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ウィーンは、7月に入って30℃を超える日が続いたかと思えば、20
ウィーンは、7月に入って30℃を超える日が続いたかと思えば、20℃ちょっとしか気温があが らない日々が続くなど、不安定な気候となっています。とはいえ、日本が梅雨時期で蒸し暑い中、 湿度の低い欧州の夏は過ごしやすいと改めて感じています。 先月号に引き続き、今月もリトアニア出張時のことを書きたいと思います。リトアニアへはウ ィーンから直行便で行き昼過ぎには到着予定だったのですが、オーバーブッキングのためにチェ コのプラハ経由でリトアニアのヴィルニス空港に夜10時に到着予定となりました。そのため、思 わずウィーン空港での待ち時間が6時間ほど出来てしまい、その時間をどのようにつぶそうかを 考えてベンチに座っていた所から話は再開です。 とりあえず時間があったものの、何をするわけでもないのでベンチに座っていました。座って いる所から見えるゲートのモニターに書かれている行き先をみると世界各地への便があり、その 中には「Narita」という行き先もありました。「日本かぁ。 。。いつこれに乗るのかなぁ。 」などと 考えていると、急に日本語で「何時ですか?」と声を掛けられました。振り返ると、ブロンズヘ アーで明らかに日本人ではない女性でした。答えた後に、その女性も僕と同様、時間をもてあま しているようだったので、話を聞いてみることにしました。すると、彼女はルーマニア人でこれ から日本に1年半ダンサーとして働くために行くらしく、どうやら先程僕の見ていた成田行きの 便に乗るとのこと。日本語は、以前日本に行ったことがあり、それから勉強しているとのことで、 日本で発行されている日本人向けのルーマニア語会話の本を見せてくれました。最初「怪しいな ぁ」と思って当たり障りのない話で終始していましたが、どうやら勘違いであることが分かって きました。それは、 「日本に住む気がありますか?」という質問に対する回答で「弁護士になりた いので、今はダンサーとして働いて学費を貯めて、その後母国に戻りたい。」と言ったのです。さ らに、外国語が4カ国語も話せる非常に優秀な方であることも分かりました。その後も、ルーマ ニアの事情とかいろいろ話をして、こうして直接現地の方とお話しする機会なんて少ないので、 非常に貴重な経験でした。 その後昼食を食べた後、まだ出発時間まで4時間弱あるので空港内を移動して別のベンチで休 んでいました。持っていた本を読んでは見たものの、眠たかったのであまり頭に入ってきません。 すると、また声を掛けられたのです。 「これからパリに行くのですが、どうやらパスポートコント ロールがないようなのですが。。。 」と質問されたので、 「シェンゲン条約に加盟している国同士の 移動では、それはないですよ。」と答えた。 「そうですか~。 」と言いながら、私の隣に座る中年女 性。先程のルーマニア人の方だけでなく、この方も時間を持て余しているようです。もちろん私 も時間がたっぷりあるので話を聞いてみると、ウィーンに来たのが初めてであり、念のため出発 の5時間前に空港に到着してしまったとのこと。一人での旅行のため、旅行中も機会を見つけて日 本人らしき人に話しかけていて、今回ウィーン空港で見つけた日本人が僕だったようなのです。 その方とは、今回のオーストリア旅行の話を聞いたり、日本の地元の話をしたりと、気がついた らコーヒーまでご馳走になって、出発前の1時間程になるまで話をしていました。 結局、上記のお二人のおかげであれほどあった待ち時間もあっという間に過ぎてしまいました。 その後無事に到着してホテルまで問題なく到着することができました。確かに、当初より8時間 以上遅れたために疲れはしましたが、思わぬ展開になって面白かったです。「人間万事塞翁が馬」 とはこのことでしょうか。 下の写真は、ヴィルニス市内にあった屋台の様子です。リトアニアではバスケットボールが非 常に盛んで、 「宗教:カトリック、バスケットボール」と紹介されることもあることもあり、その -97- 駐在員だより ウイーン 関心の高さが伺えます。写真の右にもバスケットボールの形をしたおみやげ物が売られています。 最後に、6月下旬でジェトロ・ウィーン・センターは今まで約20年間使用していた事務所を引 っ越すことになりました。引っ越しの準備として部屋を掃除していると、各国言語の辞書類や海 外生活の手引きをはじめとした各種書籍、地図、ユーロ移行前の硬貨まで様々なものが数多く出 てきました。産業機械部の今までの先輩方のウィーンでの奮闘振りを垣間見ることができました。 これからは、壁も天井も新しくなった事務所で、先輩方に負けないよう心機一転業務に励みたい と思います。 ジェトロ・ウィーン・センター 産業機械部 玉井 伸哉 -98-