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京セラドキュメントソリューションズ株式会社

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京セラドキュメントソリューションズ株式会社
IBMお客様導入事例
京セラドキュメントソリューションズ株式会社
グローバルで運用するCRMシステムの基盤に
IBM SmarterCloud Enterprise+ を採用
高い運用品質とセキュリティーを維持しつつ、
将来のリソース拡張要求にも柔軟に対応
お客様情報
京セラドキュメントソリューションズ株式会社(以下、京セラドキュメントソリューショ
ンズ)では、ソリューション・セールスの独自手法であるKSE(京セラ・セールス・エ
クセレンス)を実践するためのグローバルの統一システムとして FOCUSを開発。
その運用基盤にIBM SmarterCloud Enterprise+(以下、SCE+)を採用しまし
た。SCE+を活用することで高い運用品質を維持することが可能になり、将来的な
リソース拡張の要求にも柔軟に対応できることは大きなメリットとなっています。
京セラドキュメントソリューションズ株式会社
● 所在地
〒 540-8585
大阪府大阪市中央区玉造 1 丁目 2 番 28 号
http://www.kyoceradocumentsolutions.co.jp/
素材から部品、機器、ネットワークに至るまで、多岐にわたる
事業をグローバルに展開する京セラグループの一員として、
ドキュメント分野で新たな価値あるソリューションを創造し、
提供し続けることを使命に事業活動をグローバルに展開。
プリンターや複合機などドキュメント機器の開発、生産、販売
や保守サービスの提供に加え、業務効率の改善につながる
トータル・ドキュメント・ソリューション・ビジネスを展開して
います。
グローバルで採用したソリューション・セールス手法の実践を
システムとして支援する「FOCUS」を開発
京セラドキュメントソリューションズは、素材から部品、機器、ネットワークに至るまで、多
岐にわたる事業をグローバルに展開する京セラグループの一員として、
ドキュメント分野
で新たな価値あるソリューションを創造し、提供し続けることを使命にグローバルに事業
活動を展開しています。事業内容は、
ドキュメント機器の開発、生産、販売や保守サー
ビスの提供に加え、業務効率の改善につながるトータル・
ドキュメント・ソリューション・ビジ
ネスを展開しています。同社 取締役 常務執行役員 事業戦略本部 本部長 森田 隆
三氏は、ビジネス展開について以下のように説明します。
「京セラドキュメントソリューションズは、長寿命技術による環境に配慮した ECOSYS(エ
コシス)というユニークな製品コンセプトによるプリンターや複合機などの製造・販売を
行っているメーカーですが、近年はプロダクト・セールスのみならずソリューション・セール
スのビジネスも展開し、製品と共にサービスの提供も行っています。そうした流れの中で、
ソリューションを重視した販売の方法をグローバルでいかに確立するのかということが求
められていました」
この課題を解決するために京セラドキュメントソリューションズでは、ソリューション・セー
ルスの手法としてKSEを開発しました。KSE はグローバルの各拠点で順次採用されま
したが、一方で KSEを実践するためのツールについては統一のものが用意されていな
ECOSYS
(エコシス)
プリンター、
プリンター複合機
TASKalfa
(タスクアルファ)
複合機
いという課題も抱えていました。
「KSEについては、欧州、米州にて高い評価を得ており、それをグローバルの方法論と
してまとめました。営業を支える仕組みとしての、システム環境には KSEを実践している
各国別の温度差があり、市販のパッケージ・ソフトウェアを活用している拠点もあれば、
Excel や Accessを活用している拠点もあるというようにツールが統一されていない状況
でした。そこで、すべての拠点で KSE のメリットを最大限に生かし、ビジネス・プロセスを
標準化し、京セラドキュメントソリューションズらしさの付加価値をお客様にグローバルに
提供し、それを支える統一システムをFOCUSと名付け、自社開発をすることを推進しま
した。FOCUSという名前は京セラドキュメントソリューションズが考える『For Customer
Satisfaction』を意 図しています。FOCUS は 販 売を支 援 するCRM(Customer
Relationship Management)のツールなのですが、経営側では営業の見える化を実
現する統合経営基盤として機能させるという目的もありました」(森田氏)。
IBMお客様導入事例
市販のパッケージを活用せずに、FOCUSを自社開発するに至った経緯について、同
事例概要
社 事業戦略本部 IT 統括部 部長 森 哲也氏は次のように説明します。
「市販のパッケージを活用するという方法も考えられたのですが、KSE のユニークな
【課題】
手法をシステムに反映し、根付かせるためにはパッケージでは不十分だと考えました。
● CRMシステムの将来の拡張を見通すと、オンプレミス
FOCUS は営業現場で使う単なる便利ツールではなく、KSEというメソドロジーを全社
でインフラを構築することは大きなコスト負荷につな
がる。
● 従来のデータセンターと同等以上の運用品質が必要。
的に浸透させることに大きな意義があるのです。また、将来的には京セラドキュメントソ
リューションズのスタッフ以外の販売パートナーの方々にも使っていただくことも想定して
【ソリューション】
いましたので、その場合のライセンス・コストを勘案すると自社開発した方がいいと判断
● IBM
SmarterCloud Enterprise+を活用すること
により、セキュリティーと拡張性に優れた高いサービ
ス・レベルのインフラのグローバル提供を実現。
しました。しかし、すでにパッケージを活用してある程度の仕組みが稼働している拠点
から難色を示す意見が出るなど、グローバル全体がその方針にすぐに賛同したわけで
はなかったのですが、何としてもKSEをグローバルで実践していくという経営トップの強
【メリット】
い意志の下で議論を重ね、妥協せずに本当に望むシステムを自社開発することで同意
● 将来のリソース拡張要求にも柔軟に対応。
が得られました」
● IBM のベスト・プラクティスが生かされたインフラによ
り、高いセキュリティーと事業継続力が実現。
● 従来活用していた IT アウトソーシング環境の運用チー
ムが担当することにより、高い運用品質を維持。
従来のデータセンターの運用品質のレベルとセキュリティーを
維持可能な SCE+ 上で FOCUS を稼働
FOCUS の開発方針を巡る議論と並行してデモ版が作成されました。このデモ版を1
年程度の期間をかけてブラッシュ・アップし、2012 年 5月にFOCUS のバージョン 1.0 が
完成しました。京セラドキュメントソリューションズは以前からIBM の ITアウトソーシング・
サービスを活用していることから、システムは日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本
IBM)の大阪南港のデータセンター内で運用されています。FOCUSも大阪南港のデー
タセンターで稼働していましたが、一方で最終的にFOCUSをどのようなインフラで稼働
させるかについても検討が進められていました。
「FOCUS は米国で先行して稼働を開始し、使いながら改善を重ねていくというスモー
ル・スタートの形で開発が進められましたが、最終的にはグローバル全体に展開し、統
合経営基盤としても機能させること、あるいは販売パートナーの方々にも活用していただ
くことまで想定していましたのでオンプレミスでは初
期投資がかさんでしまいます。そこで京セラドキュメ
■ 京セラドキュメントソリューションズ「FOCUS」と
そのグローバル IT 基盤としての「SCE+」の特長
ントソリューションズとしては初めての試みとなるパブ
リック・クラウド・サービスの活用を決定しました」(森
「FOCUS」
● 全世界に展開する32販社にCRM、
ソリューション・セリング手法、
マーケティング情報などを提供
● 経営の観点からはグローバル規模での営業の見える化を実現
● 欧州、
米州から開始し、
日本およびアジアの拠点へと展開
… FOCUSで利用しているデータセンター
フランス
米国B
スペイン
バルでのサポートが受けられること、価格が適正で
あることなどの理由でIBM のクラウド・コンピューティ
初 IBM SmarterCloud Enterpriseを活用する予
米国A
日本
ダーが候補に上がりましたが、IBMであればグロー
ング・サービスが選ばれました。サービスとしては、当
カナダ
ドイツ
田氏)。
パブリック・クラウドの選択に当たっては、複数のベン
定でしたが、2012 年 5月にSCE+ の提供開始が発
表されたことからSCE+に変更されました。SCE+は
IBM のアウトソーシングのベスト・プラクティスで運用
管理する「マネージド・クラウド・サービス」で、グロー
オーストラリア
ブラジル
バルで標準化したサービスと高いセキュリティーと事
業継続力を提供します。高いセキュリティーを実現す
ることから、基幹系システムの運用にも対応可能なク
SCE+(IBM SmarterCloud Enterprise+)
● 世界各地のデータセンターから、
IBMのアウトソーシングにおけるベスト・プラクティスで
運用管理サービスを提供する
「マネージド・クラウド・サービス」
● 企業の基幹業務システムの稼働にも対応する信頼性、
セキュリティー、
監視機能を提供
ラウド・サービスです。
SCE+ の評価について、同社 事業戦略本部 IT 統
括部 IT 改革部 部責任者 井田 一嘉氏は以下の
ように語ります。
「これまでアウトソーシング・サービスとして大阪南港のデータセンターを使っていました
“日本企業としては初めてSCE+を採用する
ことになりましたが、最初に試みることは
最終的に自分たちのスキルアップにつながり
ますし、IBMとコミュニケーションを図る中で
さまざまなノウハウを吸収できることは大きな
プラスになると思っています。”
が、そこでの運用品質と同等以上のものをFOCUS が稼働する基盤には求めていまし
た。SCE+ であれば、これまで大阪南港のデータセンターを運用していたIBM のチーム
が担当することが可能で、同等の運用品質が維持できるということは大きな魅力でした」
SCE+ はその時点では提供開始直後のサービスで、
日本では京セラドキュメントソリュー
ションズが日本企業としては初めて採用したことになります。
「初めてのサービスを活用することに不安を感じるケースもあると思いますが、京セラド
キュメントソリューションズはこれまでもIBMと共にさまざまな新しい取り組みにチャレンジ
してきました。その経験から、最初に試みることは最終的に自分たちのスキルアップにつ
ながることが分かっていますし、IBMとコミュニケーションを図る中でさまざまなノウハウ
京セラドキュメントソリュー
ションズ株式会社
取締役
常務執行役員
事業戦略本部
本部長
森田 隆三
氏
を吸収できることは大きなプラスになると思っています。初めての試みというものは紆余
曲折ありますが、それを通じて成長を遂げるメリットの方が大きいでしょう」
また井田氏はパブリック・クラウドを活用することは、基盤戦略上でもメリットがあると言い
ます。
「インフラについて日本 IBM の方々と検討を進めた結果、FOCUS の安定した運用を保
証するために、グローバルでインフラを分散配置することにしました。具体的にはエー
ニンゲン
(ドイツ)
とラーレイ
(米国)の SCE+ のデータセンターを活用してそれぞれ欧州、
米州の拠点向けにFOCUSを稼働させ、日本およびアジアの拠点向けには大阪南港の
“ 今後販売パートナーの方々にも活用して
いただく際、Win-Win の関係が結べるよ
うなツールに発展させるためには強固な
インフラと高いサービス・レベルが必要に
なるでしょう。その点からも高いサービス・
レベルを実現できるSCE+環境を活用する
ことは大きなメリットにつながると思います。
”
データセンターを活用します。こうした分散配置環境を迅速に立ち上げるためには、
パブ
リック・クラウドの活用が非常に有効になります」
FOCUS は 2012 年 10 月に米国の SCE+ 環境での稼働を開始。その後 2013 年 8 月に
は欧州での稼働も開始されました。
「ここまでたどり着くまでには、意見集約をするためのさまざまな取り組みを推進してきま
した。例えば毎月グローバルでの会議を開催し、システムの方向性や課題を共有しなが
ら議論を重ねてきました。議論を繰り返す中で意見が調整され、意思決定が可能になっ
たのです。こうした取り組みを推進しないことには何事も決定することができず、プロジェ
クトは滞ってしまったでしょう」(森氏)。
「さまざまな取り組みを通じて意見調整を図ったとしても、グローバル全体のコンセンサス
を完全に得ることは難しいケースがあります。そうした場合は本社主導のトップダウン方
京セラドキュメントソリュー
ションズ株式会社
事業戦略本部
IT 統括部
部長
森 哲也
氏
式で強い意志を示すことも重要だということを学習しました。また米州をフロント・ランナー
としてスタートさせたという方法も各販社間の競争を活発にするという点で効果的でし
た」(森田氏)。
全世界への展開、バージョン・アップやユーザー数増加による
リソースの拡張要求にも柔軟に対応
これまでの米州と欧州での稼働を通じて得られた成果について森氏は以下のように説
明します。
「営業の案件情報がグローバルからFOCUSに蓄積されるようになり、それを参照しな
がらKSE の手法がどこまで実践できているのかについて検証を進められる環境が整い
ました。また KSE の浸透度合いについてKPIを設定して検証するということもグローバ
ルで話し合われるようになり、それを各拠点が競い合うという状況にステップアップしてき
ました」
またパブリック・クラウドを活用することでスケール・メリットが生まれたと井田氏は言います。
「必要に応じて迅速にリソースを拡張できることがパブリック・クラウドの特長ですが、そ
のための監視の仕組みが整っていることが大きなメリットになっています。FOCUS の
バージョン・アップのタイミングでリソースが不足しないかを見極める必要がありましたが、
この監視の仕組みを活用することで、適切な判断を施すことができました。これまでの
バージョン・アップでは拡張する必要はなかったのですが、今後の FOCUS の改修、あ
るいは販売パートナーの方々の利用などにより拡張の必要に迫られるかもしれませんが
“ SCE+ では監視の仕組みが整っている
ことが 大きなメリットになっています。
FOCUS のバージョン・アップのタイミング
でリソースが不足しないかを見極める
必要がありましたが、この監視の仕組み
を活用することで、適切な判断を施すこと
ができました。”
SCE+ であれば安心して運用することができます」
また森氏は今後の拡張を見通した上での SCE+ のメリットについて語ります。
「今後販売パートナーの方々にも活用していただくことを想定していますが、その際お互
いにメリットが大きく、Win-Win の関係が結べるようなツールに発展させるためには強固
なインフラと高いサービス・レベルが必要になるでしょう。高いサービス・レベルを実現でき
るSCE+環境で、
パートナーの方々の利用状況も含めて一元管理することは大きなメリッ
トにつながると思います」
IT 投資の重点がマーケティングや営業支援、
サービス分野に移り
その分野の開発にはクラウドが有効と実感
FOCUS は 2014 年 3月までにグローバルに展開する全販社(32 社)に導入することを目
京セラドキュメントソリュー
ションズ株式会社
事業戦略本部
IT 統括部
IT 改革部
部責任者
井田 一嘉
氏
指して取り組みが推進される予定になっています。この目標が達成されると全販売拠点
からの営業情報が集約され、統合経営基盤としても本格的な役割を果たしていくことに
なります。
京セラドキュメントソリューションズでは、今後 FOCUS 以外でもクラウドの活用を検討し
ていく予定になっています。
「IT の投資分野は、かつては財務関連が中心でしたが、
その後工場生産関連や SCM
(Supply Chain Management)関連に移り、今ではマーケティングやサービス関連に
移るというように川下に移動しています。
しかし、
川下の分野は不確実性が高い分野で、
導入した IT が役に立つかどうか分かりません。従って迅速にスタートしてトライ・アンド・
エラーを繰り返すためにはインフラにスケーラブルな柔軟性が求められます。そういう意
味では今度 FOCUS 以外のシステムにおいてもクラウドが有効になるケースが増えてく
ると思います。京セラドキュメントソリューションズでもドキュメント関連の新しいサービスの
提供を予定していますので、そこでは必然的にクラウドの活用が検討されるでしょう。パ
ブリック・クラウドの活用は今回が初めての試みで、当初は慎重な意見も出たのですが、
一度クラウド環境を使ってみるとそれが当たり前という感覚になってきています。そうした
流れからも今後はクラウドの活用はされに広がっていくと思います」(森田氏)。
京セラドキュメントソリューションズは今後も新たなチャレンジを継続し、さらに高品質な
製品やサービスの提供を実現していくでしょう。
IBM SmarterCloud Enterprise+についての情報は、下記のWebサイトでご覧ください。
ibm.com/ibm/jp/cloud/solutions/iaas.shtml
©Copyright IBM Japan, Ltd. 2013
〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町 19-21
Printed in Japan
September 2013
All Rights Reserved
このカタログの情報は 2013 年 9 月現在のものです。仕様は予告なく変更される場合があります。
記載の事例は特定のお客様に関するものであり、全ての場合において同等の効果が得られることを意味するものではありません。
効果はお客様の環境その他の要因によって異なります。
製品、サービスなどの詳細については、弊社もしくはビジネス・パートナーの営業担当員にご相談ください。
IBM、IBMロゴ、ibm.com および IBM SmarterCloud は、世界の多くの国で登録された International Business Machines Corp. の商標です。
他の製品名およびサービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。
現時点での IBM 商標リストについては www.ibm.com/legal/copytrade.shtml をご覧ください。
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