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第27号 アメダスって何?「雨だす?」
第 27 号 2016 年 11 月 28 日 水戸地方気象台発行 アメダスって何?「雨だす?」 アメダスという言葉は天気予報等でよく聞くと思いますが、実際に見たことがある方は意外と少ないのでは ないでしょうか。 アメダス(AMeDAS)とは「Automated Meteorological Data Acquisition System」の略で、直訳する と自動化された気象データの取得システムとなりますが、「地域気象観測システム」といいます。雨、風、雪 などの気象状況を時間的、地域的に細かく監視するために、降水量、風向・風速、気温、日照時間の各要素の 観測を自動的に行い、気象災害の防止・軽減に重要な役割を果たしています。観測は全て電気(電子)化され ていて、昔、よく学校に設置されていた百葉箱は使っていません。 はじめに気温観測の仕組みについて紹介します。日射や風雨の影響を受けないようにするため、温度計は、 通風筒の中に設置しています。通風筒には上部に通風ファンがあって、下から空気を取り入れて上から逃がす 仕組みになっています。風にあたると体に感じる温度 (体感温度)は下がりますが、気温に変化は生じません。 温度計は電気式で、温度によって金属(白金)の電気 的な抵抗値が変化することを利用して、逆に抵抗値を測 ることによって温度を求めています。たしか中学校で習 った「オームの法則」です。抵抗値と気温との関係は図 のとおりで、100 オームの時に 0 度となります。 通風筒 温度計 抵抗値と気温との関係 次に転倒ます型雨量計の構造について紹介します。転倒ます型雨量計は、直径 20cm の円筒状の外観をして います。外側の受水部で集められた雨は、内側の計量部に入ります。転倒ます型雨量計の計量部にはその名の とおり転倒する三角形の「ます」があります。このますは真ん中の軸の部分を中心に左右対称に 2 つに分かれ ていて、片方に 0.5 ミリ分の雨がたまると、その重みで反対側に倒れ、もう片方にまた 0.5 ミリ分の雨がたま ります。この繰り返しで雨量を計測します。計測方法は、真ん中の軸の部分に磁石、その下側には、スイッチ (リードスイッチ)が付いていて、転倒ますが水平になった時(右図中、②、④)に磁石に引き寄せられてス イッチ(接点信号)が入ります。なお、たまった雨は、倒れた時に外部に流れる仕組みになっています。 まるで「ししおどし」のように転倒しながら雨量を計測する転倒ます型雨量計は、アメダス運用開始以来そ の構造に大きな変化はありません。ちょうど車のワイパーがフロントガラスの雨を払う機能や形が変わらない のに似ているような気がします。 受水部 計量部