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World Water Week 2015

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World Water Week 2015
情 報 報 告
ウィーン
World Water Week 2015
2015年8月23日から28日にかけ、世界の水利用に関する国際会議World Water Week
2015が、スウェーデン・Stockholmで開催された。主催者はストックホルム国際水協会
(SIWI、スウェーデン)である。
今回は、水利用における水力発電の役割と、アフリカ及び地中海地域における都市の水
とエネルギー管理に関する講演を報告する。
1.水・エネルギー・食物連鎖のショーケースとしての多目的貯水池
Reza Ardakanian 氏、UNU-FLORES (ドイツ)
(1) はじめに
貯水池及び水力発電は、多くの地域において経済発展の推進力となっている。しかし、
それに伴う土地の移転や土地の損失、環境への影響といった負の側面は地元地域の住人や
他の下流の国によって負担されてきた一方、そのサービスは主に産業分野等の特定部門や
都市部に供給されている。加えて、時には他の水利用を考慮することなく部門別のニーズ
に従ってきた。真に持続可能な発展の推進力となるためには、貯水池は連鎖のアプローチ
を採用することにより開発、管理される必要がある。これは必要不可欠な生態系に関する
サービスや、全てのそれぞれの部門を含む水、エネルギー及び食料間の緊密な連携が考慮
に入れられることを意味している。貯水池は持続可能なエネルギーのための水力発電(他の
再生可能エネルギーとの統合のためのエネルギーの集積を考慮に入れながら)電力を供給す
る一方、同時に人間活動、農業、工業により消費される水の安定供給のためのニーズを満
たすことに役立っている。
(2) 課題
風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーシェアの世界的な増加はエネルギー
システムへの新たな課題を生じさせた。その課題は、風力や太陽光発電の発電量の変動、
及び電力生産と電力需要との間の潜在的な不均衡に関連している。この不均衡は、エネル
ギー貯蔵の必要性を増加させている。貯水池及び水力発電は、広く商業的に使用されてい
る唯一の再生可能な電力貯蔵技術である。水力発電貯水池や水力ポンプは数分から最大数
年にかけて、複数の時間軸で電力を保存するために用いられている。
しかし、まだ我々は全ての再生可能エネルギーの統合を向上させるためのより良い貯水
池の使用法について模索する必要がある。さらに、貯水池はまた貯水池という性能に加え、
洪水や干ばつの管理を支援するために利用されている。
(3) エネルギーサービスを提供する上での水力発電の役割
水力発電は、一世紀以上に渡り進歩してきた成熟した技術である。今日では水力発電は
世界の再生可能電力発電量の約四分の三を提供している。また、水力発電は再生可能エネ
ルギーの導入の重要性が高まる中、世界の電力の伝送システムの 99%を提供している。
直近の2年間では初めて、化石発電や原子力発電よりも多くの投資が再生可能エネルギー
へ行われた。
水力発電は2つの水域との間のエネルギー差を利用している。
そこには2つの重要な要素があり、一つ目は標高の違い、二つ目は水域間で交換可能な水
の量である。水力発電は水の異なる貯蔵方式に基づいて次の3つのタイプに分けることが
出来る。それは流れ込み式、貯水式、そして揚水式である。
水力発電は、水が連続的に流れることにより得られる継続的な電力を生成するために使用
される。或いは、ピーク時の電力需要に応じて急速に発電量のオンオフを切り替えること
が出来る。
他の再生可能エネルギー技術の発電量の変動を補償するために、需要が供給を上回った
際、電力システムの均衡を保つため水は解放されている。
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情報報告 ウィーン
同様に、多くの電力がシステムに存在する場合、すなわち、電力の供給が需要よりも大
きい時、揚水発電施設では余剰電力により水を低位置から高位置へとポンプを用いて揚水
することが出来る。このプロセスでは、電力の約 15%を必要とするが、供給が常に需要に
等しくなければならない電力システムに重要なバランスサービスを提供している。
電力は動力、輸送、加熱/冷却のために使用される必要性が高まってきており、例えば、
鉄道がすでにそうであるように、電気自動車が道路輸送部門における標準となることが期
待されている。加えて、我々はますます家庭や職場内の温度を管理するために電気を必要
としてきている。電気のこの需要の増加は、電力の貯蔵及びバランスサービスに対しさら
に大きなニーズを創出し、水力および他の再生可能エネルギーの更なる発展を推進してい
る。
(4) エネルギー貯蔵のための水は太陽光発電や風力発電の統合を支援可能
電力グリッドに関して、短期貯蔵及びシステムバランスに対する要求事項もまた変化し
ている。風力や太陽光からの変動的な入力値の増加割合は予測可能な変化であり、供給と
需要のタイムフレームはそれに適応し、より厳格にならなければならない。結果的に、シ
ステムの信頼性を維持するためにはより多くの高度な機器が必要となってくる。
水力発電所の貯水池の水を介した潜在的に貯蔵されたエネルギーは、数時間から最大数年
間の範囲で複数の時間軸で使用することが可能である。水力発電技術はこの要求を満たす
ために、電力グリッドの非常に短い時間スケールでの変化に迅速に反応することが出来る
タービンを開発、展開できるよう進化している。
揚水水力発電所は短時間にのみタービン或いはポンプが稼働するため比較的高い電力容
量を有するように設計されている。揚水水力発電における今後の課題は、ビジネスモデル
やグリッド接続、電力貯蔵の必要性の増加に関連した環境および社会問題、変動する再生
可能エネルギー資源の増加展開により推進されるバランスサービスだけでなく、操作の柔
軟性を増加させる技術的進歩が行われることである。
ノルウェーの水力発電での大規模な電力貯蔵とバランスサービスに関する調査結果は、
約 10,000MW のポンプ容量を含む 20,000MW の新しい水力発電プラントを開発する技術的
潜在性を示している。この追加の電力容量は、既存の貯水池の使用で十分なように、新し
いダムを作ることなく開発することが出来る。
追加の電力容量は大きな貯水池や海に配水する電力プラントにのみ設置され、従って、
河川への直接的な影響はないため環境への影響は少ないと言える。伝送容量は、より多く
の電力交換を可能とするために増加する必要があり、新たなビジネスモデルは必要とされ
る容量への投資を促進するために開発される必要がある。
つまり、水力発電は将来における電力貯蔵と将来の電力ミックスにおける柔軟性のニー
ズを満たすために魅力的なオプションを提供していると言える。
(5) 多目的用途を提供する水の貯蔵は、連結アプローチを要求
水と関連した水貯蔵インフラは、多くの場合、電力のための水以外に複数の用途に役立
っている。水は国内及び産業使用のための作物生産のための灌漑、生態系サービス、レク
リエーションやナビゲーション等に必要とされる。加えて、貯蔵容量は治水と干ばつの管
理に必要とされる。
このバランスは特定地域向けの優先順位だけでなく、水需要の時間的な変動性を考慮に
入れる必要がある。電力及び食料安全保障と密接な連携と資源としての水を掘り下げて考
慮すると、分野を超えた管理と行政の統合的あぷろーとは連結アプローチと呼ばれている。
資源からの視点では、それは水、土壌(食品やバイオマス生産のための基礎)、廃棄物(栄養
分や有機物のリサイクル、家庭雑排水の再利用等)を管理することが連結アプローチとなる。
連結アプローチのこの面はまた、水利用の多くは一定の水質基準を要求しているため、管
理するための水の必要量だけでなく、水質(土地利用や廃棄物管理により大きく推進される)
の重要性も強調している。
これらの連結は貯水池を連結アプローチを採用し適用するための理想的なショーケース
にしている。連結志向の管理の複雑なタスクには適切な管理とモデリングツールが必要と
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情報報告 ウィーン
なる。多くのそういったツールは利用可能である一方、単一の最良の選択肢は存在しない
ため、最も適切なものを開発するのは難解である。
水量と水質に関するデータを提供する適切な監視計画は、それが最良の場合には直接モ
デルの枠組へ実装される必要がある。これは管理オプションの適用結果と世界的な変動シ
ナリオの可視化を予測を可能にする必要があるためである。
適切な管理オプションと既存の貯水池の改修は様々な目的で利用され、管理オプション
を増やすための揚水水力発電所の設置を含む異なった手法で使用される。流域の形態のよ
うな土地固有の特性や用水の体積比、揚低高さ等によっては、揚水水力発電所は水質と生
態系の機能に影響を与える可能性がある。
最良の選択肢と予想される影響を評価するため、シナリオ分析は適切なモデリングツー
ルを用いて行われるべきである。結論として、相乗効果を促進するための他の再生可能エ
ネルギーと水利用を考慮した際、水力発電と揚水水力発電の開発は、連結した流れで行わ
れる必要がある。
統合管理のためのツールは必要なデータを提供するための戦略を監視するだけでなく、
発展していく必要がある。これは発展途上国では特に困難である。
(6) ケーススタディ 1:スペイン、El Hierro 島(小規模揚水発電と風力、太陽光発電の統合
により 100%の再生可能エネルギー利用を実現)
El Hierro 島は大西洋のスペイン、カナリア諸島の西端に位置する島である。この島は面
積 278km2 の火山島で、約 11,000 人の人口を有しており、その希少でユニークな動植物の
ため 2000 年にユネスコの生物圏保護区に指定されている。再生可能エネルギーシステムの
導入以前は、ピーク時の発電量が 7 MW の Llanos Blancos 発電所に9つのディーゼルユニ
ット(総容量 13.36 MW)と介した 45 GWh/年の電力を生産する輸入ディーゼル発電機に頼
っていた。
El Hierro 島のディーゼル発電機への依存を取除く努力により、主要な発電機は5基の出
力 2.3MW の風力発電施設(総出力 11.5MW,Enercon 社製)に置き換わった。
これは標高 715m の自然カルデラにある総容量 500,000m3 の上部貯水池と、標高 54.5m、
総容量 226,000 m3 の人口貯水池を備えた揚水水力発電システムによりバックアップされて
いる。発電モードでは毎秒2m3 の流量で総落差約 655m から Andritz 社製の4基のぺるト
ンタービン(2.83MW/基)により発電が行われる。
ポンプモードでは、2基のポンプ(1,500kW)と 14 基のポンプ(500kW)が最大 10MW までの
圧送性能を提供している。国内及び商業部門に電力を提供することに加え、風力及び水力
発電システムはまた島の下流貯水池と接続された3つの海水淡水化施設に電力を供給して
いる。
この接続では El Hierro 島の場合は、貯水池が再生可能エネルギーに基づくエネルギー保
障をどのように支援するかという良い例を提供するだけでなく、実際には水とエネルギー
の連結に関する良い例もまた提供している。ディーゼルユニットは、バックアップとして
機能するように動作可能な状態が保持されている。これらが日常的或いは例外的に必要と
されるかどうかは不明であるが、風力、水力発電システムが島の電力の 75%を供給してい
る一方で、それは暗に全ての電力は再生可能エネルギーによるハイブリッドシステムによ
って電力が供給されているということを示している。
図 1-1 に示される計画に従ってそのプラントは 2014 年に竣工され、世界中の数千の島々
が同様のモデルを使用できると主張している。
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情報報告 ウィーン
電力の流れ
水の流れ
ディーゼル発電ユニット
風力発電
上流側貯水池
水力発電所
揚水ポンプ
下流側貯水池
海水淡水化装置
海水
電力消費
出典:World Water Week 2015、Reza Ardakanian氏、UNU-FLORES
図1-1 El Hierro島の風力、水力発電システムの計画図、及び電力と水の流れ
(7)
ケーススタディ 2:エチオピア、 (風力発電と水力発電の統合~発展途上国のための大
きな機会~)
エチオピアは、電力生産、特に風力発電及び水力発電に関する巨大な再生可能エネルギ
ー資源の潜在性を秘めている。HydroChina 社(中国の水資源、水力発電、風力発電プロジ
ェクトの開発・運営事業者)による研究では、同国の北部及び南部で風力発電の巨大な可能
性が確認されている。特にソマリ州では推定 1.3TW の風力発電量の潜在性があるとされて
いる。水力発電は内陸と越境部に流れる河川から 45GW の発電量が推定されている。
国の現在の電力消費量は、約 8.5TWh であり、消費量の内約 93%は大規模な貯水池を用い
た水力発電所によるものであった。エチオピアの電力部門の計画によると、電力供給量は
2015 年までに 11,600MW、2030 年までに 25,000MW に到達する予定である。図 1-2 に現
在及び将来の電力発電量の増加予想を示す。
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設置容量(MW)
情報報告 ウィーン
地熱発電
風力発電
水力発電
年
出典:World Water Week 2015、Reza Ardakanian氏、UNU-FLORES
図1-2 エチオピアにおける現在と将来の電力消費構成の見込み
近年、エチオピアは持続可能で十分な電力供給を実現するために利用可能な再生可能資
源の開発を強調している。これは、水力発電が支配的な現状の発電システムでは干ばつな
どの場合非常に深刻な影響を受けると認識しているためである。水力発電の変動性に対し
電力システムをより弾力的にするために、発電方法の多様化が広く必要とされている。発
電資源の多様化は主に国内での安定的な電力供給を可能にし、また余剰電力の輸出を行う
ことで外国からの歳入を得ることが出来る。国の大規模な貯水式水力発電施設は水理的な
乾燥条件や低風即時に発生する電力不足を緩和するのに役立っている。
結論として、電力の発電ミックスは電力供給の維持及び水理条件に起因する発電量の変
動、風速の断続的な特性に多大な貢献をしている。水力が支配的な発電システムもまた、
エチオピアがジブチやスーダン、ケニアに電力を輸出し始めたように、近隣国の風力発電
や太陽光発電システムのバランスをとるのに役立っている。東アフリカの電力連系系統は
エチオピアの大規模貯水式水力発電施設によりバランスをとっていると考えられており、
それは他の再生可能エネルギー資源より安価である。このように、この水力発電容量は近
隣諸国における手頃な電力価格水準に貢献している。
(8) ケーススタディからの教訓
一般的な水力発電は、他の社会的要請との相乗効果とその貯蔵容量のため他の再生可能
エネルギー間での特別な役割と電力ミックス内での高い潜在性を秘めていることが全ての
事例から明らかである。
エチオピアに似た多くの途上国では、水力発電は地域レベルでの電力の安全保障を高め
るために、再生可能エネルギーと近隣諸国の電力システムが協調して開発されるための高
い潜在性を持っている。
これは、欧州のグリッド内でノルウェーの水力発電が果たしている潜在的な役割と同様
である。一般的に、貯水式水力発電所は、他の水利用との相乗効果の機会を提供している。
揚水式水力発電所は El Hierro 島のような電力需要と比較し他の再生可能エネルギー源の
潜在性が高い特定のシステムにおいて重要な役割を果たしている。
(参考資料)
・World Water Week 2015、(http://www.worldwaterweek.org/)
・UNU-FLORES ホームページ、(https://flores.unu.edu/)
・World Water Week 2015 Reza Ardakanian 氏(UNU-FLORES) 講演資料
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情報報告 ウィーン
2.アフリカ及び地中海地域における都市の水とエネルギー管理の最適化
Angela Klauschen 氏、世界水パートナーシップ (スウェーデン)
(1) アフリカでのメガシティの出現
2016 年までにアフリカ都市部で生活する人口は5億人を超えるといわれている。また、
2030 年までには世界最大規模の 10 都市の内3つがアフリカに誕生すると推定されている。
アフリカはインドの都市化を越える速度で近代化しており、中国の成長率に比肩する程で
ある。そのため、都市生活者の水と電力に関するニーズへの対応という巨大な課題が課せ
られている。図 2-1 にアフリカ各都市の 2010 年から 2025 年にかけての成長予測を示す。
都市人口の予測
(%)
出典:World Water Week 2015、Angela Klauschen氏、世界水パートナーシップ
図2-1 アフリカ各都市の2010年から2025年にかけての成長予測
また、図 2-2 にアフリカで必要とされている水とエネルギー間の相関関係を示す。
エネルギー
水サービスのための電力
・バイオ燃料
・火力発電
・原子力
・再生可能エネルギー
・地熱発電
・水力発電
抽出
発電
輸送
灌漑
処理
配送
電力サービスのための水
連結利用
水
排水又は放出
排水又は放出
出典:World Water Week 2015、Angela Klauschen氏、世界水パートナーシップ
図2-2水とエネルギー間の相関関係
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情報報告 ウィーン
(2) 意義のある制度としての相互作用の開発
意義のある制度としての相互作用の開発には電力部門と水部門それぞれの部門で必要と
される要素・団体を表 2-1 に示す。
表 2-1 電力部門と水部門で必要とされる要素・団体
電力部門
・プラントマネージャー
・ユーティリティ企業
・調整者
・電力連系系統
・エネルギー省
・水資源に関する委員会
・気候変動に関する委員会
・持続的発展に関する委員会
水部門
・水利用者団体
・水当局
・民間のサプライヤー
・流域組織
・水省
・水資源に関する委員会
・気候変動に関する委員会
・持続的発展に関する委員会
出典:World Water Week 2015、Angela Klauschen氏、世界水パートナーシップ
また、異なる部門間で課題を克服するには、異なる言語、空間スケール、市場と政治的
立場、予測不可能性を考慮に入れておく必要がある。
(3) ケーススタディ
アフリカ各国で取組まれている水と電力に関する取組み事例を以下に記載する。
①セネガル・ダカールにおける下水汚泥からの電力の抽出計画
セネガルの首都ダカールでのこの取組みに関する全体的な目標は2つあり、1つ目は副
産物である下水に付加価値を作るため、燃料として下水汚泥を再利用すること、2つ目は
セネガルの独立衛生部門における改善された管理を促進することである。
具体的な目標としては以下の通りである。
・乾燥汚泥が固形燃料(木、石炭等)に匹敵する熱量を持っていることの実演
・乾燥汚泥の質を改善するため、乾燥工程の最適化を行う
・汚泥を燃焼させるためのパイロット炉を建設する
・炉の性能を質、量の観点から監視する。
・燃焼残渣の定量化と特徴づけ
②コンゴ・キンシャサの基本計画における水と電力の統合
現在、コンゴの首都キンシャサは住宅の64%のみに水が供給されており、住宅トイレには
浄化槽があるのみで、下水道には繋がっていない。また、大部分の廃棄物は川へ捨てられ
ている。このような現状の下キンシャサの人口は2014年に1000万人から2030年には1500
人まで増加すると予測されている。
計画の主な目的としては以下が挙げられる。
・キンシャサの公衆衛生の必要性の強調
・資金調達手段の明確化
また、その手段を以下に示す。
・資源(家庭排水、バイオガス等)としての水を、コミュニティの水価格を安定化させるた
めに役立てる。
・ビジネス機会の創出
・キンシャサの基本計画における付託条項の開発
これらの活動におけるパートナーとして、アフリカ水施設(AWF)とドイツ水パートナー
シップが参加している。
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情報報告 ウィーン
③地中海と市における屋根型太陽熱温水器の導入
現在、地中海地域の都市であるキプロス、ギリシャ、イスラエルが主導で、地域の豊富
な日照量を利用することで、従来発生していた電力と費用を節約しようとしている。その
方法としては、省スペースのために家屋の屋根に平坦な太陽熱温水器を設置するというも
のである。これにより家庭暖房システム(HHs)に持続可能な対費用・資源効果のあるソリュ
ーションが得られた。特に、イスラエルでは年間推定200万バレルの原油が節約可能となっ
た。
(4) まとめ
新しい或いは小都市のための都市計画における水と電力の資源共有と連結的な使用は、
大きな効率性の向上に繋がる。また、多目的インフラと共同操作により大幅なコストの削
減が可能である。
(5) 課題
・急速な都市化による家庭用暖房システム数の増加と地理的範囲の拡大の予測を考慮し
た都市計画
・利用者へのサービス(電力グリッド、給水システム、下水道)の供給を供給するために必
要とされるインフラの拡大への対応
・都市部に向けた外部からの十分な水と電力の確保
(参考資料)
・World Water Week 2015、(http://www.worldwaterweek.org/)
・世界水パートナーシップ ホームページ、(http://www.gwp.org/)
・World Water Week 2015
Angela Klauschen 氏(世界水パートナーシップ) 講演資料
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