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大阪府流域下水道
経営ビジョン
平成24年3月
大阪府都市整備部下水道室
目
次
ページ
1.
大阪府流域下水道
経営ビジョン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2.
大阪府流域下水道
経営ビジョン
具体的な項目
・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
3.
今後 10 年間の流域下水道事業の見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4.
別添資料
■
維持管理コストの更なる縮減の追求(維持管理の更なる効率化)
・・・・・・・・・
4
■
維持管理コストの更なる縮減の追求(省エネ機器の導入)
・・・・・・・・・・・・
5
■
維持管理コストの更なる縮減の追求(人件費の縮減)
・・・・・・・・・・・・・・
6
■
市町村における取り組みの推進(不明水対策・水洗化率の向上)
■
改築更新事業費の抑制、平準化
■
新規建設事業の重点化、計画的な施設整備
■
経営の安定化
・・・・・・・・・
7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
(経営状況の公表、汚水の従量料金単価制・公営企業会計制度導入の検討) ・・・・ 10
■
新エネルギー施設の導入
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
あ
から
~
次世代へつなぐ流域下水道事業の運営
1. ビジョン策定の背景・目的
~
3.取り組み目標
○
大阪府の流域下水道は、これまで公共用水域の水質向上に大きく寄与してきたが、大阪
湾や府内河川の更なる水質改善が必要。
○ 今後増加する改築更新への対応や新エネルギー施策、その他新たな取り組みへの対応の
ため、より一層の経営の健全化を図っていく必要がある。
⇒ 今後10年間(H24~H33)の自らの目標を掲げ、安定した下水道サービスを府
民に提供するため、「大阪府流域下水道経営ビジョン」を策定する。
(1)維持管理コストの縮減
①
②
③
④
維持管理コストの縮減
維持管理の更なる効率化
省エネ機器の導入
人件費の縮減
不明水の削減、水洗化率の向上
⇒電力使用量5%減、人件費 10%減
※上記に掲げた項目以外についてもコスト縮減を図っていく
(2)改築更新事業の抑制、新規事業の重点化
2.取り組み方針
⑤
⑥
環境保全
①
水質改善
⇒
②
新エネルギー
大阪湾や府内河川の更なる水質改善・豊かな水環境創造のための高度処理の推進
⇒
太陽光発電、下水汚泥の有効利用などによる新エネルギー施策への取り組み
改築更新事業費の抑制、平準化
新規建設事業の重点化、
計画的な施設整備
H24~33 の年平均改築更新事業費を
80 億円抑制(230 億円⇒150 億円)
(3)会計の明確化、経営の安定化
⑦
経営状況の明確化、経営の安定化
経営の安定化
経営健全化への
3つの柱
今後の流域下水道事業の運営に当たっては、
PDCAサイクルに沿って検証・評価を適宜
行い、改善すべき課題を抽出し、計画実施に
反映させていく
① 改築更新 ⇒ 大量の施設更新に備えた予防保全の実施及び長寿命化・改築更新
② 公営企業会計化 ⇒ 下水道事業の安定的な経営のため、公営企業会計化への検討
今後の取り組みのイメージ
取り組みのタイムスケジュール
維持管理コストの縮減
改築更新事業の抑制
新規事業の重点化
会計の明確化
経営の安定化
1
大阪府流域下水道
項
目
① 維持管理の効率化
② 省エネ機器の導入
③ 人件費の縮減
値
目
⑤ 改築更新事業費の抑制、
平準化
⑥ 新規建設事業の重点化
計画的な施設整備
⑦ 経営状況の明確化
経営の安定化
⑧ 新エネルギー施設の導入
考
標
電力使用量の5%減
維持管理の効率化2%
省エネ機器の導入2%
その他
1%
人件費の10%減
④ 不明水の削減
水洗化率の向上
備
数
経営ビジョン
目標年次
H26
H33
H33
取
組
方
具体的な項目
針
各処理場におけるコスト縮減の取り組みを更
に進めるとともに、処理場間の情報の共有化を
進め、各処理場での適用性について実証実験を
行 い 、実 施 可 能 な も の か ら 積 極 的 に 進 め て い く 。
ライフサイクルコストを考慮しつつ省エネ機
器 へ 積 極 的 に 更 新 し 、維 持 管 理 費 の 縮 減 を 図 る 。
維持管理業務のさらなる外注化や、発注業務
の効率化などにより、人件費の縮減を図る。
可能な限り早期達成を目指す。
具
体
的
内
容
換気ファン、水中攪拌機、消泡ポンプの間欠
運転など、各処理場において適用性を検証し、
H26に節電効果2%(H22比)の縮減を目
指す。
汚泥濃縮機の50%、汚泥脱水機の30%を
省エネ対応機種に更新する。送風量を下げるた
めに処理水への溶解効率の高い散気装置等へ更
新する。
現在、府職員が行っている維持管理に係る業
務の外注化、発注業務を集約することなどによ
る効率化を図ることで維持管理人員の縮減を目
指す。
不明水対策に関する府と市町村の協議の場を
通じ、不明水の発生原因追究や防止に努め、不
明水の削減に取り組む。
水洗化率の向上に向けて、現状分析の情報を
共有する。
状 態 監 視 保 全 型 の 機 械 設 備 *1 に つ い て 、 健 全
度 調 査 を も と に 、事 業 費 の 平 準 化 も 考 慮 し つ つ 、
可能な限り長寿命化を図る。
不明水の原因を特定し、市町村が主体となっ
て、対策を実施していく。
改善目標は市町村と協議の
水洗化率の向上を図るため、接続促進に関す
H33
上、個別に設定
る課題を共有するとともに、効果のあった取り
組み情報を共有する。
本格的な大量更新時期を迎え、老朽化した処
理場・ポンプ場設備ついて、きめ細かい予防保
年平均改築更新事業費を
H33
全により長寿命化を進め、改築更新事業費の抑
230 億 円 → 150 億 円 に 抑 制
制、平準化を図る。
早期に効果発現するもの、安全・安心確保の
今 後 10 年 以 内 に 汚 水 幹 線 を 概 成 す る な ど 、
ための施設整備に重点化を図る。
新増設事業に目途をつける。
-
-
ま た 、社 会 経 済 情 勢 の 変 化 に 適 切 に 対 応 し て 、
施設整備を進める。
経営状況の公表を引き続き行う。
経営状況(事業費収支、維持管理に関する業
将来の改築更新費増大に対応するため汚水の 務指標、財務諸表)を公表する。
-
従
量料金単価制を目指すとともに、公営企業会
汚水の従量料金単価制の導入に向けた協議を
-
計制度の導入を検討する。
行う。
公営企業会計制度導入の検討を行う。
新エネルギー施設の導入に関して、未利用地
企業と連携して処理場のエネルギー拠点化を
の活用と、民間活力を活用し、事業スキームの
目指す。
新エネルギー施設(太陽光発電、小水力発電 検討を行う。
-
-
等)を導入し、災害時に処理場の使用電力の一
下水汚泥のエネルギー(消化ガス発電、固形
部を賄い、さらに最寄りの防災施設等への給電 燃料化等)の利用方法を検討する。
機能向上に寄与する。
*1: 状 態 監 視 保 全 : 施 設 ・ 設 備 の 状 態 ( 劣 化 度 ) に 応 じ て 実 施 す る 保 全 ⇒ 劣 化 度 が 把 握 で き る 大 半 の 機 械 設 備 に 適 用
※ 数 値 目 標 は 対 H 2 2 実 績 比 で あ る ( ⑤ を 除 く )。
2
今後10年間の流域下水道事業の見通し
【
区分
建設事業費
維持管理費
H24
新増設
改築更新
合計
大阪府負担
市町村負担
合計
H25
10,252
6,949
17,201
1,985
18,294
20,278
全処理区
】
H26
11,021
9,663
20,684
1,985
19,198
21,183
H27
10,240
11,760
22,000
1,914
19,309
21,223
H28
10,980
14,037
25,017
1,847
19,451
21,298
H29
10,798
14,201
24,999
1,773
19,540
21,313
H30
9,242
15,758
25,000
1,774
19,565
21,339
建設事業費
改築更新
25,000
20,684
費用(百万円)
7,971
17,031
25,002
1,798
19,772
21,570
新増設
30,000
20,000
25,017
24,999
25,000
25,002
25,002
24,999
24,999
10,980
10,798
9,242
7,971
7,698
7,662
7,775
14,037
14,201
15,758
17,031
17,304
17,337
17,224
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
22,000
17,201
10,240
11,021
15,000
H31
H32
7,698
17,304
25,002
1,820
19,967
21,787
7,662
17,337
24,999
1,834
20,080
21,914
百万円
H33
7,775
17,224
24,999
1,872
20,245
22,117
【建設事業費について】
●建設事業(新増設・改築更新)について
現行の予算水準を基本に大きな増嵩なく投資する。
●新増設については今後10年間で目途をつけることを
目標に整備を進める。
●改築更新については、安定的な下水処理機能確保
のため長寿命化を含めた計画的な設備更新に取組む。
●平成24年度は、当初予算を計上
●債務工事の年度割調整などにより年度間事業費を
平準化
10,252
10,000
5,000
6,949
9,663
11,760
★ただし、府の財政状況、国費(交付金)の導入状況
により事業費は見直される場合がある。
0
H24
H25
H26
年度
維持管理費
市町村負担
30,000
大阪府負担
費用(百万円)
25,000
21,183
21,223
21,298
21,313
21,339
21,570
21,787
21,914
22,117
18,294
19,198
19,309
19,451
19,540
19,565
19,772
19,967
20,080
20,245
1,985
1,985
1,914
1,847
1,773
1,774
1,798
1,820
1,834
1,872
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
20,278
20,000
15,000
10,000
5,000
0
年度
【維持管理費 試算条件】 ※原田処理区を除く
●平成24年度は、当初予算を計上
●電力費・燃料費・薬品費
・単価については、平成23年4月の契約単価を採用
・使用量については、過去3カ年(H20~H22)の
平均使用量原単位を使用
・契約単価×平均使用量原単位×予測水量で
費用を算出
●水道費・委託費・補修費・材料費
・過去3カ年(H20~H22)の平均額を基本額とする
・施設の供用が見込まれる時は個別に経費を見込む
★電力費については、使用量を平成26年度までに
2%削減し、平成33年度までに5%削減する
★大阪府負担額と市町村負担額は、平成24年度当初
予算の管理費の負担割合で算出
★上記試算条件では、平成33年に管理費で、電力量の
削減により、約200百万円の削減となる
●人件費・総務費
・退職金は含まない
・人件費については、平成33年度までに10%縮減する
(可能な限り早期達成を目指す)
3
維持管理コストの更なる縮減の追求(維持管理の更なる効率化)
1.現状と課題
4.参考資料
○本府流域下水道は、H20 年度に一元化を行う前から、各処理場において、独自の創意工夫に
より、コスト縮減に努めてきた。
⇒一例として参考資料(MC電力使用量)参照
○更なるコスト縮減を図るためには、各処理場個々の取り組み情報の共有化を進めていくことが
必要であるが、流入水量や水質、汚泥性状、施設の構造、設置機器などの特性が異なることか
ら、すぐに実績が上がるものは少ない。
2.取り組み方針・目標
○ユーティリティの内、その割合が大きい電力費について、使用電力削減によりコスト縮減を図
る。また、他の項目についても、コスト縮減の努力を継続して行う。
○各処理場におけるコスト縮減の取り組み情報の更なる共有化を進め、処理場での適用性につい
て実証実験するなどし、実施可能なものから積極的に進めていく。
○これまで、環境や機器の劣化に影響を及ぼすと想定されるものについては、取組みの対象外と
してきたが、今後は、これらについても実証実験を行い、影響を及ぼさないと判断された項目
については、実施していく。
3.具体的な取り組み
○換気ファンや水中攪拌機、消泡ポンプの間欠運転など環境や機器の劣化に影響がないと判断さ
れたものから順次実施し、3年後(H26 年度)に節電効果2%(H22 年度比)の縮減をめざ
す。
4
維持管理コストの更なる縮減の追求(省エネ機器の導入)
1.現状と課題
(1)現状
○大阪府の流域下水道には膨大な数の設備が設置されているが、機種によっては最新型(省エネ機器)
の導入により大幅な電力削減が可能な場合もある。しかしながら近年の財政難や国庫補助事業の財産
処分条件等のため、一般的には補修等により延命化を図りつつ、使用し続けている状況である。
(2)課題
○省エネ機器への更新が可能な機種については、あえて長寿命化せずに更新していくことも必要である
が、そのための事業費確保が課題となる。
○機種によっては、様々なタイプの省エネ機器が開発されているが、現状で実績の少ないものもあり、
適切な機種選定が課題となる。
○他の機器とセットで効果を発揮するもの(例:散気装置と送風機)については各々の更新時期の整合
を図ることが課題となる。
表-1:遠心濃縮機(従来形)からベルト濃縮機(省エネ形)への更新
現在
10 年後
30 年後
旧機種台数
31 台
15 台
0台
更新済台数
-
16 台
31 台
電力使用量
-
MC 全体の 2%
MC 全体の 3.5%
表-2:ベルトプレス脱水機、遠心脱水機(従来形)からスクリュープレス脱水機(省エネ
形)への更新
2.取り組み方針・目標
(1)取り組み方針
○省エネ機器への更新により維持管理費の縮減効果が大きいものは、LCC の観点から処分制限期間を超
える段階で更新を検討し、使用電力削減による維持管理コスト縮減に取り組む(あえて長寿命化は実
施しない)。
(2)目標
○今後 10 年間で汚泥濃縮機の 50%、汚泥脱水機の 30%を省エネ機器に更新し、処理場全体の電力使
用量 2%の削減を目指す。
現在
10 年後
30 年後
旧機種台数
45 台
31 台
0台
更新済台数
-
14 台
45 台
電力使用量
-
MC 全体の 0.1%
MC 全体の 0.2%
★各データに原田 MC 分は含まない。
3.具体的な取り組み
○濃縮機更新および脱水機更新
・濃縮機については、更新時に遠心濃縮機からベルト濃縮機に機種変更する(表-1)。
・脱水機については、更新時にベルトプレス脱水機からスクリュープレス脱水機に機種変更する(表
-2)。
○溶融炉更新
・流動焼却炉等に更新することにより、維持管理費の大幅縮減が可能と想定される。
○散気装置更新(溶解効率の高いものへの更新)
・溶解効率の高い散気装置の導入により送風量を下げ、送風機の台数を減らすことにより、電気代や
メンテナンス費用の縮減をすすめる(但し、機場により最適な散気条件が異なるため、機場毎に実
際の運転による効果検証が必要。)。
5
維持管理コストの更なる縮減の追求
(人件費の縮減)
1.現状と課題
○ 大阪府の流域下水道は、昭和 40 年に流域下水道事業に着手。流域下水道整備を推進す
るため、建設と維持管理を分離。大阪府は建設に専念し、維持管理は、市町村
(一部事務組合)が行う二元化体制で運営してきた。
○ 平成 20 年度には、府内の下水道普及率は90%を上回り、流域下水道の整備に一定の
目途がつき、今後は改築更新や管理に重点を置くため、建設と維持管理を府に一元化。
一元化効果
○ 一元化に伴い組織体制の再構築を図るとともに、民間委託化の拡大などにより、大幅な人
員削減を実施。
H19 224 名⇒H20 162名
62名の減
約 6 億5千万円のコスト縮減
○ 今後、増大する改築更新や一般会計繰入金の縮小、更には人口減少や節水志向の増加な
ど、下水道経営に降りかかる課題は多い。
将来世代へ負担を先送りすることなく、安定した下水道経営に導くためには、更なる維持
管理コストの縮減に取り組む必要がある。
※一元化の効果額は積み上がっていく
大阪府流域下水道維持管理費
大阪府流域下水道
維持管理人員の変遷
2.取り組み方針・目標
○今後 10 年間で維持管理に係る人件費を10%縮減する。
(目標年次:平成 33 年度)
維持管理形態の変化(一元化 前後)
運転管理
発注方式
運転計画 運転操作
一元化前
仕様発注
一元化後
レベル1
包括的民間委託 性能発注
(参 考)
委託
府が計画
委託
電気
燃料費
修繕
薬品
部品等
小規模
大規模
組合が調達、管理
府が調達・管理
委託(運転操作)に含む
府が調達・
管理
○電気
長期契約(3~5年)導入により長期特約割引適用
○燃料費、薬品 発注単位を集約、競争性の確保とスケールメリットにより価格低減を誘導
3.具体的な取り組み
○維持管理業務のさらなる外注化や、発注業務の効率化などにより、人件費の縮減を
図る。
組合が計画
ユーティリティ
レベル2
レベル3
委託
行政
委託
行政
委託
注)上記表のレベルは、民間への委託の度合いを表している。レベルが上がるほど民間への委託範囲が大きくなる。
※民間への依存度が高くなることで、行政側の知識、技術力が低下を招き、受託者に対する的確な監視、評価、助言がで
きなくなる恐れがあり、将来的にコスト増となる懸念がある。
6
gv
市町村における取り組みの推進(不明水対策・水洗化率の向上)
1.現状と課題
【不明水対策】
○不明水とは、流入汚水から使用料対象水、区域外受け入れ汚水その他の経費負担すべき者が明
らかなものを除いたもの(地下水や分流式下水道の雨天時浸入水等)であり、維持管理(コス
トアップ、内水浸水リスク等)に支障をきたす原因となっている。
○不明水を削減することにより、維持管理コスト縮減が可能となるとともに無届排水の改善につ
いては、有収水量のアップにつながる。また、不明水を減少させることで、内水浸水の被害防
止や下水道施設の保全、放流先の水質保全につながる。
○不明水対策の推進を図るため、各流域事務所において、流域ごとに府と関係市町村で構成する
不明水対策会議を開催しているが、効果が上がっていない。
⇒平成 22 年度の流入下水量の内、約 8,300 万㎥/年(16%)が不明水となっている。
(原田処理区除く。)
【水洗化率の向上】
○大阪府における下水道普及率は、平成 22 年度末において 94.3%と、全国でも非常に高い数
値ではあるが、未水洗化人口は約34万人に及ぶ。
○水洗化率が向上しない主な要因としては、下水道への接続は下水道法により義務づけられてい
るものの、宅内の配管工事費用は個人負担となる等の経済的理由や、住居が借地や借家である
ことなどの理由が挙げられる。
○下水道に接続しない場合、生活雑排水は、未処理のまま水路や河川に排出されていて、河川等
公共用水域の汚濁の主な原因の一つとなっている。
○市町村においても確実な収入源である下水道使用料の徴収が見込めない状況にある。
⇒未接続人口分全てが接続した場合に徴収される下水道使用料:約 30 億円/年(参考資料参照)
3.具体的な取り組み
【不明水対策】
府と市町村の協議の場を通じ、連携を取りながら、不明水の削減に取り組む。
○不明水が発生する原因を追究する(不明水調査や流量計の設置の検討、計画的な管渠調査等)。
○無届排水を防止する方法(工夫)の事例の共有化を図る。
○対策の検討、実施、効果の検証を行う。
【水洗化率の向上】
○全市町村を対象に「下水道接続率の向上に向けた現状分析アンケート」による調査を実施済み。
今後はそのデータ内容を整理、評価してまとめ、全市町村へ情報共有を図る。
○社会資本整備総合交付金制度における効果促進事業として実施可能な「各戸排水設備の設置に
対する間接補助」の導入を市町村に助言し、既存の融資斡旋制度とともに、住民の経済的負担
の軽減とインセンティブの向上により公共下水道への早期の接続の促進を図る。
4.参考資料
【不明水対策】
雨天時流入水の影響(分流式下水道の一例)
2.取り組み方針・目標
【不明水対策】
○各処理区の不明水が発生する原因を特定し、市町村が主体となって、対策を実施していく。
【水洗化率の向上】
○水洗化率のさらなる向上を図るため、各市町村における未接続理由や接続促進に関する取り組
みについて調査し、接続促進に関する課題を共有するとともに、効果のあった取り組みを他の
市町村と情報共有を図る。
【水洗化率の向上】
(平成 22 年度)
下水道接続
下水道未接続(整備済)
戸
数(戸)
人
口(人)
3,618,678
8,002,420
132,684
336,879
*未接続人口分全てが接続した場合に徴収される下水道使用料
336,879(人)×0.25(㎥/人・日)×100(円/㎥)×365=約 30 億円/年
7
改築更新事業費の抑制、平準化
更新計画の比較結果
今後 30 年で「一定年数毎に更新する場合(長寿命化なし) *備考 1」と「長寿命化により極力延命
化した上で更新する場合(長寿命化あり) *備考 2」の費用比較を行った。
●当然ながら長寿命化を図った方が更新事業費を抑制できる結果となった(年度によっては増加している
が、これは更新のタイミングによる一時的な現象であり、トータル的には長寿命化を図る方が事業費抑
制に効果がある)。
●H24~H33 では長寿命化しない場合、平均的に年間約 230 億円の費用が必要となるが、長寿命化を併
用し延命した場合は平均的に年間約 150 億円程度となる(年間 80億円程度のコスト削減)。
1.現状と課題
(1)現状
○本府の流域下水道の処理場ポンプ場設備は、現在、その 49%が既に標準耐用年数を超過し、本格的な
大量更新時期を迎えており、今後も老朽化設備ストックの更なる増加が不可避な状況にある。
(2)課題
○下水道は、重要なライフラインであり、万が一機能停止した場合、府民生活や企業活動に重大な支障
を及ぼすことから、計画的な改築更新による安定した機能確保が不可欠である。
○そのための事業費確保、毎年の事業算の平準化、および、適切な改築更新時期の見極めが大きな課題
である。
2.取り組み方針・目標
(1)取り組み方針
○設備の特徴(構造・重要性)に応じて次の 3 タイプに保全区分を分類し、このうち状態監視保全型の
設備を対象に長寿命化を進め、改築更新事業費の平準化、抑制を図り、持続可能な設備更新に取り組
む。
(A) 状態監視保全型維持管理(※①) :状況に応じて長寿命化または更新
(B) 事後保全型維持管理(※②)
:故障、異常の発生後に更新もしくは修繕
(C) 時間計画保全型維持管理(※③) :一定期間で更新
(2)目標
○平成 24~33 年度の年平均改築更新事業費を約 230 億円/年から約 150 億円/年に抑制する(右欄
の「更新計画の比較結果」参照。)。
※保全区分について
①状態監視保全:施設・設備の状態(劣化度)に応じて実施する保全
⇒劣化度が把握できる大半の機械設備に適用
②事後保全
:故障・異常の発生後に実施する保全
⇒重要度が低い設備に適用
③時間計画保全:施設・設備の状態(劣化度)によらず、一定期間毎に行う保全
⇒劣化度が把握できない大半の電気設備に適用
備考1.「一定年数毎に更新する場合(長寿命化なし)」の前提条件
・過去の府の平均更新年数(実績)を経過する時点で更新。
備考2.「長寿命化により極力延命化した上で更新する場合(長寿命化あり)」の前提条件
・平成 32 年度までの機械設備は、平成 22 年度に実施した健全度調査の結果を基に、事業費の平準化も考慮し
つつ、可能な限り長寿命化を図る。
・平成 33 年度以降の機械設備は、25 年経過時点で長寿命化を行い、長寿命化後は標準耐用年数の 15 年を経
過する時点で更新(但し、送風機および雨水ポンプについては標準耐用年数が長いため上記年数にそれぞれ 5
年を加える。)。
・電気設備については、基本的に過去の府の平均更新年数(実績)を経過する時点で更新。
○長期的な改築更新計画策定
①機械設備
・状態監視保全型の機器を対象として、平成 22 年度に実施した健全度調査の結果を基に、事業費
の平準化も考慮しつつ、可能な限り長寿命化を図る。
・ただし、更新に合わせて高度処理化、合流改善、節電、温室効果ガス対策等を進める場合は、長
寿命化をあえて行わずに新機種への切替えによる更新対応とし、事業効果の早期発現や維持管理
費の低減を優先する。
★可能な限り長寿命化及び再長寿命化を図るために、原則 5 年毎に実施する健全度調査の結果を基
に、計画の点検、見直しを行う。
★長寿命化費用については更新費用の 20%を計上(右の参考図参照)。
②電気設備
・原則として「時間計画保全」とし、基本的に府の平均更新年数(制御設備等 20 年、受変電・自
家発設備 25 年等)を経過する時点で更新を検討。
○精度向上の取り組み:適切な改築更新時期を見極めるために、長寿命化後に更新するまでの年数、健
全度調査内容、長寿命化等に要する費用等について、PDCA により精度の向上に取組む。
【参考】
価値
状態監視保全設備(大半の機械設備)
新設点
更新計画イメージ
時間計画保全設備(大半の電気設備)
価値
3.具体的な取り組み
可能であれば再長寿命化
を検討
100%
更新計画イメージ
新設点
100%
長寿命化
事業費
(20%)
長寿命化対策点
新設or更新
事業費
(100%)
新設or更新
事業費
(100%)
※
経過年数
経過年数
府実績平均30~35年
25~30年と想定
長寿命化しない場合の
更新点
8
更新点
更新点
延命期間
15~20年と想定
※のライン:LCCが逆転するライン
長寿命化した場合の
更新点
府平均使用年数
を目安
府平均使用年数
を目安
20~25年と想定
20~25年と想定
600
600
新規建設事業の重点化、計画的な施設整備
総事業費
500
事
業
費
(
億
円
)
1.現状と課題
下水道の普及促進を図り、平成 22 年度末現在で普及率は 94.3%となった。しかし、環境負荷の削減、安全・
安心の確保などの観点から依然として以下の課題を抱えている。
400
事
業
費
(
億
円
)
300
200
100
0
○下水道の普及促進(汚水幹線・処理場の整備など)
○高度処理化(処理場の整備)
○合流式下水道の改善(処理場・ポンプ場の改良など)
○浸水対策(増補幹線・ポンプ場の整備など)
○防災・減災対策(防災行政無線の整備、処理場・ポンプ場の耐震化など)
新増設費
500
改築更新費
400
300
200
100
0
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
年度
29
30
31
32
33
年度
図 2 事業費の予測
図 1 過年度総事業費の推移
表 1 主な施策・事業メニューと目標
2.取組方針と目標
府の財政状況が逼迫し、改築更新に係る費用の増加が見込まれる中、新増設事業の重点化を図る必要があり、
「
『持続可能』で『環境負荷の少ない』下水道システムの構築」としての汚水幹線整備、改築更新に合わせた高
度処理化、合流式下水道の改善、 「
『安全・安心確保』のための施設整備」としての増補幹線整備、防災・減災
に関する事業に重点化を図る。
当面、継続事業の着実な推進を図りながら、新規事業に関しては緊急性が高いもの、早期に効果発現が期待で
きるものを優先的に実施する。
社会経済情勢の変化に適切に対応するため、人口減少・節水志向を見込んだ流入下水量の予測を行い、これを
反映した増設、改築更新などの施設整備を行う。また、将来、流入下水量が減少し、既存施設・用地に余裕が生
じた場合には、これらの有効利用を図る。
<第1ステージ(H23~32)>
○新増設に目途・計画的な改築の推進
・汚水幹線の概成
・寝屋川流域の治水対策事業の推進
・高度処理・合流改善対策の推進
・長寿命化を含めた計画的な改築の
推進
<第2ステージ(H33~42)>
○本格的な改築更新時代の到来
・寝屋川流域の増補幹線事業の概成
・高度処理・合流改善対策の概成
・安定した下水道経営を支える施設
管理マネジメント
<第3ステージ(H43~)>
○大規模更新時代への移行
・管渠、処理場土木などの大規模更新
事業の推進
持続可能で環境負荷の少ない下水道システムの構築
○汚水幹線の整備
汚水幹線概成
○処理場の整備
下水道の普及(流入量の増加)に合わせた能力アップ
・処理能力の増設
処理施設の概成(処理能力の概成)
既存施設の更新に伴う高度処理化
・高度処理化
○合流式下水道の改善
高度処理化の概成
合流式下水道改善対策の概成
3.具体的な取組
安全・安心確保のための施設整備
新増設および改築更新事業を合わせた建設事業について、現行の予算水準を基本に大きな増嵩なく今後 10 年
間(H23~32)の投資*1 により、新増設事業に目途をつけることを目標に整備を進める。(財政再建に向けて
○浸水対策
・増補幹線(寝屋川流域)整備
新規事業を極力抑制し続けてきた一方、今後は大量の改築更新需要が見込まれるため、23 年度は事業費の谷間となっている。
)
○新増設
●管渠の整備
→ 汚水・合流幹線
98%(H22)→ 99.8%(H32)概成
●処理場の整備
→ 処理能力
83%(H22)→ 88%(H32)
→ 高度処理能力
66%(H22)→ 71%(H32)
●合流式下水道の改善
→ 沈砂池ドライ化・スクリーンの目幅縮小など
対策率
12%(H22)→ 71%(H32)
●浸水対策
→ 増補幹線の整備
31%(H22)→ 78%(H32)
●防災・減災
→ 水みらいセンター・雨水ポンプ場への防災行政無線整備
→ 水みらいセンター管理棟等の中枢施設、屋上開放関連施設の耐震化
87%(H22)→ 100%(H32)
雨水施設の概成
○防災・減災
水みらいセンター・雨水ポンプ場への防災無線整備
水みらいセンター管理棟等の中枢施設、屋上開放関連施設の耐震化
・防災無線の整備
・施設の耐震化
計画的な改築更新
*新流総計画に対する能力比
*砂ろ過のみの施設を含む
長寿命化によるライフサイクルコストの最適化、省エネ対策・温室効果ガス削減に優れた最新機器の導入
○機械・電気設備の更新
○土木施設の更新
※事業期間を示す各ステージは大阪府都市整備中期計画(案)に合わせている。
*対策メニュー数の比
表 2 全体計画の見直し概要
①流入水量のピークを予測し、既設施設を最大限に活用しながら
増設を極力抑制し、近い将来に余剰施設が発生しないように
処理に重大な影響を及ぼさない範囲で「施設能力<流入下水量」を許容。
*工事完成延長の比
*施設数の比
○改築更新
●処理場・ポンプ場の機械設備・電気設備などの更新
*1
増補幹線の概成
市町村の整備進捗に合わせた整備
・雨水幹線整備、雨水ポンプ増設
項目
旧計画
新計画
備考
人口フレーム
(万人)
945
840
人口減少
家庭からの
1人1日当り下水量
(ℓ/人・日)
470
250
節水志向
流入下水量
3
(万m /日)
ただし、府の財政状況、国費(交付金)の導入状況により事業費は見直される場合がある。
事業期間は大阪府都市整備中期計画(案)に合わせている。
630
440
流
入
下
水
量
・
施
設
能
力
施設能力
②水処理施設の余裕は、改築更新時のバック
アップや下水処理のレベルアップに活用する。
流入水量
年度
図3 人口減少・節水志向に対応した施設整備のポイント
9
経営の安定化(経営状況の公表、汚水の従量料金単価制・公営企業会計制度導入の検討)
1.現状と課題
(1)現状
○ 平成20年4月の制度改革以降、人件費や消費税納付額の縮減、省エネ等による維持管理費
の縮減など、さまざまな取り組みを行い、一定の経費削減効果を上げてきている。
○ 下水道は多額の初期投資が必要な事業であり、この投資を回収するためには早期に普及を進
めなければならない。そのために、本来受益者が負担すべき費用についても、府費(税金)
で肩代わりし、早期普及を図ってきた。
○ その結果、短期間のうちに下水道普及率が90%を超えることが出来た。また、下水道使用
料は全国に比べて非常に安価に抑えられている。
(2)課題
○ 下水道普及率が90%を超え、早期普及の目的が達成されたことから、本来受益者が負担す
べきものについては受益者が負担すべきである(受益者負担の原則)。
○ また、地方公営企業会計制度等研究会(総務省)において、法非適用企業においても財務規
定等を適用することが示されており、近い将来、下水道事業においても公営企業会計制度へ
の移行が必至になると考えられる。
○ 公営企業会計制度へ移行するには、現在の費用負担ルールを根本から見直し、持続的な経営
の安定化、会計の明確化を図る必要がある。
○ 過年度に投資した施設の改築更新が、今後、本格的な改築更新時期を迎え、現在の単年度負
担金制度ではこれらに対する負担の平準化を図るには限界がある。
○ さらに、人口減少、節水型社会への変化など、下水道を取り巻く社会状況が大きく変化して
おり、将来世代の負担が必ず増大する。
○ 近年、降雨時に汚水管への雨水流入の急激な増加がみられる。その結果、不明水対策に要す
る処理費用が増加している。
財務適用範囲の拡大等
[ 基本的な方針 ]
①
ストック情報を含む財務状況の開示の拡大を図るため
には、地方公営企業法の財務規定等を適用するメリット
が大きいことから、原則として、法非適用企業(地
②
方財政法第6条の公営企業のうち法適用企
業以外の企業)に財務規定等を適用すること
が望ましい。
地方公共団体は、財務規定等の任意適用
について、積極的に検討すべきである。また、
財務適用にとどまらず、地方公営企業法の全部適用につ
いても併せて検討すべきである。
なお、公営企業の任意適用の基準は、法第 17 条の2
の負担区分原則を踏まえ、所要の見直しを行う必要があ
る。
※施設の長寿命化を図った場合でも現在の倍に増大する。
2.取り組み方針・目標
今後とも持続的かつ安定的な流域下水道事業を運営していくために、次のような取り組み
を進める。
(1)経営状況の公表
(2)汚水の従量料金単価制の検討
(3)公営企業会計制度導入の検討
3.具体的な取り組み
(1)経営状況の公表(継続)
○ 事業費収支、維持管理に関する業務指標、大阪府新公会計制度の財務諸表による財務情報
(2)汚水の従量料金単価制導入
○ 今後増大する改築更新費や、人口減少・節水型社会への変化などを見越し、より正確な将来
予測を行い、市町村負担に係る料金単価の設定を行う。
○ 不明水対策に要する処理費用についても費用負担を求める。
○ 整備の完了を見据え、さらに公営企業会計制度への移行を視野に入れつつ、導入の効果につ
いて市町村へ十分説明し、協議を行う。
○ 遅くとも公営企業会計制度へ移行する時期までに導入を目指し検討する。
(3)公営企業会計制度導入の検討
○ 導入にあたっては、現在の費用負担の根本的な見直しが必要となる。具体的には総務省繰出
し基準に適合させるため市町村と受益者の負担は増える。それに伴い、下水道使用料の値上
げが必要となるため、公営企業会計制度への移行を視野に入れつつ市町村と協議を進める。
○ 法非適企業に財務規定等を適用する、いわゆる財務規定等の適用範囲の拡大については、現
在総務省において法律改正時期の検討中であり、公営企業会計導入にあたっては、今後の国
や他自治体の動向を注視し、移行準備の開始時期を見極めていく。
10
新エネルギー施設の導入
1.現状と課題
表—1 大阪府の下水道資源(流域下水処理場:14 処理場)
(1)現状
下水汚泥については、近年、バイオマス・エネルギーとして注目されており(供給が尽きず、燃焼
現在、14 処理場で事業を実施しており、下水道資源としては以下のものがある。
による排ガスは GHG にカウントされない。)、汚泥を燃料化し、発電所などで活用する事業に着手
下水道資源
する自治体も増えつつある。また、消化工程から発生する消化ガスについては、焼却燃料や消化槽加
温、消化ガス発電、ガス導管などに活用されている。
下水処理水量
このような状況の中、昨年3月に発生した福島での原発事故を受け、太陽光発電をはじめとする新
エネルギーの活用が全国的に期待されており、大阪府でも新エネルギーを積極的に活用した「原発に
下水汚泥量(脱水ケーキ)
利用可能量
200 万 [㎥/日]
1,200 [t/日]
新エネルギーの導入可能性
小水力発電
消化ガス発電、固形燃料化
依存しない社会づくり」を掲げたところである。また、下水道事業では大量の電力を消費している。
活用可能用地
そこで、下水道においても、今後、処理場用地のほか、処理水やバイオマス・エネルギーである下水
22 [ ha ]
太陽光発電、風力発電
汚泥の活用を図るとともに、非常時におけるこれらのエネルギーの活用について検討していく。
[取組み実績]
・太陽光発電
300kW(H22 実績 34万 kWh/年)
※中央MC(水処理上屋) (H13 設置)
3.具体的な取り組み
・消化ガス発電 400kW(H22 実績 175 万 kWh/年) ※原田MC(H9 設置)
[消費電力]
(1)新エネルギー施設の導入(太陽光発電、小水力発電等)
・年間消費電力 355 百万 kWh/年(H22 実績、大阪府庁の事務事業の 57%(旧水道部除く)
)
(2)課題
○ 民間活力を活用し、府と参画企業の双方にメリットがある事業スキームの検討を行う。
・事業者は民間企業で、大阪府は土地の貸付を行うスキーム
○ 民間事業者と大阪府の双方にメリットのあるスキームを構築する必要がある。
・事業者は大阪府で、発電設備(設置、運営)を民間企業からリースするスキーム
○ 下水汚泥等を活用する場合、経済性の考慮や、生成物の長期的に安定した利用先の確保が不可欠であ
○ 民間企業へのヒアリング等により、事業化に向けた課題を抽出し、課題解決に向けた検討や調整を行
る(PFIによる担保等)
。
う。
○ 事業の実施に当たっては、法律や制度の柔軟な取扱いについて調整が必要である。
・公共空間利用に関する規制緩和(使用期間の延伸、使用料の減免、屋外広告物規制の緩和等)
(2)下水汚泥のエネルギー利用(消化ガス発電、固形燃料化等)
○ 「経済性」、
「生成物の安定利用」を満足するエネルギー利用方法を検討する(他自治体での実例を踏
まえ、適用可否の判断を行う。)
。
○ 下水汚泥のエネルギー利用に当たっては、生成物の処分を含め事業運営に責任を持たせるため、設計
2.取り組み方針・目標
から維持管理までの一括発注方式(PFI 事業、DBO 方式)の採用を検討する。
○ 下水汚泥発生量や既設の炉の更新時期等踏まえ、可能なものから順次事業着手していく。
(1)企業と連携してエネルギーの拠点化をめざす
空間(処理施設上屋、建設予定地等)やバイオマスである下水汚泥、処理水等を活用(表—1参照)
し、民間企業との連携(PPP/PFI)を図りながら、処理場のエネルギー拠点化をめざす。
(2)防災・環境エネルギーとの連携を図る
災害時には、処理場の使用電力の一部を賄うとともに、最寄りの防災施設等への給電を行うなど、防災
機能向上に寄与する。
(3)実現可能なスキームを確立する
既存制度の見直しも含め、民間企業が進出できる実現可能な事業スキームを確立する。
11
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