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第1期高知県医療費適正化計画(平成20年度から平成24年度)

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第1期高知県医療費適正化計画(平成20年度から平成24年度)
第1期
高知県医療費適正化計画
(平成 20 年度∼平成 24 年度)
平成20年4月
高
知
県
目
次
第1章
医療費適正化計画に関する基本的事項
1. 計画作成の趣旨 ・
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・1
2. 計画の根拠及び位置づけ ・
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・1
3. 計画の内容に関する基本的事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
4. 計画の期間 ・
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・1
第2章
医療費を取り巻く現状と課題
1.現状
(1) 医療費の動向 ・
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・2
(2) 病床数の状況 ・
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・11
(3) 平均在院日数の状況 ・
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・15
(4) 生活習慣病等の状況 ・
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・18
2.課題
(1) 県民の健康の保持の推進に関する課題 ・
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・25
(2) 医療の効率的な提供の推進に関する課題 ・
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・・25
第3章
計画における目標と取り組み
1.基本理念
(1) 県民の生活の質の維持及び向上を目指して ・
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・26
(2) 超高齢化社会の到来への対応 ・
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・26
2.医療費適正化に向けた目標
(1) 県民の健康の保持の推進に関する達成目標 ・
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(2) 医療の効率的な提供の推進に関する達成目標 ・
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(3) 適正化策の実施による医療費の見通し ・
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・29
3.目標達成に向けた施策
(1) 県民の健康の保持の推進に関する施策 ・
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・30
(2) 医療の効率的な提供の推進に関する施策 ・
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・・31
第4章
計画の推進
1.計画の推進体制
(1) 市町村との連携 ・
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・34
(2) 保険者、医療機関その他関係者の連携と協力 ・
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・34
2.計画の評価及び活用
(1) 進捗状況の評価 ・
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・34
(2) 実績の評価と活用 ・
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・35
第1章
医療費適正化計画に関する基本的事項
1.計画作成の趣旨
我が国は、国民皆保険の下、誰もが安心して医療を受けることができる医療制度を実現
してきましたが、急速な少子高齢化や経済の低成長、国民生活や意識の変化など大きな環
境の変化に直面しています。
国民皆保険を維持していくためには、県民誰もの願いである健康と長寿を確保しつつ、
将来的な医療費の伸びの抑制が図られることが必要です。
このための仕組みとして、平成 18 年度の医療制度改革において、医療費の適正化を推進
するための計画(以下「適正化計画」という。
)に関する制度が創設されました。
この適正化計画は、県民の健康の保持の推進及び医療の効率的な提供の推進に関する目
標を設定し、県民の健康増進や生活の質の向上を確保しながら、結果として、将来的な医
療費の伸びの抑制が図られることを目指して策定するものです。
2.計画の根拠及び位置づけ
①
適正化計画は、高齢者の医療の確保に関する法律第9条に基づく法定計画です。
②
適正化計画は、住民の健康の保持の推進を図るための「よさこい健康プラン 21(健
康増進計画)」、医療の効率的な提供の推進を図るための「第5期高知県保健医療計画
(医療計画)」、「高知県高齢者保健福祉計画(介護保険事業支援計画)
」及び「高知県
地域ケア体制整備構想」との調和が保たれた計画とします。
3.計画の内容に関する基本的事項
適正化計画では、次に掲げる事項を定めます。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
県民の健康の保持の推進に関し、県において達成すべき目標に関する事項
医療の効率的な提供の推進に関し、県において達成すべき目標に関する事項
目標を達成するために県が取り組むべき施策に関する事項
目標を達成するための保険者、医療機関その他の関係者の連携及び協力に関する事項
県における医療に要する費用の調査及び分析に関する事項
計画期間における医療に要する費用の見通しに関する事項
計画の達成状況の評価に関する事項
その他医療費適正化の推進のために県が必要と認める事項
4.計画の期間
平成 20 年度から平成 24 年度までの 5 年間とします。
1
第2章
医療費を取り巻く現状と課題
1.現状
(1)
医療費の動向
①
本県の医療費の状況
○
県民医療費は県民所得の 1/6 を占め、一人当たりでは全国 1 位。
○
一人当たりの入院医療費が年 156 千円で全国 1 位。全国平均の 1.6 倍。
○
高齢化が進行し、老人医療費の占めるウェイトが高い。
全国での医療費を示す平成 17 年度の国民医療費1は、約 33 兆 1 千億円であり、前年度
と比べて約 1 兆円、3.2%の増加となっています。
過去 10 年間の国民医療費では、患者の一部負担増や診療報酬のマイナス改定などによ
り横ばいに近い伸びとなっていますが、こうした改定のなかった平成 11 年度や平成 13
年度の伸び率は 3%を上回っており、国民医療費の自然増は毎年 1 兆円(年率約 3∼4%)
程度となっています(図 1)
。また、国民医療費の伸び率は、毎年度国民所得2の伸び率を
上回っています(表 1)
。
(図 1 国民医療費と老人医療費の推移)
(兆円)
(%)
国民医療費の国民所得に対する割合(%)
40
35
30
6 .9
6 .1
25
20
15
27.0
28.5
7 .6
28.9 29.6
8 .6
8 .1
8 .4
30.7
30.1
8 .8
31.1
31.0 31.5
8 .9
32.1
9 .0
9
33.1
8
7
5
4
国民医療費(兆円)
8 .2
8 .9
9 .7
1 0 .3
1 0 .9
1 1 .8
1 1 .2
1 1 .7
1 1 .7
1 1 .7
1 1 .6
1 1 .6
38.4%
0
6
・食事療養費
制度の創設
7
8
9
10
11
・被用者本人 ・診療報酬 ・
2割負担へ 薬価等の改定
・老人一部負担金の 引上げ
▲1.3%
物価スライド実施 ・外来薬剤
一部負担導入
37.7%
12
・介護保険制度
が施行
・高齢者1割負
担導入 1
13
14
35.0%
15
3
2
老人医療費(兆円)
4 .1
60
8 .7
6
16.0
10
5
25.8
7 .2
7 .5
7 .9
16
1
0
17
・診療報酬 ・ ・被用者本人・診療報酬 ・
薬価等の改定 3割負担へ 薬価等の改定
▲2.7%
引上げ
・高齢者1割
▲1.0%
負担徹底
当該年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したもの。診療費、調剤費、入院時食事療養費、訪
問看護療養費の他に、健康保険等で支給される移送費等を含む。
2
国民所得は、内閣府「国民経済計算」による。
2
(表 1 国民医療費等の対前年度伸び率)
(%)
H6
5.9
9.5
1.4
国民医療費
老人医療費
国民所得
H7
4.5
9.3
0.1
H8
5.6
9.1
1.7
H9
1.6
5.7
0.4
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
2.3
3.8 ▲1.8 3.2 ▲0.5 1.9
1.8
6.0
8.4 ▲5.1 4.1
0.6 ▲0.7 ▲0.7
1.3
▲3.4 ▲1.2 2.0 ▲2.8 ▲1.5 0.7
H17
3.2
0.6
1.3
本県の県民医療費3の推移は国民医療費の推移とほぼ同じ傾向ですが、本県は県民医療
費に占める老人医療費の割合が 44.0%と全国の 35.0%を大きく上回っており、また、県
民所得に占める県民医療費の割合が高く、全国の 1.8 倍となっています(図 2)
。
(図 2 県民医療費と老人医療費の推移(高知県)
億円
県民医療費の県民所得に対する割合
3,500
14.4%
3,000
12.9%
11.9%
11.4%
2,500
16.0%
14.0%
2,736
2,617
12.0%
2,215
2,078
2,000
2,730
2,561
16.0%
15.2%
10.0%
県民医療費(億円)
1,500
1,287
1107
1,000
8.0%
1,167
1,204
6.0%
855
706
4.0%
老人医療費(億円)
500
2.0%
0
0.0%
H2
H5
H8
H11
H14
H17
一人当たりの県民医療費は 344 千円と全国平均の 259 千円より 85 千円高く、全国 1 位
で、特に、入院医療費は 156 千円と全国平均の 1.6 倍となっています(図 3、4、5)
。
(図3 都道府県別 平成 17 年度一人当たり県民医療費)
1人当たり県民医療費
400
1
人
当
た
り
県
民
医
療
費
350
全国平均
1位 344千円
全国平均 259千円
300
250
200
150
100
︵
沖縄県 鹿児島県
宮崎県 大分県 熊本県 長崎県 佐賀県 福岡県 高知県 愛媛県 香川県 徳島県 3
山口県 国民医療費を患者の住所地に基づいて推計した都道府県別国民医療費である。
広島県 岡山県 島根県 鳥取県 和歌山県
奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県
東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 0
青森県 3
50
北海道 ︶
千
円
(図 4 都道府県別 1人当たり県民医療費(入院)
)
1
1人当たり県民医療費
180
人
当 160
た
140
り
県 120
民 100
医
療
費
全国平均
1位 156千円
全国 平均 95千円
80
60
︵
40
入
院
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
︶ ︵
20
0
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
千
円
県
県
県
︶
(図 5 都道府県別 1人当たり県民医療費(入院外))
1人当たり県民医療費
1 140
人
120
当
た 100
り
全国平均 101千円
全国平均
7位 115千円
80
県
民
医
療
費
60
40
︵
20
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
︶
0
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
千
円
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
②
老人医療費の状況
○
一人当たりの老人医療費は年 958 千円で全国 3 位。入院医療費が全国平均を大きく
上回っている。
○
入院の頻度が高く、入院期間が長期化していることが特徴。
○
30 年後には高齢化率が 37.4%に達し、後期高齢者数は 1.4 倍となる。
医療費のうち老人保健法の対象となる老人医療費は、平成 17 年度は全国で約 11.6 兆
円と、国民医療費の 35.0%を占めています(図 1)
。
一方、本県の平成 17 年度の老人医療費は約 1,204 億円と、県民医療費の 45.4%を占め
ており、全国に比べ老人医療費の占める割合が高くなっています。
(図 6)
。
4
高齢者一人当たりの老人医療費4は 958 千円と一人当たりの県民医療費 344 千円の 2.8
倍となっており、高齢者の医療費の伸びが県全体の医療費の伸びに大きな影響を与えて
います(図 7)
。
今後、県全体の人口が減少する中で高齢者人口はさらに増加すると見込まれており、
65 歳以上の人口は平成 32 年に 248 千人とピークに達し、また、75 歳以上人口は、平成
17 年の 106 千人から平成 47 年には 145 千人と 1.4 倍になり、高齢化の進展に伴い、今後
も老人医療費は高い伸びを示すことが見込まれます(図 8)
。
(図6 高知県の老人医療費と県民医療費の推移)
億 円
3 ,0 0 0
2 ,7 3 0
2 ,6 1 7
2 ,7 3 6
( 1人 当 た り
県 民 医 療 費
全 国 1位 )
( 1人 当 た り
県 民 医 療 費
全 国 3位 )
( 1人 当 た り
県 民 医 療 費
全 国 1位 )
2 ,5 0 0
2 ,0 0 0
1 ,5 0 0
1, 287
( 1 人 当 た り
老 人 医 療 費
全 国 4位 )
1 ,0 0 0
500
1, 204
( 1 人 当 た り
老 人 医 療 費
全 国 3 位 )
1, 167
( 1 人 当 た り
老 人 医 療 費
全 国 6 位 )
47. 1%
44. 6%
H11
H14
45. 4%
0
H17
老 人 医 療 費
県 民 医 療 費
合 計
(図7 都道府県別 1人当たり老人医療費)
1人当たり老人医療費
1,200,000
1
人 1,000,000
当
た
︵
り
老
人
医
療
費
3位 958千円
800,000
600,000
400,000
200,000
0
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︶
円
全国平均 821千円
全国平均
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
4
一人当たりの老人医療費は、老人医療費を受給対象者数で除したもの。
5
(図8 人口等の将来推計)
796
900
771
800
106
700
101
600
121
25.9
127
28.4
97
40
742
35.8
671
708 34.6
32.3
133
113
148
112
500
487
460
36.7
35
634
596
150
92
30
25
145
82
400
300
37.4
20
78
15
420
390
366
200
342
318
10
5
100
102
93
82
73
65
60
55
H17
H22
H27
H32
H37
H42
H47
0
年少人口
後期老年人口
注)国立社会保障・人口問題研究所
生産年齢人口
高齢化率
0
前期老年人口
総人口
都道府県別将来推計人口(平成 19 年 5 月推計)
また、本県の一人当たり老人医療費は全国 3 位であり、入院外医療費や歯科医療費が
全国平均を下回る一方で、入院医療費が全国平均の 1.4 倍となっていることから、入院
医療費の高さが老人医療費に大きく影響しています(図 9、10)
。
(図 9 都道府県別 1人当たり老人医療費(入院)
)
1 人 当 た り老 人 医 療 費
7 0 0 ,0 0 0
1
人
当
た
全 国 平 均
3位 568 千 円
6 0 0 ,0 0 0
全 国 平 均 406千 円
5 0 0 ,0 0 0
り
老
人
医
療
費
4 0 0 ,0 0 0
円
0
3 0 0 ,0 0 0
2 0 0 ,0 0 0
︵
1 0 0 ,0 0 0
崎
分
本
崎
沖縄県 鹿児島県
宮
大
熊
長
県
県
県
県
佐賀県 福岡県 高知県 愛媛県 香川県 県
県
県
県
徳島県 山口県 広島県 岡山県 島根県 鳥取県 重
知
岡
阜
和歌山県
奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三
愛
静
岐
長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県
東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 北海道 ︶
(図 10 都道府県別 1人当たり老人医療費の相対比較)
2 5 0 ,00 0
入 院
入院 外
歯科
2 0 0 ,00 0
︵
全
国
平
均
と
の
差
︶
円
1 5 0 ,00 0
1 0 0 ,00 0
5 0 ,00 0
0
- 5 0 ,00 0
- 1 0 0 ,00 0
- 1 5 0 ,00 0
長野県 新潟県 山形県 岩手県 静岡県 千葉県 栃木県 茨城県 三重県 山梨県 青森県 群馬県 岐阜県 秋田県 神奈川県
宮城県 福島県 島根県 埼玉県 富山県 滋賀県 鳥取県 和歌山県
奈良県 福井県 6
宮崎県 愛知県 東京都 徳島県 愛媛県 兵庫県 岡山県 香川県 山口県 石川県 京都府 熊本県 大分県 鹿児島県
佐賀県 沖縄県 大阪府 広島県 長崎県 高知県 北海道 福岡県 - 2 0 0 ,00 0
本県の1人当たり老人医療費(入院医療費)が全国より高い要因としては、1日当た
りの入院医療費5は全国平均を下回っていますが、1件当たりの日数6が長く(全国 6 位)
、
さらに、入院受療率7が非常に高い(全国 1 位)ことから、入院の頻度が高く、一旦入院
をすると入院期間が長期化していることがその理由と考えられます(図 11、12、13)
。
(図 11 都道府県別 1日当たり老人医療費の相対比較)
6 ,0 0 0
︶
熊本県 佐賀県 鹿児島県
長崎県 山口県 宮崎県 徳島県 福岡県 愛媛県 香川県 青森県 長野県 神奈川 県
岐阜県 静岡県 山形県 宮城県 東京都 千葉県 愛知県 新潟県 茨城県 奈良県 兵庫県 三重県 山梨県 滋賀県 群馬県 島根県 岩手県 岡山県 鳥取県 全 国平均
受診 率
1 4 0 .0 0
歯 科
入 院 外
入 院
歯 科
入 院 外
入 院
2 .0 0
福井県 大分県 広島県 高知県 富山県 栃木県 岩手県 三重県 和歌山県
岡山県 群馬県 石川県 沖縄県 鹿児島 県
宮崎県 大分県 熊本県 長崎県 佐賀県 福岡県 高知県 愛媛県 香川県 徳島県 山口県 広島県 岡山県 島根県 鳥取県 和歌山 県
奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 7
三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川 県
東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 北海道 5
埼玉県 福島県 大分県 栃木県 青森県 京都府 秋田県 大阪府 和歌山 県
富山県 香川県 愛媛県 石川県 沖縄県 宮崎県 広島県 福井県 北海道 長崎県 ︶
1日当たり医療費は、医療費を診療を行った日数で除したもの。
1件当たり日数は、診療日数を診療件数で除したもの。
7
入院受診率(老人)(100 人当たり)は年間の診療件数を、当該年度の平均老人医療受給対象者数(1 月)で除したも
のを 100 倍したもの。
6
大阪府 福島県 宮城県 埼玉県 鳥取県 兵庫県 島根県 秋田県 山形県 沖縄県 京都府 茨城県 千葉県 愛知県 東京都 山梨県 新潟県 奈良県 徳島県 高知県 熊本県 山口県 佐賀県 鹿児島 県
福岡県 8 0 .0 0
︵
0 .0 0
静岡県 ︶
- 2 .5 0
滋賀県 岐阜県 0 .0 0
- 1 .0 0
北海道 0 .5 0
日
神奈川県
1 .0 0
- 0 .5 0
長野県 1 .5 0
全
国
平
均
と
の
差
︵
6 0 .0 0
入
院
︵
- 6 ,0 0 0
全 国 平 均 8 6.9 9
1 0 0 .0 0
受
診
率
- 2 ,0 0 0
円
2 ,0 0 0
0
全
国
平
均
と
の
差
4 ,0 0 0
- 4 ,0 0 0
(図 12 都道府県別 1件当たり日数(老人分)の相対比較)
2 .5 0
- 1 .5 0
- 2 .0 0
(図 13 都道府県別 入院受療率(老人分)
)
1 位 12 2.38
1 2 0 .0 0
4 0 .0 0
2 0 .0 0
③
県内市町村の老人医療費の状況
○
最も高い市町村と低い市町村の格差は 1.6 倍。年 422 千円の差が生じている。
○
入院医療費・入院外医療費ともに日数が長いことが医療費の高い要因。
○
病床が集中している中央圏域の市町村で医療費が高い傾向にある。
県内の市町村でも、老人医療費の地域差が生じています。平成 17 年度の一人当たり老
人医療費では、最も高い高知市(1,114 千円)と最も低い大月町(692 千円)には 1.6 倍
の差が生じています。また、高知市を含む中央保健医療圏域内の市町村の医療費が高い
傾向にあります(図 14、15、16)
。
(図 14 市町村別
1人当たり老人医療費)
1 人当 たり老 人 医 療費
1 ,2 0 0 , 0 0 0
1
人
当
た
県平 均
県平均 958千円
1 ,0 0 0 , 0 0 0
800,000
600,000
り
老
人
医
療
費
400,000
200,000
大月町
大川村
東洋町
津野町
三原村
黒潮町
四万十
宿毛市
四万十
檮原町
中土佐
仁淀川
土佐清
土佐町
佐川町
北川村
安芸市
越知町
芸西村
田野町
須崎市
香南市
日高村
香美市
い の町
市
町
町
市
町
村
町
利
市
市
戸
山
野
国
豊
路
田
半
佐
知
︵
室
本
春
南
大
馬
安
奈
土
高
0
︶
円
市
町
町
町
水市
町
(図15 市町村別 1人当たり老人医療費(入院)
)
1人当たり老人医療費
8 00,0 00
1
人
当
た
り
老
人
︵
医
療
費
7 00,0 00
県平均 568千円
6 00,0 00
5 00,0 00
4 00,0 00
3 00,0 00
2 00,0 00
1 00,0 00
−
大月町
東洋町
北川村
宿毛市
四万十
四万十
黒潮町
津野町
檮原町
中土佐
三原村
土佐清
大川村
田野町
仁淀川
安芸市
土佐町
佐川町
芸西村
室戸市
須崎市
香南市
日高村
安田町
越知町
奈半利
馬路村
南国市
香美市
本山町
春野町
い の町
土佐市
高知市
大豊町
︶
円
県平均
市
町
町
水
町
町
8
(図16 市町村別 1人当たり老人医療費(入院外))
1
人
当
た
県平均
県平均 359千円
大川村
大豊町
三原村
津野町
黒潮町
土佐町
四万十
仁淀川
檮原町
四万十
中土佐
佐川町
大月町
越知町
宿毛市
い の町
美市
洋町
佐清
野町
山町
芸市
南市
高村
西村
崎市
国市
佐市
知市
戸市
路村
野町
田町
川村
半利
︶
円
1人当たり老人医療費
香
東
土
春
本
安
香
日
芸
須
南
土
高
室
馬
田
安
北
奈
︵
り
老
人
医
療
費
500,000
450,000
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
−
市
町
町
町
水市
町
入院に係る一人当たりの老人医療費が最も高いのは大豊町、最も低いのは大月町、入
院外に係る一人当たり老人医療費が最も高いのは奈半利町で、最も低いのは大川村とな
っています(図 17)
。一人当たり入院医療費が上位の市町村は、一日当たり入院医療費が
少なく、一人当たりの入院日数が長くなっており、入院日数の長期化が医療費を押し上
げる要因となっています(図 18)
。
また、入院外医療費が上位の市町村では、入院医療費と同様に一人当たりの日数も長
くなっています(図 19)
。
(図 17 市町村別
1人当たり老人医療費の状況(入院・入院外))
500,000
1人当たり医療費(医科分)
90万円
1人当たり医療費(医科分)
80万円
1人当たり医療費(医科分)
100万円
奈半利町
450,000
1人当たり医療費(医科分)
70万円
北川村
安田町
田野町
馬路村
室戸市
400,000
芸西村
安芸市
350,000
︵
入
院
外
高知市
土佐市
須崎市
土佐清水市
東洋町
日高村
︶
大月町
本山町
春野町
香美市
宿毛市
円
南国市
香南市
四万十町
中土佐町
佐川町
越知町
いの町
檮原町
仁淀川町
四万十市
黒潮町
津野町
300,000
1人当たり医療費(医科分)
60万円
土佐町
大豊町
三原村
250,000
大川村
200,000
300,000
350,000
400,000
450,000
500,000
入院(
円)
9
550,000
600,000
650,000
700,000
老人医療費(入院)の状況(1人当たり日数と1日当たり医療費))
(図 18 市町村別
28,000
田野町
27,000
1人当たり医療費
40万円
26,000
1人当たり
医療費
50万円
1人当たり
医療費
60
万円
1人当たり
医療費
70万円
檮原町
1
日
当 25,000
た
り
24,000
老
人
医 23,000
療
費
22,000
円
三原村
奈半利町
東洋町
大月町
宿毛市
四万十町
津野町
︵
北川村
︶
1人当たり医療費
30万円
21,000
南国市
春野町
馬路村
安芸市
須崎市
香南市
安田町
中土佐町
越知町
日高村
土佐清水市
室戸市
黒潮町
芸西村
佐川町
仁淀川町
土佐市
高知市
いの町
本山町
四万十市
香美市
20,000
大豊町
土佐町
大川村
19,000
10
15
20
25
30
35
1人当たり日数(
日)
(図 19 市町村別
老人医療費(入院外)の状況(1人当たり日数と1日当たり医療費))
14 ,000
1人当 たり医療費
40万 円
土佐町
1
日
12 ,000
当
た
り
老
人 11 ,000
医
療
費
馬路村
大川村
宿毛市
檮原町
佐川町
土佐清水市
日高村
津野町
大豊町
須崎市
四万十町
室戸市
田野町
北川村
大月町
南国市
中土佐町
いの町
1人 当たり医 療費
20万円
︵
10 ,000
︶
円
1 人当たり医 療費
50万円
本山町
13 ,000
仁淀川町
香美市
越知町
東洋町
黒潮町 四万十市
安田町
安芸市
春野町
土佐市
高知市
奈半利町
香南市
三原村
9 ,000
芸西村
1人当たり医療費
30万円
8 ,000
20
25
30
35
1人当たり日数(日 )
10
40
45
50
(2) 病床数の状況
①
高知県の病床の状況
○
病床数の多さと老人医療費の高さは全国的に正の相関関係がある。
○
本県は人口当たりの病床数が全国 1 位。
○
療養病床は全国平均の 3.5 倍。最も少ない県の 6.8 倍。
○
全病床の約 4 割を療養病床が占めており全国平均の 1.8 倍となっている。
本県の医療費の特徴は、入院頻度が高く(入院受診率が高い)、かつ一旦入院すると
入院期間が長期化(1件当たりの日数が長い)していることであり、また、全国的に見
ても、病床数と一人当たり老人医療費(入院)は正の相関関係にあります(図 20)
。
(図 20 都道府県別 平成 17 年度
1人当たり老人医療費(入院)と人口 10 万人当たり病床数の相関関係)
(円)
600,000
沖縄
福岡
北海道
高知
550,000
︶
入
院
石川 大分
500,000
佐賀
鹿児島
長崎
熊本
山口
京都
450,000
大阪
400,000
︵
1
人
当
た
り
老
人
医
療
費
広島
福井
岡山
香川
富山
愛媛
宮崎
鳥取
島根
滋賀 兵庫
和 歌山
奈良 群 馬
秋田
山梨 福島
東京
埼玉
宮城
青森
岩手
茨城
神奈川 岐阜
三重 山 形
千葉
栃木
新潟
静岡 長野
徳島
愛知
350,000
300,000
250,000
800
1,000
1,200
1,400
1,600
相関係数=0.79
1,800
2,000
2,200
2,400
人 口 1 0万 対 病 床数
注 : 人口 1 0 万 対 病 床 数 は 、 「医 療 施 設 調 査」 (平 成 1 7年 )下 巻第 13 表 に よ る 総 病 床 数。
1人 当 た り老 人 医 療 費 ( 入院 )に つ い て は 、 「 老 人 医 療 事 業 年 報」( 平 成 17 年 )に よる 食 事 療 養 を含 ん だ費 用 。
本県の人口 10 万人当たりの病床数は、一般病床が全国平均の 1.3 倍(960.1 床、全国
5 位)
、療養病床が同 3.5 倍(956.7 床、全国 1 位)
、精神病床が 1.8 倍(483.9 床、全国
6 位)で、全病床合計では 1.9 倍(2,428.9 床)と全国 1 位です(図 21、22、23)
。
療養病床は、最も少ない宮城県の 6.8 倍となっています。
11
(図 21 人口 10 万人当たりの病床数 平成 18 年医療施設調査)
(単位床)
3,000
一般病床
2,500
※宮城県は人口当たりの療養病床数が全国最少、神奈川県は人口当たりの全病床数が全国最少である。
2,428.9
療養病床
結核病床
2,000
960.1 一般病床
感染症病床
精神病床
1,500
1,273.1
1,000
713
274.1
500
1,141.6
956.7 療養病床
852.3
729.3
540.7
275.8
140.7
264.5
144.6
161.6
483.9 精神病床
全国平均
宮城県
神奈川県
高知県
0
(図 22 都道府県別 人口 10 万人当たり一般病床数 平成 18 年医療施設調査)
病床数
1,200
5位 960.1床
人
口
1
0
1,000
全国平均 713床
800
万
人
当
た
り
病
600
400
200
0
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
床
数
全国平均
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
(図 23 都道府県別 人口 10 万人当たり療養病床数 平成 18 年医療施設調査)
病床数
1,200
人
口
1
0
万
人
当
た
り
病
1位 956.7床
1,000
800
600
全国平均 274.1床
400
200
0
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
床
数
全国平均
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
12
病床の構成比では、療養病床と一般病床はほぼ同じ割合になっており、全国と比べる
と療養病床のウェイトが高く、全国平均の 1.8 倍となっています(図 24)
。
(図 24 病床種類別割合の全国比較 平成 18 年医療施設調査)
全国
高知県
精神病床
19.9%
精神病床
21.7%
感染症病床
0.1%
感染症病床
0.1%
一般病床
56.0%
一般病床
39.5%
結核病床
0.7%
結核病床
1.1%
療養病床
21.5%
療養病床
39.4%
病床数の推移では、老人医療費の無料化、療養型病床群の創設などを経て、療養病床
が一般病床を上回る形で推移しています(図 25)
。
(図 25 人口 10 万人当たりの病床種類別病床数の年度推移)
精神病床
1,400
人
口
1
0
万
人
当
た
り
病
床
種
類
別
病
床
数
療養病床
一般病床
1,200
1,000
800
600
400
200
0
平 成11年
平成12年
平成13年
平 成14年
※平成 14 年以前は療養型病床群、経過型旧療養型病床群を含む。
13
平成 15年
平 成16年
平成 17年
平成18年
②
高知県の療養病床の状況
○
医療の必要性が低いと判断される医療区分1の入院患者の割合は全国とほぼ同じ。
○
中央保健福祉圏域に約 8 割、高知市に約 5 割の療養病床が集中している。
○
医療機関が入院患者の医療や介護の必要性から、特別養護老人ホームや老人保健施設
に入所することが適当と判断する方も入院されている。
本県における平成 19 年 8 月1日時点での療養病床数と入院患者数は、以下のとおりで
す(表 2)
。
(表2 療養病床の病床数及び入院患者数)
(単位人、%)
病床数
医療療養
4,012
医療機関数
介護療養
94
2,781
合 計
6,793
入院患者数
医療区分1 医療区分2 医療区分3
3,765
100.0%
2,529
100.0%
6,294
100.0%
人数
構成比
人数
構成比
人数
構成比
1,077
28.6%
2,016
79.7%
3,093
49.1%
2,090
55.5%
468
18.5%
2,558
40.6%
598
15.9%
45
1.8%
643
10.2%
医療区分8の分布は、ほぼ全国と同じであり、入院されている方の約半数が医療の必要
性が低いと判断される方となっています(図 26)
。
(図 26 療養病床入院患者の医療区分の分布・医療療養と介護療養の合計)
4 9 .1 %
高知県
H19.8.1
40.6%
医療区分1
5 0 .4 %
全国
H18.10.1
0%
医療区分2
10%
20%
30%
10.2%
医療区分3
36.9%
40%
50%
60%
70%
12.7%
80%
90%
100%
注)全国の介護療養病床は、入院患者抽出(1/4)のデータしかないため抽出データの割合を全体の入院患者数に乗じて得た推計値である。
(平成 19 年 3 月厚生労働省発表資料から推計)
また、療養病床には医療機関が入院患者の医療や介護の必要性から、特別養護老人ホ
ームや老人保健施設に入所することが適当と判断される方も入院されていることから
(図 27)
、入院患者の状態に応じたサービスが提供されることが必要となります。
8
医療区分とは医療の必要度を表すもので、平成 18 年 7 月から診療報酬上の評価をおこなっています。医療の必要度
を疾患名、処置・状態の種類等により3区分し、医療区分1から順番に医療の必要度は高くなります。
14
(図 27 療養病床入院患者の医療や介護の必要性を踏まえた望ましい施設)
2.1%
一般病床
医療療養病床
介護療養病床
老健施設
特養ホーム
有料ホーム
ケアハウス
グループホーム
在宅
その他
3.7%
1.9%
7.9%
1.2%
1.1%
32.6%
15.4%
7.8%
26.2%
注)平成 18 年 10 月高知県療養病床実態調査(1/4 の患者を抽出して医療機関が判定したもの、医療区分1∼3全て)
(3)
平均在院日数の状況
○
全病床(介護療養病床除く)の平均在院日数が全国 3 位。
○
平均在院日数が一般病床よりも長い療養病床や精神病床が多いことが主な要因と考え
られる。
○
平均在院日数の長さと老人医療費の高さは全国的に正の相関関係にある。
平均在院日数とは、病院に入院した患者の入院日数の平均値を示すもので、病院報
告では次の算式により算出することとされています。
調査期間中に在院した患者の延べ数
平均在院日数
=
(調査期間中の新入院患者数+退院患者数)÷2
全国の平均在院日数(平成 18 年「病院報告」
。介護保険適用の療養病床を除く。
)は 32.2
日となっています。これに対して本県は全国 3 位の 46.4 日で、最短の長野県(25.0 日)
より 21.4 日長くなっています(図 28)
。平均在院日数が一般病床よりも長い療養病床や
精神病床が本県に多いことが主な要因と考えられます(表 3、図 29、図 30)
。
一方で、平均在院日数の推移を見ると、ここ数年は短縮傾向にあります(図 31)
。
15
(図28 都道府県別 平均在院日数(全病床・介護療養病床を除く))
30
︵
︶
40
3 位 4 6 .4 日
50
崎
分
本
崎
賀
県
県
県
県
県
沖縄県 鹿児島
宮
大
熊
長
佐
崎
分
本
崎
賀
県
県
県
県
県
沖縄県 鹿児島
宮
大
熊
長
佐
県
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
16
県
県
県
県
県
県
県
県
県
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
32.2
46.4
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
︶
※平成18年「病院報告」(介護療養病床を除く総数は厚生労働省調べによる。)
一般
病床
19.2
22.6
全 国
高知県
全 国 平均
平 均在 院 日 数
全 国 平均
平均 在 院 日数
300
2 2 .6 日
2位
1 9 .2 日
介護療養
病床
268.6
377.2
療養
病床
171.4
189.0
結核
病床
70.5
49.6
感染症
病床
9.2
4.0
総数
精神
病床
320.3
227.4
(介護療養除く)
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
100
50
県
150
日
︵
0
1 2 位 1 8 9 . 0日
200
県
県
県
県
県
県
県
県
県
0
全 国 平 均 1 7 1 .4 日
均
在
院
日
数
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
鳥取県 和歌山県
奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県
東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 北海道 0
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
5
︶
日
︵
250
平
10
20
鳥取県 和歌山県
奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県
東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 北海道 15
均
在
院
日
数
全 国 平 均
25
平
10
日
20
在
院
日
数
全 国 平 均 32 .2 日
平
均
全 国 平均
平 均在 院 日 数
60
(図29 都道府県別 平均在院日数/一般病床)
30
(図 30 都道府県別 平均在院日数/療養病床・介護療養含む)
(表 3 病床別平均在院日数)
(単位日)
(図 31 病床別平均在院日数の推移)
総数
400
344.5
350
337.9
精神病床
一般病床
療養病床
327.3
301.9
︵
平 300
均
在 250
院
日 200
数
274.9
253.9
171.4
152.9
191.7
193.8
194.3
202.2
57.8
56.2
55
56.1
236.7
227.4
199.8
189
55.4
150
︶
日
100
59.5
50
58.1
34.9
28.8
26.4
24.9
23
22.9
54.5
22.3
22.6
0
平成11年
平成12年
平成13年
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
注)各年病院報告による。総数及び療養病床には介護療養病床を含む。
また、都道府県ごとの平均在院日数と一人当たりの老人医療費(入院)は、高い相関
関係にあります(図 32)
。
(図 32 都道府県別 1人当たり老人医療費(入院)と平均在院日数の相関関係図)
(円 )
600000
550000
沖縄
北海道
福岡
高知 県
500000
1
人
当
た
り
老
人
医
療
費
長崎
石川
熊本
大分
佐賀
450000
山口
大阪
400000
︵
350000
東京
︶
入
院
300000
鹿児島
滋賀
愛知
宮城
岐阜
山形
神奈川
長野
静岡
京都
岡山 福 井
香川
広島
富山
愛媛
徳島
宮崎
島根
鳥取
秋田
和 歌山
奈 良 福島
群馬
埼 玉 青森
岩手
山梨
茨城
三重 栃木
千葉
新潟
兵庫
相関係数 = 0.69 8
250000
200000
25.0
30.0
3 5.0
40.0
45.0
平均 在院日 数
資 料 : 平 成 1 9 年 版 厚 生 労 働 白 書 ( 病 院 報 告 2004、 老 人 医 療 事 業 年 報 2 0 0 4 )
17
5 0.0
55.0
60.0
(4)
生活習慣病等の状況
①
本県の生活習慣病等の状況
○
40 歳から 74 歳までの 4 人に 1 人がメタボリックシンドロームの該当者又は予備群
と推計され、特に、男性の割合が約 42%と高くなっている。
全国の平成 16 年度の疾病全体に占める生活習慣病は、死亡原因で約 6 割、医療費
で約 3 割を占めています(図 33)。
今後の超高齢者社会に対応するためには、生涯にわたって元気で活動的に生活できる
「健康寿命」を延伸することが、県民にとっても社会にとっても益々重要になります。
そのためには、脳血管疾患などの疾病にできるだけかからないことや、寝たきりにな
らないことなどが大切であり、壮年期からの生活習慣病予防と高齢期の生活機能低下予
防が特に重要です。
生活習慣病は、不健康な生活習慣(不適切な食生活、運動不足、ストレス過剰等)の
継続によって発症しますが、その発症前の段階であるメタボリックシンドローム(内臓
脂肪症候群)が強く疑われる者(該当者)及びその予備群9と考えられる方は、本県では、
該当者が約 4 万人(うち男性 3 万人、女性 1 万人)
、予備群が約 6 万人(うち男 4 万人、
女性 2 万人)
、合わせて約 10 万人(うち男性 7 万人、女性 3 万人)と推計されます(図
34、表 4)
。
(図 33 国民医療費と死因別死亡割合)
医療費(2004年度)
国民医療費
32.1兆円
悪性新生物
2.6兆円 虚血性心疾
患
0.9兆円
生活習慣病
10.4兆円
その他
21.7兆円
(※平成 19 年版
死因別死亡割合(
2004年度)
悪性新生物
31.1%
脳血管疾患
2.1兆円
その他
39.0%
糖尿病(糖尿
病の合併症
を含む)
1.9兆円
高血圧性疾
患
2.8兆円
厚生労働白書)
9
生活習慣病
60.9%
高血圧性疾
患
0.6%
糖尿病
1.2%
脳血管疾患
12.5%
心疾患
15.5%
ウエスト周囲径(男性 85cm 以上、女性 90cm 以上)で、次の 3 項目のうち 2 つ以上該当者をメタボリックシンドロー
ム該当者、1 つ該当者を予備群という。①中性脂肪 150mg/dl 以上又は HDL コレステロール 40mg/dl 未満又はコレステロ
ールを下げる薬を服用中②収縮期血圧 130mmHg 以上かつ又は拡張期血圧 85mmHg 以上又は血圧を下げる薬を服用中③
空腹時血糖 110mg/dl 以上又は HbA1c5.5%以上又はインスリン注射又は血糖を下げる薬を服用中
18
(図 34 メタボリックシンドローム該当・予備群の年齢階層別人数・割合)※平成 17 年度地域保健・老人保健事業年報
平成20年度メタボリックシンドローム予備軍・
年齢階層別人数・
割合(
推定)
30%
25.5%
23.8%
25%
26.7%
23.7%
7,957
20.4%
23.7%
8,000
22.8%
7,122
4,367
9.7%
10%
5.5%
1,157
1,294
25%
20%
14.3% 5,000
12.5% 4,803
4,000
15%
10.7%
5,648
5,000
4,814
15.6% 16.1%
11.8%
13.4%
3,945
14.1%
3,465
3,450
2,047
3,863 2,000
1,992
5%
1,000
0
0%
2,678
10%
0%
0.9%
196
6.9%
4.0%
2.0%
470
1,039
3,702
5.2%
3,801 2,000
2,250
1,000
1,612
0
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
予備群人数(男性)
該当者数(男性)
予備群人数(女性)
割合(男性)
割合(女性)
4,000
3,000
9.6%
3,000
3,015
5%
5,550
人
7,000
6,000
23.5%
21.2%
6,000
7.6%
5.1%
26.8%
6,385
5,593
5,388
15%
30%
7,000
6,452
20%
平成20年度メタボリックシンドローム該当者・
年齢階層別人数・
割合(
推定)
人
9,000
該当者数(女性)
割合(男性)
割合(女性)
(表 4 メタボリックシンドローム該当・予備群の年齢階層別人数・割合)※平成 17 年度地域保健・老人保健事業年報
年齢
40-44
45-49
50-54
55-59
60-64
65-69
70-74
合計
平成20年度
予備群(推計人数) 該当者(
推計人数)
推計人口
男性
女性
男性
女性
男性
女性
21,407 22,858
4,367
1,157
2047
196
22,632 23,638
5,388
1,294
2678
470
25,288 26,116
6,452
1,992
3945
1039
29,819 31,108
7,957
3,015
4814
1612
30,112 32,405
7,122
3,465
6385
2250
23,620 27,661
5,593
3,450
5550
3702
21,108 27,021
4,803
3,863
5648
3801
173,986 190,807 41,682 18,236 31,067 13,070
364,793
59,918
44,137
予備群(
割合)
該当者(
割合)
男性
女性
20.4%
5.1%
23.8%
5.5%
25.5%
7.6%
26.7%
9.7%
23.7%
10.7%
23.7%
12.5%
22.8%
14.3%
24.0%
9.6%
16.4%
男性
女性
9.6%
0.9%
11.8%
2.0%
15.6%
4.0%
16.1%
5.2%
21.2%
6.9%
23.5%
13.4%
26.8%
14.1%
17.9%
6.8%
12.1%
② 受療動向
○
脳卒中の受療率が、男性で全国 2 位、女性で全国 1 位と高い。
○
急性心筋梗塞の受療率が、男性で全国 6 位、女性で全国 9 位と高い。
○ 女性の糖尿病の受療率が全国 4 位。
注)医療機能調査事業報告書(平成 14 年患者調査による)
生活習慣病に分類される主な疾病ごとの受療率ではがん(悪性新生物)及び高血圧性
疾患は、全国平均とほぼ同じですが、脳血管疾患及び急性心筋梗塞(虚血性心疾患)が、
男女とも全国平均より高い状況となっています(図 35、図 36)
。
脳血管疾患は、男性全国 2 位、女性全国 1 位といずれも高く、また、糖尿病は、男女
とも全国平均を上回っており、特に、女性が全国 4 位となっています(図 37)
。
19
(図 35 都道府県別 人口 10 万人当たり脳卒中(脳血管疾患)による受療率)
県
県
県
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
人
沖縄
鹿児
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
高知
愛媛
香川
徳島
山口
広島
岡山
島根
鳥取
和歌
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
三重
愛知
静岡
岐阜
長野
山梨
福井
石川
富山
新潟
神奈
東京
千葉
埼玉
群馬
栃木
茨城
福島
山形
秋田
宮城
岩手
青森
北海
︵
県
県
県
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︵
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
人
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
た
り
受
療
率
0
︵
人
全 国 平 均 1 4 6 .3 人
2 00
全 国 平 均 4 2 .3 人
9 位 5 1 .9 人
口
1
0
万
人
当
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
人
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
人
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︶
た
り
受
療
率
0
︵
50
県
県
県
20
6 位 7 8 .1 人
全 国 平 均 5 9 .6 人
口
1
0
万
人
当
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
人
1 00
50
た
り
受
療
率
1 00
受
療
率
1 位 2 2 1 .1 人
2 50
1 50
口
1
0
万
人
当
3 00
人
1 50
2 00
全 国 平 均 1 7 9 .3 人
0
万
人
当
た
り
2 位 2 4 9 .1 人
3 00
2 50
人
口
1
男 性 (年 齢 調 整 受 療 率 )
女 性 (年 齢 調 整 受 療 率 )
(図 36 都道府県別 人口 10 万人当たり急性心筋梗塞(虚血性心疾患)による受療率)
男 性 (年 齢 調 整 受 療 率 )
女 性 (年 齢 調 整 受 療 率 )
(図 37 都道府県別 人口 10 万人当たり糖尿病による受療率)
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︵
0
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︶
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
人
50
た
り
受
療
率
0
︵
人
全 国 平 均 1 3 9 .7 人
1 3 位 1 5 6 .6 人
200
全 国 平 均 1 0 5 .0 人
150
4 位 1 3 7 .7 人
100
口
1
0
万
人
当
200
人
100
50
当
た
り
受
療
率
250
150
人
口
1
0
万
人
男 性 (年 齢 調 整 受 療 率 )
女 性 (年 齢 調 整 受 療 率 )
県
県
県
21
③
死亡率
○
死因別死亡率は全国と同じ状態で、高い方から「がん」
、
「心疾患」、
「脳血管疾患」の
順となっている。
○
年齢調整後の人口 10 万人当たりの死亡者数(死亡率)では、男性の死亡率が高く、
全国 5 位である。疾患別では、男性の急性心筋梗塞による死亡率が全国 3 位、脳血血管
疾患による死亡率が全国 6 位と高い。
全国の死因別死亡率(平成 18 年人口動態調査)では、1 位が悪性新生物(がん)
、2 位
が心疾患、3 位が脳血管疾患となっており、高知県でも同じとなっています(図 38)
。特
にがんは、本県では昭和 59 年から死因の第 1 位となっており、高齢化の進展とともに今
後の増加が懸念されています。
また、年齢調整を行った場合(平成 19 年度人口動態調査特殊報告)の人口 10 万人当
たりの死亡者数(死亡率)では、男性の死亡率が全国 5 位と高くなっています(図 39)
。
死因別では、生活習慣との関連が強い急性心筋梗塞(虚血性心疾患)による死亡が、
男性が全国 3 位、女性も全国平均を上回っており(図 40)
、脳血管疾患による男性の死亡
率も全国 6 位と高くなっています(図 41)
。
(図 38 死因別死亡率の全国比較)
高知県
全国
悪性新生物
30.4%
その他
40.1%
その他
41.6%
高血圧性疾
患
0.5%
糖 尿 病
1.3%
悪性新生物
27.6%
脳血管疾患
11.8%
高血圧性疾
患
0.3%
心疾患
16.0%
糖 尿 病
1.0%
22
心疾患
16.5%
脳血管疾患
13.0%
(図 39 都道府県別 人口 10 万人当たり死亡率(全死因))
400
300
200
万
人
当
た
り
死
500
亡
率
100
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
県
県
3 00
2 00
1 50
1 00
4 00
万
人
当
た
り
死
2 50
亡
率
50
0
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
県
県
県
1 3 位 1 3 .3 人
全 国 平 均 1 1 .5 人
15
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︶
人
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︵
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
県
県
県
23
3 位 2 8 .3 人
全 国 平 均 2 5 .9 人
40
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︵
0
亡
率
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
人
2 2 位 2 9 7 .6 人
全 国 平 均 2 9 8 .6 人
3 50
人
口
1
0
︵
30
20
10
万
人
当
た
り
死
0
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︶
人
50
人
口
1
0
0
亡
率
10
5
万
人
当
た
り
死
20
人
口
1
0
600
800
︵
人
5 位 6 3 4 .9 人
全 国 平 均 5 9 3 .2 人
700
人
口
1
0
男 性 (年 齢 調 整 死 亡 率 )
女 性 (年 齢 調 整 死 亡 率 )
(図 40 死亡率(虚血性心疾患)の全国比較)
男 性 (年 齢 調 整 死 亡 率 )
女 性 (年 齢 調 整 死 亡 率 )
(図 41 死亡率(高血圧性疾患)の全国比較)
︶
人
沖
鹿
宮
大
熊
長
佐
福
高
愛
香
徳
山
広
岡
島
鳥
和
奈
兵
大
京
滋
三
愛
静
岐
長
山
福
石
富
新
神
東
千
埼
群
栃
茨
福
山
秋
宮
岩
青
北
︵
縄
児
崎
分
本
崎
賀
岡
知
媛
川
島
口
島
山
根
取
歌
良
庫
阪
都
賀
重
知
岡
阜
野
梨
井
川
山
潟
奈
京
葉
玉
馬
木
城
島
形
田
城
手
森
海
県
島
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
山
県
県
府
府
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
川
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
道
︶
県
県
県
24
19位 3 7.2人
全国 平均 36 .1人
40
沖縄県 鹿児島県
宮崎県 大分県 熊本県 長崎県 佐賀県 福岡県 高知県 愛媛県 香川県 徳島県 山口県 広島県 岡山県 島根県 鳥取県 和歌山県
奈良県 兵庫県 大阪府 京都府 滋賀県 三重県 愛知県 静岡県 岐阜県 長野県 山梨県 福井県 石川県 富山県 新潟県 神奈川県
東京都 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県 福島県 山形県 秋田県 宮城県 岩手県 青森県 北海道 0
︵
人
20
り
死
亡
率
6位 72.0人
全国平均 61.9人
80
60
40
口
1
0
万
人
当
た
0
亡
率
30
20
10
万
人
当
た
り
死
50
人
口
1
0
100
人
男性 (年齢調整死亡率 )
女性(年齢調整死亡率)
2.課題
本県における医療費等の現状を踏まえると、医療費の適正化に向けた主な課題として、
次の項目が挙げられます。
(1) 県民の健康の保持の推進に関する課題
○ 生活習慣病、メタボリックシンドローム該当・予備群の減少
脳血管疾患や急性心筋梗塞などの全国に比べて受療率が高い疾病の発症、あるいは、
重症化や合併症への進行を防ぐためには、生活習慣病予防に重点を置き、生涯にわたっ
て生活の質の維持と向上を図ることが重要です。
今後更に高齢者が増加することを踏まえ、高齢期になってからの疾病の発症や重症化
を防止するためにも、壮年期から、生活習慣病の発症前の段階であるメタボリックシン
ドロームが強く疑われる方や予備群の減少に向けて取り組む必要があります。
また、死因の第 1 位となっていますがんの予防と早期発見、がん医療の向上などを推
進していくことも必要です。
(2) 医療の効率的な提供の推進に関する課題
○ 療養病床の再編成
本県では、人口当たりの入院患者が多く、また、入院も長期化することから老人医療
費が非常に高くなっています。療養病床には、必ずしも医療の必要性が高くない方も入
院されていることから、その方の状態に応じた適切な設備や人員体制が整った環境のも
とで、適切な医療や介護のサービスを提供していくために、療養病床の再編成を進めて
いくことが必要です。
○ 平均在院日数の短縮
本県の平均在院日数は、
全国平均の 32.2 日に比べて 46.4 日と全国 3 位となっており、
一人当たりの老人医療費が高い要因となっています。
医療機能の分化や連携など良質で効率的な医療提供体制の構築や、在宅での医療の充
実などを進め、平均在院日数の短縮につなげることが必要です。
こうした課題に対応するため、数値目標を設定して取り組みを進めていきます。
25
第3章
計画における目標と取り組み
1.基本理念
(1)
県民の生活の質の維持及び向上を目指して
県民の健康と医療の在り方を展望し、生活習慣病の有病者と予備群の減少や、入院の
期間をできるだけ短縮して、早期に自宅や地域に戻ることができるようにするなど、県
民の生活の質の確保と向上を目指します。
(2)
超高齢化社会の到来への対応
平成 17 年度に約 207 千人の高齢者人口が、
30 年後の平成 47 年には約 223 千人となり、
特に後期の高齢者が 1.4 倍に増加すると見込まれています。
医療費適正化のための具体的な取り組みを通じて、結果として老人医療費の伸び率を
中長期にわたって徐々に下げていくことを目指します。
(図 42 医療費適正化計画の取り組みのイメージ)
地域ケア
地域ケア
体制整備
体制整備
構想
構想
< 急 性 期 >
長期入院高齢者の病床
(療養病床)の再編成
急性期→回復期→
生活リハ・在宅に至る
機能の分化と連携
+
在宅(訪問)
医療の充実
自宅以外の
住まいの充実
○ 平均在院日数の短縮
○ 平均在院日数の短縮
○ 転換後の医療療養病床数
○ 転換後の医療療養病床数
数値目標
(重症化の防止による入院患者の減)
生活習慣病の予防
入
院
外
医
療
費
(医療保険者が実施する健診・保健指導などによる)
健康増進計画
○ 特定健康診査実施率
○ 特定健康診査実施率
○ 特定保健指導実施率
○ 特定保健指導実施率
○ メタボリックシンドローム該当者
○ メタボリックシンドローム該当者
及び予備群の減少率
及び予備群の減少率
2
26
数値目標
保健医療
保健医療
計画
計画
医療
療費
費適
適正
正化
化計
計画
画
医
入
院
医
療
費
< 慢 性 期 >
2.医療費適正化に向けた目標
(1)
県民の健康の保持の推進に関する達成目標
平成 27 年度において、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群を平成 20 年度と
比べて 25%減少させるという国の政策目標を踏まえ、平成 24 年度に達成すべき目標を次の
ように設定します。
○
特定健康診査の実施率を 70%とします。
○
特定保健指導の実施率を 45%とします。
○
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群を平成 20 年度に比べて 10%少な
くします。
①
特定健康診査の実施率
平成 24 年度に、40 歳から 74 歳までの方の 70%が特定健康診査10を受診することを目
標とします。
② 特定保健指導の実施率
平成 24 年度に、当該年度に特定保健指導が必要とされた方の 45%が特定保健指導11を
受けることを目標とします。
③
メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率
平成 24 年度に、当該年度に特定保健指導が必要と判定された方が、平成 20 年度と比
べて 10%減少することを目標とします。
(2)
医療の効率的な提供の推進に関する達成目標
○ 医療療養病床を 3,082 床(回復期リハビリテーション 141 床を含む)以下とします。
○ 平均在院日数を 39.2 日以内とします。
10
メタボリックシンドロームの概念に着目し、「生活習慣病の発症を予防する」ことを前提にした健診。40 歳以上 74
歳以下の被保険者及び被扶養者を対象に医療保険者に対して平成 20 年 4 月から実施が義務付けられる。
11
特定健康診査の結果から、メタボリックシンドローム該当者及び予備群に対して、血糖値、脂質、血圧、喫煙暦のリ
スクに応じて階層化し、レベルに応じた保健指導を医療保険者が行うもの。
27
① 療養病床数
「高知県地域ケア体制整備構想」との整合性を図り、入院されている方の医療や介護の
状態に応じた施設への転換を促進し、平成 24 年度末の医療療養病床数を 3,082 床以下と
することを目標とします。なお、以下の方法により目標数を算定しています(表 5、6)。
ア)
平成 18 年 10 月 1 日調査での「療養病床の入院患者の医療や介護の状態に相応しい施設等」
として医療療養病床及び介護療養型医療施設が選ばれた割合を、平成 19 年 8 月 1 日調査におけ
る医療区分ごとに乗じて算出。
イ)
算出された介護療養型医療施設のうち、医療の必要性が高い医療区分 3 に相当する病床数は医
療療養病床に転換。医療区分 2 の入院患者のうち約 3 割に相当する方は一定程度状態の安定が見
込まれ、現在国が検討している医療提供体制を強化した老人保健施設で対応が可能と見込まれてい
ることから、
医療区分 2 の 3 割及び医療区分 1 に相当する病床数については老人保健施設へ転換。
医療区分 2 の 7 割に相当する病床数は医療療養病床に転換。
ウ) 今後、後期高齢者が増加することが見込まれるため、圏域ごとに平成 19 年度から平成 24 年度
の後期高齢者の伸び率を乗じて平成 24 年度末の医療療養病床の目標数値を算出。
(表 5 平成 24 年度末の医療療養病床数)
病床
種別
病床数
医療
区分
入院患者数
(a)
医療療養と介護療養が選定
された入院患者の割合
医療療養(ア)
医療
4,012
介護
2,781
合計
6,793
1,147
2,229
636
2,220
513
48
6,793
区分1
区分2
区分3
区分1
区分2
区分3
(単位人、床)
介護療養(イ)
29%
56%
74%
8%
27%
69%
14%
10%
5%
47%
51%
30%
医療療養
病床数
(a)×(ア)
介護療養
病床
(a)×(イ)
医療療養病床数
(区分2×7割+区分3)
331
1,239
473
169
137
33
2,382
155
228
33
1,037
261
15
1,729
331
1,399
506
169
320
48
2,772
後期高齢者人口 H24年度末
の伸び率(%)
療養病床数
圏域別
※医療療養+介護療養
の一定割合
0.0%
12.3%
8.3%
5.9%
安芸
中央
高幡
幡多
74
2,559
181
268
合計(医療療養として残る数)
3,082
介護施設等への転換数
3,711
(表6 高知県療養病床転換推進計画)
(単位床)
転換先
転換年度
医療療養病床
うち回復期リハビリテーション病棟入院料
19年度
20年度
21年度
22年度
174
6
20
32
58
139
2,711
83
49
転換後
3,082
141
46
7
0
161
30
293
117
353
370
497
489
1,826
313
313
313
グループホーム
26
26
26
78
ケアハウス
34
34
35
103
56
56
57
169
100
68
69
47
287
909
899
1,297
3,277
6,793
一般病床
介護老人保健施設
療養病床 特別養護老人ホーム
(6,793床)
23年度 平成24.4.1
有料老人ホーム
16
高齢者専用賃貸住宅
3
廃止(在宅)
合 計
939
226
185
28
16
② 平均在院日数
医療制度改革大綱等において、
平成 27 年度までに、
全国平均の平均在院日数について、
最も短い長野県との差を半分に短縮する長期目標が示されています。
これを受けて、各都道府県の医療費適正化計画でも同様に、平成 27 年度までに、最も
短い都道府県との差を半分にすることが求められています。
これらを踏まえて、平成 24 年時点における本県の平均在院日数の目標値は、平成 18
年の病院報告による本県の平均在院日数と最短県との差を 9 分の 312短縮し、平成 24 年の
病院報告(平成 25 年 12 月頃公表の見込み)で 39.2 日以内とすることを目標にします。
ただし、具体的な数値目標の算定に当たっては、平均在院日数がここ数年短縮傾向に
あることから、最も短い都道府県の平均在院日数が計画期間中に短縮した場合は、その
影響を考慮することとして、平成 22 年度の中間評価において必要な見直しを行います。
(3)
適正化策の実施による医療費の見通し
厚生労働省の「都道府県別の医療費の将来推計の計算ツール Ver.3」で試算すると、自
然体では、平成 18 年度の県民医療費約 2,659 億円が平成 24 年度に約 3,122 億円になる
と推計されますが、適正化計画の目標を達成した場合には、平成 24 年度の県民医療費は
約 2,940 億円となり、約 182 億円の効果が見込まれます(表 7)
。
なお、生活習慣病の予防は、その効果が発現するまでに数年を要するため効果額は見
込んでいません。
(表7 適正化による効果額の推計)
億円
億円
3,200
3,200
※厚生労働省提供の「都道府県医療費の将来推計の計算ツール」に基づく推計
3,122
3,122
(単位億円)
H18
3,100
3,100
現 状
目標達成後
差 額
3,000
3,000
2,659
2,659
0
現状
現状
H19
H20
2,733
2,733
0
2,787
2,787
0
H23
H24
3,032
2,906
▲126
3,122
2,940
▲182
2,855
2,855
2,787
2,787
2,659
2,659
2,947
2,869
▲78
目標達成後
目標達成後
2,733
2,733
2,700
2,700
H22
2,855
2,820
▲35
3,032
3,032
2,947
2,947
2,900
2,900
2,800
2,800
H21
2,733
2,733
2,787
2,787
2,820
2,820
2,869
2,869
2,906
2,906
2,940
2,940
2,659
2,659
2,600
2,600
2,500
2,500
2,400
2,400
H18
H18
H19
H19
H20
H20
H21
H21
12
H22
H22
H23
H23
H24
H24
平成 18 年の病院報告による全国平均の平均在院日数と、最も短い都道府県の平均在院日数との差を平成 27 年まで
に半分に短縮するという長期目標を前提としたものであり、(H18∼24 年までの 6 年間)/(H18∼27 年までの 9 年間)
×1/2(差の半分)により設定。
29
3.目標達成に向けた施策
(1)
県民の健康の保持の推進に関する施策
「日本一の健康長寿県を目指し、健康寿命を延ばす」ことを目標として、運動の推進、
栄養・食生活の改善、たばこ対策、歯の健康、こころの健康による健康増進と、生活習
慣病の発症予防・重症化予防対策を柱に、生活習慣病対策を計画的かつ総合的に進めて
いきます。
①
日ごろの生活習慣に気づき、健康を改善する取り組み
○
県、市町村、関係団体などはイベントの機会などを活用して、特定健康診査・特定
保健指導の普及啓発を行います。また、未受診者の受診勧奨を行います。
○
医療保険者は、特定健康診査・特定保健指導の実施体制を充実し、受診率と保健指
導の実施率の向上を行います。
また、特定保健指導については、医療費分析や地域の健康課題、被保険者の健康状
況などの課題を分析し、特定健康診査の結果から年齢層、地域、身体状況に応じて対
象者を選定するなど、優先順位をつけて効果的に実施します。
○
市町村、医療保険者などは、受診が必要でありながら受診をしていない者や治療中
断者に対して受診勧奨を行うなど、重症化を予防する取り組みを行います。
○
市町村、医療保険者は、生活習慣病のコントロールが困難な者に対して、かかりつ
け医と連携して生活習慣の改善への取り組みを進めます。
②
がん対策の推進
「高知県がん対策推進計画」に基づき、がん対策を推進します。
○
がんにかからないことを目標に、健康的な生活習慣の普及と早期発見・早期治療の
ためにがん検診を普及するとともに、市町村や職域と連携し、多くの県民が有効かつ
精度の高いがん検診を受診できる体制と、より早い段階で治療できる体制の整備を進
めます。
30
○
がん診療連携拠点病院を中心に高度ながん医療を提供するとともに、がん診療の連
携体制を構築し、早期発見、専門的治療、緩和ケア、再発の防止や在宅療養が継続し
て行われるよう、県民が安心・納得できる医療の実現を目指します。
○
がん医療に関する相談支援体制や情報提供の充実を図るとともに、治療の初期段階
からの緩和ケアの推進など、患者の療養生活の質の向上を目指します。
(2)
医療の効率的な提供の推進に関する施策
① 療養病床の再編成
現状では、療養病床数の約半分が転換未定となっています。療養病床転換推進計画を
医療機関に示したうえで、診療報酬や介護報酬の改定も踏まえて、さらに医療機関の意
向を把握し、できるだけ計画に即した転換となるよう医療機関や地域の医師会、市町村
と調整していきます。
また、医療機関の転換意向が明確になれば、必要に応じて転換先となる介護施設等の
種別や転換年度についての計画の見直しを行います。
さらに、入院患者や家族、医療機関からの相談への対応や、医療機関の転換に関する
支援として、以下の取り組みを進めていきます。
○
医療機関や市町村、地域包括支援センターなどと連携し、療養病床の再編成に係る相談
に対応していきます。
○
早期の転換を希望する医療機関に対しては、第 3 期介護保険事業(支援)計画での必要
定員総数の範囲内であれば、年度・施設種別ごとの総数を超えても転換を可能とします。
○
第4期介護保険事業(支援)計画期間中の平成 21 年度から 23 年度は、医療療養から
の転換について国が示す参酌標準の別枠とする方向で検討を進めます。
○
転換に必要な改修費用に対する国の交付金などを活用して転換を支援します。
② 医療機関の機能分化と連携
患者が安心して治療を受けることができる医療サービスの実現に向け、患者と医療従
事者とがより良い信頼関係を構築し、患者の立場に立った医療連携体制づくりに向けて、
以下の取り組みを進めます。
31
○
医療機関の連携体制の構築
医療法に基づく医療機能情報公表制度より、「こうち医療ネット」等を通じて医療機関
の診療機能の公表を進めるとともに、がん・脳卒中・救急医療など代表的な疾病事業ごと
に医療連携体制を明らかにし、医療機能の分化と連携を進めます。
○
開放型病床の設置及び医療設備の共同利用
医療機関における地域での連携体制の構築に向けた取り組みを促進するとともに、開放
型病床の整備や医療設備の共同利用の普及に向けた取り組みを促進します。
○
地域医療体制の強化
地域医療支援病院を中心とした病診連携・病病連携を進めることで、地域のかかりつけ
医の機能を高め、医療機能の分化と連携を促進し地域医療体制の充実を図ります。
○
地域連携クリニカルパスの導入促進
がんや糖尿病等の疾病ごとに連携体制を構築するため、関係者などによる検討会議等を
開催し、地域連携クリニカルパスの導入を促進していきます。
②
地域ケア体制づくりの推進
本県の多くの方が医療や介護が必要な状態になっても自宅や住まいで生活したいとい
う願いを持っており、高齢者の住み慣れた地域での生活を支援するための体制づくりを
進めていく必要があります。
入院しても自宅や住まいでの生活にできるだけ早く戻ることができるようにするため
には、医療機関や施設への入院・入所中から在宅での療養を視野に入れた治療やケアを
していくことが重要です。入院から退院、在宅での療養まで医療や介護関係者が連携し
て対応できる地域ケア体制の構築を目指します。
○
医療と介護の連携の強化
病院や施設の医師・看護師、在宅医療を担う医師、訪問看護師、ケアマネジャーが本
人と家族の参加のもとに、退院・退所前にケアカンファレンスを行い、患者の状態や家
族の介護力、住まいの状況、地域の介護資源などの情報を共有して、在宅生活の継続に
向けて検討することが重要です。
医療機関や地域の医師会、市町村と協力して、モデルとなる医療機関でケアカンファ
レンスを試行し、県内への普及に努めていきます。
32
○ 在宅医療の充実
診療所間や後方支援病院との連携なども含め、在宅診療を行っている医療機関が孤立
しないシステムの構築を目指すとともに、地域連携クリニカルパスや電子カルテを使用
した情報共有、難しい症例や新しい医療知識についての勉強会、急病時や研修時に医療
機関が相互に補完し合う医師派遣体制など、在宅医療を支える医療機関の支援体制づく
りを進めます。
また、在宅療養支援診療所13の届出の促進や訪問看護ステーションの充実・強化に向け
て取り組みます。
③ 適正な受診などの促進
高知県保険者協議会などを通じて、医療保険者によるレセプトからの情報や健診結果
のデータを活用した医療費適正化に向けた取り組みを支援します。
○
重複受診・頻回受診者に対する訪問指導活動の充実・強化
各保険者に対して、レセプト情報などを活用した健康管理や、医療に対する意識を深
めることなどを目的とする訪問指導の実施を促進し、適正な受診や介護保険などの利用
を進めます。
○
医療費通知の実施
受診者の方に健康に対する認識を深めてもらうことを目的とした医療費通知を、各医
療保険者が年間を通じて実施できるように支援します。
○
レセプト点検の充実・強化
各医療保険者が実施している受給者の資格確認や請求内容の点検などを強化できるよ
う支援します。
13
24 時間連絡を受ける医師や看護師をあらかじめ決めて患者に連絡先を提供する、患者の求めに応じて当該診療所と
別の医療機関が連携して 24 時間往診が可能な体制を確保している、緊急時に入院できる病床を常に確保しているなどの
要件を満たすとして届け出た診療所。平成 18 年の診療報酬の改定により新たに設置された。
33
第4章
計画の推進
1.計画の推進体制
(1)
市町村との連携
市町村は、県民にとって最も身近な行政機関として地域住民の健康づくり全般に重要な
役割を担っており、地域の実情に応じた健康づくりのための施策を推進するために、市町
村と連携して取り組みを進めます。
また、市町村は介護保険の保険者であり、療養病床の再編成による介護施設等への転換
に当たって、関係市町村と調整を図ります。
(2)
保険者、医療機関その他関係者の連携と協力
県民の健康の保持のためには、自らが望ましい健康観を理解し、生活習慣を自己管理で
きるように、県民一人ひとりが主体的に取り組むことが健康づくりの第一歩となります。
家庭・地域・学校・職場などが一体となって、保険者、医療機関、その他の関係者との
連携を図り、県民運動につなげていきます。
また、県民ができるだけ住み慣れた地域で安全・安心して暮らすことができる体制整備
を目指して、療養病床の再編成、医療機能の分化と連携、在宅での医療や介護の充実、地
域での見守りの仕組みづくりなどに向けて、保健、医療、介護、福祉の関係者と地域住民
が連携・協力して取り組みます。
2.計画の評価及び活用
定期的に計画の達成状況を点検し、評価し、その結果に基づいて必要な見直しにつなげ
る「PDCA サイクル」による進行管理を行います。
(1)
進捗状況の評価
平成 22 年度の計画の中間年に進捗状況に関する評価を行い、その結果を公表します。
評価の結果は、必要に応じて達成すべき目標値の設定や取り組むべき施策などの見直し
に活用するとともに、次期計画の策定に活かします。
34
(2) 実績の評価と活用
計画期間終了の翌年度の平成25 年度に、目標の達成状況や施策の実施状況に関する調
査・分析を行い、計画の実績の評価を行います。
評価の内容は、厚生労働大臣に報告するとともに、これを公表します。
なお、評価の結果、厚生労働大臣は、医療の効率的な提供の推進に関する目標を達成し、
医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内の診療
報酬を、地域の実情を踏まえて、適切な医療を各都道府県間で公平に提供する観点から合
理的と認められる範囲内で、他の都道府県の区域内の診療報酬と異なる定めをすることが
できることになっています。
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
第1期
進捗状況評価
平成26年度
平成27年度
第1期
実績評価
第1期医療費適正化計画期間
第2期
進捗状況評価
第2期
計画策定
第2期医療費適正化計画期間
→
第1期医療費適正化計画
健康の保持の推進に関する目標
現
状
と
課
題
○生活習慣病関連による受療率
・脳卒中での受療率
2位(男性)、1位(女性)
・急性心筋梗塞での受療率
6位(男性)、9位(女性)
※年齢調整後の人口10万人当たり
医療の効率的な提供の推進に関する目標
○人口10万人当たりの療養病床数
が全国1位
高知県
957床
全国平均
274床
☆全国平均の約3.5倍
※H18医療施設調査
○平均在院日数が全国3位(全病床)
高知県
46.4日
全国平均
32.2日
長野県
25.0日
☆長期入院患者が多い。
※H18病院報告、介護療養病床を除く全病床
※H14医療機能調査
対
応
策
5
つ
の
数
値
目
標
目
標
達
成
に
向
け
た
施
策
<よさこい健康プラン21>
○ 特定健康診査の実施
○ 特定保健指導の実施
○ メタボリックシンドローム該当者・予備群
の減少
<地域ケア体制整備構想>
○ 療養病床の転換の促進
○ 在宅医療・在宅介護の充実強化
○ 医療と介護の連携
①
④ 転換後の医療療養病床数
6,793床(回復リハ除く)
→ 3,082床(H24 年度末)
※3,711床の転換を促進
②
③
特定健康診査の実施率
70%(H24)
特定保健指導の実施率
45%(H24)
該当者・予備群の減少率
10%減(H24)
<よさこい健康プラン21>
① 実施率向上のための普及啓発
② 未受診者・治療中断者対策
③ かかりつけ医と連携した生活習慣
改善への取り組み など
<地域ケア体制整備構想>
○ 療養病床の再編成
① 入院患者の医療や介護の必要
性に則した転換の促進
② 転換に伴う施設整備へ助成
○ 地域ケア体制の整備
① ケアカンファレンス体制の確立と普及
② 地域包括支援センターの機能強化
35
○
○
<第5期高知県保健医療計画>
医療連携の推進
在宅医療の充実強化
⑤ 平均在院日数の短縮
(最短の県との差の1/3を短縮)
本県の短縮日数(H18病院報告)
(46.4-25.0)/3=7 . 2 日
→ 目標 46.4-7.2=39 . 2 日
<第5期高知県保健医療計画>
○ 医療機関の機能分化と連携
① 医療機関の連携体制の構築
② 開放型病床の設置と医療設備の
共同利用
③ 地域連携クリニカルパスの導入促進
○ 在宅医療の促進
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