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CGとインタラクティブの国際会議で見つけた！ ゲームの未来を左右する
CGとインタラクティブの国際会議で見つけた！ ゲームの未来を左右する、世界最先端の技術とは？ シーグラフ 2006 東大による"額網膜システム"。 メガネについたカメラに映った 赤外線反射を信号化し、額につ けた電極で物体を感知。目が見 えなくてもゲームができるかも！ 本日のテーマ: 現在の最先端テクノロジーをヒントに、未来のゲーム像を解き明 かす不定期連載コーナー。今回は、そんなゲームの未来を捜すの にうってつけのイベント"シーグラフ 2006"を取材したぞ。 7月30日∼8月3日、アメリカ･ のだ。その代表例が、ATIリサー ボストンにてC Gとインタラクテ （写 チ社による"流れる雨露の表現" う ろ ィブ技術のための国際会議"シー 真2） 。まるで映画のワンシーンの グラフ 2006"が開催された。開催 ような雨露や波紋などがリアルタ 33年目という長い歴史を誇るこの イムで表現されていた。 学会は、発表される技術や作品が インタラクティブ技術のデモも 非常にきびしい審査を通過する必 興味深い出展が多数あったが、と 要があるために、例年出展作品は くに注目したいのが、三菱電機研 いずれも世界中から高い注目を集 究所の水そのものをセンサーにし めている。いわば、世界の頂点が た水芸システム"Submerging技術" 集う催しなのだ。今回は、そんな （写真3） 。さらには、東京大学に シーグラフ 2006から選りすぐり よる目が見えなくてもゲームがで のテクノロジーを紹介しよう。 （写真1） きる、"額網膜システム" 近年は、写実的な光の表現やリ や、高精細な顔のモデルデータが アルタイム化技術がアツイC G業 リアルタイムで取得できるハーバ 界だが、シーグラフ 2006ではそ ード大学によるシステム （写真4） 、 れに加えて、流動体や自然物、群 ディスプレイ関係では、慶應大学 集シーンの高度化･高速化に関す による、"空中投影3Dプラズマデ る論文が注目の的。いままでムー ィスプレイ" （写真5） なども注目を ビーでしか見られなかった映像が、 集めていた。これらの未来テクノ どんどんリアルタイムで動き、イ ロジーは、追ってこのコーナーで ンタラクティブになってきている 詳しく紹介する予定だ。 シーグラフ 2006の"楽しみかた" 文：しらいあきひこ （工学博士） ゲーム業界関係者にとって、E3 （エレクトロニック･エンターテイン メント･エキスポ）やGDC（ゲーム･ デベロッパーズカンファレンス）と 並んで「必ず参加しなければならな い米国の学会」と言えばシーグラフ。 ゲーム関係者のみならず、映画や映 像関係者の参加も多く、世界中から 「この1週間のために徹夜して仕事 を片付けてきました」という感じの CG技術者、アーティスト、研究者 が一堂に集う、まるで同窓会のよう な趣きもあるフェスティバルだ。ふ だんなかなか会えないクリエーター どうしの出会いや、業界通しか知ら ない情報、パーティー会場での"即 興デモ"などもあったりして気が抜 けない。たとえば、今年はジョイン トイベントで"Sandbox"というゲー 24 GPU技術の研究を行っている ATIリサーチ社の雨の街を描いた リアルタイムデモ。流れる雨露、 雷、雨や波紋といった自然物の リアルな表現がスゴイ！ ム関連のシンポジウムが開催されて いたのだが、ソニー･コンピュータエ ンタテインメントアメリカ（SCEA） のエンジニアによるプレイステーシ ョン3のCellプロセッサを使った最 新のリアルタイム群集アニメーショ ンに関する論文を発見。ハイデフ画 面に5000匹の魚群が表示されるとい うCell特有の実装方法は、まさに次 世代の研究と言えるだろう。 なお、私はこの会議でPC向けレー スゲームを使った"ゲームの物理的 評価"と、マーカーなどを装着しな くても身体の動きでゲームがプレイ できる技術の発表を行ったが、非常 に反応がよく大収穫。やはりゲーム の未来の研究は、日本の学者や産業 界のアプローチに加え、アメリカの 大規模な産業的生産プロセス手法 が 逃 げ る よ う に 見 え る 。 画 像 認 識 で は な い 。 ー ム の ア バ タ ー に 使 え る ？ セ ン サ ー に す る 水 芸 シ ス テ ム 。 近 づ く と 水 水 の 電 気 容 量 に 注 目 し て " 水 そ の も の " を 高 精 細 な 顔 モ デ ル 。 ネ ッ ト ゲ リ ア ル タ イ ム で 取 得 し た 超 や、欧州での異なるゲームプレイシ ーン、コンセプトについても時々比 較してディスカッションや研究を重 ねていかねばならないことを再認識。 さて、シーグラフでは技術だけで なく、毎年、映画やコマーシャルな どCGを用いた高品質な映像作品を 上映する"コンピュータ･アニメーシ ョン･フェスティバル"が開催される。 今年はとくに優秀な作品が、次世代 映画用プロジェクターによって上映 された。日本からはテクモ『モンス ターファーム5 サーカスキャラバ ン』のオープニング映像がノミネー トされ、今年の日本発の代表作に。 映像制作はデジタル･メディア･ラボ 社によるもので、パステル調の色彩、 テンポのよい構成が新鮮で秀逸。こ こ数年は『鬼武者3』などのリアル系 ゲーム映像の評価が高かったのだ が、日本アニメ調の映像が目立った のは、今年の特徴であったかも。 CGよりも美しく! を 焼 き 、 何 も な い 空 間 に プ ラ ズ マ が 発 生 。 タ ー フ ァ ー ム ５ ﹄ の デ モ ︵ 右 ︶ 。 で も 高 い 評 価 を 得 た ﹃ モ ン ス よ る 群 集 の デ モ ︵ 上 ︶ と 、 海 外 ラ ズ マ デ ィ ス プ レ イ 。 パ ル ス レ ー ザ ー が 空 気 プ レ イ ス テ ー シ ョ ン ３ に しらいあきひこ ハイテク遊園地のエンターテイメントシ ステムデザインが専門の未来ゲーム研究 者。工学博士。フランス在住。 慶 応 大 の 内 山 教 授 ら に よ る 、 世 界 初 ３ Ｄ プ