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講義資料はこちらからご参照ください。
教育体験(計3回)
『現代と社会システム』 2002/12/9
ディスタンクシオンと産業/消費社会
政策・メディア研究科博士課程2年
小野田 哲弥
教育体験(計3回)
第1回(11/26)
SSM 調査と産業社会
第2回(本日)
iMap と消費/ネットワーク社会
第3回(1/6)
J-resetデータ総括
教育体験(計3回)
第1回(11/26)
SSM 調査と産業社会
第1回(11/26)
SSM 調査と産業社会
第2回(本日)
ディスタンクシオンと産業/消費社会
第2回(本日)
ディスタンクシオンと産業/消費社会
第3回(1/6)
J-resetデータ総括
第3回(1/6)
J-resetデータ総括
教育体験(計3回)
教育体験(計3回)
第1回(11/26)
SSM 調査と産業社会
第1回(11/26)
SSM 調査と産業社会
第2回(本日)
ディスタンクシオンと産業/消費社会
第2回(本日)
ディスタンクシオンと産業/消費社会
第3回(1/6)
iMap と消費/ネットワーク社会
第3回(1/6)
iMap と消費/ネットワーク社会
1
教育体験(計3回)
第1回(11/26)
SSM 調査と伝統/産業社会
第2回(本日)
ディスタンクシオンと産業/消費社会
第3回(1/6)
iMap と消費/ネットワーク社会
2
設問6.
授業にかんする感想・意見・要望などを自由に記述してください(公開)
熊坂先生を意識しすぎだと思った。もっとはじけてほしい。
理論と調査をどっちもできてこそ社会学?
理論にしか興味がなかったので勉強になりました。
全体としては良いプレゼンだと思います。
時代時代の構造の流れを踏まえていましたし。
ただ、J-resetのデータは数の問題もあり、こじつけっぽかったです。
やはり、ネットワーク社会と我々が世間に声を大にして言うには、
データの数が必要になりますね。
データがないと結果論でしかモノが言えません。
データを「日本のリセット」で集めましょう
レポート課題
1. 伝統/産業/消費/ネットワーク社会の
社会区分と社会システムの特性について
あなたの考えを述べなさい。
2. 伝統/産業/消費社会との比較において
ネットワーク社会がもつ新しい特性は
今後の社会をいかに変えていくのか、
あなたのヴィジョンも含めて記述しなさい。
■提出方法 レポートシステム(https://report.sfc.keio.ac.jp/)
■提出期間 本日24:00 ∼ 12/18(水)23:59
3
今後の授業スケジュール
本日
ディスタンクシオンと産業/消費社会
12/16
ディスカッション
1/6
iMap と消費/ネットワーク社会
1/18#1
1/18#2
最終プレゼン
最終プレゼン
ディスカッションの形式
教卓
各グループのテーマに関するトピックを
1グループにつき1個(計9個)設定する。
履修者全員が
「賛成」「反対」「中立」の各派に分かれる。
No 派
Yes 派
まず、該当グループがグループの立場を表明。
それを受けて、ディベート形式で討論開始。
1グループ(トピック)につき所要時間は8分。
各グループのテーマ
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
中立(その 他)派
1. ネットワーク社会と地方自治体
ネットワーク社会と地方自治体
時間・金額・場所から見る“外食の価値”
学生の知識欲の減退
男・女の恋愛意識
現代における大人と若者
WEB日記にみる個人のプライバシー
音楽業界の現在と未来
若者の右傾化問題について
社会構造の変化と漫画と教科書
4
2. 時間・金額・場所から見る“外食の価値”
3. 学生の知識欲の減退
4. 男・女の恋愛意識
5. 現代における大人と若者
6. WEB日記にみる個人のプライバシー
6. WEB日記にみる個人のプライバシー
グループ分け質問9
Web日記に私生活を赤裸々に公開するのはどうかと思う。
女性
50.00%
男性
38.70%
5
7. 音楽業界の現在と未来
8. 若者の右傾化問題について
グループ分け質問44
好きなアーティストの音楽はMP3ではなくCDを買って聴きたい。
女性
72.70%
男性
64.50%
9. 社会構造の変化と漫画と教科書
ディスカッションのテーマ
グループ分け質問8
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
オタクはむしろ専門家であり、尊敬に値する。
女性
59.10%
男性
54.80%
市町村合併に賛成か?
食事時の演出にこだわるか?
ゲームばかりしているとバカになる?
付き合う定義は?(Yes:両想い/No:告白)
中高年はデジタル 機器を使えている?
WEB日記肯定派か?
アーティストの曲はCDを買って聴くべき?
国際イベントで日本を応援する?
オタクは尊敬できる専門家?
ディスカッションについての補足
トピックを変えたいグループは
明日(12/10)までにTA/SA宛にメール連絡。
新規質問の場合はJ-resetに送ること。
ディスタンクシオンと産業/消費社会
水曜日(12/11)にはフィックスされた
トピックを送るので、自分の立場を明確に。
発言の際は「グループ名」「氏名」をはっきりと。
成績に若干加味します。
6
本日の講義内容
1. 先々週の復習
「SSM 調査と伝統/産業社会」
2. 『ディスタンクシオン』とは
(1)社会的位置空間とSSM 調査
(2)「ライフスタイル」という新機軸
1. 先々週の復習
「SSM調査と伝統/産業社会」
3. 産業社会から消費社会へ
(1)女性と社会階層
(2)正統文化と対抗文化
産業社会において
社会的地位=職業。
貧しい社会であり、豊かになるためには
高い職業に就くことが不可欠な要件。
2. 『ディスタンクシオン』とは
その職業は、大きく「所得」と「学歴」とに還元される。
社会が豊かになり、「所得」格差が減少することで
差異化のメカニズムとしての
「学歴」のウェイトはさらに上昇した。
Pierre Bourdieu
ピエール・ブルデュー
(1930∼2002)
2. 『ディスタンクシオン』とは
(1)社会的位置空間とSSM調査
主著
“la distinction”
-critique sociale du judgement-
(1979)
邦訳版(訳:石井洋二郎 )
『ディスタンクシオン』
∼社会的判断力批判∼
(1990)
7
大
社会的位置空間
自由業
高等教育教授
私企業管理職
芸術制作者
上級技術者
中等教育教授
公企業・官庁管理職
資本の総 量
「生活条件の集合を大まかに種別する基本的な差異は、
経済資本、文化資本、それに社会関係資本も加えて、
実際に利用しうる手段や力の総体としての資本の総量に
由来するものである。
さまざまな階級(そして階級内集団)は
こうして、経済資本 においても文化資本 においても
最も恵まれたものから、これら両方について
最も貧しいもの にまで分かれてゆくことになる」
医療保険サービス従事者
文化媒介者
美術工芸品関係の職 人・
商人
販売系一般管理職/秘書
一般技術員
小学校教員
事務系一般管理職
事務員
商店員
職工長
熟練工
単能工
単純労働者
農業労働者
(邦訳版 Ⅰ p.179)
小
大
自由業
小作農
行商人
採掘夫
大工見習い
運搬人
道路工夫
炭鉱夫
社会的位置空間②
医療保険サービス従事者
文化媒介者
美術工芸品関係の職 人・
商人
販売系一般管理職/秘書
一般技術員
小学校教員
事務系一般管理職
事務員
商店員
職工長
熟練工
単能工
単純労働者
農業労働者
大
自由業
芸術制作者
資 本の総 量
(同 p.179)
SSM調査(富永健一)
「職業的格付け」
小
高等教育教授
「資本総量によって画定された各階級の内部では、
さらに資産構造 の違いによって、
すなわち資本の総体が各種の資本間で
どのような内訳になっているかという配分形式の違いによって、
いくつかの階級内集団へと下位区分が設けられてゆく」
≒
76
77
78
79
80
81
82
ブルデュー
「社会的位置空間」
高等教育教授
私企業管理職
芸術制作者
上級技術者
中等教育教授
公企業・官庁管理職
資本の総 量
1 裁判官
2 大会社の社長
3 大学教授
4 医師
5 国会議員
6 高級官僚
7 パイロット
中等教育教授
文化媒介者
文化資本 +
経済資本 −
医療保険 サービス従事者
美術工芸品関係 の職人・商人
販売系一般管理職/秘書
文化資本 −
小学校教員
一般技術員
経済資本 +
事務系一般管理職
小商人
事務員
商店員
職工長
職人
熟練工
自営農
単能工
単純労働者
小
工業実業家
商業経営者(大商人)
私企業管理職
上級技術者
公企業・官庁管理職
農業労働者
資産構造の違い
8
Y = a × x1 + b× x2 + c
学歴+
自由業
所得+
大
Y :職業威信スコア x1:学歴 x2:所得 c:残差
高等教育教授
芸術制作者
職業別地位 と他の社会的地位変数 との単相関係数
X1
X2
1.00
0.21
0.25
0.22
0.06
0.13
0.10
0.11
0.21
0.10
0.33
0.28
0.31
1.00
0.37
0.14
0.25
0.18
0.20
0.25
-0.06
0.15
0.26
0.03
0.13
X3
1.00
0.18
0.35
0.24
0.23
0.34
-0.04
0.15
0.27
0.08
0.19
X4
1.00
0.17
0.13
0.11
0.15
0.27
0.53
0.31
0.42
0.46
X5
1.00
0.12
0.18
0.20
-0.08
0.26
0.14
-0.01
0.19
X6
1.00
0.22
0.35
0.02
0.13
0.09
0.06
0.05
X7
1.00
0.21
0.00
0.09
0.14
-0.02
0.04
X8
1.00
0.06
0.13
0.14
0.08
0.10
X9 X10 X11 X12
1.00
0.07
0.05
0.23
0.18
X13
1.00
0.17 1.00
0.20 0.12 1.00
0.19 0.12 0.20 1.00
資 本の総量
Y
X1
X2
X3
X4
X5
X6
X7
X8
X9
X10
X11
X12
X13
Y
職 業 的 地 位 1.00
学
歴 0.42
所
得 0.40
財
産 0.37
生 活 様 式 0.20
勢
力 0.23
階 層 帰 属 意 識 0.15
階 級 帰 属 意 識 0.20
くらしむき自己判定 0.17
仕 事 満 足 -0.02
勤 め 先 満 足 0.14
収 入 満 足 0.29
学 歴 満 足 0.09
生 活 満 足 0.26
中等教育教授
文化媒介者
文化資本 +
経済資本 −
学歴+
所得−
医療保険 サービス従事者
美術工芸品関係 の職人・商人
販売系一般管理職/秘書
文化資本 −
小学校教員
一般技術員
経済資本 +
事務系一般管理職
小商人
学歴−
事務員
商店員
職工長
所得+
職人
熟練工
自営農
単能工
学歴−
所得−
単純労働者
小
工業実業家
商業経営者(大商人)
私企業管理職
上級技術者
公企業・官庁管理職
農業労働者
資産構造の違い
社長
「学校市場においては 相続文化資本 から、
労働市場においては 学歴資本から、
それぞれ最大の利益をひきだすことを可能にしてくれる」
(同 p.218)
工場長
不変の流動性
漸次的社会移動②
「あらゆる種類の社会過程の原理になっている
階級脱落と再階級化の弁証法的関係は、
関係しているすべての集団がみな同じ方向に、
同じ目的に向かって、同じ特性をめざして走っている
ということを前提とし、また要求する」
「各集団は自分の過去としてはすぐ下位の集団を、
自分の未来としてはすぐ上位の集団をもっている」
会社役員
(同 p.253)
(同 p.252)
9
大
自由業
高等教育教授
芸術制作者
商業経営者(大商人)
私企業管理職
上級技術者
公企業・官庁管理職
医療保険 サービス従事者
文化媒介者
美術工芸品関係 の職人・商人
販売系一般管理職/秘書
文化資本 文化資本 大学教授+ 小学校教員
大地主
商業経営者
工場長 −
一般技術員
経済資本 +
経済資本 −
事務系一般管理職
小商人
事務員
商店員
職工長
職人
熟練工
自営農
単能工
小学校教員
小作農単純労働者 販売員
場
大
自由業
高等教育教授
中等教育教授
文化媒介者
文化資本 +
経済資本 −
未熟練工
医療保険 サービス従事者
美術工芸品関係 の職人・商人
販売系一般管理職/秘書
文化資本 −
小学校教員
一般技術員
経済資本 +
事務系一般管理職
小商人
事務員
商店員
職工長
職人
熟練工
自営農
単能工
単純労働者
農業労働者
小
小
資産構造の違い
大
農業労働者
資産構造の違い
大
高等教育教授
商業経営者
c
職工長
小学校教員
b
小商人
高等教育教授
資本の総量
資本の総量
a
工業経営者
a
工業経営者
小
商業経営者
垂直移動
職工長
小学校教員
小商人
熟練工
熟練工
小
資産構造の違い
大
資産構造の違い
大
高等教育教授
工業経営者
商業経営者
小学校教員
b
小商人
高等教育教授
資本の総量
資本の総量
職工長
水平移動
熟練工
小
工業実業家
商業経営者(大商人)
私企業管理職
上級技術者
公企業・官庁管理職
芸術制作者
資 本の総量
資 本の総量
中等教育教授
工業実業家
資産構造の違い
工業経営者
商業経営者
c
斜め横断移動
職工長
小学校教員
小商人
熟練工
小
資産構造の違い
10
ブルデューの目的
distinction(差異化・卓越化)
のメカニズムを明らかにすること。
2. 『ディスタンクシオン』とは
「消費される財の性格、
およびその消費のしかたを通して把握される、
つちかわれた性向や文化的能力が
行為者のカテゴリー が異なるとどのように違ってくるのか」
(2)「ライフスタイル」という新機軸
(同 p.22)
大
生活様式空間
ピアノ
オペラ
他方、消費的空間も存在するに違いない。
それを生活様式空間(趣味の空間)
と名づける。
資 本の総量
社会的位置空間(職業の空間)とは
生産的空間である。
そしてこの 2空間には
両者の照応関係を保つシステムがあるはずだ。
⇒ハビトゥス(habitus)
大
オペラ
資 本の総 量
小
ウォーホル
政治批評
教養+
ピアノ
支出+
乗馬
テニス
クレジットカード
ヴィヴァルディ
小
ウォーホル
政治批評
乗馬
テニス
クレジットカード
ヴィヴァルディ
プジョー
ミネラル・
ウォーター
ビートルズ
ピクニック
サーカス
文化資本 −
文化資本 + 切手コレクション
民族舞踊
経済資本 +
経済資本 −
日曜大工
釣り
ビール
競馬
スポーツ観戦 発泡性ワイン
サッカー
アコーディオン
ジャガイモ
脂身
ヴァン・
ゴッホ
資産構造の違い
プジョー
ミネラル・
ウォーター
ビートルズ
ピクニック
切手コレクション
サーカス
文化資本 −
文化資本 +
民族舞踊
経済資本 +
経済資本 −
日曜大工
釣り
教養−
ビール
教養+
競馬
スポーツ観戦
支出−
発泡性ワイン支出+
サッカー
アコーディオン
教養−
ジャガイモ
支出− 脂身
ヴァン・
ゴッホ
資産構造の違い
11
日本社会と『ディスタンクシオン』
日本社会と『ディスタンクシオン』
ブルデューは「階層」について論じたのはなく
「階級」について論じていた。
当時(第3回SSM調査が行われていた頃)
の日本では、「
中意識論争」が活発であった。
地位決定
社会移動
身分 生得的
不可能
階級 境界が明確
半開放的
階層 境界が曖昧
自由開放
中意識論争とは、世論調査において
日本人の9割が自らの生活程度を
「中」と答えたことに端を発した論争である。
「一億総中流化」した日本社会に
階級を前提とする『ディスタンクシオン』
の図式は
そのまま適用することはできない。
消費者行動分析の例
消費者行動分析
ライフスタイル質問に基づく
ポジショニング/クラスタリング
E君
B君 ビール
I君
焼酎
A君
F君
“類は友を呼ぶ”
「趣味とは、たがいによく調和し適合しているものや
人間どうしを組み合わせ、類似させるもののことなのだ。」
(同 p.371)
H君
第1因子軸
D君 日本酒
C君
ウィスキー
G君
第2因子軸
リベラル
現実的
12
客観的アプローチ
IN
(
所得・
学 歴)
本気で世界に広 げる友達の 輪
Going my イエーイ
黙して語らず 心優 しき重鎮
OUT
(
支出・
教 養)
スタイリッシュ宇宙人
受け身体質 のキクバリスト
SSM調査
(
階層意識)
ディスタンクシオン
(
社会的位置空間)
のれんに腕押 し煙 のような 味わい
説明
変数
お疲れ社長 は今日 も気疲 れ
SSM調査
(社会移動)
主観的アプローチ
ディスタンクシオン
(
生活様式空間)
消費者行動分析
岩を砕 く波のような 冬 の稲妻
3. 産業社会から消費社会へ
3. 産業社会から消費社会へ
(1)女性と社会階層
『ディスタンクシオン』の記述①
『ディスタンクシオン』の記述②
「配偶者の一方を介して他方に起こりうるあらゆる特性、
たとえば姓、財産、収入、人間関係、社会的地位 など
の特性を介させることなしに、
ある個人を特徴づけることはむずかしい」
(同 p.169)
「結婚という市場においてのみ「投資」されてきた
学歴資格を労働市場 に投入する女性の割合が増大 」
(同 p.206)
「趣味は配合する。
それは色彩のみならず 人間も組み合わせるのであり、
そうした人々はまず何よりも趣味の点から見て
「似合いのカップル」をかたちづくるのだ。」
(同 p.372)
「女性たちのある者が
その魅力から職業上の利点を得ているということ、
そして美しさというものがこうして労働市場 において
ひとつの価値をもつようになった」
(同 p.223)
「女性たちは、社会空間 において占める位置が高くなるほど、
自分の身体のさまざまな部分にたいして
高い評価を与えるようになる。」
(同 p.312)
13
大
学歴+
資本の総量
学歴+
美貌−
小
女性の社会的位置空間(主婦)
美貌+
ニュースキャスター
アナウンサー
女優
モデル
スチュワーデス
医者
社長秘書 高級住宅専業主婦
大学教授
弁護士
小説家
スタイリスト
高校教師
看護婦インテリア・
デザイナー
ホステス
イラストレーター
デパート営業員 文化資本 −
文化資本 +
銀行員
経済資本 +
経済資本 − SE
小学校教諭
学歴−
美貌+
団地妻
スーパーのレジ
学歴−
美貌−
支配階級
資本量 +
高級住宅
専業主婦
文化資本 +
経済資本 −
団地妻
文化資本 −
経済資本 +
プチブル
工場労働者
農家の嫁
農家の嫁
資産構造の違い
庶民階級
資本量 −
上野千鶴子
と並び称される
フェミニストの大家
江原由美子
2001
東京女性財団『ジェンダー・チェック∼中学・
高校編』
14
地位
人々の社会におけるポジション
身分・階級・階層
地位決定
社会移動
身分 生得的
不可能
階級 境界が明確
半開放的
階層 境界が曖昧
自由開放
美貌をめぐる
歴史をさぐる
玉の輿
美人罪悪論
江戸時代の通婚は認められず
身分制度(士農工商)に縛られていた。
男性の立身出世
福澤諭吉『学問のすゝめ』
明治維新によって身分制度が開放(⇒階級)。
美貌は、家柄や血統の縛りを超越し
女性の地位向上に大きく貢献。
女性の玉の輿
修身(道徳)の教科書
伊藤博文・桂小五郎(木戸孝允)の妻は元芸者。
鹿鳴館文化(美人妻は社交界でのステータス)。
「美人は、往往、気驕り心緩みて、却って、人間高尚 の
徳を失うに至るものなきにあらず …之れに反して、
醜女には、従順・謙遜・勤勉等、種種の才徳生じ易き傾あり」
(『中等教科・明治女大学』1906)
○瀧鶴台の妻
×楊貴妃・淀殿
美貌 × 学歴
卒業面
鈴木・ビネー式智能測定法
「女学校に於いて『卒業面』といふ言葉の流行した事があります
…美人相の女は大抵卒業前 に嫁に貰はれて、
卒業して了う女は先づ醜婦に限られたやうな有様だったので、
醜い顔の事を卒業面と言ったものでした」
(『女学世界』1916)
「左右、どちらの顔の方が
美しいですか」
・地域の有力者が訪れる授業参観
・教師の斡旋
(鈴木治太郎
『実際的個別的智能測定法』1956)
15
戦後における女性
美貌の客観性
「うりざね顔で、おちょぼ口、鼻筋がとおって、
目は鈴をはったよう、そして、肌はあくまでも白い。」
(『美人論』p.139)
4歳
4歳
5歳
5歳
6歳
6歳
7歳
7歳
年 齢
台 前
台 後
台 前
台 後
台 前
台 後
台 前
台 後
半
半
半
半
半
半
半
半
正 答 率
64.30%
76.30%
87.40%
86.60%
89.00%
95.20%
93.70%
98.40%
「学歴」や「所得」
と並ぶ客観的変数
貧しすぎた戦前(そして母)
日本婦人の7割強が農村婦人
1964
東京オリンピック
4時起床。朝食準備、拭き掃除、草刈り
午前は農作業。
昼食の準備、片付け。
午後は洗濯後、農作業。
夕食準備、片付け、機織などの内職。
12時就床。
養蚕婦 … 20時間労働(午前4時∼午後12時。実働18時間)
製糸女工 … 12時間労働(午前6時∼午後6時。実働11時間)
『家 族データブック』(1998 )p.232
1975年
“美”への反発・協調・多様化
反発(1) 面喰い排斥論
「目の細い、丸く太った顔はそのままでかわいらしくて 、
りっぱな男の子はその顔を愛してくれるのだ…
ちゃんとした、頭のある、魅力のある男は…
女の子の顔の中から、姿の中から、
その女の子自身が知らないかわいらしさ、
その人らしさを発見する。」
(森茉莉『私の美の世界』1984)
(
原・盛山『社会階層』,1999)
16
“美”への反発・協調・多様化
1975年
反発(2) フェミニズムによる抑止力
CM
「私作る人、
僕食べる人」
放送中止決定
「独立心を持った女性は、
「美人なんて過去の言葉だ」と考える。」
(三宅艶子『生きてゆくことの愛』1969)
「1960年代くらいまでだと、「容姿端麗」を、
女子職員募集の条件にする企業は、けっこうあった。
…だが、それらは地下に潜行した。求人のさいの面喰いは、
アンダーグラウンドなところで、うごめいているに過ぎない。」
(『美人論』p.274)
『家 族データブック』
(1998)p.119
熊坂賢次 (1997)
「コンセプトsex,love and life」
『女 性のデータブック』(p.11)
女性の社会的位置空間と生活様式空間
“美”への反発・協調・多様化
協調 ロマンティック・ラブ・イデオロギー
:「愛」と「性」と「婚姻」は三位一体
資本量 +
ヨット
ピアノ アナウンサー
ゴルフ
モデル
医者 オペラ
スチュワーデス
外車
高級ブランド
社長秘書
小説家
ホステス
テニス
デパート営業員
「お見合い結婚」から「
恋愛結婚」
へ
「ヴァージニティの確保」から
「恋愛競争市場」へ
バブル絶頂期(1990)流行語
「ミツグくん」
「アッシーくん」
「メッシーくん」
文化資本 −
経済資本 +
支出+
17
“美”への反発・協調・多様化
“美”への反発・協調・多様化
多様化(1) 万人美人論
多様化(2) 才色兼備
「容貌やプロポーション など昔からいわれている基準は
崩壊の一途にあります。誰でも美人になれる時代、
そんな時代になったのです!」
(『微笑』1977年8月13日号)
「”許せないーッ!! 東大生にこんな美人”
東大には絶対に美人は不要だ、いてほしくない。
いられてたまるか。」
(『週刊朝日』1976年10月22日号)
「その昔、女性の美しさは顔を中心とする部分に
やどるものだった…そして今、美しさは動き出した…
美の基準が部分から全体へ、そしてさらに
内面からにじみ 出るものへ、と移っていった、
もしくは広がっていったのだ。」
(マドラ・グループ編『戦後の女性変身史』1983)
「今ほど職場に“才女で美人”がハンランしたことはあるまい
…彼女たちの特徴は、結婚を焦らぬこと。
…しかも、ひところやはった、「私、独身主義ですの」的な
偏屈オバサンは皆無に近い。」
(『週刊サンケイ』1975年9月11日号)
“美”への反発・協調・多様化
岡崎京子
多様化(3) 自分のために。そして男性も…
「女の魅力は、けっして男性のためにのみ、
あるのではありません。それは
女性自身の成長のためにあるのです。」
(秋山さと子『いい女への旅立ち』1978年)
「「私は、だれになんといわれようと、
ぜったいメンクイなんだから」。
やたら多いんですよ、こういう発言。
ちかごろ、女のコが男の体型や容姿にこだわるケースが
めだちますな。」
(『ヤングレディ』1980年6月24日号)
林真理子
『ルンルンを買っておうちに帰 ろう』
(1983)
『pink』(1989)
『リバーズ・エッジ』(1993)
斎藤美奈子
『夢 みるころを過 ぎても』
(1983)
『文壇アイドル 論』(2002)
『モダンガール論』(2000)
18
カウンターカルチャー
対抗文化の結末は二者択一である。
3. 産業社会から消費社会へ
(2)正統文化と対抗文化
① 堕落
「ノブレス・オブリージュ」(位高ければ徳多きを要す)
という諺に悖る、ポルノクラシー、ドラッグ、反道徳的頽廃
② 自己破壊的な回復
「以前の自分、その言葉遣い、身体、趣味、そして…
種族、家柄、仲間、時には母国語までをも、
恥ずかしいと思い、嫌悪し、さらには憎悪するようになる」
(『ディスタンクシオンⅠ』p.388)
正統文化と対抗文化
制度による予防的検閲
「絶対的で越えがたい決定的な差異をしるしづけるために、
大半の集団が時間の非可逆性を利用してきたからである。
支配階級
英仏的
貴族文化
この時間の非可逆性というのは、
継承の順序の上に成りたつあらゆる社会秩序形式に、
決して曲げることのできない厳しい条件づけを与える。
地位や権利の保持者と継承の候補者、
つまり父と息子、所有者と相続者、師匠と弟子、
先任者と後任者などは、時間という要素を除けば
なにものによっても隔てられていないのだが、
あらゆる社会的 メカニズムは、
この時間的隔たりをひとつの越えがたい障害にするためにある 」
(同 p.114)
資本量 +
文化資本 +
経済資本 −
文化資本 −
経済資本 +
プチブル
アメリカ的大衆文化
庶民階級
資本量 −
1998年フランスW杯
開催国フランス優勝
19
1955年 スーパー・コンピュータ
資本量 +
支配階級
フォン・ノイマン
国家的核開発
文化資本 +
経済資本 −
文化資本 −
経済資本 +
プチブル
(2000)
(2000)
庶民階級
1975年 パーソナル・コンピュータ
資本量 −
支配階級
文化資本 +
経済資本 −
プチブル
1995年 ネットワーク・
コンピュータ
資本量 +
ビル・ゲイツ
MS-DOS
支配階級
文化資本 −
経済資本 +
資本量 +
文化資本 +
経済資本 −
文化資本 −
経済資本 +
プチブル
スティーブ・ジョブス
ハッカー文化
庶民階級
庶民階級
資本量 −
正統性の反転と融合
支配階級
正統性の反転と融合
資本量 +
支配階級
フォン・ノイマン
国家的核開発
文化資本 +
経済資本 −
プチブル
ビル・ゲイツ
MS-DOS
資本量 −
資本量 +
IT国家戦略
文化資本 −
経済資本 +
文化資本 +
経済資本 −
ビジネスモデル
文化資本 −
経済資本 +
プチブル
スティーブ・ジョブス
ハッカー文化
庶民階級
資本量 −
ネットワークコミュニティ
庶民階級
資本量 −
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正統性の崩壊と融合
支配階級
資本量 +
資本量 −
携帯電話の普及
庶民階級
IT国家戦略
ビジネスモデル
ネットワークコミュニティ
庶民階級
資本量 −
資本量 +
支配階級
TV・ビデオ・ファミコン・PCとは異なり、女性(女子高生 )から伝播
■本日のまとめ
産業社会の本質は生産の場(職業空間)にあり、
消費社会の本質は消費の場(趣味空間)にある。
ブルデューの『ディスタンクシオン』によって
SSM調査における社会的位置空間と
ライフスタイル 調査における生活様式空間との
調査的連動性が理解できる。
SSM調査では捉え切れなかった女性の階層的地位は
ライフスタイル の視点を取り入れることで解釈可能となる。
それは受動的で画一的なものから能動的で多様なものへと
変容してきた歴史において女性の地位向上を証明している。
『現 代と社会 システム』 2002/12/9
ディスタンクシオンと産業/消費社会
政策・メディア研究科博士課程2年
小野田 哲弥
ネットワーク社会では、階層的構造はさらに崩壊し
多様化/細分化と、反転/ 融合が進むことが予想される。
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