司
年輪密度 7 のエゾマツ (Picea j
e
z
o
ュ
e
n
s
i
sCARR.) の1. 9cm 厚さの板目板を含水率 14.7% に
調湿後, F
i
g
. IV-27 のように,
レゾルシノール樹脂接着
剤(日本ライヒホ-;レド株式会社製フ・ライオーへン 6000)
を用いて完全な接着が行なわれるようにして 5 plies と
し,接着後編方向の長さを 9.50cm に仕上げて 9.50cm 角
のコアー材を製作した。この角材の表面に1. 6mm 厚さの
ヒノキ (Chamaeのρaris
o
b
t
u
s
a ENDL.)板目板を繊維方向
がコアー材のそれと直交するようにして,前記接着剤を用
いて接着した。この集成角柱より 5mm厚さのコアー材木
口面の試片を採取して,ふたたび 14.7% 含水率に 2 週間
単位 :mm
UNIT:mm
F
i
g
. IV-27 内部応力測定用の
化粧集成柱試片
Thecrossbanded laminated c
o
r
eused
f
o
rt
h
et
e
st
.
調湿した。
応力解析は次の 2 つの場合について行なうこととした。
1
) 吸湿して一様に含水率 21 .4%になった場合
2
) 乾燥して一様に含水率 8.7% になった場合
1) にするためには,その後 N a 2 C0 3 10H 2 0 の飽和溶液によってデシケーター中で 9 日間調湿した。
2) にするためには,乾球 30 0 C ,湿球 21 0 C の恒温恒湿室中で 7 日間調湿した。
実験条件:それぞれの場合について 4 枚を 1 組として
3 組についてスライス法によって弾性回復変位
u , v を求めた。
スライスは1)の場合は 200 C , R.H.95% の恒温恒湿室で,また 2) の場合には, 30o C , R.H.45%
の恒温恒温室で行なった。
おのおのの条件 1 組のうち,
1 枚の試片では,板目方向に,他の試片では柾目方向にスライスしてダイ
ヤルゲージで瞬間弾性回復変位(スライス後約 5 分)を求めた。コアー材とヒノキ単板との問の接着層に
おける層に平行な方向の瞬間弾性回復変位は司スライス前にあらかじめ接着層のすぐ内側につけた標点の
各点間の距離を投影機で測定し,スライス時にはヒノキ単板および接着層を取り除いて約1. 5mm 幅のス
ライス片として,ダイヤルゲージで、全長についての瞬間弾性回復変位を測定した後明ふたたび投影機で各
標点間の距離を測定して瞬間弾性回復変位を測定した。
恒温恒湿室外での投影機による測定の聞の含水率変化を防ぐために今あらかじめ透明度の高いピニーノレ
テーフ。を張り付けて密封した。
このようにして求められたコアー材周辺の変位量 1t a l} を境界条件として前記 (IV -3-5) 式を解いた 3
その際弾性常数は,
1)の場合については,
E
T (接線方向の弾性係数) :3.4x103kg/cm2
-
林業試験場研究報告
56 ー
第 211 号
3
ER (半径方向の弾性係数) ;7.1X10
kg/cm2
2
3k
GTR (T-R 面におけるせん断弾性係数); 0.18X10
g/cm
.
3
4
μ TR ( ポアソン比:半径方向のひずみ/接線方向のひずみ) ;0
μ RT ( ポアソン比:接線方向のひずみ/半径方向のひずみ) ;0
.
7
1
2) の場合については,
3k
E
.6X10
g/cm2
T ;5
ER
;
3k
12.3X10
g/cm2
3k
GTR ;0.26X1
0
g/cm2
μ TR;
0
.
2
5
μ RT ;0
.55
とした。
IV-3-4. 実験結果および、考察
以上のようにして測定したコアー材周辺の瞬間弾性回復変位量は,
F
i
g
.I
V-28 , I
V-29 に示すとおりで
ある。
この変位量を境界条件として求めたコアー材中の板目方向の垂直応力 σT'
および柾目方向の垂直応力
σR' X-y 面内のせん断応力 !"TR の状態は Fig. 町一 30-IV-3G に示す。接着線上の応力は,その勾配が
(町一3-4) 式を満足するように外そう法によって決定した。
l
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3
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. IV-28
接着線上の変位量含水率 15% → 22% 吸湿後
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. M.C. 15% • 22%
0α
5(cm).
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{/:X 力向への変位量
U: Y 方陶への変位量
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lON
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代)
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• 0.20
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V:X 方向への聖位量
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U: Y 月間への聖位置
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A
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. IV-29
接着線上の変位量含水率 15% → 9% 乾燥後
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. M.C. 15%• 9%
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ロ
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3
0 化粧集成材コアー材の板目方向の重直応力 σT
含水率 15% →22% 吸湿時
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. M.C. 15%• 22%
57 ー
58
X 一軸
林業試験場研究報告
第 211 号
Y 一軸の原点をコアー材の中心にとって,これに対する座標をそれぞれ Xi , Yi で表わしたと
き,コアー材の辺長を H として,
x=~
H
Y=~
2
H
・〉
をもって各点の位置を表わした。
これらの実験結果から次の事がらが認められる。
1
) 試片を含水率 15% より 22% まで吸湿せしめた後の垂直応力 σT'
応力を示し,おのおの (X=0.950 ,
σT は X=O , σR は
GR
(
F
i
g
. N-30 , N-31) は圧縮
Y=1) および (X =1, Y=0.950) の接着層付近で最高値を示し,
Y=O へ向かつて減少しほぽ 0 となる。
σT および G R の最高値は , -20--30kg/cm 2 に達するが , G T は X=1 , G R は Y=1 へ向かつて急
激に低下して引張応力になると考えられる。
含水率 15% から 9% まで乾燥せしめた後の G T , σR (
F
i
g
. N-34 , N-35 参照)は引張応力となり, σT
Y=1) , G R は (X=1 , Y=0.950) 付近でおのおの最高値 50kg/cm2 程度に達し,
は (X=0.950 ,
は X=l へ , G R は Y=1 へ向かつてわずかに減少し,またそれぞれ X=Oラ
σT
Y=O へ向かつてしだいに
減少し,ついにほぼ 0 となる。
2
) せん断応力 (Fig. 百 32 , N-33 ,町一 36 参照)について見れば,吸湿せしめた後,
1) で最高値の 9kg/cm 2 程度に達すると考えられ,
(X= l, Y =
X=O または Y=O に向かつて減少し 0 となる。
R
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5
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雪
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. N-31 化粧集成材コアー材の柾目方向の垂直応力 G R
量き苦言 '5
含水率 15%→22% 吸湿時一
Normals
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. M.C. 15%• 22%
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
-
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. IV-32
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化粧集成材コアー材の T-R 面内のせん断応力 r TR
含水率 15% →22% 吸湿時
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. M.C. 15%• 22%
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TR
x Y-l と 8 ・tan-' 圭 E 日方向田 lrR , 8.26"30'
・ Y-l と 45'1) 苅魚線万用 1) 7
.TR
。 Y-lnf事着庖にま、け;:;
-lt8 ・ぉ五'2& 屯草方向の τTR , 8+63 ・30'
A Y
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. X~1 ()主宰着層に止け 37TR
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F
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. IV-33 化粧集成材コアー材の点 CX=l , y ニ 1) よりの各方向における í: TR
一含水率 15%→22% 吸湿時
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CX= l, Y=l)t
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. M.C. 15%• 22%
59 ー
-
60 ー
林業試験場研究報告第 211 号
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. IV-34 化粧集成材コアー材の板目方向の垂直応力 σT
一含水率 15%→9% 乾燥時一
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M.C. 15%• 9%
(X= l,
Y ニ 1) よりコアー材の内方の各方向に向かつての減少勾配を見れば, F
i
g
. IV-33 のように (X
1, Y=O-l) および (Y=l , X=O-l) の接着層におけるよりも , X 軸に対して o =tan- 1 告の方向に最
もゆるい。
乾燥の場合について見れば,最高でも約 5 kg/cm2 程度で , (X=l , Y=l) においでほぼ 0 に近いと
推定される。
吸湿の場合と乾燥の場合の応力状態におけるこのような柁違の原因について,次のように考えられる。
すなわち,吸湿の場合,含水率変化の初期にコアー材中に発生する応力, σT , σ'R, TTR はともに接着層
において高く,特に (X= l, Y=l) において最も高いと推測される。このうちラ σT , σR について見れ
ば, (X 二 1 , Y=l) において σT は少なくともー 20kg/cm 2 以上 , GR は
30kg/cm 2 以上の相当の高
さに達する。しかしながら,この応力は高いため,また吸湿による含水率変化のために,緩和しやすし
このためにすべり変形を生じようとする。
またコアー材の膨張のために,接着力がほとんどないと見なされるクロスパンドの木口接着商に引張応
力によるはく離を生ずる。そのために接着層 (X= l, Y ニ 0-1) における圧縮応力 σT (Y=l , X=O-
1) における圧縮応力 σR は低下し , (X=l , Y=l) 付近ではむしろ引張応力となるだろう。
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
-
61 ー
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. N-35
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化粧集成材コアー材の柾目方向の垂直応力匂
含水率 15%→ 9% 乾燥時一
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. M.C. 15%• 9%
このことは, N-1 の Fig. N-14 において,コアー材の膨張が表板,裏板によって制約されたときの
コアー材の側面における接着層に垂直な応力が引張応力であることから推測される。
事実, F
i
g
. N-30 , N-31 に示すように , (]T は X=l ・ 0/1 は Y=l において急激に低下して 0 に近づ
くので,接着層の σT角。R は (X= l, Y=l) 付近で引張応力になるものと推測される。
さらに,第E 章における実験結果および浅野ら 17) が示しているように,接着層およびその近辺における
木材の組織には,接着剤の水分添加ならひ九こ硬化収縮に起因すると考えられる高い残留引張応力を生じて
いる。このためにー接着層近辺において圧縮応力は急激に低下する。
せん断応力はこのような理由のために (X= l,
Y= l) において約 9 kg/cm2 もの最高値に達すると考
えられる。
一方,乾燥した場合,コアー材中には引張応力を生じており,これは初期には接着層近辺で最も高いと
考えられる 3 しかしながら,この場合は,含水率約 15% より 9% までの乾燥過程であるため,また調湿
時間も吸湿の場合より短いので,応力緩和は,前記の吸湿の場合ほど起こらないと考えられる。またコア
ー材が収縮するために,クロスパンドの木口接着面には圧縮応力を生ずるので,はく離を生ずることもな
く,したがって,
C
x=1 ,
Y=l) 近辺ではせん断応力は低いと推測されるつ
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林業試験場研究報告第 211 号
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. IV-36 化粧集成材コアー材の T-R 面内のせん|折応力 :"TR
一合水率 15%→ 9% 乾燥時一
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. M.C. 15%• 9%
コアー材の吸湿時における割れは,
まず CX= l, l' 二 1) のクロスパンドの木口接着面にはく離を生
じ,その後 CX=l , 1' =0-1) , (1' =1 , X=O-l) の接着層に沿うことなく , X 一軸または Y
軸に対
して約 30-60 0 の問の方向で内部に向かつて生ずる場合が多し、。吸湿時のせん断応力の分布状態を見れ
ば.
(X= l, 1' =1) においてが~ 9kg/cm2 に達すると考えられるが, これはエゾマツの従来の強度試験
結果 48) よりこの含水率における強度を推測すると,せん断破壊する程度の大きさに相当する。 Fig. IV-33
に認められるようにー割れの進行方向も CX=l. 1' =1) よりせん断応力の減少する傾斜の最もゆるい方
向にほぼ一致している CPhoto. IV-2 参照〕。
このように本実験における応力解析結果によって明確に割れの現象を説明することができる。
以上の実験結果に見られるように岡応力状態は材のレオロジー特性に強く影響されており,微視的には
藤田ら 22) が指摘しているように,材が含水率変化をうけている過程での木材実質のすべりやすさが応力状
態に,ひいてはむlれに対して強く影響しているものと考えられる。
したがって,一般的に,接着によって生ずるこのような割れ. およびはく離 (IV-2 におけるような接
着層に沿う組織の破断によるはく離は,このような割れと共通しているといえよう)と接着された材の材
質との関係について次のようなことがいえよう。
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〕
-
63 ー
1
) 膨潤応力または収縮応力の大き
な材は,はく離および前記のような割
れを生じやすいことは当然である。
2
) 含水率変化の初期に材聞の膨張
収縮差のために接着層近辺にせん断応
力とともに高い圧縮応力または引張応
力を生じ,これらの応力は接着層から
の距離とともに減少する。その応力状
態の基本裂については IV-1 に示した
とおりである。この接着層近辺の高い
応力のために.この近辺で・は応力緩和1
Photo. I
V
2 本実験に用いた試片の割れ
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が接着層よりはなれた部分に比して著
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.
しし一方含水率変化は,木材のミク
ロな組織に内部応力を生ぜしめるため,また細胞膜実質の可塑化によって緩和はさらに進行する。この緩
和の進行はその過程において接着層近辺のせん断応力を減少させるが,著しく進行すれば接着層近辺の組
織内に急激なすべりを生じようとしこれが接着層近辺のせん断応力の急激な増大を導き.はく離または
前記のような害IJれを生ずる原因となるだろう。
したがって,含水率変化時において司応力緩和またはクリープの少ない(時間とともに緩和弾性率が小
とならないか,またはクリープコンプライアンスが大とならな L 、)材質のもの,および与えたひずみの増
大とともに,緩和の著しく増加する(緩和弾性率が著しく小となる)材質,または与えられた応力の増大
とともにクリーフ。が著しく増大する(クリープコンプライアンスが著しく大となる)材質のものは.特に
構成(材の組合せなど).含水率規正に留意する必要があると考えられる。
なお,本研究に用いた応力解析方法について,問題点を考察すれば次のとおりである。
1
) スライス法によって.瞬間弾性回復変位量を測定するために.測定技術上,ある程度以上の大きさ
をもっ試片を必要とする。またスライス片はある程度の幅を必要とするので.局部的に変位が急激に変化
する;場合などには,正確かつ詳細に変位量を測定することは困難である。
2
) このスライス法によれば,切削してから測定までにある程度の時間を必要とし.瞬間弾性回復変位
量のみを測定することは困難で司ある程度弾性余効によるクリープ回復変位量が含まれるための誤差を生
ずる。これは高含水率の場合‘または応力が高い場合に留意する必要があるだろうコ
3
) 変位量を高精度で測定することは困難である。
4
) 数値解析を行なうために, Meshpoint をとる必要があるが,この point 数を多くとることによっ
て精度を高めることができる。このためには記憶容量の多い電子計算機が必要であろう。
以上問題点を記したが.本方法によって内部応力の大略の傾向を知ることは可能であろう。
総括
本研究では,積層接着によって生ずる木質材料中の残留応力および吸湿または乾燥によって生ずる木質
材料中の内部応力について,それぞれの木質材料に適した応力解析法を確立し,これらによって応力の分
-
林業試験場研究報告第 211 号
64 ー
布状態およびその変移を明らかにしさらに応力と木質材料のはく離,割れとの関連および残留応力分布
と接着剤の種類,熱圧時の単板の挙動,単板含水率との関連の合理性を検討することによって.これらの
新しい応力解析方法が妥当であることを立証した。
この成果によって,さらに内部応力に基づく欠点の防止方策を考察して,これら木質材料の製造法の確
立に寄与しようとしたものである。
まず,含水率変化によって生ずる積層接着された木材中の内部応力の時間経過による変化について知見
をうるために,種々の含水率条件下ゥとくに水分の非平衡状態下における木材の応力緩和猷験を行なって,
1
) 含水率1l .7-2 1. 4% の範囲内の水分平衡条件下では,与えたひずみが大きいほど応力緩和はほぼ
大で,一定ひずみ条件下では,含水率の低いほど緩和は小であった。
2
) 水分平衡状態における応力緩和と水分非平衡状態におけるそれを比較すると.後者が大である。ま
た含水率変化範聞が同ーのとき,乾燥過程よりも吸湿過程の方が応力緩和は大である。
3
) 応力緩和している木材の含水率を周期的に急激に変化させた場合,その変化が乾燥,吸湿のいずれ
の場合にも一時的に弾性回復の期聞が存在するがラこの現象は含水率変化の速度が大きいときに顕著に表
われるものと思われる (Fig.
I
I-1-I
I-6) 。
などの事がらを明らかにするとともに,本研究において行なったスライスによる内部応力解析法の基礎と
なる瞬間弾性回復たわみ,およびクリープ回復たわみを応力緩和後に測定し,またその日寺の瞬間回復弾性
係数と初期荷重との関係について明らかにした (Fig. II-7 , T
a
b
l
e II-1) 。
積層接着された木材中の内部応力の実態を明らかにするためには,まず解ヤ l ノf法が問題とされるが‘本
研究では,積層接着された薄い板(単板積層板,合板)および厚い積層材(ひき板集成材,化粧集成柱)
にたいする解析方法を検討し,いずれの場合も,試片のスライスによる弾性変位を測定して,この測定値
より応力を算出する方法を用いた。
単板積層板,合板の残留応力の解析法として,これらの表面より漸次薄層を削り去り.その際生ずる曲
率の変化より応力を計算する方法を適用した。
積層板に対しては. CClli-1-A) , (lli-1-B) 式〕によって,断面に垂直な応力の厚さ方向の変化を繊維
に直角および平行の 2 方向について解析した。
ついで,
この方法を合板に対しても適用しうるように,弾性の異なった材が接着された場合の計算式
C(lli-2-A) , (lli-2-B) 式〕を導いて,表板の繊維に直角方向の応力を厚さ方向に解析した。
そして,残留応力に及ぼす影響を,接着剤の衝類,熱圧温度,単板間の含水率差について調べた。
1
) ユリア系樹脂,レゾノレシノーノレ系樹脂,エポキシ系樹脂,酢酸ピニーノレ系樹脂について解析した結
果から,エポキシ樹脂では残留応力は低いが,他樹脂では接着層からの距離がほぼ lmm 以内で接着層に
向かうにしたがって引張応力が急増し,接着層付近では, 30-50kg/cm 2 にも達することが認められた。
この引張応力の大きさの順位は,
ユリア樹脂〉レゾ/レシノーノレ樹脂>酢ピ樹脂〉エポキシ樹脂
であった。
また,接着層付近のせん断応力の大小を示すと考えられる引張応力の増加勾配もう同様な順位とな叶て
いることが認められた。
この大きい引張応力が残留することに,
にυ
氏U
積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
i)接着剤の水分による材の膨潤
ii) 接着剤の硬化による収縮
iii) 硬化した接着剤の弾性係数
が関係し,接着剤の性状によって応力の分布状態が特徴づけられることを明らかにした。
2
) 熱硬化性で硬化過程で脱水をともなう接着剤(たとえばユリア樹脂)では,熱圧によって接着層中
の引張応力およびその付近の材中の引張応力,せん断応力は減少するが,過度に高い熱圧温度および圧締
圧力は単板表面に高い圧縮応力を残留せしめ,また組織問に過酷なすべりを生じさせようとして材質を劣
イヒさせる。
3
) コアー単板の含水率が表単板に比して低く,接着後にコアー単板中に高い圧縮応力が残留する場合
は,これと反対の場合にくらべてラ表単板に引張応力が残留することとなり,またせん断応力も高いとぞ
えられるのでヲ接着性能および表単板の表面割れに対して不利であろう (Fig. 1[3
. 1[ -7- 1[ -10) など
の事がらを明らかにするとともに,これらの結果が接着剤の特性,熱圧時の単板の挙動‘接着前単板含水
率と接着後の平衡含水率の差異による膨張収縮によって理論的,かつ実証的に説明づけられすこの応力解
析結果が妥当であることを確認した。そしてこの解析方法を用いた場合の問題点をも示したコ
ついで,ミズナラーエゾマツーミズナラの 3 plies ひき板集成材については,含水率変化にともなうコ
アー材中の応力を平面応力状態として解析するために
X-.
Y 軸方向について境界線上の全変位量
仏 u を測定して,この値を境界条件とし,
1
) 一様な含水率変化を生じて含水率傾斜がないときは CIV-1-5) 式
2
) 含水率変化を生じて X 一軸方向に含水率傾斜のあるときは (IV-1-6) 式
のそれぞれを数値解析白法によって解き,膨張収縮量を除いて応力を計算した。そして第 E 章における応力
緩和試験結果と関連して考察し,
1
) 含水率傾斜のないとき.試片の接着層に平行な垂直応力 σx が引張応力ならば側面において接着尽
に垂直な応力 σy は圧縮応力となり, σx が圧縮応力ならば al'は引張応力となる。 σy の値は, σx の長
高値とほぼ同程度であろう。
2
) 一燥な含7K率変化を受けたとき,側面の接着層付近でせん断応力は最高値を示す。その値はむ,の
絶対値が大きいほど大きい。最高せん断応力を示す位置は守 X 一軸方向の含水率分布によって異なる。
3
) 外側材の表面よりの乾燥によって.両側面の接着層における σy は強く影響される。
など,一様な含水率変化を受けた場合 (Fig. 町ー 12-IV-14) ,含水率傾斜のあった場合 (Fig. I
V-15-I
V
-17) について基本的な応力分布の i~i向を明らかにした。
そして同一構成の集成材について行なったはく離促進試験結果と関連して考察し,はく離発生の傾向と
応力分布状態がよく一致することを認めた。
ついでラクロスパンドを接着した化粧集成柱の含水率変化にともなうコアー材中の内部応力を,平面応
力状態で解析するために次のような方法を用いた 3
試片をスライスすることによって,コアー材とクロスパンドの接着線上の瞬間弾性回復変位 V , 却を X
Y 一軸方向について測定し,この Zl, V で表わした連立偏微分方程式 C(IV -3-5) 式〕を数値樹庁法
によってラ測定された瞬間弾性変位量を境界条件として解き,内部応力を算出したっ
その結果吸湿の場合ラ試片の 4 つのかどにせん断応力が集中して (Fig. I
V-32) 割れを生じ,乾燥の場
←
66 ー
合には,このような応力集中はなく
林業試験場研究報告第 211 号
CFig. 町一36) 割れを生じないことが明らかとなった。
これらの結果から‘ひき板集成材のはく離およひ争化粧集成柱の割れに対しては,
1
) 接着された材間の制約された膨張収縮量がノl 、さいほどはく離および害IJれの危険度は低い。
2
) 含水率変化によってコアー材の膨張が制約されている場合と匂収縮が制約されている場合を比較す
るとき,はく離および割れに対して一般的に後者の方が前者よりも有利と考えられる。
3
) 外側材の表面からの乾燥にともなって生ずる曲げモーメントははく離と高い関連をもっ。
4
) 材質の観点から見れば,応力緩和またはクリーフ。の少ない材質のもの,およひF含水率変化時におい
て,与えられたひずみの増加によって著しく応力絞和が増大するもの,または与えられた応力の増加によ
って著しくクリーフ。が増大するものはひき板の組合せにあたって考慮が必要である。
などの事がらを明らかにするとともに,前記の解析方法を用いた場合の問題点、を示した。
以上のように,本研究によって積層接着した木材の内部応力解析法を確立しこの方法によって内部応
力の実態を明らかにしたが,これらは膨張,収縮が制約された場合に生ずる応力状態を巨視的に解明した
ものである。木材が含水率変化を受けた場合には『微視的な組織構造にゆらいする内部応力が発生して.
これらの内部応力が重畳されて応力集中を生じ,はく離.害IJれの起因となる勺したがって,この微視的な
組織構造内に生ずる内部応力をも明らかにする必要があり,
1
) 含水率変化によって細胞膜内で生ずる内部応力の解明
2
) 含水率変化によって.膨張収縮量の異なった組織または細胞集合体聞に発生する内部応力の解明
が今後に残された課題で、あると考えられる。
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1
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3
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12)
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第 10 報,林試研報,
153 , (
1
9
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積層接着された木材の内部応力に関する研究(椋代〉
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) 残野猪久夫・都築一雄・鷲見博:集成材の耐久性に関する研究,内部応力について.木材研究, 3
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)
1
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) 井阪三部:プラスチ y ク板オーバーレイ製品の反り.木材工業. 14 , 9
20) 則元京・山田
正:木材表面成層過程における力学的現象.木材工業, 2
0
. 3, (
1
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5
)
2 1)一一一・高原省吾・山田
正:木材表面における樹脂層形成のレオロジー(1 ),木材研究,
3(i ,
(
1
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)
.(
1
9
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)
22) 藤田晋輔・中戸莞二:乾燥割れに関する研究(第 1 報),木材学会誌, 11, 4
23) 一一一一・一一一一:乾燥害IJ れに関する研究明 2 報),木材学会誌;. 1
1
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.(
1
6
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5
)
24) A.J. KASS:Shrinkages
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) 小倉武夫:木材の水分移動性および乾燥中に生ずる歪みの温度による影響守林試研報. 77 守 (1955)
3
8
) 福山万次郎:木材の乾燥応力について,京都府立大学学術報告, 14 , (
1
9
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2
)
39)
←一一一一:乾燥応力に関する木材の物理的,機械的性質,京都府立大学学術報告, 14 , (
19
6
2
)
4
0
) 山田
正・竹村富男・梶田
茂:木材のレオロジーに関する研究(第 3 報),木材学会誌
7 ョ 2,
(
1
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1
)
4
1
) 山田
正・佐道健・白石信夫:木材のレオロジーに関する研究(第 6 報弘材料, 11 , (
1
9
6
2
)
42)
一一一一:木材の静的粘弾性,木材研究, 34 , (
1
9
6
5
)
43)
竹村富男・福山万次郎・池田
4
4
) 山田
豊:水分非平衡と応力緩和,島根農大研報, 11 , (
1
9
6
3
)
正・浦上弘幸・宮野寛文:木材の水分拡散と粘弾性の異方性,材料, 12 , (
1
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)
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8
) 山井良三郎:木材の圧縮異方性に関する研究,林試研報, 113, (
1
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5
8
)
4
9
) 大沼加茂也・斉藤寿義:加熱圧締による薄板の収縮率について,木材工業‘ 13 , 9, (
5
0
) 山岸祥恭・岡田幹夫:合板製品の表面害IJれについて,北海道林指研報, 14, (
1
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)
5
1
) 岩下
陸:メラミン化粧板オーノ守一レイ・パーティクノレボードの反り,日本硬質繊維板工業会依託
研究報告, (
1
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)
52)
具IJ元京・山田
正:ヒノキの曲げ応力緩和に及ぼす湿度の影響,木材研究, 3
5
.(
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