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ヒューマノイドロボッ 卜才華3の重力歩行実験

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ヒューマノイドロボッ 卜才華3の重力歩行実験
計測自動制御学会東北東郡市192回研究集会(20DO・12▲12)
資料番号192一日
ヒューマノイドロボット才葦3の動歩行実験
Experiments onDynamicl町alkingofthe Humanoid Robot
Saika−3
,近野致−,内山勝*
0猪平栄Tヰ
OEiichiInohira♯⊃AtsushiKonno*,MasaruUchiyama♯
*東北大学
*Tohol〔uUniversity
キーワード:ヒューマノイドロボット(blユmanOidro加t〕,二足歩行=巾edwall【ing)ト知経口ポット
(i山e11igenLrobo亡〕.ゼロモーメントポイント(宅eご0】nO皿entp血t)
達緒先:〒98口_畠579 仙台市青葉区荒巻字青葉01東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻 内山研究室
碍平栄一,Tel.二(□22)217−6973,Fa:く∴(022)2]7−6971,E−mail=iⅡ血ira鮎pac∈・m8Cb−▲tOI10加・aC・jp
才筆3のハードウェア構成,ソフトウェア構成に
1. はじめに
ついて論じ,プ・撃3の動歩行へ向けての某礎的な
近年のロボットハ」ドゥェア技術の急速な進歩
寅焼結果を報告する.
により,自立歩行可能なヒューマノイドロボット
が実現可能なものとなりつつある1).LかL,そ
2. ハードウェア構成
れまでのヒューマノイドロボッ†の重量は100匹g]
ヒュ∪マノイドロボット才華3の概観をFig.1に
を超え.実験用プラットフォームや人間との共同
作業への応用を考えると,より曜昆のヒュ←マノ
示す.才華3を支えているプレ」ムは歩行器であ
イドロボットの実現が望まれていた.そこで筆者
り,安定な乱歩行制御系を開発するまでに∴歩行中
らは,バッテリー,コンピュータ等を搭載し.鑑
の転倒を防止する目的で便用する.才聾3は片腕
査量が約5(りl〔g]の軽量自立全身型のヒューマノイ
に7自由度,片脚に6日由度.頭部に2日由鼠 ハ
ドロボットオ華3を開発してきた2⊃3)
ンドに1自由度(末葉装)の合計30自由度を持つ,
全長は.足裏からビデオ送信樟アンテナ先端ま
二足歩行ロボットの動歩行は,主に倒立振子モ
デルによる方法′1,5),ゼロモーメントポイント(
で1271[m叫である・バッテリーを6個措萌した
zⅣlP)6)を補償する方狙およびその二つを組み
最大把重量は,およそ5D匹g]程度である,才華3
合わせた方法II7)がある.なかでもZMP制御と
のCADモデルをFig.2に示す.現在,ハンドを除
刷立荘子制御を組み合わせた方法は,高い歩行安
く部分の製作が終了Lている.
本章では,ヒニL一一マノイドロボット才筆3のハ」
忘性が得られている,
本論史では.
ドゥェアの詳細について述べる.
開発Lたヒューマノイドロボット
−1−
軍
頂
剋、.血
仙m
干−−‥; I
Fig.1 A呂napShoLofSaika−3placedinitswaLker
Fig.2 CA工〕modelorSaj由一3・
パルス信号をカウント可能なユニバーサルパルス
2.1 搭載電子機器
プロセッサを搭載した,富士通(帯)製のIuFTOIA
胴体内部には,コンピュータ,ハードディスク,
を2社債用Lた.
モータドライバ30台.6軸ジャイロスコ←プ.ビ
12[Ⅴ],4,5[Ah]のバッテリーを2個直列につな
デオ送信機,フィールド多重化回路,バッテリー
ぎ24Ⅳ]の電源とLて用いる.したがって2晒単位
DC仲C変換器.鍵綻LANが塔戟される.
で増減が可経で,最大6個搭載できる.搭載エレ
コンピュータの進歩は近年めぎまLく.PClO4
クトロニクスの全体の消費電流は,+5ⅠⅤ〕が9■63
やカuドPC,日立のSHシリーズを用いたカード
【A],+12【Ⅵが2■64[A】,−12【Ⅴ]が0・18[A]であ
コンビュ」タなど小型で性能の良いコンビュ一夕
る.バッテリーを最大数搭載L,平均浦賀電流20
が安価で人手できるようになった.才筆3ではプロ
[A]程度の運動をさせた場合,約∠15分間の駆動可
グラムの開発のやりやすさ,開発ツールがそろって
能である一 また,長時間町連続使用を可能とする
いること,准々な入力デパイ封二対応できることな
ため,外部電源からの電力供給のための端子も備
どの観点から,コンビュ]夕にはIBMPC/AT互
えてある.
換確を,OSには広く普及LつつあるL血u文を実時
モータドライバは,岡崎産業〔株)のTIT甘CH
間制御用に改造したRT−LinlⅨを採用する.また,
DRIVERlrer.2を訓台僅用した.またジャイロス
PCID4中カ[ドアCはⅠ/0カ」ドやPCIカ」ドを
コープとLて日本航空電子工業(株)のJm上呂−3□S
使う場合は結果的に体積がハーフサイズのPCより
を僅用Lている.その他,無線LA刊■(どこでも
も大きくなるとの判断から,ハーフサイズのPISA
LAⅣ2400),画像処理ボードtIP−5005BD〉など
バス仕様シングルボードコンピュータとPISAバス
を搭載Lている.
のパッシブバックプレーンを使用する.
ハ」ドゥェアの全体構成をFig.3に示す.
Ⅰノ0ボ」ドには,AノD変換機を16血D/A変換
機を16ch,また16ch分のA相とB相のエンコーダ
ー2−
〔a)LayeLLSOfthe50le.(b〕Allo(ニatic・nOftheFSR・
Figト4 StructuTeOftlleSOle・
Flg・3 Blockdiagramofcontrol町SteIn・
2.2 足底構造
足底は一 アルミニウム振,FSR.飴ゴムシートー
Fig・5 Mea5urementOfZhノ1P・
アルミニウム根」発泡スチロール.7ルミニウム板,
ソルポセイン.の7層柿遣となっている(Flg・4〔可)・
足.某にはZMPを計測するためにインターリンク
Tat】1ellayersaユ1d山nctionsofcontrol帥氏wa上巳
⊥ayer5
functioms
〔株)のFSR〔FoTCeSen如i、reR.csistor)を刷耶二つ
U占erintE5rface SelectioI上0壬■rl10tionpa[t,Crn
き12枚ずつ貼り付けてある(Fig・4阿).
Motion亡Ont,rOI Planningofjointtra]e仁tOries
Devic巳COntrOI Sensory data acq11isitionand
,tOintselLVOlng
2.3 2:MP計測
ゼロモ」メントポイント(訊岬)6)のFSRに
よる制定原理をFlg.5に示す.鞘=[ご去っ肌]Tは
FSRが貼り付けられた場所を表す・また,pZ」up
=【∬z」l肌封Z財P]rは訂MPである・Zh4Pはpiに
作用する床圧力f】を測定することで,次式から求
めることができる.
、
二ご・.
・
Ⅱz九日)===
±、√
訂Z八イP=
1=1
.=l
(1〕
皇ム
上=三1
3.ソフトウェアの構成と実装
Fig.6 Co王1短urationofcontrol呈上唱SOfヒWa∫e一
3.1 オペレーティングシステム
Fig.6に,現在開発中の才筆3の制御システム
才華3制御用OSにはm−Linuxを採用L,カー
のブロック間を示す.RT−Linuxでは,実時間処理
ネルにはもin11Ⅹ2.2.17にRT−LinuxV2.3のパッチ
をカーネルモジュールとして記述L,カーネル空
を当てたものを慣用Lている.
間において実行する.才筆3では.現在以下のニ
ー3−
つのモジュ]ル官用いている.
● RIF−01.0
インターフェースボードRIF一口1Aに対Lて
入出力を行う関数群を捷供するデバイスド
ライバ
● Servo.0
FigL7 Layersandcommuni粗tiDnヨ・
客間節のサーボ,ZMPの計算などの処理を
一定周期ごとに実行するスレッドを生成する
モジュール
これ以外の軌道計画等の処理は.ユーザプロセ
スで行っている.これは,効牢的にソフトウェア
を開発するためである.ユーザプロセスにバグあ
る場合,カ】ネル空間を壊さない限り.システム
がハングアップすることはない.Lかし,カーネ
Fig.当 De5CriptiロnOf皿0もionpat七ern3.
ルモジュールにバグがある場合,メモリ保護機能
が働かないためシステムはハングアップしてしま
う.多くの場合,このようなバグを追跡するため
最下層のデバイス制御層では.各関節のサ」ボ
の情報を得ることができない状態に陥るため,バ
を行うために,リアルタイム処理を行う必要があ
グの修正には多くの時間を賀やすことになる.つ
る.デバイス削御層のソフトウエアは,すべてカー
まり,可能な限り必要な処理をユ」ザプロセスと
ネルモジュールとLて実装する,
Lて実現Lていく方が,時間と労力を節約できる,
遊動削御層とデバイス制御層の間のインタフェー
ⅠモT1inuxでは.ユ]サブロセスとカu十本ルモ
スには,m−F工FOと≠キ有メモリを用し1ている.RT−
ジュールが通信するために,RT−FIFOというキャ
FIFOは.コマンドの送信と同期をとるために用い
ラクタ型デバイスが用意されている.ユーザプロ
ている(Fig.7).
セスでは,RT−FIFOを介してコマンドを送信L,
ユーザインタフェース層と運動制御闇には,ロー
ロボットの動作を制御する(Fig.6J.
汁Ⅸドメインソケットを問いている(Fig.7∴ 現
ユーザプロセスは.コマンドを送信した後∴か一
在はユ」ザインタフェースでは⊃ UNTXのシェル
束ルモジュールはロボットの状態を越されるまで,
のようなCt71を慣用Lている.
デ」夕貴借待ちの状態になっている.これを利用L
i寧勤制御層とエーザインタフユース層のソフト
てカーネルモジュールとユーザプロセスは同期を
ウェアは,厳密なTノアルタイム処理が行う必要で
とっており,CPてJの負荷が大きくなければ,軌道
はないのでL血ux上で実行する.
計画等の処理を一定周知ごとに行うことができる.
4.行動パターンの記述
3.2 制御ソフトウェアの構成
ヒューマノイドロボットの行動パターンの記述
才華3を操作するソフトウエアほ,T址1elに示
方法をあらかじめ統一Lておく.才華3で用いる
す三つの階層からなる.
“4
方向に倒れてしまう.静的なバランスをとらずに
行動パターンの記述モデルをFl軒呂に示す.
足踏み動作を行えるかを確認するために,体斡を
行動パターンを追加するたびに,必要ないフ7
イルまでコンパイルLなくてもいいようにするた
左右に堀帽40[m叫,周波数0・‖叫で移動させ
めに,実行中にオブジェクトフ7イルをロ」ドし
る実.暁を宿った.Fig.9に示すように,静的なバ
てリンクを行うダイナミックローディングという
ランスをとらなくても体幹の移動によって見附み
確能を用いる.
動作が実現できることを実演により確認Lた.
まず】雲顎Lたい行動パターンを上述の記述モ
6. おわりに
デルに当てはめ一アig.邑の5つのブロックのそれぞ
れに対応する関数をプログラミングする,このと
開発Lた軽量ヒュ」マノイドロボットオ華3の
き,作成する関数の型を統一しておく.作成Lた
安定動歩行のための第一歩として.簡単な歩行基
ソ]スファイルをコンパイルLてダイナミックラ
礎実験を行った.今回の基層実験でほ胴」のトルク
イブラリを作成する.
は十分であり,バッテリー最大括飛時(8閻で12
このような手順で作成したダイナミックライブ
[止g])においても屈伸運動が可能であることが確
ラリをロードすることによって,メインプログラ
認された.
ムを再栴某することなく,行動パターンを追加す
理僧侶MP軌道からジョイント軌道を求める解法,
ることが可能になっている.
ZMPの補償制御の開発㌧ ZMP回りでの倒立振子
メインプログラムでは,行動パターンを実現す
制御法の確立と,安完動歩行のためには開発Lな
るFig.8の5つの関数を順番で呼び出L英行する
ければならない喜班題ほ多いが,一つ一つ問題を解
ことで.指定された衝動を発現する.
決L,早急な安定動歩行の実現を目指す.
5. 実験
参考文献
1)広瀬真人,什中i軋五味乳小澤信明・人間型ロボッ
動歩行のための基礎実験として足踏み動作と屈
ト⊥甘木ロボット学会誌∵血1.15,Ⅳ仇7,pp・98ヨー985,
伸動作を行った.足踏み動作の梯子をFig.10(a)
1997.
2)近野艶自記1軌古田友乏,加藤稚阻内山勝⊥ヒュー
マノイドロボットオ華3の開発.日本龍循学会ロボ
、(f)にっ屈伸動作の様子をFig■g(a)、(r)に示す■
テイクス・メカトロニクス講演会コロ0誹総論文集Tpp,
まず.アクチュエータの性能を確認するために,
2Pl−79−123,2000.
屈伸動作案偲を行った.勤歩行を実現する上で.ア
3〕A七5116玩Konn恥Noriyo血1Ⅰ〔a叫SatoshiSllir孔ta=
クチュエータの出力トルクヒ回転数は極めて真琵
Tomロy山:iFu∫uta,andM孔Sa∫uVcユ1iyユma・Develo㌢
な要素である.そこで,Fig.10に示すような屈伸
Pmc.げ上古且卑/兄∫J九!・仇叫㍉m血加嘩押両月油抽
血相d∫y壇mβ,pP・1565−157ロコ2000・
men七ofatighlトWbigムセ8ipedH−1ma−10idfid〕0仁・工n
動作をスムーズに行うことができることを実験に
4〕舌荘純次∴数的二足歩行ロボうトの制御−その低次
モデルおよび階層別御帯−,日本ロボット学会路
より確認Lた.
Vol.1,No13,PP・1呂219□,19呂3・
つぎに,動歩行を実現するための基礎となる足
5〕梶田寿司1谷和男⊥線形間立振子モードを規範とす
る凹凸路面上の動的2足歩行制御.計測自動制御学
踏み動作実験を行った.動歩行を行うには,ある
会論文狙Vol.31,No.10,pp.170517エ4,1995・
悲度の速さで重心移動を行い,片方の足底上に重
6Jブコプラトピッチ「歩行ロボットと人ロの足(加藤,
山下訳).日刊工業新聞社,1975.
心が完全に乗る前に,もう片方の脚を上げ始める
7)長坂憲一軋稲葉雅章,井上惇允.体幹位置コンプラ
イアンス副御を願いた 人間型ロボットの歩行安定
化.第17回日本ロボット学会学術講偏会予稿集}pp−
1193−119も19日g・
必要がある.しかし,荷重が加わっている状態で
蛭埋に脚を上げてLまえば,バランスを崩Lその
T5
(d〕
〔e〕
Fig,9 Prelimi皿虻ye又perimenヒOf写qu∂」t血g・
(d)
(e〕
Fig.10 Pごelimimaryexperlmentof5柏ppir唱.
一6−
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