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White paper ビジネスへ貢献するIT投資を実現するために 新日鉄ソリューションズ ITプロジェクトポートフォリオマネジメントで、 IT投資に関わる情報を一元的に可視化する 新日鉄ソリューションズ株式会社のソリューション企画・コンサルティングセンターでは、顧客 企業のIT投資やガバナンスに関するさまざまな課題を解決するため、コンサルティングやシステ ム開発だけではなく、情報システム部門と業務部門の連携をサポートしたり、円滑なプロジェク トマネジメントへ向けたサポートを行うなど、IT化を進める顧客のトータルサポートを業務の軸 としている。IT要件の大規模化、複雑化、そしてより高度な技術の階層化が進んでいく中、プロ ジェクトを確実に遂行するためには、優れたPPMツールの活用が欠かせないという。 ITマネジメント&ガバナンスの 意義と課題 ―― 情報システム部門がITマネジメントとガバ Y田 寛 ナンスを行う目的や意義は何でしょうか。 新日鉄ソリューションズ株式会社 T田 氏 ソリューション企画・コンサルティングセンター 所長 最終的な目標は、IT投資に関わる情報を一 元的に可視化して、ステークホルダーに対する説 明能力を向上させることだと思います。そのため には、ITマネジャーの俯瞰的なビューによる可視 平澤 祐介 氏 化が必要であり、共通のITマネジメント体系と統 新日鉄ソリューションズ株式会社 ソリューション企画・コンサルティングセンター 部長 一的基準が必要になります。 ―― ITマネジメントにおける「統一的な基準」と は、どういうものを指しますか。 平澤 T田 課題なのかに迫りながら、その問題をブレイク 要求とプロジェクト、IT要員、IT資産とい 我々の部門では、顧客企業に対して何が った要素に対して、経営戦略との関連性、その企 ダウンしていくことで、解決の方法を探し出し、 業のITアーキテクチャとの整合性、各プロジェク ご提案しています。そうした中で、課題の中身は トの投資対効果、QCD(品質、コスト、納期) 、利 明らかになっても、顧客企業の組織の壁という 用満足といった評価基準をモニタするために、統 ものが、実際のプロジェクト推進にとってネック 一的な基準が必要になります。 になることがあります。つまり、縦割りになった ―― 業務だけではなくIT基盤なども統合化され 現場をいかに巻き込んでいくかが問われてくる ていない状況で、統一的な基準を設定するのは、 のです。そのためには、見えないものを見えるよ かなり大変な作業だと思うのですが・・・。 うにする努力が必要です。 社名●新日鉄ソリューションズ株式会社 資本金●129億5276万3000円 本社所在地●東京都中央区新川ニ丁目20-15 Partner Profile 設立年月日●1980年10月1日 従業員数●4,032人(連結) 、2,060人(単体)[2006年3月31日現在] http://www.ns-sol.co.jp/ White paper ITプロジェクトポートフォリオマネジメントで、IT投資に関わる情報を一元的に可視化する 2 情報システム部門の業務全体をサポート、ITの全体管理を通じてITガバナンスを徹底 経営トップ/ユーザ部門 選 択 実 行 評 価 説 明 説 明 説 明 2 マネジメント 選択割り当て 1 実行管理 ポート フォリオ 標準化 4 プロジェクト 横断的な進捗把握 3 実行管理 要求管理 マイルストーン コスト 5 レビュー リスク リソース 標準化 行程 工程 5 レビュー リソース コラボレーション 選択基準 見直し 進捗把握 ポイント 見直し ・プロセス ・技術基準 ・見積基準など の改善 ∼ 一元化されたデータ ∼ ITプロジェクト、IT要員、IT予算、ベンダー…etc 新日鉄ソリューションズ作成による 図1:ITプロジェクトポートフォリオマネジメントのスコープ IT部門が置かれている立場(状況)と PPMツールの重要性 です。プロジェクト全体に対する可視化と風通し を良くすることが、最大の解決策です。特に可視化 の面では、経営課題とITプロジェクトの紐付けを、 ―― 現在のIT部門には、どのような課題があり、 経営や現場の部門に判るように見せることが重要 どのような期待を掛けられているのでしょうか。 です。ところが、顧客先で稼動中のシステムや実 平澤 IT部門の置かれている状況としては、期待 行中のプロジェクトの一覧リストを見たいとお願 と課題に現実、そして将来、この4つに分類でき いしてみると、実は「ない」 と言われるケースが少 ます。経営サイドからは、全社的な戦略に携わり、 なくないのです。どういうアーキテクチャで、どの IT化による経営や事業戦略の実現が『期待』され 部門の業務をカバーしているのか、稼働しているシ ています。しかし、全社的なIT戦略の立案や、IT ステムは何なのか。足元の部分が全く見えていな 投資効果の測定方法、ユーザの意識改革推進な い情報システム部門もあるのです。まずは情報シス ど、中長期的な『課題』が横たわっています。さら テムの棚卸、現状の把握を始めることが「見通しを に『現実』には、多くの「全体最適」プロジェクト よくすること」の第一歩といえるでしょう。 が並走している一方で、レガシー環境やバックロ ―― 現状の把握にとって、PPMツールは役に立 グを抱えています。今日のシステムは部門を横断 つのでしょうか。 する要件が多く、IT部門に全社横串で部門の壁を 平澤 越えて巻き込むことも求められます。こうした状 ないでしょうか。ITマネジメント&ガバナンスのス 況の中、 『将来』へ向けて新技術を活用する必要性 コープを考えたときに、情報システム部門の業務全 を考えると、ITの要件はますます横断的で複雑か 体をサポートし、ITの全体管理を通じてITガバナ つ高度なものとなっていきます。 ンスを徹底するためには、図の④で示している ―― そうした状況を克服していくためには、どう 役に立つというよりも、むしろ必須なのでは 「プロジェクト横断的な進捗把握」が重要になりま いった取り組みが求められるのでしょうか。 す(図1) 。これまでは、①→②→③→⑤で展開す 平澤 るプロジェクトが多かったのですが、現在のシステ 一言で表すならば「見通しをよくすること」 White paper ITプロジェクトポートフォリオマネジメントで、IT投資に関わる情報を一元的に可視化する 3 ムは、互いに絡み合い、連携する関係にあるので、 査のプロセスも定義して、マイルストーン管理を推 一つが停滞すると全体に影響を与えてしまいます。 進しなければなりません。ただし、実質的な開発 そこで、プロジェクト横断的に進捗状況を正確にモ 方法とプロジェクト管理を再設計する必要があり ニタリングする必要があるのです。これを人手で行 ます。そしてテクノロジとして、CA Clarityのよう なうと大変な手間がかかりますし、管理のレベル なPPMツールをはじめ、利用可能なソリューシ にバラつきが出ます。また、標準化されたプロセ ョンを活用することができます。それから、実際 スの中で、プロジェクトに関わる定量的なデータ にお客様のお話を伺っていると、人材の部分が一 を蓄積し、PDCAサイクルを回してマネジメント 番難しいという声も多く聞かれます。 していくためにもPPMツールが不可欠です。 ―― 人材の難しさとは、スキルや経験といったも プロジェクトを成功させる 戦略、プロセス、人材、テクノロジ のでしょうか。 T田 それもあります。しかし、多くの企業から 相談されるのは、どうやって人を育てていけばい ―― 優れたPPMツールがあれば、プロジェクト いのか、という問題です。例えば、伊勢神宮では、 の円滑な推進が可能になるでしょうか。 20年ごとに社殿を建て替える「式年遷宮」を行う 平澤 いえ、ただPPMツールを使うだけでは十 ことで、建築技術を継承し宮大工を育成していま 分とは言えません。ツールはあくまで、プロジェク す。ITガバナンスにおいても、同じように継続的 ト全体を成功に導くための一つの要素だと考えて に人を育てていく取り組みが必要となるのです。 います。プロジェクトを実行するためには戦略が重 PPMツールの利用においても、一度決めた管理 要となりますが、その戦略を実現するために業務 ポイントが永続的に使われるわけではありませ プロセスがあり、実行する人材とテクノロジがあり ん。将来的に管理ポイントを変えたり増やしたり ます(図2) 。例えば、戦略では組織的にきちんと するときにも、現場の人たちが使いやすい点が重 CIOを設けるとか、プロジェクト横断的にPMOを 要になります。すなわち、使いこなせる人の育成 任命するなど、組織的な見直しが必要です。また、 と、使いやすいツールの両輪が求められているの 業務プロセスでは、開発の標準化だけではなく審 です。我々がCA Clarityを選び、顧客企業に導入 しているのは、エンタープライズレベルでITガバ ナンスを実現していくツールとしての信頼性と拡 ITガバナンス戦略 CIOの任命、PMOの導入 張性に優れると同時に、管理の深さや基準を変え られる、ツールとしての使いやすい点を評価して いるからなのです。また、我々もITガバナンスと 業務プロセス いう難しいテーマにおいては、単なるシステム化 開発プロセスの標準化 マイルストーン管理の推進 での解決ではなく、顧客企業の担当者の方々と一 緒になって、悩み考え試行錯誤することで、最善 リソース テクノロジ 人材の育成 PPMツールの活用 の解決策を導き出しています。こうした努力は、 今後も積極的に取り組んでいく考えです。 図2:ITガバナンス&マネジメントを成功に導く 4つの要素 編集・制作 日経BP企画 2007/03 ■ 詳細については、ca.com/jp/itg/をご覧ください。