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パンを焼くと柔らかくなる秘密

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パンを焼くと柔らかくなる秘密
刈谷市立刈谷東中学校
3年
2年
渡部 舞
與那覇 勝龍
パン班
ロ
シンイー
パンを焼くと柔らかくなる秘密
●
3年
渡部
2年
與那覇
舞
勝龍
ロ
シンイー
はじめに
部員の1人がパンを朝食に食べようとしたときのことです。バスケットに入れて1日た
った食パンは、最初のふんわり感がなく、パサパサで固くなっており、とてもまずくなっ
ていました。そこで、トースターに入れてパンを焼いてみると、パンは内側がふんわりと
したおいしいパンに変化しました。そのとき、なぜ、パンはトーストすると小さく縮むの
に、ふんわりとした食感に変化するのだろうと疑問に思いました。
翌日、話を聞いた私たちも、このことを不思議に思い、研究していくことにしました。
●
研究を始める前に
<事前調査>
私たちは「パンが固くなるのはなぜか」
という疑問を持ちました。固くなった原因
がわかれば、その反対の現象を起こすこと
でやわらかくすることができると考えられ
るからです。
そこで、家庭科の細川先生に、パンが固
くなるのはなぜか質問することにしました。
すると、パンが固くなるのはパンの中に含
まれている水分の影響なのではないかと答
えてくださいました。私たちは、食パンと
【細川先生に質問】
フランスパンに含まれている水分量をそれ
ぞれ調べてみました。食パンが全体の質量
の38%が水分であるのに対し、フランスパンの水分は30%で固いフランスパンの方が
水分の量が少ないということがわかりました。また、細川先生が自宅でパンを焼くとき、
焼き上がったパンはすぐにビニール袋をかぶせるそうです。そうすると水分が抜けずしっ
とりしたパンになるとのことで
した。このことを聞いたとき、
さ ら に 疑 問 が 増 え ま し た 。「 焼
く」ということは水分が抜けて
しまうことだと思います。しか
し、実際にトーストしたパンの
中はふわふわでしっとりした食
感になります。パンを焼くと何
が起こっているのか疑問に思い
成分名(100g あたり)
食パン
フランスパン
単位
エネルギー
264
279
kcal
水分
38.0
30
g
タンパク質
9.3
9.4
g
資質
4.4
1.3
g
炭水化物
46.7
57.5
g
灰分
1.6
1.8
g
穀類-穀類/こむぎ/[パン類]/食パン・フランスパン
(農林水産省ホームページより)
ました。
私たちは、
「 な ぜ 乾 燥 し た パ ン は 焼 く と お い し く な る の か 」と い う 疑 問 に 対 し て 、パ ン が
固 く な っ た と き 」と「 パ ン を 焼 い た と き 」を 水 分 量 に 注 目 し て 調 べ て い く こ と に し ま し た 。
●
研究の目的
「 パ ン が 固 く な る と き 」と「 パ ン を 焼 い た と き 」、パ ン の 中 が ど の よ う に
変化しているのかを探ることで、固くなったパンが焼くとやわらかくな
る原因を解明する。
● 研究について
今回の実験での名称について
特に指定がない場合、以下の簡単にした語句を用います。
《パンの状態》
「通 常 」: 市 販 の 食 パ ン を 開 封 し て す ぐ の 状 態
「乾 燥 」:「 通 常 」 を 重 量 が 1 0 % 減 少 す る ま で 風 通 し の 良 い 場 所 に 置 い て 乾 燥 さ せ た 状 態
「焼 き 」: ホ ッ ト プ レ ー ト で 片 面 4 分 ず つ 加 熱 し た 状 態
《パンの場所ごとの名称》
「み み 」: 周 囲 の 焦 げ 色 の つ い た 部 分
「表 面 」: 空 気 に 触 れ る 部 分
「内 部 」:「 み み 」「 表 面 」 を の ぞ い た 部 分
●
テーマの追究
<予備実験>
パンの試食
市販されている4枚切りの食パンを使
って科学部員15名で実施しました。
【調査方法】
《試食の種類》
下のア~エの4種類で行いました。
ア
そ の ま ま ( 以 後 「通 常 」)
イ
ア を 両 面 焼 い た も の ( 「通 常 焼 き 」)
ウ
アを重量が10%減少するまで乾燥
し
た も の ( 「乾 燥 」)
エ
ウ を 両 面 焼 い た も の ( 「乾 燥 焼 き 」)
【パンの試食のようす】
《評価項目と評価の仕方》
Ⅰ
やわらかさ
Ⅱ
しっとりさ
Ⅲ
おいしさ
上の3項目について、アの食パンを基準の4とし、その人の感覚で1から7の7段階で
評価してもらいました。
【調査結果】
Ⅰ
やわらかさ
【パンの試食】
「 通 常 」の パ ン が 最 も や わ ら か く 、
「 通 常 焼 き 」、
「 乾 燥 」、
「乾燥焼き」
の順で固くなっていました。この
ことから、乾燥させるとパンが固
くなっていることがわかります。
ま た 、焼 く と「 通 常 」の パ ン も「 乾
燥」のパンも焼く前より固くなる
ことがわかりました。
Ⅱ
7
6
5
4
3
2
1
0
通常
通常焼き
乾燥
乾燥焼き
やわらかさ
しっとりさ
おいしさ
しっとりさ
「通常」
「 乾 燥 」の 評 価 は と も に 焼 い て も 差 が 見 ら れ ま せ ん で し た 。こ の こ と か ら「 し っ と
りさ」は、焼いても大きな変化が見られないことがわかりました。
Ⅲ
おいしさ
こ の 項 目 は「 通 常 」
「 乾 燥 」と も に 焼 い た も の が 高 い 値 を 示 し ま し た 。焼 く こ と で 香 ば し さ
が増えたためだと考えられます。
【考察】
「通常」と「乾燥」を比較すると乾燥しているものが固くなっています。また、焼くこと
でさらに水分が抜けると考えられるので、パンに含まれている水分が「やわらかさ」に大
きな影響を与えていることが予想できます。しかし、最も水分が影響していると考えられ
る「しっとりさ」は焼く前の状態と焼いた後の状態に大きな差がみられませんでした。こ
のことから、焼くということは、ただ水分が抜けるだけではなく、パンの内側で何かが起
こっていると考えられます。
追究1
乾燥させることによってパンにどのような変化が起こるのか調べる
<実験1-1>乾燥させるとやわらかさがどうなるのか調べる
【実験方法】
4 枚 の 食 パ ン (4 枚 切 り )を 風 通 し の 良 い 部 屋 に 置 き 、 1 時 間 ご と に 重 量 を 測 定 し そ れ ぞ
れの平均値を求めました。パンの成分から、重量で減少するのはパンに含まれた水分であ
ると考えられるので、この値を乾燥の度合いを調べる値としました。
【実験結果】
パンに含まれる水分量
結果を最初の重量に対する百分率で表すと、時
間が経過するにつれて水分が減少しているのがわ
か り ま す 。ま た 、1 時 間 で 減 少 す る 水 分 は だ ん だ ん
少なくなっています。この結果からパンには離れ
にくい水分があると考えられます。
100
最
初
の
重
量
に
対
す
る
百
分
率
95
90
85
80
0h
1h
2h
3h
4h
経過時間
5h
6h
7h
<実験1-2>パンを乾燥させると固さはどのように変化するか
【実験方法】
下 の 写 真 の 装 置 を 用 い て 、 計 測 し た い パ ン に 3 cm 四 方 の 正 方 形 の 板 を 置 き 、 そ の 上 か
ら500gの荷重をかけたとき、パンがどの程度へこんだか測定しました。1つの食パン
から5点を任意に選んで測定し、平均値を求めました。
荷重
パン
へこみ
板
【へこみの部分の図示】
【パン固さ計測装置】
【実験結果】
時間経過とともにへこみが小さ
パンのやわらかさの変化
くなり固くなっていることがわか
階で固くなっていることがわかり
ます。最初は14mmのへこみで
あったのが、2時間で7mmと半
分になり、急激に固くなっている
ことがわかります。しかし2時間
以降はへこみはゆるやかになり、
4時間で2mmになった後はほと
パンのへこみ(mm)
ります。また、結果から 2 つの段
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
0h
1h
2h
3h
4h
5h
6h
7h
経過時間
んど変化がみられなくなりました。
【実験 1 のまとめ】
最初は乾燥度とやわらかさは対応していますが4時間以降は、水分は減少しているにも
かかわらず、やわらかさはあまり変化がありませんでした。
こ の こ と か ら 、4 時 間 以 降 に パ ン に な ん ら か の 変 化 が あ る の で は な い か と 推 測 で き ま す 。
<実験2>乾燥させると、水分はどこから抜けていくのか調べる
【実験方法】
「 通 常 」 と 「 乾 燥 」 の パ ン を 「 み み 」「 表 面 」「 内 部 」 に 区
分し、フードプロセッサーで細かくしました。そして粉末状
になったパンを一定量ずつ5つに分け、ホットプレートを用
いて重量の減少がなくなるまで焦がさないように加熱を行い
ました。このときの重量変化をパンに含まれる水分量としま
した。
【パンの水分量の測定のようす】
【実験結果】
【食パンの各部分の水分量】
パ
ン
の
水
分
量
45%
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
通常
乾燥後
みみ
内部
表面
「 通 常 」 の と き 、 「み み 」の 部 分 が 最 も 水 分 量 が 少 な く 、 「内 部 」が 最 も 水 分 量 が 多 く な り
ま し た 。ま た 、焦 げ て 茶 色 に な っ て い る 「み み 」は 最 初 か ら 水 分 量 が 少 な か っ た こ と 、「表 面 」
と 「内 部 」の 違 い か ら 、 空 気 に 触 れ て い る 部 わ か ら 乾 燥 し て い る こ と が わ か り ま す 。
乾 燥 後 も 同 様 に 「内 部 」「表 面 」「み み 」の 順 で 含 ん で い る 水 分 が 少 な い こ と が わ か り ま す 。 し
か し 、 同 じ よ う に 空 気 に 触 れ る 部 分 で あ る 「み み 」は 1 0 % の 減 少 、 「表 面 」は 7 % の 減 少 で
差が見られました。パンの状態によって、水分の抜け方が異なることが推測できます。
<実験3>乾燥させると、パンの内部構造はどうなるのか調べる
【実験方法】
「 通 常 」 の パ ン を 風 通 り の 良 い 場 所 に 置 き 、「 み み 」「 内 部 」 を 1 時 間 ご と に 顕 微 鏡 を 使 っ
て観察しました。
【実験結果】
乾 燥 す る 前 の パ ン の「 み み 」と「 内 部 」を 比 較 す る と 、
「 み み 」は 洗 い 物 で 使 う ス ポ ン ジ
の よ う な 構 造 を し て お り 、 泡 の よ う な 球 状 の 空 洞 が 目 立 ち ま す 。 そ れ に 対 し 、「 内 部 」 は 、
和紙のような膜が何層にも重なっている構造が見られ、空洞の形も決まったものがみられ
ませんでした。
2時間後の「内部」の写真をみると、筋のようなものが観察されるようになり、乾燥さ
せる前に見られた和紙のような膜は薄くなっているように感じられました。4時間経過す
ると、さらにその傾向が進み、空洞が球状に変化していきました。7時間経過すると、乾
燥前の「みみ」の構造と似た状態になりました。
0 時間後
パンの内部(40 倍)
0 時間後 パンのみみ(40 倍)
2 時間後
パンの内部(40 倍)
2 時間後 パンのみみ(40 倍)
【食パンの各部分の水分量】
パ
ン
の
水
4 時間後
分
量
7 時間後
45%
40%
35%
30%
25%
20%
パンの内部(40 倍)
15%
10%
5%
0%
みみ
パンの内部(40 倍)
通常
乾燥後
4 時間後 パンのみみ(40 倍)
内部
表面
7 時間後 パンのみみ(40 倍)
追究1のまとめ
パ ン は 、「 内 部 」 は 和 紙 の よ う な 膜 が 何 層 も あ る 構 造 、「 み み 」 は ス ポ ン ジ 状 の 構 造 を し
ています。
パンが乾燥すると、最初に内部の膜が消えます。その後、筋がはっきり見えるようにな
り、最終的には「みみ」と同じ構造になりました。このことから、膜にある水分は離れや
すく、筋にある水分は離れにくいと考えられます。
パンは風通しのよい場所に置くと水分量は減少し続けます。しかし、ある一定の時期に
やわらかさに変化がなくなります。その理由は、水分が抜けた後は、離れにくい水分が抜
けて筋が太くなるだけで、パンのスポンジ状の構造が残るため、それがやわらかさを感じ
させるのではと推測しました。
【追究2】パンは焼くとどのような変化が起こるのか調べる
<実験1>焼くとパンに含まれている水分がどのように変化するか調べる
【実験方法】
両 面 を 焼 い た パ ン に つ い て「 み み 」
「内部」
「 表 面 」に 含 ま れ て い る 水 分 を 測 定 し ま し た 。
測定方法は【追究1】<実験2>と同じ方法を用いました。
【実験結果】
【食パンの各部分の水分量】
パ
ン
の
水
分
量
45%
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
通常
焼いた後
みみ
中
表面
全 体 の 水 分 量 は 焼 く と 重 量 の 5% 減 少 が 見 ら れ ま し た 。各 部 分 を 注 目 す る と「 み み 」と「 表
面 」は 1 0 % 以 上 減 少 し ま す が 、
「 内 部 」は 5 % 増 加 し ま し た 。直 接 加 熱 し た 部 分 は 水 分 が
減少し、直接ふれていない部分は水分が減少していないことがわかりました。
実験前は、パンを焼けばどの部分も水分が減少すると考えていました。しかし、全体の
重量が5%減少しましたが「
、 内 部 」の 水 分 量 は 5 % の 増 加 が み ら れ ま し た 。こ の こ と か ら 、
焼くということがパンの内部に何らかの影響を及ぼしていることが考えられます。
<実験2>パンを焼くと内部構造はどうなるのか調べる
【実験方法】
パ ン を 焼 き 、「 表 面 」「 内 部 」 を 顕 微 鏡 で 観 察 す る 。
【実験結果】
パンを焼くと、
「 表 面 」は 筋 の よ う な 構 造 の 間 に 膜 の よ う な も の が 見 え ま す 。さ ら に 拡 大
してみると、膜の部分は大きな穴は見られず非常に目が細かい構造をしていることがわか
り ま し た 。そ れ に 対 し て「 内 部 」を 観 察 す る と 、
「 通 常 」は「 表 面 」と 大 き な 差 が 見 ら れ ず 、
筋のような構造の間に膜が見られます。これを焼くと、膜の状態がにごった色に変わりま
した。さらに拡大してみると、膜が水分を含み、べたべたになっていました。
乾燥 通常 表面(40 倍)
乾燥 通常 内部(40 倍)
乾燥 焼いたもの 表面(40 倍)
乾燥 焼いたもの 内部(40 倍)
乾燥 焼いたもの 表面(100 倍)
乾燥 焼いたもの 内部(100 倍)
追究2のまとめ
パ ン を 焼 く と 、 水 分 は 重 量 の 5 % 減 少 し ま す 。 部 分 ご と に 焼 く 前 後 で 比 べ る と 、「 み み 」
と 「 表 面 」 は 全 体 の 重 量 の 1 0 % 以 上 の 減 少 、「 内 部 」 は 5 % の 増 加 が み ら れ ま し た 。
顕微鏡を使って内部構造を観察すると、
「 乾 燥 」の と き は 、水 分 が 抜 け る こ と で 和 紙 の よ う
な膜が次第に薄くなり、最終的にはなくなってしまいました。しかし、焼いたときの「表
面 」 は 非 常 に 小 さ い 穴 が 開 い た 膜 が 残 っ た 状 態 で 水 分 が 減 少 し て い ま し た 。 一 方 、「 内 部 」
は「乾燥」したときには非常に薄くなっていた膜が、焼いた後には膜に水分が付着した状
態になっていました。
これらの結果から、
「 表 面 」は 直 接 加 熱 さ れ て 急 激 に 水 分 が 抜 け る た め 膜 が 残 っ た ま ま に な
り、
「 内 部 」は パ ン が 加 熱 さ れ パ ン の 中 の 水 分 が 水 蒸 気 に 変 わ り 移 動 し よ う と し ま す 。し か
し 、「 表 面 」 に 残 っ た 膜 が 水 蒸 気 を 閉 じ 込 め る た め 、「 内 部 」 の 水 分 量 が 増 加 し た の で は な
いかと考えられます。
●
研究のまとめ
この研究で以下のことがわかりました。
①パンは部分によって繊維の構造が違う。
「 内 部 」は 和 紙 み た い な 膜 が 何 層 も あ る よ う な 構 造 、
「 表 面 」は「 内 部 」が 少 し 乾 燥 し た よ
う な 構 造 、「 み み 」 は ス ポ ン ジ 状 の 空 洞 が 目 立 つ 構 造 を し て い る 。
② パ ン は 乾 燥 す る と 、最 初 に 膜 が 消 え 、そ の 後 、内 部 の 筋 が 太 く な り 、
「 み み 」と 同 じ よ う
な構造になるため固くなる。また、膜に含まれる水分は離れやすい。
③パンの乾燥がある程度進むと、水分量が減少してもやわらかさは変わらなくなる。これ
は、筋の部分の水分が抜けてもスポンジ状の構造は変わらず、やわらかさを保っているた
めだと考えられる。
④ パ ン を 焼 く と 、全 体 の 質 量 は 5 % 減 少 し 、部 分 別 水 分 量 は 焼 く 前 と 比 べ 、
「 み み 」と「 表
面 」 は 全 体 の 重 量 の 1 0 % 以 上 減 少 し 、「 内 部 」 は 全 体 の 重 量 の 5 % 増 加 す る 。
⑤なぜ固くなったパンは焼くとやわらかくなるのか下記のように予想した。
焼くことで筋の部分の離れにくい水分が蒸発し、水蒸気となる。
↓
焼いても残る表面の膜により、その水蒸気は外に抜けずに中にとどまる。
↓
水蒸気が内部の膜に付き、しみこんでなじむことにより、ふんわり、しっとりの食
感を作り出す。
●
おわりに
僕は科学部に入った時から、いつか生活に役に立つ研究がしたい、と思っていました。
そして今、こうして同じ志を持つ仲間とともに、その夢がかなえられたことを本当にうれ
しく思っています。
ところで、僕はこの研究中に、理科研究はチェーン(鎖)に似ていると思ったことがあ
ります。特にこの研究はそうでしたが、ひとつの疑問から答えをひも解き、さらにそこで
生まれた疑問の答えをひも解いていく。この連続で研究はできていて、いくつものリング
(輪)がつながりあってできているチェーンの作りとそっくりです。
大きいチェーンにはたくさんのリングが必要です。また、ひとつでもリングが足りなか
ったら、チェーンは完成しません。そして、そのチェーンに終わりはなかなか見つかりま
せん。僕たちは、そんな科学のチェーンを1つ作り上げたことを、とても誇りに思ってい
ます。
チェーンは紐とは違って、リングを足していけば大きくすることができます。これから
もこの研究を続けて、科学のチェーンを大きくしていけたらいいです。
参考文献
農林水産省ホームページ
http://www.maff.go.jp/
この研究は、試食調査やインタビューなど、様々な場面で多くの皆様のご協力があった
からこそ進めることができました。最後に、その皆様に深く御礼申し上げます。
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