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A R = B A = Λ B U UH R H , = = T UF R A U H R η ( ) = Λ = + w U A y

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A R = B A = Λ B U UH R H , = = T UF R A U H R η ( ) = Λ = + w U A y
【技術分類】3−3−2
【
FI
実現基盤技術/ハイブリッド伝送技術/アレー信号処理技術との組み合わせ
】H04L1/00@E H04B7/26@B H01Q3/26
【技術名称】3−3−2−1
Pre/Post Filter 最適化
【技術内容】
原理:
多数のアンテナを使った送受信間の結合最適化問題を扱う。提案手法として、平均誤り率を最小化す
るような送信側のプレフィルタと受信側のポストフィルタの設計、および最適なビット配分を行う。
詳細:
図1にシステムモデルの行列表現を示す。M、Lはそれぞれ送信、受信アンテナ数、Nは同時に送られ
る入出力シンボル数である。 A は線形チャネル、送信機 T 、受信機 R をそれぞれチャネルに対するプ
−1
レフィルタ、ポストフィルタと見なす。チャネル相関行列 B = A A ( は転置複素共役)は B = UΛ U
H
H
H
−1
と固有値分解できる。ここで、 U はユニタリ行列、 Λ は非負の固有値行列である。プレフィルタ T と
ポストフィルタ R を新しいプレフィルタ F とポストフィルタ H で書き直すと、図1に示すように、
T = UF,
R = A H U H ΛH
となる。 R の入力を y とすると、 H の入力 w 、プレフィルタ F 、ポストフィルタ H 、送信信号 c 、雑
音項 η を用いて、
w = (ΛU H A H )y = Fc + η
となる。したがって、図1は図2の等価構成で置き換えられ、ポストフィルタ出力 z は z = HFc + Hη と
表すことができる。F と H は対角行列であるのが条件であり、この対角成分をそれぞれ f i 、hi とする。
−1
そして、 hi = f i とおく。すると、図2は z = c + ξ 、( ξ = Hη )のように簡略化したシステムになる。
最適な f i とビット配分は以下の手順で行われる。
1.固有値を求め、大きい順に並び替える
2.固有値に基づいてビット配分の候補を作る
3.与えられた誤り率の式を用いて、平均誤り率が最小になるような最適なビット配分を決定する
4.最適なプレフィルタ f i を決定する
長所:
送信アンテナ数、受信アンテナ数が共に多くデータレートが高い場合に、提案システムは極端に高い
ゲインを得ることができた。さらに提案システムでは、送信アンテナ数、受信アンテナ数が共に同じ重
要性を持っていることがわかった。
従来技術・歴史:
従来は、Minimum-Mean Square-Error(MMSE)基準でプレフィルタおよびポストフィルタを設計してい
たが、これだと必ずしもBER特性が一番良いとは限らない。また、ビットの最適な配分は行われていな
かった。
210
【図1】
従来のシステム構成1
出典:“Joint Optimization of Transmitter/Receiver with Multiple Transmit/Receive Antennas in
Band-Limited Channels”, “IEICE TRANS., COMMUN., Vol. E83-B, No. 8”, “Aug., 2000”, “Koichiro
BAN, Masaaki KATAYAMA, Takaya YAMAZATO, Akira OGAWA 著”, “電子情報通信学会 発行”, “p.1698,
Figure 3(b): Symplified system model”
【図2】
従来のシステム構成2
出典:“Joint Optimization of Transmitter/Receiver with Multiple Transmit/Receive Antennas in
Band-Limited Channels”, “IEICE TRANS., COMMUN., Vol. E83-B, No. 8”, “Aug., 2000”, “Koichiro
BAN, Masaaki KATAYAMA, Takaya YAMAZATO, Akira OGAWA 著”, “電子情報通信学会 発行”, “p.1698,
Figure 3(b): Symplified system model”
【出典】
[1]“Joint Optimization of Transmitter/Receiver with Multiple Transmit/Receive Antennas in
Band-Limited Channels”, “IEICE TRANS., COMMUN., Vol. E83-B, No. 8, pp.1697-1704”, “Aug.,
2000”, “Koichiro BAN, Masaaki KATAYAMA, Takaya YAMAZATO, Akira OGAWA 著”, “電子情報通信学
会 発行”
【参考資料】
[2]“Spatio-temporal coding for wireless communication", “IEEE Trans. Commun., vol. 46, No.
3, pp.357-366”, “Mar., 1998”, “G.G. Raleigh and J.M.Cilffi 著”
[3]“On joint transmitter and receiver optimization for multiple-input-multiple-output (MIMO)
transmission systems”, “IEEE Trans. Commun., vol. 42, No. 12, pp.3221-3231”, “Dec., 1994”,
“J.Yang and S.Roy 著”
211
【技術分類】3−3−2
【
FI
実現基盤技術/ハイブリッド伝送技術/アレー信号処理技術との組み合わせ
】H04L1/00@E H04B7/26@B H01Q3/26
【技術名称】3−3−2−2
Optimal Designs for Space Time Linear Precoders and Decoders
【技術内容】
原理:
送信電力もしくは出力ピーク値に関する制約のもとで、MIMOにおいて最適な線形伝送システム設計の
導出を行う。
詳細:
チャネル行列を H 、プリコーダとデコーダの伝達係数をそれぞれ行列 F と G で表す。
全ての条件における最適解 Fopt , G opt は次式で与えられる。
G opt = ΓΛ −1V H H H R −nn1
Fopt = VΦ,
Φ 、 Γ は最適解を与える対角行列であり、 Φ が決まると Γ が求まる。
図1に F , G を含む伝送システム、図2に図1を固有値分解した等価サブチャネル図を示す。図1の
ΓΦ の対角成分はフラット・フェージングに対応し、図2雑音成分 {β i }k , k = 1" N は図1のグレー部分
が対応する。
入力信号ベクトル si の自己相関行列 R ss を E{si si } = σ ss I ( I は単位行列、 E は推定期待値)、チャネ
H
2
ル雑音ベクトル n i の自己相関行列 R nn を E{ni ni } = σ nn I とする。設計規範は、与えられた H, F に対し
H
2
て、図1の入出力信号間の二乗平均誤差MSE:
MSE (F, G ) = E{(s i − si )(s i − si ) H } = (GHF - I )R ss (GHF - I ) H + GR nnG H
を最小化するように G を設計することである。
Φ の対角要素 φi ,i は、表に示すように最適設計規範に依存する。6つの規範を用いて F , G を最適設計
H
2
した結果を同表に示す。表の CP は電力制限(CP)条件: tr (FF )σ ss = P0 ( tr (.) は行列のトレース関数)
H
2
を、 C λmax は最大固有値条件: λmax (FF )σ ss = L0 を表す。
長所:
設計手法は、アンテナ数、符号器のブロックサイズ、送信平均/ピーク電力それぞれに応じて変える
ことができる。各設計手法による評価を行っている。
従来技術・歴史:
送受信機でチャネル情報が既知の場合に情報レートに関しての最適化は過去に研究されている[2]、
[3]。
また、MIMOAWGNチャネルにおいて前処理・後処理を行うフィルタを用いた最適化に関しても過去に研
究されている[4]。
212
【図1】最適伝送系;行列モデル
s (i )
s(i )
Precoder:Fopt
Decoder:G opt
Channel
出典:“Optimal Designs for Space-Time Linear Precoders and Decoders”, “IEEET ransactions on
Signal Processing, Vol. 50, No. 5”, “May, 2002”, “A. Scaglione, P. Stoica and S. Barbarossa
著”, “IEEE発行“, “p.1056, Figure 1: Optimal transceivers: Matrix model” (© 2005 IEEE)
を加筆修正
【図2】等価サブチャネル
出典:“Optimal Designs for Space-Time Linear Precoders and Decoders”, “IEEE Transactions on
Signal Processing, Vol. 50, No. 5”, “May, 2002”, “A. Scaglione, P. Stoica and S. Barbarossa
著”, “IEEE発行“,“p.1056, Figure 2:Equivalent subchannels”, (© 2005 IEEE)
【表】異なる符号化による最適設計
出典:“Optimal Designs for Space-Time Linear Precoders and Decoders”, “IEEE Transactions on
Signal Processing, Vol. 50, No. 5, Table 1, p.1057”, “May, 2002”, “A. Scaglione, P. Stoica
and S. Barbarossa 著”, “IEEE発行“ (© 2005 IEEE)
213
【出典】
[1]“Optimal Designs for Space-Time Linear Precoders and Decoders”, “IEEETransactions on
Signal Processing, Vol. 50, No. 5”, pp.1051-1064, “May, 2002”, “A. Scaglione, P. Stoica and
S. Barbarossa 著”
【参考資料】
[2]“Capacity of the Gaussian channel with memory: The multivariate case”, “Bell Syst.Tech.
J., Vol. 53, pp.745-778”, “May-June 1974”, “L. H. Brandenburg and A. D. Wyner 著”
[3]“Joint transmitter and receiver optimization for multiple-input-multiple-output(MIMO) with
decision feedback”, “IEEE Transactions on Information Theory, Vol. 42, pp.3221-3231”, “Sept.,
1994”, “J. Yang and S. Roy 著”
[4]“Optimal pre-and postfilters for multichannel signal processing”, “IEEE Trans.
Acoust.,Speech, Signal Processing, Vol. 36, pp.287-289, Feb., 1988”, “H. S. Malvar and D. H.
Staelin 著”
214
【技術分類】3−3−2
【
FI
実現基盤技術/ハイブリッド伝送技術/アレー信号処理技術との組み合わせ
】H04L1/00@E H04J11/00@Z
【技術名称】3−3−2−3
Linear Precoder and Decoder Design
【技術内容】
原理:
最適な線形プリコーダとデコーダはMIMOチャネルを対角化し固有サブチャネルを形成する。これを用
いて、この技術は、送信電力一定において、重み付けしたMinimum Mean-Squared Error(MMSE)を用いる
ことにより、誤りを最小化する一般化された最適な線形プリコーダとデコーダについてである。さらに、
情報レートを最大にするような設計、QoSに基づいた設計、重み付けしないMMSEを用いた設計、各サブ
チャネルで誤りが等しくなるような設計方法も示す。
詳細:
図より、送信信号 s 、プリコーダ F 、チャネル H 、雑音 n 、デコーダ G 、デコーダ出力を ŝ としたと
き、 sˆ = GHFs + Gn と表すことができる。提案技術は以下の操作を行う。
1.雑音 n の相関を R nn 、ユニタリ行列 V 、固有値の対角行列 Λ (ランクをBとする)とすると、
H H R −nn1 H = VΛV H と固有分解する。 H は転置複素共役を表す。
H
H −1
2. B × B の対角行列 Φ f 、 Φ g を用いて、 F = VΦ f 、 G = Φ g V H R nn と、プリコーダとデコーダ
を設定する。これより、 GHF = Φ g ΛΦ f と表すことができる。
3.さらに、最適な Φ f 、 Φ g と、最適な送信電力 µ 求めるため、これらを以下のように設定する




− 12
− 12
Φf = µ Λ W −Λ




− 12
1
2
− 12
Φ g = µ Λ W − µΛ W
µ =
1
2
1
2
∑


j =1 
k
−1
p0 + ∑
1
2

k


j =1 
λ
1
−1  2


+
Φ
− 12

λ j− w j 
1
2
1
−1  2



−1 
j 
, k=B
ここで、λ j は固有値の各要素、W は重み付けを行う対角行列であり、その各要素を w j としており、 p0
は送信電力の和である。このように設計することで、最適なプリコーダとデコーダを得ることができる。
長所:
このモデルはシングルキャリア、フラットフェージングチャネルを基本的には考えているが、遅延が
ある場合やマルチキャリアでも同様に扱うことができる。
従来技術・歴史:
固有モード伝送のMMSEは、誤りを最小化するが、各固有モードの誤りがわからない。いくつかの固有
モードは他のに比べて誤りが非常に大きくなる。
215
【図】
MIMO 通信システム
F
G
出典:“Generalized Linear Precoder and Decoder Design for MIMO Channels Using the Weighted MMSE
Criterion”, “IEEE Trans. Commun., Vol. 49, No. 12”, “Dec., 2001”, “H.Sampath, P.Stoica
and A.Paulraj 著”, “IEEE発行“, “p.2199, Figure 3: Optimum transceivers: decomposition into
eigen subchannels” (© 2005 IEEE) に加筆修正
【出典】
[1]“Generalized Linear Precoder and Decoder Design for MIMO Channels Using the Weighted MMSE
Criterion”, “IEEE Trans. Commun., Vol. 49, No. 12, pp.2198-2206”, “Dec., 2001”, “H.Sampath,
P.Stoica and A.Paulraj 著”
【参考資料】
[2]“Spatio-temporal coding for wireless communications”, “IEEE Trans. Commun., vol. 46,
pp.357-366”, “Mar., 1998”, “G.Raleigh and .Cioffi 著”
[3]“Joint transmit and receive optimization for high data rate wireless communications using
multiple antennas”, “in Proc. Asilomar Conf. Signals, SYstems and Computers, vol. 1”, “1999”,
“H.Sampath and A.Paulraj 著”
[4]“A generalized space-time linear precoder and decoder design using the weighted MMSE
criterion”, “in Conf. Rec. Thirty-Fourth Asilomar Conf. on Signals, Systems and Computers,
vol. 1, pp.753-758”, “2000”, “H.Sampath, P.Stoica 著”
216
【技術分類】3−3−2
【
FI
実現基盤技術/ハイブリッド伝送技術/アレー信号処理技術との組み合わせ
】H04L1/00@E H04B7/26@B H01Q3/26
【技術名称】3−3−2−4
CSI1が送信側で既知の場合の最適送信制御
【技術内容】
原理:
送信側で通信路のインパルス応答が既知の時に、直交チャネルを形成し、各直交チャネルに配分する
電力を通信路容量を最大にするように求める。
詳細:
提案方式の送信機構成を図に示す。MIMO通信においては、空間的直交チャネルを形成することにより、
全体の通信路容量は各直交チャネルの通信路容量の和となる。そこで、送信機側でチャネルが既知であ
るときに、系全体の送信電力が一定という条件の下で通信路容量を最大とする直交チャネルの送信電力
を求めるために、Lagrangeの未定乗数法を用いる。これによって求めた各送信アンテナ送信電力が0未
満となる場合は、そのアンテナの送信電力を0とし、そのチャネルを除いて再計算を行う。
長所:
送信アンテナ数が受信アンテナ数より大きいときに効果が得られる。また、伝送路推定に誤差が含ま
れる場合においても、推定誤差が10dB程度であれば特性はあまり劣化しない。
従来技術・歴史:
MIMO通信において、送受信器におけるアンテナ数が共に L のとき、通信路容量を L に比例して増やせ
ることが示されている。
【図】
提案方式の送信機構成
出典:“Optimal Transmit-Systems Utilizing Channel Information for Mobile Radio
Communications”, “2002 年電子情報通信学会総合大会 B-5-227”, “Mar.,2002”, “Y. KATOH, K.
FUKAWA, H. SUZUKI 著”, “電子情報通信学会 発行“, “p.678, 図1”を加筆修正
1
Channel State Information の略。
217
【出典】
[1]“Optimal Transmit-Systems Utilizing Channel Information for Mobile Radio
Communications”, “2002 年電子情報通信学会総合大会 B-5-227 p.678”, “Mar.,2002”, “Y. KATOH,
K. FUKAWA, H. SUZUKI 著”, “電子情報通信学会 発行“
【参考資料】
[2]“Bell Labs Technical Journal, vol. 1, No. 2, pp.41-59”, “1996”, “G.J.Foschini 著”
218
【技術分類】3−3−2
【
FI
実現基盤技術/ハイブリッド伝送技術/アレー信号処理技術との組み合わせ
】H04L1/00@E H04B7/26@B H01Q3/26
【技術名称】3−3−2−5
Multiuser Downlink Beamforming
【技術内容】
原理:
各ユーザ i = 1" K ,( K はユーザ数)のSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)要求 γ i を満
と送信全電力 P の両方を適応的に制御
たすように、ダウンリンク( DL )のビームフォーミング行列 U
max
する。システムはTDD(Time Division Duplexing)であり、アップリンクとダウンリンクの伝送特性が同
一であるという相反性を利用している。システムを,サブストリームごとの個別のSINRにより, 適切
なビームフォーミングと電力制御を行えるように設計をする. さらに,総電力一定のもとで
SINR(Signal to interference pulus noise ratio)を最大化することと, 希望SINRを満たす上で,総
送信電力を最小化するような2つの最適化問題を考える
詳細:
全送信電力一定の条件で各ユーザの正規化SINRの内、最小のものを最大化する問題を解く。基地局の
アレー素子の電力配分を表す電力ベクトル p について最適化するために、次式を用いる。
DL , P ) = max min SINR i (U, p) subject to || p || ≤ P
C DL (U
max
1
max
p
ここで、 C
DL
γi
1≤ i ≤ K
はダウンリンクSINRマージン、 SINR iDL はユーザ i のダウンリンクSINRを表す。
上式は、拡張結合行列 ϒ (U, Pmax ) を用いると次式で表せる:
,P ) =
C DL (U
max
1
λ max ( ϒ (U , Pmax ))
ここで、λ max ( ϒ ) は ϒ の最大固有値を表す。同様に、アップリンクにおける最大化も次式で与えられる。
,P ) =
C UL (U
max
ここで、 C
UL
1
λ max (Λ (U , Pmax ))
はアップリンクSINRマージン、 Λ ( U, Pmax ) は拡張アップリンク結合行列を表す。
、 P と受信雑音 σ = σ 1 の場合、 C
与えられた U
max
2
UL
, P ) = C DL (U
, P ) となることがわかって
(U
max
max
いる。すなわち、アップリンクの受信のために設計されたビームフォーミングはダウンリンクの送信に
用いることができる。
次に、ビームフォーミング行列 U が制御できるものとして最適化問題を考える。この時のダウンリン
クの最適化問題は
DL
( Pmax ) =
Copt
1
min U λ max (Λ (U, Pmax ))
となり、SINR均衡問題が Λ ( U, Pmax ) の固有値最小化問題となる。この問題は多くの局所的最適解を持つ
ので、解を求めるのは難しい。そこで、拡張結合行列 Λ の構造を利用すると
DL
Copt
( Pmax ) −1 = min min λˆ (U, q ext )
U
λˆ (U, q ext ) = max
x>0
qext >0
xT Λ (U, Pmax )q ext
xT q ext
となる。ここで、各ユーザから基地局への電力ベクトルを q とし、その列ベクトルの次元を1つ拡張し、
219
その要素を1としたものを q ext とする。x は最適化のための補助変数である。q ext 、U の一方を固定し、
もう一方の変数について最小化を行い、収束するまで繰り返す。このアルゴリズムを表1に示す。
また、希望SINRを満たす上で、 総送信電力を最小化するアルゴリズムを表2に示す。同様に、上り
リンクにおいて、上り送信電力 q
化を行う。 C
(n)
( n−1)
を用いてSINRが最大となるような固有ベクトル u i を求め、正規
(n)
を各固有ビームにおいての実際のSINRと希望SINRの比とすると、これが1より小さけれ
ば、上りの送信電力 q
(n)
とチャネルの固有値の最大値 λ max ( n) を求め、これをもとに C
また、1より大きければ、 q
(n)
(n)
を更新する。
を更新し、総送信電力 Psum ( n) に加える。これを、固有値の最大値と最小
値の差がある値 ε 未満ならば、下りリンクの電力配分 p
opt
を求める。ある値 ε 以上ならば、これらの処
理を繰り返す。
長所:
提案方法は周波数分割多重よりも周波数利用効率がよい。
各ユーザのSINR要求を満たす条件で全送信電力を最小化する問題も解かれており、表に示すアルゴリ
ズムに基づくアルゴリズムを用いることによって解くことができる。
従来技術・歴史:
決められた電力配分においてSINRを最大化するアップリンクビームフォーマは独立に固有分解する
ことにより得られる。ダウンリンクビームフォーマは、あるユーザのビームフォーマが他ユーザのビー
ムフォーマに影響するため、結合して最適化するのは複雑となる。
【表1】
SINR均衡問題のアルゴリズム解
出典:“Solution of the multiuser downlink beamforming problem with individual SINR constraints”,
“IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol. 53”, “Jan., 2004”, “Schubert M., and Boche
H. 著”, “IEEE発行“, “p.23, Table 1: ALGORITHMIC SOLUTION OF THE SINR BALANCING
PROBLEM”(© 2005 IEEE)
220
【表2】
総送信電力を最小化するアルゴリズム解
出典:“Solution of the multiuser downlink beamforming problem with individual SINR constraints”,
“IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol. 53”, “Jan., 2004”, “Schubert M., and Boche H.
著”, “IEEE発行“, “p.25, Table 2: SOLUTION OF THE POWER MINIMIZATION PROBLEM” (© 2005 IEEE)
【出典】
[1]“Solution of the multiuser downlink beamforming problem with individual SINR constraints”,
“IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol. 53, pp. 18-28”, “Jan., 2004”, “Schubert
M., and Boche H. 著”
【参考資料】
[2] "Transmit beamforming and power control for cellular wireless systems", “IEEE J.Select.
Areas Commun., vol.16, pp.1437-1449” “ Oct., 1998”, “P.Rashid-Farrokhi, K.J,Liu, and
L.Tassiulas 著”, “IEEE 発行“
[3] "Optimum beamforming using transmit antenna arrays", “in Proc. IEEE Vehicular Technology.
Conf.(VTC) Spring, vol.1, Houston, Texas, pp.851-856”, “May, 1999”、 ”E.Visotsky and U.Madhow
著“, “IEEE発行“
221
【技術分類】3−3−2
【
FI
実現基盤技術/ハイブリッド伝送技術/アレー信号処理技術との組み合わせ
】H04L1/00@E H04B7/26@B H01Q3/26
【技術名称】3−3−2−6
CSI2を有しない送信機での Beamforming ウェイト制御法
【技術内容】
MIMO チャネル情報を持たずに、送受信機間の交信のみで複数送受信機アンテナのウェイトを決定す
る MIMO システムを提案する。N×M(N 送信アンテナ、M 受信アンテナ)システムとする。
干渉成分(I)+ガウス雑音(N)から成る IN チャネルHの干渉雑音相関行列をRIN とする。受信機フロ
ントに変換器Dを置く。変換器出力の干渉雑音相関行列DRIND†が恒等対角行列 I となるようにDを
選び、変換器出力の干渉雑音成分を白色化する。†は転置複素共役を表す。送信機から変換器出力に
到るチャネルDHは仮想白色雑音チャネルと見なせるため、送受アンテナのウェイトを以下のように
選ぶことにより送受信機間を独立な複数並列の仮想直交チャネルに分離でき、大きい通信容量が確保
できる。
(1)仮想チャネルの相関行列(DH)†(DH)=H†RIN−1Hを固有値分解し、固有ベクトルwn を送信
アンテナのウェイトとする。固有値をρn として送信固有方程式はH†RIN−1Hwn=ρnwn となる。
ここで、nは送信アンテナビーム番号を表し、n=1・・・N である。
(2)受信ウェイトをvn=[(DH)wn]*とする。このときvn はRIN−1*H*HTの固有ベクトルになり、
受信固有方程式はRIN−1*H*HTvn=ρnvn となる。*は複素共役を表す。
以上の固有方程式をベースとして、通信を通じて送受信機各々で固有ベクトルと固有値を推定し、
チャネル情報を持たずに送受信ウェイトを決定する。送信機を端末A、受信機を端末Bとする。Aは
パイロット部分で要求信号(REQ)をアンテナ毎に無相関の直交信号un を送出する。Bは受信信号か
ら直交信号un を検出し、受信信号と直交信号un の相関からチャネル予測行列A、受信信号から干渉
雑音相関予測行列ΦIN を計算する。これらを基にした受信固有方程式により固有ベクトル=受信ウェ
イト、固有値=SINR(信号対 IN 電力比)を予測して、n毎に直交する信号rn によりパイロット部分で
Aに返信(REP)する(図)。SINR は通信可能な変調方式の選定基準となる。Aは、Bからの受信信号
と直交信号r*n の相関を求めて、相関=ρnwn*の関係から送信ウェイトを決定する。
【図】
端末 B から端末 A への REP 信号送信時の信号処理構成
2
Channel State Information の略。
222
出典:“CSI を有しない送信機での Beamforming ウェイト制御法”, ”電子情報通信学会誌B,Vol.J86-B,
No.12”, “原
嘉孝,平
明徳、関口
高志 著”, “電子情報通信学会 発行”, “p.2465, 図5:端末 B
から端末 A への REP 信号送信時の信号処理構成”
【出典/参考資料】
[1] “CSI を有しない送信機での Beamforming ウェイト制御法”, ”電子情報通信学会誌B,Vol.J86-B,
No.12,pp.2465”, “原
嘉孝,平
明徳、関口
高志 著”, “電子情報通信学会 発行”
223
Fly UP