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米国の現状に関する参考資料
資料4−6 米国の現状に関する参考資料 2010年7月 0 米国の動向 ○ コペンハーゲン合意に基づき、COP15前に表明されたものと同様の目標を1月28日付で登録。 2020年の経済全体の数量化された排出目標 附属書Ⅰ国 米国 2020年の排出削減量 ▲17%程度、ただし、成立が想定される米国エネルギー気候法に従うもので、最終的な目 標は成立した法律に照らして事務局に対して通報される[1] 。 基準年 2005 [1] 審議途中の法案における削減経路は、2050年までには83%排出を削減するとの目標に沿って、2025年には30%削減、2030年 には42%削減を課している。 ○ 2010年5月12日、ケリー議員(民主)、リーバーマン議員(無所属)が2020年までに2005年比▲17%とする草 案を公表。同法案は、上院法案成立に必要な60票獲得のため、超党派の支持確保を目指したもの。 (ケリー・リーバーマン法案の概要) (ケリ リ バ マン法案の概要) • 2020年までに2005年比▲17%、2050年までに同年比▲83%削減。 (注)従来の上院法案は2020年までに2005年比▲20%削減) • 分野毎に異なる形で2013年から排出権取引制度を導入(電力部門は2013年から、製造部門は2016年から導入、運輸部門は固定価格で買 い取る変則的な形。) • 国連によらない米国独自の海外クレジットの利用を認める。 ○ 当初、共和党側の共同提案者であったグラハム議員が、民主党の議会運営への不満から脱退したため、同 法案への共和党の支持を得られる見通しは低く、上院を通過する可能性は低いとの見方多勢。 ○ 4月下旬のメキシコ湾原油油流出事件を背景にオバマ大統領は石油依存脱却を訴え、党内での妥協を目指 し、6月17日にリード院内総務が上院民主党議員総会を召集して、ケリー、リーバーマン両議員が修正案を 示したが、党内の亀裂は埋まらず、合意は得られずに決裂。 ○ その後、7月13日に、リード院内総務は、下院を通過したキャップ・アンド・トレード方式の排出量取引制度を 修正した形で含む新たなエネルギー法案を、 2週間以内に上院に提出する予定である旨を言明。 1 American Power Act (米国上院エネルギー包括法案)の概要 ○ 2010年5月12日、米国超党派で調整されていた排出量取引を含む法案(American Power Act) が ケリー(民)、リーバマン(無)の2名の上院議員により発表。 ⇒ オバマ大統領が、一般教書演説において議会に対してエネルギー気候変動法案で超党派の合意に達 するよう要請。これを受け、ケリー(民)、リーバーマン(無)、グラハム(共)3上院議員が超党派の法案 調整を実施していたもの。 ◎削減目標 中期目標:2020年に05年比▲ 17%(ケリーボクサー法案※の▲20%から引下げ。コペンハーゲン合意への登録と同じ。) 長期目標:2050年に05年比▲83% 長期目標 年 年 (ケリーボクサー法案 案※と同じ) ※ 2009年11月に上院環境公共事業委員会にて強行採決された気候変動法案。その後審議が止まっている。 ◎排出量取引(セクター別の排出削減義務) 制度対象者(発電設備、産業設備、燃料製造・輸入業者等)に対して、排出量相当の排出枠の確 保を義務付ける仕組み。 ただし、産業部門、運輸部門に対しては特別の措置を設けることから、排出量取引制度としては 事実上、電力部門のみによるスタートとなる。 電力部門:2013年より制度開始。 産業部門:2016年より制度開始。 運輸部門:燃料製造・輸入業者に対し、固定価格による排出枠の購入義務を課す。購入し た排出枠は、取引・バンキングともに認められない変則形。 2 American Power Act(米国上院エネルギー包括法案)の概要(続き) ◎オフセットクレジット 国内外あわせて毎年上限20億トンのオフセットクレジットの利用が可能。 オフセットの内容は、CDMのように国連に頼らず、米国政府が独自に認証する。 ◎費用緩和リザーブ(排出枠価格の上限) 排出枠の提出期限以前の90日間に、いつでも固定価格で購入可能な排出枠を、政府の専 用口座に40億トン貯蓄。 落札価格は25ドル/トン(消費者物価指数+5%ずつ毎年増加)に固定。 実態上の排出枠価格上限の役割を担う。 ◎オークション実施時の排出枠価格の下限 政府が実施するオークションの落札価格は、最低12ドル/トン(消費者物価指数+3%ずつ 毎年増加)とする。 ◎エネルギー安定供給の確保等 海外石油依存削減等(クリーン天然ガス自動車の奨励策、国内油田採掘の円滑化等) クリーンエネルギー研究開発・設備支援(クリーンエネルギー研究開発投資、電気自動車の 開発・普及パイロットプログラム等) 石炭業界の将来の保証(クリーン石炭技術開発、CCS開発等) 米国産の天然ガス利用推進 原子力発電の拡大(債務保証枠、原子炉建設等の申請手続きの効率化、核燃料サイクル 研究開発支援 等) 3 地域温暖化ガスイニシアティブ( 地域温暖化ガスイニシアティブ(RGGI RGGI)) • 2005年12月、ニューヨーク州等の米国東部7州の州知事が、GHG排出削減協定「地域温暖化ガスイニシアティブ(RGGI)」 の覚書に署名し、制度を立ち上げ。現在、次の東部10州が制度に参加。 【東部10州】 コネチカット、デラウェア、メイン、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、 ニュージャージー、ロードアイランド、バーモント、ニューヨーク、メリーランド • 制度の概要は次のとおり。 – 規制対象は発電所のみ。 • 25MW以上の発電容量を有する化石燃料起源の発電施設。同地域における発電部門からのCO2排出量の 95%をカバー。 • 参加各州の対象施設において、2000年から2004年までの排出量のうち、最も多い3ヶ年の平均値を基準排出 量として設定。 • 遵守期間は3カ年毎。2009年1月1日から制度の運用を開始し、2014年までは基準年レベルを維持。2015年以 降、排出量を削減し、2018年までに基準排出量比で10%の削減を達成予定。 排 排 – 排出枠の割当方法 • 原則オークションで、一つのプラットフォームにて四半期毎に行う。2008年9月25日に最初の地域オークションを 実施。 • 収益のうち25%は消費者保護等のためのリザーブ、その他は参加全州に分配され、省エネ・再生可能エネル ギー技術やエネルギー消費者を対象とするプログラムへの投資に使われる。 【オークションの結果概要】 売却排 出枠量 約定価格 最低落札価格※ 売上高 参加者数 第6回(2009年12月2日実施) 第7回(2010年3月10日実施) 第8回(2010年6月11日実施) 40,685,585t-CO2(2009年排出枠) 40,612,408t-CO2(2009年排出枠) 28,591,698t-CO2(2009年排出枠) 2,137,993t-CO2(2012年排出枠) 2,091,000t-CO2(2012年排出枠) 1,599,000t-CO2(2012年排出枠) 2009年排出枠:US$2.05/t-CO2 2009年排出枠:US$2.07/t-CO2 2009年排出枠:US$1.88/t-CO2 2012年排出枠:US$1.86/t-CO2 2012年排出枠:US$1.86/t-CO2 2012年排出枠:US$1.86/t-CO2 US$1.86/t-CO2 US$1.86/t-CO2 US$1.86/t-CO2 US$61,587,121 US$87,956,945 US$80,465,567 2009年排出枠:入札62社、落札40社。 2009年排出枠:入札51社、落札40社。2009年排出枠:入札43社、落札42社。 2012年排出枠:入札8社、落札8社。 2012年排出枠:入札9社、落札9社。 2012年排出枠:入札10社、落札10社。 ※2009年排出枠、2012年排出枠いずれも。 (出典) RGGIウェブサイト等 4