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山元町産いちごの全国ブランド化 ~ミガキイチゴのマーケティング戦略~
【ブランド化】事例1 (平成27年度食材王国みやぎ推進優良活動表彰) 山元町産いちごの全国ブランド化 ~ミガキイチゴのマーケティング戦略~ 取組主体 農業生産法人 株式会社 GRA ◆いちご(11,000 ㎡) ,トマト(2,000 ㎡)の施設栽培 取組の概要 ◆いちごのスパークリングワイン(「ムスー」と「カネット」)とコスメ商品の販売 ◆いちご生産の海外展開,新規就農研修受け入れ,夏季いちごの栽培 ICTを活用し,いちご栽培中の環境データを解析することにより最適な条件で イチゴを栽培し,出荷基準は独自に厳格に設定している。いちごは「食べる宝石」 をコンセプトに,大粒で完熟した糖度の高いいちごを「ミガキイチゴ」と称して商 品化。30 代前半の女性をターゲットとし,販路は百貨店を中心に規格を満たさな いいちごはワインに加工して使用している。 大規模で最先端施設により,安定的に高品質ないちごを生産できることで,一粒 千円の高値販売を実現している。 【ブランド化の取組のきっかけ】 ◆ 震災を契機に山元町のいちご産地の再生を支援することを目的に設立。代表は東京で IT コンサルティング会社を経営していた経歴を活かし,震災後のいちご生産と復興と新たな産 業づくりを目指している。 【活動の内容】 ◆ 「食べる宝石」をコンセプトとし,パッケージのほか,産地から製法,流通まで一貫 したブランド管理を実施。極少量しか生産できない大粒で完熟した糖度の高いいちごを 「ミガキイチゴ」と称してブランド化し,独自の厳しい規格により,一粒千円で商品化。 他の等級のいちごも名称を変えて統一ブランドとして販売。これ以下のいちごはワイン に加工することで,余すことなく活用。 ◆ ミガキイチゴの生産を担う部門と,マーケティング等を担う部門に分け,ブランディ ングを実施。また, 「知識・スキルや経験を活かして社会貢献活動」をするボランティ ア(プロボノ)を活用し,組織体制の質の向上を図っている。 ◆ ターゲットを 30 代前半の女性として,従来のいちごの価値(味,形,大きさ)に加え, 大切な人に贈るものとして価値を構築。そのため,販路は百貨店を中心に,いちご一粒 一粒を傷付かないよう,発泡包材で包み,パッケージデザインでも高級感を演出。 ◆ コンセプトに合致したロゴとパッケージデザインで,グッドデザイン賞を受賞。 ◆ いちご狩りも実施し体験による付加価値向上を図り,収益性を高めている。スパーク リングワインを首都圏の店舗やネットにより,一般的に流通しない時期(夏・秋)に販 売し,ブランドイメージ定着を図っている。夏季収穫が可能な施設栽培も開始。 ◆ ICT により,栽培中の環境データを解析し,最適な条件で生産している。出荷基準は独 自に厳格に設定している。GAP(農業行動規範)に準じた衛生管理をとっている。 ◆ スパークリングワインなどの加工品は製造業者と連携して取り組んでいる。HP のほか, SNS も活用し情報発信。 【活動の成果】 ◆ 多くのいちご生産者は,市場規格による JA 出荷を行っているが,GRA では独自の最高 規格を設定し,一粒千円の高値販売を行っている。この実現には,生産頻度の低い最高 規格のいちごをまとまった量で流通させることが必要だが,GRA では,大規模で最先端 施設により,安定的に高品質ないちごを生産できることで販売を可能としている。 ◆ ミガキイチゴは,新聞やテレビ等のメディアで広く報道されたことで,ブランドイメ ージである高級感や華やかさが消費者に評価され,贈答やイベント利用(ブライダル等) として認知・支持されている。 【今後の活動】 GRAではミガキイチゴのフランチャイズ展開として,新規就農者に向けて,これまで培っ たいちご栽培のノウハウと ICT を活用した整備の構築,流通を支援する計画である。これによ り,農業従事者不足や地方の人口流出を防ぎ,雇用の創出による定住化の増加に貢献すること で,復興に寄与することを目標としており今後が期待される。 ミガキイチゴ イチゴスパークリングワイン GRA 先端農場 ミガキイチゴ ムスー ICHIGO WORLD ツアー の様子 活動主体・連絡先 組織名: 農業生産法人 株式会社 GRA 代表者氏名:代表取締役 岩佐 大輝 住所・所在地:〒989-2201 電話: 0223(37)9634 E-mail:[email protected] 亘理郡山元町山寺字桜堤47