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授業科目 C01法曹倫理 2単位 担当教員 河嶋恒平・派遣裁判官教 員

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授業科目 C01法曹倫理 2単位 担当教員 河嶋恒平・派遣裁判官教 員
授業科目
C01法曹倫理 2単位
担当教員
科目分類
実務基礎科目 必修科目
対象学年
河嶋恒平・派遣裁判官教
員・派遣検察官教員
2年次
講 義 の 目 的
社会の発展,法制度のめまぐるしい変革に伴い期待される法律家の役割,責任,職業倫
( 到 達 目 標 ) 理は複雑化し深化している。法律実務家として実務に携わる者は,現代社会における法律
家の使命と責任を自覚し,また,職業倫理を身につけることが必要不可欠である。この講
座では,法律家の使命,責任,職業倫理についての歴史と法制度を学び,また,関係する
事例,判例を学び,具体的な事例を検討しながら法律実務家としての使命と責任を自覚し,
職業倫理を身につけることを目標とする。
講義の位置づけ
民法,刑法及び基本的人権の法律基本科目を習得した学生に対して,将来法律実務家と
して実際に仕事するに際して必要不可欠な責任感と職業倫理を養う。
履 修 上 の 注 意 ・ 民法・刑法の法律基本科目及び基本的人権の基礎(いずれも必修科目)を受講し,各
科目の基礎的知識を有していることが望ましい。
・ 各回ごとに検討する範囲を予め指定するので、学生は質問等に答えられるように準備
しておくことが望ましい。
成績評価の方法 ・ 成績は,①科目修了試験,②授業中の質疑応答,③課題の内容を総合して行う。それ
ぞれの比率は次のとおりである。①50%,②30%, ③20%とし、100点満点で評価する。
教
科
書 「法曹の倫理」森際康友 編(名古屋大学出版会)
上記の他,教員が配布する,レジメ,事例,設問,資料,判例など
参 考 書 等
各事例に関係する判例,弁護士の資格・懲戒事件議決・事例など
講 義 の 内 容 第1回 法律家とは何か,法律家の仕事の内容,使命,やりがいの概要
各 回 の 主 題
・ 専門職(プロフェッション)としての法律家の役割と責任の重さ,それを前提とす
る仕事のやりがいについて弁護士教員が体験に基づき話した後,プロフェッショナル
としての法律家の現状について,学生と教員が討議する。
・ 弁護士の使命・役割,弁護士という職業について学生と教員が討論する。
第2回 弁護士制度の歴史,弁護士の仕事の内容とやりがい,弁護士会の役割と活動
・ 弁護士制度の歴史を概観し,現代の弁護士の仕事の多様性を学ぶ。
・ 弁護士と弁護士会の使命,弁護士自治を人権擁護,弁護士法1条を手がかりに学ぶ。
・ 弁護士及び弁護士会の公益的活動についても学ぶ。
第3回 裁判官の仕事,使命,やりがいについて学ぶ
・ 現職の裁判官に仕事の内容,使命,やりがい,日常生活などを語ってもらい,学生
と質疑応答する。
第4回 裁判官の職務の独立,職業倫理,懲戒について学ぶ
・ 裁判官の職務の独立について
・ 裁判官の職業倫理について
・ 裁判官の懲戒制度にいて
第5回 検察官の仕事,使命,やりがいについて学ぶ
・ 現職の検察官に仕事の内容,使命,やりがい,日常生活を語ってもらい学生と質疑
応答する。
第6回 検察官の独任制,検察官の職業倫理,国家公務員としての倫理について学ぶ
・ 検察制度と検察官の独立,検察官同一体の原則などについて
・ 法務大臣の指揮権発動について
・ 検察官の職務上の倫理について
第7回 弁護士の事件の受任と辞任,事件処理の倫理,紛議,第三者との関係
・ 受任の法的性格,受任の範囲,権限,説明責任,事件処理の方針,依頼者の自己決
定権
・ 受任弁護士の義務(迅速な事件処理と報告など)
・ 相手方との直接交渉,他の弁護士が受任している事件の相談と受任
・ 教員が学生に事例,設問及び資料を予め配布し,討論方式で授業を進める
第8回 守秘義務
・ 弁護士の仕事の特質と守秘義務の根拠と範囲
・ 刑法,刑事訴訟法,弁護士法23条,弁護士職務規程23条などの関係法規の意味,
目的
・ 守秘義務と公共の利益
・ 守秘義務は弁護士制度,弁護士業務の核心となる義務である。事例をもとに学生と
教員,学生間で討論する
第9回,第10回 職務を行い得ない事件
・ 利益相反行為について弁護士法25条,弁護士職務規程27条,28条を手がかり
授業科目
C01法曹倫理 2単位
担当教員
河嶋恒平・派遣裁判官教
員・派遣検察官教員
に問題となりやすい事例を検討する
・ 相手方との特別な関係,過去の関連事件と関連する事件の依頼者を相手方とする事
件の受任
・ 複数依頼者などについても事例を検討する
・ 共同事務所,弁護士法人,企業などの団体に所属する弁護士が受任できない事件
・ 民事だけでなく,家事事件,刑事弁護,少年事件,会社と代表者など多くの事例を
検討する必要があるので2回連続してこのテーマを扱う
第11回 弁護士へのアクセス,弁護士の広告,弁護士と営業
・ 弁護士へのアクセス
・ 弁護士広告,弁護士の営業活動
・ 広告規制の歴史,諸外国との比較検討
第12回 依頼者に対する責任・誠実義務,依頼者や相手方との紛争・紛争解決・懲戒
・ 依頼者に対する誠実義務,説明責任
・ 依頼者に不利益な証拠の秘匿
・ 依頼者や相手方との紛争,紛争の解決,懲戒制度
第13回 依頼者との金銭関係,報酬,国選弁護の報酬など金銭問題
・ 報酬基準,報酬契約,報酬の説明責任
・ 預かり金の管理と清算
・ 国選弁護の報酬
・ 相手方,相手方代理人からの利益供与の禁止など
第14回 刑事弁護と職業倫理
・ 刑事弁護人の地位,役割,権限
・ 被疑者・被告人の権利・利益擁護と真実義務
・ 依頼者・被告人に不利益な証拠と法廷活動
・ 事例,資料を検討しながら討議する
第15回 他の弁護士及び裁判官,検察官との関係における責任,責務
・ 事件の相手方との直接交渉の禁止
・ 他の弁護士が受任している事件の相談,受任依頼
・ 弁護士と真実義務,裁判遅延,不適切な主張,虚偽証拠の提出,偽証関与
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