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(57)【要約】 本発明は、変異体の少なくとも1つの物理的、化学的または

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(57)【要約】 本発明は、変異体の少なくとも1つの物理的、化学的または
JP 2005-505250 A 2005.2.24
(57) 【 要 約 】
本発明は、変異体の少なくとも1つの物理的、化学的または生物学的特性が、野生型タン
パク質と比較したときに、特異的および望まれる態様で変化している、機能性チオレドキ
シンレダクターゼ変異体を生成するための種々の方法の使用に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューター的突然変異誘発を含むチオレドキシンレダクターゼのコファクター特異性
を変化させるための方法。
【請求項2】
チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ の コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 を 変 化 さ せ る た め の 請 求 項 1の 方 法 で
あって、
(a)ア ミ ノ 酸 位 置 を 含 む チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)ス キ ャ フ ォ ル ド タ ン パ ク 質 の 座
標のセットを入力し、
(b)少 な く と も 1つ の タ ン パ ク 質 設 計 サ イ ク ル を 適 用 し 、 そ し て
10
(c)変 化 し た コ フ ァ ク タ ー 依 存 性 を 有 す る 候 補 変 異 体 タ ン パ ク 質 の セ ッ ト を 生 成 さ せ る
ことを含む方法。
【請求項3】
当 該 TRス キ ャ フ ォ ル ド タ ン パ ク 質 が 、 E. coli、 Bacillus subtillis、 Mycobacterium lep
rae、 Sarccharomyces、 Neurospora crassa、 Arabidopsos、 お よ び ヒ ト か ら な る 群 よ り 選
択 さ れ る 、 請 求 項 2の 方 法 。
【請求項4】
当 該 変 異 体 TRの 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が 、 NADPHま た は NADHで あ る 、 請 求 項 1ま た は 2の
方法。
【請求項5】
20
当 該 変 異 体 TRの 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が 、 NADHに 切 り 替 え ら れ て い る 、 請 求 項 1ま た は 2
の方法。
【請求項6】
当 該 変 異 体 TRの 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が 変 化 し 、 そ の 結 果 当 該 変 異 体 が NADHと 比 較 し て
NADPHに 優 先 的 に 結 合 す る 、 請 求 項 1ま た は 2の 方 法 。
【請求項7】
当 該 変 異 体 TRの 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が 変 化 し 、 そ の 結 果 当 該 変 異 体 が 、 NADPHと 比 較
し て 、 NADHに 優 先 的 に 結 合 す る 、 請 求 項 1ま た は 2の 方 法 。
【請求項8】
当 該 変 異 体 TRの 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が 変 化 し 、 そ の 結 果 当 該 変 異 体 が 、 野 生 型 TRタ ン
30
パ ク 質 と 比 較 し て 、 NADPHに つ い て の 改 善 さ れ た 触 媒 効 率 を 示 す 、 請 求 項 1ま た は 2の 方 法
。
【請求項9】
チオレドキシンレダクターゼの基質特異性を変化させるための方法であって、
(a)ア ミ ノ 酸 位 置 を 含 む チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ ス キ ャ フ ォ ル ド タ ン パ ク 質 の 座 標 の
セットを入力し、
(b)少 な く と も 1つ の タ ン パ ク 質 設 計 サ イ ク ル を 適 用 し 、 そ し て
(c)変 化 し た 基 質 依 存 性 を 有 す る 候 補 変 異 体 タ ン パ ク 質 の セ ッ ト を 生 成 さ せ る
ことを含む方法。
【請求項10】
40
当 該 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 が 、 E. coli、 Bacillus subtillis、 Mycobacterium leprae、 Sar
ccharomyces、 Neurospora crassa、 Arabidopsos、 お よ び ヒ ト か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る
、生物から取得されるチオレドキシンタンパク質を還元する、変異体チオレドキシンレダ
ク タ ー ゼ (TR)タ ン パ ク 質 。
【請求項11】
当 該 変 異 体 タ ン パ ク 質 が 第 2タ ン パ ク 質 に 融 合 さ れ て い る 請 求 項 1ま た は 2の 変 異 体 TRタ ン
パ ク 質 で あ っ て 、 当 該 第 2タ ン パ ク 質 が 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 、 チ オ レ ド キ シ ン 、 ま た は 変
異 体 TRタ ン パ ク 質 で あ る 、 タ ン パ ク 質 。
【請求項12】
当 該 変 異 体 タ ン パ ク 質 が リ ン カ ー を 介 し て 当 該 第 2タ ン パ ク 質 に 融 合 さ れ て い る 請 求 項 11
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の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 。
【請求項13】
当 該 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 が 野 生 型 ArabidopsisTRタ ン パ ク 質 と 比 較 し て 、 1な い し 3つ の ア
ミ ノ 酸 置 換 を 有 す る 、 請 求 項 1又 は 2の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 。
【請求項14】
当 該 ア ミ ノ 酸 置 換 が 、 位 置 A4、 A5お よ び A6か ら 選 択 さ れ る 、 請 求 項 13の 変 異 体 TRタ ン パ ク
質。
【請求項15】
当 該 ア ミ ノ 酸 置 換 が 、 RA4W、 RA5L、 RA5M、 RA5I、 RA5F、 RA5V、 RA5Y、 RA6T、 RA6S、 RA6Q、
RA6G、 お よ び RA6Nか ら な る 置 換 の 群 よ り 選 択 さ れ る 、 請 求 項 14の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 。
10
【請求項16】
ア ミ ノ 酸 置 換 RA4Wお よ び RA6Tを 含 む 、 請 求 項 15の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 。
【請求項17】
ア ミ ノ 酸 置 換 が RA4W、 RA5L、 お よ び RA6Nを 含 む 、 請 求 項 15の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 。
【請求項18】
ア ミ ノ 酸 置 換 RA5Yお よ び RA6Nを 含 む 、 請 求 項 15の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 。
【請求項19】
ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5F、 お よ び RA6Qを 含 む 、 請 求 項 1 5 の 変 異 体 タ ン パ ク 質 。
【請求項20】
標的タンパク質のコファクター特異性を変化させるための方法であって、
20
(a)アミノ酸位置を含む、スキャフォルドタンパク質のための座標のセットを入力し、
( b ) 少 な く と も 1つ の タ ン パ ク 質 設 計 サ イ ク ル を 適 用 し そ し て
(c)変化したコファクター特異性を有する候補変異体タンパク質のセットを生成する
ことを含む方法。
【請求項21】
当該タンパク質設計サイクルがタンパク質設計オートメーション(PDA(登録商標))
を含む、請求項1、2、9または20の方法。
【請求項22】
当該タンパク質設計サイクルが、配列予測アルゴリズムを含む、請求項1、2、9、また
は20の方法。
30
【請求項23】
当該タンパク質設計サイクルが、力場計算を含む、請求項1、2、9、または20の方法
。
【請求項24】
式 Iの 単 離 ポ リ ペ プ チ ド 分 子 を 含 む 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)タ ン パ ク 質 ;
(I)S1 -A1 -A2 -S2 -A3 -A4 -A5 -S3 -A6 -S4
[式 中
a)S1 は 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 2、 配 列 番 号 3、 配 列 番 号 4、 配 列 番 号 5、 配 列 番 号 6、 お よ び 配
列 番 号 7、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ
ド配列を含む;
40
b)S2 は 配 列 番 号 8、 配 列 番 号 9、 配 列 番 号 10、 配 列 番 号 11、 配 列 番 号 12、 配 列 番 号 13、 お よ
び 配 列 番 号 14、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ
プチド配列を含む;
c)S3 は 配 列 番 号 15、 配 列 番 号 16、 配 列 番 号 17、 配 列 番 号 18、 配 列 番 号 19、 配 列 番 号 20、 お
よ び 配 列 番 号 21、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ
ペプチド配列を含む;
d)S4 は 配 列 番 号 22、 配 列 番 号 23、 配 列 番 号 24、 配 列 番 号 25、 配 列 番 号 26、 配 列 番 号 27、 お
よ び 配 列 番 号 28、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ
ペプチド配列を含む;
e)A1 は セ リ ン 、 バ リ ン 、 グ リ シ ン 、 ア ラ ニ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン 、 フ
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ェニルアラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分である;
f)A2 は ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン 、 フ ェ ニ ル ア
ラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分である;
g)A3 は ヒ ス チ ジ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ル ギ ニ ン 、 ロ イ シ ン 、 セ リ ン 、 ト
レオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、およびチロシンからなる群より選択
されるアミノ酸部分である;
h)A4 は ア ル ギ ニ ン 、 ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン
、フェニルアラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分であ
る;
i)A5 は ア ル ギ ニ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 シ ス テ
10
イン、セリン、トレオニン、およびリジンからなる群より選択されるアミノ酸部分である
;
j)A6 は ア ル ギ ニ ン 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 シ ス テ
イン、セリン、トレオニン、およびリジンからなる群より選択されるアミノ酸部分である
;
ただし少なくとも
A1 は セ リ ン で な い ;
A2 は ア ラ ニ ン で な い ;
A3 は ヒ ス チ ジ ン で な い ;
A4 は ア ル ギ ニ ン で な い ;
20
A5 は ア ル ギ ニ ン で な い ;ま た は
A6 は ア ル ギ ニ ン で な い 。 ]
【請求項25】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 2、 配 列 番 号 3、 配 列 番 号 4
、 配 列 番 号 5、 配 列 番 号 6、 お よ び 配 列 番 号 7か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る 配 列 を 有 す る ポ リ
ペプチド配列からなる。
【請求項26】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S2 は 配 列 番 号 8、 配 列 番 号 9、 配 列 番 号 10、 配 列 番 号
11、 配 列 番 号 12、 配 列 番 号 13、 お よ び 配 列 番 号 14か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る 配 列 を 有 す る
ポリペプチド配列からなる。
30
【請求項27】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S3 は 配 列 番 号 15、 配 列 番 号 16、 配 列 番 号 17、 配 列 番
号 18、 配 列 番 号 19、 配 列 番 号 20、 お よ び 配 列 番 号 21か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る 配 列 を 有 す
るポリペプチド配列からなる。
【請求項28】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S4 は 配 列 番 号 22、 配 列 番 号 23、 配 列 番 号 24、 配 列 番
号 25、 配 列 番 号 26、 配 列 番 号 27、 お よ び 配 列 番 号 28か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る 配 列 を 有 す
るポリペプチド配列からなる。
【請求項29】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 1に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
40
は 配 列 番 号 8に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 15に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 22に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
【請求項30】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 2に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
は 配 列 番 号 9に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 16に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 23に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
【請求項31】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 3に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
は 配 列 番 号 10に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 17に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 24に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
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【請求項32】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 4に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
は 配 列 番 号 11に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 18に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 25に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
【請求項33】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 5に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
は 配 列 番 号 12に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 19に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 26に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
【請求項34】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 6に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
10
は 配 列 番 号 13に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 20に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 27に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
【請求項35】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で S1 は 配 列 番 号 7に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2
は 配 列 番 号 14に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 配 列 番 号 21に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 、 か つ S4 は 配 列 番 号 28に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。
【請求項36】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A1 は バ リ ン 、 ア ラ ニ ン 、 お よ び ロ イ シ ン か ら な る 群
より選択されるアミノ酸部分である。
【請求項37】
20
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A2 は グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 お よ び ロ イ シ ン か ら な る 群
より選択されるアミノ酸部分である。
【請求項38】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A3 は ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ス パ ラ ギ ン
、およびグルタミンからなる群より選択されるアミノ酸部分である。
【請求項39】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A4 は ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ
ロイシン、およびメチオニンからなる群より選択されるアミノ酸部分である。
【請求項40】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A5 は ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、
30
およびグルタミン酸からなる群より選択されるアミノ酸部分である。
【請求項41】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A6 は グ ル タ ミ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、
およびアスパラギンからなる群より選択されるアミノ酸部分である。
【請求項42】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A1 は バ リ ン で あ る 。
【請求項43】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A2 は グ リ シ ン で あ る 。
【請求項44】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A3 は ア ス パ ラ ギ ン 酸 で あ る 。
40
【請求項45】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A4 は ア ラ ニ ン で あ る 。
【請求項46】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A5 は ア ス パ ラ ギ ン で あ る 。
【請求項47】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で A6 は グ ル タ ミ ン 酸 で あ る 。
【請求項48】
請 求 項 の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 24; こ こ で 当 該 分 子 が E.coli、 Bacillus subtillis、 Mycobact
erium leprae、 Sarccharomyces、 Neurospora crassa、 Arabidopsis、 お よ び ヒ ト か ら な る
群 よ り 選 択 さ れ る 生 物 か ら 取 得 さ れ る チ オ レ ド キ シ ン タ ン パ ク 質 を 還 元 す る 、 請 求 項 24の
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ポリペプチド分子。
【請求項49】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 チ オ レ ド キ シ ン の 還 元 が コ フ ァ ク タ ー の 存 在 下
で起こる。
【請求項50】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 コ フ ァ ク タ ー が NADPHま た は NADHで あ る 。
【請求項51】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 コ フ ァ ク タ ー は NADHで あ る 。
【請求項52】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が NADHに つ い て よ り も 、 NADPHに
10
つ い て 100倍 大 き い ア フ ィ ニ テ ィ を 示 す 。
【請求項53】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が NADHに つ い て よ り も 、 NADPHに
つ い て 50倍 大 き い ア フ ィ ニ テ ィ を 示 す 。
【請求項54】
請 求 項 24の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が NADHに つ い て よ り も 、 NADPHに
つ い て 25倍 大 き い ア フ ィ ニ テ ィ を 示 す 。
【請求項55】
請 求 項 24の 単 離 ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が 、 第 2ポ リ ペ プ チ ド に 融 合
されている。
20
【請求項56】
請 求 項 55の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド 当 該 ポ リ ペ プ チ ド に リ ン カ ー を 介
して融合されている。
【請求項57】
請 求 項 56の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 リ ン カ ー が 約 5と 約 50個 の 間 の ア ミ ノ 酸 を 有 す
るポリペプチド配列を含む。
【請求項58】
請 求 項 56の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 リ ン カ ー が 約 10と 約 40個 の 間 の ア ミ ノ 酸 を 有 す
るポリペプチド配列を含む。
【請求項59】
30
請 求 項 56の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 リ ン カ ー が 約 15と 約 25個 の 間 の ア ミ ノ 酸 を 有 す
るポリペプチド配列を含む。
【請求項60】
請 求 項 56の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 第 2ポ リ ペ プ チ ド が チ オ レ ド キ シ ン で あ る 。
【請求項61】
請 求 項 56の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が 、 第 3ポ リ ペ プ チ ド に さ ら に 融
合されている。
【請求項62】
請 求 項 56の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が 第 3ポ リ ペ プ チ ド に リ ン カ ー を
介して融合されている。
40
【請求項63】
請 求 項 56ま た は 62の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 リ ン カ ー は 、 約 5と 約 100kDaの 間 の 分
子量を有するポリペプチド配列を含む。
【請求項64】
請 求 項 56ま た は 62の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 リ ン カ ー が 約 25と 約 70kDaの 間 の 分 子
量を有するポリペプチド配列を含む。
【請求項65】
請 求 項 56ま た は 62の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 リ ン カ ー が 約 25と 約 45kDaの 間 の 分 子
量を有するポリペプチド配列を含む。
【請求項66】
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請 求 項 56ま た は 62の ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; こ こ で 当 該 ポ リ ペ プ チ ド が オ レ オ シ ン で あ る 。
【請求項67】
修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 有 す る 植 物 を 生 産 す る 方 法 で あ っ て 、
(a)ア ミ ノ 末 端 ク ロ ロ プ ラ ス ト 移 行 ペ プ チ ド を 含 む 、 請 求 項 1ま た は 22の 修 飾 さ れ た チ オ レ
ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)を コ ー ド す る DNA分 子 に 作 動 可 能 に 連 結 さ れ た 植 物 細 胞 中 で 機
能性であるプロモーターを含む発現カセットを、植物細胞内に導入し、形質転換植物細胞
を得ること、および
(b)当 該 形 質 転 換 植 物 細 胞 を 再 生 し 、 区 別 さ れ る 形 質 転 換 植 物 を 提 供 す る こ と 、 こ こ で 当
該 植 物 で の 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を コ ー ド す る DNA分 子 の 発 現 が 、 非 形 質 転 換 植 物 と 比
較して、コファクター特異性が変化していること
10
を含む方法。
【請求項68】
請 求 項 67の 方 法 で あ っ て 、 こ こ で 当 該 形 質 転 換 植 物 が 、 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が NADPH
ま た は NADHで あ る 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 発 現 す る 、 方 法 。
【請求項69】
請 求 項 67の 方 法 で あ っ て 、 こ こ で 当 該 形 質 転 換 植 物 が 、 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 が NADHに
切 り 替 え ら れ て い る 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 発 現 す る 、 方 法 。
【請求項70】
当 該 形 質 転 換 植 物 が 、 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 発 現 し 、 こ こ で 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性
が 変 化 し て 、 そ の 結 果 当 該 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 が 優 先 的 に 、 NADHと 比 較 し て NADPHに
20
結 合 す る 、 請 求 項 67の 方 法 。
【請求項71】
当 該 形 質 転 換 植 物 が 、 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 発 現 し 、 こ こ で 当 該 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性
が 変 化 し て 、 そ の 結 果 当 該 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 が 、 非 形 質 転 換 植 物 に お け る 野 生 型 TR
タ ン パ ク 質 と 比 較 し て 、 NADPHに つ い て の 改 善 さ れ た 触 媒 効 率 を 示 す 、 請 求 項 1ま た は 2の
方法。
【請求項72】
請 求 項 67の 方 法 に よ っ て 調 製 さ れ る 形 質 転 換 植 物 。
【請求項73】
請 求 項 72の 当 該 形 質 転 換 植 物 の 形 質 転 換 さ れ た 種 子 。
30
【請求項74】
修 飾 さ れ た チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)タ ン パ ク 質 を 含 む 油 体 を 作 成 す る た め の 方 法
であって、
a)請 求 項 1ま た は 2の 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 細 胞 中 で 生 産 し 、
b)修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 お よ び 当 該 油 体 を 連 関 で き る 油 体 タ ー ゲ テ ィ ン グ タ ン パ ク 質 に
よ っ て 当 該 TRタ ン パ ク 質 と 油 体 を 連 関 さ せ 、 お よ び
c)当 該 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 と 連 関 さ れ た 当 該 油 体 を 取 得 す る
ことを含む方法。
【請求項75】
さらに
40
a)該 油 体 を 洗 浄 し 、 当 該 修 飾 さ れ た TRタ ン パ ク 質 を 含 む 、 洗 浄 さ れ た 油 体 を 取 得 す る 、 お
よび
b)当 該 洗 浄 さ れ た 油 体 を 、 乳 化 物 中 に 製 剤 化 す る
こ と を 含 む 、 請 求 項 74の 方 法 。
【請求項76】
当 該 油 体 を 、 非 ア レ ル ゲ ン 性 食 品 の 調 製 で 使 用 す る 、 請 求 項 74の 方 法 。
【請求項77】
当 該 油 体 を 動 物 飼 料 の 調 製 で 使 用 し 、 当 該 飼 料 の 消 化 可 能 性 を 改 良 す る 、 請 求 項 74の 方 法
。
【発明の詳細な説明】
50
(8)
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【0001】
この出願は、2001年3月4日出願の米国出願番号60/289029、2002年4
月5日出願の米国出願番号60/370609、および2002年4月29日出願で出願
番 号 は 付 与 さ れ て い な い Desjariaisお よ び Muchhalに よ る 仮 出 願 、 名 称 「 新 規 核 酸 お よ び
チオレドキシンレダクターゼ活性を有するタンパク質」の出願日の利益を請求する。
【0002】
発明の分野
本発明は、変異体の少なくとも1つの物理的、化学的または生物学的特性が、野生型タン
パク質と比較したときに、特異的および望ましい態様で変化された機能性チオレドキシン
レダクターゼ変異体を生成するための種々の方法の使用に関する。
10
【0003】
発明の背景
チオレドキシン、小ジチオールタンパク質は、動物および植物源からの、主要な食品タン
パク質、アレルギー性タンパク質および特に広く使用される食品中に存在するアレルギー
性タンパク質のための特異的還元剤である。ジスルフィド(S−S)結合を有するほとん
どのタンパク質は、チオレドキシンによってスルフヒドリル(SH)レベルへ還元される
。これらのタンパク質は、アレルゲン的に活性であり、そして酸化(S−S)状態でより
消化可能でない。還元されたとき(SH状態)、これらはそのアレルゲン性を喪失し、お
よび/またはより消化可能になる。多くの種子および禾穀類中に見出されるアルブミン、
グロブリン、グリアジン、チオニンおよびグルテニンおよびまたミルク中に見出されるあ
20
る数のタンパク質のようなタンパク質中のジスルフィド結合のチオレドキシン還元は重要
で あ る 。 例 え ば Kiss, F. et al. (1991), Arch. Biochem. Biophys. 287:337-340; Johns
on, T. C. et al. (1987), Plant Physiol. 85:446-451; Kasarda, D. D. et al. (1976)
, Adv. Cer. Sci. Tech. 1:158-236;お よ び Osborne, T. B. et al. (1893), Amer. Chem.
J. 15:392-471; Shewry, P. R. et al. (1985), Adv. Cer. Sci. Tech. 7:1-83; Dahle,
L. K. et al. (1966), Cereal Chem. 43:682-688; Garcia-Olmedo, F. et al. (1987),
Oxford Surveys of Plant Molecularお よ び Cell Biology 4:275-335; Birk, Y. (1976),
Meth. Enzymol. 45:695-739,お よ び Laskowski, M., Jr. et al. (1980), Ann. Reo. Bioc
hem. 49:593-626; Weselake, R. J. et al. (1983), Plant Physiol. 72:809-812; Birk,
Y. (1985), Int. J. Peptide タ ン パ ク 質 Res. 25:113-131,お よ び Birk, Y. (1976), Me
30
th. Enzymol. 45:695-739; Birk, Y. (1985), Int. J. Peptide タ ン パ ク 質 Res. 25:113
-131参 照 。
【0004】
加 え て 、 チ オ レ ド キ シ ン は 、 多 く の 毒 性 タ ン パ ク 質 例 え ば 、 ヘ ビ (Yang, C. C. (1967) B
iochim. Biophys. Acta. 133:346-355; Howard, B. D. et al. (1977) Biochemistry 16:
122-125)、 ミ ツ バ チ 、 サ ソ リ (Watt, D. D. et al. (1972) Toxicon 10:173-181), 細 菌 神
経 毒 素 破 傷 風 お よ び ボ ツ リ ヌ ス 症 (Schiavo, G. et al. (1990) Infectionお よ び Immunity
58:4136-4141; Kistner, A. et al. (1992) Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol 34
5:227-234)中 の ジ ス ル フ ィ ド 結 合 を 還 元 し 、 そ れ に よ っ て そ れ ら の 毒 性 を い っ し ょ に 減 少
させ、またはある場合には排除する。
40
【0005】
チオレドキシンは、NADP−チオレドキシンレダクターゼ(生理学的条件)を介してニ
コチンアミドデニンジヌクレオチド燐酸(NADPH)によって、またはジチオスレイト
ール、化学的還元剤によって活性化され(還元され)るとき、この還元を達成する。例え
ば引用によりここに全体を含める米国特許番号5952034参照。感作化イヌで実施さ
れた皮膚試験および喫食実験は、接種に先立ち還元されたチオレドキシンでの食品の処理
は、食品のアレルゲン性を排除または減少することを示した。研究はまた、チオレドキシ
ンによる還元に続いて、ペプシンおよびトリプシンによる食品および食品たんぱく質の増
加消化を示した。
【0006】
50
(9)
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こうして、チオレドキシンレダクターゼを使用する、特性タンパク質の毒性を減少させる
、食品のアレルゲン性を減少させ得る、そして食品の消化可能性を増加する、効率的、低
コスト方法を開発することが望まれる。
【0007】
発明の要約
前概説目的にしたがって、本発明は、チオレドキシンレダクターゼのコファクター特異性
を変化させる方法であって、アミノ酸位置を含む、チオレドキシンレダクターゼスキャフ
ォルドタンパク質のための座標のセットを入力すること;少なくとも1つのタンパク質設
計サイクルを適用すること、および変化したコファクター従属性を有する候補タンパク質
のセットを生成することを含む方法を提供する。好ましくは、該スキャフォルドタンパク
10
質 は 、 E. coli、 Bacillus subtillis、 Mycobacterium Leprae、 Sarccharomyces、 Neurosp
ora crassa、 ア ラ ビ ド プ シ ス 、 お よ び ヒ ト か ら な る 生 物 の 群 よ り 選 択 さ れ る 。
【0008】
追加的側面では、変異体TRタンパク質のコファクター特異性は、NADPHまたはNA
DHである。好ましくは、コファクター特異性は、NADHに切り替えられる。加えて、
NADHと比較してNADPHに優先的に結合する、NADPHと比較してNADNに優
先的に結合する、両方のコファクターに同等に結合する他のTR変異体を生成する。他の
実施態様では、1または他のコファクターまたは両方についての触媒効率性を変化させる
。
【0009】
20
追 加 的 側 面 で は 、 変 異 体 T R は 、 RA4W、 RA5L、 RA5M、 RA5I、 RA5F、 RA5V、 RA5Y、 RA5A、 RA
5S、 RA5C、 RA5T、 RA6T、 RA6S、 RA6Q、 RA6G、 お よ び RA6N、 RA6D、 RA6M、 お よ び RA6Eか ら な
る置換の群より選択されるアミノ酸置換を有する。
【0010】
追加的側面では、本発明は、TRタンパク質の基質特異性を変化させるための方法であっ
て、アミノ酸位置を含む、チオレドキシンレダクターゼスキャフォルドタンパク質につい
ての座標のセットを入力すること;少なくとも1つのタンパク質設計サイクルを適用する
こと、および変化した基質特異性を有する候補変異タンパク質ノセットを生成することを
含む方法を提供する。
【0011】
30
追加的側面では、本発明は、標的タンパク質のコファクター特異性を変化させるための方
法であって、アミノ酸位置を含む、チオレドキシンレダクターゼスキャフォルドタンパク
質についての座標のセットを入力すること;少なくとも1つのタンパク質設計サイクルを
適用すること、および変化したコファクター特異性を有する候補変異タンパク質のセット
を生成することを含む方法を提供する。
【0012】
追加的実施態様では、本発明は、変異体チオレドキシンレダクターゼ(TR)タンパク質
であって、式I
(I)S1 -A1 -A2 -S2 -A3 -A4 -A5 -S3 -A6 -S4
式中
40
a)S1 は 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 2、 配 列 番 号 3、 配 列 番 号 4、 配 列 番 号 5、 配 列 番 号 6、 お よ び 配
列 番 号 7か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る
配列を含む、;
【0013】
b)S2 は 配 列 番 号 8、 配 列 番 号 9、 配 列 番 号 10、 配 列 番 号 11、 配 列 番 号 12、 配 列 番 号 13、 お よ
び 配 列 番 号 14か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有
する配列を含む、;
【0014】
c)S3 は 配 列 番 号 15、 配 列 番 号 16、 配 列 番 号 17、 配 列 番 号 18、 配 列 番 号 19、 配 列 番 号 20、 お
よ び 配 列 番 号 21か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性
50
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を有する配列を含む;
【0015】
d)S4 は 配 列 番 号 22、 配 列 番 号 23、 配 列 番 号 24、 配 列 番 号 25、 配 列 番 号 26、 配 列 番 号 27、 お
よ び 配 列 番 号 28、 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性
を有する配列を含む;
【0016】
e)A1 は セ リ ン 、 バ リ ン 、 グ リ シ ン 、 ア ラ ニ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン 、 フ
ェニルアラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分であり、
【0017】
f)A2 は ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン 、 フ ェ ニ ル ア
10
ラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分であり;
【0018】
g)A3 は ヒ ス チ ジ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ル ギ ニ ン 、 ロ イ シ ン 、 セ リ ン 、 ト
レオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、およびチロシンからなる群より選択
されるアミノ酸部分であり;
【0019】
h)A4 は ア ル ギ ニ ン 、 ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン
、フェニルアラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分であ
り;
【0020】
20
i)A5 は ア ル ギ ニ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 シ ス テ
イン、セリン、トレオニン、およびリジンからなる群より選択されるアミノ酸部分であり
;
【0021】
j)A6 は ア ル ギ ニ ン 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 シ ス テ
イン、セリン、トレオニン、およびリジンからなる群より選択されるアミノ酸部分である
;
【0022】
ただし少なくとも
A1 は セ リ ン で は な い ;
30
A2 は ア ラ ニ ン で は な い ;
A3 は ヒ ス チ ジ ン で は な い ;
A4 は ア ル ギ ニ ン で は な い ;
A5 は ア ル ギ ニ ン で は な い ;ま た は
A6 は ア ル ギ ニ ン で は な い 。
【0023】
追加的側面では、本発明は、植物細胞の油含量を変化させる方法であって、アミノ末端ク
ロロプラスト移行ペプチドを含む請求項1または22の修飾されたチオレドキシンレダク
ターゼ(TR)タンパク質をコードするDNA分子に作動可能に連結された植物細胞中で
機能性のプロモーターを含む発現カセットを、植物細胞内に導入し、形質転換された植物
40
細胞を得ること;および当該形質転換植物細胞を再生し、区別される形質転換植物を提供
することを含む方法を提供し、ここで修飾されたTRタンパク質をコードするDNA分子
の、当該植物での発現が、非形質転換植物と比較してコファクター特異性が変化している
。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1はチオレドキシンレダクターゼによって触媒される反応である。
【図2A】図2は高度に保存されるある数の種からのレダクターゼの活性部位ポケットを
示 す 。 も っ と も 普 通 の T R 配 列 の 幾 つ か で あ る 。 最 初 の コ ラ ム は 、 GenbankID番 号 を 列 挙
し 、 A1な い し A6は 式 I( 以 下 に 記 載 ) に 定 義 の ア ミ ノ 酸 を 言 及 す る 。 S2お よ び S3は A1な い
50
(11)
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し A6を 文 意 Rす る 配 列 ド メ イ ン で あ り 、 そ し て ま た 式 Iに 定 義 さ れ る 。
【図2B】図2は高度に保存されるある数の種からのレダクターゼの活性部位ポケットを
示す。普通のグルタチオンレダクターゼ配列のいくつかである。
【図2C】図2は高度に保存されるある数の種からのレダクターゼの活性部位ポケットを
示す。生物によってグループ化される定義された位置のそれぞれの天然配列多様性。
【図2D】図2は高度に保存されるある数の種からのレダクターゼの活性部位ポケットを
示す。生物によってグループ化される定義された位置のそれぞれの天然配列多様性である
。
【図2E】図2は高度に保存されるある数の種からのレダクターゼの活性部位ポケットを
示す。既知のコファクター特異性および既知のアミノ酸配置である。
10
【 図 3 − 1 】 図 3 は 式 Iで 使 用 し 得 る 種 々 の 配 列 で あ る 。
【 図 3 − 2 】 図 3 は 式 Iで 使 用 し 得 る 種 々 の 配 列 で あ る 。
【 図 3 − 3 】 図 3 は 式 Iで 使 用 し 得 る 種 々 の 配 列 で あ る 。
【 図 3 − 4 】 図 3 は 式 Iで 使 用 し 得 る 種 々 の 配 列 で あ る 。
【 図 3 − 5 】 図 3 は 式 Iで 使 用 し 得 る 種 々 の 配 列 で あ る 。
【 図 4 】 図 4 は ハ イ ス ル ー プ ッ ト TRス ク リ ー ニ ン グ 法 の 概 略 で あ る 。
【図5】図5はタンパク質精製戦略である。
【 図 6 】 図 6 は ア ラ ビ ド プ シ ス NTR野 生 型 レ ダ ク タ ー ゼ と 、 NAD(P)Hの 動 力 学 で あ る 。
【 図 7 】 図 7 は NTR-1ラ イ ブ ラ リ ー 1 か ら 取 得 さ れ た 変 異 体 で あ る 。
【 図 8 】 図 8 は NTR− 1ラ イ ブ ラ リ − 2か ら 取 得 さ れ た 変 異 体 で あ る 。
20
【 図 9 A 】 図 9 A は NTR− 1ラ イ ブ ラ リ ー 1 お よ び NTR− 2ラ イ ブ ラ リ − 2か ら 、 設 計 さ れ た
位置およびドック化されたコファクターである。
【 図 9 B 】 図 9 B は NTR− 1ラ イ ブ ラ リ ー 1 お よ び NTR− 2ラ イ ブ ラ リ − 2か ら 、 設 計 さ れ た
位置およびドック化されたコファクターである。
【図10】図10は4つのコンピューター的ライブラリからの変異体のスクリーニングか
ら得たまとめである。
【 図 1 1 A 】 図 1 1 A は 2 つ の 変 異 体 対 野 生 型 TRに つ い て の 動 力 学 パ ラ メ ー タ ー で あ る 。
【 図 1 1 B 】 図 1 1 B は 2 つ の 変 異 体 対 野 生 型 TRに つ い て の 動 力 学 パ ラ メ ー タ ー で あ る 。
【 図 1 2 】 図 1 2 は NTR− 1ラ イ ブ ラ リ − 2設 計 か ら 取 得 さ れ た 最 良 変 異 体 の ま と め で あ る
。
30
【 図 1 3 A 】 図 1 3 A は 高 複 雑 性 ラ ン ダ ム RRRラ イ ブ ラ リ ー か ら 取 得 し た 変 異 体 の 活 性 の
まとめである。
【 図 1 3 B 】 図 1 3 B は 高 複 雑 性 ラ ン ダ ム RRRラ イ ブ ラ リ ー か ら 取 得 し た 変 異 体 の 活 性 の
まとめである。
【図13C】図13Cはこのライブラリーから取得した変異体のまとめである。
【図14】図14はクローンからの2つについてのコンピュター的モデルである。
【図15】図15は変異体のいくつかについての酵素的活性および動力学パラメータのま
とめである。
【 図 1 6 A − 1 】 図 1 6 A は WVR変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 B − 1 】 図 1 6 B は WMG変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
40
【 図 1 6 C − 1 】 図 1 6 C は WIS変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 D − 1 】 図 1 6 D は WMS変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 E − 1 】 図 1 6 E は WLS変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 F − 1 】 図 1 6 F は WRT変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 G − 1 】 図 1 6 G は RYN変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 H − 1 】 図 1 6 H は RYN-A変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 I − 1 】 図 1 6 I は RFN変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 J − 1 】 図 1 6 J は RRR-WT核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 K − 1 】 図 1 6 K は WVG変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 L − 1 】 図 1 6 L は WRS変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
50
(12)
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【 図 1 6 M − 1 】 図 1 6 M は WFQ変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 N − 1 】 図 1 6 N は NTR野 生 型 タ ン パ ク 質 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 O − 1 】 図 1 6 O は RYN-M変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。
【 図 1 6 P − 1 】 図 1 6 P は RYN-L変 異 体 に つ い て の 核 酸 配 列 で あ る 。 図 1 6 Q RYN-I変
異体についての核酸配列である。
【 図 1 7 A 】 図 1 7 A は 変 異 体 の う ち の い く つ か と の 、 ア ラ ビ ド プ シ ス NTR野 生 型 タ ン パ
ク質のアラインメントである。
【 図 1 7 B 】 図 1 7 B は 変 異 体 の う ち の い く つ か と の 、 ア ラ ビ ド プ シ ス NTR野 生 型 タ ン パ
ク質のアラインメントである。
【 図 1 8 】 図 1 8 は 実 施 例 1 に キ シ の 重 要 な RRRな い し RNY変 化 の コ ン ピ ュ ー タ 的 提 示 で あ
10
る。
【 図 1 9 】 図 1 9 は タ ン パ ク 質 デ ー タ バ ン ク か ら 抜 粋 の NADコ ン ホ メ ー シ ョ ン の 小 サ ン プ
ル で あ る 。 ボ ー ル -お よ び ス テ ィ ッ ク − モ デ ル は 、 NAD TDFコ ン ホ ー マ ー で あ り 、 こ れ は
その他のほとんどと異なるリブロースパッカーを有する。
【 図 2 0 】 図 2 0 は PDAシ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 利 用 さ れ る ラ イ ブ ラ リ ー 位 置 お よ び ラ イ ブ ラ
リ ー 1お よ び 2の 生 成 で あ る 。
【 図 2 1 − 1 】 図 2 1 は い く つ か の 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 の 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト で あ る 。 配
列 は 、 以 下 に 対 応 す る : 1)| P09625│TRXB_ECOLI; 2) │P80880│TRXB_BACSU; 3) │P46843│
TRXB_MYCLE; 4) │P51978│TRXB_NEUCR; 5) │P29509│TRB1_YEAST; 6) │P38816│TRB2_YEA
ST;7) │Q39243│TRB1_ARATH; 8) │Q39242│TRB2_ARATH; お よ び 、 9) │Q16881│TRXB_HUMAN
20
。
【 図 2 1 − 2 】 図 2 1 は い く つ か の 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 の 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト で あ る 。 配
列 は 、 以 下 に 対 応 す る : 1)| P09625│TRXB_ECOLI; 2) │P80880│TRXB_BACSU; 3) │P46843│
TRXB_MYCLE; 4) │P51978│TRXB_NEUCR; 5) │P29509│TRB1_YEAST; 6) │P38816│TRB2_YEA
ST;7) │Q39243│TRB1_ARATH; 8) │Q39242│TRB2_ARATH; お よ び 、 9) │Q16881│TRXB_HUMAN
。
【 図 2 1 − 3 】 図 2 1 は い く つ か の 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 の 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト で あ る 。 配
列 は 、 以 下 に 対 応 す る : 1)| P09625│TRXB_ECOLI; 2) │P80880│TRXB_BACSU; 3) │P46843│
TRXB_MYCLE; 4) │P51978│TRXB_NEUCR; 5) │P29509│TRB1_YEAST; 6) │P38816│TRB2_YEA
ST;7) │Q39243│TRB1_ARATH; 8) │Q39242│TRB2_ARATH; お よ び 、 9) │Q16881│TRXB_HUMAN
30
。
【 図 2 2 】 図 2 2 は い く つ の 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 ノ ア ミ ノ 酸 配 列 で あ る 。 配 列 は 以 下 に 対
応 す る : A) │P09625│TRXB_ECOLI; B) │P80880│TRXB_BACSU; C) │P46843│TRXB_MYCLE; D) │P51978│TRXB_NEUCR; E) │P29509│TRB1_YEAST; F) │P38816│TRB2_YEAST;G) │Q39243
│TRB1_ARATH; H) │Q39242│TRB2_ARATH;お よ び , I) │Q16881│TRXB_HUMAN。
【0025】
発明の詳細な記載
本発明は、変化したコファクター特異性を呈する変異体タンパク質および核酸の生成を指
向する。該変異体タンパク質は、アルすの種々のアプローチを使用して生成し得る。例え
ば、慣行の突然変異誘発およびコンピューター的加工アプローチである。コンピューター
40
的 加 工 ア プ ロ ー チ は 、 米 国 特 許 番 号 6,188,965お よ び 6,296,312, 米 国 出 願 番 号 09/419,3
51, 09/782,004, 09/927,79,お よ び 09/877,695で あ っ て す べ て 引 用 に よ り こ こ に 全 体 を 含
めるものに以前記載された。一般に、これらの出願は、種々のコンピューター的モデル化
システムを使用し、これは極度に安定なタンパク質の生成を可能とする。このやり方では
、野生型タンパク質の変異体であって、野生型タンパク質吐比較して変化したコファクタ
ー特異性を呈するものを生成する。
【0026】
本発明の方法を、その他を超えて1のコファクターについて優先性を呈する任意の酵素に
適用し得る。例えば、酵素レダクターゼは、その他に対し1のコファクターについて優先
性をしばしば呈する。加えて、本発明の方法を、標的タンパク質の基質特異性を変化させ
50
(13)
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るために適用し得る。
【0027】
特 に 、 本 発 明 の 方 法 を 使 用 し 、 NADPHか ら NADHに コ フ ァ ク タ ー 優 先 性 を 変 化 さ せ る こ と が
で き る 。 NADPHは 高 価 な 還 元 剤 で あ る 。 そ の 費 用 は 、 食 品 ア レ ル ゲ ン お よ び 毒 液 処 置 を 減
少させることにおけるチオレドキシンシステムの広い使用を禁止してきた。こうして、当
分 野 で 、 よ り 低 い コ ス ト で 、 NADP-チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 還 元 剤 の 使 用 と し て 同 じ
結果を達成する他のシステムを見出す必要性がある。1つのそのようなシステムは、変化
したコファクター特異性を有するチオレドキシンレダクターゼの変異体を生成する。
【0028】
本発明にしたがって、標的タンパク質のコファクター特異性を変化させる方法を提供する
10
。ここに「変化」または文法的均等物によって、ポリペプチドの文脈では、ここで使用す
るように、天然に存在するタンパク質の対応する特性と比較して選択または検出できるポ
リペプチドの任意の特徴または属性をさらに言及する。これらのタンパク質は、限定しな
いが、コファクター特異性、細胞毒性活性、酸化的安定性、基質特異性、基質結合または
触 媒 活 性 、 温 度 安 定 性 、 ア ル カ リ 安 定 性 、 p H活 性 プ ロ フ ァ イ ル 、 タ ン パ ク 質 溶 解 分 解 へ
の 抵 抗 性 、 動 力 学 会 合 ( Kon)お よ び 解 離 ( Koff)率 、 分 泌 の た め の 能 力 、 細 胞 の 表 面 上 の
ディスプレイ能力、オリゴマー化能力、シグナル化能力、細胞増殖を刺激する能力、細胞
増殖を阻害する能力、アポトーシスを誘導する能力、ホスホリル化またはグリコシル化に
よって修飾される能力、疾患を処置する能力を含む。
【0029】
20
他に特定しない限り、前列挙特性のいずれかの実質的変化は、本発明の変異体ポリペプチ
ドの特性を、標的タンパク質または野生型タンパク質の特性と比較するとき、好ましくは
少 な く と も 2 0 % 、 よ り 好 ま し く は 5 0 % 、 よ り 好 ま し く は 少 な く と も 2倍 増 加 ま た は 減
少である。
【0030】
ここで「コファクター特異性」によって、酵素のコファクター優先性を変化させることを
意味する。ここで「コファクター」によって、補酵素、例えば酸化/還元反応に関与する
NADPH、 NADHを 意 味 す る 。 こ う し て 、 標 的 タ ン パ ク 質 は 、 そ の 他 を 超 え る 1 の コ フ ァ ク タ
ーについての優先性を呈する。本発明の方法を使用し、標的酵素のコファクター優先性を
変化させ得、その結果より低い優先されたコファクターについての優先性は、20%、5
30
0%、100%、300%、500%、1000%、2000%まで増加する。例えばあ
る 数 の レ ダ ク タ ー ゼ 酵 素 は 、 NADHよ り NADPHを 優 先 す る (WO 02/22526; WO 02.29019; Mitt
l, PR., et al., (1994) Protein Sci., 3: 1504-14; Banta, S., et al., (2002) Prote
in Eng., 15:131-140; す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る の を 参 照 )。 NPDPHの 利 用 性 は 、 イ
ンビボおよびインビトロの両方でしばしば限定的であるように、標的タンパク質の全体活
性 は 、 し ば し ば 限 定 的 で あ る 。 コ フ ァ ク タ ー と し て NADPHを 好 む 標 的 タ ン パ ク 質 の た め に
、 よ り 容 易 に 利 用 可 能 で あ る コ フ ァ ク タ ー 、 例 え ば NADHに 標 的 タ ン パ ク 質 の コ フ ァ ク タ ー
特異性を変化させることが望ましい。
【0031】
好ましい実施態様では、標的タンパク質のコファクター特異性を切りかえる。「切りかえ
40
る」によってここに、標的タンパク質のコファクター優先性(例えば親和性)を、その他
の コ フ ァ ク タ ー に 変 化 さ せ る 。 好 ま し く は 、 1実 施 態 様 で は 、 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 を 切 り
替えることによって、野生型酵素によって優先されるコファクターを有する活性を減少さ
せ、一方より低い優先されたコファクターを有する活性を増加させる。例えば、もし標的
タ ン パ ク 質 が NADPHを 優 先 す る な ら ば 、 該 優 先 性 を NADHに 切 り 替 え る こ と は 、 NADHを 使 用
し て ネ イ テ ィ ブ NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 5 0 % を 有 す る 変 異 体 TRを 得 る 。 よ り 好 ま
し く は 、 変 異 体 TRは NADHを 使 用 し て 天 然 NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 7 5 % を 有 す る 。
よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRは 、 NADHを 使 用 し て ネ イ テ ィ ブ NADPH活 性 の 8 5 % 、 9 5 % 、 1
00%までを有する。代替的に、その他の実施態様では、代替的コファクター親和性は、
優先されるコファクター親和性の現象を有することなく増加する。なおさらなる実施態様
50
(14)
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では、両方のファクターについてのコファクター親和性は同時的に変化する。
【0032】
好ましくは、コファクターについての標的タンパク質の触媒効験は、増強される。ここに
「触媒効験」によって、コファクターでの活性が顕著に改善されることを意味する。触媒
効験は、いずれかの優先されるコファクターについて改善され、または、コファクター特
異性が変化する場合の実施態様では、変化コファクターでの触媒効験は改善し得る。
【0033】
好ましい実施態様では、コファクターについての標的タンパク質の結合親和性は増強され
る。結合親和性の変化は、少なくとも5%またはより大きい増加または野生型標的タンパ
ク質と比較したときの結合親和性の減少によって証拠付けられる。ある種の実施態様では
10
、本発明の変異体タンパク質は、その他についてよりも1コファクターについての100
倍より大きい親和性を示し得、一方他の実施態様では、変異体タンパク質は、その他につ
いてよりも1コファクターについて50倍より大きい親和性を示す。または変異体タンパ
ク 質 は 、 そ の 他 よ り も 1 コ フ ァ ク タ ー に つ い て 25倍 よ り 大 き い 親 和 性 を 示 し 得 る 。
【0034】
好ましい実施態様では、標的タンパク質の基質特異性は、変化する。例えば、標的タンパ
ク質が典型的には、同じ種からの基質に作用するならば、標的タンパク質の基質特異性が
変化し得、その結果変異体タンパク質は、他の種からの基質に作用し得る。
【0035】
よって、本発明は、標的タンパク質のコファクター特異性を変化させるための方法を指向
20
する。ここに「標的タンパク質」または「スキャフォルドタンパク質」またはその文法的
均等物は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチドおよびペプチドを含む少なくとも
2つの共有結合アミノ酸を意味する。タンパク質は、天然存在アミノ酸およびペプチド結
合、または全般に合成の方法に依存して、合成ペプチドミメチック構造すなわち「アナロ
グ 」 例 え ば ペ プ ト イ ド [Simon et al., Proc. Natl. Acd. Sci. USA 89(20:9367-71(1992)
参 照 ]か ら 作 成 し 得 る 。 こ う し て こ こ に 使 用 す る よ う に 「 ア ミ ノ 酸 」 ま た は 「 ペ プ チ ド 残
基」は、天然存在および合成の両方を意味する。例えば、ホモフェニルアラニン、シトル
リン、およびノレロイシンは本発明の目的のアミノ酸と考える。「アミノ酸」はまた、イ
ミノ酸残基例えばプロリンおよびヒドロキシプロリンを含む。加えて、本発明の変異体タ
ンパク質の構成要素を表すアミノ酸は、同じアミノ酸また反対キラリティによって置換し
30
得 る 。 こ う し て L配 置 で 天 然 に 存 在 す る 任 意 の ア ミ ノ 酸 ( こ れ は ま た 、 化 学 物 質 の 構 造 に
依 存 し て Rま た は Sと し て 言 及 し 得 る ) は 、 同 じ 化 学 的 構 造 型 の ア ミ ノ 酸 ま た 反 対 キ ラ リ テ
ィ で あ っ て 一 般 に D− ア ミ ノ 酸 と い わ れ 、 し か し 追 加 的 に そ の 組 成 お よ び 化 学 的 配 置 に 依
存 し て Rま た は Sと し て 言 及 さ れ る の と 置 換 し 得 る 。 そ の よ う な 誘 導 体 は 、 大 き く 増 加 し た
安定性の特性を有し、そしてしたがって、より長いインビボ半減期を有し得る化合物の製
剤で、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、局所、経腸、目内、またはその他の経路で投与し
た と き に 有 利 で あ る 。 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 ア ミ ノ 酸 は ( S)ま た は L配 置 で あ る 。 も し
非天然存在側鎖を使用するならば、非アミノ酸置換を使用し、例えばインビボ分解を防止
または阻害し得る。非天然存在アミノ酸を含むタンパク質は合成し得、幾つかの場合は、
組 換 え 的 に 作 成 し 得 る 。 引 用 に よ り こ こ に 含 め る 、 van Hest et al., FEBS Lett 428:(1-
40
2) 68-70 May 22 1998お よ び Tang et al., Abstr. Pap Am. Chem. S218:U138-U138 Part
2 August 22, 1999参 照 。
【0036】
芳 香 族 ア ミ ノ 酸 は 、 Dま た は Lナ フ チ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は Lフ ェ ニ ル グ リ シ ン 、 Dま た は L-2
-チ エ ニ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は L-1-、 -2-、 -3-ま た は 4-ピ レ ニ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は L-3-チ
エ ニ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は L-(2-ピ リ ジ ニ ル )-ア ラ ニ ン 、 Dま た は L(3-ピ リ ジ ニ ル )-ア ラ ニ
ン 、 Dま た は L-(2-ピ ラ ジ ニ ル )-ア ラ ニ ン 、 Dま た は L(4-イ ソ プ ロ ピ ル ) -フ ェ ニ ル グ リ 親 、
D-(ト リ フ ル オ ロ メ チ ル )-フ ェ ニ ル グ リ シ ン 、 D-(ト リ フ ル オ ロ メ チ ル )-フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン
、 D-p-フ ル オ ロ フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は L-p-ビ フ ェ ニ ル フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は Lp-メ ト キ シ ビ フ ェ ニ ル フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン 、 Dま た は L-2-イ ン ド ー ル (ア ル キ ル ) ア ラ ニ ン 、
50
(15)
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お よ び Dま た は L-ア ル キ ル ア ラ ニ ン で 置 換 し 得 る 。 こ こ で 、 ア ル キ ル は 、 置 換 ま た は 非 置
換メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル
、 sec-ブ チ ル 、 sec-イ ソ チ ル 、 イ ソ -ペ ン チ ル 、 非 酸 性 ア ミ ノ 酸 で あ っ て C1− C20で あ る も
のであり得る。酸性アミノ酸は、非カルボキシレートアミノ酸であって、陰性荷電を維持
するもの、およびその誘導体またはアナログ、例えば非限定的例は、(フォスフォノ)ア
ラニン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、またはセリン、または硫酸化
( 例 え ば -SO置 換 3 H) ト レ オ ニ ン 、 セ リ ン 、 チ ロ シ ン で あ る 。 他 の 置 換 は 、 非 天 然 ヒ ド ロ
キシル化アミノ酸は、「アルキル」を任意の天然アミノ酸とあわせることにより作成し得
る。用語「アルキル」はここで使用するように、分枝または非分枝飽和炭化水素基で1な
い し 2 4 炭 素 原 子 の も の 、 例 え ば メ チ ル 、 エ チ ル 。 n-プ ロ ピ ル 、 イ ソ プ ト ピ ル 、 n-ブ チ ル
10
、 イ ソ ブ チ ル 、 t-ブ チ ル 、 オ ク チ ル 、 デ シ ル 、 テ ト ラ デ シ ル 、 ヘ キ サ デ シ ル 、 エ イ コ シ ル
、テトラシシル等である。
【0037】
アルキルは、窒素、酸素、および硫黄の原子を有するヘテロアルキルを含む。好ましいア
ルキル基は、ここで、1ないし12炭素原子を含む。塩基性アミノ酸は、天然存在アミノ
酸 リ ジ ン 、 ア ル ギ ニ ン 、 オ ル ニ チ ン 、 シ ト ル リ ン ま た は ( グ ア ニ ジ ノ ) -酢 酸 、 ま た は 他
の ( グ ア ニ ジ ノ )ア ル キ ル -酢 酸 の 任 意 の 位 置 で ア ル キ ル 基 で 置 換 さ れ い 得 る 。 こ こ で 「 ア
ル キ ル 」 は 、 前 定 義 の 通 り で あ る 。 ニ ト リ ル 誘 導 体 ( 例 え ば COOHの 代 わ り に CN-部 分 を 含
む)は、またアスパラギンまたはグリタミンで置換し得、そしてメチオニンスルホキシド
は、メチオニンで置換し得る。そのようなペプチド誘導体の製造の方法は、当業者に周知
20
である。
【0038】
加えて、任意の変異体ペプチドの任意のアミド結合は、ケトメチレン部分によって置換で
きる。そのような誘導体は、酵素による分解に対する増加安定性を有することが予測され
る。したがって、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、局所、経腸、眼内または他の経路によ
って投与するように、増加インビボ半減期を有し得る化合物の製剤のために有利性を保有
する。本発明の変異体ポリペプチドのアミノ酸の追加的アミノ酸修飾は、異化を含み得る
: シ ス テ イ ニ ル 残 基 は 、 α ハ ロ ア セ テ ー ト ( お よ び 対 応 ア ミ ン ) で 、 例 え ば 2-ク ロ ロ 酢 酸
またはクロロアセトアミドで置換し得、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル
誘導体を与える。システイニル残基は、また化合物例えばブロモトリフルオロアセトン、
30
α -ブ ロ モ -β -(5-イ ミ ド ゾ イ ル )プ ロ ピ オ ン 酸 、 ク ロ ロ ア セ チ ル フ ォ ス フ ェ ー ト 、 N-ア ル
キ ル マ レ イ ミ ド 、 3-ニ ト ロ -2-ピ リ ジ ル ジ ス ル フ ィ ド 、 メ チ ル -2-ピ リ ジ ル ジ ス ル フ ィ ド 、
p-ク ロ ロ メ ル ク リ ベ ン ゾ エ ー ト 、 2-ク ロ ロ メ ル ク リ -4-ニ ト ロ フ ェ ノ ー ル 、 ま た は ク ロ ロ 7-ニ ト ロ ベ ン ゾ -2-オ キ サ -1,3-ジ ア ゾ ー ル と の 反 応 に よ っ て 誘 導 体 化 し 得 る 。 ヒ ス チ ジ ル
残 気 を 、 化 合 物 、 例 え ば ジ エ チ ル プ ロ カ ル ボ ネ ー ト と 、 例 え ば p H5.5-7.0の 反 応 に よ っ て
誘導体化し得、というのは、この剤は、明かに、ヒスチジル側鎖に特異的であり、および
パ ラ -ブ ロ モ フ ェ ナ シ ル ブ ロ ミ ド を ま た 使 用 し 得 る : 例 え ば こ こ で 反 応 は 、 好 ま し く は 0
. 1 Mナ ト リ ウ ム カ コ ジ レ ー ト で p H6.0で 実 施 す る 。 リ シ ニ ル お よ び ア ミ ノ 末 端 残 基 は 、
化合物、例えばコハク酸または他のカルボン酸無水物と反応し得る。これらの剤での誘導
体化は、リシニル残基の変化を逆転する効果を有すると期待される。αアミノ含有残基を
40
誘 導 体 化 す る た め の 他 の 好 適 な 試 薬 は 、 化 合 物 例 え ば イ ミ ド エ ス テ ル /例 え ば メ チ ル ピ コ
リンイミデートとしてピリドキサールフォスフェート、ピリドキサール、ウロロボロヒド
リ ド 、 ト リ ニ ト ロ ベ ン ゼ ン ス ル ホ ン 酸 ; O-メ チ ル イ ソ ウ レ ア ; 2,4-ペ ン タ ン ジ オ ン ; お よ
びグリコシレートとのトランスアミナーゼ触媒性反応を含む。アルギニル残基は、1また
は 幾 つ か の 慣 行 の 試 薬 、 と り わ け フ ェ ニ ル グ リ オ キ サ ー ル 、 2,3-ブ タ ン ジ オ ン 、 1,2-シ ク
ロヘキサンジオン、およびニンヒドリンとの反応によって既知方法工程にしたがって修飾
し得る。アルギニン残基の誘導体化は、反応がアルカリ条件で実施されるコとを要旨、と
い う の は 、 グ ア ニ ジ ン 官 能 基 の pKaが 高 い か ら で あ る 。 さ ら に 、 こ れ ら の 試 薬 は 、 リ ジ ン
の 基 並 び に ア ル ギ ニ ン イ プ シ ロ ン -ア ミ ノ 基 と 反 応 し 得 る 。 チ ロ シ ル 残 基 の 特 異 的 修 飾 は
それ自体周知である。例えばスペクトル標識を、チロシル残基に、芳香族ジアゾニウム化
50
(16)
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合 物 ま た は テ ト ラ ニ ト ロ メ タ ン と の 反 応 に よ っ て 導 入 す る 。 N-ア セ チ ル イ ミ ジ ゾ ー ル お よ
び テ ト ラ ニ ト ロ メ タ ン を 使 用 し 、 そ れ ぞ れ O-ア セ チ ル チ ロ シ ル 種 お よ び 3-ニ ト ロ 誘 導 体 を
形成し得る。カルボキシル側鎖(アスパルチルまたはグルタミル)を、選択的に、カルボ
ジ ミ イ ド ( R'-N-C-N-R')例 え ば 1-シ ク ロ ヘ キ シ ル -3-2-モ ル フ ォ リ ニ ル -(4-エ チ ル ) カ ル
ボ ジ ミ ド ま た は 1-エ チ ル -3-(4-ア ゾ ニ ア -4,4-ジ メ チ ル ペ ン チ ル ) カ ル ボ ジ イ ミ ド と の 反
応によって修飾し得る。
【0039】
さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によってア
スパラギニルおよびグルタミニル残基へ変換し得る。グルタミルおよびアスパラギニル残
基は、頻繁に、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に脱アミデート化し得る。代
10
替的に、これらの残基を、温和な酸性条件化で脱アミデート化し得る。これらの残基のい
ずれかの形態は、本発明の範囲内である。
【0040】
標 的 ま た は ス キ ャ フ ォ ル ド タ ン パ ク 質 は 、 3次 元 構 造 す な わ ち 、 タ ン パ ク 質 の そ れ ぞ れ の
原 子 に つ い て の 3次 元 座 標 が 既 知 ま た は 生 成 し 得 る 任 意 の タ ン パ ク 質 で あ り 得 る 。 一 般 に
、 こ れ は 、 X線 結 晶 学 的 技 法 、 NMR技 法 、 デ ノ ボ モ デ リ ン グ 、 相 同 性 モ デ リ ン グ 等 を 使 用 し
て 決 定 で き る 。 一 般 に x 線 構 造 を 使 用 す る な ら ば 、 2解 像 で ま た は よ り よ い 構 造 が 好 ま し
いが必要ではない。
【0041】
本発明の標的またはスキャフォルドタンパク質を原核および真核生物、例えばバクテリア
20
( extremeophiles例 え ば archebacteria)を 含 む 、 真 菌 、 昆 虫 、 魚 、 植 物 、 お よ び 哺 乳 動 物
からのものであり得る。好適な哺乳動物は限定しないがげっ歯類(ラット、マウス、ハム
スター、ギニアブタ等)、霊長類、家畜(ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ等を含む)お
よびもとも好ましい実施態様ではヒトからのものである。
【0042】
こうして、ここに「標的タンパク質」または「スキャホルドタンパク質」は、変異体タン
パク質または変異体タンパク質のライブラリー、好ましくは変化したコファクター特異性
を有するものが、望まれるタンパク質を意味する。当業者によって認識されるように、任
意の数の標的タンパク質は、本発明の使用を見出す。「タンパク質」の定義内に具体的に
含まれるのは、機能性ドメイン、例えば酵素的ドメイン、結合ドメイン等を含む、既知タ
30
ンパク質のフラグメントおよびドメイン、および小ドメイン例えばターン、ループ等であ
る。すなわち、タンパク質の部分は同様に使用し得る。加えて、ここで使用するような「
タンパク質」は、タンパク質、オリゴペプチドおよびペプチドを含む。加えて、タンパク
質変異体すなわち非天然存在タンパク質アナログ構造を使用し得る。
【0043】
好適なタンパク質は、限定しないが、工業、製薬、および農業的タンパク質を含む。酵素
の好適なクラスは、限定しないが、レダクターゼ、ヒロドラーゼ、例えばプロテアーゼ、
カルボヒドラーゼ、リパーゼイソメラーゼ、例えばラセマーゼ、エピメラーゼ、タウトマ
ラーゼ、またはムターゼ、トランスフェラーゼ、キナーゼ、オキシドレダクターゼ、デヒ
ド ロ ゲ ナ ー ゼ 、 お よ び フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ を 含 む 。 、 好 適 な 酵 素 は 、 Seiss-Prot酵 素 デ ー タ
40
ベ -ス に 列 挙 さ れ る 。 好 適 な タ ン パ ク 質 バ ッ ク ボ ー ン は 、 限 定 し な い が 、 Research Collab
oratory for Structural Bioinformatics(RCSB, formerly the Brookhaven National Lab
)に よ っ て コ ン パ イ ル お よ び 供 さ れ る タ ン パ ク 質 デ ー タ ベ ー ス に 見 出 さ れ る も の す べ て で
ある。
【0044】
具体的には、好ましい標的タンパク質は、レダクターゼ、例えばチオレドキシンレダクタ
ー ゼ (US Pub. No. 2002/0037303), 2,5-ジ ケ ト -D-グ ル コ ン 酸 レ ダ ク タ ー ゼ (Banta, S, e
t al., (2002) タ ン パ ク 質 Eng., 15: 131-140; WO 02/22527; WO 02/29019),グ ル タ チ オ
ン レ ダ ク タ ー ゼ (Mittl, PR, et al. (1993) J. Mol. Biol., 231: 191-5; Mittl & Schu
lz, (1994) タ ン パ ク 質 Sci., 3: 799-809; Mittl, PR, et al., (1994) タ ン パ ク 質 Sci
50
(17)
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., 3: 1504-14), ア ル カ リ ヒ ド ロ パ ー オ キ シ ド レ ダ ク タ ー ゼ シ ス テ ム (Wood, ZA, et al.
, (2001), Biochemistry, 40: 3900-3911), チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ -様 タ ン パ ク 質 (
Reynolds, CM, et al., (2002) Biochemistry, 41: 1990-2001)を 含 む 。
【0045】
よって本発明は、標的タンパク質のコファクター特異性を変化させるコンピューター的加
工方法を指向する。ひとたび標的タンパク質またはスキャフォルドタンパク質のための座
標のセットを入力すると、タンパク質設計サイクルを実行し、望まれるレセプターについ
ての変化した親和性を有する可変タンパク質配列のセットを生成する。ここに「タンパク
質 設 計 サ イ ク ル 」 に よ っ て 限 定 し な い が Protein Design Automation(登 録 商 標 ) (PDA( 登
録 商 標 ) ), 配 列 予 測 ア ル ゴ リ ズ ム (SPA), 種 々 の 力 場 計 算 等 ( 米 国 特 許 番 号 6,188,965
10
お よ び 6,296,312, 米 国 出 願 番 号 09/419,351, 09/782,004, 09/927,79, 09/877,695; Rah
a, K., et al. (2000) Protein Sci., 9:1106-1119, U.S.S.N. 09/877,695, 2001年 6 月
8 日 出 願 , 名 称 「 Apparatusお よ び Method for Designing Proteins and Protein Librari
es; 米 国 出 願 番 号 09/927,790, 60/352,103, お よ び 60/351,937で あ っ て す べ て 引 用 に
よりここに全体を含めるものを参照)を含む配列を生産するために使用し得るある数のタ
ンパク質設計アルゴリズムのにいずれかを意味する。
【0046】
好ましい実施態様では、本発明の方法は、標的タンパク質で出発し、およびコンピュータ
ー的加工を使用し、候補または変異体タンパク質または第1配列のセットを生成すること
に 関 係 す る 。 代 替 的 に 、 構 造 に 基 づ く 方 法 、 例 え ば PDA( 登 録 商 標 ) で あ っ て 以 下 に 詳 細
20
に記載するものを使用する。高正確性配列の相対的エネルギーを評価するための他モデル
は 、 引 用 に よ り こ こ に 含 め る Warshel, Computer Modeling of Chemical Reactions in En
zymesお よ び Solutions, Wiley & Sons, New York, (1991)を 含 む 。
【0047】
同様に、分子力学計算を使用し、突然変異体配列スコアを個々に計算し、およびランク整
列リストをコンパイルすることによって配列をコンピューター的にスクリーンすることが
できる。
【0048】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 残 基 対 ペ ン ダ ン ト を 使 用 し 、 配 列 を ス コ ア 化 す る こ と が で き る (M
iyazawa et al., Macromolecules 18(3):534-552 (1985), 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) dur
30
ing computational screening。
【0049】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 配 列 プ ロ フ ァ イ ル ス コ ア (Bowie et al., Science 253(5016):164
-70 (1991), 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) お よ び /ま た は 平 均 力 の 潜 在 性 (Hendlich et al.
, J. Mol. Biol. 216(1):167-180 (1990),ま た 引 用 に よ り こ こ に 含 め る )は ま た 、 配 列 を
ス コ ア 化 す る た め に 計 算 し 得 る 。 こ れ ら の 方 法 は 、 配 列 と 3 Dタ ン パ ク 質 構 造 の 間 の マ ッ
チを評価し、ゆえにタンパク質構造への忠実性についてスクリーンするために作用できる
。配列をランクするため種々のスコア化機能を使用することによって、配列スペースの種
々の領域を、コンピューター的スクリーンにおいてサンプリングできる。
【0050】
40
さらに、スコア化機能を使用し、タンパク質の金属またはコファクター結合部位を創出す
る 配 列 に つ い て ス ク リ ー ン で き る 。 (Hellinga, Fold Des. 3(1): R1-8 (1998),引 用 に よ
り こ こ に 含 め る )。 同 様 に 、 機 能 を ス コ ア す る こ と を 使 用 し 、 タ ン パ ク 質 に ジ ス ル フ ィ ド
を創出する配列についてスクリーンできる。これらの潜在性は新しい構造モチーフを導入
得るタンパク質構造を具体的に修飾するのを試みる。
【0051】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 配 列 お よ び /ま た は 構 造 ア ラ イ ン メ ン ト プ ロ グ ラ ム を 使 用 し 、 発
明の変異体タンパク質を生成し得る。当業界で知られるように、ある数の配列に基づくア
ラ イ ン メ ン ト プ ロ グ ラ ム 、 例 え ば 、 Smith-Waterman searches, Needleman-Wunsch, Doubl
e Affine Smith-Waterman, frame search, Gribskov/GCG profile search, Gribskov/GCG
50
(18)
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profile scan, profile frame search, Bucher generalized profiles, Hidden Markov
models, Hframe, Double Frame, Blast, Psi-Blast, Clustal,お よ び GeneWiseを 含 む も の
がある。
【0052】
配列の源は広く変化し、そして1または2以上の既知のデータベースであって限定しない
が SCOP (Hubbard, et al., Nucleic Acids Res 27(1):254-256. (1999)); PFAM (Bateman
, et al., Nucleic Acids Res 27(1):260-262. (1999)); VAST (Gibrat, et al., Curr O
pin Struct Biol 6(3):377-385. (1996)); CATH (Orengo, et al., Structure 5(8):1093
-1108. (1997)); PhD Predictor (http://www.embl-heidelberg.de/predictタ ン パ ク 質 /
predictタ ン パ ク 質 .html); Prosite (Hofmann, et al., Nucleic Acids Res 27(1):215-2
10
19. (1999)); PIR (http://www.mips.biochem.mpg.de/proj/protseqdb/); GenBank (http
://www.ncbi.nlm.nih.gov/); PDB (www.rcsb.org)お よ び BIND (Bader, et al., Nucleic
Acids Res 29(1):242-245. (2001))を 含 む も の か ら の 配 列 を と る こ と を 含 む 。
【0053】
加えて、これらのデータベースからの配列を、連続分析または遺伝子予測の対象とするこ
と が で き る ; Wheeler, et al., Nucleic Acids Res 28(1):10-14. (2000)お よ び Burgeお
よ び Karlin, J Mol Biol 268(1):78-94. (1997)参 照 。
【0054】
当業界で知られるように、使用できる配列アラインメント方法論のある数がある。例えば
、配列相同性に基づくアラインメント方法を使用し、標的構造に関連するタンパク質の配
20
列 ア ラ イ ン メ ン ト を 創 出 で き る (Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410 (199
0), Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25:3389-3402 (1997), both 引 用 に よ り こ
こ に 含 め る ). こ れ ら の 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト を 次 い で 試 験 し 、 観 察 配 列 変 異 を 決 定 す る 。
これらの配列変異を集計し、変異体タンパク質のあるセットを定義する。
【0055】
配列に基づくアラインメントを、種々の方法で使用することができる。例えば関連タンパ
ク質のある数を、当業界で既知のようにアラインメントし、「可変」および「保存」残基
を定義する。これらの結果を使用し、以下に概説の確率表を生成することができる。同様
に、これらの配列変異を、作表し、そして二次ライブラリーを以下に定義のようにそれら
から定義する。代替的に、もたらされた配列変異を使用し、コンピューター的スクリーニ
30
ング中のそれぞれの位置で考えられるアミノ酸を定義することができる。他の変異は、配
列アラインメントで存在するアミノ酸についてのスコアをバイアスさせ、それによってそ
れらがコンピューター的スクリーニング中に見出される尤度を増加させるが、なお他のア
ミノ酸の考察を可能とする。このバイアスは変異体タンパク質のフォーカス化ライブラリ
ーという結果となるが、アラインメントで見出されない考察アミノ酸から排除しない。加
えて、他の型のある数は、導入し得る。例えば、多様性をフォーカスし得る;すなわち、
「保存」残基を選択し、変化させ、タンパク質上の多様性を強化し、こうして配列スペー
スのより大きい部分をサンプリングする。代替的に、ファミリーメンバー間の高可変性の
位置(すなわち低保存)は、アミノ酸のすべてまたはサブセットを使用してランダム化で
きる。同様に、ポジショナルアウトライアーまたは側鎖アウトライアーを排除し得る。
40
【0056】
同様に、構造に基づくタンパク質の構造アラインメントをなし、配列アラインメントを生
成 し 得 る 。 既 知 の 広 範 囲 の そ の よ う な 構 造 ア ラ イ ン メ ン ト プ ロ グ ラ ム が あ る 。 例 え ば VAST
from the NCBI (http://www.ncbi.nlm.nih.gov:80/Structure/VAST/vast.shtml); SSAP
(Orengo and Taylor, Methods Enzymol 266(617-635 (1996)) SARF2 (Alexandrov, Prote
in Eng 9(9):727-732. (1996)) CE (Shindyalov and Bourne, Protein Eng 11(9):739-74
7. (1998)); (Orengo et al., Structure 5(8):1093-108 (1997); Dali (Holm et al., N
ucleic Acid Res. 26(1):316-9 (1998)で あ っ て , す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る も の 参
照 ). こ れ ら の 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト を 次 い で 試 験 し 、 観 察 配 列 変 異 を 決 定 で き る 。 ラ イ ブ
ラリーを、配列柄の二次構造を予測し、次いで予測される二次構造と矛盾しない配列を選
50
(19)
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択 す る こ と に よ っ て 生 成 で き る 。 あ る 数 の 二 次 構 造 予 測 方 法 、 例 え ば ヘ リ ッ ク ス -コ イ ル
遷 移 理 論 (Munozお よ び Serrano, Biopolymers 41:495, 1997), 神 経 ネ ッ ト ワ ー ク ,局 所 構
造 ア ラ イ ン メ ン ト お よ び そ の 他 (例 え ば 、 Selbig et al., Bioinformatics 15:1039-46,
1999参 照 )が あ る 。
【0057】
同 様 に 、 前 概 説 の 通 り 、 限 定 し な い が 配 列 プ ロ フ ァ イ リ ン グ [Bowie and Eisenberg, Scie
nce 253(5016):164-70, (1991)]、 ロ タ マ ー ラ イ ブ ラ リ ー ( rotamer library) selection
[Dahiyat and Mayo, Protein Sci. 5(5):895-903 (1996); Dahiyat and Mayo, Science
278(5335):82-7 (1997); Desjarlais and Handel, Protein Science 4:2006-2018 (1995
); Harbury et al, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92(18):8408-8412 (1995); Kono et
10
al., Proteins: Structure, Function and Genetics 19:244-255 (1994); Hellinga and
Richards, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91:5803-5807 (1994)];お よ び 残 基 対 ポ テ ン
シ ャ ル [Jones, Protein Science 3: 567-574, (1994)]; PROSA [Heindlich et al., J. M
ol. Biol. 216:167-180 (1990)]; THREADER [Jones et al., Nature 358:86-89 (1992)],
お よ び 他 の 逆 フ ォ ー ル デ ィ ン グ 方 法 例 え ば Simons et al. [Proteins, 34:535-543, (1999
)], Levittお よ び Gerstein [Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 95:5913-5920, (1998)],
Godzik and Skolnick [Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 89:12098-102, (1992)], Godzi
k et al. [J. Mol. Biol. 227:227-38, (1992)] に よ っ て 記 載 さ れ る も の お よ び 2 プ ロ フ
ァ イ リ ン グ 法 [Gribskov et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84:4355-4358 (1987)
お よ び Fischer and Eisenberg, Protein Sci. 5:947-955 (1996), Rice and Eisenberg J
20
. Mol. Biol. 267:1026-1038(1997)]で あ っ て す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る も の を 含 む
他のコンピューター的方法が、既知である。
【0058】
加 え て 、 他 の コ ン ピ ュ ー タ ー 的 方 法 、 例 え ば Koehl and Levitt (J. Mol. Biol. 293:116
1-1181 (1999); J. Mol. Biol. 293:1183-1193 (1999); 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) に よ
って記載されるものを使用し、改善された特性および機能のための実験スクリーニングで
使用のためのより小さい二次ライブラリーを生成するため所望により次いで使用すること
の で き る 変 異 体 ラ イ ブ ラ リ ー を 創 出 し 得 る 。 加 え て 、 力 − 場 計 算 ( force-field calculat
ions) 例 え ば SCMFで あ っ て SCMFに つ い て ま た 使 用 で き る も の に 基 づ く コ ン ピ ュ ー タ ー 的 方
法 が あ る 。 Delarue et al. Pac. Symp. Biocomput. 109-21 (1997); Koehl et al., J. M
30
ol. Biol. 239:249-75 (1994); Koehl et al., Nat. Struct. Biol. 2:163-70 (1995); K
oehl et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 6:222-6 (1996); Koehl et al., J. Mol. Bio
l. 293:1183-93 (1999); Koehl et al., J. Mol. Biol. 293:1161-81 (1999); Lee J., M
ol. Biol. 236:918-39 (1994);お よ び Vasquez Biopolymers 36:53-70 (1995)で あ っ て す
べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る も の 参 照 。 他 の 力 場 計 算 ( forcefield calculations) で あ
ってコンピューター的方法内で配列のコンホメーションを最適化するため、または前概説
の よ う に デ ノ ボ 最 適 化 配 列 を 生 成 す る た め 使 用 で き る も の は 、 限 定 し な い が 、 OPLS-AA [J
orgensen et al., J. Am. Chem. Soc. 118:11225-11236 (1996); Jorgensen, W.L.; BOSS
, Version 4.1; Yale University: New Haven, CT (1999)]; OPLS [Jorgensen et al., J
. Am. Chem. Soc.110:1657ff (1988); Jorgensen et al., J Am. Chem. Soc.112:4768ff
40
(1990)]; UNRES (United Residue Forcefield; Liwo et al., Protein Science 2:1697-1
714 (1993); Liwo et al., Protein Science 2:1715-1731 (1993); Liwo et al., J. Com
p. Chem. 18:849-873 (1997); Liwo et al., J. Comp. Chem. 18:874-884 (1997); Liwo
et al., J. Comp. Chem. 19:259-276 (1998); Forcefield for Protein Structure Predi
ction (Liwo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A . 96:5482-5485 (1999)]; ECEPP/3
[Liwo et al., J Protein Chem. 13(4):375-80 (1994)]; AMBER 1.1 force field (Wein
er et al., J. Am. Chem. Soc. 106:765_784); AMBER 3.0 force field [U.C. Singh et
al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.. 82:755-759 (1985)]; CHARMM and CHARMM22 (Bro
oks et al., J. Comp. Chem. 4:187-217); cvff3.0 [Dauber-Osguthorpe et al., Protei
ns: Structure, Function and Genetics, 4:31-47 (1988)]; cff91 (Maple et al., J. C
50
(20)
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omp. Chem. 15:162-182)を 含 み ; ま た DISCOVER (cvff and cff91)お よ び AMBER force-fi
eldsを INSIGHT molecular modeling package (Biosym/MSI, San Diego California)で 使
用 し 得 、 そ し て HARMMを QUANTA molecular modeling package (Biosym/MSI, San Diego C
alifornia)で 使 用 し 得 、 す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る .実 際 、 以 下 に 概 説 の よ う に こ れ
ら の force-field方 法 を 使 用 し 、 変 異 体 TR ラ イ ブ ラ リ ー を 直 接 的 に 生 成 し 得 ;こ れ ら の 方
法を使用して、追加的ライブラリーを直接的に生成する確率表を生成できる。
【0059】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 Protein Design Automation( 登 録 商 標 ) (PDA( 登 録 商 標 ) ) を
使 用 し 、 す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る 米 国 特 許 番 号 6,188,965お よ び 6,296,312に 記 載
されるようなそれぞれのアミノ酸位置についての定義されたエネルギー状態を含む可変タ
10
ン パ ク 質 配 列 を 生 成 す る 。 簡 単 に は , PDA( 登 録 商 標 ) を 以 下 の よ う に 記 載 で き る 。 既 知
のタンパク質構造を出発点として使用する。最適化すべき残基を次いで同定し、これは完
全配列またはそのサブセットであり得る。変化すべき任意の位置の側鎖を次いで除去する
。得られた構造は、タンパク質バックボーンからなり、そして残りの側鎖はテンプレート
と呼ばれる。それぞれの可変残基位置を次いで好ましくは、コア残基、表面残基、または
境界残基として分類し;それぞれの分類は、位置についての可能なアミノ酸残基のサブセ
ットを定義する(例えば、コア残基は一般に疎水性残基のセットから選択され、表面残基
は一般に、親水性残基から選択され、および境界残基はいずれかから選択される)。それ
ぞれのアミノ酸は、すべての可能な、ロタマーと呼ばれるそれぞれの側鎖コンホマーの明
確なセットによって表すことができる。こうして、バックボーンについて最適配列で生存
20
するために、ロタマーのすべての可能な配列を、スクリーンニングしなければならず、こ
こでそれぞれのバックボーン位置は、すべてのその可能なロタマー性状態のそれぞれのア
ミノ酸、またはアミノ酸のサブセット、こうしてロタマーのサブセットによって占有され
ることができる。
【0060】
相 互 作 用 の 2セ ッ ト を 次 い で 、 す べ て の 位 置 の そ れ ぞ れ の ロ タ マ ー に つ い て 計 算 す る : バ
ックボーンの全部または一部を有する、ロタマー側鎖の相互作用(「シングル」エネルギ
ー、またロタマー/ロタマーエネルギーと呼ばれる)、およびすべての他の位置または他
の位置のサブセットの、すべての他の可能なロタマーを有するロタマー側鎖の相互作用(
「ダブル」エネルギー、またロタマー/ロタマーエネルギーと呼ばれる)。これらの相互
30
作用のそれぞれのエネルギーを、種々のスコアリング関数の使用によって計算し、これは
ファンデルワールス力、水素結合のエネルギー、二次構造性向のエネルギー、表面面積溶
媒和化および静電気を含む。こうして、それぞれのロタマー相互作用の総エネルギー、バ
ックボーンおよび他のロタマーの両方を計算し、そしてマトリクス形態に貯蔵する。
【0061】
ロタマーセットの明確な性質は、試験すべきロタマー配列の数の単純な計算を可能とする
。 位 置 あ た り m個 の 可 能 な ロ タ マ ー を 有 す る 長 さ n の バ ッ ク ボ ー ン は 、 m n 可 能 ロ タ マ ー
配列を有し、配列長で指数関数的に成長しかつリアルタイムで扱いにくいまたは不可能な
計 算 に さ せ る 。 よ っ て 、 こ の 組 み 合 わ せ サ ー チ 問 題 を 解 決 す る た め に 、 「 Dead End Elimi
nation」 (DEE)計 算 を 実 施 す る 。 D E E 計 算 は 、 も し 第 1の ロ タ マ ー の 最 悪 の 総 相 互 作 用 が
40
なお第2ロタマーの最良の総相互作用よりもよりよいならば、そのとき第2ロタマーは、
グローバル最適ソリューションの一部であることはできないという事実に基づく。すべて
のロタマーのエネルギーがすでに計算されたので、DEEアプローチは、ロタマーを試験
および排除するための配列長に渡る和を要するのみであり、これは計算をかなりスピード
アップする。DEEはロタマーの対の比較、またはロタマーの組み合わせに戻ることがで
き、これは最終的に、グローバル最適エネルギーを表す単一配列の決定という結果となる
。
【0062】
グ ロ バ ー ル ソ リ ュ ー シ ョ ン が 見 出 さ れ る と 、 Monte Carloサ ー チ を な し 得 、 D E E ソ リ ュ
ーションの近所の配列のランク整列リストを生成し得る。DEEソリューションで出発す
50
(21)
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ると、ランダム位置は、他のロタマーに変化し、そして新しい配列エネルギーを計算する
。もし新しい配列が、許容の基準に合致するならば、それを他のジャンプのための出発点
と し て 使 用 す る 。 前 決 定 数 の ジ ャ ン プ 後 、 配 列 の ラ ン ク 整 列 リ ス ト を 生 成 す る 。 Monte Ca
rloサ ー チ ン グ は 、 サ ン プ リ ン グ 技 法 で あ り 、 グ ロ ー バ ル 最 小 周 辺 の 配 列 ス ペ ー ス を 探 索
し、または配列スペース中の新しいローカル最小距離を見出す。より追加的に以下に概説
す る よ う に 、 使 用 で き る 他 の サ ン プ リ ン グ 技 法 が あ り 、 Bolzmanサ ン プ リ ン グ 、 遺 伝 的 ア
ルゴリズム技法、およびシミュレート性アニーリングを含む。加えて、すべてのサンプリ
ング技法に浮いて、可能であるジャンプの種類は、変化できる(例えば、ランダム残基へ
のランダムジャンプ、バイアスジャンプ(野生型にまたはそれから、例えば)バイアス残
基ヘのジャンプ(類似残基にまたはそれから、例えば)等)。同様に、すべてのサンプリ
10
ング技法について、サンプリングジャンプが許容されるかの許容される基準は、変化でき
る。
【0063】
米国出願番号09/127926に概説されるようにタンパク質バックボーン((天然存
在タンパク質のために)窒素、カルボニル炭素、α−炭素、およびα炭素からβ炭素への
ベクターの方向と一緒にカルボニル酸素を含む)を、コンピューター的分析に先立ち、超
二次構造パラメーターと呼ばれるパラメーターのセットを変化させることによって変化さ
せ得る。
【0064】
タンパク質バックボーンを生成すると(前概説のような変化)、およびコンピューター入
20
力すると、明示的水素を、もし構造内に含まれないなら追加する(例えばもし構造がx腺
結晶学によって生成されたならば、水素を追加すべきである)。水素追加後に、構造のエ
ネルギー最小化を稼動し、水素並びに他の原子、結合エネルギーおよび結合長を弛緩する
。 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 こ れ は 、 原 子 座 標 位 置 の コ ン ジ ュ ゲ ー ト 勾 配 最 小 化 ( Mayo et
al., J, Phys. Chem.94:88997(1990)) の あ る 数 の 工 程 に よ っ て な し 、 静 電 気 の な い Dreid
ing力 場 を 最 小 化 す る 。 約 1 0 な い し 約 2 5 0 工 程 が 好 ま し く 、 約 5 0 が 最 も 好 ま し い 。
【0065】
少なくとも1可変残基位置でタンパク質バックボーン構造を含む。当業界で知られるよう
に 、 タ ン パ ク 質 の 残 基 ま た は ア ミ ノ 酸 は 、 一 般 に 、 タ ン パ ク 質 の N末 端 で 開 始 し 逐 次 的 に
数 え ら れ る 。 こ う し て そ の N末 端 の メ チ オ ニ ン を 有 す る タ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 ま た は 残
30
基位置1のメチオニンを有するといわれ次の残基は2、3、4等という。それぞれの位置
で、野生型(すなわち天然存在)タンパク質は、任意の数のロタマーの少なくとも20ア
ミノ酸の1つを有し得る。「可変残基位置」によって、ここで、設計されるべきタンパク
質のアミノ酸位置を意味し、これは特異的残基またはロタマー、一般に野生型残基または
ロタマーとして設計方法において固定化されない。
【0066】
好ましい実施態様では、タンパク質の残基位置のすべては可変である。すなわち、すべて
のアミノ酸側鎖を、本発明の方法において変化し得る。これは特に、より小さいタンパク
質について望ましく、しかし本方法は、より大きいタンパク質の設計をまた可能とする。
このやり方で設計し得るタンパク質の長さに理論的な制限はないが、実際的なコンピュタ
40
ー的制限がある。
【0067】
代替的好ましい実施態様では、タンパク質の残基位置のいくつかのみが可変であり、そし
て残りは「固定化」であり、すなわち、これらはあるセットのコンホメーションであると
して3次元構造で同定される。いくつかの実施態様では、固定化位置は、そのもとのコン
フォメーションで残る(これは使用されるロタマーライブラリーの特異的ロタマーと相関
し得ない)。代替的に、残基を非野生型残基として固定化し得;例えば、既知部位特異的
突然変異誘発技法が、特定残基が望ましいことを示したときに(例えば、タンパク質溶解
位置または酵素の基質特異性を変化させる)、残基を特定アミノ酸として固定化し得る。
代替的に、本発明の方法を使用し、デノボ突然変異を評価し得る。以下に議論の通りであ
50
(22)
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る。代替的好ましい実施態様では、固定化位置は「フロート性」であり得、その位置のア
ミノ酸を固定化するが、そのアミノ酸の異なるロタマーを試験する。この実施態様では、
可変残機は、少なくとも1つであり得、任意のばあいに、残基の総数の0.1%ないし9
9.9%である。こうして、例えば、わずか2、3(または1)残基、またはほとんどの
残基、その間のすべての可能性がありつつ変化させることが可能であり得る。
【0068】
好ましい実施態様では、固定化できる残基は、限定しないが、構造的または生物学的機能
性残基を含み;代替的に、生物学的機能性残基は、特異的に固定化し得ない。例えば、生
物学的活性について重要である、例えば、酵素の活性部位、酵素の基質結合部位、結合パ
ートナーについての結合部位(リガンド/レセプター、抗原/抗体等)、ホスホリル化ま
10
たはグリコシル化部位であって生物学的機能に重要であるもの、または構造的重要残基、
例えばジスルフィド架橋、金属結合部位、重要水素結合残基、バックボーンコンホメーシ
ョンについて重要な残基、例えばプロリンまたはギリシン、パッキング相互作用に重要な
残基、等を形成することが既知である残基は、すべてコンホメーション中に、または単一
ロタマーまたは「フロート化」であり得る。
【0069】
同様に、可変残基として選択され得る残基は、望ましくない生物学的属性、例えばタンパ
ク質溶解性分解、ダイマー化または凝集部位、グリコシル化部位であって免疫応答につな
がり得るもの、望まれない結合活性、望まれないアロステリー、結合の保存を有するが望
まれない酵素活性への感受性、等を付与するものであり得る。
20
【0070】
好ましい実施態様では、それぞれの可変位置を、コア、表面または境界残基位置として分
類するが、しかし以下に説明のようにある場合には、可変位置をグリシンにセットし得、
バックボーン系統を最小化する。加えて、ここに概説のように、残基は分類を要さず、こ
れらを変数として選択肢、そしてアミノ酸の任意のセットを使用し得る。コア、表面およ
び境界位置の任意の組み合わせを利用できる:コア、表面および境界残基;コアおよび表
面残基;コアおよび境界残基、および表面および境界残基、並びにコア残基単体、表面残
基単体、または境界残基単体。
【0071】
コア、表面または境界としての残基位置の分類は、いくつかのやり方でなし得、当業者に
30
よって認識される通りである。好ましい実施態様では、分類を、側鎖を含むもとのタンパ
ク質バックボーン構造の視覚的スキャンによってなし、そしてタンパク質のモデリングの
技術での当業者の主観的評価に基づく分類を割り当てる。代替的に、好ましい実施態様は
、 テ ン プ レ ー ト Cα 原 子 の み を 使 用 し て コ ン ピ ュ ー タ ー 計 算 さ れ た 溶 媒 接 近 可 能 表 面 に 対
し て 、 Cα − Cβ ベ ク タ ー の 配 向 の 評 価 を 利 用 し 、 60/061,097、 60/043,464、 60/054,678、
09/127,926お よ び PCT US98/07254に 記 載 さ れ る 通 り で あ る 。 代 替 的 に 、 表 面 面 積 計 算 を な
すことができる。
【0072】
ひとたびそれぞれの可変位置を所望により、コア、表面または境界として分類すると、ア
ミノ酸側鎖のセットおよびこうしてロタマーのセットを、それぞれの位置に割り当てる。
40
すなわち、可能なアミノ酸側鎖のセットであって、任意の特定の位置でプログラムが考え
ることができるものを、選択する。逐次的に、ひとたび可能なアミノ酸そくさが選択され
ると、特定の位置で評価させるであろうロタマーのセットを決定できる。こうして、コア
残基は一般に、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシ
ン、トリプトファン、およびメチオニンからなる親水性残基の群から選択される(いくつ
か の 実 施 態 様 で は 、 以 下 に 記 載 の よ う な フ ァ ン デ ル ワ ー ル ス ス コ ア リ ン グ 関 数 の oscaling
factorが 低 い と き 、 メ チ オ ニ ン を セ ッ ト か ら 除 去 す る ) 、 そ し て そ れ ぞ れ の コ ア 位 置 に
ついてのロタマーセットは潜在的に、これらの8アミノ酸側鎖についてのロタマーを含む
(もしバックボーン独立ライブラリーを使用するならば、すべてのロタマーそしてもしロ
タマー依存性バックボーンを使用するならばサブセット)。同様に、表面位置は一般に、
50
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アラニン、セリン、アスパラギン酸、アルパラギン、グルタミン、グルタミン酸、アルギ
ニン、リジンおよびヒスチジンからなる親水性残基の群より選択する。それぞれの表面位
置についてのロタマーえっとは、こうして、これらの10残基についてのロタマーを含む
。最終的に、境界位置は一般に、アラニン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、アス
パラギン、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、バリン、イソ
ロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびメチオニンか
ら選択される。それぞれの境界位置についてのロタマーセットは、こうして潜在的に、こ
れらの17残基についてのすべてのロタマーを含む(システイン、ギリシン、およびプロ
リンは使用しないと仮定するが、これらは可能である)。追加的に、いくつかの好ましい
実施態様では、18の天然存在アミノ酸のセット(すべてシステインとプロリンを除き、
10
これらは特に破壊的であると知られる)を使用する。
【0073】
こうして、当業者に認識されるように、残基位置を分類するコンピューター的利益が存在
し、というのは計算の数を減少させるからである。またコア、境界および表面残基が、前
記のものから変化されるような状況があってもよいことが注意されるべきであり;例えば
幾 つ か の 状 況 下 で 、 1 ま た は 2以 上 の ア ミ ノ 酸 が 、 も た ら さ れ る ア ミ ノ 酸 の セ ッ ト か ら 付
加または差し引きされる。例えば、ダイマー化、またはマルチマー化する、またはリガン
ド結合部位を有する、いくつかのタンパク質は、親水性表面残基等を含み得る。加えて、
ヘリックス「キャッピング」をもたらさない残基、またはヘリックス双極子との優先的相
互作用は、もたらされる残基のセットから差し引きされ得る。アミノ酸群のこの修飾は、
20
残基による残基基本に基づいてなす。
【0074】
好ましい実施態様では、プロリン、システインおよびグリシンは、可能なアミノ酸側鎖の
リストに含まれず、そしてこうして、これらの側鎖についてのロタマーは、使用しない。
しかし、好ましい実施態様では、可変残基位置が0より大きいφ角を有するとき(すなわ
ち 、 2平 面 角 が 、 ( 1 ) 先 行 ア ミ ノ 酸 の カ ル ボ ニ ル 炭 素 、 ( 2 ) 現 在 の 残 基 の 窒 素 原 子 (
3)現在の残基のα炭素および(4)現在の残基のカルボニル炭素によって定義される)
、位置は、バックボーン緊張を最小化するグリシンにセットされる。
【0075】
潜 在 的 ロ タ マ ー の 群 が そ れ ぞ れ の 可 変 位 置 に 割 り 当 て ら れ る と 、 米 国 出 願 番 号 09/127926
30
お よ び PCTUS98/07254に 概 説 の よ う に 、 加 工 は 進 行 す る 。 加 工 工 程 は 、 最 適 タ ン パ ク 質 配
列を生成するために、ロタマーの、互いとおよびタンパク質バックボーンとの相互作用を
分析することを必要とする。簡単には加工は理想的には、ロタマーの、バックボーンそれ
自体または他のロタマーとの相互作用のエネルギーを計算するためにある数のスコアー化
関 数 の 使 用 を 含 む 。 好 ま し い PDAス コ ー カ 関 数 は 限 定 し な い が 、 フ ァ ン デ ル ワ ー ル ス ポ テ
ンシャルスコアー化関数、水素結合ポテンシャルスコアー化関数、原子溶媒和化スコアー
化関数、二次構造特性スコアー化関数および静電的スコアー化関数を含む。さらに以下に
記載するように、少なくとも1のスコアー化関数を使用し、それぞれの位置をスコアー化
するが、スコアー化関数は、位置分類または他の考察、例えばα双極子との優先される相
互作用に基づいて異なり得る。以下に概説するように、計算で使用される総エネルギーは
40
、特定の位置で使用されるそれぞれのスコアー化関数のエネルギーの合計であり、等式1
で一般的に示すとおりである:
等式1
Et
o t a l
= nEv
d w
+ nEa
s
+ nEh
- b o n d i n g
+ nEs s + nEe
l e c
【0076】
等 式 1 に お い て 、 総 エ ネ ル ギ ー は 、 フ ァ ン デ ル ワ ー ル ス ポ テ ン シ ャ ル の エ ネ ル ギ ー (Ev
、 原 子 溶 媒 和 化 の エ ネ ル ギ ー (Ea s )、 水 素 結 合 の エ ネ ル ギ ー (Eh
ネ ル ギ ー (Es s )お よ び 静 電 相 互 作 用 の エ ネ ル ギ ー (Ee
l e c
- b o n d i n g
d w
)
)、 二 次 構 造 の エ
)の 合 計 で あ る 。 用 語 nは 0ま た は 1
であり、該用語が特定の残基位置について考察されるべきであるかに依存するものである
。
50
(24)
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【0077】
米 国 出 願 番 号 60/061,097, 60/043,464, 60/054,678, 09/127,926お よ び PCT US98/07254
に概説されるように、単体または組合わせの、これらのスコアー化関数の任意の組み合わ
せを使用し得る。ひとたび使用すべきスコアー化をそれぞれの可変位置について同定する
と 、 コ ン ピ ュ ー タ ー 的 分 析 に お け る 好 ま し い 第 1工 程 は 、 タ ン パ ク 質 の 残 り の 全 部 ま た は
一部とのかそれぞれの可能なロタマーの相互作用の決定を含む。すなわち、バックボーン
または他のロタマーとのそれぞれの可変残基位置のそれぞれの可能なロタマーの、1また
は 2以 上 の ス コ ア ー 化 関 数 に よ っ て 測 定 さ れ る よ う な 相 互 作 用 の エ ネ ル ギ ー を 、 計 算 す る
。好ましい実施態様では、タンパク質の全体の残りとの、それぞれのロタマーの相互作用
、すなわち全体のテンプレートおよびすべての他のロタマーの両方がなされる。しかし、
10
前概説のとおり、タンパク質の一部、例えばより大きいタンパク質の1ドメインをモデル
化することのみ可能であり、こうして幾つかの場合には、タンパク質のすべては考察する
必要はない。ここで使用する用語「一部」は、タンパク質についてそのタンパク質のフラ
グメントをいう。このフラグメントは、10アミノ酸残基のサイズから、完全アミノ酸配
列マイナス1アミノ酸までの範囲であり得る。よって、ここで使用する用語「一部」は、
核酸について、その核酸の1フラグメントを意味する。このフラグメントは、10ヌクレ
オチドのサイズから、完全核酸配列マイナス1ヌクレオチドまでの範囲であり得る。
【0078】
好ましい実施態様では、コンピューター的加工の第一工程は、すべての位置のそれぞれの
ロ タ マ ー に つ い て の 相 互 作 用 の 2セ ッ ト を 計 算 す る こ と を に よ っ て な す : そ の 位 置 が 変 異
20
またはフロートであっても、ロタマー側鎖の、テンプレートまたはバックボーンとの相互
作用(「シングル」エネルギー)およびすべての他の位置のすべての他の可能なロタマー
とのロタマー側鎖の相互作用(「ダブル」エネルギー)。この場合のバックボーンはタン
パク質構造バックボーンの原子並びに任意の固定化された残基の原子の両方を含み、ここ
で該固定化残基は、アミノ酸の特定のコンホメーションとして定義される。
【0079】
こうして、「シングル」(ロタマー/テンプレート)エネルギーは、いくつかまたはすべ
てのスコアー化関数を使用して、バックボーンとの、すべての可変位置の残基位置のすべ
ての可能なロタマーの相互作用について計算する。こうして、水素結合スコアー化関数の
ために、ロタマーのすべての水素結合原子およびバックボーンのすべての水素結合原子を
30
評 価 し 、 そ し て EH B を す べ て の 可 変 位 置 の そ れ ぞ れ の 可 能 な ロ タ マ ー に つ い て 計 算 す る 。
同様に、ファンデルワールススコア化関数について、ロタマーのすべての原子を、テンプ
レートのすべての原子と比較し(一般に、それ自身の残基のバックボーン原子を除外する
) 、 そ し て Ev
d W
を、すべての可変残基位置のそれぞれの可能なロタマーについて計算する
。加えて、もし原子が3結合またはより少なく接続されるならば、ファンデルワールスエ
ネルギーは計算されない。原子溶媒和化スコアー化関数のために、ロタマーの表面を、テ
ンプレートの表面に対して測定し、そしてすべての可変残基位置のそれぞれの可能なロタ
マ ー に つ い て の Ea s を 計 算 す る 。 二 次 構 造 性 向 ス コ ア 化 関 数 を ま た 、 シ ン グ ル エ ネ ル ギ ー
と し て 考 察 し 、 こ う し て 、 総 シ ン グ ル エ ネ ル ギ ー は 、 Es s 期 間 を 含 み 得 る 。 当 業 者 に よ っ
て認識されるように、これらのエネルギー期間の多くは、ロタマーとテンプレート位置の
40
間 の 物 理 的 距 離 に 依 存 し て ゼ ロ に 近 く な り ; す な わ ち 、 2部 分 が さ ら に 離 れ る に つ れ 、 エ
ネルギーはより低い。
【0080】
「ダブル」エネルギー(ロタマー/ロタマー)の計算のために、それぞれの可能なロタマ
ーの相互作用エネルギーを、すべての他の可変残基位置のすべての可能なロタマーと比較
する。こうして、「ダブル」エネルギーを、幾つかまたはすべてのスコアー化関数を使用
して、すべての他の可変残基位置すべての可能なロタマーとの、すべての可変残基位置の
すべての可能なロタマーの相互作用のために計算する。こうして、水素結合スコアー化関
数 の た め に 、 第 1ロ タ マ ー の す べ て の 水 素 結 合 原 子 お よ び す べ て の 可 能 な 第 2ロ タ マ ー の す
べ て の 水 素 結 合 原 子 は を 評 価 し 、 そ し て EH B を 、 任 意 の 2可 変 位 置 に つ い て の そ れ ぞ れ の 可
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(25)
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能なロタマー対について計算する。同様に、ファンデルワールススコア化関数のために、
第 1ロ タ マ ー の す べ て の 原 子 を 、 す べ て の 可 能 な 第 2ロ タ マ ー の す べ て の 原 子 と 比 較 し 、 そ
し て Ev
d W
を 、 す べ て の 2可 変 残 基 位 置 の そ れ ぞ れ の 可 能 な ロ タ マ ー 対 に つ い て 計 算 す る 。
原 子 溶 媒 和 化 ス コ ア 化 関 数 の た め に 、 第 1ロ タ マ ー の 表 面 は 、 す べ て の 可 能 な 第 2ロ タ マ ー
の 表 面 に 対 し て 測 定 し 、 そ し て す べ て の 2可 変 残 基 位 置 の そ れ ぞ れ の 可 能 な ロ タ マ ー 対 に
つ い て の Easを 計 算 す る 。 二 次 構 造 ス コ ア ー 化 関 数 は 、 「 ダ ブ ル 」 エ ネ ル ギ ー と し て 稼 動
する必要はなく、「シングル」エネルギーの構成要素として考察されるとおりである。当
業 界 で 認 識 さ れ る よ う に 、 こ れ ら の ダ ブ ル エ ネ ル ギ 期 間 の 多 く は 、 第 1ロ タ マ ー と 第 2ロ タ
マ ー の 間 の 物 理 的 距 離 に 依 存 し て 、 近 い な い し ゼ ロ で あ り ; す な わ ち 2部 分 が よ り さ ら に
離れるにつれ、エネルギーはより低い。
10
【0081】
好ましい実施態様では、配列予測アルゴリズム(SPA)を使用し、両方引用によりここ
に 含 め る 、 Raha, K., et al. (2000) タ ン パ ク 質 Sci., 9:1106-1119, 2 0 0 1 年 6月 8日
出 願 の 米 国 出 願 09/877,695名 称 「 Apparatus and Method for Designing Proteins and P
rotein Libraries」 に 記 載 さ れ た よ う に そ れ ぞ れ の ア ミ ノ 酸 位 置 に つ い て 定 義 さ れ た エ ネ
ルギー状態を含む可変タンパク質配列を生成する。
【0082】
好ましい実施態様では、力場計算例えばSCMFを使用し、それぞれのアミノ酸位置につ
いて定義されるエネルギー状態を含む可変タンパク質配列を生成できる。SCMFのため
に 、 す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る 、 Delarue et al.,. Pac. Symp. Biocomput. 109-21
20
(1997), Koehl et al., J. Mol. Biol. 239:249 (1994); Koehl et al., Nat. Struc. Bi
ol. 2:163 (1995); Koehl et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 6:222 (1996); Koehl et
al., J. Mol. Bio. 293:1183 (1999); Koehl et al., J. Mol. Biol. 293:1161 (1999);
Lee J. Mol. Biol. 236:918 (1994);お よ び Vasquez Biopolymers 36:53-70 (1995)参 照
。コンピューター的方法内で配列のコンホメーションを最適化するために、またはここに
概説のようなデノボ最適化配列を生成するため使用できる他の力場計算は、限定しないが
す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る 、 OPLS_AA (Jorgensen, et al., J. Am. Chem. Soc. (199
6), v 118, pp 11225_11236; Jorgensen, W.L.; BOSS, Version 4.1; Yale University:
New Haven, CT (1999)); OPLS (Jorgensen, et al., J. Am. Chem. Soc. (1988), v 110,
pp 1657ff; Jorgensen, et al., J Am. Chem. Soc. (1990), v 112, pp 4768ff); UNRES
30
(United 残 基 Forcefield; Liwo, et al., Protein Science (1993), v 2, pp1697_1714
; Liwo, et al., Protein Science (1993), v 2, pp1715_1731; Liwo, et al., J. Comp.
Chem. (1997), v 18, pp849_873; Liwo, et al., J. Comp. Chem. (1997), v 18, pp874
_884; Liwo, et al., J. Comp. Chem. (1998), v 19, pp259_276; Forcefield for Prote
in Structure Prediction (Liwo, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999), v 96,
pp5482_5485); ECEPP/3 (Liwo et al., J Protein Chem 1994 May 13(4):375_80); AMBER
1.1 force field (Weiner, et al., J. Am. Chem. Soc. v106, pp765_784); AMBER 3.0
force field (U.C. Singh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82:755_759); CHARMM
and CHARMM22 (Brooks, et al., J. Comp. Chem. v4, pp 187_217); cvff3.0 (Dauber_Os
guthorpe, et al., (1988) Proteins: Structure, Function and Genetics, v4, pp31_47
40
); cff91 (Maple, et al., J. Comp. Chem. v15, 162_182)を 含 み ;ま た DISCOVER (cvff a
nd cff91)お よ び AMBER forcefieldsを INSIGHT molecular modeling package (Biosym/MSI
, San Diego California)で 使 用 し そ し て HARMMを QUANTA molecular modeling package (B
iosym/MSI, San Diego California)で 使 用 す る 。 実 際 、 以 下 に 概 説 の よ う に 、 力 場 方 法 を
使用し、二次的ライブラリーを直接的に生成し;すなわち一次的ライブラリーを生成せず
;むしろ、これらの方法を使用し、二次的ライブラリーを直接的に生成する確率表を、例
えばSCMF計算中にこれあの力場を使用することによって生成できる。
【0083】
ひとたびシングルおよびダブルエネルギーを計算し、蓄積すると、コンピューター的加工
の 次 の 工 程 が 起 こ り 得 る 。 米 国 出 願 09/127926お よ び PCTUS98/07254に 概 説 さ れ る よ う に 、
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好 ま し い 実 施 態 様 は 、 Dead End Elimination (DEE)工 程 、 お よ び 好 ま し く は Monte Carlo
工程を利用する。
【0084】
広 く 調 べ ら れ る 、 PDA( 登 録 商 標 ) は 、 出 力 (例 え ば 一 次 的 ラ イ ブ ラ リ ー )を 変 異 さ せ 変 化
さ せ 得 る 3 つ の 構 成 要 素 を 有 す る :過 程 で 使 用 さ れ る ス コ ア ー 化 関 数 ; フ ィ ル タ ー 化 技 法
、およびサンプリング技法。
【0085】
好ましい実施態様では、スコアー化関数を、変化させ得る。好ましい実施態様では、前概
説スコアー化関数を種々の方法でバイアスまたは秤量し得る。例えば参照配列または配列
のファミリーに向かってまたはそれからのバイアスをなし得る;例えば、野生型またはホ
10
モログ残基に向かうバイアスを使用し得る。同様に、その完全タンパク質またはフラグメ
ントをバイアスし得る;例えば化性部位を野生型残基に向かって偏らせ、または特定の望
まれる物理的特性に向かうドメイン残基をなすことができる。さらに、増加エネルギーに
向かうまたはそれに対するバイアスを生成できる。追加的スコアー化関数は、限定しない
が静電的ポテンシャル勾配または疎水性勾配を適用すること、基質を付加すること、また
は計算へのパートナーを結合すること、または望まれる変化または疎水性へむかってバイ
アスさせることを含む。
【0086】
加えて、代替的実施態様では、使用し得る種々の追加的スコアー化関数がある。追加的ス
コアー化関数は、限定しないが、ねじれポテンシャルまたは残基対ポテンシャル、または
20
残基エントロピーポテンシャルを含む。そのような追加的スコアー化関数を単独でまたは
それを当所にスコアー化した後にライブラリーを加工するための関数として使用し得る。
例 え ば 、 MHC( Major Histocompatibility Complex) へ の ペ プ チ ド の 結 合 に つ い て の デ ー
タ か ら 由 来 す る 種 々 の 関 数 を 使 用 し 、 MHCに 潜 在 的 に 結 合 で き る 配 列 、 す な わ ち 潜 在 的 に
免疫発生性配列を含むタンパク質をするために再スコアー化できる。
【0087】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 種 々 の フ ィ ル タ ー 化 技 法 を な し 得 、 限 定 し な い が DEEお よ び そ の
関連カウンターパートを含む。追加的フィルター化技法は、限定しないが、最適配列を見
出 す た め の branch-and-bound技 法 (Gordon and Majo, Structure Fold. Des. 7:1089-98,
1999)お よ び 配 列 の exhaustive enumerationを 含 む 。 し か し 、 い く つ か の 技 法 を 任 意 の フ
30
ィルター化技法なくしてなし得;例えばサンプリング技法を使用し、フィルター化なくし
て良好な配列を見出すことができる。
【0088】
当 業 者 に 認 識 さ れ る よ う に 、 ひ と た び 配 列 ま た は 配 列 の セ ッ ト を 生 成 す る と 、 Monte Crlo
方 法 に 加 え て 、 ま た は Monte Crloサ ー チ の 代 わ り に 種 々 の 配 列 ス ペ ー ス サ ン プ リ ン グ 方 法
をなし得る。すなわち、ひとたび配列または配列のセットを生成すると、好ましい方法は
、試験のために追加的、関連配列の生成を可能とするサンプリング技法を利用する。
【0089】
こ れ ら の サ ン プ リ ン グ 方 法 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 、 挿 入 ま た は 欠 失 、 ま た は 1 ま た は 2以 上 の
配 列 の 組 換 え の 使 用 を 含 む こ と が で き る 。 こ こ に 概 説 の よ う に 、 好 ま し い 実 施 態 様 は 、 Mo
40
nte Carloサ ー チ を 利 用 し 、 こ れ は 一 連 の バ イ ア ス 、 シ ス テ マ テ ィ ッ ク ま た は ラ ン ダ ム ジ
ャ ン プ で あ る 。 し か し 、 使 用 で き る 他 の サ ン プ リ ン グ 技 法 が あ り 、 Boltzmanサ ン プ リ ン グ
、遺伝的アルゴリズム技法およびシミュレートされたアニーリングを含む。加えて、すべ
てのサンプリング技法のために、もたらされるジャンプの種類を変化させることができる
(例えば、ランダムジャンプをランダムジャンプ、バイアスジャンプに(例えば野生型に
またはそれから)、バイアス残基へジャンプ(例えば類似残基にまたはそれから、など)
)。多重残基位置がカップリングされた場合のジャンプ(2つの残基がいつも一緒に変化
し、または組換えのない))、前記の全体のセットが他の配列に変化する場合のジャンプ
(例えば組換え)。同様に、すべてのサンプリング技法のために、サンプリングジャンプ
が許容されるかいなかの許容基準を変化させ、高温で広い配列および低温でローカル最適
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値 へ 近 い 狭 い 配 列 を 可 能 と す る こ と が で き る 。 引 用 に よ り こ こ に 含 め る Metropolis et al
., J. Chem Phys v21, pp 1087, 1953参 照 。
【0090】
加えて、本発明の好ましい方法は、配列のランク整列リストをもたらすということが注意
すべきである;すなわち、配列をいくつかの目的基準に基づいてランク化する。しかし、
ここに概説のように、非整列配列のセットを、例えばそれらをランク化することなく配列
を 列 挙 す る 、 直 接 的 に 確 率 表 を 生 成 す る こ と に よ っ て ( 例 え ば SCMF分 析 ま た は 配 列 ア ラ イ
ンメント技法を使用して)創出することが可能である。ここの概説のサンプリング技法を
、いずれかの状況で使用できる。
【0091】
10
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 Boltzmanサ ン プ リ ン グ を な し 得 る 。 当 業 者 に 認 識 さ れ る よ う に 、
Boltzmanサ ン プ リ ン グ の た め の 温 度 基 準 を 変 化 さ せ 、 高 温 で 広 い サ ー チ お よ び 低 温 で ロ ー
カ ル 最 適 値 に 近 い 狭 い サ ー チ を も た ら す こ と が で き る ( 例 え ば Metropolis et al., J. Ch
em. Phys. 21:1087,1953参 照 ) 。
【0092】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 サ ン プ リ ン グ 技 法 は 、 遺 伝 的 ア ル ゴ リ ズ ム 、 例 え ば Holland(Adap
tation in Natural and Artificial Systems, 1975, Ann Arbor, U. Michigan Press)に
よって記載されるようなものを利用する。遺伝的アルゴリズム分析は一般に、生成した配
列を取り、そして「遺伝子シャッフリング」と類似の態様で、核酸組換え事象と同様に、
それらをコンピューター的に組み合わせる。加えて、以下に概説のように、相関多重ジャ
20
ンプをまたなし得る。そのようなジャンプは、種々の乗り換え位置および1より多い組換
え 時 間 で 発 生 で き 、 そ し て 2 ま た は 3以 上 の 配 列 の 組 換 え に 関 係 で き る 。 さ ら に 、 欠 失 ま
たは挿入(ランダムまたはバイアス)をなし得る。加えて、以下に概説のように、遺伝的
アルゴリズム分析をまた、二次的ライブラリーが生成した後に使用し得る。
【0093】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 サ ン プ リ ン グ 技 法 は 、 シ ミ ュ レ ー ト 化 ア ニ ー リ ン グ 、 例 え ば Kirk
patrick et al.[Science, 220:671-680(1983)]に よ っ て 記 載 の よ う に 利 用 す る 。 シ ミ ュ レ
ートされたアニーリングは、温度を変化することによって、よいまたは悪いジャンプを許
容するためのカットオフを変化させる。すなわち、カットオフのストリンジェンシーは、
温度を変化させることによって変化させる。これは、配列スペースの新しい領域への、高
30
温で広いサーチを可能とし、低温での狭いサーチに変化して領域を詳細に探索する。
【0094】
加 え て 、 す べ て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る 米 国 出 願 09/9277920、 60/352103お よ び 60/351937
に記載の用に使用し得るコンピューター的方法がある。
任意のタンパク質設計サイクルを、個々に、他の方法と組み合わせて、または組み合わせ
方法に関連して使用することができる。
【0095】
好ましい実施態様では、本発明の方法は、標的タンパク質で出発することに関係し、そし
て実験的方法を使用し、変異体タンパク質を生成する。すなわち、当業者に既知のような
核酸組み合わせ技法を使用し、本発明の変異体タンパク質を実験的に生成する。
40
【0096】
こうして、核酸組換え方法の使用またはタンパク質設計サイクルの履行、または核酸組換
え方法およびコンピューター的加工の食い合わせは、変化したコファクター特異性を呈す
る変異体タンパク質の生成という結果となる。「変異体タンパク質」または「可変タンパ
ク質配列」によってここに、少なくとも1アミノ酸残基で、スキャフォルドタンパク質ま
たは標的タンパク質と異なるタンパク質を意味する。
【0097】
好ましい実施態様では、変異体タンパク質のコファクター特異性は変化し、標的タンパク
質を比較する。標的タンパク質は限定しないが、チオレドキシンレダクターゼ、グルタチ
オ ン レ ダ ク タ ー ゼ 、 お よ び 2,5-ジ ケ ト -D-グ ル ク ロ ン 酸 レ ダ ク タ ー ゼ を 含 む 。 2つ の 特 異 的
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ア ミ ノ 酸 残 基 は 以 前 、 コ フ ァ ク タ ー 特 異 性 に つ い て 報 告 さ れ た ( Caugo and Argos, タ ン
パ ク 質 s(1997)28,10-28) 。 グ リ シ ン リ ッ チ ル ー プ に す ぐ に 続 く 第 1領 域 は G-x-G-x-X1 -X2
モ チ ー フ を 有 し 、 そ し て ピ リ ジ ン ヌ ク レ オ チ ド 結 合 に 関 係 す る 。 本 来 は 、 NADPHに 特 異 的
な ン タ ン パ ク 質 で は , X1 お よ び X2 は そ れ ぞ れ 極 性 残 基 (Ser/Thr)お よ び Alaで あ り , 一 方
NADHに 特 異 的 な タ ン パ ク 質 で は , X1 お よ び X2 は そ れ ぞ れ 疎 水 性 残 基 (Val/Ile) お よ び Gl
yで あ る 。 追 加 的 配 列 の 決 定 は 、 し か し 、 X1 お よ び X2 に つ い て の 顕 著 な 配 列 可 変 性 を 実 証
し、コファクター特異性についてのこの本来のルールを破壊した。
【0098】
第 2 領 域 は 、 E.coli チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 中 の 約 1 7 5 な い し ア ミ ノ 酸 1 8 1 の
領 域 に 一 般 に 対 応 す る こ と が 報 告 さ れ て い る 。 NADH依 存 性 細 菌 性 フ ラ ボ タ ン パ ク 質 レ ダ ク
10
タ ー ゼ Cp34お よ び AhpF (Reynolds et al., Biochemistry (2002) 41, 1990-2001)に お い
て 、 第 2モ チ ー フ は 、 そ れ ぞ れ H-Q-F-x-x-x-Q お よ び E-F-A-x-x-x-Kと 報 告 さ れ て い る 。
突 然 変 異 研 究 で は (Scrutton et al., Nature (1990) 343, 38-43; Mittl et al., タ ン
パ ク 質 Sci. (1994) 3, 1504-1514)、 E.coli GRの NADPH特 異 性 は 、 第 2モ チ ー フ の 、 E-M-F
-x-x-x-x-P へ の 突 然 変 異 に よ っ て NADHに 切 り 替 え ら れ た (以 下 の 図 参 照 )。
【0099】
好ましい実施態様では、変異体チオレドキシンレダクターゼを、コファクター特異性が変
化 す る よ う に 作 成 す る 。 チ オ レ ド キ シ ン ( TR)は 、 ほ と ん ど の 生 物 に 見 出 さ れ る 強 力 な タ
ンパク質ジスルフィドレダクターゼであり、多くのチオール依存性細胞性還元過程に参加
する。細胞性タンパク質の還元をもたらすその能力に加えて、チオレドキシンレダクター
20
ゼは抗酸化物質として直接的に作用できる(例えば反応性酸素種を掃討することによって
酸化可能基質の酸化を防止することによって)または自己酸化によって細胞中の酸化的ス
トレスを増加できる(例えば自己酸化を介するスーパーオキシドを生成することによって
)ことが認識される。
【0100】
チオレドキシンは、低分子量ジチオールタンパク質であって、典型的な有機化合物中のジ
ス ル フ ィ ド 、 例 え ば Ellmanの 試 薬 ま た は こ れ ら が 種 々 の タ ン パ ク 質 中 に 天 然 に 存 在 す る よ
う な ジ ス ル フ ィ ド を 還 元 す る 能 力 を 有 す る (Holmgren, A. (1981) Trends in Biochemica
l Science, 6, 26-39)。 通 常 の 生 理 学 的 条 件 下 で 、 ジ ス ル フ ィ ド 結 合 の 還 元 に 続 い て 、 酸
化 さ れ た チ オ レ ド キ シ ン は 、 コ フ ァ ク タ ー と し て NADPHの 助 け を 借 り て 、 チ オ レ ド キ シ ン
30
レダクターゼによって還元される。種のチオレドキシンは典型的に、同じ種のチオレドキ
シンレダクターゼによってのみ還元される。
【0101】
チオレドキシンレダクターゼの活性部位ポケットは、種間で高度に保存された領域を停止
、 図 1 Aの ア ミ ノ 酸 ア ラ イ ン メ ン ト に 示 す と お り で あ る 。 こ の 領 域 は 、 E. coliチ オ レ ド キ
シンレダクターゼの残基156と181、またはアラビドプシスチオレドキシンレダクタ
ーゼの残基220と245の間のアミノ酸領域に対応する。この高度に保存されたポケッ
ト は 、 コ フ ァ ク タ ー 、 NADPHの 結 合 の た め 最 大 に 原 因 と な る 。 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼ の ア ミ ノ 酸 配 列 に お け る 種 間 変 異 は 、 Cお よ び N末 端 領 域 す な わ ち E, coliチ オ レ ド キ シ
ン レ ダ ク タ ー ゼ の 残 基 1-155と 182-C末 端 お よ び ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
40
ゼ の 残 基 1-219お よ び 246-C末 端 に み え る 。
【0102】
本発明の変異体チオレドキシンレダクターゼを生成するため使用される標的タンパク質は
、 限 定 し な い が E. coli、 Bacillus subtillis、 Mycobacterium leprae、 Sarccharomyces
、 Neurospora crassa、 Arabidopsis、 Homo sapiens、 Methanosarcina acetivorans str.
C2A、 Ureaplasma parvum、 Mycoplasma pulmonis、 Rickettsia conorii、 Spironucleus ba
rkhanus、 Listeria innocua、 Fusobacterium nucleatum、 Methanococcus jannaschii、 My
coplasma genitalium、 Haemophilus influenzae、 Vibrio cholera、 Listeria monocytoge
nes、 Helicobacter pylori、 Methanopyrus kandleri AV19、 Schizosaccharomyces pombe
、 Chlamydophila pneumoniae、 Streptococcus pyogenes、 Plasmodium falciparum、 Mycob
50
(29)
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acterium tuberculosis、 Mycoplasma genitalium、 Borrelia burgdorferi、 Ralstonia so
lanacearum、 Sinorhizobium meliloti、 Caulobacter crescentus CB15]、 Encephalitozoo
n cuniculi、 Staphylococcus aureus、 Clostridium perfringens、 Halobacterium sp. NR
C-1、 Sulfolobus solfataricus、 Rickettsia prowazekii、 Mesorhizobium loti、 Mus mus
culus、 Thermoplasma acidophilum、 Sulfolobus tokodaii、 Chlamydophila pneumoniae、
Mycoplasma pulmonis、 Campylobacter jejuni、 Chlamydia trachomatis、 Aeropyrum pern
ix、 Neisseria meningitides、 Pyrococcus horikoshii、 Pyrococcus abyssi、 Thermoplas
ma volcanium、 Pyrococcus furiosus、 Archaeoglobus fulgidus、 Yersinia pestis、 Baci
llus halodurans、 Ureaplasma urealyticum、 Methanothermobacter thermautotrophicus
、 Pyrobaculum aerophilum、 Chlamydia muridarum、 Treponema pallidum、 Streptomyces
10
coelicolor、 Brucella melitensis、 Agrobacterium tumefaciens、 Drosophila melanogas
ter、 Streptococcus pneumoniae、 Clostridium acetobutylicum、 Xylella fastidiosa、 L
actococcus lactis、 Thermotoga maritime、 Pseudomonas aeruginosa、 Salmonella enter
ica、 Nostoc sp、 Deinococcus radiodurans、 Penicillium chrysogenum、 Salmonella typ
himurium、 Lactobacillus elbrueckii、 Clostridium sticklandii、 Clostridium litoral
e、 Clostridium acetobutylicum、 Thermoplasma volcanium、 Rattus norvegicus、 Coccid
ioides immitis、 Bos Taurus、 Mycobacterium smegmatis、 Synechocystis sp、 Plasmodiu
m falciparum、 Carboxydothermus hydrogenoformans、 Sus scrofa Triticum aestivumを
含む任意の生物から取得し得る。
【0103】
20
好ましい実施態様では、変異体チオレドキシンレダクターゼを生成するために使用する標
的 タ ン パ ク 質 は 、 E. coli、 Bacillus subtillis、 Mycobacterium leprae、 Saccharomyces
、 Neurospora crassa、 Arabidopsis、 Homo sapiens、 米 国 特 許 6380372,名 称 Barley gene
for Thioredoxin and NADP-チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 、 2002年 04月 30日 発 行 に 見 出 さ
れ る オ オ ム ギ TR; WO0198509に ア ミ ノ 酸 配 列 の 配 列 番 号 27と し て 、 お よ び そ こ に そ の ヌ ク
レ オ チ ド 配 列 の 配 列 番 号 25と し て 見 出 さ れ る イ ネ TR、 Archaeoglobusfulgidus (gil264900
6) (trxB)由 来 の タ ン パ ク 質 配 列 は 、 WO0198509の 配 列 番 号 7で あ る 熱 安 定 性 TR、 お よ び WO0
198509の 配 列 番 号 6の Methanococcus jannaschii (gil 1592167) (trxB)由 来 TRの タ ン パ ク
質配列から選択される。
【0104】
30
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 コ フ ァ ク タ ー NADPHに つ い て 改 善 さ れ る
。 好 ま し く は 、 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 、 少 な く と も
約 5%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て の 野 生 型 と 比 較
し て 少 な く と も 約 15%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て
の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 15%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は
、 NADPHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 25%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体
TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 50%改 善 さ れ る 。 よ り 好
ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 100%改
善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少
な く と も 約 300%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADPHに つ い て の 野
40
生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 500%改 善 さ れ る 。
【0105】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 触 媒 効 率 は 、 コ フ ァ ク タ ー NADHに つ い て 改
善 さ れ る 。 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と
も 約 5%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較
し て 少 な く と も 約 15%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て
の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 25%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は
、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 50%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 T
Rの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 100%改 善 さ れ る 。 よ り 好
ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 300%改 善
50
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さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く
と も 約 500%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と
比 較 し て 少 な く と も 約 1000%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触 媒 効 率 は 、 NADHに
つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 1300%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 TRの 触
媒 効 率 は 、 NADHに つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 少 な く と も 約 3000%改 善 さ れ る 。
【0106】
好ましい実施態様では、変異体チオレドキシンレダクターゼのコファクター特異性を変化
さ せ 、 そ の 結 果 NADHを 使 用 す る 活 性 増 加 が あ る 。 好 ま し く は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ
ク タ ー ゼ (TR)は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 50%を 有 す る 。 よ り
好 ま し く は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依
10
存 性 活 性 の 少 な く と も 75%を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼ (TR)は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 85%を 有 す る 。 よ り 好 ま し
く は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活
性 の 少 な く と も 95%を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)
は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 100%を 有 す る 。
【0107】
好ましい実施態様では、変異体チオレドキシンレダクターゼのコファクター特異性は変化
し 、 そ の 結 果 NADPHか ら NADHへ の コ フ ァ ク タ ー 切 り 替 え が あ る 。 他 の 言 葉 で は 、 こ れ ら の
変 異 体 は 、 NADH依 存 性 活 性 の 増 加 お よ び 実 質 的 に 同 時 的 な 、 NADPH依 存 性 活 性 の 減 少 を 有
す る 。 好 ま し く は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ ( TR)は 、 NADHを 使 用 す る も と の N
20
ADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 50%を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク
タ ー ゼ は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 75%を 有 す る 。 よ り 好 ま し
く は 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少
な く と も 85%を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ は 、 NADHを 使
用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 95%を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 チ オ レ ド
キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH依 存 性 活 性 の 少 な く と も 100%を 有 す
る 。 よ り 好 ま し く は 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ は 、 NADHを 使 用 す る も と の NADPH
依 存 性 活 性 の 少 な く と も 75%を 有 す る 。
【0108】
好 ま し く は 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ ( TR)は 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 0.5%
30
よ り 小 さ い 活 性 を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 5%よ り 小
さ い 活 性 を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 20%よ り 小 さ い 活
性 を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 25%よ り 小 さ い 活 性 を 有
す る 。 よ り 好 ま し く は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 30%よ り 小 さ い 活 性 を 有 す る 。
よ り 好 ま し く は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 50%よ り 小 さ い 活 性 を 有 す る 。 よ り 好
ま し く は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 75%よ り 小 さ い 活 性 を 有 す る 。 よ り 好 ま し く
は 、 TRは 、 も と の NADPH依 存 性 活 性 の 約 95%よ り 小 さ い 活 性 を 有 す る 。
【0109】
さ ら な る 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 触 媒 効 率 は 両 方 の コ フ ァ ク タ ー 、 NADHお よ
び NADPH一 緒 に つ い て 、 改 善 さ れ る 。 好 ま し く は TR変 異 体 の 触 媒 効 率 は 、 2 つ の コ フ ァ ク
40
タ ー の い ず れ か に つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 、 少 な く と も 約 5%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く
は TR変 異 体 の 触 媒 効 率 は 、 2 つ の コ フ ァ ク タ ー の い ず れ か に つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 、
少 な く と も 約 50%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は TR変 異 体 の 触 媒 効 率 は 、 2 つ の コ フ ァ ク タ
ー の い ず れ か に つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 、 少 な く と も 約 100%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く
は TR変 異 体 の 触 媒 効 率 は 、 2 つ の コ フ ァ ク タ ー の い ず れ か に つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 、
少 な く と も 約 300%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し く は TR変 異 体 の 触 媒 効 率 は 、 2 つ の コ フ ァ ク タ
ー の い ず れ か に つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て 、 少 な く と も 約 1000%改 善 さ れ る 。 よ り 好 ま し
く は TR変 異 体 の 触 媒 効 率 は 、 2 つ の コ フ ァ ク タ ー の い ず れ か に つ い て の 野 生 型 と 比 較 し て
、 少 な く と も 約 2000%改 善 さ れ る 。
【0110】
50
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好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ (TR)の NADPH結 合 親 和 性 は 影
響 、 減 少 ま た は 増 強 さ れ な く て も よ い 。 例 え ば 、 い く つ か の 実 施 態 様 で は 変 異 体 TRは NADH
に つ い て よ り も NADPHに つ い て 100倍 よ り 親 和 性 で あ り 得 、 一 方 他 の 実 施 態 様 で は 、 変 異 体
TRは 、 NADHに つ い て よ り も NADPHに つ い て 50倍 よ り 親 和 性 を 示 す 。 ま た は 変 異 体 TRは NADH
に つ い て よ り も NADPHに つ い て 25倍 よ り 大 き い 親 和 性 を 示 し 得 る 。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 、 そ の コ グ ネ ー ト チ オ レ ド キ シ ン を 還 元 す
る能力は、実質的に影響を受けない。
【0111】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 基 質 特 異 性 は 、 影 響 を 受 け 、 そ の 結 果 TRタ
ンパク質は、他の種からのチオレドキシンタンパク質に作用し得る。
10
幾つかの実施態様では、タンパク質付加サイクルによって付加された潜在的グリコシル化
部 位 を 、 第 2タ ン パ ク 質 設 計 サ イ ク ル を 使 用 す る こ と に よ っ て 活 性 に 影 響 す る こ と な く 除
去し得る。
【0112】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 野 生 型 T R タ ン パ ク 質 と 比 較 し て 、 コ フ
ァ ク タ ー 特 異 性 に 関 与 す る ア ミ ノ 酸 に お け る 1な い し 3ア ミ ノ 酸 置 換 を 有 す る 。 他 の 実 施 態
様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 他 の 部 分 に 追 加 的 ア ミ ノ 酸 置 換 を 有 す る 。 こ う し て 、 変
異 体 TRタ ン パ ク 質 は 他 の 位 置 に 、 少 な く と も 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 11、 12、 13、
14、 15、 16、 17、 18、 19、 20、 21、 22、 23、 24、 25、 26、 27、 28、 29、 30、 31、 32、 33、
34、 35、 36、 37、 38、 39、 40つ の 異 な る 残 基 を 有 し 得 る 。 当 業 者 に 認 識 さ れ る よ う に 、 ア
20
ミ ノ 酸 置 換 を 有 し 得 る 追 加 的 位 置 の 数 は 、 変 異 体 を 生 成 す る た め に 使 用 さ れ る 野 生 型 TRタ
ン パ ク 質 に 依 存 す る 。 こ う し て 、 幾 つ か の 例 で は 、 50ま で の 異 な る 位 置 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換
を有し得る。
【0113】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ラ ビ ド プ シ ス NTRタ ン パ ク 質 (Genbank
受 託 番 号 Q39242)の 位 置 190、 191、 お よ び 195、 お よ び E.coliTRタ ン パ ク 質 (Genbank 受 託
番 号 P09625)の 175、 Bacillus subtillis TR タ ン パ ク 質 (Genbank 受 託 番 号 P80880)の 位
置 155、 156、 お よ び 174、 Mycobacterium leprae TR タ ン パ ク 質 (Genbank 受 託 番 号 P468
43)の 位 置 163、 164、 お よ び 182、 Sacchromyces TR タ ン パ ク 質 (Genbank 受 託 番 号 P29509
お よ び P38816)の 残 基 164、 165、 お よ び 183、 Neurospora crassa TR タ ン パ ク 質 (Genbank
30
受 託 番 号 P51978)の 位 置 163、 164、 お よ び 182、 ア ラ ビ ド プ シ ス TR タ ン パ ク 質 (Genbank
受 託 番 号 Q39243)の 残 基 170、 171、 189お よ び ヒ ト TRタ ン パ ク 質 (Genbank 受 託 番 号 Q16881)
の 残 基 217、 218お よ び 249に 対 応 す る 位 置 A4、 A5お よ び A6か ら 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 置 換 を
含む。
【0114】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 RA4W、 RA5L、 RA5M、 RA5I、 RA5F、 RA5V、
RA5Y、 RA5A、 RA5S、 RA5C、 RA5T、 RA6T、 RA6S、 RA6Q、 RA6G、 お よ び RA6N、 RA6D、 RA6M、 お
よ び RA6Eか ら な る 置 換 の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 置 換 を 含 む 。
【0115】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4Wお よ び RA6Tを 含 む 。
40
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5L、 お よ び RA6Sを
含む。
【0116】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA5Yお よ び RA6Nを 含 む 。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5F、 お よ び RA6Qを
含む。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5L、 お よ び RA6Tを
含む。
【0117】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4Wお よ び RA6Sを 含 む 。
50
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好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA5Yお よ び RA6Nを 含 む 。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA5Fお よ び RA6Nを 含 む 。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4Wお よ び RA6Tを 含 む 。
【0118】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5Lお よ び RA6Sを 含
む。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5M、 お よ び RA6Sを
含む。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5I、 お よ び RA6Sを
含む。
10
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5F、 お よ び RA6Qを
含む。
【0119】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 お よ び RA5Vを 含 む 。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5M、 お よ び RA6Gを
含む。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 ア ミ ノ 酸 置 換 RA4W、 RA5V、 お よ び RA6Gを
含む。
【0120】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 タ ン パ ク 質 は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド 分 子 で あ る 。
20
(I)S1 -A1 -A2 -S2 -A3 -A4 -A5 -S3 -A6 -S4
ここで、
a)S1 は 配 列 番 号 1、 配 列 番 号 2、 配 列 番 号 3、 配 列 番 号 4、 配 列 番 号 5、 配 列 番 号 6、 お よ び 配
列 番 号 7、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ
ドを含む;
b)S2 は 配 列 番 号 8、 配 列 番 号 9、 配 列 番 号 10、 配 列 番 号 11、 配 列 番 号 12、 配 列 番 号 13、 お よ
び 配 列 番 号 14、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ
プチドを含む;
【0121】
c)S3 は 配 列 番 号 15、 配 列 番 号 16、 配 列 番 号 17、 配 列 番 号 18、 配 列 番 号 19、 配 列 番 号 20、 お
30
よ び 配 列 番 号 21、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ
ペプチドを含む;
d)S4 は 配 列 番 号 22、 配 列 番 号 23、 配 列 番 号 24、 配 列 番 号 25、 配 列 番 号 26、 配 列 番 号 27、 お
よ び 配 列 番 号 28、 ま た は そ れ に 実 質 的 類 似 性 を 有 す る 配 列 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ
ペプチド配列を含む;
e)A1 は 、 セ リ ン 、 バ リ ン 、 グ リ シ ン 、 ア ラ ニ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン 、
フェニルアラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分である
;
【0122】
f)A2 は ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン 、 フ ェ ニ ル ア
40
ラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分である;
g)A3 は ヒ ス チ ジ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ル ギ ニ ン 、 ロ イ シ ン 、 セ リ ン 、 ト
レオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、およびチロシンからなる群より選択
されるアミノ酸部分である;
h)A4 は ア ル ギ ニ ン 、 ア ラ ニ ン 、 グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 ロ イ シ ン 、 イ ソ ロ イ シ ン 、 メ チ オ ニ ン
、フェニルアラニン、およびトリプトファンからなる群より選択されるアミノ酸部分であ
る;
i)A5 は ア ル ギ ニ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 シ ス テ
イン、セリン、トレオニン、およびリジンからなる群より選択されるアミノ酸部分である
;
50
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【0123】
j)A6 は ア ル ギ ニ ン 、 グ ル タ ミ ン 酸 、 ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 シ ス テ
イン、セリン、トレオニン、およびリジンからなる群より選択されるアミノ酸部分である
;
【0124】
ただし、少なくとも
A1 は 、 セ リ ン で は な い ;
A2 は 、 ア ラ ニ ン で は な い ;
A3 は 、 ヒ ス チ ジ ン で は な い ;
A4 は 、 ア ル ギ ニ ン で は な い ;
10
A5 は 、 ア ル ギ ニ ン で は な い ;ま た は
A6 は 、 ア ル ギ ニ ン で は な い 。
【0125】
前 記 式 Iで は 、 配 列 A1 -A2 -S2 -A3 -A4 -A5 -S3 -A6 は 種 々 の 種 か ら 取 得 さ れ る チ オ レ ド キ シ ン レ
ダ ク タ ー ゼ タ ン パ ク 質 の 配 列 の 高 度 に 保 存 さ れ た ポ ケ ッ ト に 対 応 す る 。 A1 は 、 E.coliチ オ
レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 156、 Bacillus subtillis チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼ 配 列 の 残 基 155、 Mycobacterium leprae チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 163
、 Sarccharomycesチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 164、 Neurospora crassaチ オ レ
ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 163、 ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列
の 残 基 170、 お よ び ヒ ト チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 217に 対 応 す る 。 野 生 型 タ
20
ン パ ク 質 で は 、 こ の 残 基 は E. coliお よ び ヒ ト で は ト レ オ ニ ン 、 お よ び 他 の 前 列 挙 生 物 で
はセリンである。
【0126】
A2 は 、 E. coliチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 157、 Bacillus subtillisチ オ レ ド
キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 156、 Mycobacterium lepraeチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ
配 列 の 残 基 164、 Sarccharomycesチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 165、 Neurospora
crassaチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 164、 ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン レ ダ
ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 171、 ヒ ト チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 218に 対 応 す る 。 野
生型タンパク質では、この残基は、ヒトではバリンおよび他の列挙種全てではアラニンで
ある。
30
【0127】
A3 は 、 E. coli チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 175、 Bacillus subtillisチ オ レ
ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 174、 Mycobacterium lepraeチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼ 配 列 の 残 基 182、 Sarccharomycesチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 183、 Neurospo
ra crassaチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 182、 ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン レ
ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 189、 ヒ ト チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 249に 対 応 す る 。
野 生 型 タ ン パ ク 質 で は 、 こ の 残 基 は 、 ヒ ト で は ア ル ギ ニ ン 、 Sarccharomycesお よ び Neuros
pora crassaで は バ リ ン 、 お よ び 他 の す べ て の 列 挙 生 物 で は ヒ ス チ ジ ン で あ る 。
【0128】
A4 は 、 E. coliチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 残 基 176、 Bacillus subtillisチ オ
40
レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 175、 Mycobacterium lepraeチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ
ー ゼ 配 列 の 残 基 183、 Sarccharomycesチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 184、 Neuros
pora crassaチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 183、 ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン
レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 190、 ヒ ト チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 250に 対 応 す る
。野生型タンパク質では、この残基はヒトではグルタミンおよび他のすべての列挙生物で
はアルギニンである。
【0129】
A5 は 、 E. coli チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 177、 Bacillus subtillisチ オ レ
ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 176、 Mycobacterium lepraeチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼ 配 列 の 残 基 184、 Sarccharomycesチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 185、 Neurospo
50
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ra crassaチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 184、 ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン レ
ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 191、 ヒ ト チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 251に 対 応 す る 。
野 生 型 タ ン パ ク 質 で は 、 こ の 残 基 は Sarccharomycesお よ び Neurospora crassaで は リ ジ ン
、ヒトではフェニルアラニン、および他のすべての列挙生物ではアルギニンである。
【0130】
A6 は 、 E. coli チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 、 Bacillus subtillisチ オ レ ド キ
シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 180、 Mycobacterium lepraeチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配
列 の 残 基 188、 Sarccharomycesチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 189、 Neurospora c
rassaチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 188、 ア ラ ビ ド プ シ ス チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク
タ ー ゼ 配 列 の 残 基 195、 ヒ ト チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 配 列 の 残 基 255に 対 応 す る 。 野 生
10
型タンパク質では、この残基は、ヒトではリジンおよび他のすべての列挙生物ではアルギ
ニンである。
【0131】
前 記 種 間 で 、 S2 お よ び S3 に 対 応 す る ア ミ ノ 酸 配 列 の 部 分 は ま た 、 高 度 に 保 存 さ れ て い る こ
と が 観 察 さ れ た 。 S2 は 配 列 番 号 8、 配 列 番 号 9、 配 列 番 号 10、 配 列 番 号 11、 配 列 番 号 12、 配
列 番 号 13、 お よ び 配 列 番 号 14か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 を 含 む 。 S3 は 配
列 番 号 15、 配 列 番 号 16、 配 列 番 号 17、 配 列 番 号 18、 配 列 番 号 19、 配 列 番 号 20、 お よ び 配 列
番 号 21か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 を 含 む (図 2)。
【0132】
し た が っ て 、 本 発 明 の 実 施 態 様 は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド に 関 し 、 こ こ で S1 は 配 列 番 号 1、 配
20
列 番 号 2、 配 列 番 号 3、 配 列 番 号 4、 配 列 番 号 5、 配 列 番 号 6、 お よ び 配 列 番 号 7か ら な る 群 よ
り選択される配列を有するポリペプチドからなる。
【0133】
あ る 種 の 実 施 態 様 で は 、 S2 は 配 列 番 号 8、 配 列 番 号 9、 配 列 番 号 10、 配 列 番 号 11、 配 列 番 号
12、 配 列 番 号 13、 お よ び 配 列 番 号 14か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 か ら な る
。 一 方 、 S3 は 配 列 番 号 15、 配 列 番 号 16、 配 列 番 号 17、 配 列 番 号 18、 配 列 番 号 19、 配 列 番 号
20、 お よ び 配 列 番 号 21か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 か ら な る 。 本 発 明 の 他
の 実 施 態 様 は 、 S4 は 、 配 列 番 号 22、 配 列 番 号 23、 配 列 番 号 24、 配 列 番 号 25、 配 列 番 号 26、
配 列 番 号 27、 お よ び 配 列 番 号 28か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る 配 列 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド 配 列
からなる。
30
【0134】
1 実 施 態 様 で は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド で は 、 S1 は 配 列 番 号 1に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り
、 S2 は 、 配 列 番 号 8に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 、 配 列 番 号 15に 示 す ポ リ ペ プ チ
ド 配 列 で あ り 、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 22に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。 こ れ は 、 E.coli
から取得される、チオレドキシンレダクターゼタンパク質、またはその突然変異体、に対
応する。
【0135】
べ つ の 実 施 態 様 で は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド で は 、 S1 は 、 配 列 番 号 2に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列
で あ り 、 S2 は 、 配 列 番 号 9に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 、 配 列 番 号 16に 示 す ポ リ
ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 23に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。 こ れ は 、
40
Bacillus subtillisか ら 取 得 さ れ る チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ タ ン パ ク 質 、 ま た は そ の
突然変異体に対応する。
【0136】
な お さ ら な る 実 施 態 様 で は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド で 、 S1 は 、 に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ
り 配 列 番 号 3、 S2 は the は 、 に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 配 列 番 号 10、 S3 は the は 、
に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 配 列 番 号 17、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 24に 示 す ポ リ ペ プ チ
ド 配 列 で あ る 。 こ れ は 、 Mycobacterium lepraeか ら 取 得 さ れ る チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼタンパク質、またはその突然変異体に対応する。
【0137】
本 発 明 の 別 の 実 施 態 様 で は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド に 関 し 、 こ こ で S1 は 、 配 列 番 号 4に 示 す ポ
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リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S2 は 、 配 列 番 号 11に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 、 配 列 番
号 18に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 25に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で
あ り 。 こ れ は 、 Sarccharomycesか ら 取 得 さ れ る チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ タ ン パ ク 質 、
またはその突然変異体に対応する。
【0138】
別 の 実 施 態 様 で は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド で 、 S1 は 、 配 列 番 号 5に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ
り 、 S2 は 、 配 列 番 号 12に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 、 配 列 番 号 19に 示 す ポ リ ペ プ
チ ド 配 列 で あ り 、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 26に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。 こ れ は 、 Neur
ospora crassaか ら 取 得 さ れ る チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ タ ン パ ク 質 、 ま た は そ の 突 然
変異体に対応する。
10
【0139】
1 実 施 態 様 で は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド で は 、 S1 は 、 配 列 番 号 6に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ
り 、 S2 は 、 配 列 番 号 13に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 、 配 列 番 号 20に 示 す ポ リ ペ プ
チ ド 配 列 で あ り 、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 27に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。 こ れ は 、 ア ラ
ビドプシスから取得されるチオレドキシンレダクターゼタンパク質、またはその突然変異
体に対応する。
【0140】
本 発 明 は ま た 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド に 関 し 、 こ こ で S1 は 、 配 列 番 号 7に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配
列 で あ り 、 S2 は 、 配 列 番 号 14に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 S3 は 、 配 列 番 号 21に 示 す ポ
リ ペ プ チ ド 配 列 で あ り 、 お よ び S4 は 、 配 列 番 号 28に 示 す ポ リ ペ プ チ ド 配 列 で あ る 。 こ れ は
20
、、ヒトから取得されるチオレドキシンレダクターゼタンパク質、またはその突然変異体
に対応する。
【0141】
本発明は天然存在チオレドキシンレダクターゼタンパク質のある種の突然変異体を包含す
る 。 こ れ ら の 突 然 変 異 体 は 、 以 下 の も の を 含 み こ こ で A1 は バ リ ン 、 ア ラ ニ ン 、 お よ び ロ イ
シ ン か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 部 分 で あ る ;A2 は グ リ シ ン 、 バ リ ン 、 お よ び ロ イ
シ ン か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 部 分 で あ る ;A3 は ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 グ ル タ ミ ン 酸
、 ア ス パ ラ ギ ン 、 お よ び グ ル タ ミ ン か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 部 分 で あ る ;A4 は
アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、およびメチオニンからなる群よ
り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 部 分 で あ る ;A5 は ア ス パ ラ ギ ン 、 グ ル タ ミ ン 、 ア ス パ ラ ギ ン 酸 、 お
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よ び グ ル タ ミ ン 酸 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 部 分 で あ る ;A6 は グ ル タ ミ ン 酸 、 グ
ルタミン、アスパラギン酸、およびアスパラギンからなる群より選択されるアミノ酸部分
である。
【0142】
本 発 明 は 前 記 突 然 変 異 体 の い ず れ か の 1 ま た は 2以 上 を 有 し 得 る こ と が 理 解 さ れ る 。
あ る 種 の 実 施 態 様 で は 、 A1 が バ リ ン で あ り 、 一 方 他 に は A2 は グ リ シ ン で あ り 、 そ し て 他 に
は A3 は ア ス パ ラ ギ ン 酸 で あ る ;そ し て 他 に A4 は ア ラ ニ ン で あ り 、 一 方 他 に A5 は ア ス パ ラ ギ
ン で あ り 、 そ し て 他 に A6 は グ ル タ ミ ン 酸 で あ る 。 い く つ か の 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 こ れ
ら 特 定 の ア ミ ノ 酸 残 基 の 2 ま た は 3以 上 が 特 定 の 位 置 に 存 在 す る 。
【0143】
40
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 本 発 明 の 変 異 体 タ ン パ ク 質 は 、 第 2タ ン パ ク 質 に 融 合 し 得 る 。 例
え ば 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド お よ び 第 2ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 融 合 タ ン パ ク 質 を 作 成 し 得 る 。 第
2ポ リ ペ プ チ ド は 、 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 、 野 生 型 チ オ レ ド キ シ ン 、 ま た は タ ン パ ク 質 設 計
サイクルによって生成される変異体タンパク質であり得る。代替的に、タンパク質設計サ
イ ク ル に よ っ て 生 成 さ れ る 変 異 体 タ ン パ ク 質 お よ び 第 2ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 融 合 タ ン パ ク
質 を 融 合 し 得 る 。 第 2ポ リ ペ プ チ ド は 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 、 野 生 型 チ オ レ ド キ シ ン ま た は
式 Inoポ リ ペ プ チ ド で あ り 得 る 。 そ の よ う な 融 合 は リ ン カ ー を 経 由 し 得 る 。
【0144】
ここで「リンカー」、「リンカー配列」、「スペーサー」またはその文法的均等物によっ
て、2分子を接続しおよび好ましい構成で2分子を配置するようにしばしば供する1分子
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ま た は 分 子 の 群 ( 例 え ば モ ノ マ ー ま た は ポ リ マ ー ) を 意 味 す る 。 こ の 実 施 態 様 の 1側 面 で
は 、 リ ン カ ー は ペ プ チ ド 結 合 で あ る 。 2ポ リ ペ プ チ ド 鎖 が 種 々 の パ ラ メ ー タ ー 、 例 え ば 2ポ
リ ペ プ チ ド 鎖 ( 例 え ば こ れ ら が 天 然 に ダ イ マ ー を 形 成 し 、 ま た は し な い ) 、 も し 3次 元 構
造 決 定 か ら し ら れ る な ら ば 接 続 す べ き で あ る Nお よ び C末 端 の 間 の 距 離 お よ び /ま た は タ ン
パク質溶解および酸化に向かう安定性に依存して接続すべき特異的場合について、好適な
リンカーを選択すること。さらに、リンカーはフレキシビリチーを提供する網の酸残基を
含 み 得 る 。 こ う し て 、 リ ン カ ー ペ プ チ ド は 、 以 下 の ア ミ ノ 酸 残 基 :Gly、 Ser、 Ala、 ま た は
Thrを 卓 越 し て 含 み 得 る 。
【0145】
リ ン カ ー ペ プ チ ド は 、 2モ ノ マ ー を 、 こ れ ら が 互 い に つ い て 正 確 な コ ン ホ メ ー シ ョ ン を 確
10
保するようなやり方で連結するに十分である長さを有すべきであり、その結果これらは所
定のレセプターのアンタゴニストとしての望まれる活性を保持する。この目的のため好適
な長さは、数なくとも1および30アミノ酸残基を超えない。好ましくは、該リンカーは
、 約 1 な い し 3 0 ア ミ ノ 酸 長 で あ り 、 1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 11、 12、 13、 14
、 15、 16、 17、 1819お よ び 20ア ミ ノ 酸 長 の リ ン カ ー が 好 ま し い 。 ま た 引 用 に よ り こ こ に 含
め る WO01/25277参 照 。
【0146】
加えて、リンカーペプチドに含まれるためのアミノ酸残基は、ポリペプチドの活性を顕著
には妨害しない特性を呈すべきである。こうして、全体のリンカーペプチドは、ポリペプ
チドの活性と両立しない、またはフォールディングに干渉しない、またはレセプターモノ
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マ ー ド メ イ ン の 結 合 を 重 度 に 抵 抗 す る 1ま た は 2以 上 の モ ノ マ ー の ア ミ ノ 酸 残 基 の 結 合 ま た
は他の相互作用を形成する変化を呈すべきでない。
【0147】
有 用 な リ ン カ ー は グ リ シ ン -セ リ ン ポ リ マ ー (例 え ば (GS)n 、 (GSGGS)n (GGGGS)n お よ び (GG
GS)n を 含 み こ こ で nは 少 な く と も 1の 整 数 で あ る )、 グ リ シ ン -ア ラ ニ ン ポ リ マ ー 、 ア ラ ニ ン
-セ リ ン ポ リ マ ー 、 お よ び 他 の フ レ キ シ ブ ル リ ン カ ー た と え ば シ ェ ー カ ー カ リ ウ ム チ ャ ン
ネルのための繋ぎ、および種々の他のフレキシブルリンカーを含み、当業者に認識される
通 り で あ る 。 グ リ シ ン -セ リ ン ポ リ マ ー は 、 こ れ ら の 両 方 の ア ミ ノ 酸 が 比 較 的 日 構 造 で あ
れう化ら、好ましくあり得、したがって、コンポーネント間の中世繋ぎとして供し得る。
第 2に 、 セ リ ン は 親 水 性 で あ り 、 し た が っ て 、 グ ロ ブ ラ ー グ リ シ ン 鎖 で あ り 得 る も の を 可
30
溶 化 し 得 る 。 第 3に 、 類 似 の 鎖 は 、 組 換 え タ ン パ ク 質 の サ ブ ユ ニ ッ ト 、 例 え ば 単 一 鎖 抗 体
を結合するのに有効であると示された。
【0148】
好 適 な リ ン カ ー は ま た 、 既 知 3次 元 構 造 の デ ー タ ベ ー ス を 、 2ポ リ ペ プ チ ド 鎖 間 の ギ ャ ッ プ
を架橋できる天然存在モチーフについてスクリーニングすることによって同定し得る。好
適 な リ ン カ ー を 取 得 す る 他 の や り 方 は 、 単 純 リ ン カ ー 例 え ば (Gly4 Ser)n を ラ ン ダ ム 突 然 変
異誘発によって最適化することによる。
【0149】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 リ ン カ ー は 、 約 5と 約 50ア ミ ノ 酸 の 間 、 ま た は 約 10と 40ア ミ ノ 酸
の 間 ま た は 約 15と 25ア ミ ノ 酸 の 間 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド 配 列 を 含 み 得 る 。 好 ま し い 実 施 態
40
様 で は 、 リ ン カ ー は 約 22ア ミ ノ 酸 で あ る 。
【0150】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 本 発 明 の 変 異 体 タ ン パ ク 質 は 、 第 3の ポ リ ペ プ チ ド に 融 合 さ れ 、
そしてまた、そのような融合はリンカーを介し得る。融合ポリペプチドの間のリンカーは
、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド を 含 み 、 そ そ て い 第 3ポ リ ペ プ チ ド は 、 約 5と 約 100kDaの 間 の 分 子 量
、 ま た は 約 20と 約 70kDaの 間 の 分 子 量 、 ま た は な お 約 25と 約 45の 間 の 分 子 量 を 有 し 得 る 。
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 リ ン カ ー は 、 約 30と 約 40kDaの 間 の 分 子 量 を 有 す る 。 あ る 種 の 実
施態様では、このリンカーは、負に荷電した、アミノ酸残基、例えばグルタメートおよび
アスパルテートを含む。
【0151】
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あ る 種 の 実 施 態 様 で は 、 第 3ポ リ ペ プ チ ド は オ レ オ シ ン で あ る 。
こ う し て 、 本 発 明 の 1実 施 態 様 は 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド に 関 し 、 こ れ は そ の C末 端 の 第 二 ポ
リ ペ プ チ ド に 、 多 分 リ ン カ ー を 介 し て 、 融 合 さ れ 、 そ し て ま た 、 そ の N末 端 で 第 3ポ リ ペ プ
チドに融合され、また多分さらなるリンカーを介する。本発明のさらなる実施態様は、式
IIの 1 連 の 融 合 ポ リ ペ プ チ ド に 関 す る 。
(II)オ レ オ シ ン -リ ン カ ー 1-チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ -リ ン カ ー 2-チ オ レ ド キ シ ン
こ こ で 、 「 リ ン カ ー 1 」 は 、 前 記 の よ う に 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド と 、 第 3ポ リ ペ プ チ ド の 間
の リ ン カ ー を い い 、 そ し て 「 リ ン カ ー 2 」 は 前 記 の よ う に 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド と 第 2ポ リ
ペ プ チ ド の 間 の リ ン カ ー を い う 。 同 様 に 、 本 発 明 の 幾 つ か の 実 施 態 様 は 、 そ の N末 端 、 C末
端 ま た は 両 方 で 他 の タ ン パ ク 質 に 融 合 さ れ て い る か い な か 、 式 Iの ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 任
10
意 の 他 の 融 合 タ ン パ ク 質 を 含 む 。 具 体 的 に は 、 本 発 明 は 、 式 IIま た は 式 Iの ぽ り ぺ ぷ と ど
へ の 2ポ リ ペ プ チ ド の 任 意 の 他 の 融 合 を 企 図 し 、 こ こ で 該 コ ン ポ ー ネ ン ト は 、 任 意 の 順 序
で存在する。
【0152】
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 、 NADPHお よ び ANDHに つ い て の 結 合 親 和 性
は、決定される。好適なアッセイは限定しないが、例えば、動力学および平行結合定数を
比 較 す る 定 量 的 比 較 を 含 む 。 動 力 学 会 合 率 (Ko n )お よ び 解 離 率 (Ko
f f
)、 お よ び 平 衡 結 合
定 数 (Kd )は 、 文 献 の 標 準 的 手 法 [Pearce et al.、 Biochemistry 38:81-89 (1999)]に し た
が っ て BIAcore装 置 に お け る 表 面 プ ラ ス モ ン 共 鳴 を 使 用 し て 、 決 定 で き る 。
【0153】
20
好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 宿 主 動 物 の 抗 原 性 プ ロ フ ァ イ ル は 、 宿 主 TR
の 抗 原 性 プ ロ フ ァ イ ル に 類 似 そ し て 好 ま し く は 同 一 で あ り 、 す な わ ち 、 変 異 体 TRタ ン パ ク
質は有意に、免疫応答ヘの宿主生物(例えば患者)を刺激しない;すなわち、任意の免疫
応答は、臨床的に関連せず、そして抗体によるタンパク質のアレルギー応答または中和が
な い 。 す な わ ち 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 追 加 的 か つ TRと 異 な る エ
ピトープを含まない。「エピトープ」または「決定」によって、ここに、抗体を生成およ
び /ま た は 結 合 す る タ ン パ ク 質 の 部 分 を 意 味 す る 。 こ う し て 、 ほ と ん ど の 例 で は 、 抗 体 の
顕 著 な 量 は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を 生 成 し な い 。 一 般 に 、 こ れ は 表 面 残 基 を 顕 著 に は 変 化
しないことによって、または任意のアミノ酸残基をグリコシル化されることのできる表面
上に追加することによって達成し、新規グリコシル化が免疫応答という結果となる。
30
【0154】
本 発 明 の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 お よ び 核 酸 は 、 天 然 存 在 TRと 区 別 可 能 で あ る 。 「 天 然 存 在 」
または「野生型」または文法的均等物によってここに、天然に見出されるアミノ酸配列ま
たはヌクレオチド配列を意味し、そしてアリル変異を含む;すなわち、通常意図的には修
飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列。よって、「非天然存在」または「
合成」または文法的均等物によってここに、天然に見出されないアミノ酸またはヌクレオ
チド配列を意味する;すなわち通常は意図的には修飾されていないアミノ酸配列またはヌ
クレオチド配列。ひとたび組換え体核酸が作成されそして宿主細胞または生物に再導入さ
れると、それは非組換え的に、すなわちインビトロ操作でなくむしろ宿主細胞の細胞性機
構を使用して複製し、しかしそのような核酸はひとたび組換え的に生産されると、逐次的
40
に非組換え的に複製されるが、本発明の目的のためになお組換え体と考えられる。天然存
在 TRタ ン パ ク 質 の 代 表 的 ア ミ ノ 酸 配 列 は 図 21に 示 す 。 特 記 し な い か ぎ り 、 変 異 体 TRタ ン パ
ク 質 お よ び 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の す べ て の 位 置 番 号 は 、 こ れ ら の 配 列 に 基 づ く 、 す な わ ち
、 当 業 者 に 認 識 さ れ る よ う に 、 TRタ ン パ ク 質 お よ び 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の ア ラ イ ン メ ン ト
は 、 標 準 的 プ ロ グ ラ ム を 使 用 し て 、 な し 得 、 以 下 に 概 説 の 通 り で あ り 、 2タ ン パ ク 質 の 間
の「均等」位置の同定による。
【0155】
こ う し て 、 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 少 な く と も 1-5%の 残 基 に よ っ て
、 野 生 型 TR配 列 ( 図 2 1 ) と 異 な る ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る 。 す な わ ち 、 本 発 明 の 変 異 体 タ
ン パ ク 質 は 、 野 生 型 TRア ミ ノ 酸 配 列 と 約 97-99%よ り 小 さ い 同 一 性 を 有 す る 。 よ っ て 、 も し
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ア ミ ノ 酸 配 列 ヘ の タ ン パ ク 質 配 列 の 全 体 相 同 性 が 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 の 、 好 ま し く は 約 99
%よ り 小 さ い 、 よ り 好 ま し く は 約 98%よ り 小 さ い 、 な お よ り 好 ま し く は 約 97%よ り 小 さ い 、
そ し て よ り 好 ま し く は 95%よ り 小 さ い な ら ば 、 タ ン パ ク 質 は 「 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 」 で あ
る 。 い く つ か の 実 施 態 様 で は 、 相 同 性 は 、 約 75-80%と 同 じ く ら い 低 い 。 別 に い え ば 、 変 異
体 タ ン パ ク 質 は 、 野 生 型 TR配 列 ( す な わ ち 図 21)と 異 な る 少 な く と も 約 1残 基 を 有 し 、 少 な
く と も 約 2 、 3 、 4 、 5 、 5 0 ま で の 異 な る 残 基 で あ る 。 好 ま し く は 変 異 体 TRタ ン パ ク 質
は 、 1な い し 3こ の 異 な る 残 基 を 有 す る 。 よ り 好 ま し く は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 3な い
し 5こ の 異 な る 残 基 を 有 す る 。 好 ま し く は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 5な い し 10こ 異 な る 残
基 を 有 す る 。 好 ま し く は 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 10な い し 15個 異 な る 残 基 を 有 す る 。 好 ま
し く は 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 15な い し 25個 異 な る 残 基 を 有 す る 。 好 ま し く は 変 異 体 TRタ
10
ン パ ク 質 は 、 25な い し 35個 異 な る 残 基 を 有 す る 。
【0156】
この文脈では、相同性は、配列類似性または同一性を意味し、同一性が好ましい。当業界
で知られるように、ある数の異なるプログラムを使用し、タンパク質(または以下議論の
ように、核酸)が既知配列と配列同一性または類似性を有するか同定できる。配列同一性
お よ び /ま た は 類 似 性 を 、 当 業 界 既 知 標 準 技 法 を 使 用 し て 決 定 す る 。 限 定 し な い が Smith &
Waterman, Adv. Appl. Math., 2:482 (1981)の ロ ー カ ル 配 列 同 一 性 ア ル ゴ リ ズ ム 、 Needl
eman & Wunsch, J. Mol. Biol., 48:443 (1970)の 配 列 同 一 性 ア ラ イ ン メ ン ト ア ル ゴ リ ズ
ム に よ り 、 Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85:2444 (1988)の 類 似
性 方 法 に つ い て の サ ー チ に よ り ,こ れ ら の ア ル ゴ リ ズ ム の コ ン ピ ュ ー タ ー 化 手 段 に よ り (W
20
isconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Drive,
Madison, WIに お け る GAP, BESTFIT, FASTA,お よ び TFASTA)、 Devereux et al., Nucl. Aci
d Res., 12:387-395 (1984)に よ っ て 記 載 さ れ る Best Fit配 列 プ ロ グ ラ ム , 好 ま し く は デ
フォルトセッティングを使用し、または目視によるものを含む。好ましくはパーセント同
一 性 は 、 以 下 の パ ラ メ ー タ ー に 基 づ い て FastDBに よ っ て 計 算 す る : 1の ミ ス マ ッ チ ペ ナ ル
テ ィ ; 1 の ギ ャ ッ プ ペ ナ ル テ ィ ; 0 . 3 3 の ギ ャ ッ プ サ イ ズ ペ ナ ル テ ィ ; お よ び 30の 結 合
ペ ナ ル テ ィ 「 Current Methods in Sequence Comparison and Analysis,」 Macromolecul
e Sequencing and Synthesis, Selected Methods and Applications, pp 127-149 (1988)
, Alan R. Liss, Inc.
【0157】
30
有 用 な ア ル ゴ リ ズ ム の 別 の 例 は 、 PILEUPで あ る 。 PILEUPは 、 進 行 性 、 対 を な す ア ラ イ ン メ
ントを使用して、関連配列の群から多重配列を創出する。それはまた、アラインメントを
創 出 す る た め に 使 用 さ れ る ク ラ ス タ ー 化 関 連 性 を 示 す ツ リ ー を プ ロ ッ ト で き る 。 PILEUPは
、 Feng & Doolittle, J. Mol. Evol. 35:351-360 (1987)の 進 行 性 ア ラ イ ン メ ン ト 方 法 ;の
単 純 化 を 使 用 す る ; 該 方 法 は Higgins & Sharp CABIOS 5:151-153 (1989)に よ っ て 記 載 さ
れ た も の と 類 似 す る 。 有 用 な PILEUPパ ラ メ ー タ ー は 、 3.00の デ フ ォ ル ト ギ ャ ッ プ 重 量 、 0.
10の デ フ ォ ル ト ギ ャ ッ プ 長 重 量 、 お よ び 秤 量 さ れ た 末 端 ギ ャ ッ プ を 含 む 。
【0158】
有 用 な ア ル ゴ リ ズ ム の さ ら な る 例 は 、 BLASTア ル ゴ リ ズ ム で あ っ て Altschul et al., J. M
ol. Biol. 215, 403-410, (1990); Altschul et al., Nucleic Acids Res. 25:3389-3402
40
(1997);お よ び Karlin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:5873-5787 (1993)に
記 載 さ れ る .特 に 有 用 な BLASTプ ロ グ ラ ム は 、 WU-BLAST-2プ ロ グ ラ ム で あ っ て Altschul et
al., Methods in Enzymology, 266:460-480 (1996); http://blast.wustl/edu/blast/ RE
ADME.html] か ら 取 得 さ れ る 。 WU-BLAST-2は 、 い く つ か の サ ー チ パ ラ メ ー タ ー を 使 用 し 、
ほ と ん ど の そ れ は デ フ ォ ル ト 値 に セ ッ ト さ れ る .調 節 可 能 パ ラ メ ー タ ー は 以 下 の 値 で セ ッ
ト さ れ る : オ ー バ ー ア ッ プ ス パ ン =1, オ ー バ ー ラ ッ プ フ ラ ク シ ョ ン = 0.125, ワ ー ド ス レ
シ ュ ホ ル ド (T) = 11.HSP Sお よ び HSP S2パ ラ メ ー タ ー は 、 力 学 的 値 で あ り 、 そ し て 特 定
配列の組成および所望の配列がサーチされる特定のデータベースの組成にそれ自体依存す
るプログラムによって確立される;しかし、値は、感度を増加するために調節し得る。追
加 的 な 有 用 な ア ル ゴ リ ズ ム は 、 ギ ャ ッ プ 化 BLASTで あ っ て Altschul et al., Nucl. Acids
50
(39)
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Res., 25:3389-3402に よ っ て 報 告 さ れ た 通 り で あ る 。 ギ ャ ッ プ 化 BLASTは BLOSUM-62 置 換
ス コ ア ー ;9に セ ッ ト さ れ た ス レ シ ュ ホ ル ド Tパ ラ メ ー タ ー ;非 ギ ャ ッ プ 化 伸 長 を ト リ ガ ー す
る た め の 2 -ヒ ッ ト 方 法 ; kの ギ ャ ッ プ 長 を 負 荷 す る あ る コ ス ト の 10+k;Xu は 16に セ ッ ト
し ,お よ び デ ー タ ベ ー ス サ ー チ 段 階 の た め に Xg は 40に セ ッ ト し 、 そ し て ア ル ゴ リ ズ ム の 出
力 段 階 の た め に 67に セ ッ ト す る 。 ギ ャ ッ プ 化 ア ラ イ ン メ ン ト は 、 ‾ 22ビ ッ ト に 対 応 す る ス
コアによってトリガーされる。
【0159】
A%ア ミ ノ 酸 配 列 同 一 性 値 は 、 ア ラ イ ン メ ン ト さ れ た 領 域 中 の 「 よ り 長 い 」 配 列 の 残 基 の 総
数によって割ったマッチする同一残基の数によって決定される。「より長い」配列は、ア
ラインメントされた領域中のもっとも実際の残基を有するものである(アラインメントス
10
コ ア を 最 大 化 す る た め に WU-Blast-2に よ っ て 導 入 さ れ た ギ ャ ッ プ は 無 視 す る ) 。
【0160】
類 似 の 態 様 で は 、 こ こ に 同 定 し た ポ リ ペ プ チ ド の コ ー ド 配 列 に つ い て の 「 %核 酸 配 列 同 一
性」は、細胞周期タンパク質のコード配列中のヌクレオチド残企図同一である候補配列中
のヌクレオチド残基のパーセンテージとして定義される。好ましい方法は、デフォルトパ
ラ メ ー タ ー に 対 す る WU-BLAST-2セ ッ ト の BLASTNモ ジ ュ ー ル を 利 用 し 、 オ ー バ ー ラ ッ プ ス パ
ン お よ び オ ー バ ー ラ ッ プ フ ラ ク シ ョ ン セ ッ ト は そ れ ぞ れ 1お よ び 0.125で あ る 。
【0161】
このアラインメイトは、アラインメントしようとする配列におけるギャップの導入を含む
こ と が で き る 。 さ ら に 、 野 生 型 TR配 列 よ り 多 い ま た は 少 な い ア ミ ノ 酸 を 含 む 配 列 に つ い て
20
は ( 即 ち 、 図 2、 図 16Nを 参 照 さ れ た い ) 、 或 る 態 様 に お い て 、 ア ミ ノ 酸 総 数 に 対 す る 一 致
アミノ酸の数に基づき、配列一致のパーセンテージが決定されるという事が理解できる。
し た が っ て 、 例 え ば 、 下 に 論 ず る よ う に 、 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 配 列 よ り 短 い 配 列 の 配 列 一
致 ( 即 ち 、 図 2、 図 16Nを 参 照 さ れ た い ) は 、 或 る 態 様 に お い て 、 よ り 短 い そ の 配 列 中 の ア
ミノ酸の数を用いて決定する。一致パーセントの算出において、相対重量は、挿入、欠失
、置換などといった配列変異の諸表示には割り当てられない。
【0162】
或 る 態 様 で は 、 一 致 の み が 正 の 得 点 ( +1) を 得 、 ギ ャ ッ プ を 包 含 す る 全 て の 形 式 の 配 列 変
異 は 数 値 「 0」 が 割 り 当 て ら れ る が 、 こ れ は 、 配 列 類 似 性 を 算 出 す る た め の 、 下 記 の よ う
な加重スケールまたはパラメータの必要性を取り除く。配列一致パーセントは例えば、完
30
全に同一の残基の数を、アラインメントさせている領域内の「より短い」配列の総残基数
で 除 し 、 100を 掛 け る こ と に よ っ て 算 出 で き る 。 「 よ り 長 い 」 配 列 は 、 ア ラ イ ン メ ン ト さ
せている領域中の実際の残基を殆ど持っている配列である。
【0163】
し た が っ て 、 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 野 生 型 TRタ ン パ ク 質 ( 即 ち 、 図 21) の
アミノ酸配列より長くても短くてもよい。よって、好ましい態様では、本明細書に記載す
る 配 列 の 一 部 ま た は フ ラ グ メ ン ト が 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 定 義 に 包 含 さ れ る 。 変 異 体 TRタ
ン パ ク 質 の フ ラ グ メ ン ト は 、 も し a) そ れ ら が 少 な く と も 1個 の 抗 原 エ ピ ト ー プ を 共 有 し ;
b) 少 な く と も 指 摘 さ れ た 相 同 性 を 持 ち ; c) そ し て 好 ま し く は 本 明 細 書 に 定 義 し た 変 異 体
TRの 生 物 活 性 を 持 つ な ら ば 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 で あ る と 考 え ら れ る 。
40
【0164】
好 ま し い 態 様 で は 、 後 に よ り 詳 細 に 記 載 す る よ う に 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 本 明 細 書 に
概 説 し た も の に 加 え て 、 野 生 型 TRと 比 較 し て さ ら な る ア ミ ノ 酸 変 異 を 包 含 す る 。 加 え て 、
本明細書に概説するように、本明細書に記載の任意の変異は、任意の方法で合してさらな
る 新 規 な 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を 形 成 す る こ と が で き る 。
【0165】
さ ら に 、 図 面 に 示 す も の よ り 長 い 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を 、 例 え ば 本 明 細 書 に 概 説 す る よ う
なエピトープまたは精製タグの付加、その他の融合配列の付加などにより製造できる。例
え ば 、 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 薬 物 動 態 学 的 目 的 の た め 、 他 の 治 療 用 タ ン パ
ク 質 ま た は Fcも し く は 血 清 ア ル ブ ミ ン と い っ た 他 の タ ン パ ク 質 と 融 合 さ せ る こ と が で き る
50
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。 例 え ば 米 国 特 許 第 5766883お よ び 5876969号 を 参 照 さ れ た く 、 こ れ ら は 共 に 引 用 に よ り こ
こに含める。
【0166】
好 ま し い 態 様 で は 、 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は ヒ ト TRコ ン ホ マ ー で あ る 。 本 明 細
書 中 「 コ ン ホ マ ー 」 と は 、 タ ン パ ク 質 バ ッ ク ボ ー ン の 3D構 造 は 事 実 上 同 じ で あ る が ア ミ ノ
酸 側 鎖 に 著 明 な 相 違 を 持 つ タ ン パ ク 質 を 意 味 す る 。 即 ち 、 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク
質とは、その集合のタンパク質の全てが1つのバックボーン構造を共有しており、それで
い て 少 な く と も 1-3-5%相 違 す る 配 列 を 持 っ て い る 、 コ ン ホ マ ー 集 合 を 定 義 す る も の で あ る
。 し た が っ て 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 三 次 元 的 バ ッ ク ボ ー ン 構 造 は 実 質 的 に ヒ ト TRの 三 次 元
的バックボーン構造に対応する。この文脈中の「バックボーン」とは、非側鎖原子:窒素
10
、カルボニル炭素および酸素、ならびにα炭素、ならびに窒素およびα炭素に結合した水
素 を 意 味 す る 。 コ ン ホ マ ー で あ る と み な す た め に は 、 タ ン パ ク 質 は 、 ヒ ト TR構 造 か ら 2オ
ン グ ス ト ロ ー ム よ り 大 き く 離 れ て い な い 、 好 ま し く は 1.5オ ン グ ス ト ロ ー ム よ り 大 き く 離
れ て い な い 、 そ し て 特 に 好 ま し く は 1オ ン グ ス ト ロ ー ム よ り 大 き く 離 れ て い な い バ ッ ク ボ
ーン原子を持っていなければならない。一般に、これらの距離は二つの方法で測定できる
。一つの態様では、可能性ある各々のコンホマーを結晶化し、その三次元構造を決定する
。 前 述 の 方 法 は か な り 冗 長 で あ る た め 、 別 法 と し て 、 可 能 性 あ る 各 コ ン ホ マ ー の 配 列 を PD
Aプ ロ グ ラ ム で ラ ン し 、 こ れ が コ ン ホ マ ー で あ る か ど う か を 決 定 す る 。
【0167】
こ れ に 代 わ る 態 様 で は 、 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 、 図 21に 列 挙 す る TRタ ン パ ク
20
質のいずれかのコンホマーであってよい。
【0168】
変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は ま た 、 変 異 体 TR核 酸 に よ り コ ー ド さ れ て い る も の と し て 同 定 で き る
。核酸の場合、核酸配列の全体的相同性はアミノ酸の相同性と同等であるが、遺伝的コー
ドの縮重と、異なる生物のコドン偏倚を考慮する。したがって、核酸配列の相同性はタン
パク質配列の相同性より低くても高くてもよいが、より低い相同性が好ましい。
【0169】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TR核 酸 は 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を コ ー ド し て い る 。 当 業 者 は 理 解
できるであろうが、遺伝的コードの縮重のため、膨大な数の核酸が製造でき、それらの全
て が 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を コ ー ド し て い る 。 し た が っ て 、 特 定 の ア ミ ノ 酸 配
30
列 を 同 定 し た な ら ば 当 業 者 は 、 変 異 体 TRの ア ミ ノ 酸 配 列 を 変 化 さ せ な い 方 法 で 単 に 1ま た
はそれ以上のコドンの配列を修飾することによって、多数の異なる核酸を作製することが
できる。
【0170】
或る態様では、核酸の相同性をハイブリダイゼーション研究によって決定する。したがっ
て 、 例 え ば 、 図 21に 示 す 核 酸 配 列 ま た は そ の 相 補 物 と 高 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー 下 で ハ イ ブ リ
ダ イ ズ し 、 且 つ 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を コ ー ド し て い る 核 酸 が 、 変 異 体 TR遺 伝 子 で あ る と 考
えられる。
【0171】
高 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー 条 件 は 当 分 野 で 既 知 で あ り 、 例 え ば Maniatis et al., Molecular C
40
loning: A Laboratory Manual, 2d Edition, 1989、 お よ び Short Protocols in Molecula
r Biology, ed. Ausubel, et al.を 参 照 さ れ た く 、 こ れ ら の 両 方 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め
る。ストリンジェント条件は配列依存的であり、異なる状況では相違する。長い配列は高
温で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な指針は
Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nu
cleic Acid Probes, 「 Overview of principles of hybridization and the strategy of
nucleic acid assays」 (1993) に 見 出 せ る 。 一 般 に ス ト リ ン ジ ェ ン ト 条 件 は 、 一 定 の イ
オ ン 強 度 お よ び pHに お け る 特 定 配 列 の 融 点 ( Tm ) よ り 約 5-10℃ 低 く 選 択 す る 。 Tm は 標 的 に
対 し 相 補 的 な プ ロ ー ブ の 50%が 平 衡 時 に 標 的 配 列 と ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る 温 度 ( 一 定 の イ オ
ン 強 度 、 pHお よ び 核 酸 濃 度 に お い て ) で あ る ( 標 的 配 列 は 過 剰 に 存 在 す る た め 、 Tmに お い
50
(41)
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て は プ ロ ー ブ の 50%が 平 衡 状 態 で 占 有 さ れ る ) 。 ス ト リ ン ジ ェ ン ト 条 件 は 、 pH7.0な い し 8.
3に お い て 塩 濃 度 が 約 1.0Mナ ト リ ウ ム イ オ ン よ り 低 い 、 典 型 的 に は 約 0.01な い し 1.0Mの ナ
ト リ ウ ム イ オ ン 濃 度 ( ま た は 他 の 塩 ) で あ り 、 短 い プ ロ ー ブ ( 例 え ば 10な い し 50ヌ ク レ オ
チ ド ) の た め に は 温 度 が 少 な く と も 約 30℃ 、 長 い プ ロ ー ブ ( 例 え ば 50ヌ ク レ オ チ ド よ り 大
き い ) の た め に は 少 な く と も 約 60℃ で あ る よ う な 条 件 で あ る 。 ス ト リ ン ジ ェ ン ト 条 件 は ホ
ルムアミドのような不安定化剤の添加によっても達成できる。
【0172】
別の態様では、よりストリンジェンシーの低いハイブリダイゼーション条件を使用し、例
え ば 当 分 野 で 知 ら れ る よ う に 中 等 度 ま た は 低 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー 条 件 が 使 用 で き る 。 Mani
atis and Ausubel( 上 記 ) お よ び Tijssen( 上 記 ) を 参 照 さ れ た い 。
10
【0173】
本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 お よ び 核 酸 は 組 換 え で あ る 。 本 明 細 書 中 使 用 す る 「 核 酸
」 と は 、 DNAも し く は RNAの い ず れ か 、 ま た は デ オ キ シ お よ び リ ボ ヌ ク レ オ チ ド の 両 者 を 含
む 分 子 を 指 す こ と が で き る 。 こ の 核 酸 は ゲ ノ ム DNA、 cDNAな ら び に セ ン ス お よ び ア ン チ セ
ンス核酸を包含するオリゴヌクレオチドを包含する。このような核酸は、生理的環境にお
け る 係 る 分 子 の 安 定 性 と 半 減 期 を 増 大 さ せ る た め に リ ボ ー ス -燐 酸 バ ッ ク ボ ー ン に 修 飾 を
含むこともできる。
【0174】
この核酸は二本鎖、一本鎖であってよく、または二本鎖もしくは一本鎖配列の一部分を含
ん で い て よ い 。 当 業 者 に は 理 解 で き る で あ ろ う が 、 一 本 鎖 ( 「 Watson」 ) と い う 表 現 は 他
20
の 鎖 の 配 列 ( 「 Crick」 ) を も 規 定 し 、 し た が っ て 図 6に 示 す 配 列 は こ の 配 列 の 相 補 物 を も
包含する。本明細書中「組換え核酸」という語は、一般的にエンドヌクレアーゼによる核
酸の操作により始めはインビトロで作製された、自然界では通常見出されない形態の核酸
を 意 味 す る 。 し た が っ て 、 直 線 型 の 単 離 さ れ た 変 異 体 TR核 酸 、 ま た は 通 常 結 合 し な い DNA
分子をライゲーションすることによりインビトロで作製された発現ベクターは、いずれも
本発明の目的のために組み換えられていると考えられる。いったん組換え核酸を製造し宿
主細胞または生物内に再導入したならば、それは非組換え的に複製、即ち、インビトロ操
作ではなく宿主細胞のインビボ細胞機構を利用して複製するが、いったん組換え的に作製
されたこのような核酸は、その後非組換え的に複製を行っても、依然として本発明の目的
のための組換えであると考えられる。
30
【0175】
同様に、「組換えタンパク質」とは、組換え技術を用いて、即ち上述の組換え核酸の発現
に よ っ て 製 造 し た タ ン パ ク 質 で あ る 。 組 換 え タ ン パ ク 質 は 少 な く と も 1ま た は そ れ 以 上 の
性質により天然に存在するタンパク質と区別できる。例えば、このタンパク質はその野生
型宿主に通常付随するタンパク質および化合物の幾らかまたは全てを含まないよう単離ま
たは精製でき、よって実質上純粋であり得る。例えば、単離されたタンパク質は、好まし
く は 与 え ら れ た 試 料 中 の 総 タ ン パ ク 質 の 少 な く と も 約 0.5重 量 %、 よ り 好 ま し く は 少 な く と
も 約 5重 量 %を 構 成 す る 、 天 然 状 態 で 通 常 付 随 す る 物 質 の 少 な く と も 幾 ら か を 含 ま な い 。 実
質 上 純 粋 な タ ン パ ク 質 は 総 タ ン パ ク 質 の 少 な く と も 約 75重 量 %を 含 み 、 少 な く と も 約 80%が
好 ま し く 、 少 な く と も 約 90%が 特 に 好 ま し い 。 こ の 定 義 は 、 或 る 生 物 に 由 来 す る 変 異 体 TR
40
タンパク質を、異なる生物または宿主細胞において製造することを包含する。これとは別
に当該タンパク質は、このタンパク質が増大した濃度レベルで製造されるよう誘導プロモ
ーターまたは高発現プロモーターを使用することにより、通常観察される濃度よりはるか
に 高 い 濃 度 で 製 造 す る こ と が で き る 。 さ ら に 、 本 明 細 書 に 概 説 す る 全 て の 変 異 体 TRタ ン パ
ク質は、下に論ずるように、アミノ酸置換、挿入および欠失を含むため(置換が好ましい
)、天然に通常見出されない形態である。
【0176】
本 明 細 書 に 概 説 し 図 面 に 示 す 変 異 体 TR配 列 の ア ミ ノ 酸 配 列 変 異 体 も ま た 本 発 明 に 係 る 変 異
体 TRタ ン パ ク 質 の 定 義 に 包 含 さ れ る 。 即 ち 、 こ の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は ヒ ト TRに 比 し て さ
ら な る 可 変 位 置 を 含 ん で い て よ い 。 こ れ ら の 変 異 体 は 3つ の ク ラ ス : 置 換 、 挿 入 ま た は 欠
50
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失 変 異 体 の う ち 1ま た は そ れ 以 上 に 該 当 す る 。 こ れ ら の 変 異 体 は 普 通 、 カ セ ッ ト ま た は PCR
突 然 変 異 誘 発 ま た は そ の 他 の 当 分 野 で 周 知 の 技 術 を 用 い る 、 該 変 異 体 を コ ー ド し て い る DN
Aを 生 成 す る た め の 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を コ ー ド し て い る DNAに お け る ヌ ク レ オ チ ド の 位
置特異的突然変異誘発によって製造し、その後上に概説するように組換え細胞培養におい
て 該 DNAを 発 現 さ せ る 。 し か し な が ら 約 100-150ま で の 残 基 を 持 つ 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 フ ラ
グメントは、確立した技術を用いるインビトロ合成によって製造できる。アミノ酸配列変
異 体 は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 ア ミ ノ 酸 配 列 の 天 然 に 存 在 す る ア リ ル ま た は 種 間 変 異 と そ れ
らを隔てる特徴である、前もって決定されている変異の性質によって特徴付けられている
。この変異は典型的には天然に存在する類似体と同じ質的生物活性を示すが、下記により
詳細に述べるように、改変された性質を持つ変異体を選択することもできる。
10
【0177】
アミノ酸配列変異を導入するための部位または領域は前もって決定しておくが、突然変異
自体を前もって決定しておく必要はない。例えば、所定の部位での突然変異の出来を最適
なものとするために、標的コドンまたは領域でランダム突然変異誘発を実施し、発現され
た 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 を 所 望 の 活 性 の 最 適 な 組 み 合 わ せ に つ い て ス ク リ ー ニ ン グ す る こ と
が で き る 。 既 知 配 列 を 持 つ DNAに お い て 前 も っ て 定 め ら れ た 部 位 に 置 換 突 然 変 異 を 作 製 す
る 技 術 は 周 知 で あ り 、 例 え ば M13プ ラ イ マ ー 突 然 変 異 誘 発 お よ び PCR突 然 変 異 誘 発 が あ る 。
突 然 変 異 体 の ス ク リ ー ニ ン グ は 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 活 性 の 検 定 を 用 い て 行 う 。
【0178】
ア ミ ノ 酸 置 換 は 典 型 的 に は 単 一 残 基 の 置 換 で あ り 、 挿 入 は 通 常 約 1な い し 20ア ミ ノ 酸 で あ
20
る が 、 か な り 多 く の 挿 入 も 許 容 で き る 。 欠 失 は 約 1な い し 約 20残 基 の 範 囲 で あ る が 、 幾 つ
かの場合には欠失はずっと大きくなり得る。
【0179】
置換、欠失、挿入またはこれらの任意の組み合わせを用いて最終誘導体に到達できる。一
般にこれらの変化は当該分子の変化を最小とするため少数アミノ酸について行う。しかし
な が ら 或 る 状 況 で は 、 よ り 大 き な 変 化 が 許 容 で き る 。 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 性 質 に 小 さ な
変化を所望する場合、置換は一般に以下の表に従って行う。
【0180】
表1
【表1】
30
40
【0181】
表 1に 示 し た も の よ り 同 類 性 の 低 い 置 換 を 選 択 す る こ と に よ り 、 機 能 ま た は 免 疫 学 的 同 一
50
(43)
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性に実質的な変化を創出する。例えば、変化領域におけるポリペプチドバックボーンの構
造、例えばαヘリックスまたはβシート構造;標的部位の分子の電荷または疎水性;また
は側鎖の嵩、に、より著しい影響を及ぼす置換を創出できる。当該ポリペプチドの性質に
最 大 の 変 化 を 導 く こ と が 一 般 的 に 予 想 さ れ る 置 換 は 、 (a) 親 水 性 残 基 、 例 え ば セ リ ン ま た
はスレオニンを疎水性残基、例えばロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、バリン
ま た は ア ラ ニ ン に 置 換 す る ( ま た は そ の 逆 ) ; (b) シ ス テ イ ン ま た は プ ロ リ ン を 他 の 何 ら
か の 残 基 に 置 換 す る ( ま た は そ の 逆 ) ; (c) 正 電 荷 を 持 つ 側 鎖 を 有 す る 残 基 、 例 え ば リ ジ
ン、アルギニン、またはヒスチジンを、負電荷を持つ残基、例えばグルタミン酸またはア
ス パ ラ ギ ン 酸 に 置 換 す る ( ま た は そ の 逆 ) ; ま た は (d) 嵩 高 い 側 鎖 を 持 つ 残 基 、 例 え ば フ
ェニルアラニンを、側鎖を持たない残基、例えばグリシンに置換する(またはその逆)、
10
置換である。
【0182】
変 異 体 は 典 型 的 に は 元 の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 と 同 じ 質 的 生 物 活 性 を 示 し 、 同 じ 免 疫 反 応 を
誘 起 す る が 、 必 要 に 応 じ て 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 性 格 を 修 飾 す る よ う に 変 異 体 を 選 択 す る
こ と も あ る 。 こ れ と は 別 に 該 変 異 体 は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 生 物 活 性 が 変 化 す る よ う に
設計できる。例えば、グリコシル化部位を変化させまたは除去することができる。同様に
、生物学的機能を変化させることができ、例えば幾つかの例では、より強力なまたはより
強 力 で な い TR活 性 を 持 つ こ と が 望 ま し い か も 知 れ な い 。
【0183】
本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 お よ び 核 酸 は 幾 つ か の 方 法 で 製 造 で き る 。 個 々 の 核 酸 お
20
よびタンパク質は、当分野で知られているように、そして下に概説するように製造できる
。 こ れ と は 別 に 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の ラ イ ブ ラ リ ー を 試 験 の た め に 作 製 で き る 。
【0184】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 の 集 合 ま た は ラ イ ブ ラ リ ー を 確 率 分 布 表 か ら 作 製
す る 。 本 明 細 書 に 概 説 す る よ う に 、 PDA、 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト 、 SCMF計 算 の よ う な 力 場 計
算等を包含する、確率分布表を作製する様々な方法がある。加えて、確率分布は、ライブ
ラリー中に観察される突然変異頻度の尺度としての、各位置についての情報エントロピー
評点の作製に使用できる。
【0185】
この態様では、このリスト中の各々の可変位置にある各アミノ酸残基の頻度を同定する。
30
頻 度 に は 限 界 が 設 定 で き 、 こ こ で は カ ッ ト オ フ よ り 低 い 変 異 体 頻 度 を 0に 設 定 す る 。 こ の
カ ッ ト オ フ は 好 ま し く は 1%、 2%、 5%、 10%ま た は 20%で あ り 、 10%が 特 に 好 ま し い 。 次 い で
こ れ ら の 頻 度 を 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー 中 に 組 み 入 れ る 。 即 ち 、 上 記 の よ う に 、 こ れ ら の 可
変位置を集め、可能な全ての組み合わせを作製するが、但しライブラリーを「満たす」ア
ミノ酸残基は頻度をベースとして利用する。したがって、頻度に基づかないライブラリー
で は 、 5個 の 可 能 な 残 基 を 持 つ 可 変 位 置 は 、 第 一 の 可 能 な 残 基 を 持 つ 可 変 位 置 を 含 む タ ン
パ ク 質 20%、 第 二 を 持 つ も の 20%、 な ど を 有 す る 。 し か し な が ら 頻 度 に 基 づ く ラ イ ブ ラ リ ー
で は 、 そ れ ぞ れ 10%、 15%、 25%、 30%お よ び 20%の 頻 度 を 持 つ 5個 の 可 能 な 残 基 を 有 す る 可 変
位 置 は 、 第 一 の 可 能 な 残 基 を 持 つ 可 変 位 置 を 含 む タ ン パ ク 質 10%、 第 二 の 残 基 を 持 つ タ ン
パ ク 質 15%、 第 三 を 持 つ タ ン パ ク 質 25%等 を 有 す る で あ ろ う 。 当 業 者 に は 理 解 で き る で あ ろ
40
うが、実際の頻度はそのタンパク質を実際に作製するために利用する方法に依存し、例え
ば、正確な頻度はそのタンパク質を合成する際に取得可能となり得る。しかしながら、以
下に概説する頻度に基づくプライマー系を使用する場合、各位置における実際の頻度は、
以下に概説するように、変化するであろう。
【0186】
当業者には理解できるであろうが、そして本明細書に概説するように、確率分布表は様々
な 方 法 で 作 製 で き る 。 本 明 細 書 に 概 説 す る 方 法 に 加 え て 、 自 己 無 撞 着 平 均 場 ( SCMF) 法 を
、 確 率 表 の 直 接 作 製 に 使 用 で き る 。 SCMFは 回 転 異 性 体 相 互 作 用 の 平 均 場 の 描 写 を 用 い て エ
ネルギーを計算する、コンピューターによる決定論的方法である。このようにして作製し
た 確 率 表 を 用 い て 本 明 細 書 に 記 載 の ラ イ ブ ラ リ ー が 作 製 で き る 。 SCMFは 3つ の や り 方 で 利
50
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用できる。アミノ酸の頻度および各アミノ酸についての回転異性体を各位置において列挙
す る ; 確 率 を SCMFか ら 直 接 決 定 す る ( Delarue et la. Pac. Symp. Biocomput. 109-21 (1
997)(引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) を 参 照 さ れ た い ) 。 加 え て 、 非 常 に 可 変 的 な 位 置 お よ び
非可変位置が同定できる。これに代わり、別の方法を利用して、配列空間の検索中にどの
配 列 が と ば さ れ た か を 決 定 し ; SCMFを 利 用 し て そ の 配 列 に つ い て の 正 確 な エ ネ ル ギ ー を 得
; 次 い で こ の エ ネ ル ギ ー を 、 等 級 付 け に 利 用 し 、 配 列 の 等 級 順 リ ス ト を 作 る ( Monte Carl
o配 列 リ ス ト に 類 似 ) 。 し か る 後 、 各 位 置 の ア ミ ノ 酸 の 頻 度 を 示 す 確 率 表 が こ の リ ス ト か
ら 算 出 で き る (Koehl et al., J. Mol. Biol. 239:249 (1994); Koehl et al., Nat. Stru
c. Biol. 2:163 (1995); Koehl et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 6:222 (1996); Koe
hl et al., J. Mol. Bio. 293:1183 (1999); Koehl et al., J. Mol. Biol. 293:1161 (1
10
999); Lee J. Mol. Biol. 236:918 (1994); お よ び Vasquez Biopolymers 36:53-70 (1995
); こ れ ら は 全 て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) 。 同 様 の 方 法 に は 、 OPLS-AA (Jorgensen, et
al., J. Am. Chem. Soc. (1996), v 118, pp 11225_11236; Jorgensen, W.L.; BOSS, Ver
sion 4.1; Yale University: New Haven, CT (1999)); OPLS (Jorgensen, et al., J. Am
. Chem. Soc. (1988), v 110, pp 1657ff; Jorgensen, et al., J Am. Chem. Soc. (1990
), v 112, pp 4768ff); UNRES (United Residue Forcefield; Liwo, et al., Protein Sc
ience (1993), v 2, pp1697-1714; Liwo, et al., Protein Science (1993), v 2, pp171
5-1731; Liwo, et al., J. Comp. Chem. (1997), v 18, pp849_873; Liwo, et al., J. C
omp. Chem. (1997), v 18, pp874-884; Liwo, et al., J. Comp. Chem. (1998), v 19, p
p259-276; Forcefield for Protein Structure Prediction (Liwo, et al., Proc. Natl.
20
Acad. Sci. USA (1999), v 96, pp5482-5485); ECEPP/3 (Liwo et al., J Protein Chem
1994 May;13(4):375-80); AMBER 1.1 force field (Weiner, et al., J. Am. Chem. Soc
. v106, pp765-784); AMBER 3.0 force field (U.C. Singh et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA. 82:755-759); CHARMM and CHARMM22 (Brooks, et al., J. Comp. Chem. v4, p
p 187-217); cvff3.0 (Dauber-Osguthorpe, et al.,(1988) Proteins: Structure, Funct
ion and Genetics, v4,pp31-47); cff91 (Maple, et al., J. Comp. Chem. v15, 162-182
)が 包 含 さ れ ( 但 し こ れ ら に 限 定 さ れ る 訳 で は な い ) ; さ ら に 、 the DISCOVER (cvff and
cff91) お よ び AMBER力 場 が the INSIGHT molecular modeling package (Biosym/MSI, San
Diego California) で 使 用 さ れ 、 そ し て HARMMが the QUANTA molecular modeling package
(Biosym/MSI, San Diego California)で 使 用 さ れ て い る 。
30
【0187】
さらに、本明細書に概説するように、確率分布表を作製する好ましい方法は、配列アライ
ンメントプログラムの使用による。加えて確率表は配列アラインメントとコンピューター
アプローチの組み合わせによって得られる。例えば、相同的配列のアラインメントに見出
されるアミノ酸をコンピューター計算の結果に加えることができる。好ましくは野生型ア
ミノ酸を、これがコンピューター計算に見出されない場合に確率表に加えることができる
。
【0188】
理 解 で き る で あ ろ う が 、 可 変 位 置 お よ び /ま た は 可 変 位 置 に あ る 残 基 を 再 結 合 し て 創 出 し
た 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー は 等 級 順 リ ス ト に 無 い か も 知 れ な い 。 幾 つ か の 態 様 で は 、 こ の リ
40
ス ト 全 体 を 作 製 し 試 験 で き る 。 こ れ に 代 わ り 好 ま し い 態 様 で は 、 こ の 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ
ーもまた等級順リストの形態である。これは、ライブラリーのサイズが実験的に作製する
には依然として大きすぎるという事を包含する幾つかの理由のため、または予想目的のた
めに行われる。これは幾つかの方法で行うことができる。
【0189】
或 る 態 様 で は 、 ラ イ ブ ラ リ ー は 、 ラ イ ブ ラ リ ー の 成 員 を 等 級 付 け る た め の PDAの 評 点 機 能
を用いて等級付ける。別法として統計学的方法が使用できる。例えば、ライブラリーは頻
度評点によって等級付けることができる。即ち、殆どの高頻度残基を含むタンパク質を高
い等級とするなどである。これは、評点数値を求めるため各可変位置での頻度を加えるま
たは掛けることにより行うことができる。同様に、ライブラリーの異なる位置を加重し次
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いでそのタンパク質の評点を付けることができるが、例えば或る一定の残基を含むものを
恣意的に等級付けることができる。
【0190】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー の 異 な る タ ン パ ク 質 成 員 を 化 学 合 成 で き る 。 こ
の 事 は 、 設 計 し た タ ン パ ク 質 が 短 い 、 好 ま し く は 150ア ミ ノ 酸 長 よ り 短 い 、 さ ら に 好 ま し
く は 100ア ミ ノ 酸 長 よ り 短 い 、 そ し て 特 に 好 ま し く は 50ア ミ ノ 酸 長 よ り 短 い 場 合 に と り わ
け有用であるが、当分野で知られるように、長いタンパク質を化学的または酵素的に製造
す る こ と も で き る 。 例 え ば 、 Wilken et al, Curr. Opin. Biotechnol. 9:412-26 (1998)
を参照されたく、これは引用によりここに含める。
【0191】
10
好ましい態様では、とりわけ長いタンパク質または大試料が所望であるタンパク質のため
の 好 ま し い 態 様 で は 、 成 員 の 配 列 を コ ー ド し て い る DNAの よ う な 核 酸 を 創 出 す る た め に こ
のライブラリー配列を使用し、次いでそれを宿主細胞中にクローニングし、発現させ、所
望により検定する。したがって、各成員タンパク質配列をコードしている核酸、とりわけ
DNAを 作 製 す る こ と が で き る 。 こ れ は 既 知 の 方 法 を 利 用 し て 行 う 。 コ ド ン 、 適 当 な 発 現 ベ
クターおよび適当な宿主細胞の選択は幾つかの因子に依存して変化し、必要に応じて容易
に最適化できる。
【0192】
好 ま し い 態 様 で は 、 U.S.S.N.09/927790( 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) に 一 般 的 に 記 載 さ れ
て い る よ う に 、 プ ー ル し た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド に よ る マ ル チ プ ル PCR反 応 を 行 う 。 こ の 態
20
様では、完全長遺伝子に対応する部分重複オリゴヌクレオチドを合成する。さらに、これ
らのオリゴヌクレオチドは各変異体の位置または部分集合にある異なるアミノ酸の全てを
表し得る。
【0193】
好 ま し い 態 様 で は 、 こ れ ら の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を 等 し い 比 率 で プ ー ル し 、 マ ル チ プ ル PC
R反 応 を 行 っ て 、 該 ラ イ ブ ラ リ ー に よ り 定 義 さ れ る 突 然 変 異 の 組 み 合 わ せ を 含 む 完 全 長 配
列 を 作 り 出 す 。 加 え て 、 こ れ は 誤 り が ち な PCR法 を 用 い て 実 施 で き る 。
【0194】
好ましい態様では、異なるオリゴヌクレオチドを確率分布表に対応する相対量で加える。
こ う し て マ ル チ プ ル PCR反 応 は 、 所 望 の 突 然 変 異 の 組 み 合 わ せ を 所 望 の 比 率 で 有 す る 完 全
30
長配列を生成する。
【0195】
必要なオリゴヌクレオチドの総数は、突然変異を受ける位置の数およびこれらの位置にあ
ると考えられる突然変異の数の関数である:
(定 位 置 に 対 す る オ リ ゴ の 数 ) + M1 + M2 + M3 +・ ・ ・ Mn = (必 要 な オ リ ゴ の 総 数 )
[式 中 、 Mnは こ の 配 列 の 位 置 nに あ る と 考 え ら れ る 突 然 変 異 の 数 で あ る ] 。
【0196】
好ましい態様では、各々の部分重複するオリゴヌクレオチドは、変化させるべき位置をた
だ 1個 含 ん で お り ; 別 の 態 様 で は 、 そ う な る に は 変 異 体 位 置 が 近 す ぎ る の で 、 オ リ ゴ ヌ ク
レ オ チ ド 1個 当 た り 複 数 の 変 異 体 を 使 用 し て あ ら ゆ る 可 能 性 を 有 す る 完 全 な 組 換 え を さ せ
40
る 。 即 ち 、 各 オ リ ゴ は 突 然 変 異 を 受 け る 1個 の 位 置 の た め の コ ド ン 、 ま た は 突 然 変 異 を 受
け る 1以 上 の 位 置 の た め の コ ド ン を 含 む こ と が で き る 。 突 然 変 異 を 受 け る 複 数 の 位 置 は 、
オリゴの長さが非実用的となるのを防ぐため、配列中で近接していなければならない。或
るオリゴヌクレオチド上の複数の突然変異位置を目的として、突然変異の特定の組み合わ
せを、その組み合わせをコードしているオリゴヌクレオチドを包含または除外することに
よってそのライブラリーに包含またはそこから排除することができる。例えば、本明細書
に 論 ず る よ う に 、 可 変 領 域 の 間 に は 相 関 が あ り 得 る 。 即 ち 、 位 置 Xが 或 る 残 基 で あ る 場 合
、 位 置 Yは 特 定 の 残 基 で な け れ ば な ら な い ( ま た は そ う で あ っ て は な ら な い ) 。 こ れ ら の
可変位置の集合は、本明細書では時に「クラスター」と呼ぶ。クラスターが近接した残基
に 含 ま れ 、 よ っ て 1個 の オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ラ イ マ ー 上 に 存 在 す る 場 合 、 こ の ク ラ ス タ
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ーは「良好な」相関関係へと向かい、ライブラリーの有効性を低減させ得る劣悪な相関を
排除することができる。しかしながら、クラスターの残基が配列内で遠く離れており、よ
って合成のための異なるオリゴヌクレオチド上に存在する場合、該残基を「良好な」相関
関係に置くか、またはそれらを可変残基として全て排除するのが望ましいであろう。これ
とは別の態様では、クラスター突然変異が常に一諸に現れるよう、ライブラリーを幾つか
の工程で作製できる。この方法、即ち突然変異のクラスターを同定し、それらを同じオリ
ゴヌクレオチド上に位置させるか、またはライブラリーからそれらを排除する方法、また
はクラスターを温存する幾つかの工程によるライブラリーの作製は、適正に折り畳まれた
タンパク質を有する実験的ライブラリーをかなり高品質なものとし得る。クラスターの同
定は幾つかの方法で、例えば既知のパターン認識法、または突然変異の発生頻度の比較を
10
用いて、または実験的に製造しようとする配列のエネルギー解析(例えば、相互作用のエ
ネルギーが高い場合、その位置は相関している)によって、実施できる。これらの相関は
、 位 置 相 関 ( 例 え ば 、 可 変 位 置 1と 2が 常 に 一 諸 に 変 化 し ま た は 決 し て 一 諸 に 変 化 し な い )
ま た は 配 列 相 関 ( 例 え ば 、 1位 に 残 基 Aが あ る 場 合 、 2位 に は 常 に 残 基 Bが あ る ) で あ っ て よ
い 。 Pattern discovery in Biomolecular Data: Tools, Techniques, and Applications;
edited by Jason T.L. Wang, Bruce A. Shapiro, Dennis Shasha. New York: Oxford Un
iversity, 1999; Andrews, Harry C. Introduction to mathematical techniques in pat
tern recognition; New York, Wiley-lnterscience [1972]; Applications of Pattern R
ecognition; Editor, K.S. Fu. Boca Raton, Fla. CRC Press, 1982; Genetic Algorithm
s for Pattern Recognition; edited by Sankar K. Pal, Paul P. Wang. Boca Raton: CR
20
C Press, c1996; Pandya, Abhijit S., Pattern recognition with neural networks in
C++ / Abhijit S. Pandya, Robert B. Macy. Boca Raton, Fla.: CRC Press, 1996; Hand
book of pattern recognition & computer vision / edited by C.H. Chen, L.F. Pau, P
.S.P. Wang. 2nd ed. Singapore; River Edge, N.J.: World Scientific, c1999; Friedm
an, Introduction to Pattern Recognition: Statistical, Structural, Neural, and Fu
zy Logic Approaches; River Edge, N.J.: World Scientific, c1999, Series title: Se
ries in machine perception and artificial intelligence; vol. 32( こ れ ら は 全 て 引
用によりここに含める)を参照されたい。さらに、コンセンサスモチーフの探索に用いら
れるプログラムもまた使用できる。
【0197】
30
加えて、オリゴヌクレオチドの設計を変えることにより、即ち、そのオリゴヌクレオチド
(プライマー)がどこで開始および停止するか(例えばどこでその配列が「切断」される
か)を決定することにより、相関およびシャフリングを固定または最適化できる。オリゴ
の開始および停止部位は、単一オリゴヌクレオチド中に現れるクラスターの数を最大とす
るよう設定でき、それにより、高評点の配列でそのライブラリーを質的に向上させること
ができる。異なるオリゴヌクレオチド開始および停止部位の選択肢は、単一のオリゴ上に
あるクラスター数に従って、または予想した配列ライブラリーに一致する得られた配列の
パーセンテージに従って、コンピューターにより作製および等級付けできる。
【0198】
必要なオリゴヌクレオチドの総数は、複数の突然変異可能な位置が単一オリゴヌクレオチ
40
ドによってコードされている場合に増加する。アニーリングされた領域は、一定不変の領
域、即ちレファランス配列を有する領域である。
【0199】
コドンの挿入または欠失を持つオリゴヌクレオチドを使用して異なる長さのタンパク質を
発現するライブラリーを創出できる。とりわけ、挿入または欠失を求めるコンピューター
による配列スクリーニングは、異なる長さのタンパク質を規定する二次ライブラリーを産
み、このタンパク質はプールされた異なる長さのオリゴヌクレオチドのライブラリーによ
り発現され得る。
【0200】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー は 、 フ ァ ミ リ ー ( 例 え ば 変 異 体 の 集 合 ) の シ ャ
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フ リ ン グ に よ っ て 行 う 。 即 ち 、 誤 り が ち な PCRに よ っ て ま た は こ れ に よ ら ず に 上 位 配 列 の
集合(もし等級順リストを使用するならば)をシャフルすることができる。この文脈中の
「シャフリング」とは、一般にランダムなやり方での関連配列の再結合を意味する。これ
は 、 米 国 特 許 Nos. 5,830,721; 5,811,238; 5,605,793; 5,837,458お よ び PCT US/19256(
これらは全て引用によりその全内容をここに含める)に定義および例示されている「シャ
フ リ ン グ 」 を 包 含 で き る 。 こ の 配 列 の 集 合 は 人 工 的 集 合 、 例 え ば 確 率 表 ( 例 え ば SCMFを 使
用 し て 作 製 さ れ た も の ) ま た は Monte Carlo集 合 由 来 の も の と す る こ と も で き る 。 同 様 に
、 「 フ ァ ミ リ ー 」 と は 、 上 位 の 10お よ び 下 位 の 10配 列 、 上 位 の 100配 列 な ど と す る こ と が
で き る 。 こ れ も ま た 誤 り が ち な PCRを 用 い て 実 施 で き る 。
【0201】
10
し た が っ て 好 ま し い 態 様 で は 、 本 明 細 書 に 記 載 の コ ン ピ ュ ー タ ー 的 方 法 を 用 い る in silic
oシ ャ フ リ ン グ を 行 う 。 即 ち 、 2個 の ラ イ ブ ラ リ ー ま た は 2個 の 配 列 か ら 始 ま っ て 、 配 列 の
ランダムな再結合を作製し評価することができる。
【0202】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー を 作 製 す る た め に 誤 り が ち な PCRを 行 う 。 米 国
特 許 Nos. 5,605,793, 5,811,238お よ び 5,830,721( こ れ ら は 全 て 引 用 に よ り こ こ に 含 め る
)を参照されたい。これは最適配列について、またはライブラリーもしくは他の何らかの
人工的集合もしくはファミリーの上位成員について実施できる。この態様では、一次ライ
ブラリーのコンピュータースクリーニングで見出された最適配列の遺伝子が合成できる。
次いで、該ライブラリーの変異体位置に突然変異をコードしているオリゴヌクレオチド(
20
バ イ ア ス オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド ) の 存 在 下 で 、 誤 り が ち な PCRを 最 適 配 列 遺 伝 子 上 で 実 施 す
る。このオリゴヌクレオチドの添加は、ライブラリーに突然変異を組み込む傾向のあるバ
イアスを創出する。別法として、或る突然変異をコードしているオリゴヌクレオチドのみ
を用いてライブラリーにバイアスをかけることもできる。
【0203】
好 ま し い 態 様 で は 、 誤 り が ち な PCRに よ る 遺 伝 子 シ ャ フ リ ン グ を 、 バ イ ア ス オ リ ゴ ヌ ク レ
オ チ ド の 存 在 下 に 最 適 配 列 の 遺 伝 子 上 で 実 施 し 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー 中 に 見 出 さ れ る 突
然 変 異 の 比 率 を 反 映 す る DNA配 列 ラ イ ブ ラ リ ー を 創 出 す る こ と が で き る 。 バ イ ア ス オ リ ゴ
ヌクレオチドの選択は様々な方法で実施できる。これらはその頻度に基づいて選択できる
。即ち、高突然変異頻度の位置をコードしているオリゴヌクレオチドが使用でき;そうで
30
はなく、多様性が増大するよう最も変化し易い位置を含むオリゴヌクレオチドが使用でき
;二次ライブラリーを等級付ける場合には幾つかの上位評点位置をバイアスオリゴヌクレ
オチドの作製に使用でき;ランダムな位置を選択でき;数個の上位評点および数個の低評
点オリゴヌクレオチドが選択できる、などである。重要な事は、好ましい可変位置および
配列に基づいて新しい配列を作製することである。
【0204】
好 ま し い 態 様 で は 、 U.S.S.N. 09/927,790( 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) に 一 般 的 に 記 載 さ
れ る よ う な 野 生 型 遺 伝 子 ま た は そ の 他 の 遺 伝 子 を 用 い る PCRが 利 用 で き る 。 こ の 態 様 で は
、開始遺伝子を使用し、一般にこの遺伝子は通常野生型遺伝子である(但しそれが必要で
あるわけではない)。幾つかの例では、これは全体として最適化された配列またはリスト
40
中の他の何らかの配列または、例えば異なる生物由来の相同的配列をアラインメントする
ことで得られたコンセンサス配列をコードしている遺伝子とすることができる。この態様
では、変異体位置に対応し且つライブラリー中の異なるアミノ酸を含むオリゴヌクレオチ
ド を 使 用 す る 。 当 分 野 で 知 ら れ る よ う に 、 末 端 に PCRプ ラ イ マ ー を 用 い て PCRを 行 う 。 こ れ
に は 2つ の 利 点 が あ る 。 第 一 は 、 一 般 に こ れ は 少 な い オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド し か 必 要 と せ ず
、誤りがより少なくなる。加えて、野生型遺伝子を使用する場合、それを合成する必要が
無いという実験上の有利性がある。
【0205】
さらに、図面に例示したような、利用できる他の幾つかの技術がある。好ましい態様では
、 PCR生 成 物 の ラ イ ゲ ー シ ョ ン を 実 施 す る 。
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【0206】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー に 対 し て 多 様 な さ ら な る 工 程 を 実 施 す る こ と が
で き る 。 例 え ば さ ら な る コ ン ピ ュ ー タ ー 処 理 を 行 い 、 異 な る 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー が 再 結
合でき、または異なるライブラリー由来のカットオフを組み合わせることができる。好ま
し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー を 再 度 コ ン ピ ュ ー タ ー 操 作 し て 、 さ ら な る 変 異 体 TR
ライブラリーを作ることができる(時にこれを本明細書では「第三のライブラリー」と称
す る ) 。 例 え ば 、 任 意 の 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー 配 列 を 、 第 一 ラ イ ブ ラ リ ー 中 の 変 化 し た 位
置 の 幾 つ か ま た は 全 て を 凍 結 ま た は 固 定 す る こ と に よ り 、 二 巡 目 の PDAの た め に 選 択 で き
る。別法として、最後の確率分布表に見られる変化のみを許容する。或いは、確率表のス
トリンジェンシーを、包含についてのカットオフを増大または低下させることにより、変
10
化 さ せ る こ と が で き る 。 同 様 に 、 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー は 、 一 巡 目 の 後 に 実 験 的 に 再 結 合
さ せ る 事 が で き る 。 例 え ば 、 第 一 ス ク リ ー ニ ン グ 由 来 の 最 良 遺 伝 子 /遺 伝 子 群 を 選 択 し 、
再 度 遺 伝 子 ア セ ン ブ リ ー を 行 う こ と が で き る ( 下 に 概 説 す る 技 術 、 マ ル チ プ ル PCR、 誤 り
が ち な PCR、 シ ャ フ リ ン グ な ど を 利 用 ) 。
【0207】
こ れ に 代 わ り 、 1ま た は そ れ 以 上 の 良 好 遺 伝 子 ( 群 ) 由 来 の フ ラ グ メ ン ト が 幾 つ か の 位 置
で確率を変化させる。これは、コンピューターおよび実験的スクリーニングの一巡目に見
出される配列空間の領域に検索を偏倚させる。
【0208】
好 ま し い 態 様 で は 、 組 み 合 わ せ た 異 な る 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー か ら 第 三 ラ イ ブ ラ リ ー が 作
20
製 で き る 。 例 え ば 、 本 明 細 書 に 概 説 す る よ う に 、 第 一 の 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー 由 来 の 確 率
分 布 表 を 、 コ ン ピ ュ ー タ ー ま た は 実 験 で 作 製 し 再 結 合 す る 。 PDA変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー を
配 列 ア ラ イ ン メ ン ト 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー と 合 し 、 再 結 合 ( や は り コ ン ピ ュ ー タ ー ま た は
実験によって)させるか、または各々のカットオフのみを合わせて新しい第三ライブラリ
ーを作製する。幾つかのライブラリーからの上位配列を再結合できる。ライブラリー上位
からの配列をライブラリー下位からの配列と合してより広範な試料配列空間を作製し、ま
たは、ライブラリー上位から遠い配列のみを合する。タンパク質の異なる部分を解析した
変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー を 、 そ の タ ン パ ク 質 の 合 し た 部 分 を 処 理 す る 第 三 ラ イ ブ ラ リ ー と 合
することができる。
【0209】
30
好 ま し い 態 様 で は 、 第 三 ラ イ ブ ラ リ ー を 変 異 体 TRラ イ ブ ラ リ ー 中 の 相 関 を 用 い て 作 製 で き
る。即ち、第一の可変位置にある残基は第二可変位置の残基と相関している(またはさら
な る 位 置 に あ る 残 基 と 同 様 に 相 関 し て い る ) か も 知 れ な い 。 例 え ば 、 第 一 の 残 基 が Xで あ
れ ば 第 二 の 残 基 は Yで な け れ ば な ら な い と い う よ う に 、 2個 の 可 変 位 置 が 立 体 的 ま た は 静 電
的に相互作用しているかも知れない。これは正の相関であっても負の相関であってもよい
。
【0210】
候補変異体タンパク質または候補変異体ライブラリー成員をコードしている本発明に係る
核酸を使用して、様々な発現ベクターを作製する。この発現ベクターは、自己複製する染
色体外ベクターであっても、また、宿主ゲノム中に統合するベクターであってもよい。一
40
般にこれらの発現ベクターは、ライブラリーのタンパク質をコードしている核酸と機能的
に連結した転写および翻訳調節核酸を含む。「調節配列」という語は、特定の宿主生物に
お い て 機 能 的 に 連 結 し た コ ー ド 配 列 の 発 現 に 必 要 と さ れ る DNA配 列 を 指 す 。 例 え ば 原 核 生
物のために好適な調節配列は、プロモーター、所望によりオペレーター配列、およびリボ
ソーム結合部位を包含する。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、
およびエンハンサーを利用することが知られている。
【0211】
核酸は、それが別の核酸配列と機能的関係に配置される場合、「機能的に連結」している
。 例 え ば 、 プ レ 配 列 の た め の DNAま た は 分 泌 リ ー ダ ー は 、 或 る ポ リ ペ プ チ ド の 分 泌 に 参 加
す る プ レ タ ン パ ク 質 と し て こ れ が 発 現 さ れ る な ら ば 、 そ の ポ リ ペ プ チ ド の DNAと 機 能 的 に
50
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連結しており;プロモーターまたはエンハンサーは、これが配列の転写に影響を及ぼすな
らば、コード配列と機能的に連結しており;または、リボソーム結合部位は、翻訳を促進
するように位置しているならば、コード配列と機能的に連結している。一般に、「機能的
に 連 結 」 と は 、 連 結 し て い る DNA配 列 が 隣 接 し て お り 、 そ し て 分 泌 リ ー ダ ー の 場 合 は 隣 接
し且つ読み取り相にある。しかしながらエンハンサーは隣接していなくともよい。連結は
都合の良い制限部位でのライゲーションにより達成する。そのような部位が無い場合は、
常法に従い合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを使用する。当業者には理
解できるであろうが、転写および翻訳調節核酸は一般に、そのライブラリータンパク質を
発 現 す る の に 用 い ら れ る 宿 主 細 胞 に 適 し て い る 。 例 え ば 、 好 ま し く は Bacillus由 来 の 転 写
お よ び 翻 訳 調 節 核 酸 配 列 を 使 用 し て Bacillus中 で ラ イ ブ ラ リ ー タ ン パ ク 質 を 発 現 さ せ る 。
10
様々な宿主のための、数多くの種類の適当な発現ベクター、および適当な調節配列が当分
野で知られている。
【0212】
一般に転写および翻訳調節配列は、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始お
よび停止配列、翻訳開始および停止配列、ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配
列を包含するが、これらに限定される訳ではない。好ましい態様では、調節配列はプロモ
ーターならびに転写開始および停止配列を包含する。
【0213】
プロモーター配列は構成的および誘導的プロモーター配列を包含する。プロモーターは天
然 に 存 在 す る プ ロ モ ー タ ー 、 ハ イ ブ リ ッ ド ま た は 合 成 プ ロ モ ー タ ー を 包 含 で き る 。 1以 上
20
のプロモーターの要素を合しているハイブリッドプロモーターもまた当分野で知られてお
り、本発明において有用である。
さ ら に 、 発 現 ベ ク タ ー は さ ら な る 要 素 を 含 み 得 る 。 例 え ば 、 発 現 ベ ク タ ー は 2つ の 複 製 系
を 持 つ こ と が で き 、 し た が っ て こ れ を 2つ の 生 物 、 例 え ば 発 現 の た め の 哺 乳 動 物 ま た は 昆
虫細胞において、そしてクローニングおよび増幅のための原核生物宿主において維持する
ことを可能にする。さらに、発現ベクターを統合するため、この発現ベクターは、宿主細
胞 ゲ ノ ム に 相 同 的 な 少 な く と も 1個 の 配 列 、 お よ び 好 ま し く は 発 現 構 築 物 に 隣 接 す る 2個 の
相同的配列を含む。この統合ベクターは、ベクターに含まれるための適当な相同配列を選
択することにより、宿主細胞中の特定の座を目指すことができる。ベクター統合のための
構築物ならびに適当な選択およびスクリーニングプロトコルは当分野で周知であり、例え
30
ば Mansour et al., Cell, 51:503 (1988) お よ び Murray, Gene Transfer and Expression
Protocols, Methods in Molecular Biology, Vol. 7 (Clifton: Humana Press, 1991)に
記載されている。
【0214】
さらに、好ましい態様では、発現ベクターは、発現ベクターを含む形質転換された宿主細
胞の選択を可能にする選択遺伝子を含み、特に哺乳動物細胞の場合には、該ベクターを含
まない細胞は一般に死滅することからベクターの安定性を確実とする。選択遺伝子は当分
野で周知であり、使用する宿主細胞と共に変わる。本明細書中「選択遺伝子」とは、選択
剤に対する耐性を付与する遺伝子産物をコードしている任意の遺伝子を意味する。好適な
選 択 剤 は 、 ネ オ マ イ シ ン ( ま た は そ の 類 似 体 G418) 、 ブ ラ ス テ ィ シ デ ィ ン S、 ヒ ス チ ニ ド
40
ー ル D、 ブ レ オ マ イ シ ン 、 ピ ュ ー ロ マ イ シ ン 、 ハ イ グ ロ マ イ シ ン B、 お よ び そ の 他 の 薬 物 を
包含するが、これらに限定される訳ではない。
【0215】
好 ま し い 態 様 で は 、 遺 伝 子 発 現 の レ ベ ル を 増 大 さ せ る た め 、 発 現 ベ ク タ ー は RNAス プ ラ イ
シ ン グ 配 列 を 、 発 現 さ せ よ う と す る 遺 伝 子 の 上 流 ま た は 下 流 に 含 む 。 Barret et al., Nuc
leic Acids Res. 1991; Groos et al., Mol. Cell. Biol. 1987; お よ び Budiman et al.,
Mol. Cell. Biol. 1988を 参 照 さ れ た い 。
【0216】
好 ま し い 発 現 ベ ク タ ー 系 は 一 般 的 に Mann et al., Cell, 33:153-9 (1993); Pear et al.
, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 90(18):8392-6 (1993); Kitamura et al., Proc. Na
50
(50)
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tl. Acad. Sci. U.S.A., 92:9146-50 (1995); Kinsella et al., Human Gene Therapy, 7
:1405-13; Hofmann et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 93:5185-90; Choate et al
., Human Gene Therapy, 7:2247 (1996); PCT/US97/01019お よ び PCT/US97/01048、 な ら び
にこれらに引用されている文献(これらは全て引用によりここに含める)に記載されてい
るような、レトロウイルスベクター系である。
【0217】
本発明に係る候補変異体ライブラリータンパク質は、核酸、好ましくはライブラリータン
パク質をコードしている核酸を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、そのライ
ブラリータンパク質の発現を誘導または惹起する適当な条件下で培養することによって生
産する。候補変異体ライブラリータンパク質発現にとって適当な条件は発現ベクターおよ
10
び宿主細胞の選択によって変わり、日常的な実験を介して当業者が容易に確認できる。例
えば、発現ベクター中での構成的プロモーターの使用は宿主細胞の成長と増殖の最適化を
必要とし、一方誘導的プロモーターの使用は誘導のために適当な成長条件を必要とする。
加えて、幾つかの態様では、収穫のタイミングが重要である。例えば、昆虫細胞発現に使
用するバキュロウイルス系は溶菌ウイルスであり、したがって収穫時期の選択が生成物の
収量にとって決定的となり得る。
【0218】
当業者には理解できるであろうが、本発明で使用する細胞の種類は広範に変わり得る。基
本的には、酵母、細菌、始原細菌、真菌、および昆虫、植物、ならびに哺乳動物細胞を包
含 す る 動 物 細 胞 を 包 含 す る 、 多 岐 に わ た る 適 当 な 宿 主 細 胞 が 使 用 で き る 。 Drosophila mel
20
anogaster細 胞 、 Saccharomyces cerevisiaeお よ び そ の 他 の 酵 母 、 E.coli、 Bacillus subt
ilis、 SF9細 胞 、 C129細 胞 、 293細 胞 、 Neurospora、 BHK、 CHO、 COS、 お よ び HeLa細 胞 、 線
維 芽 細 胞 、 Schwanomaセ ル ラ イ ン 、 不 死 化 し た 哺 乳 動 物 骨 髄 系 お よ び リ ン パ 系 セ ル ラ イ ン
、 Jurkat細 胞 、 肥 満 細 胞 お よ び そ の 他 の 内 分 泌 お よ び 外 分 泌 細 胞 、 な ら び に 神 経 細 胞 は 特
に 興 味 深 い 。 ATCCセ ル ラ イ ン カ タ ロ グ ( こ れ は 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) を 参 照 さ れ た い
。加えて、例えば当分野で周知のファージディスプレー系における二次ライブラリーの発
現が、とりわけこの二次ライブラリーがランダムなペプチドを含む場合には好ましい。或
る態様では、細胞を遺伝子操作でき、これは即ち例えば標的分子を含むよう、外因性核酸
を含むという事である。
【0219】
30
好ましい態様では、候補変異体タンパク質または候補変異体ライブラリータンパク質を哺
乳動物細胞中で発現させる。任意の哺乳動物細胞が使用でき、マウス、ラット、霊長類お
よびヒト細胞が特に好ましいが、当業者に理解できるように、シュードタイピングによる
この系の修飾によって、全ての真核生物細胞、好ましくは高等真核生物細胞が使用できる
ようになる。下により詳細に述べることであるが、細胞がランダムライブラリー成員の存
在下で選択可能な表現型を示すよう、スクリーニングを設定する。下により詳細に述べる
ことであるが、好適なスクリーニングを設計して、その細胞内部にライブラリー成員が存
在する帰結として変化した表現型を示す細胞を選択できる限り、多彩な疾病状態に関連す
る細胞型が特に有用である。
【0220】
40
したがって、好適な哺乳動物細胞型は、全ての種類の腫瘍細胞(とりわけ黒色腫、骨髄性
白血病、肺癌、乳癌、卵巣癌、結腸癌、腎臓癌、前立腺癌、膵臓癌および精巣癌)、心筋
細 胞 、 内 皮 細 胞 、 上 皮 細 胞 、 リ ン パ 球 ( T細 胞 お よ び B細 胞 ) 、 肥 満 細 胞 、 好 酸 球 、 血 管 内
膜細胞、肝細胞、単核白血球を包含する白血球、幹細胞、例えば造血、神経、皮膚、肺、
腎臓、肝臓および筋細胞幹細胞(分化および非分化因子についてのスクリーニングに使用
)、破骨細胞、軟骨細胞およびその他の結合組織細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、
肝臓細胞、腎臓細胞、および脂肪細胞を包含するが、これらに限定される訳ではない。好
適 な 細 胞 は ま た 、 Jurkat T細 胞 、 NIH3T3細 胞 、 CHO、 Cos、 等 を 包 含 す る 既 知 の 研 究 用 細 胞
を 包 含 す る が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い 。 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ATCCセ ル ラ イ ン カ タ ロ グ
を参照されたい。
50
(51)
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【0221】
哺乳動物発現系もまた当分野で知られており、レトロウイルス系を包含する。哺乳動物プ
ロ モ ー タ ー は 、 哺 乳 動 物 RNAポ リ メ ラ ー ゼ と 結 合 で き 、 ラ イ ブ ラ リ ー タ ン パ ク 質 の コ ー ド
配 列 か ら mRNAへ の 下 流 ( 3') 方 向 へ の 転 写 を 開 始 で き る 任 意 の DNA配 列 で あ る 。 プ ロ モ ー
タ ー は 、 通 常 コ ー ド 配 列 の 5'末 端 の 近 位 に 位 置 す る 転 写 開 始 領 域 、 お よ び 、 こ の 転 写 開 始
部 位 の 上 流 に 位 置 す る 25-30塩 基 対 を 用 い る TATAボ ッ ク ス を 有 す る 。 TATAボ ッ ク ス は RNAポ
リ メ ラ ー ゼ IIに 指 令 し て 正 し い 部 位 で RNA合 成 を 開 始 さ せ る と 考 え ら れ る 。 哺 乳 動 物 プ ロ
モ ー タ ー は さ ら に 、 典 型 的 に は TATAボ ッ ク ス の 上 流 100な い し 200塩 基 対 以 内 に 位 置 す る 上
流プロモーター要素(エンハンサー要素)を含む。上流プロモーター要素は転写を開始す
る速度を決定し、いずれの向きにも作用できる。哺乳動物ウイルス遺伝子由来のプロモー
10
ターが哺乳動物プロモーターとして特に有用であり、何故ならこのウイルス遺伝子はしば
し ば 高 度 に 発 現 さ れ 、 広 範 な 宿 主 範 囲 を 有 す る た め で あ る 。 例 に は 、 SV40初 期 プ ロ モ ー タ
ー 、 マ ウ ス 乳 癌 ウ イ ル ス LTRプ ロ モ ー タ ー 、 ア デ ノ ウ イ ル ス 主 要 後 期 プ ロ モ ー タ ー 、 単 純
ヘ ル ペ ス ウ イ ル ス プ ロ モ ー タ ー 、 お よ び CMVプ ロ モ ー タ ー が あ る 。
【0222】
典型的には、哺乳動物細胞が認識する転写終止およびポリアデニル化配列は、翻訳停止コ
ド ン の 3'に 位 置 す る 調 節 領 域 で あ り 、 よ っ て プ ロ モ ー タ ー 要 素 と 一 諸 に コ ー ド 配 列 に 隣 接
し て い る 。 成 熟 mRNAの 3'末 端 は 位 置 特 異 的 翻 訳 後 開 裂 お よ び ポ リ ア デ ニ ル 化 に よ っ て 形 成
さ れ る 。 転 写 タ ー ミ ネ ー タ ー お よ び ポ リ ア デ ニ ル 化 シ グ ナ ル の 例 は SV40か ら 誘 導 し た も の
を包含する。
20
【0223】
哺乳動物宿主およびその他の宿主に外因性核酸を導入する方法は当分野で周知であり、使
用する宿主細胞によって変わる。技術には、デキストラン仲介トランスフェクション、燐
酸カルシウム沈殿、ポリブレン仲介トランスフェクション、プロトプラスト融合、電気穿
孔 、 ウ イ ル ス 感 染 、 リ ポ ソ ー ム へ の ポ リ ヌ ク レ オ チ ド の カ プ セ ル 化 、 お よ び 核 内 へ の DNA
の直接的マイクロインジェクションがある。
【0224】
好ましい態様では、候補変異体タンパク質または候補変異体ライブラリータンパク質を細
菌系で発現させる。細菌発現系は当分野で周知である。
【0225】
30
好 適 な 細 菌 プ ロ モ ー タ ー は 、 細 菌 RNAポ リ メ ラ ー ゼ と 結 合 で き 、 ラ イ ブ ラ リ ー タ ン パ ク 質
の コ ー ド 配 列 か ら mRNAへ の 下 流 ( 3') 方 向 へ の 転 写 を 開 始 で き る 任 意 の 核 酸 配 列 で あ る 。
細 菌 プ ロ モ ー タ ー は 、 通 常 コ ー ド 配 列 の 5'末 端 の 近 位 に 位 置 す る 転 写 開 始 領 域 を 持 っ て い
る 。 こ の 転 写 開 始 領 域 は 典 型 的 に は RNAポ リ メ ラ ー ゼ 結 合 部 位 と 転 写 開 始 部 位 を 包 含 す る
。代謝経路の酵素をコードしている配列は特に有用なプロモーター配列を提供する。例に
は、ガラクトース、乳糖およびマルトースといった糖を代謝する酵素から誘導されるプロ
モーター配列、ならびにトリプトファンのような生合成酵素から誘導される配列がある。
バクテリオファージ由来のプロモーターも使用でき、当分野で知られている。加えて、合
成 プ ロ モ ー タ ー お よ び ハ イ ブ リ ッ ド プ ロ モ ー タ ー も ま た 有 用 で あ り 、 例 え ば tacプ ロ モ ー
タ ー は trpお よ び lacプ ロ モ ー タ ー 配 列 の ハ イ ブ リ ッ ド で あ る 。 さ ら に 、 細 菌 プ ロ モ ー タ ー
40
は 、 細 菌 RNAポ リ メ ラ ー ゼ と 結 合 し 転 写 を 開 始 さ せ る 能 力 を 持 つ 、 非 細 菌 由 来 の 天 然 に 存
在するプロモーターを包含できる。
機 能 的 プ ロ モ ー タ ー 配 列 に 加 え て 、 有 効 な リ ボ ソ ー ム 結 合 部 位 が 望 ま し い 。 E.coliで は 、
リ ボ ソ ー ム 結 合 部 位 を Shine-Delgarno( SD) 配 列 と 呼 び 、 開 始 コ ド ン と こ の 開 始 コ ド ン の
3-11ヌ ク レ オ チ ド 上 流 に 位 置 す る 3-9ヌ ク レ オ チ ド 長 の 配 列 を 包 含 す る 。
【0226】
発現ベクターはさらに、細菌中でライブラリータンパク質の選択を可能にするシグナルペ
プチド配列を包含できる。当分野で周知のように、シグナル配列は典型的にはその細胞か
らのタンパク質の分泌を指令する疎水性アミノ酸から成るシグナルペプチドをコードして
いる。タンパク質は増殖培地中に分泌される(グラム陽性菌)か、または細胞の内膜と外
50
(52)
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膜の間にある周辺腔に分泌される(グラム陰性菌)。
【0227】
細菌発現ベクターはさらに、形質転換された細菌菌株の選択を可能にする選択マーカー遺
伝子をも含む。好適な選択遺伝子は、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマ
イシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンといった薬物に対して細菌
を耐性とする遺伝子を包含する。選択マーカーはまた、生合成遺伝子、例えばヒスチジン
、トリプトファンおよびロイシン生合成系路の遺伝子をも包含する。
【0228】
これらの成分を構築して発現ベクターとする。細菌用の発現ベクターは当分野で周知であ
り 、 と り わ け Bacillus subtilis、 E. coli、 Streptococcus cremoris、 お よ び Streptococ
10
cus lividansの た め の ベ ク タ ー を 包 含 す る 。
【0229】
細菌発現ベクターは、当分野で周知の技術、例えば塩化カルシウム処理、電気穿孔などを
用いて細菌宿主細胞中に導入する。
【0230】
或る態様では、候補変異体タンパク質を昆虫細胞において生成させる。昆虫細胞の形質転
換のための発現ベクター、特にバキュロウイルス系発現ベクターは当分野でよく知られて
お り 、 例 え ば O'Reilly et al., Baculovirus Expression Vectors: A Laboratory Manual
(New York: Oxford University Press, 1994) に 記 載 さ れ て い る 。
【0231】
20
好ましい態様では、候補変異体タンパク質を酵母細胞において生成させる。酵母発現系は
当 分 野 で 周 知 で あ り 、 Saccharomyces cerevisiae、 Candida albicansお よ び C.maltosa、 H
ansenula polymorpha、 Kluyveromyces fragilisお よ び K.lactis、 Pichia guillerimondii
お よ び P.pastoris、 Schizosaccharomyces pombe、 な ら び に Yarrowia lipolyticaの た め の
発 現 ベ ク タ ー を 包 含 す る 。 酵 母 で の 発 現 の た め の 好 ま し い プ ロ モ ー タ ー 配 列 は 、 GAL1,10
誘導プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコ
ー ス -6-燐 酸 イ ソ メ ラ ー ゼ 、 グ リ セ ル ア ル デ ヒ ド -3-燐 酸 デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ 、 ヘ キ ソ キ ナ ー
ゼ 、 ホ ス ホ フ ル ク ト キ ナ ー ゼ 、 3-ホ ス ホ グ リ セ ラ ー ト ム タ ー ゼ 、 ピ ル ビ ン 酸 キ ナ ー ゼ 、 お
よび酸ホスファターゼ遺伝子由来のプロモーターを包含する。酵母選択マーカーは、ツニ
カ マ イ シ ン に 対 す る 耐 性 を 付 与 す る ADE2、 HIS4、 LEU2、 TRP1、 お よ び ALG7; G418に 対 す る
30
耐性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子;および、酵母を銅イオン
存 在 下 で 増 殖 可 能 と す る CUP1遺 伝 子 を 包 含 す る 。
【0232】
好ましい態様では、候補変異体タンパク質または候補変異体ライブラリータンパク質を植
物細胞中で発現させる。トランスジェニック植物での発現を意図した遺伝子配列を、まず
、植物中で発現可能な適当なプロモーターに隣接する発現カセットに組み込む。この発現
カセットはトランスジーンの発現のために必要なまたは選択されたさらなる配列を含むこ
ともできる。このような配列には、転写ターミネーター、発現を増強するイントロンのよ
うな外来配列、エンハンサー配列、および、遺伝子産物が特定の細胞小器官および細胞コ
ンパートメントを標的とすることを意図した配列を包含するが、これらに限定される訳で
40
はない。次いでこれらの発現カセットを下記のような植物形質転換ベクターへと容易に移
行させることができる。以下は、典型的な発現カセットの様々な構成成分の記載である。
【0233】
発現カセットに使用するプロモーターの選択は、トランスジェニック植物中のトランスジ
ーンの空間的および時間的発現パターンを決定する。選択されたプロモーターはトランス
ジーンを特定の細胞型(例えば葉の表皮細胞、葉肉細胞、根の皮層細胞)または特定の組
織もしくは器官(例えば根、葉または花)で発現させ、故にプロモーターの選択は遺伝子
産 物 の 蓄 積 を 望 む 位 置 に 基 づ く も の で あ る 。 本 発 明 の 好 ま し い 態 様 で は 、 オ レ オ シ ン -TR
融 合 タ ン パ ク 質 、 オ レ オ シ ン -TR融 合 タ ン パ ク 質 ま た は オ レ オ シ ン -ハ イ ブ リ ッ ド TR/TRレ
ダクターゼ融合タンパク質の発現に種子特異的プロモーターを使用する。最も好ましい態
50
(53)
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様では、この種子特異的プロモーターはファセオリンプロモーターである。
【0234】
プロモーターは転写を促進する能力に違いがある。利用する宿主細胞に応じて、当分野で
知られる幾つかの適当なプロモーターのいずれかを使用できる。構成的発現のためには、
CaMV 35Sプ ロ モ ー タ ー 、 米 ア ク チ ン プ ロ モ ー タ ー 、 ま た は ユ ビ キ チ ン プ ロ モ ー タ ー が 使 用
できる。これに代わり、誘導的プロモーターを選択して様々な誘導条件の下で遺伝子発現
を さ せ る こ と が で き る 。 化 学 誘 導 的 発 現 の た め に は タ バ コ ま た は Arabidopsis由 来 の 誘 導
的 PR-1プ ロ モ ー タ ー が 使 用 で き る (例 え ば 米 国 特 許 No. 5,689,044を 参 照 さ れ た い ) 。
【0235】
様々な転写ターミネーターが、核遺伝子発現カセットでの使用のために利用でき、トラン
10
スジーンを超えた転写の停止およびその正しいポリアデニル化を担っている。適当な転写
タ ー ミ ネ ー タ ー と は 、 植 物 中 で 機 能 す る こ と が 分 か っ て い る も の で あ り 、 CaMV 35Sタ ー ミ
ネ ー タ ー 、 tm/タ ー ミ ネ ー タ ー 、 ノ パ リ ン シ ン タ ー ゼ ( nos) タ ー ミ ネ ー タ ー お よ び エ ン ド
ウ 豆 rbcS E9タ ー ミ ネ ー タ ー を 包 含 す る 。 こ れ ら は 単 子 葉 植 物 と 双 子 葉 植 物 の 両 方 に 使 用
できる。好ましい態様ではファセオリン転写ターミネーターを使用する。プラスチドでの
発 現 は 停 止 を 必 要 と し な い こ と が あ る が 、 翻 訳 開 始 、 伸 長 お よ び RNA安 定 性 の た め に 正 し
い 5'お よ び 3'シ グ ナ ル を 必 要 と す る こ と が あ る 。
【0236】
数多くの配列が、転写ユニット内部からの遺伝子発現を促進することが見出されており、
これらの配列を本発明に係る遺伝子と共に使用して、トランスジェニック植物中での発現
20
を 増 大 さ せ る こ と が で き る 。 例 え ば 、 種 々 の イ ン ト ロ ン 配 列 、 例 え ば ト ウ モ ロ コ シ Adhl遺
伝子のイントロンは、特に単子葉植物細胞で発現を増強することが示されている。加えて
、ウイルス由来の幾つかの非翻訳リーダー配列もまた発現を増強することが分かっており
、これらは双子葉植物細胞で特に有効である。トランスジェニック植物でそれらを発現さ
せ る た め に は 、 使 用 す る DNA分 子 の コ ー ド 配 列 は 、 特 に そ の DNA分 子 が 原 核 生 物 由 来 で あ る
場合、修飾および最適化が必要となるかも知れない。全ての生物はコドンの使用に特定の
好 み が あ る こ と が 当 分 野 で 知 ら れ て お り 、 本 発 明 に 係 る DNA分 子 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 中 の
コドンは、それによってコードされているアミノ酸を維持しつつ、特定の植物の好みに適
合 す る よ う に 変 え る こ と が で き る 。 少 な く と も 35%、 好 ま し く は 45%以 上 の GC含 有 量 を 持 つ
コ ー ド 配 列 か ら 、 植 物 で の 高 発 現 が 最 良 に 達 成 で き る 。 低 GC含 有 量 の ヌ ク レ オ チ ド 配 列 は
30
、 メ ッ セ ー ジ を 不 安 定 化 し 得 る ATTTAモ チ ー フ 、 そ し て 不 適 切 な ポ リ ア デ ニ ル 化 を 惹 起 し
得 る AATAAAモ チ ー フ が 存 在 す る た め う ま く 発 現 し な い 。 好 ま し い 遺 伝 子 配 列 は 単 子 葉 植 物
と双子葉植物種の両方で充分発現されるが、配列は、特定のコドンの好みならびに単子葉
植 物 ま た は 双 子 葉 植 物 の GC含 有 量 の 傾 向 を 考 慮 し て 修 飾 す る こ と が で き る 。 何 故 な ら こ れ
ら の 好 み は 相 違 す る こ と が 示 さ れ て い る た め で あ る ( Murray et al. (1989) Nucl Acids
Res 17: 477-498)。 加 え て 、 メ ッ セ ー ジ の 末 端 切 除 を 惹 起 す る 異 常 ス プ ラ イ ス 部 位 の 存 在
について、このヌクレオチド配列をスクリーニングする。上記のようなヌクレオチド配列
内 部 で な さ れ る こ と が 求 め ら れ る 変 化 の 全 て は 、 位 置 指 定 突 然 変 異 誘 発 、 PCR、 な ら び に
、 例 え ば 公 開 さ れ て い る 特 許 出 願 EP 0 385 962、 EP 0 359 472、 お よ び WO 93/07278( こ
れらの開示の全体は引用によりここに含める)に記載の方法を用いた合成遺伝子構築とい
40
った周知の技術を用いて実施する。
【0237】
翻訳を有効に開始させるため、開始メチオニンに隣接する配列は修飾が必要であるかも知
れない。例えば、これらは植物において有効であることが分かっている配列を含めること
に よ り 修 飾 で き る 。 Joshiは 植 物 の た め の 適 当 な コ ン セ ン サ ス を 示 唆 し て お り ( Nuc Acids
Res (1987) 15:6643-6653) 、 さ ら な る コ ン セ ン サ ス 翻 訳 イ ニ シ エ ー タ ー (Clontech 1993
/1994 catalog, page 210) を 含 め る こ と が で き る 。 こ れ ら の コ ン セ ン サ ス 配 列 は 本 発 明
に 係 る ヌ ク レ オ チ ド 配 列 と 共 に 使 用 す る の に 適 し て い る 。 こ の 配 列 は 、 ATGま で ( こ れ を
含 む )(第 二 の ア ミ ノ 酸 は 修 飾 し な い で お く ) 、 或 い は ATGの 後 の GTCま で ( こ れ を 含 む )(ト
ランスジーンの第二のアミノ酸を修飾する可能性がある)のヌクレオチド配列を含む構築
50
(54)
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物中に組み込む。
【0238】
遺伝子産物をターゲッティングするための様々なメカニズムが植物に存在することが分か
っており、これらのメカニズムの機能を調節する配列が、幾分詳細に特性決定されている
。例えば、葉緑体への遺伝子産物ターゲッティングは、葉緑体へと運ばれる間に開裂して
成熟タンパク質を生成する、種々のタンパク質のアミノ末端に見出される一時的配列によ
っ て 調 節 さ れ る ( Comai et al. (1988) J Biol Chem 263: 15104-15109)。 別 の 遺 伝 子 産
物 は 、 ミ ト コ ン ド リ ア や ペ ル オ キ シ ソ ー ム の よ う な 他 の 細 胞 小 器 官 に 局 在 す る ( Unger e
t al. (1989) Plant Mol Biol 13:411-418)。 こ れ ら の 生 成 物 を コ ー ド し て い る cDNAを 操
作して、ヘテロローガス遺伝子産物をこれらの細胞小器官へとターゲッティングすること
10
ができる。加えて、遺伝子産物を他の細胞コンパートメントにターゲッティングする配列
が特性決定されている。
【0239】
ア ミ ノ 末 端 配 列 は 、 ER、 ア ポ プ ラ ス ト へ の タ ー ゲ ッ テ ィ ン グ 、 お よ び ア リ ュ ー ロ ン 細 胞 か
ら の 細 胞 外 分 泌 を 担 っ て い る ( Koehler & Ho (1990) Plant Cell 2:769-783)。 さ ら に 、
カルボキシ末端配列と共にアミノ末端配列は、遺伝子産物の液胞ターゲッティングを担っ
て い る ( Shinshi et al., (1990) Plant Mol Biol 14:357-368)。 上 に 述 べ た 適 当 な タ ー
ゲッティング配列を目的のトランスジーン配列と融合させることにより、トランスジーン
生成物を所望の細胞小器官または細胞コンパートメントへと向かわせることが可能である
。
20
【0240】
別 の 好 ま し い 態 様 で は 、 本 発 明 に 係 る DNA分 子 を 直 接 プ ラ ス チ ド ゲ ノ ム 中 に 導 入 す る 。 プ
ラ ス チ ド 形 質 転 換 技 術 は 米 国 特 許 Nos. 5,451,513、 5,545,817、 5,545,818お よ び 5,576,19
8; PCT出 願 nos. WO 95/16783お よ び WO 97/32977; な ら び に McBride et. al., Proc Natl
Acad Sci USA 91: 7301-7305 (1994)(こ れ ら の 全 開 示 は 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) に 詳 細
に記載されている。或る態様では、プラスチド形質転換は、バイオリスティクスで達成し
; ま ず 単 細 胞 緑 藻 類 Chlamydomonas reinhardtiiで 実 施 し (Boynton et al. (1988) Scien
ce 240:1534-1537)) 次 に Nicotiana tabacumに 拡 大 し (Svab et al. (1990) Proc Natl A
cad Sci USA 87:8526-8530)、 シ ス 作 動 性 抗 生 物 質 耐 性 遺 伝 子 座 に つ い て の 選 択 ( ス ペ ク
チノマイシンまたはストレプトマイシン耐性)または非光合成突然変異表現型の補完につ
30
いての選択と組み合わせる。
【0241】
別 の 態 様 で は 、 抗 生 物 質 耐 性 選 択 マ ー カ ー に 隣 接 す る ク ロ ー ン プ ラ ス チ ド DNAを 用 い て 、
葉 も し く は カ ル ス 組 織 の 粒 子 衝 突 、 ま た は プ ロ ト プ ラ ス ト に よ る プ ラ ス ミ ド DNAの ポ リ エ
チ レ ン グ リ コ ー ル ( PEG) 仲 介 取 り 込 み に よ っ て 、 タ バ コ プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 を 実 施 す る
。 タ ー ゲ ッ テ ィ ン グ 配 列 と 命 名 さ れ た 1な い し 1.5kbフ ラ ン キ ン グ 領 域 は 、 プ ラ ス チ ド ゲ ノ
ム と の 相 同 的 組 換 え を 促 進 し 、 156kbタ バ コ プ ラ ス チ ド ゲ ノ ム の 特 異 的 領 域 の 置 換 ま た は
修 飾 を 可 能 に す る 。 最 初 に 、 ス ペ ク チ ノ マ イ シ ン お よ び /ま た は ス ト レ プ ト マ イ シ ン に 対
す る 耐 性 を 付 与 す る プ ラ ス チ ド 16S rDNAお よ び rps12遺 伝 子 に お け る 点 突 然 変 異 を 、 形 質
転 換 の た め の 選 択 マ ー カ ー と し て 利 用 し ( Svab et al. (1990) Proc Natl Acad Sci USA
40
87:8526-8530; Staub et al. (1992) Plant Cell 4:39-45、 こ れ ら の 開 示 全 体 を 引 用 に よ
り こ こ に 含 め る ) 、 お よ そ 100回 の 標 的 葉 の 衝 突 に つ き 1回 の 頻 度 で 安 定 な ホ モ プ ラ ス ミ ッ
ク形質転換体を得た。これらのマーカー間のクローニング部位の存在は、外来遺伝子の導
入 の た め の プ ラ ス チ ド タ ー ゲ ッ テ ィ ン グ ベ ク タ ー の 創 出 を 可 能 に す る (Staub et al. (19
93) EMBO J 12:601-606、 こ の 開 示 全 体 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) 。 劣 性 rRNAま た は rタ
ンパク質抗生物質耐性遺伝子を優性選択マーカー、スペクチノマイシン無毒化酵素アミノ
グ リ コ シ ド -3'-ア デ ニ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を コ ー ド し て い る 細 菌 aadA遺 伝 子 で 置 換 す る
こ と に よ り 、 形 質 転 換 頻 度 の 実 質 的 増 大 を 達 成 し た (Svab et al. (1993) Proc Natl Acad
Sci USA 90: 913-917、 こ の 開 示 全 体 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) 。 か つ て こ の マ ー カ ー
は 、 緑 藻 Chlamydomonas reinhardtiiの プ ラ ス チ ド ゲ ノ ム の 高 頻 度 形 質 転 換 に 成 功 裏 に 用
50
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い ら れ て い た (Goldschmidt-Clermont, M. (1991) Nucl Acids Res 19, 4083-4089、 こ の
開 示 全 体 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) 。 近 年 、 タ バ コ お よ び コ ケ 類 Physcomitrella由 来 の
プ ロ ト プ ラ ス ト の プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 が 、 PEG仲 介 DNA取 り 込 み を 用 い て 達 成 さ れ て い る (O
'Neill et al. (1993) Plant J 3:729-738; Koop et al. (1996) Planta 199:193-201、
こ れ ら の 開 示 全 体 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る )。
【0242】
粒子衝突とプロトプラスト形質転換は共に本発明の状況において適当である。油料種子植
物 の プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 が Arabidopsisお よ び Brassica属 で 成 功 裏 に 実 施 さ れ た (Sikdar e
t al. (1998) Plant Cell Rep 18:20-24; PCT出 願 WO 00/39313、 こ れ ら の 全 開 示 を 引 用 に
よ り こ こ に 含 め る )。
10
【0243】
本 発 明 に 係 る DNA分 子 を 、 植 物 プ ラ ス チ ド 中 で こ の DNA分 子 を 発 現 で き る プ ロ モ ー タ ー を 含
むプラスチド発現カセット中に挿入する。植物プラスチド中での発現が可能な好ましいプ
ロ モ ー タ ー は 、 例 え ば プ ラ ス チ ド 遺 伝 子 の コ ー ド 領 域 の 上 流 の 5'フ ラ ン キ ン グ 領 域 か ら 単
離したプロモーターであり、これは同じまたは異なる種から誘導したものであってよく、
その天然の産物は、非緑色組織に存在するものを包含する大多数の種類のプラスチドに典
型的に見出される。プラスチドにおける遺伝子発現は核遺伝子発現とは異なり、原核生物
に お け る 遺 伝 子 発 現 に 関 連 し て い る (Stern et al. (1997) Trends in Plant Sci 2:308-3
15、 こ の 全 開 示 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る )。
【0244】
20
プ ラ ス チ ド プ ロ モ ー タ ー は 一 般 に 、 原 核 生 物 プ ロ モ ー タ ー に 典 型 的 な -35お よ び -10要 素 を
含 み 、 PEP( プ ラ ス チ ド コ ー ド 化 RNAポ リ メ ラ ー ゼ ) プ ロ モ ー タ ー と 呼 ば れ る 幾 つ か の プ ラ
ス チ ド プ ロ モ ー タ ー は 、 大 抵 プ ラ ス チ ド ゲ ノ ム 中 で コ ー ド さ れ て い る E.coli様 RNAポ リ メ
ラ ー ゼ に よ っ て 認 識 さ れ 、 一 方 、 NEPプ ロ モ ー タ ー と 呼 ば れ る 別 の プ ラ ス チ ド プ ロ モ ー タ
ー は 核 コ ー ド 化 RNAポ リ メ ラ ー ゼ に よ っ て 認 識 さ れ る 。 い ず れ の タ イ プ の プ ラ ス チ ド プ ロ
モ ー タ ー も 本 発 明 に と っ て 好 適 で あ る 。 プ ラ ス チ ド プ ロ モ ー タ ー の 例 は 、 clpP遺 伝 子 の プ
ロ モ ー タ ー 、 例 え ば タ バ コ clpP遺 伝 子 プ ロ モ ー タ ー (WO 97/06250、 こ の 全 開 示 を 引 用 に
よ り こ こ に 含 め る ) お よ び Arabidopsis clpP遺 伝 子 プ ロ モ ー タ ー (米 国 出 願 No. 09/038,8
78、 こ の 全 開 示 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) を 包 含 す る 。 植 物 プ ラ ス チ ド に お い て DNA分
子 の 発 現 を 可 能 に す る 別 の プ ロ モ ー タ ー は 、 プ ラ ス チ ド 16Sリ ボ ソ ー ム RNAオ ペ ロ ン の 調 節
30
領 域 由 来 の も の で あ る ( Harris et al., (1994) Microbiol Rev 58:700-754; Shinozaki
et al. (1986) EMBO J 5:2043-2049、 こ れ ら の 全 開 示 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) 。 植 物
プ ラ ス チ ド に お い て DNA分 子 の 発 現 を 可 能 に す る プ ロ モ ー タ ー の 別 の 例 は 、 psbAプ ロ モ ー
タ ー ま た は am rbcLプ ロ モ ー タ ー を 包 含 す る 。 プ ラ ス チ ド 発 現 カ セ ッ ト は 、 好 ま し く は 、
本 発 明 に 係 る DNA分 子 と 機 能 的 に 連 結 し た プ ラ ス チ ド 遺 伝 子 3'非 翻 訳 配 列 ( 3' UTR) を さ
ら に 含 む 。 非 翻 訳 配 列 の 役 割 は 、 好 ま し く は 転 写 の 終 止 で は な く 転 写 さ れ た RNAの 3'プ ロ
セ シ ン グ を 指 令 す る こ と で あ る 。 好 ま し く は 、 こ の 3' UTRは プ ラ ス チ ド rps16遺 伝 子 3'非
翻 訳 配 列 、 ま た は Arabidopsisプ ラ ス チ ド psbA遺 伝 子 3'非 翻 訳 配 列 で あ る 。 さ ら な る 好 ま
し い 態 様 で は 、 プ ラ ス チ ド 発 現 カ セ ッ ト は 、 3'非 翻 訳 配 列 の 代 わ り に ポ リ G列 を 含 む 。 プ
ラ ス チ ド 発 現 カ セ ッ ト は ま た 、 好 ま し く は 、 本 発 明 に 係 る DNA分 子 に 機 能 的 に 連 結 し た 、
40
植 物 プ ラ ス チ ド 中 で 機 能 的 な 5'非 翻 訳 配 列 ( 5' UTR) を さ ら に 含 む 。
【0245】
プラスチド発現カセットはプラスチド形質転換ベクター中に含まれるが、これは好ましく
は、相同的組換えによるプラスチドゲノム中への組み込みのためのフランキング領域をさ
ら に 含 む 。 プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 ベ ク タ ー は 所 望 に よ り 少 な く と も 1個 の プ ラ ス チ ド 複 製 起
点 を 含 む 。 本 発 明 は さ ら に 、 該 DNA分 子 が 該 植 物 プ ラ ス チ ド 中 で 発 現 さ れ 得 る 、 係 る プ ラ
スチド形質転換ベクターによって形質転換された植物プラスチドを包含する。本発明はさ
らに、この植物プラスチドを含む植物または植物細胞(その子孫を包含する)を包含する
。好ましい態様では、その子孫を包含する該植物または植物細胞は、トランスジェニック
プラスチドについてホモプラスミックである。
50
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【0246】
植 物 プ ラ ス チ ド に お い て DNA分 子 の 発 現 を さ せ る こ と が で き る そ の 他 の プ ロ モ ー タ ー に は
、好ましくは該植物または発現が行われる植物細胞の細胞下小器官または構成成分に関し
てヘテロローガスである、トランスアクチベーターの調節を受けるプロモーターがある。
こ れ ら の 場 合 、 ト ラ ン ス ア ク チ ベ ー タ ー を コ ー ド し て い る DNA分 子 を 適 当 な 核 発 現 カ セ ッ
ト 中 に 挿 入 し 、 こ れ を 植 物 核 DNAに 導 入 す る 。 こ の ト ラ ン ス ア ク チ ベ ー タ ー は プ ラ ス チ ド
一過性ペプチドを用いてプラスチドにターゲッティングする。トランスアクチベーターと
ト ラ ン ス ア ク チ ベ ー タ ー に よ り 駆 動 す る DNA分 子 は 、 選 択 し た プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 さ れ た
系統を、プラスチドターゲッティング配列が補完された核プロモーターに機能的に連結し
て い る ト ラ ン ス ア ク チ ベ ー タ ー を コ ー ド し て い る DNA分 子 を 含 む ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 系 統
10
と 交 雑 す る こ と に よ っ て 、 ま た は 、 所 望 DNA分 子 を 含 む プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 ベ ク タ ー を 、
核プロモーターに機能的に連結したプラスチドターゲッティング配列を補完したトランス
ア ク チ ベ ー タ ー を コ ー ド し て い る DNA分 子 を 含 む ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 系 統 中 に 導 入 す る こ
とによって、一諸にする。核プロモーターが誘導的プロモーター、とりわけ化学誘導的プ
ロ モ ー タ ー で あ る 場 合 、 植 物 プ ラ ス チ ド 中 で の DNA分 子 の 発 現 は 化 学 的 イ ン デ ュ ー サ ー を
葉に適用することで活性化される。このような誘導的トランスアクチベーター仲介プラス
チド発現系は、しっかりと調節ができ、誘導前には検出可能な発現が無く、誘導後には極
めて高いタンパク質の発現と蓄積のあることが好ましい。好ましいトランスアクチベータ
ー は 、 例 え ば ウ イ ル ス RNAポ リ メ ラ ー ゼ で あ る 。 こ の タ イ プ の 好 ま し い プ ロ モ ー タ ー は 、
単 一 サ ブ ユ ニ ッ ト RNAポ リ メ ラ ー ゼ に よ り 認 識 さ れ る プ ロ モ ー タ ー 、 例 え ば バ ク テ リ オ フ
20
ァ ー ジ T7 DNA依 存 RNAポ リ メ ラ ー ゼ に よ り 認 識 さ れ る T7遺 伝 子 10プ ロ モ ー タ ー で あ る 。 T7
ポ リ メ ラ ー ゼ を コ ー ド し て い る 遺 伝 子 を 好 ま し く は 核 ゲ ノ ム 中 に 導 入 し 、 こ の T7ポ リ メ ラ
ーゼをプラスチド一過性ペプチドを用いてプラスチドにターゲッティングする。遺伝子、
例 え ば T7ポ リ メ ラ ー ゼ の よ う な ウ イ ル ス RNAポ リ メ ラ ー ゼ を コ ー ド し て い る 遺 伝 子 の 核 発
現 に 好 適 な プ ロ モ ー タ ー は 上 記 お よ び 本 出 願 の 他 所 に 記 載 が あ る 。 プ ラ ス チ ド に お け る DN
A分 子 の 発 現 は 構 成 的 で あ っ て も 誘 導 的 で あ っ て も よ く 、 係 る プ ラ ス チ ド 発 現 も ま た 器 官
ま た は 組 織 特 異 的 で あ っ て よ い 。 種 々 の 発 現 系 の 例 は WO 98/11235に 詳 細 に 記 載 さ れ て お
り、この全開示を引用によりここに含める。したがって或る側面では、本発明は、例えば
米 国 特 許 No. 5,614,395( こ の 全 開 示 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) に 記 載 の よ う に 、 T7遺
伝 子 10プ ロ モ ー タ ー /タ ー ミ ネ ー タ ー 配 列 に よ り 調 節 さ れ る 葉 緑 体 リ ポ ー タ ー ト ラ ン ス ジ
30
ー ン と 機 能 的 に 連 結 し た 、 化 学 誘 導 的 PR-1aプ ロ モ ー タ ー 、 例 え ば タ バ コ の PR-1プ ロ モ ー
タ ー の 調 節 下 に 、 葉 緑 体 タ ー ゲ ッ テ ィ ン グ フ ァ ー ジ t7 RNAポ リ メ ラ ー ゼ の 核 ゲ ノ ム に お け
る 共 役 発 現 を 利 用 し た 。 別 の 態 様 で は 、 母 系 遺 伝 し た TR遺 伝 子 に つ い て ホ モ プ ラ ス ミ ッ ク
な プ ラ ス チ ド 形 質 転 換 体 を 、 核 で T7ポ リ メ ラ ー ゼ を 発 現 す る 系 統 に よ り 授 粉 さ せ る 時 、 両
方 の ト ラ ン ス ジ ー ン 構 築 物 を 持 つ が 、 PR-1aイ ン デ ュ ー サ ー 化 合 物 で あ る ベ ン ゾ (1,2,3)チ
ア ジ ア ゾ ー ル -7-カ ル ボ チ オ 酸 S-メ チ ル エ ス テ ル ( BTH) の 葉 へ の 適 用 に よ り 、 プ ラ ス チ ド
に お け る 酵 素 的 に 活 性 な タ ン パ ク 質 の 大 量 合 成 が 誘 発 さ れ る ま で は そ れ が 発 現 さ れ な い F1
植物が得られる。
【0247】
好 ま し い 態 様 で は 、 2ま た は そ れ 以 上 の 遺 伝 子 、 例 え ば TR遺 伝 子 を オ ペ ロ ン 様 ポ リ シ ス ト
40
ロ ン 遺 伝 子 中 の 1個 の プ ロ モ ー タ ー 由 来 の プ ラ ス チ ド ゲ ノ ム か ら 転 写 す る 。 好 ま し い 態 様
では、このオペロン様ポリシストロン遺伝子は、オペロン様ポリシストロン遺伝子中の2
個 の 遺 伝 子 の 間 に 介 在 DNA配 列 を 含 ん で い る 。 好 ま し い 態 様 で は 、 こ の DNA配 列 は 、 プ ラ ス
チド配列との相同的組換えを回避するため、プラスチドゲノムには存在しない。別の好ま
し い 態 様 で は 、 こ の DNA配 列 を 、 非 真 核 生 物 遺 伝 子 の 5'非 翻 訳 ( UTR) 領 域 か ら 、 好 ま し く
は ウ イ ル ス 5'UTRか ら 、 好 ま し く は バ ク テ リ オ フ ァ ー ジ 、 例 え ば T7、 T3ま た は SP6フ ァ ー ジ
か ら 誘 導 し た 5'UTRか ら 誘 導 す る 。 好 ま し い 態 様 で は 、 オ ペ ロ ン 様 ポ リ シ ス ト ロ ン 遺 伝 子
の RNA転 写 物 に お い て 、 例 え ば 該 DNA配 列 と 下 流 遺 伝 子 の RBSの 間 に RNA二 次 構 造 の 形 成 を 妨
げ る た め に 、 こ の DNA配 列 の 一 部 を 修 飾 で き る 。 こ の よ う な 二 次 構 造 は 下 流 遺 伝 子 の 発 現
、 と り わ け 翻 訳 の 開 始 を 阻 害 ま た は 抑 制 で き る 。 こ の よ う な RNA二 次 構 造 は 、 「 mfold」 プ
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ロ グ ラ ム バ ー ジ ョ ン 3( Zuker and Turner, Washington University School of Medicine,
St-Louis, MOよ り 入 手 で き る ) の よ う な コ ン ピ ュ ー タ ー モ デ ル お よ び プ ロ グ ラ ム な ら び
に当業者の知悉するその他の方法を用いて融点を測定することにより予想する。
【0248】
オ ペ ロ ン 様 ポ リ シ ス ト ロ ン 遺 伝 子 中 の 介 在 DNA配 列 の 存 在 は 下 流 遺 伝 子 の RBSの 利 用 可 能 性
を増大させ、したがって高い発現速度をもたらす。このような戦略は、オペロン様キメラ
遺 伝 子 中 の 単 一 プ ロ モ ー タ ー 由 来 の プ ラ ス チ ド ゲ ノ ム か ら 転 写 さ れ る 任 意 の 2ま た は そ れ
以上の遺伝子に適用できる。
【0249】
植物の形質転換に利用できる形質転換ベクターが当業者に多数知られており、本発明に関
10
連する遺伝子をこのような任意のベクターと共に使用することができる。ベクターの選択
は好ましい形質転換技術および形質転換される標的の種に依存する。或る標的の種につい
ては異なる抗生物質または除草剤選択マーカーが好ましいかも知れない。
【0250】
形質転換で常套的に用いられる選択マーカーは、カナマイシンおよび関連抗生物質に対す
る 耐 性 を 付 与 す る nptll遺 伝 子 ( Messing & Vieirra. (1982) Gene 19:259-268; Bevan et
al. (1983) Nature 304:184-187)、 除 草 剤 ホ ス フ ィ ノ ス リ シ ン に 対 す る 耐 性 を 付 与 す る b
ar遺 伝 子 (White et al. (1990) Nucl Acids Res 18: 1062; Spencer et al. (1990)Theo
r Appl Genet 79:625-631)、 抗 生 物 質 ハ イ グ ロ マ イ シ ン に 対 す る 耐 性 を 付 与 す る hph遺 伝
子 ( Yanofsky, et al. (1992) Gene 117:161-167)、 メ ソ ト レ キ サ ー ト に 対 す る 耐 性 を 付
20
与 す る dhfr遺 伝 子 (Bourouis et al., EMBO J. 7:1099-1104 (1983))、 グ リ ホ サ ー ト に 対
す る 耐 性 を 付 与 す る EPSPS遺 伝 子 (米 国 特 許 Nos. 4,940,935お よ び 5,188,642)、 お よ び 通
常は植物毒性である糖マンノースに対する耐性を付与するマンノースホスファートイソメ
ラ ー ゼ 遺 伝 子 pmi (Negrotto, et al. (2000) Plant Cell Rep 19:798-803) を 包 含 す る 。
【0251】
Agrobacterium tumefaciensを 使 用 す る 形 質 転 換 に は 多 く の ベ ク タ ー が 適 し て い る 。 こ れ
ら は 典 型 的 に は 少 な く と も 1個 の T-DNA境 界 配 列 を 持 ち 、 pBIN19( Bevan, (1984) Nucl Aci
ds Res)お よ び pXYZの よ う な ベ ク タ ー を 包 含 す る 。 Agrobacteriumの 形 質 転 換 に 好 適 な 典 型
的 ベ ク タ ー は 、 バ イ ナ リ ー ベ ク タ ー pCIB200お よ び pCIB2001、 な ら び に バ イ ナ リ ー ベ ク タ
ー pCIB10お よ び そ の ハ イ グ ロ マ イ シ ン 選 択 誘 導 体 で あ る ( 米 国 特 許 No. 5,639,949)。
30
【0252】
Agrobacterium tumefaciensを 使 用 し な い 形 質 転 換 は 、 選 択 さ れ た 形 質 転 換 ベ ク タ ー に お
け る T-DNA配 列 の 必 要 性 を 回 避 す る 。 そ の 結 果 、 こ れ ら の 配 列 を 欠 く ベ ク タ ー を 、 上 記 の T
-DNA含 有 ベ ク タ ー の よ う な ベ ク タ ー の 代 替 と し て 使 用 で き る 。 Agrobacteriumに 依 拠 し な
い 形 質 転 換 技 術 に は 、 粒 子 衝 突 、 プ ロ ト プ ラ ス ト 取 り 込 み 、 例 え ば PEGお よ び /ま た は 電 気
穿孔、ならびにマイクロインジェクションがある。ベクターの選択は、形質転換を受ける
好 ま し い 種 の 選 択 に ほ ぼ 依 存 す る 。 非 Agrobacterium形 質 転 換 に 好 適 な 典 型 的 ベ ク タ ー は p
CIB3064、 pSOG1 9、 お よ び pSOG35を 包 含 す る (米 国 特 許 No. 5,639,949)。
【0253】
目的のコード配列を発現系にクローニングしたならば、これを植物細胞に導入する。植物
40
の 形 質 転 換 と 再 生 の 方 法 は 当 分 野 で 周 知 で あ る 。 例 え ば Tiプ ラ ス ミ ド ベ ク タ ー が 外 来 DNA
の デ リ バ リ ー に 利 用 さ れ て お り 、 DNAの 直 接 取 り 込 み 、 リ ポ ソ ー ム 、 電 気 穿 孔 、 マ イ ク ロ
イ ン ジ ェ ク シ ョ ン 、 お よ び マ イ ク ロ プ ロ ジ ェ ク タ イ ル も ま た 利 用 さ れ て い る 。 さ ら に 、 Ag
robacterium属 由 来 の 細 菌 を 植 物 細 胞 の 形 質 転 換 に 利 用 す る こ と も で き る 。
【0254】
双 子 葉 植 物 の 形 質 転 換 技 術 は 当 分 野 で 周 知 で あ り 、 Agrobacteriumに 基 づ く 技 術 と Agrobac
teriumを 必 要 と し な い 技 術 を 包 含 す る 。 非 Agrobacterium技 術 は 、 プ ロ ト プ ラ ス ト ま た は
細 胞 に よ る 外 因 性 遺 伝 物 質 の 直 接 的 取 り 込 み を 含 む 。 こ れ は PEGま た は 電 気 穿 孔 仲 介 取 り
込み、粒子衝突仲介デリバリー、またはマイクロインジェクションによって達成する。い
ずれの場合にも、形質転換を受けた細胞を当分野で既知の標準技術を用いて全植物体に再
50
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生する。
【0255】
多くの双子葉植物および単子葉植物種を形質転換する方法が当分野でよく知られている。
好 ま し い 技 術 は 、 PEGま た は 電 気 穿 孔 技 術 を 用 い る プ ロ ト プ ラ ス ト 中 へ の 直 接 的 遺 伝 子 移
動 、 カ ル ス 組 織 中 へ の 粒 子 衝 突 、 な ら び に Agrobacterium仲 介 形 質 転 換 を 包 含 す る 。
【0256】
さらに、当分野で周知の技術を用いて候補変異体ライブラリータンパク質を融合タンパク
質として製造することもできる。例えば、変異体タンパク質を該タンパク質の発現を増大
させまたは安定化する他のタンパク質に融合させることができる。同様に、他の融合相手
、例えば抗体、ライブラリー成員を細胞の細胞下または細胞外コンパートメントに局在さ
10
せるターゲッティング配列、ライブラリータンパク質またはそれをコードしている核酸の
いずれかを精製または単離可能とする救出配列もしくは精製タグ、安定性または分解から
の防御を付与する安定性配列、リポーター、検出および選択遺伝子もしくはタンパク質を
包含する融合タンパク質、またはこれらの組み合わせ、ならびに必要に応じてリンカー配
列が使用できる。
【0257】
好ましい態様では、候補変異体タンパク質または候補変異体ライブラリータンパク質を発
現後に精製または単離する。試料中にどのような他の成分が存在するかに応じて、当業者
の知悉する様々な方法で変異体タンパク質を単離精製できる。標準的精製法は、電気泳動
、分子、免疫およびクロマトグラフィー技術(イオン交換、疎水性、アフィニティー、お
20
よ び 逆 相 HPLCク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー を 包 含 す る ) 、 な ら び に ク ロ マ ト フ ォ ー カ シ ン グ を 包 含
する。タンパク質濃度に関連した限外濾過およびダイアフィルトレーション技術もまた有
用 で あ る 。 適 当 な 精 製 技 術 の 一 般 的 指 針 に つ い て は 、 Scopes, R., Protein Purification
, Springer-Verlan, NY (1982) を 参 照 さ れ た い 。 必 要 な 精 製 の 程 度 は そ の 変 異 体 タ ン パ
ク質の用途に依存する。幾つかの例では精製は必要ない。
【0258】
製 造 し た な ら ば 、 こ の 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 は 実 験 的 に 試 験 し イ ン ビ ボ お よ び イ ン ビ ト ロ 検
定で評価できる。適当な検定は、一次および二次スクリーニング検定ならびに精製タンパ
ク 質 動 態 パ ラ メ ー タ 、 即 ち Kc
a t
お よ び Km の 特 性 決 定 を 包 含 す る 。 (図 11お よ び 12を 参 照 さ
れたい)。
30
【0259】
製 造 し た な ら ば 、 こ の 本 発 明 に 係 る 変 異 体 TRタ ン パ ク 質 お よ び 核 酸 は 幾 つ か の 適 用 に 用 途
が 見 出 せ る 。 好 ま し い 態 様 で は 、 こ の 変 異 体 TRを 使 用 し て 、 小 麦 、 ラ イ 麦 お よ び 大 麦 中 の
グルテンの抗原性を低下させる。
【0260】
別 の 態 様 で は 、 変 異 体 TRを 使 用 し て 、 蛇 毒 、 ミ ツ バ チ 、 サ ソ リ お よ び 細 菌 神 経 毒 破 傷 風 お
よびボツリヌス中毒に見られる毒性タンパク質のジスルフィド結合を還元する。
【0261】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TRを 使 用 し て 代 替 基 質 を 還 元 す る 。 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー
ゼのための有用な代替基質は、チオレドキシンドメインを含むことが判明した幾つかの植
40
物および哺乳動物タンパク質を包含する。例えば、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ
( PDI) は チ オ レ ド キ シ ン に 相 同 的 な 内 部 配 列 を 示 す 2個 の 領 域 を 含 ん で い る 。 PDIは チ オ
レドキシンレダクターゼの基質である。タンパク質ジスルフィドイソメラーゼは、ウシ(
Yamauchi et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 146:1485-1492, 1987)、 ニ ワ ト リ (
Parkkonen et al., Biochem. Zn 256:1005-1011, 1988)、 ヒ ト (Rapilajaniemi et al. E
MBO J. 6:643-649 1987)、 マ ウ ス (Gong, et al., Nucleic Acids Res. 16:1203, 1988)
、 ウ サ ギ (Fliegel et al., J. Biol. Chem. 265:15496-15502, 1990)、 お よ び ラ ッ ト (E
dman et al., Nature 317:267-270, 1985) と い っ た 哺 乳 動 物 供 給 源 か ら 同 定 さ れ て い る
。 PDIは 酵 母 か ら 単 離 さ れ た (Tachikawa et al., J. Biochem. 110:306-313)。 適 当 な PDI
は WO9501425公 開 19950112お よ び WO9500636公 開 19950105、 な ら び に ヒ ト お よ び 植 物 型 を 包
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含 す る 当 分 野 で 既 知 の そ の 他 の PDIに 見 出 す こ と が で き る 。
【0262】
チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ の 基 質 で あ る 酸 化 還 元 剤 、 例 え ば チ オ レ ド キ シ ン お よ び PDI
の組成物および用途は当分野で既知であり、本明細書に記載してある。ジスルフィド結合
は、酵素、構造タンパク質などといった多くの種類のタンパク質に存在している。酵素と
はプロテアーゼ、アミラーゼなどといった触媒タンパク質であり、一方構造タンパク質と
はケラチンなどのような硬タンパク質であってよい。体毛、羊毛、皮膚、皮革、獣皮、食
品 、 飼 料 中 の タ ン パ ク 質 物 質 は 染 料 で あ り 、 ヒ ト 組 織 は ジ ス ル フ ィ ド 結 合 を 含 む 。 PDIお
よびチオレドキシン、および酸化還元相手による、これらの物質のうち幾つかの処理が過
去に記載されている。例として、人間および動物の体毛にウェーブを付け、まっすぐにし
10
、 除 去 し そ し て 柔 ら か に す る た め の チ オ レ ド キ シ ン の 使 用 が EP183506お よ び WO8906122に
記 載 さ れ て い る 。 米 国 特 許 4771036は ま た 、 白 内 障 の 防 止 お よ び 逆 転 の た め の チ オ レ ド キ
シンの使用を記載している。生体反応において金属で触媒される酸化的損傷を防止するた
め の チ オ レ ド キ シ ン の 使 用 が Pigiet et al. EP 237189に 記 載 さ れ て い る 。 EP272781お よ
び EP276547は そ れ ぞ れ 人 間 の 体 毛 の 配 置 変 更 、 お よ び 羊 毛 の 処 理 の た め の PDIの 使 用 を 記
載している。このような酵素の使用は全て、遊離のタンパク質スルヒドリル基へのタンパ
ク 質 ジ ス ル フ ィ ド 結 合 の 還 元 お よ び /ま た は 同 一 ポ リ ペ プ チ ド 内 で の ま た は 異 な る ポ リ ペ
プチド間でのジスルフィド結合の再配置と関連している。したがって、本発明に係るチオ
レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ を 、 所 望 に よ り そ の 補 助 因 子 NADHま た は NADPHと 共 に 酸 化 還 元 相
手としての係る組成物に添加し、その酸化還元剤を再生し、そのようにしてその組成物の
20
有用性を向上させることができる。これに代わる態様では、本発明に係るチオレドキシン
変異体を、本明細書に教示する酸化還元剤とのタンパク質融合物として提供する。例えば
この組成物は、硬タンパク質、特に体毛、皮膚および羊毛の処理または分解のために、獣
皮の除毛および軟化のために、洗剤添加物として織物の処理およびクリーニングのために
、食品および飼料の濃厚化およびゲル化のために、パンまたはペストリー製品中のグルテ
ンの強化のために、そして眼の苦痛を軽減する医薬として使用できる。本発明に係る組成
物 、 特 に PDIと の 組 成 物 を 、 分 子 間 タ ン パ ク 質 ジ ス ル フ ィ ド 架 橋 を 生 成 す る 物 質 を 含 有 す
る他のタンパク質と共に使用して、高分子量またはゲル化した組成物を得ることができる
。 し た が っ て 本 発 明 は 、 生 魚 肉 ペ ー ス ト 、 蒲 鉾 ( フ ィ ッ シ ュ ケ ー キ ) 、 魚 肉 /畜 肉 ソ ー セ
ージ、豆腐(大豆カード)、麺類、菓子類、パン、練り生地、食品接着剤、シート様肉食
30
品、ヨーグルト、ゼリーおよびチーズといった食品加工の分野で使用できる。加えてこれ
らは、化粧品、マイクロカプセルの素材および固定化酵素の担体を包含する広範囲の工業
における新規なタンパク質由来材料として使用できる。
【0263】
好 ま し い 態 様 で は 、 変 異 体 TR-オ レ オ シ ン -チ オ レ ド キ シ ン お よ び オ レ オ シ ン -変 異 体 チ オ
レドキシンレダクターゼ融合タンパク質は、油体と共に蓄積する。別の態様では、オレオ
シ ン -チ オ レ ド キ シ ン /変 異 体 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ ハ イ ブ リ ッ ド 融 合 タ ン パ ク 質 は
、油体と共に蓄積する。この油体を分画して融合タンパク質の部分精製を達成できる。融
合 タ ン パ ク 質 の 付 随 す る 精 製 さ れ た 油 体 は 、 チ オ レ ド キ シ ン お よ び チ オ レ ド キ シ ン -レ ダ
クターゼ活性ならびに皮膚(化粧品)または食品用途の適用における機能的利益を試験す
40
るための成分として使用できる。油体は化粧品および食品成分にとって極めて好適な加工
および調合性質を持っている。故に、油体と結びついたオレオシン融合物としてチオレド
キ シ ン お よ び /ま た は チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ を デ リ バ リ ー す る こ と は 、 加 工 を 単 純
にし、そして製品の安定性を増大させる。
【0264】
別の態様では、油体からチオレドキシンまたはチオレドキシンレダクターゼを精製するた
め、第二の精製工程を実施できる。この事は、チオレドキシンおよびチオレドキシンレダ
クターゼの活性を試験するための、そして化粧品または食品用途における機能的利益を提
供するための成分として使用できる、該タンパク質の高度精製調製品を導く。米国特許公
開 No. 2002/0037303を も 参 照 さ れ た い ( 引 用 に よ り こ こ に 含 め る ) 。
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【0265】
本明細書に論ずるその他の調合物および組成物、例えば油体の態様に加えて、本発明に係
る 組 成 物 は 可 溶 性 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ お よ び /ま た は 酸 化 還 元 剤 、 な ら び に 当 分
野で既知のその他の成分、例えば賦形剤、安定剤、増量剤、洗浄剤などを含有できる。こ
の組成物は任意の簡便な形態、例えば粉末、ペースト、液体または顆粒形態として調合で
きる。この酵素は酵素安定剤を含有させることによって液体で安定化させることができる
。 通 常 、 こ の 組 成 物 の 溶 液 の pHは 5-10、 幾 つ か の 例 で は 7.0-8.5で あ る 。 用 途 に 応 じ て し
ばしば無菌組成物が好ましい。
【0266】
さらに、家畜飼料中の穀物および穀物由来製品の品質もまた、分子間および分子内ジスル
10
フィド結合による影響を受ける。穀物の消化性、栄養利用性、および抗栄養因子(例えば
プロテアーゼ、アルニラーゼインヒビターなど)の中和は、ジスルフィド結合の程度を低
下 さ せ る こ と に よ っ て 増 大 す る で あ ろ う 。 (1999年 12月 15日 出 願 の WO 00/36126を 参 照 さ れ
た い )。 ト ウ モ ロ コ シ お よ び 大 豆 に お け る 、 所 望 に よ り チ オ レ ド キ シ ン を 伴 う ト ラ ン ス ジ
ェニックチオレドキシンレダクターゼ変異体の発現ならびに穀物加工、例えば湿潤製粉の
際のチオレドキシンレダクターゼの使用は、工業的加工中またはこれに先立って種子タン
パク質中のジスルフィド結合を還元する代替法を提供する。故に本発明は、貯蔵タンパク
質の品質が変化した穀物、および、工業的加工の際または動物が消化する際(いずれも以
降「加工」と称する)通常穀物とは質的に異なる挙動をする穀物を提供する。所望により
チオレドキシンを伴うこのチオレドキシンレダクターゼのデリバリー法は、加工中に添加
20
す る た め の 外 因 性 チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま た は チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 供 給 源 を 創
出 す る 必 要 性 を 排 除 す る 。 穀 物 を 介 し て チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま た は チ オ レ ド キ シ ン レ
ダクターゼを供給する第二の利点は、加工前にまたは余分な加工工程として、当該種子の
貯蔵またはマトリックスタンパク質と該酵素を接触させるために種子の完全性を物理的に
破壊する必要がないことである。本明細書に記載する発明は、全ての穀物収穫物、特にト
ウモロコシ、大豆、小麦、および大麦、最も具体的にはトウモロコシおよび大豆、とりわ
けトウモロコシに適用できる。所望によりチオレドキシンを伴うトランスジェニックチオ
レドキシンレダクターゼの穀物における発現は、穀物加工に移行する材料(種子)の品質
を変え、穀物加工から誘導される材料の品質を変え、加工中の特定種子成分の収量を最大
化し(効率を増大させ)、加工方法を変え、そして製粉の流れから種子由来部分または成
30
分の新たな用途を作り出す手段である。したがって本発明は、好ましくは誘導性プロモー
ターの調節下に、例えば誘導性プロモーターと機能的に連結した、またはトランスアクチ
ベーターにより調節されるプロモーターの調節下に(ここで、対応するトランスアクチベ
ーターは該誘導性プロモーターの調節下にあるか、または第二の植物中で発現され該プロ
モーターがこの第二植物とのハイブリダイゼーションにより活性化される)、所望により
チ オ レ ド キ シ ン を 伴 う チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 変 異 体 を 発 現 す る 植 物 ( こ こ で TRは 好
ましくは熱安定性でありまたは真核生物レダクターゼであり;係る植物はその種子をも包
含 し 、 こ の 種 子 は 所 望 に よ り 処 理 ( 例 え ば 下 処 理 ま た は 被 覆 さ れ て い る ) お よ び /ま た は
包装され、例えば使用説明書と共に袋に入れられている)、および、そこから収穫した、
例えば上記の製粉工程で使用するための種子を提供するものである。本発明に係るトラン
40
ス ジ ェ ニ ッ ク 植 物 は 所 望 に よ り NADPHま た は NADHの 生 産 を 増 強 す る 遺 伝 子 を さ ら に 含 む 。
【0267】
さらに本発明は、上記の植物から収穫した種子から澱粉またはタンパク質を抽出すること
を 含 む 、 澱 粉 お よ び /ま た は タ ン パ ク 質 を 生 成 す る た め の 方 法 ; お よ び 上 記 の チ オ レ ド キ
シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 発 現 植 物 由 来 の 種 子 を 浸 漬 し 、 澱 粉 お よ び /ま た は タ ン パ ク 質 を そ こ か
ら 抽 出 す る こ と を 含 む 、 湿 潤 製 粉 の た め の 方 法 を 提 供 す る 。 例 え ば 好 熱 性 生 物 、 例 え ば ar
chea由 来 の 、 例 え ば Methanococcus jannaschiiま た は 本 明 細 書 に 記 載 の Archaeglobusfulg
idus由 来 の 熱 安 定 性 酵 素 が 好 ま し い 。 穀 物 に お け る 、 所 望 に よ り チ オ レ ド キ シ ン を 伴 う ト
ランスジェニックチオレドキシンレダクターゼ変異体の発現はまた、特に動物飼料におけ
る消化性に関連する穀物の性質の改善に有用である。プロテアーゼに対する飼料タンパク
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質の感受性は時間とタンパク質コンホメーションの関数である。飼料調合物にはしばしば
穀粒の挽き割りが用いられ、蒸気による薄片化もまた使用される。これらのプロセスはい
ずれも穀粒の消化性を助ける事を目的としている。その完全性が動物の胃内でより容易に
破壊され得る軟穀粒が望ましい。コンホメーション制約およびタンパク質間の架橋がプロ
テ ア ー ゼ 感 受 性 の 主 た る 決 定 要 因 で あ る 。 増 大 さ せ た チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま た は チ オ
レドキシンレダクターゼ発現によりこれらの結合を修飾改変することは消化を助ける。タ
ン パ ク 質 の 含 有 量 と 質 は 薄 片 化 粗 粉 の 生 産 と masaの 生 産 の 重 要 な 決 定 要 因 で あ る 。 ジ ス ル
フィド結合の還元は、小麦代用品、特に高タンパク質白色トウモロコシ変種から製造した
粉としての使用に好適なようにトウモロコシ粉の性質を変化させる。米国の大豆収穫量の
半分以上が粉砕または製粉されており、得られる低脂肪大豆粉または脱脂大豆粉(または
10
大豆ミール)中のタンパク質の質はその後の加工にとって重要である。大豆加工の流れか
らのタンパク質の収量と質は経済的に重要であり、主としてタンパク質のコンホメーショ
ン に 依 存 し て い る 。 ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま た は チ オ レ ド キ シ ン レ
ダクターゼの発現によるチオレドキシン活性の増大はタンパク質の溶解度を増大させ、よ
って水溶性タンパク質画分で収量を増加させる。回収は塩基性条件下での脱脂大豆ミール
の 水 性 抽 出 に よ っ て 促 進 す る 。 ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま た は チ オ レ
ドキシンレダクターゼの発現によるチオレドキシン活性の増強はまた、効率的抽出に必要
な pHを 低 下 さ せ 、 そ れ に よ り 水 酸 化 カ ル シ ウ ム ま た は 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 投 入 量 を 減 ら し 、
後の酸沈殿化のための酸投入量をも低下させ、アルカリ損傷のない効率的なタンパク質回
収を可能にし、水消費とプラント廃水(これは実質的な生物学的酸素要求量の負荷を含む
20
)処理を減らす。タンパク質の酸化還元状態は、大豆タンパク質が供給する重要な機能的
性 質 、 例 え ば 溶 解 度 、 吸 水 性 、 粘 度 、 粘 着 /接 着 、 ゲ ル 化 お よ び 弾 性 に 影 響 を 及 ぼ す 。 大
豆タンパク質濃縮液の生産と、大豆タンパク質単離物のプロテアーゼによる加水分解の間
の繊維除去は、本明細書に記載のチオレドキシン活性の増大によって向上する。同様に、
ト ウ モ ロ コ シ に つ い て 上 に 述 べ た よ う に 、 ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま
たはチオレドキシンレダクターゼの発現によるチオレドキシン活性の増大は、酵素活性大
豆粉の機能性と、動物飼料中の大豆ミール画分および蒸気薄片化画分の消化性を向上させ
る。種子の発生の間の、そして加工の間のタンパク質品質の修飾もまた提供されるが、種
子発生中のチオレドキシン活性の結果遭遇する可能性のある貯蔵タンパク質蓄積に及ぼす
著 し い 副 作 用 を 回 避 す る た め 、 こ の ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク チ オ レ ド キ シ ン お よ び /ま た は チ
30
オレドキシンレダクターゼは細胞コンパートメントにターゲッティングされ、且つ上記の
ように熱安定性であることが好ましい。これとは別にこのチオレドキシンレダクターゼ変
異体、および所望によりチオレドキシンは、加工用酵素として(または本明細書で教示す
る融合物として)添加することができるが、それは、(トウモロコシ湿潤製粉とは対照的
に)ジスルフィド結合の破壊は穀粒の完全性破壊(粉砕および油抽出)後まで必要ないた
め で あ る 。 上 に 述 べ た よ う に タ ン パ ク 質 ジ ス ル フ ィ ド イ ソ メ ラ ー ゼ ( PDI) も ま た チ オ レ
ドキシンにとって有用である。
【0268】
TRと 共 に 油 体 を 使 用 す る こ と に 関 し て 、 「 Thioredoxin and thioredoxin reductase cont
aining oil body based products」 な る 標 題 の US20020037303( 公 開 20020328) を 引 用 し
40
てここに含める。
【0269】
種 子 と 増 加 の た め の 本 発 明 に 係 る 酵 素 の さ ら な る 用 途 を WO0058453( 公 開 20001005) に 見
出すことができる。チオレドキシンレダクターゼ変異体は、種子と穀物の品質向上のため
の本明細書に記載の用途のため、所望によりチオレドキシンと共に発現され、または外部
か ら 添 加 す る こ と が で き る 。 興 味 深 い ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 植 物 は 、 大 麦 、 小 麦 、 Arabidop
sis、 タ バ コ 、 米 、 Brassica、 Picea、 ま た は 大 豆 、 ト ウ モ ロ コ シ 、 カ ラ ス 麦 、 ラ イ 麦 、 モ
ロコシ、キビ、ライコムギ、ならびにまぐさおよび芝を包含する。本発明に係るトランス
ジェニック植物は、同種の非トランスジェニック植物の同部分に比して低下したアレルゲ
ン 性 を 持 ち 得 る 。 こ の ア レ ル ゲ ン 性 は 過 敏 性 で あ っ て よ く 、 こ の 過 敏 性 が 少 な く と も 5%低
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下している。さらに、本発明に係るトランスジェニック植物は、同種の非トランスジェニ
ッ ク 植 物 の 同 部 分 に 比 し て 増 大 し た 消 化 性 を 持 ち 得 る 。 こ の 消 化 性 は 少 な く と も 5%増 大 し
ている。トランスジェニック植物は、同種の非トランスジェニック植物の同部分に比して
ジ ベ レ リ ン 酸 誘 導 酵 素 の 早 期 発 現 開 始 お よ び /ま た は 増 大 し た 発 現 の あ る 、 該 植 物 の 少 な
く と も 一 部 を 持 ち 得 る 。 好 ま し く は 該 酵 素 は 、 プ ル ラ ナ ー ゼ 、 α -ア ミ ラ ー ゼ で あ る 。 こ
の植物の一部分は好ましくは可食部分、より好ましくは穀物または種子である。好ましい
プロモーターは種子または穀物の成熟に特異的なプロモーターであり、例えば米グルテリ
ン、米オリジン、米プロラミン、大麦ホルデイン、小麦グリアジン、小麦グルテリン、ト
ウモロコシゼイン、トウモロコシグルテリン、カラス麦グルテリン、モロコシカシリン、
キビペニセチン、ライ麦セカリン、およびトウモロコシ胚特異的グロブリンより成る群か
10
ら選ばれる。その他の態様には、本発明に係るトランスジェニック種子または穀物から製
造した食品、飼料または飲料製品がある。この食品、飼料、または飲料は、小麦粉、練り
生地、パン、パスタ、クッキー、ケーキ、シックナー、ビール、麦芽飲料、または食品添
加物であってよい。この食品、飼料、またはビール製品は、低下したアレルゲン性および
/ま た は 増 大 し た 消 化 性 を 持 ち 得 る 。 さ ら に 、 練 り 生 地 製 品 は 、 同 種 の 非 ト ラ ン ス ジ ェ ニ
ック種子または穀物から製造した練り生地に比して、増大した強度および体積を持ち得る
。 こ の 食 品 、 飼 料 、 ま た は 飲 料 は 超 消 化 性 タ ン パ ク 質 お よ び /ま た は 超 消 化 性 澱 粉 を 持 ち
得る。この食品、飼料、または飲料は低アレルゲン性となり得る。上記の態様は当分野で
知られるように、本発明に係る酵素を外部から添加することによっても達成できる。チオ
レドキシンによる小麦および乳中のジスルフィドタンパク質アレルゲンの還元がこれらの
20
アレルゲン性を減少させることが示されている。さらにチオレドキシン処理は、他のジス
ル フ ィ ド タ ン パ ク 質 と 同 様 、 乳 の 主 要 ア レ ル ゲ ン ( β -ラ ク ト グ ロ ブ リ ン ) の 消 化 性 を 増
大させる。食品に外部からチオレドキシンを添加することの利点についてのより詳細な議
論 は 米 国 特 許 No. 5,792,506に 示 さ れ て お り 、 こ れ を 引 用 に よ り 特 に こ こ に 含 め る 。 こ の
組 成 物 お よ び 方 法 は 本 発 明 に 係 る TR変 異 体 を 用 い て 増 強 す る こ と が で き る 。
【0270】
本明細書で論ずるように、本発明に係るタンパク質を使用して食品および飼料中のタンパ
ク質のアレルゲン性を低下させることができる。例えば、チオレドキシンとチオレドキシ
ン レ ダ ク タ ー ゼ な ら び に 外 部 か ら 加 え る 処 理 と し て の NADPHの 使 用 に 関 す る US6190723お よ
びその中の参考文献を参照されたい(これは引用により特にここに含める)。感作したイ
30
ヌを用いて実施した皮膚試験および給餌実験は、摂取前にそれらの食物を処理するとアレ
ルゲン性が取り除かれまたは減少することを示した。したがって、アレルゲン性食品また
は飼料タンパク質のアレルゲン性を減少させる組成物および方法が本明細書に提供される
。食品もしくは飼料タンパク質または該タンパク質もしくはタンパク質群を含有する食品
もしくは飼料を、該タンパク質のアレルゲン性の減少にとって有効な、或る量のチオレド
キ シ ン 、 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 、 お よ び 補 助 因 子 、 即 ち NADPH、 NADHま た は そ れ ら
の組み合わせと接触させる。その後、接触させたタンパク質を動物または人間に投与でき
、ここで、該動物または人間の示したアレルギー性症状が対照に比して減少する。このア
レ ル ギ ー 性 食 品 /飼 料 タ ン パ ク 質 は 好 ま し く は 牛 肉 、 牛 乳 、 卵 、 大 豆 、 米 お よ び 小 麦 タ ン
パ ク 質 で あ る 。 チ オ レ ド キ シ ン お よ び TR変 異 体 を 含 有 し 、 さ ら に 補 助 因 子 を 含 有 す る 可 食
40
食 品 /飼 料 製 品 も ま た 具 体 化 で き る 。 酵 素 は 外 部 か ら 添 加 す る こ と が で き 、 ま た は 1も し く
はそれ以上が単独でもしくは融合物としてトランスジェニックの形でまたは本来存在して
いてよい。可食食品は、当該処理が原因で好ましくは低アレルゲン性である。この食物製
品はペットフードまたはベビーフードまたは調合乳であってよい。この食物製品は牛肉、
卵、大豆、小麦または乳タンパク質を含むことができる。これは可食食肉製品であってよ
い 。 米 国 特 許 5792506お よ び そ の 参 考 文 献 を 引 用 に よ り こ こ に 含 め る 。
【0271】
同 様 に 、 US6114504で は 、 シ ス チ ン を 含 有 す る 動 物 お よ び 植 物 タ ン パ ク 質 を 還 元 し 練 り 生
地およびベーカリー製品の性質を改善するための組成物および方法を提供しているが、こ
れは、練り生地の成分をチオール酸化還元タンパク質と混合して練り生地を作り、この練
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り生地を焼いてベーカリー製品を作る工程を含む。本発明方法は好ましくは還元されたチ
オレドキシンを小麦粉と共に使用するが、これはより強い練り生地とより大きなパンの体
積を与える。この方法および組成物は本発明に係るタンパク質を使用して増強される。グ
ルテニンまたはグリアジンタンパク質を還元する方法は、該グルテニンまたはグリアジン
タンパク質を含有する液体または物質にチオレドキシンを添加し;チオレドキシンレダク
タ ー ゼ 変 異 体 お よ び 補 助 因 子 、 即 ち NADPH、 NADHも し く は そ れ ら の 組 み 合 わ せ に よ っ て チ
オレドキシンを還元し、そしてこの還元されたチオレドキシンによってグルテニンまたは
グリアジンタンパク質を還元することによる。組成物は、グルテニンまたはグリアジンタ
ンパク質、添加されたもしくは内因性チオレドキシン、添加されたもしくは内因性(トラ
ンスジェニック植物由来の場合)チオレドキシンレダクターゼ変異体、および添加された
10
補 助 因 子 、 即 ち NADPH、 NADHも し く は そ れ ら の 組 み 合 わ せ を 含 有 す る 。 こ の 方 法 は 、 水 不
溶性または水溶性の種子由来タンパク質の含有を減らすのに有用である。チオレドキシン
をこのタンパク質を含有する液体または物質に添加し;チオレドキシンレダクターゼ変異
体 お よ び そ の 補 助 因 子 、 即 ち NADPH、 NADHま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ に よ っ て チ オ レ ド キ
シンを還元することができる。
【0272】
本発明はさらに、食品および飼料タンパク質の超消化性を増大させるのに有用である。チ
オレドキシン還元によって食物タンパク質の消化性を増大させる組成物および方法を提供
し て い る 米 国 特 許 5952034を 参 照 さ れ た い 。 こ の 方 法 は 本 発 明 に 係 る 酵 素 を 使 用 す る こ と
により増強される。食品の消化性を増大させる組成物および方法は、食品を、その食品の
20
消化性を増大させるのに有効な、或る量のチオレドキシン、チオレドキシンレダクターゼ
変 異 体 、 お よ び そ の 補 助 因 子 、 即 ち NADPH、 NADHま た は そ れ ら の 組 み 合 わ せ で 処 理 し ; 所
望によりこの処理した食品を動物または人間に投与し、それにより、対照と比較した該動
物または人間の示す症状によって測定される該食品の消化性を増大させることを含む。こ
の食品は、好ましくは乳または小麦または卵を含む。上の態様では、チオレドキシンレダ
クターゼ変異体をチオレドキシンとのタンパク質融合物として提供できる。
【0273】
本発明に係る組成物はさらなる用途が見出せる。チオレドキシンおよびその他の酸化還元
剤 、 例 え ば PDIは ス ト レ ス と 損 傷 に 対 す る 防 御 に 有 用 で あ る こ と が 知 ら れ て い る 。 し た が
って、本発明に係る組成物は係る治療のための酸化還元剤組成物を増強するために使用で
30
き る 。 或 る 態 様 で は 、 TR変 異 体 を 、 ニ ト ロ ソ 化 ス ト レ ス の 操 作 に 使 用 し て 、 ニ ト ロ ソ 化 ス
ト レ ス 防 御 を ア ッ プ レ ギ ュ レ ー ト す る 。 US6359004を 参 照 さ れ た い 。 チ オ レ ド キ シ ン は ラ
ジカル捕捉剤として働き、よってフリーラジカルに関連する疾病および状態は、好ましく
は チ オ レ ド キ シ ン と 組 み 合 わ せ た 、 TR変 異 体 で 治 療 さ れ 得 る 。 し た が っ て 或 る 側 面 で は 、
本発明は、眼疾患、例えば白内障の予防または治療のための組成物および方法を提供する
。別の側面では本発明は、酸化的ストレスにより惹起されるまたは構成要素として酸化的
ス ト レ ス を 有 す る 疾 病 の 予 防 ま た は 治 療 に 関 す る も の で あ る 。 例 え ば 米 国 特 許 6379664を
参 照 さ れ た い 。 或 る 態 様 で は 、 TR変 異 体 を 好 ま し く は チ オ レ ド キ シ ン と 組 み 合 わ せ て 含 有
する本発明に係る組成物の白内障阻害有効量に眼を接触させることにより、眼の白内障の
形 成 を 阻 害 ま た は 逆 転 さ せ る た め の 組 成 物 お よ び 方 法 が 提 供 さ れ る 。 別 の 態 様 で は 、 TR変
40
異体および補助因子と組み合わせたチオレドキシンの眼内注射が網膜の光酸化ストレスを
抑制し、そして治療的戦略として網膜の光損傷を防止する。別の態様では、チオレドキシ
ン 活 性 を 含 む 本 発 明 組 成 物 は 、 急 性 肺 損 傷 で 誘 発 さ れ る 虚 血 -再 潅 流 と 酸 化 的 ス ト レ ス を
治療または最小化するのに有用である。その結果、特に末期肺疾患、例えば嚢胞性線維症
、気腫、肺線維症、および肺高血圧症患者の肺移植に用途が見出せる。本発明に係る組成
物は移植用臓器の完全性を維持するための保存用組成物としての用途が見出せる。別の態
様 で は 、 TR変 異 体 と 組 み 合 わ せ た チ オ レ ド キ シ ン は 一 次 培 養 ニ ュ ー ロ ン の イ ン ビ ト ロ 生 存
を促進する。さらに該組成物は、周縁部に神経防御効果を提供して、限局性脳虚血の際の
神経損傷を緩和する。該組成物はさらに、神経損傷後またはこれに由来する運動ニューロ
ン の 防 御 お よ び 改 善 を 提 供 す る 。 別 の 態 様 で は 、 本 発 明 に 係 る 組 成 物 は 虚 血 -再 潅 流 損 傷
50
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から網膜を防御する。熱傷もまた本発明に係る組成物で治療できる。チオレドキシンおよ
び TR変 異 体 は 、 迅 速 な 抗 酸 化 剤 防 御 を 提 供 し 、 凝 固 プ ロ セ ス 、 細 胞 増 殖 、 な ら び に 細 胞 防
御と密接に結びついた細胞外過酸化物の状態の制御および熱傷の際の創傷治癒を改善する
。 最 後 に 、 本 発 明 に 係 る 組 成 物 は 、 エ プ ス タ イ ン -バ ー ウ イ ル ス ( EBV) 感 染 を 制 圧 す る 良
好 な 候 補 物 質 で あ る チ オ ー ル -抗 酸 化 物 質 を 提 供 す る 。
【0274】
TR変 異 体 は 、 チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ に よ り ア ス コ ル ビ ン 酸 へ と 還 元 さ れ る 有 害 な ア
スコルビンフリーラジカルおよびデヒドロアスコルビン酸塩を除去することによって直接
的 な 利 益 が 提 供 で き る 。 し た が っ て TRは 直 接 的 抗 酸 化 効 果 お よ び 治 療 を 提 供 す る 。 該 組 成
物は所望により補助因子を含有できる。
10
【0275】
本 明 細 書 に 記 載 の 疾 病 お よ び 状 態 に お い て 、 TR変 異 体 を 単 独 で ま た は チ オ レ ド キ シ ン も し
く は 他 の 酸 化 還 元 剤 お よ び 補 助 因 子 と 組 み 合 わ せ て 供 給 で き る 。 TR変 異 体 は 宿 主 の 酸 化 還
元剤と共に、または外部から添加した酸化還元剤と共に作用することができる。
【0276】
上記の発明を使用する方法をより詳細に描写するため、そして本発明の様々な態様の実施
にとって考え得る最良の形態を開示するため、以下の実施例を供する。これらの実施例は
本発明の真の範囲を限定するものでは決してなく、例示目的のために供するものである事
が 理 解 で き る で あ ろ う 。 U.S.S.N. 60/289,029( 2001年 5月 4日 出 願 ) 、 U.S.SN. 60/370,60
9( 2002年 4月 5日 出 願 ) 、 お よ び Desjarlaisお よ び Muchhalに よ る 「 Novel Nucleic Acids
20
and Proteins with Thioredoxin Reductase Activity」 な る 標 題 の 仮 出 願 ( 2002年 4月 29
日出願、出願番号未定)を包含する本明細書に引用した全ての参考文献を、引用によりこ
こに含める。
【実施例】
【0277】
実施例1
コンピューターによる変異体タンパク質の設計
概観
改 良 さ れ た NADH-依 存 TR活 性 を 持 つ 変 異 体 を 創 出 す る た め の 最 初 の PDA(登 録 商 標 )設 計 戦 略
を 下 に 詳 説 す る 。 一 言 で 言 え ば 、 E coliお よ び Arabidopsis酵 素 由 来 の 構 造 情 報 、 な ら び
30
に 補 助 因 子 の コ ン ホ メ ー シ ョ ン 多 様 性 を 用 い て 、 そ れ ぞ れ ∼ 2000の 組 み 合 わ せ 成 員 を 有 す
る 2つ の 異 な る ラ イ ブ ラ リ ー ( 以 後 TR-1お よ び TR-2と 称 す る ) を 設 計 し た 。
【0278】
ス カ ホ ー ル ド タ ン パ ク 質 と し て 使 用 す る 野 生 型 TR遺 伝 子 :
1) pET29aに ク ロ ー ニ ン グ さ れ た Arbidopsis NTR1遺 伝 子 。 コ ー ド さ れ て い る タ ン パ ク 質 は
N末 端 Sタ グ を 持 つ 。 こ の タ ン パ ク 質 は BL21-S1細 胞 (塩 誘 導 ) ま た は BL21-Star (IPTG誘 導
) を 用 い て 発 現 さ せ 、 BugBuster HTを 用 い て 溶 菌 で き る 。
2) チ オ レ ド キ シ ン j。 pDEST-14で 合 成 お よ び ク ロ ー ニ ン グ さ れ 、 BL21-S1-Starで 発 現 さ れ
た コ ド ン 最 適 化 遺 伝 子 。 Nお よ び /ま た は C末 端 Hisタ グ を 付 け た も の を 作 製 し た 。 C末 端 His
タ グ を 付 け た TRxを 動 態 決 定 に 使 用 す る た め ア フ ィ ニ テ ィ ー ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー で 精 製 し
40
た。
【0279】
検 定 : 412nmに お け る DTNBの 還 元 生 成 物 形 成 の 連 続 検 出 に 基 づ く 動 態 検 定 。
【0280】
「ヒット」の同定および動態特性決定に使用したスクリーニング戦略のさらに詳細な概観
を 図 4に 示 す 。
【0281】
全ての動態特性決定ならびに第二および第三階層のスクリーニングのため、精製タンパク
質を使用した。必要量の精製タンパク質を産む高スループット法を個別に開発するか、ま
た は 現 存 す る 商 業 的 プ ロ ト コ ル か ら 改 変 し た 。 こ れ ら の 方 法 の 片 鱗 を 図 5に 示 す 。 高 ス ル
50
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ープット培養、誘導、発現、タンパク質精製および酵素特性決定に使用した詳細なプロト
コルを下に記載する。
【0282】
PDA( 登 録 商 標 ) 設 計 さ れ た 変 異 体 に つ い て の 基 準 点 を 規 定 す る た め の 、 NADHお よ び NADPH
両 基 質 に 関 す る 、 精 製 WT NTR-1酵 素 ( 非 修 飾 ) の 動 態 パ ラ メ ー タ ( Kmお よ び Kcat)。 WT酵
素 は 、 天 然 ( NADPH) 補 助 因 子 に つ い て NADHよ り も ∼ 4倍 高 い Kcatを 持 つ ( TRタ ン パ ク 質 1
μ gを 使 用 す る Vmaxに 相 当 ) 。 さ ら に NADHの Kmは NADPHに 比 し て ∼ 50倍 高 い 。 WT酵 素 に つ い
て の デ ー タ を 図 6に 示 す 。
【0283】
位 置 指 定 突 然 変 異 誘 発 お よ び 反 復 PCRの 標 準 的 分 子 生 物 学 的 方 法 を 用 い て TRラ イ ブ ラ リ ー
10
を構築した。特異的に突然変異を受けた遺伝子セグメントを表す組み合わせ断片を特異的
制限酵素を用いて合した。これらのライブラリーの品質をランダムに選んだクローンの配
列 お よ び 発 現 分 析 か ら 評 価 し た 。 TR-1と TR-2に つ い て の こ れ ら の 詳 細 を そ れ ぞ れ 図 7お よ
び 8に 示 す 。 こ れ ら の 組 み 合 わ せ ラ イ ブ ラ リ ー に 加 え 、 こ れ ら 2つ の ラ イ ブ ラ リ ー 各 々 の た
め の 個 別 的 C領 域 の 組 み 合 わ せ ( TR-1に つ い て 24、 TR-2に つ い て 48) を WTバ ッ ク ボ ー ン で
合 成 し 、 PDA( 登 録 商 標 ) に よ り 同 定 し た こ の 重 要 領 域 の 効 果 を 評 価 し 、 以 降 こ れ ら の ク
ロ ー ン を 、 TR-3お よ び TR-4の 個 別 的 成 員 と 共 に 「 規 定 ク ロ ー ン 」 と 称 す る ( 下 記 参 照 ) 。
【0284】
こ の 2つ の ラ イ ブ ラ リ ー の コ ン ピ ュ ー タ ー に 関 連 す る 記 載 を 図 9Aお よ び Bに 示 す 。 設 計 さ れ
た位置(橙色)および適当なコンホメーションを持つ結合させた補助因子(青または黄色
20
)を明らかにしている。
【0285】
こ れ ら 2つ の ラ イ ブ ラ リ ー に 加 え て 、 さ ら な る 戦 略 を 探 求 す る た め 幾 つ か の 極 め て 小 さ な
ラ イ ブ ラ リ ー を 作 製 し た 。 TR-3は 18の 成 員 を 持 ち 、 TR-2ス ク リ ー ニ ン グ 由 来 の 最 良 ク ロ ー
ン の 結 果 に 基 づ く 細 か な 調 整 ア プ ロ ー チ と し て 設 計 し た 。 TR-4は 16の 成 員 を 持 ち 、 TRお よ
び AhpF配 列 の 配 列 ア ラ イ ン メ ン ト に 基 づ く も の で あ っ た 。 AhpFは 、 TRと 類 似 の 活 性 で あ る
NADH依 存 ペ ル オ キ シ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ を コ ー ド し て い る 。
【0286】
こ れ ら 4つ の ラ イ ブ ラ リ ー の ス ク リ ー ニ ン グ か ら 得 ら れ た 結 果 の 要 約 を 図 10に 示 す 。
【0287】
30
TR-1ラ イ ブ ラ リ ー の ス ク リ ー ニ ン グ は 、 WT NTR-1と 比 較 し て 、 NADHを 補 助 因 子 と す る 著 し
く 改 善 さ れ た TR活 性 を 持 つ ク ロ ー ン を 何 ら 同 定 し な か っ た 。 こ れ は 「 正 し く な い 」 補 助 因
子のコンホメーションを用いた結果であろう。
【0288】
TR-2ラ イ ブ ラ リ ー は 著 し く 改 善 さ れ た NADH依 存 活 性 を 有 す る 幾 つ か の ク ロ ー ン を 持 っ て い
た 。 異 な る C領 域 配 列 を 持 つ 2つ の 最 良 変 異 体 は 「 RYN」 お よ び 「 RFN」 で あ っ た 。 設 計 さ れ
た 他 の 位 置 で の 突 然 変 異 は TR酵 素 の 全 体 的 性 質 に 著 し い 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た 。 以 下 の ス
ライドはこれらの変異体の多くについての詳細な動態データを示すものである。
【0289】
異 な る 補 助 因 子 濃 度 に お け る M-RYN、 L-RYNお よ び WTの 動 態 パ ラ メ ー タ お よ び 活 性 を そ れ ぞ
40
れ 図 11Aお よ び Bに 示 す 。 こ れ ら の 変 異 体 は い ず れ も WTと 比 較 し て 著 し く 高 い NADH依 存 活 性
を 有 す る 。 さ ら に こ れ ら は 著 し く 低 下 し た NADPH依 存 活 性 を 有 す る 。 こ れ を 「 補 助 因 子 ス
イ ッ チ 」 と 称 す る 。 2.5mMお よ び そ れ 以 上 の 補 助 因 子 濃 度 で は 、 こ れ ら PDA( 登 録 商 標 ) 設
計 さ れ た NTRの 両 者 は 、 NADHが 補 助 因 子 で あ る WT NADPH活 性 の > 50%を 有 す る 。
【0290】
これらのクローンの配列アラインメントおよび設計観点からの相対的コンピューター等級
付 け を 図 17Aに 示 す 。
【0291】
RYNお よ び RFNク ロ ー ン 中 の Nの 存 在 が 、 可 能 性 あ る グ ル コ シ ル 化 部 位 を 作 り 出 し た 。 こ の
部 位 は こ れ ら の ク ロ ー ン の 活 性 プ ロ フ ィ ー ル に 著 し い 影 響 を 及 ぼ す こ と な く PDA( 登 録 商
50
(66)
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標 ) を 用 い て 「 設 計 さ れ た ( designed out)」 。 こ の た め の デ ー タ と 戦 略 を 下 に 記 載 す る
。
【0292】
重 大 な RRRか ら RYNへ の 変 化 の コ ン ピ ュ ー タ ー に よ る 表 示 を 図 18に 示 す 。
【0293】
C領 域 に お け る RYNお よ び RFNの 組 み 合 わ せ に 加 え て 、 REN、 RLN、 RRNの 組 み 合 わ せ も ま た NA
DH依 存 活 性 を 著 し く 改 善 し た 。 RRN変 異 体 は ま た 、 そ の WTレ ベ ル の NADPH依 存 活 性 を 維 持 し
た 。 こ の デ ー タ を 図 12に ま と め る 。 さ ら に 、 RRT、 RYT、 RLR、 KYN、 MYN、 QYN C領 域 変 異 体
も ま た 改 善 さ れ た NADH依 存 活 性 を 示 し た 。
【0294】
10
これらのライブラリーのスクリーニング結果は、補助因子の特異性プロフィールを決定す
る た め の 、 C領 域 に 存 在 す る 3個 の RRR残 基 の 重 要 性 を 強 く 示 し て い る 。 こ れ ら の 位 置 各 々
に お け る 20の ア ミ ノ 酸 の 可 能 な 全 組 み 合 わ せ の 重 要 性 を 扱 う た め 、 高 複 雑 性 ラ ン ダ ム RRR
ラ イ ブ ラ リ ー を 設 計 お よ び ス ク リ ー ニ ン グ し て 、 NADHを 伴 う そ れ ら の 活 性 に つ い て 最 良 の
変 異 体 を 同 定 し た 。 3個 の R位 置 の 各 々 に お い て NNK縮 重 を 有 す る オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を 使
用 し て 、 32768の 成 員 の 理 論 的 組 み 合 わ せ の 可 能 性 を 有 す る こ の ラ イ ブ ラ リ ー を 構 築 し た
。
【0295】
このライブラリーの小部分のみをスクリーニングしたところ、最良クローンの配列および
活 性 分 析 は 、 最 初 の R位 置 で の Rか ら Wへ の 突 然 変 異 が 最 も 興 味 深 い 活 性 プ ロ フ ィ ー ル を 持
20
つ こ と を 示 し た 。 こ れ は 、 芳 香 族 ア ミ ノ 酸 の 存 在 を 示 唆 す る 天 然 に 存 在 す る 殆 ど の NAD(P)
H依 存 性 酵 素 配 列 の バ イ オ イ ン フ ォ ー マ テ ィ ク ス 分 析 か ら も 実 証 さ れ る 。 こ れ は 本 発 明 者
等 を 、 PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 間 、 最 初 の Rが 芳 香 族 ア ミ ノ 酸 で あ ら ざ る を 得
な い PDA( 登 録 商 標 ) ラ イ ブ ラ リ ー の 設 計 へ と 導 い た 。 こ れ に よ り 、 R1-Wお よ び WXXと 呼 ば
れ る 、 よ り 小 さ な さ ら な る 2つ の PDA( 登 録 商 標 ) ラ イ ブ ラ リ ー の 設 計 が 導 か れ た 。 こ れ ら
の設計のためのコンピューター戦略を下に述べる。
【0296】
こ れ ら 全 て の 新 ラ イ ブ ラ リ ー デ ザ イ ン か ら の 最 良 の ヒ ッ ト を 、 2つ の 補 助 因 子 が そ れ ぞ れ 0
.6お よ び 1.2mMの 時 の 相 対 活 性 に つ い て 分 析 し た ( 精 製 酵 素 を 使 用 ) 。 そ れ ら の Kmと Kcat
も 決 定 し 、 デ ー タ を そ れ ぞ れ 図 13Aと Bに 示 す 。 こ れ ら の ク ロ ー ン は 「 高 度 に 改 善 さ れ た 」
30
NADH依 存 TR活 性 を 持 つ 。 そ れ ら の 改 善 さ れ た NADH活 性 に 加 え 、 変 異 体 の 幾 つ か は 改 善 さ れ
た NADPH依 存 活 性 を も 有 す る 。 こ れ は 本 質 的 に 、 両 補 助 因 子 に つ い て よ り 良 い 触 媒 効 率 を
有 す る TR変 異 体 の 創 出 を 示 す 。 こ れ は さ ら に 、 全 変 異 体 に つ い て 数 倍 高 い NADH Kcat値 に
反 映 し て い る 。 NADHに つ い て の Kmは 、 WRTが こ の 補 助 因 子 に つ い て 2倍 低 下 し た Kmを 持 っ て
い る こ と を 除 け ば 、 改 善 さ れ た 変 異 体 の 殆 ど に つ い て 不 変 で あ っ た 。 R1-Wお よ び WXXラ イ
ブ ラ リ ー の い ず れ か に 由 来 す る こ の リ ス ト の 成 員 を 図 13Cに 示 す 。 R1-Wラ イ ブ ラ リ ー 由 来
の 2つ の 最 良 ク ロ ー ン の コ ン ピ ュ ー タ ー モ デ ル を 、 活 性 に 関 し て 構 造 上 の 見 通 し を 得 る た
め に 図 14に 示 す 。
【0297】
TRの た め の PDA( 登 録 商 標 ) 設 計 プ ロ セ ス を こ の よ う に 確 認 し た :
40
・ 1.2mMの NADHで WT NADPH活 性 の 50%に 等 し い ま た は こ れ 以 上 の 活 性 を 有 す る 、 5ま た は そ
れ以上の変異体。
・ 少 な く と も 1個 の 変 異 体 が 、 0.6mM NADHに お い て も こ の 活 性 の 重 要 条 件 に 適 合 す る 。
・ こ れ ら の 変 異 体 の 多 数 が 、 NADPH活 性 に つ い て も 良 好 な 触 媒 効 率 を 有 す る 。
・ 最 良 の 変 異 体 は WTに 比 し て NADHに つ い て 13倍 良 好 な Kcat/Kmお よ び 2倍 低 い Kmを 持 つ 。
【0298】
チ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ R1-Wラ イ ブ ラ リ ー
新 た な 組 の PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 実 施 し て 、 Xencorの 発 見 し た 三 つ 組 み 残
基 の 最 初 の 位 置 に 芳 香 族 ア ミ ノ 酸 ( F、 Y、 ま た は W) を 使 用 す る こ と が 、 NADHお よ び NADPH
で 活 性 レ ベ ル を 調 節 す る 際 に 極 め て 重 要 で あ る こ と を 評 価 し た ( RYN変 異 体 中 Rの 位 置 に 対
50
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応 す る ) 。 こ の 新 た な シ ミ ュ レ ー シ ョ ン は 、 少 数 の NAD(P)H利 用 酵 素 が こ の 位 置 に 芳 香 族
を 含 む と い う 知 見 、 お よ び 、 芳 香 族 と NAD(P)H上 の ア デ ニ ン 環 の 間 の 積 層 相 互 作 用 の 可 能
性によって誘導された。
【0299】
イ ン ビ ト ロ ス ク リ ー ニ ン グ 用 の 1296の 変 異 体 を 規 定 す る 20
1 0
(10
1 3
) の配列のシミュレー
ションを下に示したライブラリーから得た。補助因子結合にとって重大な残基の構造分析
に よ り 、 10個 の 位 置 を 選 択 し た 。 こ の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果 の 分 析 は 、 10個 の う ち 6個 の
位置におけるアミノ酸の相違をサンプリングすることにより、適度なサイズの高品質ライ
ブラリーが得られることを明らかにした。
【0300】
10
1 つ の 位 置 は W対 Rの 状 況 で 、 6個 の 位 置 に 相 違 が あ る 第 4の PDA( 登 録 商 標 ) ラ イ ブ ラ リ ー
を以下のように規定する:
20
【0301】
こ の ラ イ ブ ラ リ ー の 高 ス ル ー プ ッ ト ス ク リ ー ニ ン グ は 以 下 の 高 活 性 WXXク ロ ー ン を 生 成 し
た 。 こ れ ら の ク ロ ー ン を 、 第 4の PDA( 登 録 商 標 ) 組 み 合 わ せ ラ イ ブ ラ リ ー を 示 す PDA( 登
30
録商標)シミュレーションを行うことによりコンピューターで等級付けた。
【0302】
こ の ラ イ ブ ラ リ ー 中 の 1296の 可 能 な 配 列 か ら 、 非 常 に 活 性 な WXXク ロ ー ン が 以 下 の よ う に
コンピューターで等級付けられる:
LIWRTVI 13/1296 (等 級 /ラ イ ブ ラ リ ー サ イ ズ )
LIWLSVI 51/1296
LIWMSVI 26/1296
LIWRSVI 46/1296
【0303】
これらの等級付けは相対活性を予想しようとするものではないという事に留意されたい。
40
この計算は、構造的に共存可能な補助因子結合ポケット多様性の最も大きな集合を、最も
少 な い 数 の 配 列 で 定 義 す べ く 設 計 さ れ た 。 こ の ラ イ ブ ラ リ ー 成 員 の 全 て は 、 第 4ラ イ ブ ラ
6
リ ー 中 に 含 ま れ る 6個 の 位 置 に あ る 理 論 上 可 能 な 20 の 配 列 組 み 合 わ せ の 上 位 0.001%に あ り
4
、 10 以 上 の 集 束 効 果 を 証 明 し て い る 。 そ れ は さ ら に 、 元 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 含 ま れ る 2
0
1 0
9
の 配 列 組 み 合 わ せ に 比 し て 少 な く と も 10 の 集 束 効 果 を 構 成 す る 。
【0304】
こ れ ら の 等 級 付 け は 純 粋 に NADHと の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン さ れ た 相 互 作 用 に 基 づ く も の で あ る
こ と に も 留 意 さ れ た い 。 こ れ ら は NADPHの た め の ま た は こ れ に 対 立 す る 酵 素 の 特 異 性 を 考
慮 し て い な い 。 こ の プ ロ ジ ェ ク ト の 目 的 は NADPH/NADH特 異 性 を 包 含 し な か っ た た め 、 2つ
の 補 助 因 子 -タ ン パ ク 質 複 合 体 の 比 較 モ デ ル 作 製 は 実 施 し な か っ た 。
50
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【0305】
さらなる変異体
R1-Wラ イ ブ ラ リ ー の 成 功 、 な ら び に シ ミ ュ レ ー シ ョ ン お よ び 研 究 室 で の ス ク リ ー ニ ン グ の
両 方 で 第 二 お よ び 第 三 の R位 置 に か な り の 多 様 性 が 観 察 さ れ た 事 に 基 づ き 、 Xencorは 、 全
て の 可 能 な WXX組 み 合 わ せ を サ ン プ リ ン グ す る た め の 小 複 雑 性 ( 400) ラ イ ブ ラ リ ー を 構 築
し た 。 こ の ラ イ ブ ラ リ ー の 高 ス ル ー プ ッ ト ス ク リ ー ニ ン グ に よ り 、 NADHを 使 用 す る 高 活 性
の 変 異 体 、 お よ び NADPHを 使 用 す る 種 々 の 活 性 の 変 異 体 を さ ら に 幾 つ か 発 見 す る に 至 っ た
。
【0306】
3個 の RRR位 置 に の み 多 様 性 を 含 む 、 こ の ラ イ ブ ラ リ ー 由 来 の 最 良 ク ロ ー ン 5個 を 下 に 列 挙
10
す る 。 こ の ラ イ ブ ラ リ ー の 設 計 は 先 の PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン お よ び 実 験 結 果
の 全 て に 直 接 影 響 を 受 け た が 、 こ の ラ イ ブ ラ リ ー は PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 自
体に基づくものではなかった。したがってこれらの変異体についてのコンピューターによ
る等級付けは無い。
WIS
WFQ
WVR
WMG
WVG
【0307】
20
RYNチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ 変 異 体 の コ ン ピ ュ ー タ ー 等 級 付 け
Xencorに よ っ て 構 築 さ れ ス ク リ ー ニ ン グ さ れ た 第 二 PDA( 登 録 商 標 ) 組 み 合 わ せ ラ イ ブ ラ
リ ー を 表 す PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 実 施 す る こ と に よ り 、 個 々 の 「 RYN」 ク ロ
ー ン を コ ン ピ ュ ー タ ー で 等 級 付 け た 。 20
8
(2.5 x 10
1 0
) 配列のシミュレーションによっ
て 下 の ラ イ ブ ラ リ ー を 得 た が 、 こ れ は イ ン ビ ト ロ ス ク リ ー ニ ン グ 用 の 2304の 変 異 体 を 規 定
す る 。 補 助 因 子 結 合 の た め の 重 要 残 基 の 構 造 分 析 に よ り 、 8個 の 位 置 を 選 択 し た 。
【0308】
8個 の 位 置 に 多 様 性 を 持 つ 第 二 PDA( 登 録 商 標 ) ラ イ ブ ラ リ ー を 下 の よ う に 規 定 す る :
30
【0309】
こ の ラ イ ブ ラ リ ー 中 の 2304個 の 考 え 得 る 配 列 か ら 、 野 生 型 お よ び 高 度 活 性 RYNク ロ ー ン を
以下のように等級付ける:
LIGDRRRS (wt) 329
LIGDRYNS 339
LLGDRYNS 698
40
LMGDRYNS 920
【0310】
これらの等級付けは相対活性を予想しようとするものではないという事に留意されたい。
この計算は、構造的に共存可能な補助因子結合ポケット多様性の最も大きな集合を、最も
少 な い 数 の 配 列 に お い て 定 義 す べ く 設 計 さ れ た 。 こ の ラ イ ブ ラ リ ー 成 員 の 全 て は 、 第 2ラ
8
イ ブ ラ リ ー 中 に 含 ま れ る 8個 の 位 置 に あ る 理 論 上 可 能 な 20 の 配 列 組 み 合 わ せ の 上 位 0.0000
7
1%に あ り 、 10 以 上 の 集 束 効 果 を 証 明 し て い る 。
【0311】
こ れ ら の 等 級 付 け は 純 粋 に NADHと の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン さ れ た 相 互 作 用 に 基 づ く も の で あ る
こ と に も 留 意 さ れ た い 。 こ れ ら は NADPHの た め の ま た は こ れ に 対 立 す る 酵 素 の 特 異 性 を 考
50
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慮 し て い な い 。 こ の プ ロ ジ ェ ク ト の 目 的 は NADPH/NADH特 異 性 を 包 含 し な か っ た た め 、 2つ
の 補 助 因 子 -タ ン パ ク 質 複 合 体 の 比 較 モ デ ル 作 製 は 実 施 し な か っ た 。
【0312】
新規なチオレドキシンレダクターゼ変異体
低 複 雑 性 ラ イ ブ ラ リ ー 。 RYN変 異 体 で の 最 初 の 成 功 は 、 こ の RYN変 異 体 中 の ア ミ ノ 酸 を 洗 練
す る こ と に よ り こ の 変 異 体 の さ ら な る 最 適 化 を Xencorに 遂 行 さ せ る 動 機 と な り 、 下 に 示 す
極 め て 小 さ な 18成 員 ラ イ ブ ラ リ ー を 導 い た 。
10
【0313】
こ の ラ イ ブ ラ リ ー の ス ク リ ー ニ ン グ は 、 RFNの 組 み 合 わ せ が 、 過 去 に 発 見 さ れ た RYN変 異 体
と 同 様 の 活 性 を 持 つ こ と を 明 ら か に し た 。 PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ れ ば 、
こ の ク ロ ー ン は こ の ラ イ ブ ラ リ ー の 7番 目 に 等 級 付 け ら れ る ( RYNは 3番 目 に 等 級 付 け ら れ
る)。
【0314】
非 グ リ コ シ ル 化 変 異 体 。 RYNお よ び 関 連 変 異 体 ( RYDAFNASKIMQQ) に 可 能 性 あ る N結 合 グ リ
コ シ ル 化 部 位 ( コ ン セ ン サ ス N-X-[T/S]) が 偶 然 に 導 入 さ れ た た め 、 PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ
20
ュ レ ー シ ョ ン を 実 行 し て 、 RYN変 異 体 に お い て Asn( N) の 2位 下 流 に あ る セ リ ン ( S) の 置
換によってこの可能性ある部位を消去できる可能性を評価した。このシミュレーションは
、 Serか ら Alaへ の 置 換 を 包 含 す る 幾 つ か の ア ミ ノ 酸 置 換 が 好 ま し い こ と を 示 し 、 そ の 後 Xe
ncorは こ れ を 実 験 的 に 作 製 お よ び 特 性 決 定 し た 。 こ の 1位 置 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ( NAX) に お
い て は 、 Alaは 6番 目 に 、 そ し て Thrお よ び Serは そ れ ぞ れ 1番 目 お よ び 2番 目 に 等 級 付 け ら れ
た 。 実 験 デ ー タ は 、 Ala置 換 は RYN変 異 体 の 活 性 に 検 出 可 能 な 効 果 を 持 た な い こ と を 示 し て
いる。
【0315】
RYN-A (339/2304,6/20) (等 級 /元 の ラ イ ブ ラ リ ー サ イ ズ 、 等 級 /NAXラ イ ブ ラ リ ー サ イ ズ )
RFN-A (7/18,6/20)
30
【0316】
コンピューターによる戦略
一 次 目 標 : NADH対 NADPHを 効 率 的 に 利 用 す る よ う arabidopsisチ オ レ ド キ シ ン レ ダ ク タ ー ゼ
の活性を変換。
【0317】
戦略の基本的概略
I. 開 始 モ デ ル を 作 製
E coli構 造 (1TDF) を 使 用 し て 、 NADP補 助 因 子 の 座 標 を 補 助 因 子 座 標 を 包 含 し な い arabid
opsis構 造 (1VDC) の 座 標 枠 に 「 融 合 」 さ せ る 。
【0318】
40
II. 作 業 用 補 助 因 子 コ ン ホ メ ー シ ョ ン を 規 定 。
a. NADPか ら Pを 除 去 す る こ と に よ り 直 接 誘 導 。
b. 種 々 の NAD利 用 酵 素 か ら の NAD座 標 の 重 ね 合 わ せ に よ り 間 接 誘 導
【0319】
III. 組 み 合 わ せ ラ イ ブ ラ リ ー の 可 能 性 を 作 製 す る た め の PDAシ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 実 行 。
a. ラ イ ブ ラ リ ー 位 置 を 規 定 。
b. シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 実 行 。
c. ラ イ ブ ラ リ ー を 作 製 。
【0320】
戦略の詳細な概略
50
(70)
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I. 開 始 モ デ ル の 作 製
A. 1VDC構 造 フ ァ イ ル を プ ロ セ シ ン グ し て 、 こ の 構 造 の た め の よ り 妥 当 な 番 号 付 け 系 を 創
出 し た ( 元 の バ ー ジ ョ ン は 、 そ の 番 号 が E coli構 造 に 合 致 す る よ う 非 定 型 的 番 号 付 け フ ォ
ーマットを含んでいた)。
【0321】
B. NADP座 標 を 1TDFか ら 1VDCに 融 合 す る た め の 構 造 ア ラ イ ン メ ン ト
以 下 の 残 基 由 来 の C-ア ル フ ァ を 用 い て ア ラ イ ン メ ン ト を 得 た : 117、 119、 151-156、 174-1
81、 お よ び 242-244。 こ れ は 19の 合 致 し た 原 子 に つ い て 0.48Aの RMSDを 与 え る ( 最 大 偏 差 0.
89A) 。
【0322】
10
C. 最 終 モ デ ル に 関 し て 最 小 化 を 行 わ な か っ た こ と に 留 意 さ れ た い 。
【0323】
II. 作 業 用 補 助 因 子 コ ン ホ メ ー シ ョ ン を 規 定 。
A. 1TDFフ ァ イ ル 内 に あ る NADP補 助 因 子 か ら 単 に 燐 酸 基 を 除 去 す る こ と に よ っ て 最 初 の 補
助 因 子 コ ン ホ メ ー シ ョ ン を 規 定 し た 。 本 発 明 者 等 は こ の コ ン ホ メ ー シ ョ ン を NAD_TDFと 称
する。
【0324】
B. こ れ に 代 わ る NADコ ン ホ メ ー シ ョ ン
Adam Thomasonは 、 NAD補 助 因 子 を 含 む 構 造 に つ い て PDBを ス キ ャ ン す る Perlス ク リ プ ト を
開 発 し た 。 次 い で こ の ス ク リ プ ト は 、 抽 出 さ れ た PDBフ ァ イ ル 由 来 の NADを レ フ ァ ラ ン ス NA
20
D_TDF上 に 完 全 ま た は 部 分 的 に 重 ね 合 わ せ る 。 こ の よ う に し て 多 数 の NADコ ン ホ メ ー シ ョ ン
を 収 集 し ( 図 19を 参 照 さ れ た い ) 、 PDAシ ミ ュ レ ー シ ョ ン に お け る 使 用 準 備 が 整 っ た 。
【0325】
NAD_TDFコ ン ホ マ ー ま た は NAD_GRBコ ン ホ マ ー ( 1GRB ヒ ト グ ル タ チ オ ン レ ダ ク タ ー ゼ よ り
) の い ず れ か を 用 い て シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 実 施 し た が 、 こ れ は NAD_TDFに 対 し て 最 も 低 い
全 原 子 r.m.s.dを 持 っ て い た 。 100以 上 の NADコ ン ホ マ ー の 目 視 検 査 は 、 NAD_GRB中 に 見 出 さ
れ る リ ボ ー ス パ ッ カ ー は NAD_TDF中 の そ れ よ り も 著 し く 多 く 、 こ の コ ン ホ マ ー が 低 い エ ネ
ル ギ ー を 持 つ こ と を 示 唆 し て い る 。 NAD_TDF中 に コ ン ホ マ ー が 稀 で あ る と い う 事 は 、 こ の
コ ン ホ マ ー が NADP座 標 か ら 誘 導 さ れ た と い う 事 実 に 由 来 す る の か も 知 れ な い 。
【0326】
30
C. ヒ ド ロ キ シ 回 転 異 性 体 の 状 態
ヒ ド ロ キ シ 基 の 水 素 の 向 き は 側 鎖 -補 助 因 子 相 互 作 用 、 特 に 水 素 結 合 相 互 作 用 に 関 し て 著
し い 影 響 を 及 ぼ し 得 る 。 ラ イ ブ ラ リ ー 1に つ い て 、 ヒ ド ロ キ シ 回 転 異 性 体 の 静 止 対 を 利 用
し た 。 何 故 な ら 、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 当 た り 1つ の リ ガ ン ド の 状 態 だ け が Xencorの PDA( 登 録
商標)の実行の中に含まれるためである。続いて、リガンド状態の組み合わせ集合がこの
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 包 含 さ れ る よ う SPAパ ッ ケ ー ジ を 開 発 し た 。 ヒ ド ロ キ シ 回 転 異 性 体 の
向 き の 組 み 合 わ せ 集 合 を 作 製 す る た め 、 「 makeligands」 (makeligands.f90よ り ) な る 名
称の支援プログラムも開発した。
【0327】
III. 組 み 合 わ せ ラ イ ブ ラ リ ー を 作 製 す る た め の PDAシ ミ ュ レ ー シ ョ ン
40
A ラ イ ブ ラ リ ー 位 置 を 規 定
こ の 戦 略 は 、 TRRタ ン パ ク 質 と 、 特 に ア デ ニ ン リ ボ ー ス 上 に ジ オ ー ル 基 ( こ れ は 燐 酸 が 除
去 さ れ る 際 そ の ま ま 残 さ れ る ) を 有 す る NADHの ア デ ニ ン 部 分 と の 相 互 作 用 を 増 強 す る こ と
で あ る ( 図 20を 参 照 さ れ た い ) 。
【0328】
B. ラ イ ブ ラ リ ー 1の 計 算 PDA( 登 録 商 標 ) に よ り 実 施
PDA( 登 録 商 標 ) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン パ ッ ケ ー ジ を 用 い て 最 初 の 組 み 合 わ せ ラ イ ブ ラ リ ー を
作製した。このパッケージでは、リガンドが「テンプレート」の一部として取り込まれ、
そ れ は シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 当 た り の リ ガ ン ド 状 態 の 数 を 1に 制 限 す る 。 故 に 、 ア デ ニ ン ジ オ
ー ル 上 の ヒ ド ロ キ シ 回 転 異 性 体 は こ の 計 算 の 集 合 に つ い て 随 意 で あ っ た 。 さ ら に 、 NADに
50
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つ い て 電 荷 は 創 出 さ れ な か っ た 。 計 算 の 第 一 の 集 合 は 、 189位 に お け る 幾 つ か の ア ミ ノ 酸
の可能性を含んでいた。続く全ての計算について、この位置における実体はヒスチジンに
限定された。
【0329】
C. ラ イ ブ ラ リ ー 1の 定 義
ラ イ ブ ラ リ ー 1の 原 理 は 、 (i) ORBITに よ っ て 予 想 さ れ た 残 基 の 質 ( ORBITモ ン テ カ ル ロ シ
ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 作 製 し た 確 率 表 に 基 づ く ) ; (ii) 構 造 に 対 す る 直 感 ; お よ び ( ii
i) 多 様 な ア ミ ノ 酸 性 質 を サ ン プ リ ン グ す る こ と の 重 要 性 、 の 組 み 合 わ せ に 基 づ い て い た
。 こ の ラ イ ブ ラ リ ー の 最 も 興 味 深 い 側 面 は 、 127位 に 残 基 EDTを 、 195位 に QEを 、 217位 に EQ
を 、 そ し て 255位 に Eを 生 ず る 、 側 鎖 と 補 助 因 子 の 間 の 可 能 性 あ る 様 々 な 水 素 結 合 相 互 作 用
10
で あ る 。 殆 ど の NADH利 用 酵 素 が カ ル ボ キ シ 側 鎖 と ア デ ニ ン ジ オ ー ル の 間 の 相 互 作 用 を 含 ん
で い る こ と か ら 、 195位 に お け る Qと Eの 予 想 は 有 望 で あ る 。
【0330】
TRRラ イ ブ ラ リ ー 1:
127 LEDTA
165 IML
166 G
167 G
189 H
190 RYM
20
191 RQ
195 RYQE
217 SEQ
255 IE
【0331】
D. ラ イ ブ ラ リ ー 2の 計 算 SPAに よ り 実 施
種々の補助因子コンホメーションおよびサンプリング戦略を用いた幾つかのシミュレーシ
ョ ン を ラ イ ブ ラ リ ー 2の 開 発 の た め に 実 施 し た 。
【0332】
(i) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 第 一 の 集 合 を 、 重 原 子 座 標 の た め の NAD_TDF補 助 因 子 コ ン ホ メ ー
30
シ ョ ン を 用 い て 実 施 し た 。 こ の コ ン ホ メ ー シ ョ ン と 、 ア デ ニ ン ジ オ ー ル 上 の 36( 6x6) の
ヒ ド ロ キ シ 回 転 異 性 体 の 組 み 合 わ せ を 使 用 し て 、 バ ッ ク ボ ー ン 集 団 ま た は sub-回 転 異 性 体
サンプリング戦略のいずれかによるシミュレーションを実施した。
【0333】
(ii) シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 第 二 の 集 合 は 、 重 原 子 座 標 の た め の NAD_GRB補 助 因 子 コ ン ホ メ ー
シ ョ ン を 用 い て 実 施 し た 。 こ の コ ン ホ メ ー シ ョ ン と 、 ア デ ニ ン ジ オ ー ル 上 の 36( 6x6) の
ヒ ド ロ キ シ 回 転 異 性 体 の 組 み 合 わ せ を 使 用 し て 、 バ ッ ク ボ ー ン 集 団 ま た は sub-回 転 異 性 体
サンプリング戦略のいずれかによるシミュレーションを実施した。
【0334】
E. ラ イ ブ ラ リ ー 2の 定 義
40
ラ イ ブ ラ リ ー 2の 原 理 は 、 (i) SPAに よ っ て 予 想 さ れ た 残 基 の 質 ( 出 力 自 由 エ ネ ル ギ ー マ ト
リ ッ ク ス お よ び 異 な る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 由 来 の マ ト リ ッ ク ス の 比 較 に 基 づ く ) ; (ii) 構
造 に 対 す る 直 感 ; ( iii) 多 様 な ア ミ ノ 酸 性 質 を サ ン プ リ ン グ す る こ と の 重 要 性 ; お よ び
( iv) ラ イ ブ ラ リ ー 1の ス ク リ ー ニ ン グ か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク 、 の 組 み 合 わ せ に 基 づ い て
いた。全ての位置においてこのライブラリーには野生型残基が含まれていた。前と同様、
このライブラリーの最も興味深い側面は、側鎖と補助因子の間の可能性ある様々な水素結
合相互作用である。しかしながら、これらの計算には別の補助因子コンホマーを使用した
た め 、 127位 に 残 基 Qを 、 167位 に Sを 、 195位 に TNを ( 図 3A、 B)、 217位 に Dを 、 そ し て 255位
に Eを 生 ず る 、 新 た な 相 互 作 用 の 集 合 が SPAに よ っ て 予 想 さ れ た 。 ア デ ニ ン ジ オ ー ル の AO2
酸素との水素結合に対する予想された能力と、小さな動きがファンデルワールス衝突を
*
50
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軽 減 す る で あ ろ う と い う 推 測 に 基 づ き 、 S167( 図 3C) が 、 高 い 自 由 エ ネ ル ギ ー 値 に も 拘 わ
ら ず 選 択 さ れ た 。 169位 に あ る 負 の 電 荷 の 中 和 が 補 助 因 子 の 結 合 親 和 性 の 改 善 を 助 け る で
あ ろ う と い う 可 能 性 に 基 づ き 、 169位 に さ ら な る 残 基 Nを 加 え た ( Nは E coli TRRに 見 出 さ
れるため、これは保存的突然変異であることに留意されたい)。
【0335】
ラ イ ブ ラ リ ー 2中 の 殆 ど の 残 基 を NAD_GRBに よ る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 基 づ い て 選 択 し た 。 し
か し な が ら 、 NAD_TDF補 助 因 子 コ ン ホ メ ー シ ョ ン を 用 い る SPA計 算 に お い て I195の 傾 向 が 高
い 事 に 基 づ き 、 I195を 加 え た 。
【0336】
TRRラ イ ブ ラ リ ー 2:
10
【表2】
20
30
40
【0337】
検定
発現
1. pET29で ク ロ ー ニ ン グ さ れ た NTRコ ー ド 領 域 を BL21 Star( Invitrogen) 細 胞 で 発 現 さ せ
る 。 本 明 細 書 に 記 載 の 体 積 は 精 製 タ ン パ ク 質 > 50ugを 取 得 す る た め に 典 型 的 な 体 積 で あ る
が、必要に応じてスケールアップまたはダウンすることができる。
2. 1.5ml CG + カ ナ マ イ シ ン (100ug/ml)を 入 れ た 96深 ウ ェ ル プ レ ー ト に コ ロ ニ ー を 接 種
し 、 適 当 な 対 照 を 接 種 す る 。 37℃ 、 250rpmで 培 養 を 一 夜 増 殖 さ せ る 。
3. 翌 日 、 96深 ウ ェ ル プ レ ー ト の 各 々 か ら 5ml CG + カ ナ マ イ シ ン (100ug/ml) を 入 れ た 4x
50
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24ウ ェ ル に 一 夜 培 養 200μ lを 接 種 す る 。 30℃ 、 250rpmで 3時 間 増 殖 さ せ る 。
4. 残 り の 一 夜 培 養 か ら グ リ セ ロ ー ル 保 存 菌 を 作 製 し 、 -80℃ で 凍 結 す る 。
5. 5ml培 養 を 1M IPTGで 誘 導 し 最 終 濃 度 1mMと す る 。 30℃ 、 250rpmで 一 夜 増 殖 さ せ る 。
6. 翌 日 、 最 大 速 度 ( Avanti J-20、 5300rpm) で 10分 間 遠 心 沈 降 さ せ る 。 上 清 を 廃 棄 し 、
ペ レ ッ ト を -80℃ で 凍 結 ま た は S.tag精 製 法 へ と 進 め る こ と が で き る 。
【0338】
96ウ ェ ル プ レ ー ト の た め の S.Tag精 製
(96試 料 (細 胞 ペ レ ッ ト よ り ; Novagen、 cat# 69232-3)
S.Tagト ロ ン ビ ン 精 製 キ ッ ト は ビ オ チ ニ ル 化 ト ロ ン ビ ン を 用 い る 特 異 な 戦 略 を 利 用 す る も
のであり、ストレプトアビジンアガロースによる消化後にこの酵素を単純且つ特異的に除
10
去 す る こ と が で き る 。 標 準 プ ロ ト コ ル は 、 Sタ ン パ ク 質 ア ガ ロ ー ス と の バ ッ チ 型 結 合 、 洗
浄、ビオチニル化トロンビンによる処理、およびストレプトアビジンアガロースによる捕
捉を必要とし、溶液中に精製タンパク質が残る。
【0339】
キット構成要素
【表3】
20
30
【0340】
さらなる材料:
Whatman Unifilter、 96ウ ェ ル 、 800μ l (Fisher、 cat# PF7700-2804)
Bug Busterタ ン パ ク 質 抽 出 試 薬 (VWR、 cat# 80500-208)
【0341】
プ ロ ト コ ル (発 現 培 養 5ml)
1. 凍 結 ペ レ ッ ト (5ml) を 室 温 で ∼ 30分 間 融 解 さ せ る 。
2. Bug Buster HT 500μ lを 加 え 、 攪 拌 し て ペ レ ッ ト を 再 懸 濁 し 、 室 温 で 20分 間 振 盪 す る
。
40
3. 最 大 速 度 ま た は 3000xgで 20分 間 遠 心 分 離 す る 。 可 溶 性 タ ン パ ク 質 を 含 有 す る 上 清 ( 細
胞溶解液)を新たなプレートに移す。
4. 細 胞 溶 解 液 150μ lを 精 製 用 に 使 用 し 、 残 り を 後 の 使 用 の た め に 保 存 す る 。
150μ lに つ い て
Tris-HClお よ び NaCl濃 度 を 20mM Trisお よ び 150mM NaCl( pH7.5) に 調 節 す る 。
150μ l Bug Buster x100
10μ l 1M Tris-HCl (最 終 濃 度 20mM) 1ml
15μ l 5M NaCl (最 終 濃 度 0.15M) 1.5ml
325μ l H2 O 32.5ml
500μ l 合 計 ア リ コ ー ト 350μ lミ ッ ク ス
50
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【0342】
5. フ ィ ル タ ー プ レ ー ト の 底 に ア ル ミ ニ ウ ム テ ー プ で 封 を す る 。
6. 広 口 チ ッ プ を 用 い て Sタ ン パ ク 質 ア ガ ロ ー ス ミ ッ ク ス 167μ lを 加 え る 。
7. 溶 解 液 ( 調 節 済 み ) を フ ィ ル タ ー プ レ ー ト に 加 え 、 ア ル ミ ニ ウ ム テ ー プ で プ レ ー ト に
封をする。
8. 楕 円 振 盪 機 上 、 室 温 で 30分 -1時 間 結 合 さ せ る ( プ レ ー ト を 側 方 に 位 置 さ せ る 。 タ ン パ
ク質が変性する傾向があるため激しく攪拌してはならない)
9. 底 か ら ア ル ミ ニ ウ ム テ ー プ を は ず し 、 減 圧 に 付 す 。
10. 500μ lの 1X結 合 /洗 浄 緩 衝 液 で 2回 洗 浄 し 、 減 圧 に 付 す 。
11. ∼ 1Xス ラ リ ー 体 積 =200μ lで 1Xト ロ ン ビ ン 開 裂 緩 衝 液 に よ り 2回 平 衡 化 し 、 ご く 低 い 減
10
圧に付す。
12. フ ィ ル タ ー プ レ ー ト の 底 に ア ル ミ ホ イ ル で 再 度 封 を す る 。
13. 1Xト ロ ン ビ ン 開 裂 緩 衝 液 お よ び ビ オ チ ニ ル 化 ト ロ ン ビ ン の ミ ッ ク ス を 作 製 す る 。
【0343】
マスターミックス
【表4】
20
14. 管 を 、 設 定 =5、 振 幅 =4の マ イ ク ロ ミ キ サ ー 上 、 室 温 で 1-2時 間 穏 や か に 振 盪 す る 。
15. ス ト レ プ ト ア ビ ジ ン ア ガ ロ ー ス の ス ラ リ ー 60μ lを 加 え る 。
16. 楕 円 振 盪 機 上 、 室 温 で 10分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト す る 。
17. フ ィ ル タ ー プ レ ー ト の 底 か ら ホ イ ル の 封 を 取 り 除 く 。
18. 500xgで 2分 間 遠 心 分 離 す る 。
19. よ り 多 く の タ ン パ ク 質 を 溶 離 す る た め 1X開 裂 緩 衝 液 80μ lを 添 加 し 、 500xgで 2分 間 遠
心分離する。
30
20. 同 体 積 の 50%グ リ セ ロ ー ル を 加 え 、 充 分 に 混 合 し 、 一 時 的 に は 4℃ で 保 存 し 、 長 期 保 存
用 に は -80℃ で 凍 結 す る 。
【0344】
BCA検 定
BCAタ ン パ ク 質 検 定 試 薬 キ ッ ト ( Pierce、 cat# 23227)
1. 標 準 お よ び 作 業 用 試 薬 の 調 製
a. 標 準 (作 業 範 囲 は 0.125 2μ g/μ l)
【表5】
40
50
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検 定 の た め に : 各 標 準 5μ l + ddH2 O 20μ l = 計 25μ l
【0345】
b. 作 業 用 試 薬
試 薬 A 50mlを 試 薬 B 1mlと 混 合 。
* この作業用試薬は密閉容器中、室温で保存すると数日間安定である。
【0346】
2. 96ウ ェ ル プ レ ー ト に お け る 試 料 の 調 製 。
精 製 タ ン パ ク 質 5μ l (精 製 法 の 工 程 20よ り )
ddH2 O 20μ l
よく混合する
10
【0347】
3. 検 定 法
a. 25μ lの 標 準 お よ び 試 料 を 入 れ た 各 ウ ェ ル に 作 業 用 試 薬 200μ lを 加 え る 。
b. プ レ ー ト 振 盪 機 上 で 30秒 間 プ レ ー ト を 完 全 に 混 合 す る 。
c. ア ル ミ ホ イ ル テ ー プ で プ レ ー ト を 覆 う 。
d. 37℃ で 30分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト す る 。
e. プ レ ー ト を 室 温 に 冷 却 す る 。
f. プ レ ー ト 読 み 取 り 機 で 562nmの 吸 光 度 を 測 定 す る 。
【0348】
4. 標 準 曲 線 の プ ロ ッ テ ィ ン グ に Excelを 使 用 し 、 試 料 の タ ン パ ク 質 濃 度 を 決 定 す る 。
20
【0349】
5. 検 定 の た め に タ ン パ ク 質 濃 度 を 正 規 化 す る 。
a. 濃 度 を 確 認 す る た め 正 規 化 し た タ ン パ ク 質 の タ ン パ ク 質 ゲ ル を ラ ン す る 。
b. SYPRO Orangeで 30分 間 -1時 間 染 色 す る (お よ び /ま た は Coomassie blueで 一 夜 )
c. Apha Innotech Corporation Imager上 で ゲ ル を 視 覚 化 す る 。
d. Kodak 1D 3.5 Networkソ フ ト ウ ェ ア を 用 い て デ ン シ ト メ ト リ ー を 実 施 す る 。
【0350】
チオレドキシンレダクターゼ検定
1. 検 定 /ウ ェ ル 当 た り 50μ l の 最 終 体 積 を 用 い る 384微 量 定 量 プ レ ー ト で 検 定 を 開 始 す る
: 4x96ウ ェ ル プ レ ー ト ま で を 1枚 の 384プ レ ー ト に 入 れ 、 移 し 換 え る 時 に 個 々 の パ タ ー ン を
30
記録しておく。
2. 正 規 化 し た タ ン パ ク 質 試 料 5μ lを 384微 量 定 量 プ レ ー ト の ウ ェ ル に 移 す 。 1.2mM( ま た
は そ の 他 の 適 当 な 濃 度 ) の NADPHま た は NADH、 お よ び 精 製 チ オ レ ド キ シ ン 基 質 2μ Mを 検 定
に使用する。
3. 検 定 ミ ッ ク ス を 調 製 す る :
【表6】
40
* 試 験 し よ う と す る 上 清 に 検 定 ミ ッ ク ス を 添 加 す る 直 前 に NADHま た は NADPHお よ び チ オ レ
ドキシン基質を加える。
4. Titertek Multidrop 384を 用 い て 検 定 ミ ッ ク ス 45μ lを 加 え る 。
50
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5. 直 ち に プ レ ー ト を Spectramaxプ レ ー ト 読 み 取 り 機 に か け 、 デ ー タ の 収 集 を 開 始 す る 。
6. 動 態 パ ラ メ ー タ ( Kcatお よ び Km) の 測 定 の た め に 一 般 的 に 以 下 の 基 質 濃 度 範 囲 を 使 用
した:
NADPH : 0.00、 0.01、 0.02、 0.04、 0.08、 0.15、 0.3、 0.6、 1.2、 2.5、 5.0お よ び 10.0 mM
NADH: 0.02、 0.04、 0.08、 0.15、 0.3、 0.6、 1.2、 2.5、 5.0、 10.0お よ び 20.0 mM。
各 濃 度 に つ い て 直 線 範 囲 の 初 期 反 応 速 度 を 決 定 し た 。 こ の デ ー タ を GraphPad Prismソ フ ト
ウ ェ ア を 用 い て 解 析 し 、 標 準 ミ カ エ リ ス -メ ン テ ン の 式 に 適 合 さ せ た 。
【0351】
検 定 用 途 の た め の チ オ レ ド キ シ ン h( N末 端 Hisタ グ ) の 調 製
培養の調製
10
1. 2リ ッ ト ル の 発 現 培 養 に 、 BL21 Star( DE3) 発 現 細 胞 中 の チ オ レ ド キ シ ン コ ド ン opt.ecoli/pET28bの 一 夜 培 養 を 接 種 す る 。 こ れ は > 100mgの 精 製 タ ン パ ク 質 を 生 成 す る 。
2. 増 殖 期 間 の 後 、 1M IPTGで 1mM IPTGの 最 終 濃 度 に 細 胞 を 誘 導 す る 。 30℃ 、 250rpmで 一 夜
増殖させる。
3. 翌 日 、 2Lの 培 養 を 20本 の 50ml Falcon管 に 遠 心 沈 降 さ せ 、 培 養 100mlか ら の ペ レ ッ ト の
み を 残 し て 上 清 を 廃 棄 す る 。 ペ レ ッ ト を -80℃ で 凍 結 し た 後 、 上 清 の 調 製 お よ び Hisタ グ 精
製を継続する。
【0352】
上清の調製:
1. 20の ペ レ ッ ト を 各 々 1mlの Bugbusterに 再 懸 濁 し 、 250rpm、 室 温 で 20分 間 振 盪 す る 。
20
2. 細 胞 を 遠 心 沈 降 さ せ 、 上 清 を 50ml Falcon管 内 に 合 す る 。 2-メ ル カ プ ト エ タ ノ ー ル を 加
え た 同 体 積 の 2Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液 を 加 え る 。 精 製 を 進 め る 。
【0353】
Hisタ グ タ ン パ ク 質 の 精 製 :
1. Clontech TALON Superflow樹 脂 懸 濁 液 6mlを 4本 の 50ml Falcon管 に 加 え る 。
2. 1Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液 30mlで 樹 脂 を 2回 洗 浄 す る 。
3. 室 温 で 穏 や か に 20分 間 攪 拌 す る こ と に よ り タ ン パ ク 質 を 樹 脂 に 結 合 さ せ る 。
4. 1Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液 30ml中 、 室 温 で 10分 間 樹 脂 を 洗 浄 す る 。
5. 1Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液 3mlに 樹 脂 を 再 懸 濁 す る 。
6. 4本 の 管 全 て か ら 得 た 懸 濁 液 を 、 1本 の Clontech 10ml重 力 流 カ ラ ム 中 に 合 す る 。
30
7. 1Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液 15mlで 樹 脂 を 洗 浄 す る 。
8. 250mMイ ミ ダ ゾ ー ル 溶 離 緩 衝 液 20mlに 樹 脂 を 再 懸 濁 す る 。 タ ン パ ク 質 を 50ml管 に 2回 溶
出する。
9. 濾 過 に よ る イ ミ ダ ゾ ー ル 除 去 お よ び 試 料 濃 縮 を 継 続 し 、 ま た は 後 の 使 用 の た め に -20℃
で凍結する。
【0354】
精製チオレドキシンの濾過および濃縮
1. 精 製 タ ン パ ク 質 試 料 を Millipore Ultrafree-4 Biomax 5Kフ ィ ル タ ー 管 で ラ ン す る 。
2. 濾 過 洗 浄 緩 衝 液 で 試 料 を 3回 洗 浄 す る 。
3. 濃 縮 し た タ ン パ ク 質 試 料 を 合 す る 。 BCA検 定 を 行 っ て 濃 度 を 決 定 し 、 次 い で 50%グ リ セ
40
ロ ー ル 、 20mM Tris-HCl pH8.0で 100uMに 希 釈 す る 。
【0355】
2Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液
100mM NaPO4 pH 8.0
10mM Tris、 pH 8.0
600mM NaCl
20mMイ ミ ダ ゾ ー ル
10% エ チ レ ン グ リ コ ー ル
2mM 2-メ ル カ プ ト エ タ ノ ー ル を 加 え た 2Xロ ー デ ィ ン グ 緩 衝 液 の た め に 0.156ul/mlを 添 加 す
る。
50
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【0356】
250mMイ ミ ダ ゾ ー ル 溶 離 緩 衝 液
50mM NaPO4 pH 8.0
5mM Tris、 pH 8.0
200mM NaCl
250mMイ ミ ダ ゾ ー ル
10% エ チ レ ン グ リ コ ー ル
【0357】
濾 過 緩 衝 液 (イ ミ ダ ゾ ー ル 除 去 の た め )
50mM NaPO4
10
10mM Tris、 pH 8.0
200mM NaCl
10% エ チ レ ン グ リ コ ー ル
ddH20
【0358】
実施例2
変 異 体 TRタ ン パ ク 質 に よ る 植 物 の 形 質 転 換
概観
オ レ オ シ ン -TR融 合 タ ン パ ク 質 、 オ レ オ シ ン -TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 ま た は オ レ オ
シ ン -ハ イ ブ リ ッ ド TRレ ダ ク タ ー ゼ /TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 を コ ー ド し て い る 遺 伝
20
子 を 、 常 套 的 組 換 え DNA技 術 を 用 い て 植 物 細 胞 中 に 組 み 込 む こ と が で き る 。 一 般 に こ れ は
、 オ レ オ シ ン -TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 、 オ レ オ シ ン -TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク
質 ま た は オ レ オ シ ン -ハ イ ブ リ ッ ド TR/TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 を コ ー ド し て い る DN
A分 子 を 上 記 の よ う に 発 現 系 に 挿 入 す る こ と を 含 む 。
【0359】
育種
生 産 お よ び 品 質 に と っ て 重 要 な 他 の 性 質 と 共 に オ レ オ シ ン -TR融 合 タ ン パ ク 質 、 オ レ オ シ
ン -TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 ま た は オ レ オ シ ン -ハ イ ブ リ ッ ド TR/TRレ ダ ク タ ー ゼ 融
合タンパク質を発現する植物は、育種アプローチおよび当分野で既知の技術によって植物
系 統 に 組 み 入 れ る こ と が で き る 。 オ レ オ シ ン -TR融 合 タ ン パ ク 質 、 オ レ オ シ ン -TRレ ダ ク タ
30
ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 ま た は オ レ オ シ ン -ハ イ ブ リ ッ ド TR/TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 を
発現する植物が得られたならば、該アリルを遺伝学的に作り換えたりこれを植物中に導入
する必要なく、伝統的な育種技術を用いてこのトランスジーンを商業的な変種に移す。
【0360】
母 系 組 織 が 子 孫 を 生 ず る 、 ア ポ ミ ク シ ス 的 生 殖 能 を 有 す る 植 物 は 、 オ レ オ シ ン -R融 合 タ ン
パ ク 質 、 オ レ オ シ ン -TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 ま た は オ レ オ シ ン -ハ イ ブ リ ッ ド TR/T
Rレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 タ ン パ ク 質 を 発 現 す る よ う 形 質 転 換 し 、 導 入 し た ア リ ル を ア ポ ミ ク シ
ス的育種によって所望のバックグラウンドに維持することができる。
【0361】
TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ 遺 伝 子 の 単 離 な ら び に イ ン ビ ト ロ 検 定
40
或 る 態 様 で は 、 Arabidopsis、 小 麦 、 仔 牛 の よ う な 哺 乳 動 物 起 源 お よ び E.coli由 来 の TR遺
伝 子 を 単 離 し 、 細 菌 発 現 ベ ク タ ー を 用 い て E.coliで 発 現 さ せ 、 得 ら れ た タ ン パ ク 質 生 成 物
を 精 製 す る こ と が で き る 。 別 の 態 様 で は 、 Arabidopsisお よ び E.coli由 来 の TRレ ダ ク タ ー
ゼ 遺 伝 子 を 単 離 し 、 E.coliで 発 現 さ せ 、 そ し て 精 製 す る こ と が で き る 。 さ ら に 、 TR/TRレ
ダ ク タ ー ゼ 遺 伝 子 を Mycobacterium lepraeか ら 単 離 /取 得 し 、 E.coliで 発 現 さ せ 、 精 製 で
き る 。 好 ま し い 態 様 で は 、 M.lepraeコ ド ン を 、 任 意 の 与 え ら れ た 宿 主 、 例 え ば E.coli宿 主
細胞または植物種における最適化のために改変できる。多くの生物のためのコドン使用法
の表が知られており利用可能であって、特定宿主のために作り変えられたコード配列のコ
ドン最適化を可能にしている。
【0362】
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別 の 態 様 で は 、 改 変 さ れ た 補 助 因 子 特 異 性 を 持 つ TRレ ダ ク タ ー ゼ を 、 標 的 突 然 変 異 誘 発 ま
たはランダム突然変異誘発を用いて製造し、補助因子結合部位における特異的突然変異に
つ い て 試 験 す る ( Shiraishi, et al. (1998) Arch Biochem Biophys 358 (1): 104-115;
Galkin et al. (1997) Protein Eng 10(6): 687-690); Carugo et al. (1997) Proteins
28(1):10-28; Hurley et al. (1996) Biochemistry 35(18):5670-8; お よ び /ま た は 有 機
溶 媒 の 添 加 に よ る (Holmberg et al. (1999) Protein Eng 12 (10): 851-856)。 突 然 変 異
の 決 定 は 例 え ば Mayoお よ び Dahiyatが 開 発 し た も の (Chem & Eng News October 6, 1997,
pages 9-10) の よ う な コ ン ピ ュ ー タ ー プ ロ グ ラ ム に よ っ て 支 援 す る こ と が で き る 。 前 記 の
参考文献は引用によりその全体をここに含める。
【0363】
10
異 な る TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ の 組 み 合 わ せ を マ ト リ ッ ク ス で 使 用 し て 、 ど の TRお よ び TR
レダクターゼの組み合わせがインビトロでの小麦貯蔵タンパク質および乳貯蔵タンパク質
β -ラ ク ト グ ロ ブ リ ン の 還 元 に 最 も 有 効 で あ る か を 決 定 す る 。 好 ま し く は 、 TRと TRレ ダ ク
タ ー ゼ の 組 み 合 わ せ を 試 験 す る 。 こ れ ら の 実 験 は Del Val et al. ((1999) Jnl Allerg Cl
in Immunol 103:690-697) の 記 載 に 従 っ て 実 施 す る 。 同 系 交 配 の 高 IgE応 答 ア ト ピ ー 犬 を
取得し、乳および小麦を含有する食物調製物の市販抽出物で感作することによってさらに
準 備 す る 。 I型 過 敏 性 反 応 を 用 い て 皮 膚 試 験 を 実 施 す る 。 皮 膚 試 験 の 直 前 に エ バ ン ス ブ ル
ー 色 素 を 静 脈 内 注 射 す る 。 小 麦 粥 、 全 牛 乳 抽 出 物 お よ び 純 粋 な β -ラ ク ト グ ロ ブ リ ン の ア
リ コ ー ト を 皮 内 注 射 す る 。 各 々 の 青 色 ス ポ ッ ト の 2つ の 垂 直 直 径 を 評 点 付 け る こ と に よ り
、 皮 膚 試 験 を 盲 検 に よ り 読 み 取 る 。 オ レ オ シ ン -TR、 オ レ オ シ ン -TRレ ダ ク タ ー ゼ お よ び こ
20
れ ら の 組 み 合 わ せ が ア レ ル ギ ー 反 応 に 影 響 を 及 ぼ す 能 力 を 、 外 因 性 NADPHま た は NADHの 存
在下または不在下で測定する。
【0364】
植物発現ベクターの構築
Arabidopsis TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ 遺 伝 子 の 配 列 が 公 表 さ れ て お り ( Rivera-Madrid et
al. (1995) Proc Natl Acad Sci USA 92:5620-5624; Jacquot et al. (1994) J Mol Bio
l 235:1357-1363)、 こ れ ら の 遺 伝 子 を PCRで 単 離 で き る 。
或 る 態 様 で は 、 Arabidopsis TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ 遺 伝 子 の 両 者 を 、 オ レ オ シ ン の Nお
よ び C末 端 の 両 方 に 翻 訳 に よ り 融 合 さ せ る 。 こ の オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム は 、 植 物
中での発現のための適当なプロモーターおよびターミネーター配列の転写調節下にある。
30
好 ま し い 態 様 で は 、 フ ァ セ オ リ ン プ ロ モ ー タ ー お よ び タ ー ミ ネ ー タ ー 配 列 を 用 い て Arabid
opsis TR (ATR) お よ び Arabidopsis TRレ ダ ク タ ー ゼ ( ATRR) 構 築 物 を 創 出 す る 。
【0365】
Arabidopsis中 で の 発 現
或 る 態 様 で は 、 オ レ オ シ ン -ATRお よ び オ レ オ シ ン -ATRR発 現 構 築 物 の 初 回 試 験 の た め の モ
デ ル 系 と し て Arabidopsisを 使 用 す る 。 Arabidopsisの 種 子 は 、 収 穫 種 、 特 に TRの 商 業 生 産
に 利 用 で き る 油 料 種 子 収 穫 種 に 極 め て よ く 似 た オ レ オ シ ン 被 覆 油 体 を 含 有 し て い る 。 Arab
idopsis中 で の オ レ オ シ ン -TRお よ び オ レ オ シ ン TRレ ダ ク タ ー ゼ の 発 現 を 利 用 し て 、 油 体 中
の オ レ オ シ ン TRお よ び オ レ オ シ ン TRレ ダ ク タ ー ゼ 融 合 物 を 得 、 こ れ ら の 融 合 タ ン パ ク 質 が
生 物 活 性 で あ る か ど う か を 決 定 す る 。 オ レ オ シ ン に 対 す る TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ 両 方 の
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Nお よ び C両 末 端 融 合 物 を 作 製 し 試 験 す る 。 さ ら な る 態 様 で は 、 M.leprae由 来 の 天 然 TR/TR
レダクターゼ融合遺伝子に対するオレオシン融合物を試験する。これらの融合タンパク質
の 蓄 積 を 、 オ レ オ シ ン お よ び /ま た は TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ に 特 異 的 な 抗 体 を 利 用 す る
ウ ェ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 用 い て 定 量 す る 。 形 質 転 換 さ れ た Arabidopsis植 物 が 再 生 お
よび生育するのに要する時間、およびトランスジーンの発現と種子中に発現された生成物
の 蓄 積 を 測 定 す る の に 要 す る 時 間 が 、 殆 ど の 収 穫 種 よ り は る か に 短 い た め 、 Arabidopsis
がこの目的にとって有用である。
【0366】
植物発現ベクターの構築
植 物 発 現 ベ ク タ ー は 、 小 麦 由 来 の TR遺 伝 子 、 仔 牛 の よ う な 哺 乳 動 物 起 源 の TR遺 伝 子 、 E.co
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li由 来 の TR遺 伝 子 ; E.coli由 来 の TRレ ダ ク タ ー ゼ 遺 伝 子 ; M.leprae由 来 の TR/TRレ ダ ク タ
ー ゼ 遺 伝 子 を 包 含 す る ( 但 し こ れ ら に 限 定 さ れ る 訳 で は な い ) 、 TRお よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ
をコードしているその他の遺伝子を用いて構築する。これらの遺伝子のいずれかまたは両
方 を オ レ オ シ ン の Nお よ び C両 末 端 と 翻 訳 に よ り 融 合 さ せ る 。 こ の よ う な い か な る 構 築 物 の
オープンリーディングフレームも、適当なプロモーターおよびターミネーター配列の転写
調節下にある。好ましい態様では、ファセオリンプロモーターおよびターミネーター配列
を 用 い て TR'お よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ を 目 的 と す る 植 物 発 現 ベ ク タ ー を 構 築 す る 。 さ ら に 好
ま し く は 、 フ ァ セ オ リ ン プ ロ モ ー タ ー お よ び タ ー ミ ネ ー タ ー 配 列 を 用 い て TR'お よ び TRレ
ダ ク タ ー ゼ 'を 目 的 と す る 植 物 発 現 ベ ク タ ー を 構 築 す る 。
【0367】
10
ベニバナにおける発現
当業者に既知の方法を使用してベニバナを形質転換するために上記の植物形質転換ベクタ
ー を 使 用 す る 。 好 ま し い 態 様 で は 、 Bakerお よ び Dyer (Plant Cell Rep (1996) 16:106-11
0) の 開 示 し た 方 法 か ら 適 合 さ せ た 方 法 に よ っ て ベ ニ バ ナ を 形 質 転 換 す る 。 発 現 は ノ ー ザ
ンおよびウェスタンブロッティングを用いて検定する。小麦貯蔵タンパク質および乳貯蔵
タ ン パ ク 質 β -ラ ク ト グ ロ ブ リ ン を 還 元 す る TR'お よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ '構 築 物 の 能 力 を 試
験 す る 。 各 構 築 物 当 た り 最 低 25の 個 別 に 形 質 転 換 さ せ た ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク ベ ニ バ ナ 植 物
を 作 製 す る 。 全 て の ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 標 的 収 穫 植 物 を オ レ オ シ ン -TR'お よ び オ レ オ シ ン
-TRレ ダ ク タ ー ゼ 'の 発 現 に つ い て 試 験 す る 。 こ の 分 析 結 果 は 、 ど の 形 質 転 換 事 象 が 最 も 高
い そ し て /ま た は 最 適 な TR'ま た は TRレ ダ ク タ ー ゼ '活 性 を も た ら す か を 示 す 。 こ の 構 築 物
20
で 形 質 転 換 し た ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 系 統 を さ ら な る 分 析 に 付 す 。 TR'お よ び TRレ ダ ク タ ー
ゼ 'の 量 を 定 量 的 ウ ェ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ 分 析 を 用 い て 決 定 す る 。 オ レ オ シ ン 融 合 物 の
比 活 性 を 、 E.coliで 生 産 さ れ た 「 遊 離 の 」 TR'お よ び TRレ ダ ク タ ー ゼ 'の 比 活 性 と 比 較 す る
。
【0368】
最も高い発現を行った植物系統を繁殖させる。安定な遺伝子型を有する同型接合体および
二倍体植物を作製して、後続世代における安定なトランスジーン遺伝形質を確実とする。
【0369】
ビ オ チ ニ ル 化 TRの 製 造
或 る 態 様 で は 、 ビ オ チ ニ ル -N-ヒ ド ロ キ シ ス ク シ ン イ ミ ド エ ス テ ル の よ う な 化 学 物 質 を 用
30
い て リ ジ ン 残 基 を 化 学 修 飾 す る こ と に よ り 、 TRを イ ン ビ ト ロ で ビ オ チ ニ ル 化 す る こ と が で
き る 。 こ れ に 代 わ る 態 様 で は 、 E.coliア セ チ ル -CoAカ ル ボ キ シ ラ ー ゼ の ビ オ チ ン カ ル ボ キ
シ担体タンパク質由来のビオチンドメインペプチドを利用して、インビボの位置特異的ビ
オ チ ニ ル 化 を 、 Smith et al. ((1998) Nuc Acid Res 26:1414-1420) の 記 載 に 従 っ て 利 用
で き る 。 E.coli宿 主 内 因 性 ビ オ チ ニ ル 化 機 構 ( BIOTRX) に よ り イ ン ビ ボ ビ オ チ ニ ル 化 が 可
能 な 組 換 え チ オ レ ド キ シ ン を 、 E.coli trxAの 5'末 端 に 23ア ミ ノ 酸 ビ オ チ ニ ル 化 認 識 ペ プ
チドをコードしているオリゴヌクレオチドをフレーム内挿入することによって構築し、構
築 物 pBIOTRXを 創 出 す る 。 pBIOTRXプ ラ ス ミ ド を 含 む 細 胞 を 外 因 性 ビ オ チ ン の 不 在 下 に 増 殖
さ せ 、 BIOTRXタ ン パ ク 質 の 量 お よ び 溶 解 度 を 決 定 す る 。 総 細 胞 タ ン パ ク 質 の 10%ま で が BIO
TRXタ ン パ ク 質 で あ る こ と が 判 明 し 、 一 方 少 量 の ト リ チ ル 化 ビ オ チ ン が BIOTRXタ ン パ ク 質
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中 に 取 り 込 ま れ 、 固 定 化 ア ビ ジ ン ま た は 固 定 化 ア ビ ジ ン -ア ル カ リ ホ ス フ ァ タ ー ゼ に 対 す
る BIOTRXの 結 合 は 低 い 。 pBIOTRXで 形 質 転 換 さ れ た 細 胞 の 誘 導 前 培 地 へ の ビ オ チ ン 10μ g/m
lの 添 加 は 、 全 体 的 な ビ オ チ ン 取 り 込 み の 程 度 の 改 善 を も た ら す 。
【0370】
ビ オ チ ニ ル 化 油 体 -TR混 合 物 の 製 造
ア ビ ジ ン ま た は ス ト レ プ ト ア ビ ジ ン を 用 い て ビ オ チ ニ ル 化 TRを ビ オ チ ニ ル 化 油 体 に 結 合 さ
せ る 。 精 製 し た ビ オ チ ニ ル 化 TRを 異 な る 比 率 で ビ オ チ ニ ル 化 油 体 と 混 合 す る 。 小 麦 の ア レ
ルゲン性を低下させ練り生地の品質を改善するこれら混合物の有効性を、乳製品のアレル
ゲン性を低下させるこれら混合物の有効性と共に試験する。対照は、野生型ベニバナ油体
お よ び TRと 混 合 し た ( 但 し 結 合 し て い な い ) 野 生 型 ベ ニ バ ナ 油 体 を 包 含 す る 。
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【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2E】
【図2C】
【図2D】
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(81)
【図3−1】
【図3−2】
【図3−3】
【図3−4】
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(82)
【図3−5】
【図4】
【図5】
【図6】
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(83)
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
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(84)
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
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(85)
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
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(86)
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【図15】
【図16A−1】
【図16B−1】
【図16C−1】
(87)
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【図16D−1】
【図16E−1】
【図16F−1】
【図16G−1】
(88)
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【図16H−1】
【図16I−1】
【図16J−1】
【図16K−1】
(89)
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【図16L−1】
【図16M−1】
【図16N−1】
【図16O−1】
(90)
【図16P−1】
【図17A】
【図17B】
【図18】
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(91)
【図21−1】
【図21−2】
【図21−3】
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(92)
【国際公開パンフレット】
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【国際公開パンフレット(コレクトバージョン)】
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フロントページの続き
7
(51)Int.Cl.
FI
C12P
7/64
C12P
G06F 17/30
// A23L
1/30
テーマコード(参考)
7/64
4B064
G06F 17/30
170F
4H045
A23L
B
5B075
1/30
(81)指定国 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,
BE,CH,CY,DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,
GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(74)代理人 100067035
弁理士 岩崎 光隆
(74)代理人 100064610
弁理士 中嶋 正二
(74)代理人 100072730
弁理士 小島 一晃
(72)発明者 スティーブン・ピー・ブリッグズ
アメリカ合衆国92014カリフォルニア州デル・マー、マンゴー・ウェイ2454番
(72)発明者 ビピン・ケイ・ダルミア
アメリカ合衆国92129カリフォルニア州サンディエゴ、マニックス・コート7353番
(72)発明者 グレゴリー・デル・バル
アメリカ合衆国92122カリフォルニア州サンディエゴ、アーランジェン・ストリート5727
番
(72)発明者 ジョン・アール・デスジャーレイス
アメリカ合衆国91104カリフォルニア州パサディナ、クラリー・ストリート2096番
(72)発明者 ピーター・ハイフェッツ
アメリカ合衆国92131カリフォルニア州サンディエゴ、バーチ・ブラフ・アベニュー1080
5番
(72)発明者 ピーター・ルジンブール
アメリカ合衆国92130カリフォルニア州サンディエゴ、ジェイドストーン・ウェイ13567
番
(72)発明者 ウメシュ・マッチハル
アメリカ合衆国91291カリフォルニア州ウエスト・コビナ、ノース・グランド・アベニュー2
00番、ナンバー248
Fターム(参考) 2B030 AA02 AD08 CA14 CB02
2B150 AC37 CJ07 DD31
4B018 LB01 LB02 LB04 LB05 LB06 LB07 ME07 ME14
4B024 AA05 BA08 BA80 CA04 CA07 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01
EA02 EA03 EA04 FA01 GA11 HA01 HA03
4B050 CC03 CC05 DD02 DD04 DD11 DD13 LL02
4B064 AD85 AG01 CA01 CA19 CC24 DA10
4H045 AA30 BA10 BA41 CA10 CA11 CA30 CA40 DA89 EA01 FA72
FA74
5B075 UU18
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