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あ と が き 平成20年度アカデミー政策研究リーダー 札幌国際大学大学院

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あ と が き 平成20年度アカデミー政策研究リーダー 札幌国際大学大学院
あ と が き
コラボレーションは異なる分野の人、組織が協力して制作すること、或いは制作したものを意味
する言葉として一般的に使われるようになった。古い話であるが、芸術分野においてパブロ・ピカソ
とジョルジュ・ブラックによって1907年から1908年頃に創始され、その後、20世紀の重要な芸術
運動と評価されたキュビズムもコラボレーションの結果とみることが出来よう。
ピカソが1904年から住み始めたパリのアパートをル・バトー・ラヴォワール(洗濯船)と名付けた
のは詩人のマックス・ジャコブ、若きピカソはここで5年間を過ごすこととなった。1907年、詩人アポ
リネールの紹介でピカソはブラックと知り合い、1908年、そのブラックはカーンヴァイラー画廊で個
展を開いた。そして、ヴォークセルは作者が全てを幾何学的図形、立方体(キューブ)にしてしまうと
評した。この時、使われた言葉、キューブがキュビズムの由来と言われている。その後、ピカソとブ
ラックは共に新たな探究の道へと向かい、キュビズムという変革的運動の旗手となったことは広く知
られている。
今日、変革、改革、チェンジと表現されるパラダイムシフトへの期待には大きいものがある。そうし
た中で、行政は限られた予算を選択と集中の考え方で配分し、企業は素早くコスト削減を断行し、
人々は不安回避のため無駄な消費は控えるといった諸相がみられる。何のための変革、改革、チ
ェンジなのだろうか。きっとそれらの先にある社会の姿が見えてこないこともそんな疑問を抱く理由
になっていると考える。
さて、本研究会は「民間企業等と業務連携した公共サービス領域の拡大」をテーマとして討議を
重ねた。金融、教育、経済、農林、保健福祉、地域振興等の分野における諸課題について連携を
キーワードに各メンバーが意見を述べた。また、他府県の現状、民間企業の意向を把握するため
アンケート調査、ヒアリング調査を実施した。加えて、企業のCSRの実情を理解するため、ゲストス
ピーカーを招聘した。
景気後退下にあって民間企業のCSRは停滞するとの懸念もあったが、本研究会が実施した調
査結果は企業のCSRに対する積極的姿勢を表すものであった。北海道がこれまで行っている民
間企業との諸連携は一定の成果をみせており、間接的に道民生活へも好ましい効果をもたらして
いるものと推察される。信頼される公的諸制度、北海道経済の安定は北海道の豊かさを支える基
盤の二大要素であり、それらを基盤として道民生活の豊かさが享受されるものと考える。
厳しい現実場面に直面しているが、何もしなければ先にある社会の姿はみえない。NPOと行政、
行政と企業、企業とNPO、そして行政と企業とNPOといった異なる分野の人と組織の出会い、そ
して、その後のコラボレーションは道民の幸せ基盤づくりに貢献できるものと信じている。最後に、
本研究会に参加いただいた方々、議事録整理、意見調整、取りまとめ等運営全てを担っていただ
いた知事政策部総務課の皆さんにお礼申し上げる。
平成21年3月
平成20年度アカデミー政策研究リーダー
札幌国際大学大学院観光学研究科 教授 越塚 宗孝
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