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平成27年 4月~ 6月期調査
業種別業況動向調査結果 平 成 27 年 9 月 経済部経済企画室 本調査は、平成27年4月~6月の本道の各業界の動向や課題等について、各関係団体のご協力を いただきながら調査を行い、取りまとめたものです。 [調査時期] 平成27年7月(四半期毎に実施) [調査方法] 業界団体からの聞き取り及びアンケート形式による調査 [調査団体] 機械(北海道機械工業会) 、IT(北海道IT推進協会) 食品(北海道冷凍食品協会) 、商店街(北海道商店街振興組合連合会) 卸売市場(北海道市場協会) 、貿易(北海道国際ビジネスセンター) 観光(全国旅行業協会北海道支部、日本ホテル協会北海道支部会) 建設(北海道建設業協会) 、運輸(北海道トラック協会) 、金融(北海道信用保証協会) 経済団体(北海道商工会議所連合会、北海道商工会連合会、北海道中小企業団体中央会) [調査項目] 1 業界の動向について(現状と今後の見通し) (1)売上高、売上単価 (2)原材料、仕入価格 (3)収益 (4)設備投資 (5)雇用、賃金 (6)資金繰り (7)その他 ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ P2 P5 P7 P9 P11 P14 P16 2 業界の抱える経営上の問題点・課題について ・・・・・・・・・ 3 経済動向の影響・対応について (1)為替相場の変動の影響 ・・・・・・・・・ (2)原油・原材料価格の変動の影響 ・・・・・・・・・ (3)消費税率引き上げに伴う影響【追加調査】 ・・・・・・・・ (4)電気料金の再値上げ【追加調査】 ①再値上げへの対策 ・・・・・・・・・ ②再値上げに伴う販売価格への転嫁 ・・・・・・・・・ P17 - 1 - P20 P22 P24 P27 P30 1 業界の動向について ~ 現状と今後の見通し (1)売上高、売上単価 分 野 機 械 内 容 [現 状] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、4~6月期の売上高は対前年比で、 「増加」が31. 9%、 「減少」が30.7%。 [見通し] ・7~9月期の売上高は対前年比で、 「増加」が25.6%、 「減少」が30.8%。 I T [現状・見通し] ・売上高について、現状に大きな変化は認められないが、若干の増加を見込んでいる企業もある。 ・売上単価について、現状に大きな変化は認められない。 食 品 [現状・見通し] ・売上が増加した要因としては、様々な経費の高騰に関しての値上げ交渉によるものや、冷凍南瓜やホウ レン草、ジャガイモなどの野菜が5~10%の値上がりになったことによるもの。 商店街 [現状・見通し] ・業態によりばらつきがあるものの、全体的に売上高、単価ともに回復していない。 卸売市場 観 光 (旅行業) [現状・見通し] ・4月~6月の取扱は、単価は各市場上昇傾向となっているが、数量は市場によって微増あるいは減 少となっている。 ・時鮭、ホタテ、いかの水揚げ量の減小が売上高に影響している。 [現状・見通し] ・インバウンド関連の業者による売上高の伸びが顕著である。 ・国内旅行向け事業者の売上高は、全体的に落ち込んでいるか横ばいの状況である。 観 光 [現状・見通し] (ホテル業) ・宿泊部門の売上高は、総売上高、客室単価ともに非常に好調である。 建 設 [現 状] ・全体として受注の減少傾向が強まっている。 ・官公庁工事について、国の補正予算の影響などにより、減少傾向が強まっている。 ・民間工事について、減少傾向がやや強まっている。 [見通し] ・全体的に受注の減少傾向が強まる見通し。 運 輸 [現状・見通し] ・公共事業の発注が遅れた影響により、建設土木関連の輸送が停滞している。 ・運転者不足の影響により単価は上昇気味である。 - 2 - 経済団体 [現 状] (道商連) ・ 「中小企業景況調査」 (道商連調査、以下同じ)では、4~6月期の全業種の業況DIが▲15.8 と、前期 (▲20.4)に比べ 4.6 ポイントマイナス幅が縮小した。業種別では、製造(前期▲20.7→今期▲12.5)、 建設(▲24.3→▲19.7)、卸売(▲21.2→▲20.7)、小売(▲23.0→▲14.1)、サービス(▲12.6→▲12.1)と、 全業種でマイナス幅は縮小した。 ・また、4~6月期の全業種の売上高DIは▲13.2 で、前期(▲23.7)に比べ 10.5 ポイントマイナス幅 が縮小。業種別では、業況DI同様、製造〔前期▲25.9→今期▲1.8〕 、建設〔▲28.7→▲19.2〕 、卸売 〔▲25.5→▲24.1〕小売〔▲23.0→▲11.1〕 、サービス〔▲15.5→▲10.2〕と、全業種でマイナス幅が 縮小。 [見通し] ・来期の全業種の業況DIは、▲13.2 とマイナス幅をさらに縮小する見通しとなっている。 経済団体 (商工会連合会) [現状・見通し] ・ 「中小企業景況調査」 (商工会連合会調査、以下同じ)では、4~6月期の業種別の売上額DIは次のと おり。 製造業 :今期DI▲18.0、来期見通しDI▲ 8.2 建設業 :今期DI▲24.5、来期見通しDI▲24.5 小売業 :今期DI▲36.9、来期見通しDI▲39.5 サービス業:今期DI▲23.6、来期見通しDI▲19.1 ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の業種別の売上単価DIは次のとおり。 製造業 :今期DI 0.0、来期見通しDI 0.0 小売業 :今期DI▲34.5、来期見通しDI▲31.7 サービス業:今期DI▲10.3、来期見通しDI▲31.7 経済団体 [現状・見通し] 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・売上高、売上単価ともに減少傾向。 (留萌:水産食料品) ・売り上げは昨年並み、単価は昨年と変わらず値上げしにくい状態。 (札幌:水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・大きな変動はないが、一部の製品に対する需要が下がっている状態。 (全道:一般製材) ・住宅着工数が減少していることで、売り上げも低下。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・売上高は2~3%程度の範囲で増収。売上単価は現状維持。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・売上高は減少が継続。売上単価も需要減による競争激化で下落。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・市況は、前年度に多くの地域で価格改定が行われ、今年度は同じ水準で推移。一方、今年度に入り、出 荷数量が減少し、売上高は減少。今年度の出荷数量は、前年度比10%程度減少の見通しであるため、 売上高は引き続き減少する見通し。 (全道:生コン) ・平成 27 年 4 月から製品を値上げしたことで、現状では、出荷数量が前年に比べ減少したにもかかわら ず、売上高は前年並み。品種別では、路盤用の出荷数量は前年に比べ減少したが、売上高は前年に比べ 増加。生コン用は数量、売上高ともに前年を下回る。 今後の見通しは、官公需は年度当初の発注遅れが影響し、国の補正予算の不透明さと民需の物件不足 で、売上高は前年実績には届かない状態。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・売上高は全般的に前年と比較し増加。売上単価は徐々に上昇しているものの、ここに来て落ち着いた感 あり。 (札幌:各種商品) - 3 - 〇小売業 ・外国人観光客で連日賑わいを見せているが、国内観光客が例年になく少ない状況。来年の北海道新幹線 の開業に大いに期待。 (函館:各種商品) ・商品の売価は上昇傾向。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・売上高はやや減少。 (全道:浴場組合) ・道内の IT 企業は主に首都圏からのビジネス需要が拡大。従来から懸案・課題であった技術者の時間当 たり単価についても改善されてきており、その結果、売上や利益の向上に貢献。 (全道:ソフトウェア) ・昨年度の売上高は、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減により減少したが、本年度の売上高 は平年並み。 売上単価は、単価の高い登録自動車の車検が減少し、単価が低い軽自動車の車検が増加したことによ り、全体的に売上単価は低下。 (全道:自動車整備) 〇建設業 ・新設住宅着工件数は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響が薄れ、持ち直す傾向にあるものの、 施工時期が重なることで人の手当が十分にできず、結果として仕事量は伸びない状況。 (札幌:左官工事) 〇運輸業 ・単価(運賃)は少々値上がりしているが、全体的に荷動きが少なく、売上げについては伸びていない状 況。今後は、野菜等の出荷が増えると思われるので、売上は上昇すると想定。 (小樽:一般貨物自動車運送) 〇商店街 ・地元金融機関の「地域企業景気動向調査」における小売業の業況判断指数(DI値)は、今期(平成 27 年 4~6 月期)の「業況判断」は▲23 の「悪い超」と、前回調査の改善見通し(▲28)からさらに上振 れ、2 期連続の改善(前期は▲35) 。 ・消費税率引上げ直後(前年 4~6 月期)に大きく悪化した消費マインドは、その後 1 年が経過し、萎縮 の度合いが和らいできているほか、訪日観光客の増加や道東道延伸による国内観光客の増加から、飲食 店、飲食料品が大きく改善したことなどを反映したものと想定。この間、住宅着工の減少等から、木材・ 建築材料や家電が悪化。 (帯広:各種商品) - 4 - (2)原材料、仕入価格 分 野 機 械 内 容 [現 状] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、4 月~6月期の仕入価格は対前年比で、 「下落」が 0.6%、 「上昇」が31.9%。 [見通し] ・7月~9 月期の仕入価格は対前年比で、 「下落」が0.7%、 「上昇」が33.8%。 I T [現状・見通し] ・特に変化はないが、増加もしくは若干の増加を感じている企業もある。 食 品 [現状・見通し] ・円安に伴い輸入原材料が上昇し、油、肉、乳製品、小麦などが値上げされ原価率アップの要因となって いる。 商店街 [現状・見通し] ・一部商品に仕入れ価格の上昇が見られる。 卸売市場 [現状] ・仕入れ単価が上昇し、減益となっている。 ・仕入れ単価高の傾向にある。 (輸入水産品) [見通し] ・仕入れ単価は上昇している状況で、今後も変わる見込みはない。 観 光 [現状・見通し] ・昨年から貸し切りバスの料金値上げが騒がれていたが、ここにきて札幌を中心としたホテルの宿泊料 金の値上げが顕著となっている。 (旅行業) 観 光 (ホテル業) [現状・見通し] ・円安の関係で原材料が高騰している。 建 設 [現状・見通し] ・建設資材の調達は、受注の減少により、容易傾向がやや強まっており、今後もその傾向が続く見通し。 ・建設資材価格は、上昇傾向が続いており、今後もその傾向が続く見通し。 運 輸 [現状・見通し] ・円安の影響で、価格は上昇気味である。 経済団体 [現状・見通し] ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の業種別の仕入単価DIは次のとおり。 製造業 :今期DI 59.2、来期見通しDI 41.7 建設業 :今期DI 59.3、来期見通しDI 33.3 小売業 :今期DI 28.7、来期見通しDI 23.5 サービス業:今期DI 50.5、来期見通しDI 41.3 (商工会連合会) - 5 - 経済団体 (中央会) [現状・見通し] 会員企業に対し、次のとおり調査。 〇食料品製造業 ・原材料、仕入価格は増加。 (留萌:水産食料品) ・原料の主力が輸入物のところは仕入れ単価がアップ。道内産原料は不足気味で満足に販売できない状 態。 (札幌:水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・原材料、仕入れ価格は現状を維持。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・原材料の主力である板紙は、今後5%値上げする可能性あり。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・主材料である洋紙が値上がり。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・セメント、骨材等の原材料費が上昇しているほか、輸送コストも増加。今後も同様の傾向と想定。 (全道:生コン) ・現状では、原油価格の動向が見通せず、円安の影響で原材料、仕入価格が高止まりとなっており、電気 料金の再値上げもあってコスト環境は厳しい状況。今後の見通しは、EU ギリシャの債務問題や中国経 済の動向など世界情勢が全く予見できないので、現状のコストが上がらないことを願う。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・円安の影響で、国外からの仕入れ価格は高値安定の状況。品物によっては国内仕入れへのシフトが進ん でいる状況。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・急激に増えているアジア圏を中心とした海外からの観光客向けに商品を販売する際に、国別の規制状 況などが整理された表などがあれば、販売取扱量にも変化が現れ、仕入れの数量も増える。 (函館:各種商品) ・仕入原価が上昇傾向。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・ほぼ変わらない。 (全道:公衆浴場) ・仕入価格(部品、油脂類)は、ここ最近横這い。 (全道:自動車整備) 〇建設業 ・原材料の仕入れ単価は高止まりの状況。 (札幌:左官工事) 〇運輸業 ・燃料油が昨年に比べて単価で約20円下落しているので、経費はかなり抑制。 (小樽:一般貨物自動車運送) - 6 - (3)収益 分 野 機 械 内 容 [現 状] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、4 月~6月期の収益は前年対比で、 「増加」が24. 2%、 「減少」が34.8%。 [見通し] ・7月~9 月期の収益は前年対比で、 「増加」が18.8%、 「減少」が35.1%。 I T [現状・見通し] ・現状に大きな変化は認められないものの、横ばいもしくは減少傾向の企業もある。 食 品 [現状・見通し] ・商品価格を値上げしたことで収益が改善された企業も一部にあるが、全体的には価格転嫁ができず収 益が悪化している。 商店街 [現状・見通し] ・減少傾向が続いている。 卸売市場 観 光 (旅行業) [現状・見通し] ・収益そのものは前年よりも増加している。 ・光熱費といった販売管理費が増加したことにより、収益は減少している。 [現状・見通し] ・特に大きな変化は見られない。 観 光 [現状・見通し] (ホテル業) ・婚礼部門・一般宴会部門と比較すると、宿泊部門は好調に推移しており、客室が多いホテルでは極めて 好調である。 建 設 [現状・見通し] ・完成工事高の減少、競争激化、さらには下請代金の上昇により、収益の減少傾向は強まっており、今後 もその傾向が強まる見通し。 運 輸 [現状・見通し] ・全体的に売上は増加していない。 経済団体 [現 状] (道商連) ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の全業種の収益DIが▲6.8 と、前期(▲12.1)に比べ 5.3 ポ イントマイナス幅が縮小した。業種別では、製造(前期▲10.4→今期 1.8)、建設(1.5→4.4)、卸売(▲ 20.0→▲20.7)、小売(▲21.9→▲11.3)、サービス(▲9.6→▲8.1)となった。 経済団体 (商工会連合会) [現状・見通し] ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の業種別の採算(経常利益)DIは次のとおり。 製造業 :今期DI▲22.9、来期見通しDI▲12.7 建設業 :今期DI▲34.0、来期見通しDI▲28.6 小売業 :今期DI▲41.9、来期見通しDI▲35.7 サービス業:今期DI▲35.5、来期見通しDI▲31.6 - 7 - 経済団体 [現状・見通し] 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・原料の仕入れ価格の上昇により、収益はダウン傾向でコスト削減も限界。 (札幌:水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・電気料金、トラック運賃の上昇から収益は減少。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・3~5%程度の収益悪化の可能性あり。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・売上単価の下落や、原材料の値上がり分を製品価格に転嫁できないことで収益を圧迫。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・出荷数量の減少、原材料コストの増加、運搬費・電気料金の値上がり等もあり、企業収益は悪化。 ・出荷数量の見通しやコスト増の状況等から、今後も厳しい経営環境が続くと予想。 (全道:生コン) ・仮に、平成 27 年 4 月から製品の販売価格を値上げしていなければ、出荷数量の落込みをまともに受け、 今以上に減益であったと想定。 出荷数量次第だが、今後の見通しは、前年に比べ減少となりそうなので、悪化すると懸念。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・消費税率引き上げ以降、収益は低下傾向にあったが、原油価格が安定しコストが低下したことから 4 か ら 6 月期では落ち着きを見せている状態。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・チャーター便の就航やクルーズ船の増加などに代表される外国人観光客が、観光の入り込み全体を牽 引。今後は、その観光客に対して如何に消費を高めてもらえるかが課題。 (函館:各種商品) ・粗利額は上がっているが経費も上昇していることから、収益はあまり上がらず。量販店は商品をパーツ 分けして販売するオムニバス手法を採用する傾向。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・やや減少。 (全道:公衆浴場) ・サービス業、建設、製造業を中心に人手不足が続いているが、道内 IT 企業も人材の確保が経営の重要 課題。 (全道:ソフトウェア) ・収益は昨年度より増加したものの、平年並みに戻ったところ。 (全道:自動車整備) 〇建設業 ・収支はプラスマイナスゼロの傾向にある業者が多い。 (札幌:左官工事) 〇運輸業 ・燃料油等の経費がかなり下がっているので、収益は良くなっている。 (小樽:一般貨物自動車運送) - 8 - (4)設備投資 分 野 機 械 内 容 [現状・見通し] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、 「設備不足」と感じている企業が4.9%。 I T [現状・見通し] ・企業により状況はさまざまである。 食 品 [現状・見通し] ・大型投資を避けて必要最小限の修繕程度にとどめる企業が多い中、製造ラインの改修などを行い業務 の効率化を目指すところもある。 商店街 [現状・見通し] ・変化なし。 卸売市場 観 光 (旅行業) 観 光 (ホテル業) [現状・見通し] ・設備投資をしていない。 ・前年に比べて今期は収益を多く見込めるため、設備の修繕を予定している。 ・施設内の照明を LED 照明に変更した。 [現状・見通し] ・特になし。 [現状・見通し] ・堅調に推移している。 建 設 [現状・見通し] ・建設機械等の設備投資は受注量等によって左右されるが、各企業の動向までは把握していない。 運 輸 [現状・見通し] ・車両の代替えといった設備投資は進んでいない。 経済団体 [現 状] (道商連) ・ 「中小企業景況調査」では、新たに設備投資を実施した企業は全業種平均で 17.9%〔前期 13.0%) 〕 。業 種別では製造〔前期 16.1%→24.5%〕 、建設〔前期 15.2%→30.9%〕 、卸売〔前期 9.1%→8.6%〕 、小 売〔前期 9.6%→11.8%〕 、サービス〔前期 14.9%→13.8%〕と、製造業・建設業・小売業の3業種で 設備投資を実施したと回答した企業が増加した。 経済団体 (商工会連合会) [現状・見通し] ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の業種別の設備投資状況は次のとおり。 製造業 :今期実施は回答企業 50社のうち3社、来期計画は 46社のうち6社 建設業 : 同 47社のうち8社、 同 45社のうち3社 小売業 : 同 85社のうち4社、 同 80社のうち6社 サービス業: 同 104社のうち7社、 同 100社のうち8社 - 9 - 経済団体 [現状・見通し] 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・設備投資の動きは鈍いものの、一部で冷蔵庫等の新設が見受けられる状態。 (留萌・水産食料品) ・衛生面が特に厳しいため、最低限の設備投資をしなければ販売できない状態。 (札幌・水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・設備投資はできない。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・業界においては、積極的な設備投資が少ない。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・国のものづくり補助金や省エネ補助金の効果もあり、少し動きが出てきている状態。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・総じて生コンのプラントの老朽化が進んでいるが、収益の悪化や将来の需要の増加が見込めないこと などから、現状では設備投資に充分な資金を充てることができない。 (全道:生コン) ・設備投資については、維持、補修にとどまっているところが多い。今後の見通しは、一部の地域を除き、 維持・補修で、新たな設備投資に関しては様子見の状態。(札幌:砕石) 〇卸売業 ・医療機器や薬品関係では耐震問題もあり、老朽化した社屋の建替移転が進んでいる状態。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・新規投資は少なく、不採算店の閉鎖や廃業が続いているところ。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・ボイラー等設備の大きな入れ替えは厳しく、修理をしながら使用しているのが現状。 (全道:公衆浴場) ・IT 業界としては大がかりな設備投資などの必要性はないが、収益の向上に伴ってシステム機材やネッ トワーク環境を都度更新。 (全道:ソフトウェア) 〇運輸業 ・現状維持もしくは縮小傾向。 (小樽:一般貨物自動車運送) - 10 - (5)雇用、賃金 分 野 機 械 内 容 [人手(過)不足の状況] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、 「人手不足」と感じている企業の割合は51.5%、 「人件費が増加」と感じている企業の割合は18.4%。 I T [雇用調整等の状況] ・特になし。 [人手(過)不足の状況] ・特定の部門に不足感を感じている。 [人手不足の解消に向けた取組] ・ホームページや就活サイトの活用、プロジェクトの縮小、外注者の募集等。 [新規学卒者の採用動向] ・前年程度の採用、もしくは採用枠の拡大を検討している企業がある。 [女性の採用等の状況] ・積極的な採用を計画している企業もある。 食 品 [雇用調整等の状況] ・総体的な労働力不足から、正社員や季節臨時従業員の賃金がアップしている。 [人手不足の解消に向けた取組] ・派遣社員の採用。 [新規学卒者の採用動向] ・職員が高齢化していることから、計画的な採用を予定している。 [女性の採用等の状況] ・女性の昇進を一部で実施している。 商店街 [人手(過)不足の状況] ・飲食店など業態によって人手不足が続いている。 卸売市場 観 光 (旅行業) 観 光 (ホテル業) [雇用調整等の状況] ・雇用に関しては適正である。 [人手(過)不足の状況] ・現状では適正である。 [人手(過)不足の状況] ・インバウンド関係の業者は人手が不足している状況である。 ・仕事量が減っている。また、若い人が会社に入ってきていないという理由から、廃業を考えている国 内旅行向けの業者が増加している。 [人手(過)不足の状況] ・各社とも人材確保に苦慮している。 [新規学卒者の採用動向] ・ここ最近で、売り手市場に一気に変わりつつあるのを感じる。 ・専門学校に対する規制がないため、相当早い時期から学校生による就職活動の動きが見られ、採用が ほぼ決まりつつある。 ・男性の希望者が極端に少なく、採用内定の8割から9割は女性であるところが多い。 - 11 - 建 設 [雇用調整等の状況] ・労働者の賃金は上昇の傾向がやや強まっているが、今後は上昇傾向が弱まる見通し。 [人手(過)不足の状況] ・建設工事の受注が減少していることから、労働者を確保することが困難な傾向が続いており、今後は 困難な傾向がやや強まる見通し。 運 輸 [人手(過)不足の状況] ・運転者の不足が深刻化しており、募集しても集まらない状況である。 [人手不足の解消に向けた取組] ・任期制自衛官に対する職業紹介やドライバーの大型免許等取得に対する助成事業等を実施している。 [新規学卒者の採用動向] ・新規学卒者については、中型免許制度の関係で雇用の目処は立っていない。 [女性の採用等の状況] ・女性ドライバーの雇用促進対策が課題になっている。 経済団体 [人手(過)不足の状況] (道商連) ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の全業種の人手過不足DIが▲14.8 と、前期(▲12.4)より不 足すると回答する企業が増加した。業種別では、製造(前期 7.0→今期▲3.6)、建設(▲21.5→▲14.7)、 卸売(▲17.3→▲17.0)、小売(▲10.0→▲12.8)、サービス(▲20.4→▲25.6)となっている。 経済団体 (商工会連合会) [人手(過)不足の状況] ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の業種別の人手過不足DIは次のとおり。 製造業 :今期DI 4.4、来期見通しDI 4.5 建設業 :今期DI 0.0、来期見通しDI▲2.1 小売業 :今期DI 3.0、来期見通しDI▲1.5 サービス業:今期DI▲8.0、来期見通しDI▲9.4 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) [雇用調整等の状況] 〇食料品製造業 ・小規模な企業では人材の採用を見送る。 (留萌・水産食料品) 〇窯業・土石製品製造業 ・人手不足のため、中途採用や高齢者の雇用延長を実施。今後の見通しとしては、砕石業での新規学卒者 の採用は難しい状況であることから、中途採用や高齢者の雇用延長等で乗り切ろうとしている状態。 (札幌:砕石) 〇小売業 ・全体として賃金上昇の傾向があるため、人手不足の感はあるものの経営上の不採算により雇用を伸ば せない。 (全道:電気機械器具) ・スタッフの人員削減やベースアップの凍結などによって、苦境を乗り切らざるを得ない状況が続いて おり、各種待遇を含めた労働環境の改善が改めての課題。また、待遇面での不満を訴える声も多くあ り、モチベーションを維持することが次第に困難になっている様子。 (全道:燃料) 〇サービス業 ・家族経営のため、過度な労働の場合には休業を増やす対策もあるが、雇用は無理。 (全道:公衆浴場) [人手(過)不足の状況] 〇食料品製造業 ・人が集まらないため、外国人の採用を真剣に検討。 (札幌・水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・需要の減少から不足感なし。一般的に不足の場合は残業で対応。 (全道:一般製材) - 12 - ・今後の人材確保の観点から、林業専門学校の開設に向けた機運の高まりに期待。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・10月から12月の繁忙期には、短期パートやアルバイトが不足。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・人手はほぼ充足。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品 ・専門知識を有した資格保有技術者の高年齢化が特に顕著であることから、生コンの品質を確保してい く上で大きな課題であると認識。 (全道:生コン) 〇商店街 ・雇用情勢は改善。新規求職者数が減少したことなどから、5 月の有効求人倍率(常用)は 6 か月連続で 前年を上回る。 (帯広:各種商品) [人手不足の場合、解消のために実施した具体的な取組] 〇小売業 ・全国的な少子高齢化や若者が職を求めて転出する傾向に歯止めが利かず、人口減少は大きな問題。この ため、アルバイトなどの新規募集をしても応募がない店舗がいくつかあり。 (函館:各種商品) 〇サービス業 ・道内の IT 企業は人材不足に悩む首都圏からのシステム開発の需要が旺盛であり多忙。札幌での大手シ ステム会社の採用拡大が報道されるなど、今後さらに人材の争奪戦が懸念。このことからも、IT 企業 は新卒、中途採用を問わず常時採用活動を実施しているが充足できていない状態。今後も技術者不足 は続き、経営上の大きな問題になることが予測されるが、技術経験のあるシルバー人材や家庭に入っ てしまった主婦技術者の掘り起しなどが活発化することも予見。 (全道:ソフトウェア) ・本年3月、各地域に運輸支局・自動車関係団体等で構成する「自動車整備人材確保・育成連絡会」を設 立し、自動車整備の人材確保に関する情報の共有を行い、連絡会として5月~7月かけて高校訪問を 実施。 (全道:自動車整備) 〇建設業 ・左官技能者の5年、10年後の高齢化が現実のものとなるため、若手技能者の入職や育成が業界として 大きな課題。このため、集団求人や就職説明会に参加するとともに、左官職種への理解を深めてもらう ため、左官工法や環境性能、優れた装飾性を技能フェスティバルや現場説明会、展示会などを通じて子 供や一般市民、工業高校生に広くPR。 (札幌:左官工事) 〇運輸業 ・業界全体で人材不足になっているものの、新規就労者が少なくなっていることから引き抜きあいにな り、賃金も上昇せざるを得ない。また、中型免許制度の問題もあり、すぐには解消できず。 (小樽:一般貨物自動車運送) [新規学卒者(来春)の採用動向] 〇食料品製造業 ・一部大手では、来春の大卒者に向けた募集を行ったものの、応募が少ない。今後は中途採用も視野に入 れる。 〇木材・木製品製造業 ・新規学卒者の採用予定なし。 〇卸売業 ・雇用は適正人員を維持し安定。新卒採用には積極的であるが、中小企業には良い人材が集まりにくい状 態。 (札幌:各種商品) [女性の採用・登用の状況] 〇木材・木製品製造業 ・新規学卒者、女性の採用予定なし。 (全道:一般製材) - 13 - (6)資金繰り 分 野 機 械 内 容 [現 状] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、4 月~6月期の資金繰りは前年対比で、 「好転」が 14.9%、 「悪化」が8.1%。 [見通し] ・7月~9 月期の資金繰りは前年対比で、 「好転」が14.9%、 「悪化」が7.1%。 I T [現状・見通し] ・特に問題等なし。 食 品 [現状・見通し] ・今のところほとんど問題はないが、一部の企業からは金利の引き下げについての要望がある。 商店街 [現状・見通し] ・比較的安定している。 卸売市場 観 光 (旅行業) [現状・見通し] ・順調である。 ・前年よりも良い状態であるが、今後のことを考えると楽観視はできない。 [現状・見通し] ・特になし。 観 光 [現状・見通し] (ホテル業) ・堅調に推移している。 建 設 [現状・見通し] ・厳しい傾向が続いており、今後も厳しい傾向がやや強まる見通し。 [金融機関による貸出傾向] ・容易傾向が続いており、今後もその傾向が続く見通しであるが、下請け企業等は依然として厳しい状 況にある。 運 輸 [現状・見通し] ・特に悪化はしていない。 金 融 [保証状況] ・平成27年度第1四半期時点の保証承諾累計は、7,517件(前年比101.5%) 、金額91,5 83百万円(前年比103.9%)と件数、金額ともに増加した。 (前年実績7,404件、88,1 60百万円) ・業種別では、主要三業種(建設業・卸売業・小売業)の構成比は62.0%で前年より0.8ポイント 上昇した。このうち、建設業が33.7%で0.6ポイント上昇、卸売業が15.1%で0.3ポイン トの上昇、小売業が13.2%で0.1ポイント低下した。 ・保証債務残高は、95,913件(前年比97.9%) 、金額813,349百万円(前年比96.8%) と件数、金額ともに減少した。 (前年実績97,930件、840,492百万円) ・業種別では、主要三業種(建設業・卸売業・小売業)の構成比は54.6%で前年より0.3ポイント 低下した。このうち、建設業が25.3%で前年と変動なし、卸売業が13.9%で0.1ポイントの 低下、小売業が15.4%で0.2ポイント低下した。 - 14 - [代位弁済] ・平成27年度第1四半期時点の代位弁済累計は、346件(前年比75.7%) 、金額2,794百万 円(前年比75.0%)と件数、金額ともに減少した。 (前年実績457件、3,726百万円) ・業種別では、主要三業種(建設業・卸売業・小売業)の構成比は57.9%で前年より10.6ポイン ト上昇した。 このうち、建設業が18.7%で0.6ポイント、卸売業が16.8%で7.4ポイン ト、小売業が22.4%で2.6ポイントいずれも上昇した。 経済団体 [現 状] (道商連) ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の全業種の資金繰りDIが▲13.1 と、前期(▲16.4)に比べ 3.3 ポイントマイナス幅が縮小した。業種別では、製造(前期▲19.0→今期▲10.7)、建設(▲12.3→▲8.8)、 卸売(▲18.2→▲15.6)、小売(▲22.9→▲16.9)、サービス(▲9.7→▲13.3)となっている。 経済団体 (商工会連合会) [現状・見通し] ・ 「中小企業景況調査」では、4~6月期の業種別の資金繰りDIは次のとおり。 製造業 :今期DI▲14.3、来期見通しDI▲ 6.1 建設業 :今期DI▲10.6、来期見通しDI▲14.8 小売業 :今期DI▲25.3、来期見通しDI▲26.7 サービス業:今期DI▲19.8、来期見通しDI▲24.7 経済団体 [現状・見通し] 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇木材・木製品製造業 ・厳しい状況の中、各種制度資金の借り入れなどで何とかやり繰りして対応。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・現状よりも厳しくなると予想。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・少し厳しくなってきているところもあり。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・特に大きな問題にはなっていない。 (全道:生コン) ・出荷数量の減少を製品価格の値上げによって、前年並みを維持できていると想定。今後、出荷数量が大 きく落ち込めば、資金繰りは悪化。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・大きな問題はなく安定。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・資金繰りは厳しいものの、現金決済のため不渡りによる倒産は少ない。一方で、廃業が組合員だけで 10 店と多い。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・資金繰りが厳しいため、大きな資金投入はできない。 (全道:公衆浴場) ・IT 業界全体が活況を呈しており、多額の設備投資もそれほど必要としないため、事業展開上の資金繰 りには苦慮していない。売上と利益は確実に見込めるため、資金繰りについては問題ない。 (全道:ソフトウェア) - 15 - (7)その他 分 野 商店街 内 容 ・消費税免税制度の影響により、外国人旅行者の売り上げが伸びている。 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・原料高、人手不足、人件費といった経費の上昇など厳しさは増す状況。 (札幌・水産食料品) 〇サービス業 ・道内の IT 企業の 7~8 割は 50 人以下の中小企業が多い。過去に、大手企業のシステム子会社や卓越し た技術開発力を持った技術者が独立して IT 企業を設立した結果。 技術者兼経営者として長年にわたり会社経営に携わってきた例が多く、世代交代の時期に来ているこ とも事実。今後どのように解決策を講じるのか、新たに後継者問題が浮上しつつある状態。 (全道:ソフトウェア) - 16 - 2 業界の抱える経営上の問題点・課題について 分 野 機 械 内 容 ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、経営上の問題点として、 「人手不足」が51.5%で 最も多く、次いで「原材料仕入れの価格上昇」と「競争激化」がそれぞれ28.2%で、 「諸経費の増増 加」が27.6%という順になった。 I T ・収益率の改善、人材の確保・教育、世代交代など 食 品 ・OEM 商品の値上げ交渉には時間がかかる。 ・電気料金、輸送費、包装資材、さらには主原料の値上がりが続くこと。 商店街 ・後継者、担い手不足。 ・地域の商店街における事務局の指導体制を強化すること。 ・固定資産税の負担軽減。 卸売市場 ・人材確保及び経費増大に対する対処。 ・魚の単価が高く推移していることにより取扱が減少し、一般消費者における魚離れが懸念される。 ・少子高齢化、市場外流通の増加。 貿 易 ・平成27年4月~6月の貿易相談は、相談件数が49件と、前年同期(54件)と比べて5件減少となっ た。 ・国別では、中国が最も多く44件(89.8%) 、次いでタイ、ロシア(各1件)となっている。 ・内容別では、 「ビジネスルール・貿易実務」に関する相談が37件(75.5%)で最も多く、次いで法律相 談(2件)などとなっている。 [主な相談内容] ・食品の輸出に関する規制、手続き等について ・中国への米の輸出について ・中国への化粧品の輸出に関する手続きについて 観 光 ・旅行業者の収益源である航空券や宿泊の手配等が、インターネット等に取って代わられている。そう遠 くない将来に、旅行業は無くなるだろうと予想する関係者が多い。 ・旅行業者に求められているプロとしての企画力・仕入力・ノウハウを持っている人材が少ない。 (旅行業) 観 光 ・耐震診断の対象となるホテルにおいては、その改修費用が大きな問題となっている。 (ホテル業) 建 設 運 輸 ・ 「受注の減少」 、 「従業員の高齢化」 、 「人手不足」 (今期は受注の減少が人手不足を上回る結果となった) ・燃料価格の変動、運転者不足、労働時間等規制の罰則強化。 - 17 - 経済団体 (道商連) ・ 「中小企業景況調査」では、今期の経営上の問題点として、依然として「需要の停滞」が全業種で大き な要因となっている。また、製造業では「原材料価格の上昇」 、建設業では「材料単価の上昇」 、卸売業 では「仕入単価の上昇」 、小売業では「消費者ニーズの変化への対応」 、サービス業では「利用者ニーズ の変化への対応」などの問題点が浮上している。 製造業 : 「原材料価格の上昇」 (41.3%) [前回 「需要の停滞」 (13.0%) [前回 「製品ニーズの変化への対応」 (10.9%) [前回 建設業 : 「官公需要の停滞」 (15.6%) [前回 「材料単価の上昇」 (12.2%) [前回 「熟練技術者の確保難」 (10.3%) [前回 卸売業 : 「需要の停滞」 (29.2%) [前回 「仕入単価の上昇」 (25.0%) [前回 「商品在庫の過剰」 ( 8.3%) [前回 小売業 : 「消費者ニーズの変化への対応」 (19.5%) [前回 「需要の停滞」 (14.5%) [前回 「仕入単価の上昇」 (12.9%) [前回 サービス業 : 「需要の停滞」 (20.5%) [前回 「利用者ニーズの変化への対応」 (13.7%) [前回 「材料等仕入価格の上昇」 (11.0%) [前回 経済団体 (商工会連合会) 26.7%] 、 31.2%] 8.9%] 12.0%] 12.0%] 8.0%] 29.5%] 27.3%] 2.3%] 16.7%] 21.6%] 10.0%] 25.6%] 12.0%] 7.2%] 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 〇製造業 ①原材料価格の上昇、②需要の停滞、③生産設備の不足・老朽化、④製品ニーズの変化、 ⑤製品(加工)単価の低下、上昇難 〇建設業 ①官公需要の停滞、②民間需要の停滞、③材料価格の上昇、④大企業進出による競争激化、 ⑤請負単価の低下、上昇難 〇小売業 ①購買力の他地域への流出、②需要の停滞、③大型・中型店進出による競争激化、 ④消費者ニーズの変化、⑤仕入単価の上昇 〇サービス業 ①利用者ニーズの変化、②材料等仕入単価の上昇、③需要の停滞、④店舗施設の狭隘・老朽化、 ⑤従業員の確保難 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・留萌の水産加工業は「数の子」の製造が主体のため、商機が年末に集中。新商品の開発等を通して売上 時期の平準化を図っていかなければならない状態。 (留萌:水産食料品) 〇印刷業 ・需要が減少していることから、新規需要の掘り起こしをする必要あり。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・ 「需要に見合った適正生産体制の構築のための工場集約化」 、 「共同販売体制の維持」 、 「適正価格の確保」 、 「コンクリート舗装等の新規需要開拓」 、 「資格保有技術者や若年層の確保」 。 (全道:生コン) ・公共事業の削減と再生骨材への転換によって、路盤用の新材が大幅な需要減が続き、生コン用・舗装用 の円滑な生産・販売に支障をきたすとともに経営を圧迫。 ・ 「電気料金が再値上げ」 、 「資機材価格の高止まり」 、 「環境保全対策費や雇用環境改善費用の捻出」 、 「再 生骨材の地域外からの流入」が懸念材料。 - 18 - ・軽油引取税免税処置の 3 年間延長が平成 27 年 3 月に期限を迎えたが、さらに 3 年延長されることにな ったことは朗報であるが、廃止された場合のコストアップ分を負担することは業界が置かれている現 状では極めて困難であることから、恒久化、再延長を求めていく必要あり。 ・平成 30 年 4 月分からの労災保険料率の改定についても影響が懸念。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・卸団地組合の多くは、建物完成後 50 年程度経過しており、老朽化した設備の対応に課題を抱える。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・日銀札幌支店の調査によると、外国人観光客の道内滞在中の消費単価は、全国の他の地域に比べて極め て低い水準。増加する外国人旅行者に対するその辺りの対応を考えていく必要あり。 (函館:各種商品) ・家電メーカーの合理化と家電商品の製造アイテムの減少、修理、サービス体制の縮小が著しい。 (全道:電気機械器具) ・原油価格の下落や円安基調が継続している状況を踏まえ、仕切り価格の上昇などがどこまで続くかは 予断を許さない状況。また、消費者の節約基調も一層顕著となっており、マージン率の低下は死活問題 であり、長期化する景気低迷が払拭されない限り、需要不振等を背景とする健全なる経営の安定は望め ない。 (全道:燃料) 〇サービス業 ・道内企業における現状での最大の経営課題は、技術者の絶対数の確保と育成。大手システム開発会社が 札幌拠点の技術者を大幅に増強するとの報道がなされるなど、首都圏企業からは北海道はまだまだ優 秀な人材やスキルに余力があるように見られる傾向があり、企業間での人材や人数の取り合いも心配。 また、道内の IT 企業の 7~8 割は 50 人以下であり、人材の育成面では期間、費用、教育機関等が不十 分であり、今後の大きな課題。 (全道:ソフトウェア) 〇建設業 ・若手の人材不足を解消するため、賃金のアップや社会保険はじめ福利厚生の充実が必要に迫られてい ることから、売上単価のアップや安定した仕事量の確保が課題。 (札幌:左官工事) 〇商店街 ・郊外型大型商業施設への買い物客の流出が継続。 - 19 - 3 経済動向の影響・対応について (1)為替相場の変動の影響 分 野 機 械 内 容 ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、 「影響を感じる」と回答した企業が22.7%。 【影響がある主な要因】 ・円安に伴う原材料価格の上昇や、輸送・燃料コスト、仕入れ額等の増加により製造経費に影響がある。 ・顧客の海外からの調達が変動する。 ・各企業の設備投資意欲の変動により建築物件数に増減が起こる。 ・輸入品の値上げにより、販売価格に転嫁できず利益が減少する。 ・顧客の収入変動により、間接的に影響する可能性はある。 I T ・機械類、消耗品等の値上がりがある。 ・中国の委託・外注先の支払について円安の影響により外注費が増加している。 食 品 ・原材料費・燃料費の上昇により、原価率が上昇して収益に影響がでている。 商店街 ・一部商品の仕入れ価格が上昇している。 卸売市場 観 光 ・世界的な需要の高まりや円安の影響により、輸入魚の単価高と他国との買い負けの影響が出ている。 ・為替相場の影響により、安定した輸入魚における相場の形成が阻害されている。 ・魚の原価高騰を価格に反映できない。 ・諸経費の増加、商品の値上げ等に影響がある。 ・原材料の仕入れに悪影響を及ぼしている。 (ホテル業) 建 設 ・海外からの資材調達が必要な一部の物件については影響がある。 運 輸 ・円安の影響で、石油製品を中心として資材価格が上がり気味である。 経済団体 「中小企業景況調査」の結果は次のとおり。 (道商連) 〇食料品製造業 ・円安の影響を受け、輸入原料の仕入単価が上昇した。 ・売上は前年比 10%マイナス。仕入単価は円安の影響で上昇傾向が続き採算は悪化した。 ・為替の円安傾向による仕入単価の上昇は、暫く続くと見ており採算の好転は見込めない。 〇小売業 ・円安が進み仕入れコストが上昇した。 (ガソリンスタンド) 経済団体 (商工会連合会) 「中小企業景況調査」では、4~6月期と前年同月期とのDI値比較は次のとおり。 製造業 :売上DI 1.1、採算DI▲ 1.3 建設業 :売上DI▲18.7、採算DI▲20.2 小売業 :売上DI▲ 8.9、採算DI 2.4 サービス業:売上DI▲ 1.8、採算DI 3.1 - 20 - 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・留萌の水産加工業のニシンのほとんどがアメリカ、カナダから輸入している。6~8月が原料買付の時 期で、前年の同時期と比較すると、為替変動によって仕入れ価格が約20%強程度上昇。 (留萌:水産食料品) ・輸入原料 20%アップ分を製品価格に上乗せすることができず、利益が減少。 (札幌:水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・林業の機械化推進に円安の影響あり。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・直接的にはあまり影響は受けていない。 (全道:加工紙) 〇印刷業 ・円安により洋紙、薬品、刷版等の原材料費が上がり、それにより各製品が値上がり。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・内需依存型産業で、原材料の輸入や製品の輸出はないので、為替相場の変動に伴う収益面への直接的な 影響なし。 (全道:生コン) ・砕石業は輸出産業ではないので、製品販売での為替相場の変動による収益への影響は限定的ではない かと思われるが、円安による原材料、物価高はコスト増となる。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・円安による仕入れ価格の上昇が収益を圧迫。対応策が浸透したことで収益的には落ち着いたが、大幅な 変動には対処できない。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・GW終了後の入り込みには若干の物足りなさを感じているものの、訪日外国人観光客に助けられてい る状況。 (函館:各種商品) ・仕入れ価格の上昇傾向が大きい。商品アイテムが減少。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・道内の IT 企業が為替相場の変動の影響を直接受けることはほとんどない。道内 IT 企業で海外進出し ている会社は少なく、海外からビジネスを受注しているケースもほとんどないので、企業収益に与える インパクトは極めて小さい。過去に、人材やコスト面から中国へシステム開発を発注(オフショア)し たケースがあったが、言葉の問題や完成品の品質問題から国内回帰(ニアショア)が進んでいるため、 このことについても為替の影響は少ない。 (全道:ソフトウェア) ・油脂類の価格は横ばい。 (全道:自動車整備) 〇運輸業 ・一部の大手業者だけが大きな利益を得ているようだが、輸入品絡みで商売している業種は苦労。 (小樽: 一般貨物自動車運送) - 21 - (2)原油・原材料価格の変動の影響 分 野 機 械 内 容 ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、 「収益の影響」を感じると回答した企業が53.4%。 【影響がある主な要因】 ・輸送コスト、電気料金、燃料費、資材費等の価格影響により収益が圧迫されている。 ・材料価格が大幅に上昇すれば、上昇分を製品に転嫁する交渉が必要になる。 ・価格転嫁はできないため、副資材費がかさみ減収となる。 ・輸送コスト、燃料費、原材料等の変化はあるが、鉄骨加工単価が安定しているので、このままの状況 が続いてくれると良い。 ・トラック輸送をコンテナ輸送等に一部切り替えている。 ・価格転嫁を一部実施したが、有効性が現れるのは半年から一年後だと思われる。 ・原材料等の価格変動が販売価格に自動的に転嫁されるビジネスはそう多くはなく、原則として販売 価格は取引先との個別交渉となる。結果的に継続した企業の改善努力が求められる。 ・原材料価格の値上りを売値に転嫁した。 I T ・原油価格の上昇により燃料費が増加しているが、価格には転嫁できない。 食 品 ・原油の高値安定や原材料価格の高騰によりコストアップ、収益圧迫の現象が続いている。 商店街 ・輸送コストや冷暖房燃料コストへの影響がある。 卸売市場 ・エネルギー系の価格上昇に伴い、電気料金や物流コストが増え経営を圧迫している。 ・輸送費、資材費を価格に転嫁できず、営業費用で収益が減少している。 ・ガソリン等の値下げは歓迎するも、仕入れ商品のコスト増加は販売価格に影響がある。 建 設 ・重機などの建設機械や運送関係については、一定の影響が見込まれるが、具体的な影響についての報告 は受けていない。 運 輸 ・今年になって原油価格は低下し、比較的安定してきているが、依然として予断を許さない。 経済団体 〇運送業 (道商連) ・原油安は企業経営にとって追い風であり、収益面での好転材料でもある。 〇製造業 ・資材等の高騰分を価格に転嫁できず、収益を圧迫している企業が多く見受けられる。 ・海外やインバウンド向けの出荷が増加し売上は伸びているものの、原材料の仕入価格が下がらず、収益 面で厳しい状況が続いている。 (食料品製造) ・ガソリンなどの値上がりに伴い、原材料、資材価格の値上げの動きも再開しそうであるが、その打開策 は容易ではない。 (飲料製造) 〇印刷業 ・紙、インク、洗浄液等の資材価格全般が上昇し、経費では電気料金が 4 月から大幅に上昇したため、結 果として利益は前年同期を下回った。 経済団体 (商工会連合会) 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 〇製造業 ・運送料等の値上がりや世界的な原料の不作な状況もあり、今年は残りの在庫で乗り切るしかない。 - 22 - ・原材料仕入単価の上昇や水道光熱費(電気代)の上昇により経営が厳しい。 ・原材料価格と人件費の上昇が経営を圧迫している。 〇サービス業 ・高齢化により客の送迎が増え、車輌費が増加している。 ・販売価格を上げることが困難であるとともに、毎年上がる経費で利益は上がらない。 ・需要の停滞や経費の増大が進行している。 ・電気・灯油代の値上げ、さらには人口減少問題を考えると、料金は上げることができない状況。 ・仕入材料費が増加しているが、売上単価の上昇は困難であるため利益が上がらない。 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) 〇食料品製造業 ・今のところ大きな影響を感じていない。 (留萌・水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・原油等の価格は高値安定で推移しているが、トラック輸送賃の増高分を価格に転嫁できない状況。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・主原料である板紙等の価格が値上がりすると、経営に大きな打撃を受ける。 (全道:加工紙) 〇窯業・土石製品製造業 ・セメント、骨材等の原材料費の増加により、収益に大きな影響を受ける。 (全道:生コン) ・原油・原材料価格は、工場施設、使用重機、輸送車両、購入資材等のコストアップに直結。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・原油価格が低下したことで比較的落ち着いているが、今後、世界的な需給バランスや政治情勢の変化に よる価格変動は脅威。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・ガソリン価格の高値安定で経営コストは上昇。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・燃料油の価格変動に一喜一憂している状況。 (全道:公衆浴場) ・道内の IT 企業にとって、原油・原材料価格の変動についての影響は特にない。 (全道:ソフトウェア) ・油脂類の価格は横ばい。 (全道:自動車整備) 〇建設業 ・モルタル、左官砂、ボードなどの資材が高止まりする中で、売上単価には転嫁できていない状況。 (札幌:左官工事) 〇運輸業 ・良い所は何もない。 (小樽:一般貨物自動車運送) 〇商店街 ・原材料費の値上がりを販売価格に転嫁することが難しく、経営を圧迫。 (帯広:各種商品) - 23 - (3)消費税率引き上げに伴う影響【追加調査】 分 野 機 械 内 容 [影響の度合い] ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、 「影響大」が2.5%、 「影響多少あり」が20.2%、 「影響あまりない」が71.2%。 【影響ありの主な要因】 ・予測より売上高が鈍化している。 ・利益が少ないため消費税の負担が大きい。 ・受注量は相当程度あるものの、消費税分が単価に吸収され実質の単価が減少している状況である。 ・駆け込み需要が顕著にあったので、その後の落込みは予測どおりのものであった。 ・新規住宅着工数の減少により、売上高が減少している。 ・直接的な影響は少ないものの、自動車の販売台数が前年同月比を割り込むなど国内売上への影響が出て いる。 I T [影響の度合い] ・特にないとしながらも、元値の値引き折衝が強くなったと感じている企業もある。 [影響が残っている業種・業態] ・特定の業種はない。 [影響の内容] ・一部で仕入価格が上昇している可能性がある。 [廃業倒産等が生じた事業] ・特になし。 [価格転嫁の状況] ・仕入価格の上昇以外に特に影響はない。 食 品 [影響の度合い] ・消費税率の引き上げ当初は売上減少などの影響があったが、現在はほとんどない。 商店街 [影響の度合い] ・売上高が回復せず影響が残っている。 [影響が残っている業種・業態] ・物販、サービス業。 [影響の内容] ・売上高が減少している。 [価格転嫁の状況] ・適正な価格転嫁に努めている。 卸売市場 [影響の度合い] ・消費税率引き上げから一年が経過したことで、落ち着いた感があり影響は特にない。 ・消費者の低価格志向は継続している。 ・駆け込み需要の反動があった。 [価格転嫁の状況] ・外税方式をとっている。 観 光 [影響が残っている業種・業態] (ホテル業) ・価格転嫁の問題は徐々に解消しつつあるが、個人消費向けの飲食店業は厳しい状況が続いている。 - 24 - 建 設 [廃業倒産等の生じた事業、価格転嫁の状況] ・消費税率引上げによる倒産や価格転嫁などの影響についての報告は受けていない。 運 輸 [影響の度合い] ・特に大きな影響はない。 経済団体 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 (道商連) [影響の度合] 〇卸売業・小売業 ・消費税率引き上げ後、消費者の購買力は依然として上がっていない。 (食料品小売業) 〇製造業 ・昨年の消費税率引き上げに伴い、原材料の仕入単価が上昇したため商品価格の改定をした。この影響で 少し売上が鈍化傾向にある。 (食料品製造) 〇建設業 ・昨年の消費税率引き上げの影響で、遠のいていた客足が微弱だが戻りつつあるものの、依然として厳し い状況は続いている。現在、地方創生の一環としてプレミアム商品券を発行されている。今後、消費者 の購買力に期待している。 (建設) 〇卸売業 ・売上は前年同期に比べて大幅に伸びている。これは昨年3月に駆込み需要があり、その反動で4月に売 上が落ち込んでいたものが、今年になり平年並みに戻ったためである。 (農業資材卸) [影響の内容] 〇建設業 ・昨年の消費税率の引き上げによる反動も解消し、今春は改修市場が好調で夏場以降もこのまま推移す るように感じているが、新築市場が例年と比較して冷え込んでいる。 (防水工事) 〇サービス業 ・大手激安店や固定客の高齢化等の影響により、売上げが減少している。今後の消費税率引き上げ時に は、価格を値上げせざるを得ないため、さらなる顧客離れが懸念される。 (理容業) ・消費税率が 8%になってからは商品単価の安い物に集中したため、全体の売上は下降した。 (土産品販売) [価格転嫁の状況] 〇製造業 ・昨年4月の消費税率引き上げ後、価格を適正に転嫁できなかったことから、今年の納税時期には思わぬ 納税金額が明らかとなったところである。 (金属製品製造業) 経済団体 (商工会連合会) 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 [影響の度合い] 〇製造業 ・消費税率引き上げの影響も含め、諸経費の値上がりや原材料費の高騰などで経営は厳しい。 〇建設業 ・消費税率引き上げ後、民間工事が停滞している中、同じく大幅に減少している公共工事に依存しながら 何とかやっている状況。 〇小売業 ・消費税率引き上げ後は、客の購入単価が上がらないまま推移しており、売上の減少が続いている。 ・消費税率引き上げ後、商品の値上がりによる影響が徐々に出ており、価格転嫁もできず経営は厳しい。 [影響の内容] 〇サービス業 ・消費税率引き上げにより、顧客の利用回数が低下するなど需要が停滞している状況である。 ・商品単価を引き上げることは難しく利益が上がらない。 - 25 - [廃業倒産等が生じた事業] 〇サービス業 ・消費税率引き上げの影響で利用者は減少し、仕入が困難となり廃業も検討している。 [価格転嫁の状況] 〇サービス業 ・消費税率引き上げに伴い、仕入価格が上昇し経費が増加したことから販売価格に転嫁したところ。今 後は、消費者の動向を見極めなければならないと思っている。 ・景気は回復しているものの、消費税率引き上げ分を販売価格に転嫁することは困難であり、毎年上が る経費を考えると利益の上昇にはならない。 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) [影響の度合い] 〇食料品製造業 ・消費税は適切に処理されており、あまり影響があるとは思っていない。 (留萌:水産食料品) 〇紙・紙加工品製造業 ・影響はあまり感じられなくなった。 (全道:加工紙) 〇窯業・土石製品製造業 ・出荷数量の減少が売上高の減少につながる。 (全道:生コン) 〇サービス業 ・消費税率引き上げに伴う IT 企業への影響は極めて少ない。 (全道:ソフトウェア) [影響が残っている業種・業態] 〇サービス業 ・消費税率引き上げの影響は残っていない。 (全道:自動車整備) [影響の内容] 〇窯業・土石製品製造業 ・平成 26 年 4 月の消費税率 3%分に加え、本体価格も上昇し物価高になっていることから、消費者マイ ンドに影響あり。 (札幌:砕石) 〇小売業 ・需要低迷、商品買換えのサイクルが伸びる傾向。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・入浴客が減少し、営業経費が増大。 (全道:公衆浴場) ・活発な大手企業の IT 投資によって、システム受託開発が伸びており、受注単価の上昇や経費の抑制、 生産性の向上等といった企業努力で収益構造は良好。しかし、消費税率引き上げによるパッケージ販売 や単純なハードの買い替えについての買い控えは否定できず。 (全道:ソフトウェア) 〇商店街 ・大型店の衣料品売上高は、消費増税の反動減のあった前年をさらに下回る。 (帯広:各種商品) [廃業倒産等が生じた事業] 〇サービス業 ・消費税率引き上げの影響で廃業、倒産、事業縮小等が発生したというケースはない。 [価格転嫁の状況] 〇印刷業 ・価格転嫁はほぼ終了。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・砕石業は外税での慣習が根づいているので、転嫁の問題が生じることはない。 〇卸売業 ・大手の販売先からの納入価格に対する圧力はなくなったが、零細な小売・飲食業等は消費税の転嫁が難 しく、販売先確保のため低価格を余儀なくされている状態。 (札幌:各種商品) 〇サービス業 ・価格転嫁は実施済み。 (全道:公衆浴場) - 26 - (4)電気料金の再値上げ ①再値上げへの対策【追加調査】 分 野 機 械 内 容 ・北海道機械工業会「企業経営環境調査」において、 「影響あり」と回答したのが47.2%。 (前回調査時 は48.6%) [電気を大量に使用する施設・設備] ・電気炉での溶解作業のため大量に電気を使用し、コストが増加している。 ・溶接機、クレーンなど電気を使用する機械により製品を作っている。 [影響の内容] ・アルミ熔湯温度の低減等により電力量は削減できたが、費用は若干増加したため収益を圧迫している。 ・省エネ機器を導入したことで、電力使用量が減少し、支払料金も減少している。 ・受注量・売上高への影響はないと思われるが、度重なる電力料金の値上げは収益を著しく圧迫する。 ・経常利益の減少が考えられるが、影響を最小化するため改善に努めている。 I T [影響がある業種・業態] ・放送通信業、病院、小売業(ショッピングセンター)など。 [電気を大量に使用する施設・設備] ・IT 業界ではデータセンターの影響が大きい。 [影響の内容] ・7月時点では特筆すべき影響は見られない。 [事業縮小等が発生した事業] ・特になし。 [今後の影響] ・予測はできないが、全般的な経費削減を進めるとともに、今までどおり節電を強化する。 商店街 [影響がある業種・業態] ・飲食店、理美容店、クリーニング店、生鮮食品販売店、商店街組織。 [電気を大量に使用する施設・設備] ・冷蔵設備、冷暖房設備、アーケード等照明。 [影響の内容] ・収益が減少している。 卸売市場 [電気を大量に使用する施設・設備] ・常温冷蔵庫の保管料が値上げされたことから、在庫の効率的な回転と商品在庫の軽減に努める。 観 光 [電気を大量に使用する施設・設備] (ホテル業) ・大規模な建築物のホテルは電力に依存する割合が高く、経営を圧迫し続けている。 [今後の影響] ・今期は暖かい春と涼しい初夏により電力消費が抑えられているが、8月以降は電気料金の影響が厳し くなると思われる。 建 設 [影響の内容] ・建築工事において、完成した建物等を発注者に引き渡すまでの電気料金などの維持経費に影響が生じ る。業界全体としては節電に取り組んでいるが、特段の対策は予定していない。 運 輸 [影響の内容] ・電気料金のコストに占める割合が小さいため、大きな影響はない。 - 27 - 経済団体 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 (道商連) [影響の内容] ・紙、インク、洗浄液等の資材価格全般が上昇し、経費では電気料金が 4 月から大幅に上昇したため、利 益は前年同期を下回った。 (印刷業) ・マーケットが縮小傾向の中、競合激化によって売上を維持することは厳しい。また、用紙等の仕入価格 や電気料金の値上げが採算悪化の主因である。 (印刷業) [今後の影響] ・売上は増加傾向にあるが、仕入価格や電気料金の上昇により、経常利益の下降が予想される。 (食肉卸) 経済団体 (商工会連合会) 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 [影響がある業種・業態] ・影響がないという業種はない。 [影響の内容] ・電気料金を含め、全ての経費の上昇や原料不足等で経営を圧迫している。 (製造業) ・電気料金等の上昇による需要の停滞や経費増加が続いている。 (サービス業) 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) [電気を大量に使用する施設・設備] 〇食料品製造業 ・冷凍冷蔵庫を一年通して稼働させているため影響は大きい。 (留萌・水産食料品) 〇木材・木製品製造業 ・製材工場のほとんどが電力に頼っており、その影響は限りなく厳しい状況。 〇印刷業 ・印刷設備、製本設備等は動力電源であるため影響は大。また、その他の設備にも影響あり。 (全道:印刷) 〇サービス業 ・電気料金の上昇が経営に大きなダメージを与えるということはない。節電タイプの設備の導入や企業 毎の節電対策で電気料金の上昇分を吸収。 (全道:ソフトウェア) ・IT 企業は大量に使用する設備や施設は必要としないが、電気なくして仕事ができないのも事実。 (全道:ソフトウェア) [影響の内容] 〇木材・木製品製造業 ・時間外の縮小や自家発電等で対処。 (全道:一般製材) 〇紙・紙加工品製造業 ・電気料金の値上がり分を製品単価に上乗せすることができず、経営に打撃を受けている状態。 (全道:加工紙) 〇窯業・土石製品製造業 ・工場や事務所内の機械・照明を中心に電気器具のこまめな点灯・消灯の徹底や、照明器具のLEDへの 交換などを実施。 (全道:生コン) ・可能な限りで節電や経費削減を実施。また、省エネ設備については企業によって導入に差がある状態。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・組合では電力会社から高圧受電し、共同事業として組合員に配電。電力会社の料金値上げに合わせて組 合員向けの単価も引き上げざるを得ないが、余剰金の幅を圧縮して値上げ率を抑制。卸売業としては電 気料金の影響はそれほど大きくない。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・店舗内に外気を取り込むなどして各店舗で節約を実施。 (函館:各種商品) - 28 - 〇サービス業 ・値上げ分は経費の増加となるため経営努力はしているものの、さらなる節電の努力が必要。 (全道:公衆浴場) ・IT 企業の電気使用量は製造業、サービス業、医療等や他の業界と比較して多いとは言えない。 (全道:ソフトウェア) 〇運輸業 ・節電に対する取り組みにより凌ぐしかない。 (小樽:一般貨物自動車運送) 〇商店街 ・地元百貨店では、 「電気料金など諸経費の値上がりで、可処分所得が減少している。中央の好景気は、 現時点では地方にまで及んでいない」とのこと。 (帯広:各種商品) [事業縮小等が発生した事業] 〇サービス業 ・残業や長時間労働の技術者が多いため企業の魅力が失われつつあったが、電気料金値上げをチャンス として捉えて、残業や長時間勤務を減らす活動に取り組む企業が散見されてきた。このことも電気使用 量の節減につながっている。 (全道:ソフトウェア) ・電気を大量に使用していないため影響は少ない。 (全道:自動車整備) - 29 - (4)電気料金の再値上げ ②再値上げに伴う販売価格への転嫁【追加調査】 分 野 機 械 I T 内 容 北海道機械工業会「企業経営環境調査」結果は次のとおり。 [主な対策と内容] ・原価管理を総合的に実践する仕組みをはじめたところで、最初にLED照明を導入する予定である。 ・設備の更新など省エネ設備の導入を積極的に検討、実施している。一部製品によっては価格転嫁を検討 している。 ・LED化等による経費削減。販売価格の転嫁を受け入れてもらったのは50%程度である。 ・省エネ設備、導入を基本としている。自社努力で電気料金の増額を防止している。各種資材の仕入単価 が増加傾向にあるが、販売価格への転嫁は行っていない。 ・ガス等といったエネルギーへのシフトを検討するほか、生産改善を続ける。 ・チェックメーターを活用し最大動力の抑制を行っている。 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・品質、生産性向上による原価低減で、電気料金の上昇分を吸収できるような取組みは厳しい。 ・これまでどおり、設備の省エネ化、照明機器のLED化等エネルギー削減に向けた活動を継続して展開 している。販売価格への転嫁はできない。 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・転嫁できていないので早急な値下げを希望している。 食 品 [主な対策と内容] ・自社努力として、自動デマンドコントロール設備等の省エネ対応機器の導入と新電力(PPS)導入によ る電気料金の削減を図っている。 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・電気料金のコストアップを製品価格に転嫁することは認められず収益減となっている。 商店街 [業界団体が行う主な対策と内容] ・省エネ設備の導入や経費の節減を行っている。 ・省エネ設備導入に関する支援施策の情報提供や活用指導を行っている。 ・支援施策を拡充・強化している。 ・省エネ設備の導入を促進している。 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・価格転嫁は難しい。 ・大半の会員は既に設備導入や経費節減に取り組んでおり、これ以上の負担増は限界にきている。 卸売市場 [主な対策と内容] ・値上げ前から行っている電気使用量の削減の外に、LED 導入などを実施している。 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・価格転嫁は難しい。 ・電気料金の値上げ分の経費が増加すると、当然ながら経常利益は減少する。 観 光 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] (ホテル業) ・販売価格への転嫁は、それ自体では難しい。 ・客室販売のように極端に需要が伸びているもののみ対応できる状況である。 建 設 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・電気料金が再値上げされると影響が出てくると思われる。 ・経費節減や省エネ設備の導入等に向けた個別企業の努力目標は達成されても、業界全体としては難し い。 - 30 - 経済団体 (商工会連合会) 「中小企業景況調査」による結果は次のとおり。 [対策を講じるに当たっての問題点や課題] ・客離れを考えると、販売価格に転嫁することは困難である。 経済団体 会員企業に対し、次のとおり調査。 (中央会) [主な対策と内容] 〇食料品製造業 ・業界団体や行政の実施する節電セミナー等への参加を勧奨。 〇窯業・土石製品製造業 ・電気料金の再値上げ分は、平成 27 年 4 月から製品価格に転嫁し値上げを実施。 (札幌:砕石) 〇卸売業 ・卸売においては、販売価格に転嫁するほどコストに占める電気料金の比率は高くない。組合としては現 在の電力会社から他の事業者への切り替えも検討中。 (札幌:各種商品) 〇小売業 ・省エネ、創エネ、蓄エネ設備の普及と電力を自由化すること。 (全道:電気機械器具) 〇サービス業 ・値上げ分をカバーしきれなくなった場合は、価格に転嫁することを検討。 (全道:公衆浴場) ・IT 業界も電気がないと仕事にならない業界であるが、製造業やサービス業、医療業界等と比較すると、 電気の使用量は決して多くない。そのため電気料金の再値上げが企業収益に与えるインパクトは、他の 業態に比べて少ないと判断。 ・道内のシステム開発 IT 企業は再値上げ分を価格に転嫁するのではなく、技術者の時間当たり単価をア ップする交渉や生産性向上によって収益の上昇につなげる。パッケージ販売を主業務とする IT 企業に ついては、電気料金の再値上げ分を販売価格に上乗せできないため、経費節減や節電努力で対応。 (全道:ソフトウェア) [対策を講じるに当たっての問題点や課題] 〇食料品製造業 ・電気料金の値上げや為替変動などによるコスト増加が大きく、販売価格への転嫁を真剣に考えなけれ ばならないが、転嫁できていないのが現状。 (留萌:水産食料品) ・電気料金の支払いは多い時で1ヵ月に100万円以上増えているところもある。価格転嫁はできず収 益がダウン。 (札幌:水産食料品) 〇印刷業 ・製品価格への転嫁についての理解は得られないので、収益を圧迫。 (全道:印刷) 〇窯業・土石製品製造業 ・電力料金の値上げに加えて、セメントや骨材等の価格高騰による原材料費の増加もあり、前年度に多く の地域で価格の改定を実施。 しかしながら、原材料価格の上昇等は引き続いており、一部の地域では、さらなる価格の改定を検討 中。 (全道:生コン) 〇小売業 ・各店舗の努力により、目立った価格転嫁はあまり見受けられない。 (函館:各種商品) 〇運輸業 ・価格転嫁はできない。 (小樽:一般貨物自動車運送) 〇商店街 ・販売価格への転嫁は極めて難しい。 (帯広:各種商品) - 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