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はじめに

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はじめに
栄養 と繁殖
乳牛 の低受胎率 の原因 とその克服
大 場 真 人D・ 堂 地
1)カ ナ ダeア
ル バ ー タ 大 学 ・2)酪農 学 園 大 学
ル ギ ー 量 よ り も多 い た め 、 高 泌 乳 牛 の エ ネ ル
は じめ に
1950年
代 、 ア メ リカ の 乳 牛 の 受 胎 率 は66%で
あ った が 〉
、 今 で は40%前
修2)
ギ ーsバ
ラ ンス は マ イ ナ ス に な る。 牛 の エ ネル
後 まで低 下 して い る。
ギ ー ・バ ラ ン ス を モ ニ タ ー す る 方 法 の 一 つ に 、 皮
乳 牛 の 遺 伝 的 な 泌 乳 能 力 が 高 くな る に つ れ 受 胎 率
下 脂 肪 の 量 の 増 減 が 分 か りや す い 腰 角 、 寛 骨 、 坐
が 低 下 して い る と い う事 実 か ら、 過 去 数 十 年 の 高
骨 の 周 りの 部 分 の脂 肪 の付 き具 合 を ス コ ア化 し
乳量 を追及 す る遺伝 改 良 が 、 間接 的 に繁殖 能 力 の
た、 ボデ ィ ・
・コ ン デ ィ シ3ン
低 い 牛 を 選 抜 して き た の で は な い か と 危 惧 す る 者
あ る3)。 分 娩 後 の 数 週 間 でBCSは
も い る。 高 泌 乳 牛 は 、 発 情 の 徴 候 も弱 く、 発 情 の
BCSの
持 続 時 間 も短 い%そ
え る。
の た め、 高乳 量 の 追 求 と良
・ス コ ア(BCS)が
低 下 す るが 、
変 化 は乳 牛 の繁 殖 成 績 に大 き な 影 響 を与
好 な 繁 殖 成 績 は両 立 す る の か と い う疑 問 を 持 つ 生
産 者 も大 勢 い る。 しか し、 全 体 的 な 傾 向 と して 乳
牛 の 受 胎 率 が 低 下 して い る に もか か わ らず 、 現 在
で も50-60%の
受 胎 率 を 維 持 して い る優i秀 な 酪 農
1)エ
ネ ル ギ ー ・バ ラ ンス と発 情 回 帰
牛 の エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス は 、 分 娩 後 の 排 卵 や
発 情 回 帰 に影 響 を 与 え る。 た と え ば 、 プpス
タグ
家 が 存 在 して い る の も事 実 で あ る。 牛 一 頭 一 頭 を
ラ ン ジ ンF,。(PGF)を2週
観 察 し て 判 断 す る 場 合 、 高 乳 量 と高 受 胎 率 が 両 立
注 射 した 場 合(分
し得 る こ と は 簡 単 に理 解 で き る。 生 産 者 の 飼 養 管
目 のPGF注
理 や栄 養 管理 が優 れ て いれ ば、分 娩 移 行 期 の 問題
BCSが2.75以
も少 な く、 牛 の エ ネ ル ギ ー 状 態 は 良 く な る。 エ ネ
が3以
上 の 牛 は 、56.8%の
ル ギ ー 状 態 が 良 け れ ば 、 ピー ク乳 量 は 高 くな り、
PGFを
注 射 し て 発 情 が 発 現 す る と い う事 実 は 、
強 い 発 情 が き て 、 受 胎 率 も良 くな る は ず で あ る 。
発 情 周 期 が 始 ま っ て い る こ と を 示 して お り、 エ ネ
「高 乳 量 を 追 及 す る 栄 養 管 理 」 とr繁
ル ギ ー 状 態 の 良 い 、BCSの
殖成績を高
間 の 間 隔 を あ け て2回
娩 後33日
射 後7日
目 と47日
目)、2回
以 内 に発 情 が 来 た の は 、
下 の 牛 で は38%で
あ っ た が 、BCS
牛 に 発 情 が 発 現 した4}。
高 い牛 は、 分 娩 後 に
め る栄 養 管理 」 とは相 容 れ な い もの で はな い。 優
発 情 周 期 が 始 ま る 時 期 が 早 くな る こ と が 理 解 で き
れ た 栄 養 管 理 を 実 践 す れ ば 、 牛 は 健 康 に な り、 乳
る。
量 は 増 え 、 受 胎 率 も高 くな る は ず だ か ら で あ る。
分 娩後 に長 期 間発 情 が 発現 しな いケ ー スで は、
本 稿 で は、 栄 養 管 理 の 面 で 、 低 受 胎 率 の 最 も大 き
卵 胞 の 発 育 の 遅 れ で は な く、 発 育 した 卵 胞 が 排 卵
な 原 因 と な る エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス に つ い て 考
しな い こ と が原 因 で あ る と考 え られ る。 分 娩 後
え 、 高 泌 乳 牛 の 受 胎 率 を 高 め る た め に実 践 で き る
1-2週
栄 養 管 理 に つ い て 述 べ た い。
ウ エ ー ブ)が
間 経 過 す る と 、 最 初 の 卵 胞 発 育 波(卵
胞
始 ま るが、 卵 胞 の一 つ が選 抜 され て
主 席 卵 胞 に な り、 主 席 卵 胞 が 排 卵 す る こ と に よ
1.エ
ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス と繁 殖 障 害
分 娩直 後 の 数週 間、 牛 が乳 生 産 のた め に必 要 と
して い る エ ネ ル ギ ー は 、 そ の 牛 が 摂 取 で き る エ ネ
第34巻2号
り、 分 娩 後 の 発 情 周 期 が 始 ま る。 卵 胞 ウ エ ー ブ は
エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ンス に 関 係 な く起 こ る が 、 排 卵
に は 黄 体 形 成 ホ ル モ ン(LH)の
働 き が必 要 不 可
55
大 場 真 人 ・堂地
欠 で あ り、 エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス はLHパ
ル スの
頻 度 に影 響 を 与 え る 。 分 娩 後 、 乳 牛 の エ ネ ル
修
る ま で に は.1◎0日
の 期 間 が 必 要 で あ り、 エ ネ
ル ギ ー ・バ ラ ン ス は 、 発 育 の 初 期 段 階 に あ る卵 胞
ギ ー ・バ ラ ン ス は マ イ ナ ス と な る が 、 エ ネ ル ギ ー
に 影 響 を 与 え る と さ れ て い る9}。分 娩 して か ら80
状 態 が 改 善 さ れ な け れ ば、 頻 繁 なLHパ
ル スは起
-10◎ 日 目 に 排 卵 す る の は 、 分 娩 後 の エ ネ ル
こ り に く い と考 え ら れ て い る$)。分 娩 後 の 最 初 の
ギ ー ・バ ラ ン ス が 最 も悪 か っ た 時 期 に 発 育 し始 め
排 卵 は 、 エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス が 底 打 ち した 後 に
た 卵 胞 で あ り、 卵 胞 が 発 育 し始 め た こ ろ の エ ネ ル
起 こ る と の 報 告 が あ る%さ
らに、 分 娩 後 の最 初
ギ ー 状 態 が 悪 け れ ば 、 卵 子 の 質 に 何 らか の 悪 影 響
の 卵 胞 ウ エ ー ブ で 排 卵 した 牛 は、 そ うで な い牛 と
を 与 え 、 受 胎 率 を 低 下 さ せ る と考 え られ る 。 卵 子
比 べ る と、 分 娩 後 の 最 初 の2週
間 、IGF-1の
血中
の 質 が 悪 け れ ば 、 早 期 胚 死 滅 の リス ク も高 ま る 。
濃 度 が 高 か っ た と の 報 告 も あ る7)。IGF-1と
はエ
さ ら に 、 卵 胞 は 排 卵 した 後 に黄 体 とな り プ ロ ジ ェ
ネ ル ギ ー 状 態 の 指 標 と な る ホ ル モ ン で あ り、 これ
ス テ ロ ンを 分 泌 す る が 、 卵 胞 が 発 育 し始 め た 時 期
らの デー タは分 娩 直 後 の エネ ル ギ ー状 態 が主 席 卵
のエ ネ ル ギ ー状 態 は、 そ の卵胞 の後 々の プ ロ ジ ェ
胞 の 排 卵 に大 き な 影 響 を 与 え 、 発 情 周 期 が 始 ま る
ス テ ロ ン分 泌 量 に も影 響 を 与 え る こ と を 示 す 報 告
時期 を 決 め る重 要 な 要 因 とな る こ とを 示 して い
が あ る 。 た と え ば 、 分 娩 直 後 の5週
る。
大 き く低 下 し た 牛 の 場 合 、BCSが
聞 にBCSが
低 下 しな か っ
た 牛 と比 較 して 、 分 娩 後 の 最 初 の2回
Z)エ
ネルギ・
一 。バ ラ ン ス と受 胎 率
分 娩 直 後 の エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス は 、 そ の 牛 の
の排 卵後 の
血 中 プRジ
ェ ス テ ロ ン濃 度 に違 い が 見 られ な か っ
た が 、3回
目以 降 の 排 卵 後 の プ ロ ジ ェ ス テ ロ ン濃
後 々 の 受 胎 率 に も 影 響 を 与 え る。 分 娩 後 にBCS
度 が 大 幅 に 低 下 し たn)。 メ カ ニ ズ ム は 明 らか に さ
が 大 き く低 下 した 牛 は 、 初 回 人 工 授 精 で の 受 胎 率
れ て い な い が 、 こ の 報 告 は排 卵 時 の エ ネ ル ギ ー ・
が 大 幅 に 低 下 す る と の 報 告 が あ る(表1、
バ ラ ン ス で は な く、 排 卵 した 卵 胞 が 発 育 しは じ め
表
た こ ろ の エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス が 、 何 らか の"刷
2)8溺 。 原 始 卵 胞 が 成 熟 し た 卵 胞 に な り排 卵 に 至
表1。
分 娩 後5週
間 のrの
低 下 と 繁 殖 成 績 と の 関 係(Butlel-&Smith、1989)
BCS低
下
BCS低
0.5以 下
BCS低
下
下
LO以 上
o.s-1.a
初 回 排 卵 ま で に 要 した 臼数
27b
31
42'
初 回発 情 ま で に 要 した 日数
48"
41
G2°
初 回 人 工 授 精 ま で に要 したQ数
68`'
67b
79°
初 回 人工 授 精 で の 受 胎 率 、%
65a
53"
17b
同行 内 の上 付 き文 字 が 異 な れ ば 有 意 差 あ り(F<0.05)
表2.分
娩 直 後 の5週
間 のBCS変
化 が 繁 殖 成 績 に 及 ぼ す 影 響(Britt、1992)
BCSが
46
牛 の頭数
BCSの
目 ま で*
5週 目か ら10週
目ま で 寧
初 回人工授精 日
初 回 人 工 授 精 で の 受 胎 率*、%
56
BCSが
下 が った 牛
30
変化
分 娩 後5週
*P<0
下 が らな か っ た牛
+0.06
/i
t・
62
一〇.58
+0.17
82.9
25
.05
日本 胚 移植 学 雑 誌
栄養 と繁 殖
乳 牛 の低 受胎 率 の原 因 とそ の克 服
な影 響 を卵 胞 に与 え 、後 々 の プ ロ ジ ェ
ン ス を 悪 化 させ て し ま う リ ス ク が 高 くな る。 乳 量
ス テ ロ ン分 泌 能 力 に影 響 を 与 え る可 能 性 が あ る こ
を 低 くす る た め に 、 エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 を意 図 的 に
と を 示 して い る 。
制 限 した 試 験 で は 、 乳 量 を9kg近
り込 み"的
か わ らず 、 エ ネ ル ギ ー0バ
3)エ
ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス と胚 死 滅
で き な か っ だ%そ
エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス の 悪 い 牛 は 、 後 期 胚 死 滅
く低 め た に もか
ラ ン ス を 改 善 す る事 は
れ に 対 して 、 エ ネ ル ギ ー 摂 取
量 を 制 限 さ れ な か っ た 牛 は 、 卵 胞 液 中 のIGF-1や
の リ ス ク も高 くな る。 人 工 授 精 を して か ら28日
E2濃 度 が 高 ま り、 良 質 の 卵 母 細 胞(未
目 か ら56日
の 数 も増 え だ%こ
目 に か け て のBCSの
変 化 と流 産 の 関
係 を 調 べ た 研 究 で は 、 そ の 時 期 にBCSが
成 熟 卵 子)
れ らの デ ー タ は 、 エ ネ ル ギ ー
増 えた
摂 取 量 を 高 め る こ と を 目的 とす る 栄 養 管 理 が 、 エ
牛 の 流 産 の リ ス ク は5%以
下 で あ った の に対 し
ネ ル ギ ー ・バ ラ ンス を 改 善 し繁 殖 機 能 に プ ラ ス の
て 、 そ の 時 期 にBCSが1以
上 下 が った牛 が流 産
効 果 を 与 え る こ と を 示 して い る 。
す る リス ク は21.1%、0.75下
ス ク は16%、o.s下
%で
が った 牛 の 流 産 の リ
が っ た 牛 の 流 産 の リス ク は12
あ っ た と報 告 し て い るio10エ ネ ル ギ ー 状 態 が
エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 は 、 乾 物 摂 取 量 と飼 料 設 計 の
エ ネ ル ギ ー 濃 度 に よ り決 ま る が 、 エ ネ ル ギ ー 摂 取
量 を 高 め る上 で 、 最 初 に考 え る べ き こ と は 乾 物 摂
悪 け れ ば 、 受 胎 して も妊 娠 を 維 持 す る能 力 が 低 下
取 量 を 高 め る こ と で あ る。TMR給
す る◎
飼 槽 に24時
間 、 常 にTMRが
の 乾 物 摂 取 量 がTMRの
2.エ
ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス を 改 善 す る 方 法
エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス が 乳 牛 の 発 情 回 帰 や 受 胎
与 で あれ ば、
あ る よ う に し、 牛
給 与 不 足 に よ り制 限 さ れ
る こ と が あ っ て は な らな い 。 給 与 量 の3-S%の
津 が 残 る程 度 のTMRを
残
給 与 す れ ば、 グ ル ー プ 内
率 に影 響 を与 え る こ とは 明 白 で あ るが 、 エ ネ ル
の 弱 い 牛 を 含 め 、 す べ て の 牛 に乾 物 摂 取 量 を 最 大
ギ ー ・バ ラ ン ス と は 、 「飼 料 か ら摂 取 し た エ ネ ル
に で き る機 会 を 与 え て い る こ と に な る 。 十 分 な 量
ギ ー 」 か ら 「生 体 維 持 や 乳 生 産 の た め に 使 わ れ る
のTMRを
エ ネ ル ギ ー 」 を 引 き 算 して 求 め られ る 値 で あ る。
回 のTMR給
理 論 上 、 高 乳 量 は エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス が マ イ ナ
離 給 与 で は 、 良 質 の 粗 飼 料 を 不 断 給 与 し飽 食 さ せ
ス に な る 原 因 の 一 つ と 考 え られ る た め 、 乳 量 を 制
る こ と が 大 切 で あ る。 しか し、 エ ネ ル ギ ー 摂 取 量
限 す る よ う な 栄 養 管 理 を す れ ば、 エ ネ ル ギ ー 要 求
を 最 大 に す る た め に は 、 乾 物 摂 取 量 を低 下 さ せ ず
量 を 減 ら して エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス を 改 善 で き 、
に 飼 料 設 計 で の エ ネ ル ギ ー 濃 度 を 高 め る こ と も求
受 胎 率 を 高 め る こ とが で き る と い う考 え 方 が あ る
め られ る。
給 与 す る こ と や 、 必 要 に 応 じ て1日2
与 を検 討 す る こ とは重 要 で あ る。 分
が 、 これ は誤 りで あ る。 そ れ は、 乳 量 が エ ネ ル
3.油
ギ ー ・バ ラ ン ス に 与 え る影 響 よ り も、 エ ネ ル ギ ー
摂 取 量 が エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ンス に 与 え る影 響 の ほ
う が 大 き い か ら で あ る 。Villa-GodoyらIPは
脂 の有 効利 用
油 脂 に は 、 炭 水 化 物 の2倍
以 上 の エ ネル ギー が
、乳
含 ま れ て い る た め 、 油 脂 の サ プ リ メ ン トは 、 飼 料
量 と エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス の 相 関 関 係 が 一〇.25で
設 計 中 の エ ネ ル ギ ー 濃 度 を 高 め る上 で 効 果 的 な 方
あ る の に対 して 、 乾 物 摂 取 量 と エ ネ ル ギ ー ・バ ラ
法 で あ る 。 しか し、 油 脂 の サ プ リメ ン トを 行 う場
ン ス の 相 関 関 係 が α73で あ っ た と報 告 して い る。
合 、 牛 の 代 謝 生 理 を よ く考 え た上 で 、 そ の 長 所 と
つ ま り、 エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス を 改 善 す る た め に
短 所 を し っ か り と 認 識 して お く必 要 が あ る13)。通
は 、 乳 量 を 制 限 す る よ り もエ ネ ル ギ ー 摂 取 量 を 増
常 、 油 脂 給 与 の 上 限 値 は 、 乾 物 中5-6%と
や す 方 が 効 果 的 で あ る と 考 え られ る。
れ て い る。 反 鋼 動 物 で あ る 乳 牛 は 、 大 量 の 油 脂 を
乳 量 を制 限 す る た め に、 エ ネ ル ギ ー 摂取 量 や乾
物 摂 取 量 を 制 限 す れ ば 、 反 対 に エ ネ ル ギ ー ・バ ラ
第34巻2号
消 化e吸
考えら
収 し、 エ ネ ル ギ ー 源 と し て 利 用 す る よ う
な代 謝 メカニ ズ ムを 持 って いな い た め、油 脂 を大
57
大場 真 人 ・堂地
修
量 に 給 与 す れ ば 、 乾 物 摂 取 量 が 低 下 す る。 乾 物 摂
ば 、 分 娩 後 、 数 週 間 が 経 過 しBCSが
取 量 が20kg/日
油脂
牛 で は 、 これ ま で 体 脂 肪 の 処 理 に使 っ て い た 代 謝
油 脂 給 与 に相 当 す る 。 つ
能 力 を 、 飼 料 由 来 の 油 脂 の 代 謝 に 振 り 向 け る余 裕
給 与 は1日
で あ る と想 定 す る と、5%の
あ た り1kgの
ま り、1日1kgく
らい の 油 脂 給 与 が 乳 牛 の 代 謝 の
限 界 だ と考 え ら れ て い る。
BCSが0.5ポ
低 下 す る。 分 娩 後 の 数 週 間 で 、
イ ン ト下 が る こ と は 頻 繁 に 見 られ る
現 象 で あ る が 、BCSの
に相 当 す る か を 表3に
のBCSが4.0か
低 下 が どれ だ け の脂 肪 量
示 した 。 体 重 が700kgの
ら35に
が 生 じ る 。 乾 物 摂 取 量 が 順 調 に 増 え 、BCSが
底
打 ち した 頃 か ら油 脂 サ プ リ メ ン トを 始 め れ ば 、 牛
エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス が マ イ ナ ス に な る分 娩 直
後 の 牛 はBCSが
底 打 ち した
牛
下 が る と き、 そ の牛 は約
の エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 を 高 め る上 で 非 常 に 効 果 的 で
あ る13)O
こ れ ま で に報 告 さ れ て い る研 究 デ ー タ を ま と め
て み る と 、 エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス の 改 善 い か ん に
関 わ らず 、 油 脂 サ プ リメ ン トに は 、 主 席 卵 胞 の サ
イ ズ を 大 き くす る 、 黄 体 期 の プ ロ ジ ェ ス テRン
濃
25kgの 体 脂 肪 を 失 う こ と が 理 解 で き る。 計 算 を 簡
度 を高 め る、 分娩 後 の最初 の排 卵 日を早 め る、卵
単 に す る た め 、 こ の 牛 のBCSが0.5ポ
イ ン ト低
子 や胚 の質 を高 め る とい った効 果 が報 告 され て お
か か っ た と想 定 す る と 、1日 あ
り、 栄 養 管 理 の 中 で 油 脂 を 有 効 に 利 用 で き れ ば 、
下 す る の に 、25日
た り1kgの
体 脂 肪 を 失 っ て い る こ と に な る。
分 娩 直 後 の 牛 は 、1日1kgの
表3.BCSの
BCSの
受 胎 率 の 向 上 に 寄 与 す る と 考 え られ るis)。
体 脂 肪 を 代 謝 しエ
4.澱
低 下 に よ る 脂 肪 量 の 消 失 、kg
変化
体 重SOOkg体
重600kg体
重700kg
↓
1
へ﹂
↓
2
4
↓
6
﹂
↓
4
戸
)
(∠
32.0
38.4
44.9
34.1
409
47.8
35.7
36.9
・
/1
44.3
51.7
粉 の有 効利 用
高 泌 乳 牛 の エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 を 高 め る も う一 つ
の方 法 は、 澱粉 の増 給 で あ る。 澱粉 は繊 維 よ り も
消化 率 が 高 い た め、 澱粉 の給与 量 を増 や せ ば、 乳
牛 の エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 を 高 め る こ とが で き る 。 し
か し、 穀 類 を 増 給 す れ ば 、 ア シ ドー シ ス の リス ク
が 高 くな る。 ア シ ドー シ ス の リス ク を 高 め る こ と
ネ ル ギ ー 源 と して 利 用 して い る。 先 に 示 した よ う
な く、 濃 厚 飼 料 を 多 給 す る た め に は、 穀 類 の タ イ
に 、 も し乳 牛 の 油 脂 代 謝 の 限 界 が1日
プや加 工 方 法 に よ りル ー メ ンでの 澱粉 消化 率 が大
王kgで あ る
とす れ ば 、 分 娩 直 後 の 牛 は 、 体 脂 肪 の 処 理 だ け で
き く変 わ る こ と を 認 識 す る こ と が 必 要 と な るIS)。
油 脂 を 処 理 す る代 謝 機 能 を 限 界 ま で 使 っ て い る こ
ル ー メ ンpHに
と に な る 。 特 定 の 油 脂 サ プ リ メ ン トを 何 も行 わ な
にな るか ど うか に影 響 を与 え るの は、 澱 粉 の給 与
くて も、 牧 草 や 穀 類 に は2-3%程
度 の 油 脂 は含 ま
量 や 濃 厚 飼 料 の 給 与 量 で は な く、 ル ー メ ンで の 発
れ て い る。 分娩 直 後 の牛 の飼 料 設計 で油 脂 濃度 を
酵 量 で あ り、 澱 粉 の 給 与 量 と ル ー メ ンで の 発 酵 量
さ ら に 高 め る と、 乾 物 摂 取 量 が 低 下 す る リス クが
は 必 ず し も 同 じで は な い 。 た と え ば 、 ル ー メ ンで
高 く な り、 エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 が 低 下 す る こ と も多
の 澱 粉 消 化 率 に は、 給 与 す る穀 類 の タ イ プ や 加 工
い 。 「エ ネ ル ギ ー が 足 り な い 牛 に は 、 エ ネ ル ギ ー
方 法 に よ り、50%か
密 度 の 高 い ものを与 え るべ き だ」 と考 え て油 脂 の
る。 そ の た め 、 消 化 速 度 の遅 い 穀 類 を使 え ば 、
サ プ リメ ン トを 行 う の は 間 違 い で あ る。
ル ー メ ン で の 発 酵 過 剰 ・ア シ ドー シ ス の リ ス ク を
分 娩 直 後 の 油 脂 サ プ リ メ ン トに プ ラ ス の 効 果 が
見 られ な いの は、 乳 牛 の油 脂 代謝 能力 に限 界 が あ
直 接 の 影 響 を 与 え 、 ア シ ドー シ ス
ら80%程
度 の ば らつ き が あ
最 小 限 に しつ つ 、 穀 類 を 多 給 す る こ とが 可 能 に な
る。
る た め で あ る。 一 方 、 乳 牛 の 代 謝 能 力 に 余 裕 が あ
乳 牛 は ル ー メ ンだ け で な く、 小 腸 や 大 腸 で も デ
る 時 で あ れ ば 、 油 脂 を 上 手 く利 用 して 、 エ ネ ル
ン プ ンを 消 化 す る こ と が 出 来 る た め 、 全 消 化 器 官
ギ ー 摂 取 量 を 高 め る こ とが 可 能 と な る。 た とえ
を 使 っ て デ ン プ ンを 消 化 さ せ れ ば 、 ル ー メ ン に か
58
日本胚 移 植 学雑 誌
栄 養 と繁殖
乳 牛 の低 受 胎 率 の原 因 とそ の克 服
か る 負 担 を 軽 減 し、 ア シ ドー シ ス の リス ク を 最 小
た研 究 で、 発 酵 の遅 い粉 砕 コー ンの給 与 が エ ネル
限 に しな が ら、 穀 類 の 給 与 量 を 増 や す こ とが 可 能
ギー 摂取 量 と乳量 を高 め た理 由 は、 乾物 摂取 量 が
とな る。 つ ま り、 ア シ ドー シ ス の リ ス ク を 最 小 限
増 え た こ と に あ る。 も し乾 物 摂 取 量 が 増 え な け れ
に しな が ら、 穀 類 の 給 与 量 を 増 や す た め に は 、 発
ば、 発 酵 速 度 の 遅 い 穀 類 の給 与 は、 牛 の エ ネ ル
酵 速 度 の 遅 い 穀 類 を 給 与 す る こ と が ポ イ ン トと な
ギ ー 摂 取 量 を 低 下 させ る。 た と え ば 、 濃 厚 飼 料 を
る。
分 離 給 与 して い る 農 家 で 、 濃 厚 飼 料 の 給 与 量 を変
蒸 気 圧 ペ ン大 麦 と比 較 して 、 乾 燥 ・粉 砕 コ ー ン
は発 酵 速 度 が 遅 い 穀 類 と して 知 ら れ て い る。
McCarthyら16)は
え ず に発 酵 度 の低 い穀 類 を 給 与 す れ ば、 エ ネ ル
ギ ー 摂 取 量 は 低 下 して し ま う。.
、 発 酵 速 度 の 遅 い粉 砕 コー ンを
発 酵 度 の 低 い 穀 類 を 給 与 し て 成 功 す る の は、 乳
給 与 し た牛 は 、 乾 物 摂 取 量 と 乳 量 が 増 え た と報 告
量 を高 め るた め に、 あ るい は牛 の エ ネル ギー状 態
して い る(表4)。
粉 砕 コー ンの給 与 に よ り、 乾
を 良 くす る た め に 、 穀 類 の 給 与 量 を さ ら に 増 や レ
物 摂 取 量 が 高 くな っ た た め 、 澱 粉 の 摂 取 量 も高 く
た い と 考 え て い る 場 合 で あ る 。 つ ま り、 穀 類 の 給
な っ た。 そ の た め 、 粉 砕 コ ー ンの 給 与 は 、 大 麦 の
与 量 を 増 や した い け れ ど も、 ア シ ドー シ ス の リ ス
給 与 よ り も澱 粉 消 化 率(%)を
低 めた もの の、 澱
ク は 最 小 限 に した い 、 こ の よ う な ジ レ ンマ を 感 じ
増 や した 。 牛 は 発 酵 速 度 が
て い る場 合 、 発 酵 度 の 高 い 穀 類 の 代 わ りに 発 酵 度
早 い穀類 を大 量 に 摂取 で きな い が、 発酵 速 度 が 遅
の 低 い 穀 類 を利 用 して 、 穀 類 の給 与 量 を増 や せ
い穀 類 で あれ ば、乾 物 摂 取量 を高 め る こ とがで き
ば 、 ル ー メ ンへ の 負 担 を 増 や す こ と な く、 穀 類 の
る 。 ル ー メ ンで の 澱 粉 の 発 酵 度 を 下 げ 、 ル ー メ ン
給 与 量 を 高 め 、 エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ンス を 改 善 で き
へ の 負担 が 減 れ ば、 牛乾 物 摂取 量 を高 め、 エ ネ ル
る◎
粉 消 化 量(kg/日)を
ギー 摂取 量 を増 やす こ とが 出来 る。
しか し、 ル ー メ ンで の 発 酵 度 が 低 い 穀 類 を 給 与
5.粗
飼 料 の有 効 利 用
す れ ば 、 必 ず エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス が 良 くな る わ
穀 類 を 増 給 し て も、 ア シ ドー シ ス に な らな い よ
け で は な い。 ル ー メ ンで あ ま り発 酵 しな い も の 、
う な 栄 養 管 理 を す る た め に は 、 反 劉 ・咀 囎 を 促 進
あ る い は 消 化 率 の 低 い もの を 与 え れ ば 、 エ ネ ル
す る力 の あ る繊 維 を 十 分 に 給 与 す る必 要 が あ る 。
ギ ー 摂 取 量 は 減 少 す る は ず で あ る。 こ こで 紹 介 し
粗 飼 料 に含 まれ る繊維 は、 繊 維 含量 の高 い副 産 物
表4.ル
ー メ ンで の 消 化 率 が 異 な る穀 類 の 給 与 が 、 乳 牛 の 澱 粉 消 化 と生 産 性 に 与 え た 影 響(McCarthyら
乾 燥 ・粉 砕 コ ー ン
、1989)
蒸気圧 ペ ン大麦
デ ン プ ン 消 化 率 、%
ルー メ ン
49.3
77.1
小 腸 ・大 腸
44.0
19.7
全消 化器官
93.3
96.8
乾 物 摂 取 量 、kg/日
23.8
20.7
デ ン プ ン摂 取 量 、kg/日
王α7
8.4
ル ーメ ン
5.2
6.5
小 腸 ・大 腸
4.7
1.6
全消化器 官
9.9
8.1
35.b
32.5
デ ン プ ン 消 化 量 、kg/日
乳 量 、kg/日
い ず れ の 項 目 も有 意 差 あ り(1)<0.05)
第34巻2号
59
大場 真 人 ・堂 地
飼 料(例:ビ
ー ト ・パ ル プ)に
含 まれ る繊 維 よ り
修
え られ る◎
も 、 咀 噛 を 促 し、 唾 液 の 分 泌 を 増 や す 力 が 大 き
い。 唾 液 に は 、 ル ー メ ン で 生 産 さ れ た 発 酵 酸 を 中
和 す る働 き を す るバ ッ フ ァー 成 分 が 含 ま れ て お
おわ りに
分 娩 直 後 の 牛 の エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン ス は 、 乳 牛
り、 唾 液 の 分 泌 量 が 多 い 牛 は ア シ ドー シ ス に な り
の繁殖 機 能 に大 き な影 響 を与 え る。 エ ネ ル ギー ・
に く い。 た とえ 穀 類 の 摂 取 量 が 高 くル ー メ ン発 酵
バ ラ ン スの 悪 い牛 は、 分 娩 後 の 最 初 の 排 卵 が遅
が 多 くて も、 発 酵 量 に 見 合 う、 発 酵 酸 を 緩 衝 す る
れ 、 発 情 周 期 の 開 始 も遅 くな る 。 さ ら に 、 分 娩 直
十 分 な 能 力 が ル ー メ ン に あ れ ば 牛 は ア シ ドー シ ス
後 の エ ネ ル ギ ー 状 態 は 、 受 胎 率 に も影 響 を 与 え
に は な ら な いn)。 しか し、 穀 類 の 給 与 量 が 少 な く
る。 高 泌 乳 牛 の エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 を 高 め る た め に
て も、 粗 飼 料 由 来 の 繊 維 の 摂 取 量 が 不 足 して い れ
は、 油 脂 サ プ リメ ン トを 始 め る タ イ ミ ン グ に注 意
ば、 ア シ ドー シ ス の リ ス ク は 高 ま る。
す る こ と、 穀 類 を 増 給 し て もア シ ドー シ ス に な ら
粗 飼 料 の 給 与 量 を 増 や せ ば ア シ ドー シ ス の リス
な い よ う に 発 酵 速 度 の 遅 い 穀 類 を 利 用 し、 粗 飼 料
ク は低 くな るが 、 粗 飼 料 の 過 剰 給 与 は、 エ ネル
由 来 の 繊 維 を 十 分 に給 与 す る こ と、 そ して 繊 維 の
ギ ー摂 取量 を低 下 させ るた め、 高泌 乳 牛 の エ ネル
消 化 率 の 高 い 粗 飼 料 の 給 与 が 重 要 で あ る。 高 泌 乳
ギ ー ・バ ラ ン ス を 悪 化 させ る ケ ー ス が あ る。 粗 飼
牛 のエ ネ ル ギー 摂取 量 を最 大 にす る こ とが で きれ
料 に 含 ま れ る繊 維 は、 ル ー メ ンで の 発 酵 速 度 が 遅
ば 、 高 乳 量 と 高 受 胎 率 を 両 立 させ る こ と は 可 能 で
い た め 、 ル ー メ ン内 で の 滞 在 時 間 が 非 常 に 長 い 。
あ る。
そ のた め、 牛 に物理 的 な満 腹感 を与 え、 乾 物 摂 取
量 を 制 限 す る か らで あ る 。 泌 乳 後 期 の 牛 や 育 成 牛
の 乾 物 摂 取 量 は 、 物 理 的 な 満 腹 感 に よ り制 限 さ れ
に くい が 、 高 泌 乳 牛 で は 、 エ ネ ル ギ ー 不 足 に よ り
代 謝 上 の 空 腹 感 を 感 じて い る の に も か か わ らず 、
物 理 的 な 満 腹 感 に よ り乾 物 摂 取 量 が 制 限 さ れ て い
る こ とが 多 い 。 高 泌 乳 牛 を 粗 飼 料 の 給 与 量 の 多 い
引
用
文 献
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飼 料 設 計 で 栄 養 管 理 す る場 合 、 繊 維 の 消 化 率 の 高
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い粗 飼 料 を 給 与 す る こ と が 必 要 で あ る 。 繊 維 の 消
DairySci.65:495-501
化 率 が 高 け れ ば、 ル ー メ ン内の滞 在 時 間 が短 くな
る た め、 物 理 的 な 満 腹 感 を 軽 減 し、 高 泌 乳 牛 の 乾
物 摂 取 量 は 高 ま る。
くな
る こ と で 、 乾 物 摂 取 量 は α17kg/日 増 え 、 乳 脂 補
増 え るis>。 自 給 粗 飼 料 や 輸 入
牧 草 の ロ ッ ト間 で は 、 イ ン ・ビ トロ 繊 維 消 化 率 の
10%程
度 の ば らつ き は一 般 に 見 られ る。 イ ン ・ビ
トロ繊 維 消 化 率10%の
差 は 、 乾 物 摂 取 量1.7kgに
相 当 す る。 繊 維 の 消 化 率 の 高 い 粗 飼 料 を 見 分 け 、
優 先 的 に高 泌 乳 牛 に給 与 す る こ と が で き れ ば 、 乾
物 摂 取 量 を 高 め る こ と が で き る。 こ の よ う な 栄 養
管 理 は、 授 精 期 の 高 泌 乳 牛 の エ ネ ル ギ ー ・バ ラ ン
ス を 改 善 し、 受 胎 率 を 高 め る こ と に 寄 与 す る と 考
60
PacificNorthwestAnim.Nutr.Con£
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61
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