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アメリカ経済グラフポケット(2016 年 11 月号)
米国経済 2016 年 11 月 9 日 全8頁 アメリカ経済グラフポケット(2016 年 11 月号) 2016 年 11 月 7 日発表分までの主要経済指標 ニューヨークリサーチセンター 上野 まな美 エコノミスト 橋本 政彦 実質GDPの推移 (前期比年率、%、%pt) 政府支出 6 純輸出 4 在庫投資 2 住宅投資 0 設備投資 個人消費 -2 実質GDP成長率 -4 12 13 14 2014 (前期比年率、%、%pt) 10-12 国内総生産 2.3 個人消費 4.6 設備投資 -1.1 住宅投資 11.4 政府支出 -0.4 輸出 4.5 11.2 輸入 寄与度 個人消費 3.1 設備投資 -0.1 住宅投資 0.4 在庫投資 0.2 政府支出 -0.1 輸出 0.6 -1.7 輸入 15 1-3 (年) 16 2015 4-6 7-9 10-12 1-3 2016 4-6 7-9 2.0 2.4 1.3 13.3 2.6 -5.8 5.6 2.6 2.9 1.6 14.9 3.2 2.9 2.9 2.0 2.7 3.9 12.6 1.9 -2.8 1.1 0.9 2.3 -3.3 11.5 1.0 -2.7 0.7 0.8 1.6 -3.4 7.8 1.6 -0.7 -0.6 1.4 4.3 1.0 -7.7 -1.7 1.8 0.2 2.9 2.1 1.2 -6.2 0.5 10.0 2.3 1.6 0.2 0.4 1.0 0.5 -0.8 -0.9 1.9 0.2 0.5 -0.5 0.6 0.4 -0.4 1.8 0.5 0.4 -0.6 0.3 -0.4 -0.2 1.5 -0.4 0.4 -0.4 0.2 -0.3 -0.1 1.1 -0.4 0.3 -0.4 0.3 -0.1 0.1 2.9 0.1 -0.3 -1.2 -0.3 0.2 0.0 1.5 0.2 -0.2 0.6 0.1 1.2 -0.3 ( 出 所 ) BEA, Haver Analytics よ り 大 和 総 研 作 成 株式会社大和総研 丸の内オフィス 〒100-6756 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー このレポートは投資勧誘を意図して提供するものではありません。このレポートの掲載情報は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性、完全性を保証する ものではありません。また、記載された意見や予測等は作成時点のものであり今後予告なく変更されることがあります。㈱大和総研の親会社である㈱大和総研ホールディングスと大和 証券㈱は、㈱大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です。内容に関する一切の権利は㈱大和総研にあります。無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。 2/8 雇用環境1 ◆ 2016 年 10 月の失業率は 4.9%と前月から 0.1%ポイント低下した。労働参加率の低下が失 業率を押し下げた。 ◆ 10 月の非農業雇用者数の前月差は 16.1 万人増と伸びが前月から鈍化したが、堅調さが維持 された。非農業雇用者数の前月差の 6 ヵ月平均は 17.9 万人増であった。 非農業雇用者数と失業率 労働参加率と就業率 (前月差、万人) 60 (%) 12 非農業雇用者数 (%) (%) 67 64 労働参加率 失業率(右軸) 就業率(右軸) 40 10 63 66 20 62 8 0 65 -20 61 6 60 64 -40 4 59 -60 2 -80 -100 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 63 58 62 57 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (年) (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 理由別失業者数 定義別失業率 (万人) 400 自己都合 (万人) 1,200 再び職を探している 新たに職を探している 350 会社都合(右軸) (%) U-5+経済的理由のパート労働者(U-6) 20 失業者+潜在的失業者(U-5) 18 失業者+就職を諦めた人(U-4) 16 失業率(U-3) 14 非自発的離職者 (U-2) 15週以上の 失業率(U-1) 1,000 300 800 250 12 600 200 U-6 10 8 150 400 6 100 200 50 U-1 4 2 0 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 0 05 06 07 08 09 10 11 12 (年) (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 1 13 14 15 16 (年) (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 大和総研 ニューヨークリサーチセンター 橋本政彦「時給は 2009 年以来の高い伸び」(2016 年 11 月 7 日) 参照。http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/usa/20161107_011379.html 3/8 個人消費 ◆ 2016 年 9 月の小売売上高は前月比 0.6%増と、2 ヵ月ぶりに増加した。コア小売売上高も 0.1%増加した。 ◆ 10 月の自動車販売台数は前月比 1.5%増加し、年率換算で 1,802 万台であった。年率換算の 販売台数が 1,800 台超となったのは 2015 年 11 月以来で、好調な数字を示した。 ◆ 10 月のロイター/ミシガン大消費者センチメントは、前月の 91.2 から 87.2 へと大幅に低下 した。期待指数の低下が全体を押し下げ、2015 年 9 月以来の低水準となった。 小売売上高の推移 消費と株価 (億ドル) (億ドル) 5,000 小売売上高 コア小売売上高(右軸) 2,800 4 2,600 2 10 2,400 0 0 2,200 -2 -10 2,000 -4 -20 1,800 -6 -30 1,600 -8 -40 1,400 -10 4,500 4,000 3,500 (3ヵ月前比、%) 30 3,000 (3ヵ月前比、%) 6 小売売上高 株価(右軸) 20 3,000 2,500 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (年) (注)コア小売売上高は自動車ディーラー、ガソリンスタンド、 建材・園芸、飲食サービスを除く。 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 (注)株価はWilshire5000。 (出所)Census, Dow Jones, Haver Analyticsより大和総研作成 消費者マインド 自動車販売台数 (年率換算、万台) 消費者信頼感指数(1985=100) 120 -50 05 16 2,200 ロイター/ミシガン大消費者センチメント(1966Q1=100) 2,000 100 1,800 80 1,600 60 1,400 40 1,200 20 1,000 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)ロイター/ミシガン大, Conference Board, Haver Analyticsより 大和総研作成 800 16 (年) 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)Autodata, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 16 (年) 4/8 住宅市場 ◆ 2016 年 9 月の新築住宅着工(一戸建てと集合住宅を含む)は、前月比 9.0%減の年率換算 104.7 万戸であった。一戸建ては増加したものの、変動が大きい集合住宅の大幅減が全体を 押し下げ、2015 年 3 月以来の低水準となった。 ◆ 9 月の中古住宅販売(一戸建て)は、前月比 4.1%増の年率換算 486.0 万戸であった。3 ヵ 月ぶりに増加し、販売が加速した。 ◆ 9 月の新築住宅販売(一戸建て)は、前月比 3.1%増の年率換算 59.3 万戸となった。金融危 機以降では、7 月に次ぐ高水準である。 ◆ 8 月のケースシラー住宅価格指数(20 都市)は前月から 0.2%上昇した。住宅の在庫不足な どから住宅価格が押し上げられ、2 ヵ月連続の上昇となった。 住宅ローン申請件数 住宅販売(一戸建て) (年率換算、万戸) (年率換算、万戸) 700 140 (2005=100) 450 新規申請 中古住宅販売 650 借換申請 400 新築住宅販売(右軸) 住宅ローン申請件数 120 350 600 100 550 300 250 500 80 200 450 60 400 150 100 40 350 50 300 20 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 16 (年) (出所)Census, NAR, Haver Analyticsより大和総研作成 住宅価格 住宅着工と建設業者の景況感 (最大=100) (年率換算、万戸) 80 (2000/01=100) (1991/01=100) 260 240 220 220 210 200 200 240 180 190 230 160 180 220 140 170 210 120 160 200 100 150 190 80 140 180 60 130 170 40 120 ケースシラー住宅価格指数 (20都市) FHFA住宅価格指数(右軸) 建設業者の景況感 70 新築住宅着工(右軸) 60 50 40 30 20 10 0 05 06 07 08 09 10 (年) (出所)MBA, Haver Analyticsより大和総研作成 11 12 13 14 (出所)Census ,NAHB, Haver Analyticsより大和総研作成 15 16 (年) 250 160 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)S&P, FHFA, Haver Analyticsより大和総研作成 5/8 企業動向 ◆ 2016 年 9 月の鉱工業生産指数は前月比 0.1%と僅かに上昇し、2 ヵ月ぶりの上昇に転じた。 指数全体の約 8 割を占める製造業(SIC ベース)は、同 0.2%上昇した。 ◆ 9 月の国防・民間航空機を除く資本財受注(コア資本財受注)は前月比 1.3%減と、4 ヵ月 ぶりに減少した。 ◆ 10 月の ISM 製造業指数は前月から 0.4%ポイント上昇し、51.9%であった。生産や雇用が改 善し、2 ヵ月連続で基準となる 50%を上回り、緩やかな成長を示した。非製造業指数は同 2.3%ポイント低下し、54.8%となった。 鉱工業生産と設備稼働率 企業の景況感 (%) (2012=100) 110 85 鉱工業生産 設備稼働率(右軸) 83 105 (%) ISM製造業 ISM非製造業 65 60 81 79 100 77 95 55 50 75 73 90 71 45 40 69 85 35 67 80 65 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 30 05 06 07 製造業の出荷・在庫 耐久財受注 (前年比、%) (億ドル) 20 在庫 3,000 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (億ドル) 750 耐久財受注 出荷 15 08 (出所)ISM, Haver Analyticsより大和総研作成 資本財受注(国防・民間航空機除く、右軸) 2,800 700 10 2,600 5 0 2,400 -5 2,200 650 600 550 -10 2,000 -15 500 1,800 -20 450 1,600 -25 -30 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 400 1,400 16 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (年) (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 16 (年) (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 6/8 物価動向 ◆ 2016 年 9 月の CPI(消費者物価指数)は前年比 1.5%上昇した。インフレ率は FRB の長期目 標である 2%を下回る推移が続いているものの 2014 年 10 月以来の高い伸びとなった。コア CPI は、同 2.2%上昇した。 ◆ 10 月の 2 年先期待インフレ率は 1.61%と前月から低下し、5 年先期待インフレ率も 1.58% と前月から低下した。 ◆ 10 月末の WTI 原油先物価格は 46.86 ドル/バレルで、9 月末の 48.24 ドル/バレルから下落し た。一時 50 ドル/バレルを超えたものの、前月の OPEC による減産合意に対する疑念などか ら、月末にかけて価格が下落した。 消費者物価指数 期待インフレ率 (%) (前年比、%) 6 3.5 コアCPI 5年先・期待インフレ率 CPI 5 2年先・期待インフレ率 3.0 4 2.5 3 2.0 2 1 1.5 0 1.0 -1 0.5 -2 -3 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 0.0 16 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (注)コアCPIは食品、エネルギーを除く。 (出所)BLS, Haver Analyticsより大和総研作成 16 (年) (出所)Cleveland Fed, Haver Analyticsより大和総研作成 (ドル/バレル) (1973=100) 実効為替レート(ブロード) コモディティ価格 (1967=100) 130 15 (年) 500 実質実効ドル(1973年3月=100) 名目実効ドル(1997年1月=100) (ドル/バレル) 160 RJ/CRB先物指数 WTI原油先物価格(直近限月、右軸) 450 140 120 400 120 110 350 100 300 100 250 90 80 200 60 150 80 40 100 70 20 50 0 60 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 13 14 15 0 05 16 (年) 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)Wall Street Journal, CRB, Haver Analyticsより大和総研作成 7/8 輸出入・経常収支 ◆ 2016 年 9 月の貿易収支(財・サービス)は、輸出が前月比 0.6%増加し、輸入が同 1.3%減 少した。この結果、貿易赤字は同 9.9%減の約 364 億ドルに縮小した。 ◆ 輸出入(財)を商品別に見ると、輸出では民間航空機といった資本財が増加し、輸入では資 本財や医薬品などの消費財が減少した。 ◆ 地域別(財)では、日本への輸出が前年比 19.6%増と著しく増加し、中国向けが同 1.4%増 加、欧州向けも同 1.2%増加した。輸入は、日本からの輸入が同 5.2%増加した一方で、欧 州からの輸入は同 1.7%減少し、中国からの輸入も同 8.1%減少した。中国からの輸入は 7 ヵ月連続で前年を下回った。 貿易収支動向 経常収支の推移 (億ドル) (億ドル) (%) 3,000 0 0 貿易収支(右軸) 輸出 輸入 2,500 (億ドル) 0 経常収支(右軸) -100 経常収支/GDP -1 -500 -200 -2 -300 -3 -400 -4 -500 -5 -600 -6 -700 16 (年) -7 2,000 -1,000 1,500 -1,500 1,000 -2,000 500 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 05 06 07 国・地域別輸入動向 (前年比、%) (前年比、%) 欧州 中国 09 10 11 12 13 14 15 -2,500 16 (年) (出所)BEA, Haver Analyticsより大和総研作成 国・地域別輸出動向 30 08 50 日本 25 40 20 30 15 欧州 中国 日本 20 10 10 5 0 0 -10 -5 -20 -10 -30 -15 -40 -20 12 13 14 15 12 16 13 14 (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 15 16 (年) (年) (出所)Census, Haver Analyticsより大和総研作成 8/8 金融・財政 ◆ 2016 年 11 月の FOMC(連邦公開市場委員会)において、政策金利である FF(フェデラルフ ァンド)レートの目標レンジが据え置かれた。また、保有する資産規模については、現在の 水準を維持することが決定された。FRB の資産残高は、直近の 11 月 2 日の週平均が約 4 兆 5,000 億ドルであった。 ◆ 10 月の長期金利(10 年債利回り)の平均値は 1.76%となった。インフレ率の高まりや、年 内の利上げ観測などから、月中平均値として 5 月以来最高となった。 ◆ 連邦政府の財政収支(12 ヵ月平均)は、このところ赤字幅が拡大している。 タームプレミアム(10年) 政策金利・長期金利 (%) (%) 6 FFレート誘導目標 6 期待短期金利 タームプレミアム 10年国債利回り 10年債利回り 5 5 4 4 3 3 2 2 1 1 0 0 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 -1 16 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年) (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 (年) (出所)NY連銀, Haver Analyticsより大和総研作成 FRBの資産構成 連邦政府の財政収支 (兆ドル) (億ドル) 5.0 4.5 4.0 16 (億ドル) 0 3,500 -200 3,000 -400 2,500 -600 2,000 -800 1,500 -1,000 1,000 その他 3.5 3.0 MBS、政府 機関債 2.5 2.0 国債 1.5 1.0 財政収支 歳入(右軸) 歳出(右軸) -1,200 0.5 -1,400 0.0 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年) (出所)FRB, Haver Analyticsより大和総研作成 0 05 16 500 06 07 08 09 10 11 12 13 (注)データは12ヵ月移動平均。 (出所)米財務省, Haver Analyticsより大和総研作成 14 15 16 (年)