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ハンドルネームを使うのは?

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ハンドルネームを使うのは?
CASE 33
自分だったらどうする?
情報発信の前に
匿名での情報発信
ハンドルネームを使うのは?
学習のねらいと目標
・
インターネット利用上の特徴の1つである、匿名性の良い点、悪い点について考える。
・
インターネット利用上の匿名性の是非を知った上で、自分だったらこの匿名性は良いこ
とだと思うか、悪いことだと思うか、どちらかを考える。
指導タイミング
・ 小学校5年生~中学生。
Web ページの閲覧だけではなく、電子掲示板やチャット、ブログなどで匿名でのやりとり
を見たり、自ら発信したりする時期でもあるため、頻繁に発信するようになる前にインタ
ーネットの特性を考えさせるための指導をしたい。
事例取り組みにあたって
この事例は、ネットワーク社会の大きな特徴の1つである匿名性の問題点についてとりあ
げている。ただ問題点について考えさせるだけでは思考に深まりがないので、匿名性のメリッ
ト、デメリット双方について時間をかけて考えさせたい。そうすることにより、ネットワーク社会
での匿名性の特徴が浮かび上がってくる。
また、匿名性のメリット、デメリットを確認した上で、「自分にとってこの匿名性はよいことだ
と思うか、悪いことだと思うか」について考えさせるようにする。これはインターネットの光の部
分に重きを置くか、影の部分に重きを置くかによって意見が分かれるところであるが、この課
題ではどちらが正しいというものではない。むしろ、良い点と悪い点の両面があることを充分
に理解した上で利用していく必要があることを確認する。
事例のご紹介
ワークシート
みんなで考えるための提示形式の素材が
表示されます。
先生のメニューにワークシートが用意さ
れています。(PDF 形式、MS-Word 形式お
よび一太郎形式)
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指導の流れ(15 分)
学習内容
子どもの反応
教師の対応と留意点
【ステップ1:導入】
●提示された文章を読む。
発問例:「インターネット上に名前を名乗らないで参加す
るために使われる、ニックネームのことを何というか知っ
(2分)
ていますか?」
・ハンドルネーム。
【ステップ2:展開】
・解答がでなければ教える。
・まず、匿名性の良いことと
悪いことを分けて考えること
を知らせる。
●ネットワーク社会の匿名
発問例:「ネットワーク社会で名前を名乗らないことの良
性の良い点について考
い点は何ですか?」
え、発表する。(4分)
・自分の本音でやりとりする
ことができる。
・相手を気にせずに、気軽に
やりとりすることができる。
・主に電子掲示板やチャット
でのやりとりを思い出させ
る。
・本名でやり取りする場合と
比較させて考えさせる。
●ネットワーク社会の匿名
性の悪い点について考
発問例:「ネットワーク社会で名前を名乗らないことの悪
え、発表する。(4分)
い点は何ですか?」
・無責任な書き込みが多くな
る。
・気持ちが大き くなってしま
う。
【ステップ3:まとめ】
●ネットワーク社会の匿名
・匿名性が原因のできごとや
事件を思い出させる。
・書き込みをするときの気持
ちの違いを考えさせる。
発問例:「ネットワーク社会で名前を名乗らないことは良
いことだと思いますか、悪いことだと思いますか?」
性は良いことだと思うか、 ・自分の本音でやり取りがで
悪いことだと思うか意見を きるので良いことだ。
・無責任な書き込みが多くな
求める。(3分)
るので良くないことだ。
・挙手により、どちらかをきく
・それぞれ数人に理由をたず
ねる。
・どちらが正しいというもので
はないことを確認する。
●まとめを提示する。(2分)
・
ネットワーク社会の匿名性には一長一短がある
・
ネットワーク社会の匿名性の特徴を充分に理解した上で利用していくこと
が大切である
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事例についての補足
★ネット人格
ネットワーク社会の大きな特徴の1つに匿名性があります。電子掲示板やチャット、ブログ
などでのやり取りでは一般的には自分の本名を名乗らずにハンドルネームを使っています。
このように、ネットワーク社会では自分の素性を隠してやり取りができるので、「現実の友だち
には言えない悩みを相談できる」「本音が言えてストレス解消にいい」など、普段の生活には
ない良さを味わうことができます。一方、自分の素性がわかりにくいことを逆手にとり、無責任
な書き込みで相手に不快な思いをさせたり、社会に迷惑をかけたりすることが起こっているの
も事実です。
ある新聞記事に、「5人に1人が通常の自分と違うネット人格がある」と感じていることがア
ンケート調査でわかった、との報告がありました。つまり、ネットワークを使っていると、その中
では普段の自分ではない別の人格をもった自分がいる、と感じている人が5人に 1 人いるとい
うことです。認識していないで別の人格が現れる人を含めると、割合はさらに多くなるでしょう。
記事によると、ネットワーク上では「陽気になる」「大胆になる」と回答している人が多く、尐数
ですが「下品になる」「乱暴になる」等、影の部分がでると回答している人もいました。
このように、ネットワーク社会における匿名性は、ネット人格の存在を認識した上で、慎重
に利用していく姿勢が求められます。
★ハンドルネームの誹謗・中傷
電子掲示板などのネットワーク上で、特定のハンドルネームに対して誹謗・中傷したら名誉
毀損になるでしょうか。
一般的には、ネットワーク社会で利用するハンドルネームは個人を特定する情報ではない
ので、特定のハンドルネームに対して誹謗・中傷しても名誉毀損にはあたりません。ただし、
ハンドルネームも含め、複数の情報から個人が特定できる場合にはその限りではありません。
もちろん、名誉毀損にならないからといって、特定のハンドルネームに対してネットワーク上で
誹謗・中傷することは許されることではありません。
★なりすまし
ネットワーク社会の匿名性を悪用したものに「なりすまし」があります。ネットワーク社会で
はハンドルネームなどを利用し、いくらでも他人のふりをすることができます。他人になりすま
してフリーメールを取得し、その人になりすましてメールを発信することもできてしまいますし、
他人になりすまして電子掲示板に書き込みをすることもできてしまいます。子ども達にも簡単
にできてしまうため、なりすましてのいたずらや嫌がらせは後をたちません。他人のふりをして
個人情報を書き込むなど、内容によっては犯罪行為になってしまうこともあるので、ふざけ半
分でも決して他人になりすましてネットワークを利用することはしないように指導する必要があ
ります。
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