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教職大学院の現状

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教職大学院の現状
資料4
教職大学院の現状
「教職大学院」の目的・機能
①学部からの進学者を対象とした教育機能
学部段階で教員として基礎的・基本的な資質能力を取得した者に対し、
さらに、より実践的な指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な一
員となり得る新人教員の養成。
②現職教員を対象とした教育機能
一定の教職経験を有する現職教員を対象に、地域や学校における指導
的役割を果たし得る教員として不可欠な確かな指導理論と優れた実践
力・応用力を備えた「スクールリーダー(中核的中堅教員)」の養成。
「教職大学院」制度の概要
①修業年限:標準2年
(1年以上2年未満の短期履修コース、2年以上の長期在学 コースの設定も可能)
②修了要件:2年以上在学し、45単位以上修得
(うち10単位以上は実習を義務化(現職経験などをもって一部または全部の実習免除可能))
③教育課程 ・方法
≫各大学に共通するカリキュラムの枠組みを制度上明確化
共通領域‥①教育課程の編成・実施に関する領域
②教科等の実践的な指導方法に関する領域
③生徒指導・教育相談に関する領域
④学級経営・学校経営に関する領域
5領域に関する授業
科目の開設を専門
職大学院設置基準
に明確化
⑤学校教育と教員の在り方に関する領域
≫事例研究、授業観察・分析、フィールドワーク等を積極的に導入した指導方法
④教員組織
≫専門分野に関し高度の指導能力のある専任教員を一定程度置く(最低11人以上)
≫高度な実務能力を備えた指導スタッフ(実務家教員)の義務づけ(必要専任教員の
4割以上)
⑤連携協力校
実践的指導を力育成の教育のため、「連携協力校」の設置を義務づけ
⑥学位(専門職学位):「教職修士(専門職)」 を授与
⑦教員免許状:現行の 専修免許状 を授与
⑧認証評価:5年ごとの認証評価を義務づけ
修士課程と専門職学位課程の比較
専門職学位課程
修士課程
専門職大学院
(平成15年度~)
法科大学院
(平成16年度~)
教職大学院
(平成20年度~)
修業年限 ※
2年
2年
3年
2年
修了要件
修士論文の作成
(研究指導)
30単位以上
93単位以上
実務家教員
3割以上
2割以上
-
30単位以上
具体的な授業方
法
-
学位
修士(○○)
認証評価
-
45単位以上
(うち10単位以上は学校等で
の実習)
4割以上
実務家教員のほか、専攻ごとに配置しなければならない専任教員数は、修士課程より多く設
定され、かつ、学部等の他の課程の専任教員の兼務も原則禁止し、教員組織を充実
①事例研究、現地調査、双方
向・多方向に行われる討論・質
疑応答
○○修士(専門職)
①同左
②少人数教育を基本(法律基
本科目は50人が標準)
法務博士(専門職)
①同左
②学校実習及び共通科目を必
修
教職修士(専門職)
教育課程や教員組織等の教育研究活動の状況について、文部科学大臣より認証を
受けた認証評価団体の評価を5年毎に受審することを義務付け、教育の質保証を図
る仕組みを担保
※主に実務の経験を有する者を対象に、教育上の必要性がある場合は、1年以上2年未満とすることも制度上可能
教職大学院の設置状況
区 分
設置
年度
1
国立
20
北 海 道 教 育 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 高 度 教 職 実 践 専 攻
45 人 北 海道
2
〃
20
宮城教 育大学大 学院
教 育 学 研 究 科 高 度 教 職 実 践 専 攻
32
宮 城県
3
〃
21
山形大 学大学院
教 育実践研 究科 教職実践 専攻
20
山 形県
4
〃
20
群馬大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 リー ダー 専 攻
16
群 馬県
5
〃
20
東京学 芸大学大 学院
教 育 学 研 究 科 教 育 実 践 創 成 専 攻
30
東 京都
6
〃
20
上越教 育大学大 学院
学 校教育研 究科 教育実践 高度化専 攻
50
新 潟県
7
〃
20
福井大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 開 発 専 攻
30
福 井県
8
〃
20
岐阜大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 実 践 開 発 専 攻
20
岐 阜県
9
〃
21
静岡大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 育 実 践 高 度 化 専 攻
20
静 岡県
10
〃
20
愛知教 育大学大 学院
教 育実践研 究科 教職実践 専攻
50
愛 知県
11
〃
20
京都教 育大学大 学院
連 合 教 職 実 践 研 究 科 教 職 実 践 専 攻
60
京 都府
12
〃
20
兵庫教 育大学大 学院
学 校教育研 究科 教育実践 高度化専 攻
100
兵 庫県
13
〃
20
奈良教 育大学大 学院
教 育 学 研 究 科 教 職 開 発 専 攻
20
奈 良県
14
〃
20
岡山大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 実 践 専 攻
20
岡 山県
15
〃
20
鳴門教 育大学大 学院
学 校教育研 究科 高度学校 教育実践 専攻
50
徳 島県
16
〃
21
福岡教 育大学大 学院
教 育 学 研 究 科 教 職 実 践 専 攻
20
福 岡県
17
〃
20
長崎大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 実 践 専 攻
20
長 崎県
18
〃
20
宮崎大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 実 践 開 発 専 攻
28
宮 崎県
19
私立
21
聖徳大 学大学院
教 職 研 究 科 教 職 実 践 専 攻
30
千 葉県
20
〃
20
創価大 学大学院
教 職研究科 教 職専攻
25
東 京都
21
〃
20
玉川大 学大学院
教 育 学 研 究 科 教 職 専 攻
20
東 京都
22
〃
21
帝京大 学大学院
教 職 研 究 科 教 職 実 践 専 攻
30
東 京都
23
〃
20
早稲田 大学大学 院
教 職研究科 高度教 職実践専 攻
70
東 京都
24
〃
20
常葉学 園大学大 学院
初 等 教育 高 度 実践 研 究 科 初 等 教 育高 度 実 践専 攻
20
静 岡県
合 計
大 学 院 名
24大学
研究 科・専攻名
入 学 定 員 位 置
826 人
平成20年度設置計画履行状況等調査
20年度設置計画履行状況等調査において、19大学中17大学において留意事項が指摘されている。主な
内容は(1)~(3)のとおり。
(1)入学者の確保について
教職大学院の設置の趣旨が生かされるよう、入学者の質に留意しつつ、入学者の適切
な確保に努めること。特に、現職教員の受入れについては、教育委員会の人材養成ニー
ズと大学が求める学生の人材像について教育委員会と十分な共通認識を図ること。
(2)教育委員会との連携について
教育委員会に対し、教職大学院の設置趣旨について一層の理解を深め、積極的に連携
協力してもらうための共通認識の確立に努めるとともに、デマンドサイドのニーズを踏まえ
た教職大学院になるよう、カリキュラムや教育方法等教職大学院の運営全般について教
育委員会等の要望・意見を反映する仕組みを構築し、機能させること。
(3)実習免除と実習体制について
実習を通じて身に付ける資質・能力を明確にした上で、実習の到達目標に相関性のあ
る免除基準を確立し、教職経験等との相関性や免除の妥当性を検討した上で実習免除を
実施すること。
教職大学院における実習の趣旨や意義を実習校に周知した上で、実習の成果が十分
に上がるよう実習校との協力体制について十分配慮すること。
◇平成21年度設置計画履行状況等調査においても、20年度同様、全ての教職大
学院において「実地調査」を行う予定。(調査時期:10月~11月)
平成21年度 教職大学院入学者選抜状況
平成21年度入学者選抜状況
(昨年度19大学中8大学)
24大学中 定員未充足大学 11大学
※なお、11大学中6大学は、2年連続定員割れの状況。
定員未充足の要因と改善方策
要因1)学部および学校現場における「教職大学院」についての認知不足。
・学部学生および現職教員の中で、教職大学院の目的・機能および既存修士課程との相違点(教育内容、指
導体制、実習の実施等)が明確に理解されていない。
改善方策
○学部段階での教職大学院との交流授業等の実施
○修了者や在学者との情報交換会の開催
○免許更新講習を活用した現職教員へのPR
○日本教職大学院協会等を通した教職大学院全体として取組むPR活動
等
要因2)修了者のメリットが不明確。
・教職大学院を修了した際の、現職教員・学部新卒学生への処遇等への反映が不明確。
教育委員会においては、実際の修了者の実績を踏まえて今後、検討していくところ。
改善方策
(学部新卒学生)
○入学前及び在学中に教員採用試験に合格した場合の名簿搭載期間の延長措置。
○初任者等研修の一部免除
(現職教員学生)
○現職教員の給与・処遇への反映(キャリアパスにおける教職大学院修了実績の明確化)
要因3)教育委員会からの派遣者数の伸び悩み。
・厳しい財政状況にある教育委員会において、教職大学院へ現職教員への派遣を増やすことは非常に困難
な状況。
改善方策
○教育委員会等デマンドサイドのニーズを踏まえた教職大学院の改善・充実
○教職大学院に現職教員を派遣することによるメリットのPR
(学校現場における大学教員の活用、学校現場の課題解決型実習の実施等により
学校現場と大学の距離を縮めることができる。)
要因4)学生の経済的負担が大きい。
・現職教員学生にとって、入学金・授業料の経済的負担が大きく、学修意欲はあるものの教職大学院進学に
おいて障害となっている。
改善方策
○大学における奨学金制度の活用
○授業料の減免措置
要因5)学校現場の理解が不十分。
・教育委員会からの派遣者数の増加が難しい状況の中で、教職大学院へ自主的に入学する者の確保は重
要である。しかし、大学院修学休業制度や14条特例を活用して、教職大学院に自主的に入学を希望する者
に対して、学校現場の理解が十分とはいえない状況にある。
改善方策
○各学校現場に対する教職大学院のPR活動(校長会等)
○修了者の体験談等をとおした教職大学院のPR
○修了後の実績をとおした教職大学院の教育内容の質の証明
要因6)大都市部における教員採用人数の増加。
・大都市部において、近年、教員採用数が増加しており、大学院等へは進学せず、教員への採用を希望する
学部新卒学生が多い。
改善方策
○教員採用試験における一部科目免除、大学推薦制度等
○入学前に教員採用試験に合格した場合の名簿搭載期間の延長措置
○初任者研修等の一部免除。
○教職大学院における教育内容(実践的指導力の向上)のPR
〔参考〕 上越教育大学の改善方策
◇20年度入学者選抜状況◇
コース
標準学生数
現職教員
学 部新 卒学 生等
教育実践リーダーコース
30
10
16
学校運営リーダーコース
20
6
0
計
50
16
16
計
現職教員内訳
26 新潟8、群馬1、静岡1
6 新潟5、群馬1
32 新潟13、群馬2、愛知1
◇21年度入学者選抜状況◇
コース
標準学生数
現職教員
学 部新 卒学 生等
教育実践リーダーコース
30
22
22
学校運営リーダーコース
20
7
0
計
50
29
22
計
<20年度からの改善ポイント>
○定員充足率64%→102%
○現職教員は13名増
○学部新卒学生等は6名増
現職教員内訳
44 新潟17、群馬3、静岡1、愛知1
7 新潟6、群馬1
51 新潟23、群馬4、静岡1、愛知1
◆21年度入学者確保のために実施した主な取組み◆
○大学院進学希望者(現職教員)に対する個別面談を県庁及び市教委で実施 →現職教員の確保
○卒論指導を担当している専任教員が、学部学生に教職大学院について個別説明 →学部新卒学生の確保
○21年度より、大学院修学休業制度を利用する現職教員に対し、入学金・授業料の免除実施。 →現職教員の確保
○20年度学部入学生より、学部から教職大学院につながる「教職デザインコース」を開設。 →学部新卒学生の確保
※「教職デザインコース」・・・コース標準学生数14名。学部2学年次にコース分け。
教職大学院を含む6年一貫教育を踏まえ独自のカリキュラムを開設。
◆今後の課題◆
○学校運営リーダーコースの定員充足
○入学前、在学時に学部新卒学生が教員採用試験合格した場合の名簿搭載期間の延長措置
修了のメリットに関する取組状況
給与や処遇面への反映
24大学中5大学で措置(東京学芸、創価、玉川、帝京、早稲田)
○東京都教育委員会において、東京都の管理職選考に合格した者が教職大学院へ入学し、修了した場合、
指導主事として任用している。
名簿搭載期間の延長
24大学中16大学で措置 (2年延長:12大学、1年延長:4大学)
(北海道教育、群馬、東京学芸、岐阜、静岡、愛知教育、京都教育、兵庫教育、奈良教育、岡山、長崎、創価、
玉川、帝京、早稲田、常葉学園)
採用試験免除
24大学中9大学で措置(東京学芸、福井、岐阜、京都教育、福岡教育、創価、玉川、帝京、早稲田)
○学長の推薦のあった者に対し、一次試験免除
→東京都教委、神奈川県教委、横浜市教委、埼玉県教委、京都府教委、京都市教委、岐阜県教委
○学部4年次に採用内定した者で大学院進学を条件に採用内定を辞退した場合、あるいは大学院1年次にお
いて大学院修了後の特別選考受験を認められた場合、修了後の採用試験において一次選考、二次選考を免除
し、大学院における履修状況の確認や面接を中心に採用試験を実施。
→福井県教委
○一次試験における科目免除(教職教養・専門教科)
→福岡市教委
初任者研修免除
24大学中1大学で措置(岡山)
○ 教職大学院修了者の希望により、宿泊研修免除。
学部との連続コースに関する取組状況
東京学芸大学
「新教員養成コース」(18年度から試行、20年度設置)
○学部と大学院において連続的な教員養成をおこなうための本コースのための教育課程を整備し、教育学研
究科進学においては特別選抜枠を設定。(教職大学院の授業聴講や特別ゼミナールを実施)
○募集人数は、大学院教育学研究科全体で20名、各専攻1~2名程度。
○学部2年生:面接等の審査を実施し、コース分け →学部3年生:大学院進学のための内部選考
→学部4年生:大学院進学のための特別選考
上越教育大学
「教職デザインコース」(20年度設置)
○教職大学院を含む6年一貫教育を踏まえ、教職大学院と連携し、教職で求められる多面的で総合的な力を身
に付けるため独自のカリキュラム(教職デザイン概論、専門セミナー、実践セミナー)を開設。コースの授業は教職
大学院の教員が担当。
コース標準学生数14名。学部2学次にコース分け。大学院進学のための特別選考はなし。
愛知教育大学
「学部と大学院との連携による6年一貫教員養成コース」(17年度設置 22年度から教職大学院にも拡充)
○学部で培う教員としての資質に加えて、実践力・企画力・コミュニケーション能力・研究能力・組織力等の高度な
専門能力を養成。コース独自の運営体制、カリキュラム等(学校現場活動、企業NPO教材開発実習、海外研修
等)の見直しを実施。
○学部3年次でコース分け。(コース定員 30人程度))
○学部4年次には大学院の授業受講可(単位認定は大学院進学後)
○大学院進学は、一般試験と異なる内容の試験を実施。(一部免除および設問形式の代わりに論文試験を実施)
奨学金や授業料減免に関する取組状況
北海道教育大学
「北海道教育大学支援基金」
○企業等から提供された寄付金をもって原資とする基金より、現職教員学生全員(附属学校教員を除く)に1年10
万円を支給。 →実績:20年度:24名、21年度:手続き中
(附属学校教員は大学研修制度の一貫として入学しており、授業料は本人負担ではない。)
福井大学
○20年度より、スクールリーダー養成コースについては、定員15名の枠で、授業料半減免除の特別措置を講じて
いる。→実績:20年度:15名、21年度:15名
兵庫教育大学
「ベネッセ教員育成研究奨学生制度」
○20年度から、(株)ベネッセ・コーポレーションからの寄付金を活用し、修士課程と教職大学院に在籍する現
職教員学生を対象に、研究奨学金を支給。(制度は4年間)
→実績:20年度:全体18名(うち教職大学院 0名)、21年度:手続き中
「社会人教育育成プログラム」
○21年度から、大学院修学休業制度を利用して入学している現職教員学生に対する授業料の全額免除と現
職教員全体を対象とした研究経費の助成を実施。→実績:21年度:全体44名(うち教職大学院16名)
鳴門教育大学
「鳴門教育大学教職大学院生(現職教員)支援基金」制度(21年度~)
○現職教員のため、修学資金の無利子貸与(20万円)を実施。
○大学院修学休業制度を利用している現職教員学生のため授業料免除規程を改正し、新たに「特別免除制度」
(授業料全額および半額免除)を整備。→実績:21年度:全体5名(うち教職大学院0名)
「規制改革推進のための3か年計画」(閣議決定)への対応
「規制改革推進のための第3次答申 -規制の集中改革プログラム-」(抄)
(平成20年12月22日 規制改革会議)
Ⅱ.各重点分野における規制改革
6 教育・資格改革
(1)教育・研究分野
⑩ 教職大学院の修了者の採用・処遇における公平性の確保
【具体的施策】
各都道府県教育委員会、独自の採用を行う市町村教育委員会及び教職大学院を設置する可能
性のある教員養成系大学・学部等に対して、教職大学院修了者の採用・処遇について、その修了者
が教員としての一定以上の資質を備えているとの先験的な前提に立って、制度的に大学学部卒業
者や一般大学院修了者等と異なる措置を講じることは適当ではなく、修了者の実績等を踏まえ、都
道府県教育委員会等において選考の公平性に留意しつつ対応すべきことを、引き続き周知すべきで
ある。【平成20年度中に措置】
〔文部科学省の見解〕
「修了者の実績等を踏まえ」選考するものであるならば、「教職大学院修了者が教員としての一定以上の資質を
備えているとの先験的な前提に立って、制度的に学部卒業者や一般大学院修了者等と異なる措置を講じること」
には当たらない。
→ 東京都における「大学推薦制度」は、教職大学院修了者であることのみをもって採用するものではなく、修了者
の実績等を踏まえて選考するものであり、閣議決定違反に当たらない。
※東京都教委における「大学推薦制度」
東京都と連携する教職大学院修了予定者については、大学の推薦書及び小論文の審査により一次試験免除。
二次試験(面接・実技試験)のみ。
認証評価制度
1)認証評価制度とは
国公私の全ての大学,短期大学,高等専門学校は,定期的(大学は7年以内、専門職大学院は5年以内)
に文部科学大臣の認証を受けた評価機関(認証評価機関)による第三者評価(認証評価)を受けることとする
制度。(学校基本法に規定、平成16年4月施行)
2)認証評価の必要性
大学の公的な質保証のためには、①最低基準を定める「設置基準」 ②最低基準の担保のための「設置認可
審査」 ③設置後の確認のための「認証評価」の3つの要素と大学の活動を支える公財政支援を一体的に運用
する仕組みの構築が必要。
3)認証評価制度の目的
○評価結果を踏まえて大学等が自ら改善を図る。
○評価結果が公表されることにより,大学等が社会による評価を受ける。
4)認証評価機関が行う評価
○ 認証評価機関が認証評価を行う際は,認証評価機関が定める評価基準に基づいて実施している。
○ 評価は,まず当該大学が自ら評価を行い,認証評価機関は、その自己評価の結果を分析し,その結果を踏
まえて実施している。
○ 大学等は複数の認証評価機関の中から評価を受ける機関を選択する。
(複数の認証評価機関から評価を受けることも可能)
5)文部科学大臣から認証された評価機関
認証評価機関名
評価対象とする分野
①大学基準協会
大学、短期大学、専門職大学院(法科大学院、経営分野)
②大学評価・学位授与機構
大学、短期大学、高等専門学校、専門職大学院(法科大学院)
③日本高等教育評価機構
大学
④短期大学基準協会
短期大学
⑤日弁連法務研究財団
専門職大学院(法科大学院)
⑥ABEST21
専門職大学院(経営分野)
⑦国際会計教育協会
専門職大学院(会計分野)
⑧日本助産評価機構
専門職大学院(助産分野)
◆認証評価団体が設立されていない分野
教職大学院24専攻、公共政策8専攻、臨床心理5専攻、情報技術4専攻、
公衆衛生3専攻、知的財産2専攻、その他12専攻
計58専攻
専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム
大学 名
東京学芸 大学
事 業名
取組概要
教 職大学院 における高度 専門職業 人の養成 では、スクールリーダ ーとしての実践 的指導力 の育成が 強く
求 められる。しかも、現職教員 を対象 とした 1年履 修プログラムでは 、そ の質の保 証が喫緊 の課題で ある。
実 践的指導 力育成 を保証 す そ こで本取組 では、本学教職 大学院の カリキュラムの柱 であり 、学 校現場での 課題の 解決をねらいとする
る評価 指標の 開発
科 目「課題研究 」を取り 上げ、1年履修 プログラムを中心に、ルーブリック評価、リーダ ーシ ップ尺度等 の評
価 指標の開 発と、具体的 にそ の質を保証する仕組 みを構 築することを通して、課 題研究指 導プログラム
の 開発を目的とする。
知 識基盤社 会に生 きる力を培う学校 の実現は 、教師 の実践力 形成に懸かっている。そ して その鍵は 、改
革 のための 研究と学校での 継続的な 実践を結びつける新しい「実習 」の 具体化にある。しか し、従来の教
育 実習は短 期間に止まり、学級づくりや生 徒指導等 、教師 の実践的 な力の本 質に関 わる取組については
学 ぶことが 不可能だ った。本取組 では一年 間にわ たり授業づくりと学 級づくり、さらに、生徒 指導・特別活
動 ・学 校運営まで含 む教師の仕 事の総 体に関 わって学んでいく学部卒院 生のた めの実習と、現 職院生が
自 校で教師 の協働研 究を支 え、また 若い世代の教 師の成長 を支 えるス クールリーダー実 習を連 動して進
める。これ によって、拠点学 校で世代間 の協働によって実践 力を培 う長期実習 の先進 モデルを実 現する。
福井大学
群馬大学
富山大学
金沢大学
実 践力・改革力 を培 う長期
協 働実習の 組織化
愛知教育 大学
名古屋大 学
名城大学
愛知淑徳 大学
愛 知教育大 学教育実 践研究科 (教 職大学院 )において実施 して いる教職実 践力向上 のための プログラム
を基に、学部 レベルにおいて必要 な取組を検証するとともに、教職大学 院における教 員養成プログラムと
高 い実 践力を育てる教員養 各 大学・学部における教員養 成との 連続性、補完性 、系統 的発展性 を検 証する。また、本取組 を通して、
成 プログラム開発
国 立、私 立、学 部の枠組 みを越 えた連 携を図 り、学部レベルか ら大学院 レベルに至る教員養成 を実 践し、
開 発する。本取組 の成果をもとに、近隣大 学の学部 学生の本 学教職大 学院への 進学・学修支 援として、4
年 次後期に動画配 信システムを利用して「プレ教 職大学 院」コースの 設置をめざす。
奈良教育 大学
宮崎大学
本 取組は、学部卒 業生、社会人、現職教 員と多 様な力量 と背 景を持 った教職 大学院生 の教育 実習につい
て、有効な 指導法とそ こで の学びを評価するためのル ーブリックを開発するものである。そ のルーブリッ ク
は 、最終 目標に「優 秀な教員 」の資 質・能力を据え、「一 般的な教 員」「初任 研修了時 の教員」「大学院 入
学 時の院生 」と併せて 4つのレベルに分 けて構 成することとする。また、学校現 場での喫緊 の課題で ある
実 習到達度 を明 確にした 実
学 業不振、問題行 動などの子どもに対する評価法 と対 処法についても、学校全体 で取り組 むための方 策
践 的指導と評価 法
を盛り 込むこととする。これによって、教 職大学院 在学中 だけでなく、修了後 において も継続的に学びを進
めることができる。このような指導法 と評 価法は、他の教 職大学院 の教育実 習において利用で きるだけで
なく、現実の学 校現場で 求められている前述の問 題に対 処するための教 員の資質 向上にも役立つもので
ある
兵庫教育 大学
上越教育 大学
鳴門教育 大学
本 取組では ,これまでの 3大 学の学校 教育における実践研究 の成果や 連合大学 院の連携 を活 かし,教職
大 学院のカ リキュラムの中核 を担 う「実 習」,「課題研究 」に焦点化 した FDシ ステムを共 同開発する。そ の
具 体的内容 としては,「実習」,「課題研 究」を実施 する中 での課題 ・問題 点の抽出 による改善,ティーム・
ティーチング(TT)による指導方 法の改善 ,実務 家教員研 修プログラムの 開発,を行うことで,3大 学の教
職 大学院及 び全 国の教職 大学院における高度専 門職業人 養成等 の一層の 強化を図るものである。
教 職大学院 の実習 等のFD
シ ステム共同開 発
教職大学院の今後の展開
1.教職大学院が教員養成に与える影響
①学部教育に与える影響
高度な実践力・応用力育成のための指導体制などのモデルを教職大学院において制度
的に示し、また、教職大学院の前提となる学部修了段階で求められる到達目標を明確化す
ることによって、学部段階の教員養成の再検証・改善を図る。
②大学院(修士課程)に与える影響
学術分野における知見を教育実践の場にフィードバックできる実践的指導力を身に付け
させることができるよう、大学院段階におけるカリキュラムや指導体制の改善に取組む。
【取組例】
◎教科教育担当教員と教科専門担当教員との共同による学術的成果を教育実践・教材開発等に
還元する実践的指導力の育成を目指す科目の開設。
◎修士課程で修めた学術的成果を教育現場で活かす上での実践的考察といった観点からの修士
論文の審査を行う。
2.教職大学院が学校教育に与える影響
連携協力校における実習やフィールドワーク等を通して、学校教育活動と連動する
ことにより、当該学校の教育研究活動の活性化を図ることができる。
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