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あるべき農業生産の実践(岡山県GAP導入指針) 表紙および本文

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あるべき農業生産の実践(岡山県GAP導入指針) 表紙および本文
あるべき農業生産の実践
(岡山県GAP導入指針)
(イラスト等挿入)
農産物と農業者、
点検して、安全な農産物を提供するイメージ
平成22年12月
岡
山
県
全国農業協同組合連合会岡山県本部
岡山県農業協同組合中央 会
は
じ
め
に
農産物の産地偽装や輸入農産物の残留農薬問題等による「食の安全・安心」や化学物
質等による環境汚染や生物多様性への影響等を背景とした「環境保全」に対する県民の
意識の高まりから、農産物の安全性の確保や環境の保全、労働者の安全の確保等に有効
な手段である農業生産工程管理(GAP)を導入し、農業生産に係るリスク管理を一層
進める必要があります。
このため、県及び農業団体では、本県農産物に対する消費者からの信頼を高めるため、
平成20年5月に「岡山県GAP推進協議会」(以下、県協議会という。)を設立し、同
年9月に岡山県版GAP導入マニュアルの策定により、地域の実態に応じたGAPの普
及・導入を支援してきたところです。
また、平成22年4月に国が示した農業生産工程管理の共通基盤に関するガイドライン
をはじめ、一般社団法人日本生産者GAP協会が策定を目指している日本適正農業規範
やNPO法人日本GAP協会の認証農場で生産した農産物の消費者向け表示、流通業者
におけるGAP農産物の独自ブランド販売の取り組みなど、GAPを取り巻く環境はめ
まぐるしく変化しています。
こうした情勢を踏まえ、県協議会では、国の示したガイドラインに沿って、本県にお
けるあるべき農業生産の方向性を整理し、産地の実態に応じたGAP導入の拡大と段階
的な取組内容の高度化の実践を図るため、このたび、岡山県版GAP導入マニュアルを
改訂し、あるべき農業生産の実践(岡山県GAP導入指針)として取りまとめました。
産地におけるGAP導入と普及推進に御活用いただければ幸いです。
目
1
農業生産工程管理(GAP)
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
(1)農業生産工程管理とは
(2)GAPに取り組む意義
(3)GAPの実践
2
あるべき農業生産の実践の基本的な考え方
・・・・・・・・・・・・・・・
4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
(1)農業生産におけるリスク管理
(2)農産物の安全
(3)環境の保全
(4)労働者の安全
3
推進体制
4
あるべき農業生産の実践の導入・普及
・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
(1)導入・普及に当たって
(2)導入手順
(3)導入・普及の進め方
(4)導入指針の活用
5
取り組みに対する信頼向上
6
取り組みの認知向上と有利販売対策
7
あるべき農業生産の実践のための取組事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
・・・・・・・・・・・・・・・
13
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
参考資料1
GAPに関連する施策
参考資料2
生産工程特性要因図(例)
参考資料3
危害要因分析ワークシート(例)
・・・・・・・・・・・・・・・
20
参考資料4
参考 様式(例) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
参考資料5
GAP導入事例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
参考資料6
用語解説
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
- 1 - ギ ャ ッ プ
1
農業生産工程管理(GAP)
(1)農業生産工程管理とは
消費者や流通業者等の誰からも信頼される農業生産を行うには、関連する法令や科学
的な根拠に基づく管理方法等に則した、あるべき農業生産を行うことが必要です。
農業生産工程管理(以下、GAPという。)は、このような、あるべき農業生産の実
践のため、食品安全、環境保全、労働安全の観点から、農業生産活動の全ての工程にお
いて、事前に危害を及ぼす要因を検討し、危害を未然に防ぐために点検項目を定め、こ
れに沿って農業生産の実施、記録、点検、評価を繰り返して行う一連の改善活動をいい
ます。
GAPは、Good Agricultural Practiceの略称であり、直訳すれば、良い農業の実践
を意味します。
(2)GAPに取り組む意義
産地や各生産者は、農薬の残留をはじめ、病原微生物や化学物質による汚染、金属片
などの異物混入、農作業事故の発生など、人の健康や環境に悪影響を及ぼす危害を発生
させないよう、生産環境や生産工程、生産者において起こり得る様々な危害要因を幅広
く検討することにより、総合的なリスク管理ができます。
GAPは、農薬残留等のリスクを軽減し、安全な農産物を出荷することを目的とした
生産履歴記帳や農薬の安全使用の遵守、農薬飛散防止対策をはじめ、環境の負荷軽減に
配慮した生産技術の導入や農作業事故の防止対策など総合的に取り組むものです。
GAPに取り組むことは、あるべき農業生産を実践することであり、この取り組みに
より、農産物の安全性の向上、水質や土壌などの環境保全、生産者の事故防止、農業経
営の改善とあわせて消費者や流通販売業者等の信頼の確保が期待できるなど、以下のよ
うな多くのメリットがあります。
農産物の安全性・信頼の向上
・農産物の安全性の向上
・市場や販売先など取引業者や消費者の
信頼の確保
・産地のブランド力向上
農業経営の改善・労働安全
・農薬や肥料の使用量の低減
・農業技術の改善による品質の向上
・作業の効率化による経営改善
・農作業事故や機械の故障などの防止
・生産者の健康維持
環境の保全
リスク管理・情報ニーズの対応
・農薬や肥料の使用等による土壌、水質、
大気汚染の低減
・環境に配慮した生産方式により持続し
た農業生産が可能
・生産記録の情報開示が可能
・トレーサビリティシステムへの対応が
可能
・クレームへの適切な対応が可能
- 2 - (3)GAPの実践
農業生産の方法は、農産物の種類や気象、土壌など様々な条件によって異なることか
ら、GAPの実践内容や取組項目は、一律に決められるものではなく、様々な条件を考
慮して定めることになります。
また、GAPの実践にあたっては、点検項目の自己点検と産地の内部点検の結果等を
基に、生産工程の取組内容を改善し、継続的に取組内容のレベルアップを図っていくも
ので、生産者自らが以下①~④を継続して繰り返し実施することになります。
①農作業の計画を立て、点検項目を決める。
②点検項目に従い、正確に作業を実践し、実施状況を記録する。
③記録に基づき実施状況を評価し、実施が不適切であった場合、原因を検討する。
④評価結果を踏まえ、次の作業工程や次期作に向けて、点検項目や実施内容の見直し
をする。
産地で取り組むGAPは、生産者全員の実践水準を保ち、取り組みの客観性を確保す
ることが必要なことから、自己点検の評価結果について生産者部会等で構成する「GA
P推進チーム」等による内部点検、あるいは取引先となる量販店等の第2者ないし外部
監査員等の第3者による外部点検を行い、点検項目の内容や点検結果の改善につなげま
す。
①計画(Plan)
②実践(Do)
農作業の計画を立て、点検項目
点検項目を確認し、正確に農作
を定める。
業を行い、記録する。
④見直し・改善(Action)
③点検・評価(Check)
改善点を見直し、次回の作付け
記録を点検し、改善点を見つけ
に役立てる。
る。
内部点検あるいは第2者・第3
者点検により取り組みの客観性
を確保する。
- 3 - 2
あるべき農業生産の実践の基本的な考え方
あるべき農業生産の実践では、各生産工程においてリスク管理を実践する工程管理方
式を基本に、農産物の安全、環境の保全、労働者の安全の観点から、農業生産上、取り
組むことが望ましいものを取組事項として定めています。
(1)農業生産におけるリスク管理
農産物の安全性を確保するリスク管理の手法として、結果管理(ファイナルチェッ
ク)方式と工程管理(プロセスチェック)方式があります。
結果管理方式は、出荷前の農産物を対象にした抜取り検査等により、基準に合った
ものを流通させる方式で、一般的に普及している手法です。この方式は、同じ産地で
も生産者やほ場により生産する環境や生産工程が異なるため、全ての農産物の安全を
確保するための残留農薬検査を行う場合、多額の経費を要することや、生産工程の記
録を保存していない場合は、問題の発生時に原因究明や再発防止策の対応が難しいな
どの欠点があります。
結果管理
農
産
物
生産
抜
き
取
り
検
査
出
荷
防
除
日
誌
の
点
検
結果管理(ファイナルチェック)方式の流れ(例)
工程管理方式は、予め生産工程に沿って危害要因を分析し、これらを予防する作業
の管理方法と対処方法(適合基準)を定め、各生産工程において重点的にリスク管理
を行うことにより、危害の発生を未然に防止し、リスクを低減させる手法で、GAP
はこの手法により生産工程を管理します。
結果管理方式と比べて残留農薬の検査費用などが抑えられることや、問題が発生し
ても、記録により速やかな原因究明や再発防止策の対応が可能となります。
工程 管 理
施
肥
・
土
づ
く
り
農
薬
散
布
は
種
肥
料
は
適
量
か
種
は
健
全
か
水
洗
い
収
穫
農
薬
使
用
基
準
と
お
り
か
輸
送
時
の
汚
染
は
な
い
か
一
時
保
管
選
別
水
は
汚
染
さ
れ
て
い
な
い
か
出
荷
異
物
混
入
は
な
い
か
工程管理(プロセスチェック)方式の流れ(例)
- 4 - (2)農産物の安全
消費者に安全な農産物を供給するため、食の安全性を確保することは最も重要な事項
であり、全ての生産工程で可能な限りリスクを少なくする努力が求められます。このた
め、農薬の安全使用や農産物の衛生管理など適正な実施が必要となります。
1)適正な農薬の使用
農薬は農薬取締法に基づき、国が登録したものを使用し、ラベル表示をよく読んで
使用基準に従い、正しく使用することで安全性が確保されます。このため、農薬は適
正に使用しなければなりません。
また、使用する農薬を間違えたり、肥料と間違って農薬を使用しないよう、きちん
と整理し、保管しておくことも重要となります。
2)残留農薬への対応
平成18年5月にポジティブリスト制度が施行され、全ての農薬と作物の組合せで農
薬の残留基準が定められ、基準を超えた農薬が農産物に残留していた場合、この農産
物は市場、流通段階から排除されます。適正な農薬使用はもとより、周辺ほ場からの
農薬の飛散防止や農薬散布後のタンク・ホースの洗浄、使用残液の適正処理などの対
策が重要になります。
3)異物・有害物質等の混入防止
農産物の生産、収穫は、農産物を食品として生産し、取り扱うことになります。食
品にとって危害要因となる化学物質や有害重金属、病原菌由来のかび毒等による汚染、
出荷・調製時の病原微生物や腐敗果、金属類・小石などの異物混入等の様々な危害要
因を現場に持ち込まない、接触させない等の対応策が必要となります。また、農産物
に混入した異物や有害物質は、直ちに除去するか、除去できない場合は廃棄する必要
があります。
4)農産物の衛生管理
農産物の収穫・輸送、選別・調製時の取り扱いや衛生管理ルールは作業者全員が理
解し、手洗い施設の整備と手洗いの励行、ハサミなど収穫器具の定期洗浄、出荷コン
テナや出荷箱等への異物混入防止、収穫物洗浄水の水質基準確保など、徹底した衛生
管理によるリスク管理に努めることが重要です。
- 5 - (3)環境の保全
環境に配慮し、自然豊かで快適な環境を確保することは、県民全員が取り組まなけ
ればならない課題です。農業生産においても、たい肥や化学肥料、農薬、燃料等の使
用による環境への影響を認識した上で、土壌、水、大気など環境への負荷を低減し、
環境と調和のとれた農業生産活動に取り組むことが求められます。
1)土壌
たい肥等による土づくりは、たい肥や作物残さ等の有機物が土壌微生物等により分
解され、土壌の保水性や肥料保持力を向上させます。一方で、有機質資材であっても
肥料成分を含むため、過剰施用等により土壌に塩類が蓄積し、持続した農業生産が難
しくなります。定期的な土壌診断により、作物生産に必要な肥料成分量の施用や適正
な土壌pHやECの維持・改善を図り、良質な農産物生産につなげることが必要です。
2)水
肥料をほ場に過剰投入すると、富栄養化の原因物質となる窒素やリン酸などが降雨
等によって地下水や河川、湖沼等に流出し、水質を汚染する原因になることから、必
要量の施肥や肥料の利用効率を良くする局所施用などの技術導入が有効です。
また、水田では代かき等による濁水排出などによる水質負荷を抑制するため、浅水
管理を行うことや乾田直播など代かきを必要としない環境負荷低減技術の取り組みが
有効です。
3)大気
農業生産において、農業機械の使用やハウス栽培の暖房、施設照明などで各種エネ
ルギーを使用しますが、石油など化石燃料の使用は、温室効果ガスの二酸化炭素や大
気汚染物質が発生するため、効率的なエネルギー利用と節減対策が必要です。
また、稲わらなど社会の習慣上やむ得ない廃棄物の焼却以外、法律で野焼きは禁止
されており、近隣住民への煙や臭いの他、焼却時のダイオキシンの発生が人の生命に
重大な影響を与える恐れがあります。
4)廃棄物
農業生産において、粗大ごみ、農薬空容器などの廃プラスチック類、家畜糞尿、廃
棄農薬、廃油、作物残さなど様々な廃棄物が排出されます。これらは適切に処理しな
ければ、水質汚染や大気中へのダイオキシン発生源となるなど、環境に悪影響を与え
る恐れがあることから、適正な処理が必要となります。
5)生態系
農薬や肥料など農業資材の誤った使用により、環境汚染による生態系への影響が懸
念されます。このため、農薬の使用量を減らすよう耕種的な防除を導入したり、雑草
や病害虫の発生程度に応じた必要最低限の使用回数にとどめるなど、生態系に配慮し
た技術導入などの工夫が必要です。
- 6 - (4)労働者の安全
農作業を安全に行い、農作業事故を防ぐことにより、生産者の健康が維持され、持
続的な農業生産や農業経営の安定につながります。
1)事故防止
農作業事故を防止するため、農場等の作業環境における危険な場所やケガをしやす
い危険要因をあらかじめ把握し、作業方法や作業環境の改善、危険箇所の表示等、安
全で効果的な対策を図ることが必要です。
また、農作業中の死亡事故の7割が農業機械によるものであり、トラクターの安全
フレームの装着など安全性の高い機械の使用や安全な取り扱いのための講習受講など
も重要となります。
さらに、安全な作業を行うために適した服装や保護具の着用、農業機械の点検やシ
ートベルト着用などの適正な使用により、事故の発生防止に向けた取り組みが重要で
す。
2)保険の加入
万一の事故発生に備え、労災保険の加入や必要に応じて傷害共済等の各種任意保険
を検討し、加入することにより、農業生産の維持・継続に向けた農業経営の安定や労
働安全への意識が高まります。
3)農薬・燃料等の取り扱い
農薬の使用は、中毒事故等の緊急事態に備え、救急救命法の受講や緊急連絡先の掲
示をはじめ、作業者の散布液付着を最小限とするため防除用カッパやマスク、手袋等
の着用、体調不良の場合は散布作業を中止するなど、安全使用に努めることが重要で
す。
また、軽油、灯油等の燃料は第4類危険物として貯蔵施設が消防法で規定されてお
り、適正な管理が必要となります。
- 7 - 3
推進体制
県段階では、県・農業団体で構成する岡山県GAP推進協議会が示す、「あるべき農
業生産の実践」を基本に、県下の産地においてGAP導入が図られるよう推進します。
このため、指導者や生産部会等に対して、指導員の養成や資質向上に向けた研修会の
開催などにより、GAPの導入・普及を図ります。
各地域段階では、既存の協議会あるいは市町村やJA等が事務局となる「GAP地区
推進協議会」などの組織において、県、市町村、農業団体が連携して役割分担を図り、
取組項目の選定や点検項目の設定、GAPの取組内容の高度化など、産地の実態に応じ
たGAP導入を推進します。
このため、GAP地区推進協議会のメンバー等で「GAP推進チーム」を編成し、G
AP導入の動機や目的を整理し、導入に向けた推進体制を整えます。
岡山県GAP推進協議会
活動支援
情報提供
GAP地区推進協議会
動機づけ
○○地区 GAP推進チーム
生産部会の代表者
農産物に対するニーズ
(安全な農産物生産、生産履歴の確保)
環境への配慮
(持続的な農業生産)
自分自身の農作業事故防止
等
JA営農指導員・販売担当者
普及指導員
導入の目的
GAP導入の訓練を
受けた指導者
・なぜ、GAPが必要か?
・農産物の安全を脅かす危害は何か?
・危害をなくすためにどうすればよいか?
・どのようなGAPを目指すか?
等
等
- 8 - 4
あるべき農業生産の実践の導入・普及
GAPは、生産者にとって馴染みにくい表現のため、指導者や生産部会リーダーは、
GAPについて全ての生産者に分かりやすく、取り組みやすい導入方法を工夫して示
すことが求められます。
また、生産段階において既に実施している生産履歴の記帳や農薬飛散防止対策など
の農産物の安全対策、エコファーマー制度や特別栽培農産物、おかやま有機無農薬農
産物の生産等、環境に配慮した農業生産に取り組む産地では、この取り組みを基礎と
してGAP導入につなげることが考えられます。
(1)導入・普及に当たって
1)生産者、産地関係者の意識向上
農産物の安全性については、一人の生産者が出荷した農産物の農薬残留等によって、
産地全体の安全性や信頼を大きく損なうことになります。
このため、産地におけるGAP導入は、全体研修会を開催するなど、生産者をはじ
め、全ての産地関係者が安全性に対する意識を高めることが重要です。
2)研修等による継続的な実施
生産者、産地関係者の意識向上には、GAP導入に向けた基礎知識の習得や、すで
に導入している産地ではレベルアップに向けた研修の実施など、継続的な実践と取組
内容の高度化を図ることが重要です。
(2)導入手順
産地全体での研修会などを通じて、GAP導入の意義等の理解を深めます。この時、
初めて触れるGAPに対する理解や動機付けが重要であり、GAP導入を左右するこ
とになりますので、分かりやすい内容となるよう工夫します。
また、実践可能な取組項目から導入を始めるなど、産地全体が取り組みやすい環境
を整えます。
GAPの導入手順として、次のような方法があります。
- 9 - 準備
GAP推進チームの編成(動機づけ)
産地でGAP推進チームを編成し、導入目的や役割分担を決めます。
GAP導入の必要性について、研修会などを通じて共通認識を持たせます。
ステップ1
農場管理規則の作成(実施手順の策定)
生産管理・販売管理方法や内部点検方法、クレーム対応手順、文書管理方法等、産地
の運営管理規則について実施手順を文書化します。
ステップ2
危害要因の特定と対応策の検討(リスク検討とリスク管理)
農産物の特徴、ほ場や利用施設、作付状況や周辺環境を把握した上で、生産工程特性
要因図の策定などにより、危害要因を特定します。
特定した危害要因は、危害要因分析ワークシートの活用などにより、危害発生や汚染
などを抑えるための具体的な管理方法を検討します。
(生産工程特性要因図(例)、危害要因分析ワークシート(例)P20)
ステップ3
取組事項のリスト化
想定される危害要因の対応策をもとに、
「あるべき農業生産の実践のための取組事項」
を参照し、取組事項を選定します。
(あるべき農業生産の実践のための取組事項 P13~18)
ステップ4
点検項目を定める
リスト化した取組事項と危害要因分析ワークシートで検討した危害要因の対応策をも
とに、点検項目を検討します。
ステップ1~4で取り決めた内容を産地全体で共有します。
(参照:点検項目(例) P13~18)
ステップ5
あるべき農業生産を実践、記録、評価し、点検する
点検項目に従い、生産工程ごとに農作業を実践し、記録します。
点検の実施状況について年1回以上自己評価を行い、その結果を検討し、必要に応じて
取組内容を見直します。
なお、産地が取り組む場合、GAP事務局が生産者の自己評価の結果について、内部
点検を行います。
ステップ6
生産工程管理記録を保管する
万一の事故発生等にも対応できるよう、GAPに関する記録を保管します。
- 10 - (3)導入・普及の進め方
グ
ロ
ー
バ
ル ギ ヤ ツ プ
欧州を中心に世界で広く取り組まれているGLOBALGAPやNPO法人日本G
ジェイギヤツプ
AP協会の進めるJGAPは、第3者が認証するGAPであり、国際水準のGAPと
して国内産地でも導入が進みつつあります。特に、農産物の輸出を狙う産地は、取引
相手国や取引業者が求める輸出条件等により、GLOBALGAP等の認証を取得す
る必要があります。一方で、これらのGAPは認証取得のために費用を要することや、
国内では現時点で消費者に対して十分に認知されていない状況にあります。
また、この他にも、日本生活協同組合連合会など農産物の取引先となる量販店等が
求める生産基準に基づき認証する、第2者認証GAPの動きもあります。
さらに、都道府県や農業団体等が定める、県版GAP、農協GAP等があります。
このGAPは、産地の実態に応じてGAPを導入するもので、継続して実践し、取組
内容のレベルアップを図っていく、いわゆる運動系GAPであり、各地域において導
入が活発になっています。
このため、本県においては、まずは、各産地の実態に応じた、あるべき農業生産の
実践の導入を進め、段階的に取組内容の高度化を図ります。
こうした、GAPのレベルアップを図ることにより、産地の戦略とあわせて、産地
ブランドの強化や農産物の輸出などを目的として、GLOBALGAPやJGAP、
取引相手先と連携した第2者認証GAPに取り組みを移行させることも可能となりま
す。
GLOBALGAP
JGAP
第3者認証 GAP
取
組
内
容
の
高
度
化
あるべき農業生産の実践
(岡山県GAP 導入指針)
生協GAP、イオンGAP等
都道府県、団体版GAP等
運動系GAP
第2者認証 GAP
GAP共通基盤ガイドライン
(国)
あるべき農業生産の実践(県GAP導入指針)と
その他のGAPとの関係
- 11 - (4)導入指針の活用
本導入指針は、国が示す農業生産工程管理の共通基盤に関するガイドラインを踏ま
え、農作物全般に対応できるよう、あるべき農業生産の実践のための取組項目として、
標準的な取組項目を示しています。
取組内容は、対象とする農産物の種類や気象、土壌など産地条件により危害要因と
対策が異なることから、地域の実態を踏まえ、必要に応じて新たな取組項目を追加す
るなど各産地、生産者が工夫して活用します。
また、それぞれの取組項目には、導入産地の目安となるよう点検項目を例示してい
ます。点検項目についても、各産地の生産方法や部会の規定等を考慮し、地域の実態
に応じた内容に設定します。
5
取り組みに対する信頼向上
あるべき農業生産の実践の取り組みの客観性を確保するためには、他者による取り組
みの評価を行うことが有効です。
第3者認証GAPあるいは第2者認証GAPは、部外者による点検(監査)の仕組み
が組み込まれていますが、運動系GAPでは、導入産地におけるGAP推進チームやG
AP事務局となる生産部会などが生産者の自己点検の結果を評価する内部点検の導入が
考えられます。
内部点検は、GAP推進チームやGAP事務局を含め、できるだけ客観的な立場の助
言者が立ち会い、農場や資材保管庫、収穫調製施設など点検項目に基づき点検し、問題
点を指摘し、生産者の取り組み改善を図ります。
本導入指針では、内部点検の導入を推奨しています。内部点検の導入により、産地全
体の実践レベルの向上が図られるとともに、産地に対して流通販売業者や消費者等から
の一層の信頼向上につながることが期待できます。
6
取り組みの認知向上と有利販売対策
あるべき農業生産の実践は、法令や規則、科学的根拠等に基づき安全性の高い生産方
法を実践することであり、生産者として実行すべきリスク管理を行うことです。
このため、GAP導入により安全な農産物を生産していることを流通販売業者や消費
者等の実需者に対して十分に周知させ、取り組みの認知向上を図ることで有利取引につ
ながることが期待できます。
また、農産物の安全性の評価やGAPの信頼向上のために取り組む内部点検、万一の
事故発生時に対応できる生産履歴の遡及と事故原因の究明、再発防止マニュアルの策定
などにより、取引先に対して一層の信頼向上につながります。
さらに、糖度や大きさなど高い品質認定基準を満たした農産物の品質保証や、消費者
ニーズに応じた有機無農薬農産物、特別栽培、エコファーマーの取り組みなど、GAP
と組み合わせた高付加価値化により、消費者に対して魅力ある商品開発につなげていく
ことが期待できます。
- 12 - - 13 - 農
産
物
の
安
全
農薬の適
正使用
土壌・培地
管理
備考
9
農薬は適正に保管している
農薬の使用残液や散布機を洗浄した水は適切に処理して
8
いる
○
毒物及び劇物取締法
農作業安全のための指針
・保管庫は施錠できるものを使用し、鍵の管理者を決めている
・保管庫には危険性を警告する表示をしている
・農薬管理台帳により、使用量、在庫量を管理している
・農薬がこぼれないようになっている
・農薬流出時のトレー・ほうき・ちりとり等の対応設備を整えている
・作物に使用する農薬と除草剤等の作物以外の農薬を区分して間違
えないようにしている
農薬の使用する者が遵守すべき基準
・農薬散布後の使用残液やタンク洗浄水は、河川等の環境に影響し
を定めた省令
農薬適正使用の指導に当たっての留 ない自ら管理する場所を選び、非農耕地等に処分している
意事項について
農薬を使用する者が遵守すべき基準
・周辺ほ場からの農薬飛散の危険性について把握している
を定める省令
農薬の飛散による周辺作物への影響 ・農薬の飛散防止のための対策をしている
防止対策について
農薬使用の都度ラベルを確認し、表示に従い使用してい
る
6
○
・有効期限切れの農薬は使用していない
・容器等のラベルを確認し、適用作物や希釈倍率、使用時期等の使
農薬を使用する者が遵守すべき基準
用基準を守っている
を定める省令
・農薬は計量器を用いて正確に計っている
・防除記録で農薬の使用回数等を確認している
7 農薬が周辺に飛散しないよう対策をとっている
農薬適正使用の指導に当たっての留 ・農薬の使用前は、防除器具を点検している
意事項について
・農薬の使用後は、防除器具の洗浄・清掃を行っている
・農薬は農林水産省の登録番号が記載されたものを使用している
・農薬の特性を理解し、無駄な使用はしていない
農薬の使用前には防除器具を点検し、使用後は必ず洗浄し
ている
農薬取締法
5
4 登録された農薬を使用し、安全使用に十分留意している
・養液栽培の培養液は定期的に取り替え、又は再利用する場合は微
野菜・
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
生物的・化学的汚染を低減するための処理をしている
果樹
範
・養液栽培用の資材や機器は、衛生的な保管取り扱いをしている
○
点検項目(例)
・農業用水の状況を確認している
・栽培ほ場の土壌を確認している
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
・ほ場周辺部からの影響を確認している
範
・農作物に対して何らかの悪影響を及ぼす可能性のある場合、対応
策をとっている
関連する法令・規則等
3 養液栽培の培養液は、汚染防止対策を行っている
ほ場や用水、周辺部から農作物に対する影響について確認
している
法令
上の
義務
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規 ・購入たい肥は成分表等により品質を確認している
範
・完熟たい肥を使用している
1
ほ場等の
準備
あるべき農業生産の実践のための取組事項
2 たい肥は、完熟たい肥を使用している
番
号
工 程
7 あるべき農業生産の実践のための取組事項
- 14 - 作業者等
の衛生管
理
農
産
物
の
安
全 収穫物の
衛生管理
施設・生産
上の衛生
管理
工 程
点検項目(例)
農産物の調製、選別、包装を行う作業場や保管場所は、衛
生的な構造を保ち、汚染がないよう定期的に清掃している
・選別、調製等の作業前には、手洗いをしている
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
・服装や履物、手袋等は清潔に保っている
範
・発熱や下痢等による体調不良の場合は、作業しないようにしている
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規 ・ほ場や選果場への外部訪問者に対して、手洗い等の衛生管理を
範
守ってもらっている
作業者は手洗いや清潔な服装等、衛生管理に留意してい
る
ほ場・施設等の部外者に対して、衛生管理ルールを遵守さ
せている
19
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規 ・収穫機、収穫コンテナー等を定期的に洗浄・清掃するなど異物混入
範
防止策をとっている
17 収穫・選別・調製での異物混入防止対策を行っている
18
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
・収穫物の貯蔵、輸送時は荷傷み防止のため温度管理をしている
範
・収穫物の輸送時には、落下や異物混入の防止対策をとっている
・収穫物の洗浄には、飲料水と同等の水を使用している
16 貯蔵・輸送時は適切な温度で管理している
食品衛生法
大規模乾燥調製貯蔵施設の設置運
営に当たっての留意事項について
食品等事業者が実施すべき管理運
営基準に関する指針について
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規 ・包装容器は、たい肥や廃棄物等に汚染されないよう保管、取り扱い
範
をしている
○
備考
麦類のデオキシニバレノール・ニバレノール汚 ・麦類の赤かび病防除のため適期防除をしている
染低減のための指針の策定・普及に ・麦類のかび毒汚染低減のため適期収穫や適切な乾燥調製を行って 麦類
いる
ついて
・作業場の出入口や窓等は、害虫や動物が侵入しない構造を保って
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規 いる
・作業場は定期的に清掃している
範
・農作物に農薬や肥料等が接触しないようにしている
15 安全で清浄な包装容器・資材を使用している
14 収穫した農産物は清潔で衛生的な取り扱いをしている
13 麦類のかび毒汚染低減のための対策を行っている
12
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
・収穫用のハサミやコンテナ等は定期的に洗浄し、清潔にしている
範
関連する法令・規則等
11 収穫用のハサミやコンテナ等は洗浄し、清潔にしている
法令
上の
義務
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
・ほ場の近くに手洗い場や清潔なトイレを設置している
範
あるべき農業生産の実践のための取組事項
10 ほ場や施設の近くに手洗い場や清潔なトイレがある
番
号
- 15 - 環
境
の
保
全
点検項目(例)
25 周辺住民等への影響がないように農薬散布を行っている
地力増進基本指針
・水田の代かきは浅水状態で行っている
・あぜ塗り、あぜシート等を利用している
農薬の使用する者が遵守すべき基準 ・農薬散布前には、周辺ほ場や近隣住民へ事前通知するなどトラブル
防止に努めている
を定めた省令
住宅地等における農薬使用について ・強風や降雨時は農薬散布を行わないようにしている
農薬の使用する者が遵守すべき基準
を定めた省令
・用水路等に農薬が流出しないよう1週間程度止水している
農薬適正使用の指導に当たっての留
意事項について
24 水田における農薬施用後は1週間程度止水している
肥料による
環境負荷 26 水田代かき後の濁水流出防止対策を行っている
の低減
農薬の適
正使用
環境と調和の取れた農業生産活動規
・温湯消毒や天敵、防虫ネット、マルチ利用など減農薬につながる技
範
総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践 術を活用している
指針
温湯消毒や防虫網など、農薬以外の防除技術を利用してい
23
る
環境と調和の取れた農業生産活動規
・ローテーション散布による耐性菌や抵抗性害虫の発生防止や、起耕
範
総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践 や中耕、マルチ栽培などにより雑草の発生防止に努めている
指針
農薬の使用する者が遵守すべき基準
・農薬は必要な散布量を決め、必要量を調製している
を定めた省令
関連する法令・規則等
農薬による
農薬を減らすため、病害虫や雑草が発生しにくい工夫をして
環境負荷 22 いる
の低減
農薬の使用残液が発生しないよう必要分を計量し、調製し
ている
20
法令
上の
義務
環境と調和の取れた農業生産活動規
・発生予察情報の活用や病害虫の発生状況を把握した上で、効果的
範
総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践 な防除を行っている
指針
あるべき農業生産の実践のための取組事項
番
号
発生予察情報など病害虫の発生状況を把握し、防除を実施
21
している
工 程
水稲
水稲
備考
- 16 - エネル
ギー節減
対策
33
施設や機械の非効率なエネルギー消費の節減に努めてい
る
32 作物残さ等有機物のリサイクルを行っている
有機物の
利用
特定外来生物を利用する場合は、環境に配慮し、適切に飼
養管理している
31 廃棄物は適正に保管・処理し、不適切な焼却はしていない
30
○
○
・使用済みプラスチックや植物残さ等、廃棄物は適正に処理している
・野焼き等、廃棄物の不適切な焼却はしていない
・ほ場からでるごみの減量に努めている
・廃棄物は決められた場所に保管している
・農薬の空容器は水で3回以上すすぎ、適切に保管し、業者に委託し
処分している
廃棄物の処理及び清掃に関する法
律
廃棄物の処理及び清掃に関する法
律施行令
環境と調和の取れた農業生産活動規
範
悪臭防止法
環境と調和の取れた農業生産活動規 ・施設や機械の省エネルギー対策を行っている
範
・農業用水は効率的に使用している
環境と調和の取れた農業生産活動規
・作物残さ等のリサイクル可能な有機物は有効利用している
範
・セイヨウマルハナバチの飼養に際し、環境省の許可を取得し、適正
に管理している
・農場周辺に生息する動植物を把握し、自らの農業生産との関係につ
いて認識している
特定外来生物による生態系等に係る
被害の防止に関する法律
環境大臣が所掌する特定外来生物
に係る特定飼養等施設の基準の細
目等を定める件
地力増進基本指針
環境と調和の取れた農業生産活動規 ・強風や降雨により表土等の土壌が浸食しないよう対策をとっている
範
・肥料は栽培暦等による施肥基準に基づき施用している
・土壌診断を定期的に実施している
・土壌に塩類集積が起こらないようにしている
点検項目(例)
29 風や雨等による土壌の浸食防止に努めている
地力増進基本指針
関連する法令・規則等
地力増進基本指針
・たい肥など有機質資材を利用した土づくりに努めている
環境と調和の取れた農業生産活動規
・深耕や中耕などにより、土壌の物理性の改善に努めている
範
土壌診断結果やJA栽培暦等の施肥方法を踏まえて、肥料
の適正施用を行っている
27
法令
上の
義務
28 たい肥等有機物施用による土づくりを行っている
あるべき農業生産の実践のための取組事項
番
号
廃棄物の
適正処理
と利用
環 特定外来
境 生物の適
の 正利用等
保
全
適正な施
肥と土壌
保全
工 程
備考
- 17 - 40 燃料や肥料は適切に管理している
41 農作業事故後の生産継続に向けて保険に加入している
燃料等の
適正管理
保険の加
入
機械・装置等は安全装備等の確認、使用前点検、使用後整
備など適正に使用している
39
○
・灯油等燃料の貯蔵は法令に従い、適切に保管、取り扱いをしている
・肥料が水や農薬等に接触しないよう、適切に保管している
・死亡事故やけがに備えて労災保険等に加入している
・第3者を巻き込んだ事故に備えて任意保険に加入している
労働者災害補償保険法
労働保険の保険料の徴収等に関す
る法律
農作業安全のための指針
・農業機械等の作業前後には整備・点検を行っている
・農薬散布の際は、必ず防除用カッパやマスク等を着用している
・防除用カッパやマスクの使用後は必ず洗浄し、農薬と離して保管し
ている
・機械や危険を伴う作業は、習熟した作業者に限定している
・安全意識を持って、農業機械の操作に心がけている
・労働安全の責任者を特定している
・ほ場や作業場に救急用具や清潔な水、緊急連絡先一覧を備えてい
る
・危険な作業や場所がないか調べている
・危険な場所には危険表示をしている
・危険な作業や場所等の環境改善を行っている
・作業者の健康診断を行っている
・定期的に休憩を取るなど、無理のない作業を行っている
点検項目(例)
消防法
農作業安全のための指針
農作業安全のための指針
農作業安全のための指針
安全に作業を行うための服装や保護具を着用、保管してい
る
38
農業機械
の適正使
用
農作業安全のための指針
機械作業や高所作業等の危険作業は、適切に作業できる
従事者を決めている
37
○
農作業安全のための指針
農作業事故に備え、救急箱や応急処置、連絡先等の対応
を整えている
36
事故防止
労 対策
働
者
の
安
全
農作業安全のための指針
危険な作業や箇所を把握し、事故につながる恐れのある作
業環境の改善を行っている
農作業安全のための指針
35
健康診断の受診により健康管理に努め、定期的な休憩を取
るなど無理のない作業を行っている
危険作業
の把握
関連する法令・規則等
34
法令
上の
義務
健康管理
あるべき農業生産の実践のための取組事項
番
号
工 程
備考
- 18 - 農場運営に係る責任者や栽培計画、ほ場の位置、面積等
の記録を作成し、保存している
42
44 農薬、肥料の使用を記録し、保存している
講習会等に参加し、生産技術や資材、法令などの情報収集
43
や知的財産の保護活用に努めている
あるべき農業生産の実践のための取組事項
番
号
生産工程
管理の実
施
○
記録は、取引先等からの情報提供の求めに対応できるよう
必要な期間保存している
48
49 生産工程管理を実践している
○
農作物の収穫・出荷・取引等の情報を記録し、保存してい
る
法令
上の
義務
47
種子・苗、たい肥、土壌改良資材、肥料、農薬等の農業資
情報収集・ 45 材の購入伝票を保存している
記録と保
生 管等
産
46 資材の殺菌消毒、保守管理の記録を保存している
工
程
全
般
工 程
・農場の運営に関する責任者を明確にしている
・品目やほ場に応じた栽培計画を立てている
・生産工程管理の対象となるほ場の位置、面積を記録し、保存してい
る
点検項目(例)
・資材の使用、洗浄消毒、施設や機器の清掃等を記録し保存している
・種子や苗、農薬・肥料等の農業資材の購入伝票を保存している
・農薬の使用を記録し、保存している
・肥料の使用を記録し、保存している
農業生産工程管理に関する共通基
盤ガイドライン
食品衛生法
米穀等の取引等に係る情報の記録
及び産地情報の伝達に関する法律
・点検項目を確認し、正確に農作業を行い、内容を記録・保存している
・点検項目の記録を基に自己点検を行い、結果を保存している
・自己点検の結果、改善が必要な部分を把握し、見直している
・自己点検に加え、産地責任者等による内部点検等の客観的な点検
を実施している
・記録類は必要な期間保存している
・取引先からの情報提供の求めに対して対応できる
・出荷した農産物に関する苦情、異常が発生した場合の対応手順を
整えている
食品衛生法
食品衛生法第1条の3第2項の規定に
・農産物の収穫、出荷、取引等に係る情報を記録、保存している
基づく食品等事業者の記録の作成及
・農産物の品質や規格の基準等を確認し、選別・調製して出荷してい
び保存について
る
米穀等の取引等に係る情報の記録
及び産地情報の伝達に関する法律
農薬の使用する者が遵守すべき基準
を定めた省令
環境と調和の取れた農業生産活動規
範
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
範
環境と調和の取れた農業生産活動規
範
コーデックス生鮮果実・野菜衛生実施規
範
環境と調和の取れた農業生産活動規
範
環境と調和の取れた農業生産活動規
・講習会等に参加し、情報収集や生産技術の向上に努めている
範
農業の現場における知的財産取扱 ・農業技術や種苗など知的財産の保護活用に努めている
指針
関連する法令・規則等
備考
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