Comments
Description
Transcript
報告書 - NICT
「今後の研究開発テストベッドネットワークに関する検討会」 報告書 平成19年3月30日 目 次 第一章 JGN2の概要と成果 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 1 第一章 JGN2の概要と成果 第一章 JGN2の概要と成果 1-1. JGN2の概要(1) ○ 目的 情報通信技術(ICT)の研究開発 基礎的・基盤的な研究開発から実用化に向けた実証実験 まで幅広い研究活動を推進 産・学・官・地域の連携 実践的な研究活動を通じたICT分野の人材育成 地域における研究活動等を通じた地域活性化 全国64 ヶ所 全国64ヶ所 アクセスポイント 札幌 ○ 概要 超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク 最大20Gbpsの超高速ネットワーク 各都道府県にアクセスポイントを設置(全国64ヶ所) 米国、シンガポール、タイへ国際回線を整備 多様な実験が可能な光テストベッド環境も整備 最先端の光交換機(OXC)を導入し、高速交換等を実践 那覇 仙台 金沢 ○ 利用方法 研究開発・実証実験目的であれば誰でも利用可能な オープン環境 「共同研究契約」に基づき「研究計画書」を提出 岡山 名古屋 長野 つくば 国際接続 3ヶ国 東京 大阪 けいはんな 北九州 福岡 高知 米国 シカゴ ○ 運営方法 NICTによる運営 ○ 研究開発推進体制 タイ バンコク シンガポール 全国7箇所のリサーチセンター ○ 運営時期 平成16年4月∼平成20年3月(予定) コアネットワーク拠点間の幹線(10Gbps/20Gbps/光テストベッド) コアネットワーク拠点(アクセスポイントとしても利用可能:17ヶ所) 各都道府県のアクセスポイント(47ヶ所) NICTリサーチセンター(7ヶ所) 3 第一章 JGN2の概要と成果 1-1. JGN2の概要(2) JGN2推進体制 推進体制 NICT 次世代高度ネットワーク推進会議 (開催:年1回程度) 会長 : 宮原秀夫(大阪大学) 研究開発 研究開発 リサーチセンター(全国7ヶ所) JGN2を利用した研究開発の推進方策の検討 利用促進方策の検討 基本運営方針の検討 国内外の産・学・官・地域との連携の促進 他 研究テーマ 1 高信頼コアネットワーク技術 2 アクセス系ネットワーク技術 3 拠点連携型資源共有技術 4 プラットフォーム・アプリケーショ ン技術 幹事会 幹事会 (開催:年6回程度) (開催:年6回程度) 代表幹事 : 青山友紀(慶應義塾大学) JGN2の運営方針の検討 JGN2を利用した研究開発の具体的な推進方策の検討 他 ネットワーク運用 ネットワーク運用 利用促進部会 研究推進部会 (開催:年2回程度) (開催:年2∼3回程度) 部会長:相原玲二(広島大学) 連携 JGN2の利活用促進と研究開発の活性化 に関する検討 産・学・官・地域との連携に関する具体的 な促進方策の検討 他 部会長:尾家祐二(九州工業大学) NICTと他の研究機関等との連携方策 JGN2を用いた研究開発テーマの検討 他 国際共同研究推進部会 (開催:年2∼3回程度) 部会長:池田佳和(東京工業大学) 部会長:池田佳和(東京工業大学) JGN2ネットワーク オペレーションセンター (NOC) 事務局 事務局 JGN2国際回線を用いた研究開発 他 連携研究部門 テストベッド推進グループ 地域協議会 等 4 第一章 JGN2の概要と成果 1-1. JGN2の概要(3) JGN2運用体制 組織体制 NICT 研究開発 研究開発 19名 (98名) ネットワーク運用・管理 ネットワーク運用・管理 16名 他 事務局 事務局 14名 (17名) 主な業務 NICTリサーチセンター 全国7ヶ所 (東北、つくば、大手町、大阪、中国、四国、九州) 統括/副統括責任者 主席拠点研究員 拠点研究員 (特別研究員 • 高信頼コアネットワーク技術 アクセス系ネットワーク技術 拠点連携資源共有技術 プラットフォーム・アプリケーション技 術 6名 3名 10名 79名) JGN2大手町ネットワークオペレーションセンター(NOC) 国内担当 国際担当 連携研究部門長 グループリーダー/マネジャー 主査・担当 (補助 • ネットワーク監視/制御 • 新規パスの設定・削除 • 直轄研究(リサーチセンターの研 究活動)や一般研究の側面支援 • JGN2センター(JGN2利用窓口、 問い合わせ窓口、運用事務局) • RC事務局、各会議事務局、各部 会事務局、イベント企画・各種調 査等 9名 他 7名 他 テストベッド推進グループ(NICT連携研究部門) 1名 2名 11名 3名) 4つのテーマに関する研究 注)人員構成は2007年2月現在 研究開発 研究開発 NICT小金井本部/NICTけいはんな支所等 5 第一章 JGN2の概要と成果 1-1. JGN2の概要(4) JGN2における提供サービス L3: L3: IP接続 IP接続 -- JGN2の利用者間、あるいはJGN2利用者と他の研究用ネットワーク等との間をIPレベル(IPv4/IPv6デュアルスタック) JGN2の利用者間、あるいはJGN2利用者と他の研究用ネットワーク等との間をIPレベル(IPv4/IPv6デュアルスタック) で接続を提供するサービス で接続を提供するサービス ネッ ット トワ ワー ーク ク ネ L2: L2: Ethernet接続 Ethernet接続 -- 拠点間接続サービス:2つのアクセスポイント間を、VLANによるL2接続で結ぶサービス 拠点間接続サービス:2つのアクセスポイント間を、VLANによるL2接続で結ぶサービス -- 多地点接続サービス:複数のアクセスポイント間を同一VLANによるL2接続で結ぶサービス 多地点接続サービス:複数のアクセスポイント間を同一VLANによるL2接続で結ぶサービス 光テストベッド 光テストベッド -- 大手町−つくばRC、NICTけいはんなセンター−堂島、大手町−秋葉原、つくば−秋葉原、大手町−小金井において提供 大手町−つくばRC、NICTけいはんなセンター−堂島、大手町−秋葉原、つくば−秋葉原、大手町−小金井において提供 -- 特定のアクセスポイント間で光伝送等の実験を行うためのサービス 特定のアクセスポイント間で光伝送等の実験を行うためのサービス OXC接続 OXC接続 -- 大手町(2個所)、堂島、けいはんな、福岡、金沢にて提供 大手町(2個所)、堂島、けいはんな、福岡、金沢にて提供 -- OXC設置アクセスポイント間を光波長レベルで接続するサービス(インタフェースは、1Gbpsと10Gbpsの2種類) OXC設置アクセスポイント間を光波長レベルで接続するサービス(インタフェースは、1Gbpsと10Gbpsの2種類) 国際回線 国際回線 -- 米国回線(東京∼シカゴ、10Gbps)、シンガポール(東京∼シンガポール、155Mbps)、タイ(東京∼バンコク、45Mbps)の 米国回線(東京∼シカゴ、10Gbps)、シンガポール(東京∼シンガポール、155Mbps)、タイ(東京∼バンコク、45Mbps)の 3種類の国際回線を整備 3種類の国際回線を整備 運用 運用 管理 管理 オペレーションサービス(国内・国際) オペレーションサービス(国内・国際) -- 回線設備、アクセスポイントの遠隔運用管理 回線設備、アクセスポイントの遠隔運用管理 -- 問い合わせ対応を通じた技術支援 問い合わせ対応を通じた技術支援 6 第一章 JGN2の概要と成果 1-2. JGN2を取り巻く環境変化 JGN (1999.4∼2004.3) 1999 2000 2001 2002 JGN2 (2004.4∼2008.3) 2003 2004 2005 2006 2007 100M光ネットワーク黎明期 100M光ネットワーク黎明期 100M光ネットワーク普及期 100M光ネットワーク普及期 市場 場環 環境 境 市 商用 インフラ ネットワーク ▲iモード開始 オープン ▲FTTH開始 マルチメディア FTTH 1200万回線▲ IP電話 1500万回線▲ NGN商用化▲ ▲おサイフケータイ開始 ▲携帯向け音楽配信開始 ▲050によるIP電話開始 ▲YouTube開始 ▲ISPによる映像配信サービス開始 薄型テレビ販売台数870万台/年▲ ▲地上デジタル放送開始 ▲ワンセグ開始 サイマル解禁▲ ブロードバンド 他テ テス スト トベ ベッ ッド ド 他 ▲ApGrid ▲CSTNET(中) ▲APAN(亜) ▲Abilene(米) (Internet2) ▲JGN2米国回線 ▲StarLight(米) ▲CA*net4(加) ▲TeraGrid(米) ▲Planet Lab(米) 携帯端末の高機能化 ネットワーク家電の普及 ▲JGN2アジア回線 GENI(米)▲ Internet2新NW(米)▲ ▲6NET(欧) 通信・放送機構(認可法人) 運営 営 運 ATM、IPv6 全国5ヶ所のギガビッドラボ 全国10ヶ所のリサーチセンター アクセスポイント66ヶ所(ATM交換設備10ヶ所含む) GEANT2(欧)▲ TEIN2(欧)▲ 大容量コンテンツ流通 商用サービスの 商用サービスの 多様化・高度化 多様化・高度化 テストベッド間連携の より一層の進展 AARNET3(豪)▲ TransPAC2(米)▲ ネットワーク普及が ネットワーク普及が 急速に進展 急速に進展 ブロードバンドの さらなる普及 ▲SINET3 部分運用開始 CERNET2(中)▲ TEIN(欧)▲ ▲GEANT(欧) ▲SURFnet6(蘭) 1G光普及期 1G光普及期 ▲NICT中国回線 ▲CERNET(中) 2010 SNS/Web2.0 ▲GLIF設立 KOREN第三期(韓国)▲ ▲KREONet2(韓国) GROLIAD(米中露)▲ 内容・ サービス ネットワーク対応AV家電 ▲APII 主な環境変化 IPv v6時代 IP IPv6時代 ▲スーパーSINET 国内 主体 2009 100M光ネットワーク成熟期 光ネットワーク成熟期 100M 100M光ネットワーク成熟期 IPv4時代 IPv4時代 ▲ADSL開始 海外 2008 1G光ネットワーク黎明期 1G光ネットワーク黎明期 通信 サービス 情報 サービス 将来 TEIN3(欧)▲ 情報通信研究機構(独立行政法人) テストベッド環境の 世代交代への対応 先進国以外の 幅広い国々での利用 テストベッドの テストベッドの 連携 連携 Ethernet 、IPv6、光テストベッド、OXC 全国7ヶ所のリサーチセンター アクセスポイント全国64ヶ所 国際接続3箇国(米国、シンガポール、タイ) 7 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(1) JGN2を利用する理由 JGN2を利用する理由 JGN2を利用する理由 JGN2を利用する理由 JGN2を利用する理由 N=102 0% 10% 20% 30% 40% 50% 55% 大容量のトラフィックを流すことが可能 41% 研究費を大幅に節約可能 40% 遠距離ネットワークが必要 31% アクセスポイントが近くにある アクセスポイントが全国にある 21% 提供サービスが充実 19% 15% 設定が自由にで き使い勝手が良い ネットワーク研究基盤として の信頼性高い 11% 海外との共同研究が可能 11% L2までの自由度 • 「L2レベルで利用することが可能であり、研究の自由度が高い。L3での研 究においても、下の層のL2を自分の研究に合わせて固定できる意味は大 きい」 7% 技術スタッフのサポートが充実 人脈作りが可能 5% 最先端の研究動向に関する情報取得が可能 3% 1% 申請手続きが簡素 0% 研究資金を確保し やすい 0% その他 事業者中立性 • 「先進的なネットワークを利用した実証実験にはキャリアの協力が必要。 協力先への導入見込みが前提となるため、必然的に特定キャリア向けの 仕様となってしまう。このことが、海外展開の足かせになることがある。 JGN2ならば事業者に中立な開発が可能」 20% 利用時間に制限がない JGN2センターのサポートが充実 60% 接続のオープン性 • 「SINETは大学内に情報センターがないと接続できない。JGN2は縛りがな い」 • 「(共同研究の相手である)民間企業や自治体も接続できる」 • 「キャリアのネットワーク利用では立ち入りさえできないエリアの機器に触 れ、実際に接続作業を行うことは、(ネットワーク機器の)開発者にとって貴 重な経験となった」 9% (選択肢の中から3つまでの複数回答) 占有可能な広帯域回線 • 「遠隔地間で共同研究する上で密度の高いコミュニケーションは不可欠。 JGN2の回線を利用した高画質なTV会議システムのおかげで円滑に研究 を推進できた」 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 8 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(2) JGN2が研究開発プロジェクトに与えた影響 ■ 「JGN2をきっかけとして企画立案」されたプロジェクトは全体の37%。 ■ JGN2が研究開発プロジェクトに与える成果・効果として大きいのは、「研究開発成果の実環境による実証」と「コストダウン」。 研究開発プロジェクトにおけるJGN2 の位置付け 研究開発プロジェクトにおけるJGN2の位置付け JGN2が研究開発プロジェクトに与える成果・効果 JGN2が研究開発プロジェクトに与える成果・効果 無回答 3% 80% 70% 企画立案は JGN、JGN2が きっかけではない 43% JGN2をきっかけ として企画立案 37% 60% 70% 61% 59% 54% 70% 企画立案はJGN、JGN2がきっか けではない(N=47) 61% 60% 50% 50% 41% 35% 20% 10% 40% 29% 30% 22% 18% 14% 14% 14% 14% 9% 5% 20% 8% 3% 10% 2% 3% 0% 2% その他 研究予算 の確保 と活動の継 続 研究活動 を通 じ た地域 の活性 化 情報通信 分野の 人材育成 他研究者 との協 力関係の構築 研究開発 の大幅 な進展 コストダウン 研究開発 成果の 実環境 による 実 証 0% 43% 32% 29% 24% 31% 28% 22% 27% 30% JGNがきっかけで 企画立案され 現在まで継続 17% 80% JGNをきっかけとして企画立案さ れ現在まで継続(N=17) 40% 光スイッチ、映像伝 送、教育、放送分野 において比率が高い N=101 JNG2をきっかけとして企画立案 (N=37) N=102 (選択肢の中から2つまでの複数回答) 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 9 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(3) JGNとJGN2の比較 ■ JGNとJGN2の大きな違いは研究テーマ領域の変化 研究開発プロジェクト数 研究テーマ領域 19% 155件 (開始後3年経過時点/2001年12月) 内訳 一般応募 JGN 公募利用 直轄研究 民間企業、大学等の研究機関による 研究開発 93件 ギガビットネットワーク利活用研究開発 47件 制度による研究開発 TAOがリサーチセンターを通して自ら行う 15件 研究開発 参考 ギガラボ研 究 イベント利 用 共同利用型研究開発施設(ギガラボ)における研究活 動 76件 デモンストレーション、講演会等の一時的な利用 49件 注)研究開発プロジェクト数: ギガラボ研究、イベント利用を除く 21% ネット ワーク ミドル ウェア 1 2 3 4 5 投資推計 教育・コミュニケーション 医療・福祉 エンターティメント 産業・科学研究基盤 その他 19% 14% 14% 12% 1% 資料)「研究開発ギガビットネットワーク事業評価調査報告書」H14.4 注)研究プロジェクトには複数の分野に属するものがある。 152件 ネット ワーク 約37∼76億円 59% アプリケ ーション アプリケーション関連技術 38% アプリケ ーション ケースⅠ:36.8億円 *アンケート有効回答集計値 ケースⅡ:75.8億円 *研究プロジェクト全体の推計値 注)アンケートによる有効回答率が、機器費用に関する項目50.0%、人 員に関する項目38.9%であった。JGN全体の研究投資を推計する際に は設備投資、人件費をそれぞれ有効回答率で割り戻し推計 34% 約37∼80億円 (開始後3年経過時点/2006年12月) JGN2 研究投資 ミドル ウェア 28% アプリケーション関連技術 内 訳 一般応募 民間企業、大学等の研究機関による 137 研究開発 件 NICTがリサーチセンターを通して自ら行 直轄研究 う研究開発 15件 参考 イベント 利用 デモンストレーション、講演会等の一時的な利用 注)研究開発プロジェクト数: イベント利用を除く 185 件 1 2 3 4 5 6 教育 科学 放送 医療 災害対策 その他(アプリケーション関連 投資推計 11% 7% 7% 6% 4% 3% ケースⅠ:36.5億円 *アンケート有効回答集計値 ケースⅡ:79.8億円 *研究プロジェクト全体の推計値 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 注)アンケートによる有効回答率が、機器費用に関する項目69.6%、人員 アンケート未回答プロジェクトについては、各種資料より分類 に関する項目74.5%であった。JGN2全体の研究投資を推計する際には設 注)アプリケーション関連技術の比率は、関連するプロジェクト数合計 備投資、人件費をそれぞれの有効回答率で割り戻し推計 値212に対する割合(研究プロジェクトには複数の分野に属するものがある) 10 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(4) JGN2における研究開発の特徴 注 研究領域別の関連プロジェクト件数 研究領域別の関連プロジェクト件数注 ネットワーク関連技術 ネットワーク関連技術 ミドルウェア関連技術 ミドルウェア関連技術 アプリケーション関連技術 アプリケーション関連技術 注 プロジェクト代表者の属性 プロジェクト代表者の属性注 (件) (件) (件) (件) 大学 65 大学 65 民間 35 民間 35 NICT NICT 26 26 自治体 自治体 55 81 81 59 59 72 72 N=212 注)アンケート未回答プロジェクトについては、 共同研究進捗報告書及び研究計画書をもとにNRIが分類。 高専 33 高専 大学(大学病院) 大学(大学病院) 11 その他 99 その他 N=144 注)アンケート未回答プロジェクトについては、 共同研究進捗報告書及び研究計画書をもとにNRIが分類。 プロジェクト参加者の属性 プロジェクト参加者の属性 大学 大学 民間 民間 国 国 自治体 自治体 462 462 256 256 71 71 92 92 海外 海外 その他 その他 無回答 無回答 (人) (人) 54 54 92 92 41 41 主な研究領域におけるプロジェクト 主な研究領域におけるプロジェクト のトピックス のトピックス 注)アンケート未回答プロジェクトは含まない 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 27 フォトニックネットワーク IPv6 ネッ ッ トワ ワー ーク ク関 関連 連技 技術 術 ネ ト 5 6 セキュリティ 基盤ソフトウェア その他 9% 自治体 2% 3 7 7 6 7 相互接続 マルチキャスト ポリシー制御・QoS 経路制御 その他(ネットワーク関連) 参加者数 365人 365人 N=56 ミド ドル ルウ ウェ ェ ア関 関連 連技 技術 術 ミ ア 高専 3% 7 19 映像伝送 コミュニケーション N IC T 10% 映像伝送分野 その他 5% N=40 16 民間 23% アプ プリ リケ ケー ーシ ショ ョ ン関 関連 連技 技術 術 ア ン 2 3 教育 24 12 13 10 放送 医療・福祉 科学 8 災害対策 その他(アプリケーション関連) 光スイッチは民間企業参加が最も多い分野。 大学等 37% 民間 48% 民間 30% 12 ヒューマンインタフェース その他(ミドルウェア関連) フォトニックネットワーク分野 3 分散システム センサーネットワーク 無回答 2% NICT 34% 10 ネットワーク測定 海外 その他 2% 1% 自治体 2% 国 8% 大学 25% 5 大学 59% 大学(病院) 2% その他 高専 2% 4% 自治体 9% NICT 4% 大学 民間 59% 20% N=46 その他 11% 海外 1% 自治体 12% 無回答 8% ハイビジョン映像配信に関する検証・実験が展開されてい る。 大学等 46% 国 5% 民間 17% 参加者数 222人 222人 コミュニケーション分野 共同作業・研究環境の構築に関する研究が多い。大学に よる研究が多い。 教育、放送分野 その他 12% 海外 6% 地域情報ハイウェイを活用した遠隔教育やデジタル放送コ ンテンツ配信実験が多い。大学、自治体、地域CATVなど による産・学・官連携型のプロジェクトが多い。 無回答 4% 大学等 48% 自治体 13% 国 7% 民間 10% 参加者数 437人 437人 医療・福祉分野 大学病院及び自治体などにより、医療情報共有、遠隔医 療研究等が推進されている 11 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(5) JGN2利用のきっかけ ■ 「JGNの利用経験」、「JGN2を知ったきっかけ」から、約6割がJGN利用者。 ■ 全体の約1/4がJGN時代からの継続プロジェクト。 JGNの利用経験 JGNの利用経験 プロジェクトの開始時期 N=102 N=102 無回答 18% JGNを利用した ことがある 57% JGNを利用した ことがない 25% JGN時代 から開始 JGN2より 開始 24% 74% 40% 36% 30% 25% JGN2を知ったきっかけ JGN2を知ったきっかけ 学術論文や 雑誌記事等 5% 総務省やNICTの ウェブサイト 8% 他の研究者 からの紹介 25% 20% その他 0% N=102 12% 13% 10% 2% 3% 3% 5% 1% 0% JGNを利用 62% 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 以前 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 12 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(6) 研究活動資金 ■ 研究活動資金を所属する組織以外から確保しているプロジェクトは全体の3割。 ■ 所属する組織以外の資金源を見ると、文部科学省と総務省の予算が多い。 研究活動資金の資金源 所属する組織以外からの研究開発予算を 活用している回答者の資金源 研究活動資金の資金源 無回答 1% N=102 所属する組織以外からの 研究開発予算を活用 33% 0% N=34 10% 20% 38% 総務省所管の予算 その他官公庁・自治体 所管の予算 海外研究機関の予算 その他 50% 41% 32% 15% 民間研究機関の予算 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 40% 文部科学省所管の予算 NICTの委託研究や助成金等 所属する組織の 研究開発予算を活用 66% 30% 6% 3% 15% 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 複数回答(いくつでも)による集計値。 13 第一章 JGN2の概要と成果 1-3. 研究開発プロジェクトの促進(7) 国際接続 ■ JGN2国際回線の存在を認知している回答者は92%、実際に利用している回答者は17%。 ■ 現在利用しておらず、今後「利用したい」とする回答者は全体の8%、「条件によっては利用したい」とする回答者を加えると、 新たな利用意向を持つ回答者は全体の22%。 国際接続の利用状況と今後の利用意向 今後の国際接続の利用意向 利用したい 国際接続の利用状況 存在を知っており、 利用している 存在は知っていたが、 利用したことはない 条件によって 利用する予定 は利用したい はない N=102 今後、JGN2国際回線を「利用したい」または 「条件によっては利用したい」とした回答者の、 国際回線を利用する際に求める条件 希望する接続先の国名(複数回答) 総計 17% 0% 0% 17% 7% 13% 56% 75% 存在を知らなかった 1% 1% 6% 8% 総計 25% 14% 62% 100% 北米 アジア 欧州 その他 計 接続先 米国 中国 韓国 マレーシア フィリピン インドネシア タイ アジア地域 スイス フィンランド 欧州 回答数 15 3 2 1 1 1 1 2 1 1 1 1 30 資料) JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月。 14 第一章 JGN2の概要と成果 1-4. JGN2利用に伴う成果(1) ■ 研究成果の実用化について、約3割のプロジェクトで「今後3年以内の実用化」が見込まれている。一方、「未定または検討中」は約半数。 ■ 合計677本の論文 (H17年までに開始されたプロジェクトを対象とした「進捗報告書」(H18.3)より集計)が発表されている。 ■ 「UNS戦略プログラム(総務省 H17.7)」に位置づけられる10の研究分野のうち、 4つの分野で半数のプロジェクトが「貢献している」と回答されている。「新世代 ネットワークアーキテクチャ」、「高度コンテンツ創造流通」、「超臨場感コミュニケーション」の3分野では、約3割のプロジェクトが「大きく貢献」と回答している。 ■ 特許申請件数は19件(うち一般研究17、リサーチセンターによる直轄研究2。平成17年までに開始されたプロジェクトを対象とした「進捗報告書」より集計)。 JGN2の主な成果 研究成果の実用化見込み 発表論文数 約3割のプロジェクトで 3年以内に実用化が見込まれる UNS戦略プログラムへの貢献 UNS戦略プログラムへの貢献 4分野で半数が貢献 200 0% 60% 51% 46% 150 50% 新世代ネットワーク アーキテクチャ【100】 ユビキタスモビリティ【97】 33% 8% 100% 44% 21% 57% 29% 2% 6% 50% 新ICTパラダイム創出【97】 34% 40% 100 ユビキタスプラットフォーム【97】 82% 5% 5% 6% 7% 60% 30% 4% 31%が実用化予定 20% 30% 50 20% 18% 18% センシング・ ユビキタス時空基盤【97】 5% 10% ユビキタス& ユニバーサルタウン【97】 12% 10% 10% 8% ネットワーク ミドルウェア アプリケーション 0% H18 末 H19末 H20 末 H21末 未定または 検討中 N=153 資料) JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 N=301 注)なお、平成17年度までに開始されたプロジェクトを対象とした「進捗状況報 告書」による統計においては、2006年2月時点において677件(一般応募 616件、直轄研究61件)。 スーパーコミュニ 3% ケーション【97】 超臨場感 コミュニケーション【97】 45% 33% 9% 高度コンテンツ 創造流通【97】 0 1% 実用化 済み セキュアネットワーク【97】 78% 28% 大きく貢献 注)カッコ「【】」内の数字は有効回答数。 4% 45% 22% 74% 18% 26% 6% 62% 25% 5% 5% 37% 33% 少し貢献 4% 4% 関連性は低い よくわからない 研究者アンケート(H18.12)より 15 第一章 JGN2の概要と成果 1-4. JGN2利用に伴う成果(2) 研究成果の実用化見込み 0% ネットワーク【46】 ミドルウェア【37】 20% 15% 11% アプリケーション【65】 9% 40% 9% 11% 32% フォトニックネットワーク ネットワーク関連技術 IPv6 【3】 セキュリティ 【5】 基盤ソフトウェア 【2】 相互接続 【3】 マルチキャスト 【3】 ポリシー制御・QoS 【2】 経路制御 【4】 ネットワーク測定 【8】 ミドルウェア関連 ヒューマンインタフェース 【2】 映像伝送 【13】 コミュニケーション 【13】 センサーネットワーク 11% 12% 40% 80% 20% 0% 33% 13% 17% 17% 0% 8% 8% 15% 【2】 アプリケーション関連 【1】 100% 【18】 放送 【9】 44% 11% 22% 医療・福祉 【9】 44% 11% 22% 【19】 【6】 11% 11% 47% 17% 25% 実用化済み 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 カッコ「【】」内の数字は有効回答数。 56% 11% 50% H19末 H18末 11% 22% 26% 33% 25% H20末 27 24 1 0 H21末 未定または 検討中 26 【11】 15 【12】 15 【17】 【9】 25% • ヒューマンインターフェース・映像伝送 ‒ 4K非圧縮デジタルシネマ伝送実験に成功。 ‒ DVクォリティでCATV事業者間のリアルタイム配信を実現 ‒ 映像伝送実験等の実証により、実環境下にてIPv6による放送マ ルチキャストを実証。 ‒ 地方・中小企業の技術・意識レベルを底上げ。 2 【23】 5% 11% 5%5% 25% 5 【15】 62% 100% 11% 11% 26 7 【14】 54% 31% 7 【5】 100% 23% 6 【7】 50% 【4】 • フォトニックネットワーク ‒ JGN2という、実フィールドでの検証結果は世界的に見て貴重であ り、国際学会でも高く評価されている。 ‒ 次世代の通信機器市場における日本の国際競争力向上への寄 与が期待できる。 • ネットワーク測定 ‒ 実フィールドでの検証の過程で必要となる測定機器・システムも一 部実用化に向かっている。 • 相互接続、経路制御等 ‒ 国際接続が大きく進展した。GMPLSによる10Gクラスの相互接続、 経路制御が実環境で検証された。 ‒ 日本がネットワーク面でもアジアのゲートウェイとしての役割を果 たす方向で機能している。 2 【2】 33% 50 0 【7】 33% 17% 40 13 【4】 63% 33% 30 2 【5】 50% 13% 20 0 【2】 25% 13% 研究領域別の研究成果トピックス 39 【4】 【3】 33% 100% 25% 10 【2】 67% 0% 【2】 その他(アプリケーション関連) 【4】 20% 50% 教育 災害対策 【3】 20% 50% 67% 0 【25】 67% その他(ミドルウェア関連) 【1】 0% 科学 100% 77% 40% 102 59 140 32% 60% 33% 【6】 ネットワーク ミドルウェア アプリケーション 57% 23% その他(ネットワーク関連) 【3】 分散システム 5% 20% 【13】 100% 57% 2% 11% 0% 80% 11% 16% 論文発表数 60% 42 9 33 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 カッコ「【】」内の数字は有効回答数。 • 教育・コミュニケーション ‒ 開発した商品をユーザーに実際に利用してもらうことにより、ユー ザーニーズの発掘、機器性能の評価に関する情報を確保し、商品 開発活動を促進。 • 放送 ‒ 地域のCATV会社(映像技術)、大学などの通信技術の専門家が 互いの技術や評価基準を共有。 ‒ 地域発の映像情報発信に関する実験が可能なのはJGN2のみ。実 証や経験を重ねることにより、地域企業に各種ノウハウが蓄積。 16 第一章 JGN2の概要と成果 1-5. 研究成果活用における課題 ■ 成果を活用(実用化)していく上での課題としては、「更なる研究開発が必要」とする回答者がもっとも多い(79%)。 ■ 共同研究契約における知的財産権の取扱いに関しては、「特に問題ない」が69%で多いが、「書類作成等の手続きが煩雑」(16%)、「知財取扱い が不明瞭」(10%)、「知財取扱いに関する認識が異なる」(3%)等の課題が挙げられている。 研究開発推進に関する主な課題 成果を活用(実用化)していく上での課題 知的財産権の取扱いに関する課 知的財産権の取扱いに関する課題 100% 100% ミドルウェア【N=28】 80% 60% アプリケーション【N=37】 75% 74% 16% 40% 60% 80% N=93 80% ネットワーク【N=32】 知財取扱いが不明瞭 全体【N=99】 自治体による地域インフラ整備が前提の災害対 策分野(60%)、大容量コンテンツ伝送に関するコ ミュニケーション分野(50%)で高い 40% 10% 60% 知財取扱いに関する 認識が異なる 3% 40% 36% 33% 成果に対する貢献度等の 算定が不公平 大学、自治体による映像配信 等の教育分野(17%,17%)で 高い 27% 20% 20% 13% 11% 13% 8% 11% 0% 20% 書類作成等の 手続きが煩雑 89% 79% 0% 11% 5% 7% 7% 6% 6% 3% 8% 7% 2% 4% 3% 8% 5% 更に 基盤が パートナー 実用化 技術水準の コスト面で 実用化する 研究開発 整備・普及 (民間) 目的の 優位性 優位性 方法が が必要 されていない がいない 研究を なし なし 分からない 行っていない その他 14% 10% その他 0% 特に問題ない 2% 69% 資料) JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 17 第一章 JGN2の概要と成果 1-6. 利用者によるサービス評価 ■ ネットワークサービスで最も利用者が多いのはEthernet(10G以外)(51%)、光クロスコネクト(OXC)は少数の研究者のみ (2%)に利用されている。 ■ いずれのサービスにおいても、回答者の満足度は高く、高い評価を得ている。 ネットワークサービスの利用状況と評価 サービスに対する満足度/改善への期待 利用状況 0% 10% 20% Ethernet(10G) 30% 40% 50% 60% 3.0 21% 2.0 Ethernet(10G以外) 51% IPv6 あり 1.0 25% IPv4 各サービスに 対する評価 22% 光クロスコネクト(OXC) 改 善 の 必 要 性 -3.0 -2.0 なし 11% 国際接続 -2.0 N=102 3% 低い 現在の満足度 サービスに対する満足度/改善への期待 3.0 2.0 2.0 高い満足度 あり 1.0 その他 0.0 0.0 1.0 ネットワーク設定の自由度 -1.0 2.0 改善要望少 3.0 サポート時間及び体制 改 善 の 必 要 性 緊急・トラブル時の対応 -2.0 スタッフの技術水準・知識 -3.0 -2.0 なし 1.0 -1.0 実施されている研究開発プロジェクトの紹介 イベント等、一時的な利用 2.0 高い 低い 改善要望少 3.0 共同研究契約の締結 研究計画書の作成・提出・審査 -2.0 利用開始時のネットワーク環境・機器設定等の対応 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 -1.0 0.0 0.0 参加者相互の交流を促進するためのML -3.0 現在の満足度 地域協議会等の地域に おける活動の紹介 その他 申請から利用開始までの 迅速な対応 通常利用時の積極的な技術サポート 低い 高い満足度 あり 1.0 -1.0 注:5段階評価を実施。満足度最大評価 を3、最小評価を-3、改善必要性高 いを3、低いを-3として評価。 高い 3.0 なし 光クロスコネクト 研究支援サービスに対する評価 サービスに対する満足度/改善への期待 -2.0 改善要望少 光テストベッド -3.0 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 オペレーティングサービスに対する評価 -3.0 IPv4 3.0 16% 無回答 改 善 の 必 要 性 2.0 IPv6 Ehternet(10G以外) -1.0 Ehternet(10G) 2% 光テストベッド 高い満足度 0.0 0.0 1.0 国際接続 -1.0 JGN2関連以外のシンポジウムやイベント、 研究成果発表会等の開催 -3.0 高い 現在の満足度 メンテナンス情報や障害情報、 トラフィック情報等の提供 JGN2関連のシンポジウムやイベント、 研究成果発表会等の開催 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 18 第一章 JGN2の概要と成果 1-7. JGN2への接続状況 ■ JGN2回線の利用状況を利用頻度で見た場合、10日/月未満の利用者と20日/月以上の利用者に二分化している。 ■ JGN2への接続回線は、JGN2以外の研究機関や自治体のネットワーク回線が多い(約7割)。また、回答者の4割が1Gbps以上の高速 回線をJGN2への接続に利用している。 JGN2回線の利用頻度とデータ転送量 JGN2回線の利用頻度とデータ転送量 JGN2への接続回線 JGN2への接続回線 JGN2回線への利用頻度 0% 10% 20% 30% 40% JGN2へ接続するために利用している回線 50% 0% 10日/月未満 10日/月以上20日/月未満 10% 20% 35% 情報 ハイウェイ等 地方自 治体が 提供する ネッ トワークや回線 34% 商 用サービスの ネットワークや回線 10% 20% その他 30% 40% JGN2へ接続するために利用している主要な回線の回線速度(注1) 6% 10% 20% 1% 25% 8% 28% 1Gbps以上10Gbps未満 100Gbyte/回以上 無回答 40% 10% 100Mbps以上1Gbps未満 10Gbyte/回以上100Gbyte/回未満 30% 5% 10Mbps未満 1Gbyte/回以上10Gbyte/回未満 N=96 46% 50% 0% 100Mbyte/回以上1Gbyte/回未満 25% N=102 23% JGN2回線利用一回あたりのデータ転送総量 50Mbyte/回以上100Mbyte/回未満 50% 30% 無回答 50Mbyte/回未満 40% JGN2以 外の研 究機関 のネットワークや回 線 8% 20日/月以上 0% 30% 39% 14% 10Gbps以上 11% 12% N=102 47% 無回答 33% N=102 資料)JGN2利用者アンケート調査 平成18年12月 (注1)ノードの接続点の速度であり、LANの回線速度等を回答している場合が含まれると思われる。 そのため、JGN2との間の回線のすべての部分で、上記の帯域が確保されているのではない。 19 第一章 JGN2の概要と成果 1-8. 今後の利用意向・期待 今後の利用意向(アンケート結果より) JGN2の必要性 : yes 96% 今後の利用意向: yes 81% 今後の期待(利用者インタビューより抜粋) • ‒ ‒ 国際接続利用 : 利用したい 25% 条件によっては利用 14% ‒ • 研究領域別の今後の利用意向(アンケート結果より) 利用意向 利用意向 無回答 あり なし ネットワーク関連技術 フォトニックネットワーク 11 2 0 IPv6 2 0 0 セキュリティ 4 0 0 基盤ソフトウェア 1 0 0 相互接続 1 2 0 マルチキャスト 1 0 0 ポリシー制御・QoS 2 0 0 経路制御 2 0 0 ネットワーク測定 2 0 0 その他(ネットワーク関連) 1 0 0 計 27 4 0 ミドルウェア関連技術 分散システム 5 0 0 ヒューマンインタフェース 0 0 0 映像伝送 11 1 0 コミュニケーション 6 1 2 センサーネットワーク 0 1 0 その他(ミドルウェア関連) 1 0 0 計 23 3 2 アプリケーション関連技術 教育 9 3 0 放送 0 0 0 医療・福祉 8 1 0 科学 1 0 0 災害対策 0 0 0 その他(アプリケーション関連) 10 5 0 計 28 9 0 総計 78 16 2 領域 大分類 領域 小分類 大学・研究機関からの意見 有効 回答数 13 2 4 1 3 1 2 2 2 1 31 5 0 12 9 1 1 28 12 0 9 1 0 15 37 96 民間企業からの意見 ‒ ‒ • 光通信研究テストベッドとしての展開を期待。 テストベッドであるからには、先端性の高い研究 開発を推進する基盤として機能すべき。 最低限の機器更新費用を予算化すべき。 機器・サービスの実用化評価・商用準備段階に おいて、知的所有権の所在が不明確であるリス クが大きく積極参加しにくい。今後は、新たな契 約形態が必要。 地方企業にとって、JGN2を契機とした大学との 共同研究は貴重な機会。地域企業の技術高度 化・蓄積のために必要。同時にマーケティング ニーズを把握する場としての意味も大きい。 自治体からの意見 ‒ 地域情報ネットワーク間を結ぶ媒体としてJGN2 は必要不可欠。他地域との情報交流活動の基 盤。 注) JGN2利用者アンケート調査より算出。「今後もJGN2のような研究開発ネットワーク基盤が必要」とする回答 者のうち、「今後さらに研究開発ネットワーク基盤を活用する研究開発プロジェクトを立ち上げる意向あり/な し」の回答者を集計 20 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-1. Internet2(米国) ■ 政府から独立した研究コミュニティのための広帯域研究ネットワーク 項目 戦略・政策 政府政策との関連 政府から独立するが、米国政府機関NSFなどからグラントを得る。 予算スキーム 予算額: 2800万ドル(2005年度) 内訳:接続料54%、会費28%、 NSFグラント8%など (会費240万円、接続料2880万∼5760万円(接続種別に因る)) プロジェクト連携 内部プロジェクトHOPI、Abilene Observatoryなど以外に、 外部プロジェクトPlanetLab、MAN LAN、NLRなどと連携。 運営体制 大学を中心とするコンソーシアムUCAIDが主体。UCAUD評議会の下、ネット ワーク運用など専任職員による部署からの構成。 利用者・機関数 345機関(Internet2会員大学・企業等230、会員協力機関115) AUP 教育、学習、研究、臨床の目的に制限され、商用トラフィックは通さない。 研究開発促進 研究者育成 ミドルウェア研究開発のグラント実施(NSF資金提供)。 生物学者と計算機学者の連携プロジェクトに対するファンディング・IDEA賞に よる研究促進・Abilene Observatoryにより研究テーマを触発・メンバー会合、 エンジニア向けのワークショップ開催。 ネットワーク整備方法 通信キャリアQwest, Level3からリース 技能・性能 帯域・拠点数 10Gbps、44ヶ所(GigaPoP) 提供サービス L3(IPv4、IPv6) (インタフェースはL2(Gigabit Ether)、L1(SONET)) 主な相互接続NW CA*net4、GEANT、 TransPAC、DREN、 Esnet、JANET、NACSIS、 NORDunet、NISN、 NREN、RENATER、SingAREN、 SURFnet、vBNS、DFN 計画・評価 HOPIテストベッドの構成 運営・管理 Abileneネットワークの構成と国際接続ポイント 概要 成果・評価 高音質・高画質通信を応用したオーケストラグループとの連携プロジェクトは 社会への成果移転および研究連携モデルとなった。 医療研究分野に重点を置く・小中学校への利用枠の拡大。 将来計画 2007年に100Gbpsの次期ネットワークに移行(HOPIアーキテクチャを導入・ Level3との契約によりファイバー対を占有) 22 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-2. NLR (National Lambda Rail)(米国) ■ 地域ネットワークやベンダーによるボトムアップのネットワーク集合体 項目 戦略・政策 運営・管理 技能・性能 NLRのネットワーク構成 概要 計画・評価 政府政策との関連 政府から資金的に独立。研究プロジェクトで連携。 予算スキーム 予算額:約1800万ドル(年平均) 内訳:地域ネットワーク、ベンダーからの会費。 (会費平均100万ドル/年) プロジェクト連携 外部プロジェクトのTeraGrid、OptiPuter、UltraScienceNet、 PacificWave、HOPIと連携する。 運営体制 地域ネットワーク・ベンダーのコンソーシアムNLR、Incが運営。コン ソーシアム会員から選出される理事会が監督。ネットワーク運用 (NOC)は、インディアナ大学のGlobalNOCに外部委託。 利用者・機関数 会員20機関・関連プロジェクト6 AUP 商用利用も含め,制限無し 研究開発促進 研究者育成 R&Dファンディングは無し。 これまで研究開発促進をミッションとしていなかった。今後、下 位レイヤーの研究開発を推進する。ネットワーク研究コミュニティとの 交流からニーズを掴む。 帯域・拠点数 10Gbps×40波、28ヶ所 提供サービス L1、L2、L3 主な相互接続NW Abilene、HOPI、StarLight 成果・評価 大学、研究プロジェクトなどのネットワーク研究コミュニティとの交流・ 連携が深い。光スイッチや下位レイヤー(L1、 L2)のプロトコルの開発 を重点化。 将来計画 2009年までアップグレードは予定無し。 2007年に将来計画検討開始。 23 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-3. TransLight/StarLight (米国) ■ 米国内外の研究ネットワークを接続する最初の相互接続拠点 項目 戦略・政策 運営・管理 技能・性能 StarLightのノードと接続ネットワークの構成 概要 計画・評 価 政府政策との関連 米国政府機関NSFの国際研究ネットワーク接続プログラム(IRNC)から資金を 得る。 予算スキーム 予算額:不明 内訳:接続料、コロケーション施設代(1.5万ドル/年)。過去にNSF, CANARIE から資金を得る。 プロジェクト連携 外部プロジェクトCal-IT2、 CAVERNUS、Globus、iCAIR、Internet2、 PRAGMA, 6ren/6TAPと連携。 運営体制 イリノイ大(UIC)、ノースウェスタン大、アルゴンヌ国立研究所(ANL)の StarLight管理チームにより運営。イリノイ大、ノースウェスタン大により全体 のプロジェクト管理、インディアナ大により機器運用、ANL, UICによりネット ワーク開発。 利用者・機関数 接続する研究ネットワークによる間接利用 AUP 接続に関して自由度の高い方針をとる。申請書の審査を行う。 研究開発促進 研究者育成 R&Dファンディング無し。先端ネットワーク、データベース、ビジュアライゼー ション、IP/ラムダネットワークを用いた研究、光ネットワーク上の光パスを提 供する高性能アプリケーションのミドルウェア研究の推進。 帯域・拠点数 10Gbps(Internet2-GEANT2)、10Gbps(NLR-NetherLight)、シカゴ 提供サービス 主にL2スイッチ。実験用光クロスコネクト。 主な相互接続NW AMPATH、 APAN、 ASNet、BELNET、 CA*net4、 CERNET、DataTAG、 EuroLink、GEANT、GEMnet、 HARNET、HEAnet、KREONet2、RBNet、 Renater2、 SURFnet、TaiwanLight、 TWAREN、UKLight、Abilene、 DREN、 Esnet、NISN、 NREN 成果・評価 米国最大の相互接続ポイントとして、研究NWユーザの連携性を高めた。 将来計画 光パスの自動設定技術の開発。L2スイッチサービスについては、十分な容 量があるため更新予定は無い。 24 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-4. CA*net4 (カナダ) ■ 光パスリソース割当をユーザ(研究者)の手に委ねる先進光ネットワーク技術 項目 戦略・政策 運営・管理 技能・性能 CA*net4のネットワーク構成 概要 計画・評価 政府政策との関連 カナダ産業省の政策“Connecting Canadians”に基づく 予算スキーム 予算額:2300万カナダドル(2006年度) 内訳:政府予算(カナダ産業省CA*net4プログラム、カナダ文化省からの資 金)、会費(総額33万加ドル) 。接続料無し。 プロジェクト連携 StarLightとの連携 運営体制 NPOのCANARIEが運営。 政府機関の主導のもとCANARIE理事会がCA*net4の運営執行。 利用者・機関数 大学80、単科大50、学校2000、研究センター40、病院12、政府省庁7、美術 館4(2005/4月) AUP 研究、教育、先進アプリケーションの利用を目的とする。 研究開発促進 研究者育成 インターネット宝探しプロジェクト(Internet Treasure Hunt)などを通じた意識 付け。 先端アプリケーション開発(Advanced Application Development)プログラムに 133万カナダドル、e-コンテンツ開発に86万カナダドル(2005年度)。 ネットワーク整備方法 キャリアのBell Canada, Telus等からのリースと、 GT/360, Shaw BigPipeなど からのダークファイバ購入 帯域・拠点数 10Gbps×70波(ROADM)、20ヶ所 提供サービス L3(IP)サービス(インタフェースはギガビットイーサ)、 L1(光パス) 主な相互接続NW Abilene、vBNS、DREN,Esnet、NISN,NREN、Pacific/Northwest GigaPOP、 CERN、GEANT、NORDUnet、SINGAREN、SURFnet6、TANet2 成果・評価 動的光パス制御技術UCLPの開発し、他国の研究ネットワークで導入が進む。 カナダのアイデンティティ、国際評価を高めた。 地域ネットワークの接続性を強化。 将来計画 CA*net5の計画(時期・帯域は未定) 25 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-5. SURFnet6/NetherLight(オランダ) ■ ダークファイバーを積極導入したハイブリッドネットワークと欧州の中核相互接続ポイント 項目 戦略・政策 運営・管理 技能・性能 計画・評価 SURFnet6のネットワーク構成 概要 政府政策との関連 オランダ政府、民間企業、教育研究機関からなるGigaPortプロジェクト。eEuropeプログラム。 予算スキーム 予算額:3000万ユーロ(年平均) 内訳:政府予算(経済省のICES/BSIKプログラム(ガス事業を収入源とする 開発予算)、教育文化科学省SURFworksプログラム)、会費(総額1800万 ユーロ) プロジェクト連携 外部プロジェクトGEANT2、EGEE-IIと連携 運営体制 SURFnet B.V.(SURF財団が所有するネットワーク運営組織)。 理事会の下、ネットワークサービス、先端サービスなどの組織から成る。 利用者・機関数 大学、大学病院、高等教育機関、研究所、図書館など180機関 AUP 大学、大学病院、高等教育機関、研究所、図書館の職員、学生に限定され る。 研究開発促進 研究者育成 企業と大学のパートナーシップによる研究に対してファンディングを行う。 Enlighten Your Researchプログラムにより会員以外に対して広く研究提案を 募集し、無料でネットワークを提供する。 科学セミナーを実施。 ネットワーク整備方法 ダークファイバを購入。一部は自らダークファイバを敷設 帯域・拠点数 10Gbps×70波、232ヶ所 提供サービス L3(インターネット接続)、 L1(光パス) 主な相互接続NW GEANT2、 StarLight、 MAN LAN 成果・評価 ダークファイバー市場を創出した。 新技術のショーケースとして政府の研究政策を具現化した。 メッシュ構造の光ネットワークの自動管理技術の開発した。 将来計画 40Gbps*72波へのアップグレード検討。 SURFnet7への移行計画(時期未定) 26 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-6. UKLight/SuperJANET5(イギリス) ■ UKLightは研究用広帯域保証サービス、SuperJANET 5はDWDMベースのネットワーク∼ 項目 政府政策との関連 政府情報システム委員会JISCの研究インフラ整備の一環 予算スキーム 予算額:650万ポンド(2003年度)。 内訳:政府予算(JISC)、接続料(1.7万∼15万ポンド前期ネットワーク JANET) プロジェクト連携 外部プロジェクトGEANT2、 GLIF 運営体制 専任のネットワーク運営組織UKERENAが運営。 推進委員会とUKLight Technical Advisory Group (TAG)によって監督。 利用者・機関数 195機関 AUP 商用を認める。 研究開発促進 研究者育成 R&Dファンディング無し。 高エネルギー物理、素粒子物理、VLBIなどのeサイエンスアプリ ケーションで利用される。音楽業界との連携プロジェクトで利用さ れる。Awareness raising meetingによる意識付け。 ネットワーク整備方法 TELCOなどからのリース回線 技能・性能 帯域・拠点数 10Gbps(UKLight/SuperJANET5)、150ヶ所(JANET) 提供サービス L3サービス(インターネット接続、IPv6) 主な相互接続NW StarLight、NetherLight、 SURFnet、CA*net4、 CERN、 NotthernLIGHT、 Internet2 計画・評価 成果・評価 大規模ネットワークの利用により、物理学分野での研究成果が得ら れた。 物理学分野以外の研究や、個人研究者の利用を促進したい。 将来計画 2006年末に次期バックボーンSuperJANET5(10Gbps)が完成。 UKLightの基盤となる。 戦略・政策 運営・管理 SuperJANET5のバックボーンネットワーク構成 概要 27 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-7. KREONET/KREOnet2 (韓国) ■ 韓国の学術・研究を目的としたインターネット接続を提供 概要 項目 戦略・政策 運営・管理 KREONetのネットワーク構成 技能・性能 計画・評価 KREONET/KREONet2のネットワークトポロジー 政府政策との関連 政府組織MOST/KISTIの資金を得た韓国の最初の政府支援ネットワ ーク 予算スキーム 予算額:不明 内訳:政府予算(科学技術省(MOST))、他詳細不明 プロジェクト連携 ネットワークプロジェクトGLORIAD、グリッドプロジェクトのEGEE-II、 OptiPuter、TeraGrid、 SurperSIReNと連携。 その他 韓国では、KREONETは学術研究ネットワーク、KORENは研究開発テ ストベッドの役割を担う。 運営体制 韓国科学技術情報研究院(KISTI)の高性能ネットワークチームが運営 利用者・機関数 300機関(政府研究機関50, 大学72, 民間研究所15) AUP 研究目的に制限するが、中小企業育成のため例外的に商用パケット を通す。 研究開発促進 研究者育成 R&Dファンディング有り。 韓国のeインフラストラクチャ、グリッドプロジェクトKorean Grid などの 研究推進。 ネットワーク整備方法 FLAGからリース 帯域・拠点数 10Gbps、GigaPoP16ヶ所(地域14、 国際2) 提供サービス L3サービス(IPv6等)。詳細不明。 主な相互接続NW CSTNET、StarLight、TEIN(GEANT)、 SingAREN 成果・評価 阪大顕微鏡プロジェクト、CERN高エネルギー物理、米国のOptiPuter、 CAVEなどのプロジェクトと国際連携を行っている。 ロシアとの連携に障害がある。 将来計画 10Gbpsにアップグレード中。 28 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-8. CSTNET (中国) ■ 中国の研究機関、民間企業の研究開発ネットワーク 項目 戦略・政策 運営・管理 CSTNET国内外の相互接続回線 技能・性能 計画・評価 CSTNETトのポロジー 概要 政府政策との関連 中国科学院のネットワークであるCASNetを拡張して構築 予算スキーム 予算額:不明 プロジェクト連携 国際ネットワークプロジェクトGLORIAD、中国学術ネットワーク CERNETと共同でグリッドプロジェクトCNGIを実施する。 その他 中国では、CSTNETは研究開発テストベッド、CERNETは学術研究 ネットワークとして役割分担する。 運営体制 中国科学院(CAS)が運営。 CASのコンピュータネットワーク情報センタ(CNIC)が運用する。 利用者・機関数 科学技術省(MOST)、その他省庁、地方政府、Renovo社などのハイ テク企業など1000機関が接続。利用者100万人。 AUP 不明 研究開発促進 研究者育成 R&Dファンディング無し。 グリッドCNGIプロジェクトにおいてIPv6, 遠隔教育、ネットワーク計測 等の研究推進。 帯域・拠点数 2.5Gbps、不明 提供サービス インターネット接続(L3サービス) 主な相互接続NW KREONET、 APAN(香港)、StarLight、CERNET 成果・評価 中国最初のインターネットサービスを提供。 IPv6, 遠隔教育などの研究を支援。 ネットワーク計測とモニタリング技術の開発。 将来計画 グリッドCNGIの支援を通じてIPv6、 遠隔教育の研究開発を推進する 。 29 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-9. AARNet3 (オーストラリア) ■ 研究ネットワークとバックボーンを提供するISPの役割を担う 項目 戦略・政策 運営・管理 技能・性能 AARNet3のネットワーク構成 概要 計画・評価 政府政策との関連 設立時政府から出資。 予算スキーム 予算額: 4670万オーストラリアドル(2005年度) 内訳:メンバー38大学の会費が中心。(現在、連邦政府資金はほとん どない。) プロジェクト連携 欧州アジアネットワークTEIN2、 米国ネットワークPacificWave 運営体制 大学等が出資するNPOのAARNet Pty Ltd (APL)が運営。 理事会が監督。 利用者・機関数 利用機関38大学など。利用者100万人。 AUP 研究教育関連組織のみ会員とする。用途に制約は設けない。ただし、 太平洋回線のみAUPにより研究教育用途に限定する。 研究開発促進 研究者育成 R&Dファンディング無し。 IPv6、遠隔教育に関するワークショップ、エンジニアに対する研修 を実施。 ネットワーク整備方法 TELCO。サザンクロスケーブルネットワークからリース 帯域・拠点数 10Gbps、GigaPoP10ヶ所(各州) 提供サービス インターネット接続(L3) 主な相互接続NW Abilene、 TEIN2、 APAN、CA*net4、GEANT2 成果・評価 会員に対してインターネット接続とテストベッドの両方のインフラを提 供。 動的光パス制御技術のUCLP, DRAGONなどの導入検討。 ARNetにとって有益な研究者の情報を収集する。 将来計画 ダークファイバーによる光パスサービスの提供。 小中学校(K12)の教育目的にネットワークの利用枠を拡大。 30 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-10. SINET/スーパーSINET(日本) ■ 大学の学術研究の発展・増進を目的とした広帯域研究ネットワーク 項目 戦略・政策 運営・管理 SINETのネットワーク構成 概要 技能・性能 計画・評 価 政府政策との関連 文部科学省の学術研究ネットワークの整備計画。 IT戦略本部が発表した「e-Japan重点計画」に基づく。 予算スキーム 予算額:62億円(2004年度) 内訳:政府予算(文部科学省から国立情報学研究所への予算の一 部を利用) プロジェクト連携 国際接続プロジェクトTEIN2, TransPAC2, 国内グリッドNAREGI 運営体制 国立情報学研究所。学術情報ネットワーク運営・連携本部(全国共通 利用情報基盤センター等と連携・協力) 利用者・機関数 約211万人(学生、教員)。708機関 (国立80、公私立325、他303) (平成17年) AUP 研究目的に限定 研究開発促進 研究者育成 シンポジウム、セミナー開催。アンケート実施。メーリングリスト運用。 「高エネルギー・核融合科学」 「宇宙科学・天文学」 「遺伝子情報解 析(バイオインフォマティクス)」 「スーパーコンピュータ等を連動する 分散コンピューティング(GRID)」 「ナノテクノロジー」の5分野の研究 開発重点化。 ネットワーク整備方法 リース回線 帯域・拠点数 10Gbps。 63ヵ所 (SINET、スーパーSINETノード) 提供サービス L3接続サービス 主な相互接続NW MAN LAN, SingAREN 成果・評価 ITベース研究所(ITBL)研究開発支援。NAREGIプロジェクトによるグ リッド基盤の開発 将来計画 2007年度に最大帯域40Gbps (SINET3の構築) 31 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-11. 欧米の新世代ネットワークに関する取り組み(1) GENI(米国)① GENI (Global Environment for Network Innovation) とは? 米国科学財団(NSF)のファンドによる研究開発用テストベッドネットワークプロジェクト 今の「Internet」の問題点 •TCP/IPプロトコルの問題 •セキュリティ・QoS・安定性の欠如 •新たな技術を検証・導入できない Internetの再発明が必要 ・ネットワークアーキテクチャ・サービス・アプリケーション の研究を促進するための共有・グローバルファシリティ ・複数のネットワーク実験を同時/独立に遂行可能 ファンディングモデル GENIプロジェクト運営体制 FIND (Future Internet Network Design) 研究開発 ファンド NSF Phase 1: アーキテクチャ技術要素の研究開発 Phase 2: フルスケールアーキテクチャに収斂 Phase 3: インフラ上での大規模実証実験 ファシリティ ファンド GENI Infrastructure •Funding組織 (GENI, FIND等へのfunding) Program Director Chair Project Director GENI Science Council (GSC) GENI Project Office (GPO) •GENIに対する研究教育 コミュニティの声を代表 •研究プランの策定等 •GENIプロジェクトの運営事務局 32 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-11. 欧米の新世代ネットワークに関する取り組み(2) GENI(米国)② スケジュール・予算規模 プロジェクト スケジュール GENI Facility 構築&運用 Development of Relationships (GENI Science Council, GPO, Cross-Agency, Industrial, International) Pre-GENI Planning GENI Planning GENI Design Pre-construction, prototyping ∼50M USD (承認済み) ファンディング スケジュール | Facility, Early operation, Engineering 359M USD (未承認) | 2005 Conceptual Design Fund from MREFC | 2006 | 2007 | 2008 Preliminary / Final Design | 2009 2010 . . . Construction/Operations ※ MREFC = Major Research Equipment Facility Construction (NSFの予算の中で大規模設備構築のための予算枠) GENI ファシリティ ・NW資源を仮想化し、個々の ユーザに独立したNW環境を提供。 ・共通インフラ上にユーザ毎の 独立したNW環境を構築 (オーバーレイ)。 オープンインタフェースを通して、ユー ザ独自のコードをNWノードに ダウンロードし、実行可能。 33 第二章 国内外の研究開発ネットワークの動向 2-11. 欧米の新世代ネットワークに関する取り組み(3) FP7(欧州) FP7 (7th Framework Programme) とは? EUによる研究開発ファンドプログラム ・2007∼2013年の7ヵ年プロジェクト ・ICT分野に、約9.1億ユーロ ・FP6(2002∼2006年)の後継ファンドプロジェクト FP7の新世代NW関連予算 • The Network of the Future: 200Mユーロ ‒ ‒ ‒ Collaborative Projects • 大規模・統合型プロジェクト (IP) • 中小規模プロジェクト (STREP) Network of Excellence Coordination and Support Actions 180Mユーロ 84Mユーロ∼ 42Mユーロ∼ 14Mユーロ 6Mユーロ 研究開発のターゲットエリア - ユビキタスネットワークアーキテクチャ - ネットワークの最適制御・管理と柔軟性確保 - 将来インターネットのための技術・システムアーキテクチャ 34 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-1. 社会の構造変化とICTの進展 【新たな脅威の出現】 ・犯罪の増加 ・大規模な災害の頻発 ・大規模な通信障害の発生 ・ICTを用いた新たな犯罪行為出現 ・情報漏えい被害の拡大 ・食の安全性への不安増大 【社会生活の変化】 ・少子・高齢化社会、団塊世代の大量退職 ・テレワークやe-ラーニング等の普及 ・余暇活動の充実 ・電子申請・電子マネー等の普及 ・消費者・市民による情報発信機会の増大 社会の構造変化とICTの進展 【産業構造の変化】 ・雇用形態の多様化 ・ビジネスのグローバル化 ・電子化の進展 ・BtoC市場の増加 【環境問題への注目】 ・地球温暖化問題の台頭 ・省電力化および省エネルギー化への着目 ・ネットワークによる環境問題解決への注目 ■インターネットや携帯電話の普及は急速に進展し、ICTは、社会生活や経済活動の重要な基盤となっ ている。一方で、少子高齢化に代表される社会構造の変化などの社会生活の変化や産業構造の大きな 変化が予想されている。また、従来では予想をしなかった新たな脅威への対応や、環境問題が注目され ることによる新たな配慮も期待されている。こうした状況下において、これらの社会問題の解決に寄与す るため、ICTのさらなる研究開発が期待されている。 36 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-2. わが国のネットワークの普及状況 ○ トラフィックの急増 - 2006年11月のトラフィック総量は636.6Gbpsと推計され、2年前の約2倍に。 ○ ブロードバンド化の進展 - インターネットの利用者数は年々拡大し、2005年度末のブロードバンド回線の契約数は、約2,330万件(対前年度比19.1%増)となっている。 ○ ワイヤレス化の進展 - 携帯電話によるインターネット利用の増加や、公衆無線LANサービスの浸透など、利用形態が多様化。 新たなアプリケーション・サービスの創出と、それを支える新たな基盤・新たな技術の開発 (Gbps) ※ 総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の把握(2007.2.27)」より わが国のインターネットトラフィックの推移(平均) ※ 総務省「平成18年度情報通信白書」より ブロードバンド契約数の推移 37 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-3. ICTの発展(1) 社会におけるICTの発展 ユビキタスネットワークの進展 ネットワークを介在する 新たな脅威の出現 情報通信技術の利用が企業等だけでなく、 一般利用者の生活領域に浸透 アプリケーションとコンテンツ のリッチ化 情報通信ネットワークが生活インフラとし て浸透することによる、新たな脅威が出現 情報端末の多様化・高機能化、情報流通イン フラの進展等により提供サービスが多様化 社会におけるICTの発展 ネットワークの大容量化 ・高機能化 通信・放送融合の流れ トリプルプレイサービスの浸透や知財等の 各種ルール策定が進むなど、流れが加速 ICTの発展とブロードバンド化の進展等に より、大容量化・高機能化が加速 ワイヤレスネットワークの進展 ワイヤレスネットワークを牽引する携帯電 話のサービス多様化・機能進化により進 展 38 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-3. ICTの発展(2) A) ネットワークの大容量化・高機能化 ブロードバンド化の着実な進展 − ブロードバンドの契約数は、2005年末現在で、約2,330万件(前年比19.1%増)となっており、ブロードバンド化は着実に浸透。 − 2010年までにブロードバンド・ゼロ地域を解消することを目標とした施策の実施等。 IPv6の普及の兆し − 各府省において、2008年度までに、各情報システムの新たな開発(導入)又は更新にあわせて、情報通信機器や ソフトウェアのIPv6対応を図る等本格的な普及に向けての各種取り組みが実施。 ホームネットワークの進展 − 通信機能搭載のAV機器が普及の兆しを見せ始め、ネットワーク対応家庭用ゲーム機の普及もあわせ、ホームネット ワークの本格化への兆候。 B) 通信・放送融合の流れ トリプルプレイサービスの浸透 − 家庭におけるブロードバンドの普及により、音声、映像、データ通信を1つの回線でサービスするトリプルプレイが本格化。 一般的には、通信事業者によるIP電話、インターネットTV、インターネットのサービスが増加。 デジタル放送の普及 − 2011年のアナログ放送終了に向け環境整備。 − 視聴者参加型の番組制作、ワンセグの台頭。 C) ワイヤレスネットワークの進展 携帯端末の高度化と普及 − 携帯電話をはじめとし、デジタルオーディオプレーヤー、ノートPC、PDA等様々な携帯端末において、各種機能の集 積と融合が進捗。また、利用端末別のインターネット利用は、2005年にPCを逆転。 モバイルコンテンツ産業の拡大 − モバイルコンテンツ市場とモバイルコンテンツコマース市場からなるモバイルコンテンツ産業の市場規模は2005 年に7,224億円(対前年度比39.0%増)となるなど急速に拡大。 公衆無線LANサービスの拡大 − 公衆無線サービスのサービス提供地域が拡大し、利用機会が増加。 39 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-3. ICTの発展(3) D) ユビキタスネットワークの進展 電子タグ、センサーネットワークの実用化 − 2005年度の電子タグの出荷枚数は対前年度比52.3%増の8,532万枚と大幅に増加。 “コンテンツをいつでもどこでも同じように利用”環境の実現 − シームレスなアクセス環境を実現するため、最適な通信品質やコーデック等の自動選択機能が強化。 − 放送されているTV番組を、ブロードバンド等様々なネットワーク経由で携帯端末で視聴が可能に。 E) ネットワークを介在する新たな脅威の出現 フィッシング・ボットネット等新たなサイバー犯罪の出現 − フィッシング、ボットネットに代表される新しい脅威の出現。従来のウィルス、ワームとは異なり、攻撃者が経済的利益 を獲得することを目的としており、電子商取引が普及する中で問題が深刻化。 通信障害による社会的影響の増大 − 自然災害や、通信事業者内部の事故等による通信障害が、大きな社会的影響を及ぼすに至るなど、より一層の高信 頼性への要求が増大。 F) アプリケーションとコンテンツのリッチ化(大容量化と多様化) インターネットの利用形態/提供サービスの変化 − Web2.0(ブログ、SNS、Wikipedia etc.)、オープンソースによるソフトウェア開発、データベースを公開するオープン志向 のビジネス(Google,Amazon etc.)等のインターネット上での新しいサービスが進展。 映像配信、音楽配信の充実 − YouTube、Napstar、 iTunes 等映像・音楽配信サービスが充実し、急速に成長。 高臨場感・超高精細映像の配信 VoIPの普及 − 企業向け、個人向けと多くのサービスが登場し、利用者も急増加。 40 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-4. 今後のネットワーク技術の方向性 ■欧米における次世代ネット ■ 我が国におけるICTの発展 ワークに関する研究プロジェクト GENI ユビキタスネットワークの進展 米国における将来のインターネット再構築 /新たなネットワークアーキテクチャの構築 を担う基礎研究推進プロジェクト。テスト ベッド+ファンディング。 アプリケーションとコンテンツ のリッチ化 ネットワークを介在する 新たな脅威の出現 社会におけるICTの発展 ネットワークの大容量化 ・高機能化 1. FP7 通信・放送融合の流れ (EU) EUにおける研究開発ファンドプログラム。 将来インターネットのための技術・システム アーキテクチャの研究を実施。 ワイヤレスネットワークの進展 ■ 今後のネットワーク技術の方向性 (米国) ネットワークを根本的に見直す ような研究ニーズが増大 ネットワークの大容量化・高速化への対応 − 急増するトラフィックに対応し、大容量・高速処理を実現する技術 2. 大規模なトラフィック・リソースの変化への対応 − ネットワーク全体の性能を維持しつつトラフィックの増減等に柔軟な対応を可能にする技術 3. 端末やセンサー等接続機器の増大への対応 − ネットワークへの接続機器の多様化と接続数の増大への対応を可能とする技術 4. 複数のネットワーク間の相互接続性の向上 − 柔軟かつ最大限効率的なネットワーク同士の接続をし、高度研究基盤を実現する技術 5. 災害やサイバー攻撃などへの対応 − ネットワークの障害発生時に被害を最小限化する、または被害を発生させない技術 6. アプリケーションと連携した研究開発 − アプリケーションからの要求によるネットワーク構成や設定の変更に、安全に対応を可能とする技術 41 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-5. ICT分野における政府施策動向(1) 総合科学技術会議 ■ ■ (第3期)科学技術基本計画 (第3期)科学技術基本計画 分野別推進戦略 分野別推進戦略 Ⅱ情報通信分野 (総合科学技術会議 Ⅱ情報通信分野 (総合科学技術会議 H18.3.28) H18.3.28) (研究開発課題) 【2.重要な研究開発課題 (1)ネットワーク領域】 ( 総合科学技術会議「分野別推進戦略概要図」より抜粋 ) ネットワークは、IT全体を支える重要な構成要素であると同時に世界規模で進展する大幅かつ急激な社会・経済構造の変化 の礎である。・・・、ネットワークの性能の向上、オープンな活用環境の構築、ネットワークのセキュリティを含むネットワークのデペ ンダビリティー(信頼性)の向上、ネットワークの自己組織化 などに向けた研究開発を推進し、ITの世界的リ−ダとなることが必要 である。・・・、NGN(国際的な次世代ネットワーク)標準化におけるEUの攻勢等は、産業の国際競争力の観点で脅威である。ま た、インターネットのみならず電話、映像通信、さらに移動通信をIPで統合化するNGNへの変革は今後のネットワーク設計に大 きな影響を与えるものであり、これらの研究開発の強化は必須である。以上の観点から、以下の重要な研究開発課題を選定。 【課題1】利用者の要求に対してダイナミックに最適な環境を提供できるネットワーク (略) 【課題3】超高画質コンテンツ配信が柔軟にできる高速・大容量・低消費電力ネットワーク (略) 【課題5】利用者の要求に応じたデペンダブルなセキュアネットワーク (テストベッドネットワークに関する記述) 【2.重要な研究開発課題 (1)ネットワーク領域】 ネットワークの研究、人材育成に当たってはネットワーク環境で多様な技術を育むための研究開発用テストベッドは有効であり、 過去においてもJGN(総務省所管のネットワークテストベッド)など多くの成果をあげている。ネットワークテストベッドの次期計画 でもブロードバンド環境での幅広い研究者の協力の基礎となる、テストベッドの構築とそれを基盤とした利用しやすい研究環境の 整備が重要である。 42 第三章 ICT分野を取り巻く社会動向とトレンド 3-5. ICT分野における政府施策動向(2) IT戦略本部 重点計画2006 重点計画2006(IT戦略本部 (IT戦略本部 H18.7.26) H18.7.26) (研究開発課題) 【 ⅡIT新改革戦略を推進するための政策 2.IT基盤の整備】 2.2 「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・ディバイド のないイン フラの整備 −ユビキタス化の推進− ④ 安全なユビキタス端末や電子タグの高度な利用・活用等の実現 (1) ユビキタス端末等を支えるネットワーク技術、セキュリティ技術等の実現 (イ) 次世代ネットワーク・アーキテクチャ技術の研究開発(総務省) ( IT戦略本部「重点計画2006概要」より ) 超高画質のデジタル映像の鑑賞や、携帯端末による高画質の動画鑑賞を通信品質や受信形態を自由に 選択しながら安定して行うことができるように、利用者の要求に対してダイナミックに安全かつ最適な環境 を提供できる次世代ネットワーク・アーキテクチャ技術を2010年までに確立する。 2.6 次世代のIT社会の基盤となる研究開発の推進 −戦略的な研究開発の取り組み− ③ すべての国民がITの恩恵を実感できる社会の実現 (1) ITの安全・安心と社会の安全・安心を確保するためのITの研究開発 (ウ) 次世代ネットワークの基盤技術に関する研究開発(総務省) 高品質・高信頼かつ高度なモビリティを実現し、さらには電子タグ等のユビキタス技術にも対応可能なオールパ ケット型の高機能ネットワークである次世代ネットワーク(NGN)の構築に必要な基盤技術を2010年までに確立する。 (テストベッドネットワークに関する記述) 【2.6 次世代のIT社会の基盤となる研究開発の推進】 −戦略的な研究開発の取り組み−② 継続的イノベーションを具現化するための研究開発基盤の実現(IT及びその他の分野の研 究開発において、持続的なイノベーションを具現化する基盤として、ITが積極的に活用されるような環境を実現する。) 【具体的施策】 (1) 研究開発の基盤となるIT (オ) 研究開発ネットワーク環境の整備(総務省、文部科学省) 2010 年までに光技術や次世代のIP 技術を導入すること等によってテラビット級のテストベッドネットワークを構築し、実利用に近い環 境での実証実験等を実施する。 43 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-1. 今後のネットワーク技術の研究分野 今後のテストベッドネットワークを考える上では、社会動向、ネットワークの潮流、ICTに係わる政策動向を見据えた上で、 今後のネットワーク技術の方向性を分析することが重要である。ここでは、ネットワーク技術の方向性を整理した上で、 その方向性を実現するため、今後のネットワーク技術の研究分野を分類し、研究テーマを整理する。 ネットワーク技術のトレンドと社会的要求 ネットワーク技術のトレンドと社会的要求 今後のネットワークに求められる方向性 今後のネットワークに求められる方向性 1)ネットワークの大容量化・高速化への対応 1)ネットワークの大容量化・高速化への対応 今後のネットワーク技術の研究分野 今後のネットワーク技術の研究分野 フォトニックネットワーク ネットワークの高度化 2)大規模なトラフィック・リソースの変化への対応 2)大規模なトラフィック・リソースの変化への対応 ネットワークの大容量化 ・高機能化 3)端末やセンサー等接続機器の増大への対応 3)端末やセンサー等接続機器の増大への対応 通信・放送融合の流れ ワイヤレスネットワークの進展 ディペンダブルネットワーク 4)複数のネットワーク間の相互接続性の向上 4)複数のネットワーク間の相互接続性の向上 アプリケーションとコンテンツ のリッチ化 ネットワークを介在する 新たな脅威の出現 アプリケーション ユビキタスネットワークの進展 オーバーレイネットワーク ダイナミックネットワーク 5)災害やサイバー攻撃などへの対応 5)災害やサイバー攻撃などへの対応 利用者ニーズの多様化 安心・安全への欲求 6)アプリケーションと連携した研究開発 6)アプリケーションと連携した研究開発 ワイヤレスネットワーク 今後のネットワーク技術の方向性に基づき、今後のネットワーク技術の研究分野をフォトニックネットワーク、オーバレイネットワーク、ディペンダブ 今後のネットワーク技術の方向性に基づき、今後のネットワーク技術の研究分野をフォトニックネットワーク、オーバレイネットワーク、ディペンダブ ルネットワーク、ダイナミックネットワーク、ワイヤレスネットワーク、アプリケーションの6分野に分類して研究テーマを整理する。 ルネットワーク、ダイナミックネットワーク、ワイヤレスネットワーク、アプリケーションの6分野に分類して研究テーマを整理する。 45 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向と研究テーマ(1) フォトニックネットワーク① 大容量データ配信やグリッド等大規模なトラフィックに柔軟に対応可能なALL光ネットワーク基盤を確立するための研究開 発を実施するとともに、光の属性を活かし、様式、特性、サービスの異なる多様な利用形態を総合的に扱うことのできる ネットワークを実現するための研究開発を実施。 【国内外の研究開発動向】 ■最先端のフォトニック・ノード技術 - NICTでは、ALL光通信技術の研究開発(1996-2005)、フォトニックネットワークに関する光アクセス網高速広帯域通信技術の研究開発 (2000-2005)、光バーストスイッチングを用いたフォトニックネットワーク技術の研究開発(2001-2005)等を実施。2001-2005年度は、ペタビット 級の伝送容量を実現するため、光の属性を極限まで利用して多重・長距離伝送を実現するフォトニックリンク技術、ノードにおける転送・処理を 光領域で超高速に実現するフォトニックノード技術等の基礎技術の研究開発を実施している。 - 民間企業や大学・研究機関、有識者、国等が結集した「超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会」が設立(2001年2月)され、情報交流や 普及啓発活動等を実施。 ■制御プレーン - GMPLSによるフォトニック網とIP網の連携技術の確立。 - 各種伝達方式に対してのネットワークプラットフォーム(SDH系、ATM系、IP系装置からの信号を直接収容)確立。 - 光パスによるコアノード間の直接接続。 - 波長パス、TDMパス、パケットパスを階層化することによる、資源割り当ての最適化。 - IP、GMPLS,Ethernetからなる最適なアーキテクチャ構築の必要性。 - DWDMによる波長の異なる複数のチャネルの統合化技術確立。 ■フォトニックスIX - GOLEs (GLIF Open Lightpath Exchanges)によって、T-LEX、StarLight、NetherLight等の主要な光相互接続ポイントが世界規模で協調する体制を確立。 - IPルーティングと光パスの組み合わせの工夫により、トラフィックの増減に合わせた柔軟な帯域確保の実現。 【今後の研究テーマ】 超大容量光インタフェース技術、波長多重技術等の要素技術の研究開発・実証実験 光ルーター、光RAM等の光ノード技術の研究開発・実証実験 GMPLS等の光制御技術の研究開発・実証実験 46 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向と研究テーマ(1) フォトニックネットワーク② テストベッドを使う研究テーマの例 ○超大容量光インタフェース技術、波長多重技術等の要素技術の研究開発・実証実験 (概要) テラビットクラスの伝送速度を視野に入れた、高機能光ネットワーク 制御技術および100Gbps超級光インタフェース技術を開発する。 (詳細テーマ) ・オンデマンドラムダネットワーク環境構築技術 ・アクセスから広域ネットワークまでシームレスに 光パスを制御するプロトコル技術 ・多波長光プラットフォーム構築技術 ・波長群スイッチング技術 ・光伝送とイーサネットの融合技術 ○GMPLS等の光制御技術の研究開発・実証実験 (概要) L1、L2、L3の各接続機器を、 統一インタフェースにて制御できる ことにより、IPルータと光伝送機器を 統合して制御できる技術を開発する。 (詳細テーマ) ・10Gbit/sレベル運用管理技術 ・10Mから10Gbit/sまでの 統合的制御技術 47 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向と研究テーマ(2) オーバーレイネットワーク① 共通のネットワーク基盤の上に、多種多様なアプリケーションやサービスにおけるセキュリティ、通信品質等の要求に応じて 仮想的ネットワークを構築するオーバーレイネットワーク技術に関する研究開発の実施。 【国内外の研究開発動向】 ■オーバレイネットワークの特徴 - 数万の仮想閉域グループ間にまたがり最適なネットワークリソース制御を行うオーバーレイトラフィック制御技術 - 百数十km/hの高速移動時にも常に安定した通信環境を提供する最適アクセスモビリティ制御技術 - 異種サービス・異事業者間のハンドオーバーを可能とする異種網サービスコンバージェンス技術 - サービス単位でのAPI実行環境開発・提供 - クロスレイヤ間機能・品質の実現 - 事業者間のサービス情報交換 ■PlanetLab プリンストン大学を中心として、カリフォルニア大学バークレイ校、HP社、インテル社、ワシントン大学、その他世界中の大学・企業が共同開発している グローバルなオーバーレイネットワーク。 - インテリジェントなルーティングエンジンによるパケット転送 - リンク障害時におけるプライマリルートおよびバックアップルートの維持 - 分散センシング機能によるトラフィック・エンジニアリング ■GENI 米国NSFが主導する、新世代ネットワーク構築にむけた一大国家プロジェクト。先進的な新世代ネットワークアーキテクチャ、およびそのテストベッドの構築を目指す。 2005年頃から検討が開始された。プログラムは2007年本格開始予定(2010年まで)。 - サービス・アーキテクチャを根本から見直し、将来インターネット再構築を狙う - 現インターネットの脆弱性を克服するための、バックボーンNW・ワイヤレスサブNWアーキテクチャやセキュリティ&マネジメントフレームワークおよび 分散型サービスアプリケーション基盤に関するイノベーション創出をドライブする - コンセプト→ディプロイメントをシームレスに行うための研究テストベッド構築 ■Euro-NGI 欧州FP6 (6th Framework Programme) の主要プロジェクトの一つ。欧州の主要研究機関が国家をまたいで参画している。GENIと同じく新世代ネットワークアーキテク チャの構築を目指している。2003年に開始された。 【今後の研究テーマ】 オーバレイネットワークを含むネットワーク全体のアーキテクチャの検討 高位レイヤーにおけるルーティング制御、セッション管理、QOS制御等の研究開発 異なるオーバレイネットワーク間での連携の実現 48 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(2) オーバーレイネットワーク② テストベッドを使う研究テーマの例 ○オーバーレイネットワーク基盤技術 (概要) オーバレイネットワーク上でアプリケーション の望むQOSを実現する技術基盤を確立する。 (詳細テーマ) ・高位レイヤルーティング技術 ・セッションプロトコル変換技術 ・トラフィック計測・評価技術 ○オーバーレイマルチキャスト技術 (概要) コンテンツのリアルタイム性を維持するために、 伝送遅延を出来る限り抑えた効率的な配信技術を 確立する。 (詳細テーマ) ・P2Pメッシュ構築技術 ・データ・トポロジに基づいた マルチキャスト配信ツリー構築技術 ・オーバレイリンク構成技術 49 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(3) ディペンダブルネットワーク① サイバー攻撃や災害による非意図的事故等を想定して、被害の未然防止を大きな目的として、被害影響の最小化と自 動復旧を目指して、ネットワーク全体を構築するとともに、ネットワークの再構成や資源の再割り当てを可能とする技術を 確立。 【国内外の研究開発動向】 ■ディペンダブルネットワークの特徴 - 障害が発生した場合でも可用性を損なわない安定動作 - 障害からの復旧を自動化 - 障害発生時における重要通信確保 ■ネットワーク計測に基づいたディペンダブルネットワーク構成技術 - ネットワーク計測(様々な特性、様々なスケール) 直接測れない特性を間接的・部分的な情報から把握する統計的推定技術 - ネットワーク資源利用・割当(様々な資源、様々なスケール) 複数資源複数ユーザにおける効率と公平性を両立できる技術 - それらを柔軟に実現する形態・方式・アーキテクチャ ネットワークと端末の協調のためのプログラマブルなネットワーク技術 ■ディペンダブルネットワーク統合基盤技術 - 汎用超ディペンダブルLSIの研究開発、ディペンダブルコード自動生成コンパイラ - アプリケーションに応じてディペンダビリティを向上させるミドルウェア、OSのディペンダビリティを自動的に向上させるミドルウェア - 超ディペンダブル暗号系、ディペンダブルユビキタスネットワーク、意味処理技術を用いたディペンダブルネットワークエージェント - ディペンダブルなヒューマンインタフェース、大域情報抽出、侵入検知システムを含む大域サービスサーバ など ■センサーネットワーク技術 - センサーネットワークは、医療・福祉、防犯・セキュリティ、防災、環境リスクへの対応等様々な社会・経済活動におけるICTの側面支援が強化されることが期待さ れる。総務省では、多様なアプリケーションやサービスの創出を目的に、2005年度からユビキタスセンサーネットワークに関する研究開発を実施。 【今後の研究テーマ】 障害情報の検知・分析と自動回復技術 障害発生時の被害最小化技術 高信頼耐障害性ネットワークアーキテクチャ技術 50 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(3) ディペンダブルネットワーク② テストベッドを使う研究テーマの例 ○安心・安全ネットワーク構成技術 (概要) 外付けのセキュリティ対策では無く、今のインターネット上の脅威を理論上排除する構造を持つネットワーク技術を開発 する。 (詳細テーマ) ・脅威や障害の排除および分離構造を持つネットワーク技術 ・広域リアルタイム脅威検知ネットワーク技術 ・脆弱性および脅威情報流通制御基盤プラットフォーム ○ディペンダブルネットワーク基盤技術 (概要) ディペンダブルネットワークを実現するための、ハードウェア、ソフトウェア、プロトコルに係わる技術を開発する。 (詳細テーマ) ・セキュアルーティングプロトコル技術 ・セキュアサーバ構築技術 ・高信頼分散ネットワークストレージ技術 ・高信頼ネットワークミドルウェア技術 ・大規模ネットワークシミュレーション基盤 51 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(4) ダイナミックネットワーク① オーバーレイネットワーク、ディペンダブルネットワークの各技術と連携しながら、トラフィックの発生や障害、リソースの削 除・追加・変更、他のネットワークとの接続、ポリシの変化等に伴い、ネットワークをフレキシブルに動的に構成可能とする 技術を確立。 【国内外の研究開発動向】 ■ダイナミックネットワークの特徴 - プロアクティブな統合運用管理技術 - 自己組織化ネットワーク技術(アドホックネットワーク) - 各種攻撃防御技術 - 広域アクセス網構築技術 ■ニーズに合わせた自由自在な管理・制御技術 - Beyond IPの検討の開始: 北米のGENIの活動:ベストエフォートサービスの見直し、多様なネットワークの検討 - 多様な資源制約(無線資源、光資源、電力等)の解消 サイバー攻撃や自然災害等による障害を含むボトルネックを勘案した資源制約 - アプリケーション側のニーズに合致した動的QoS制御 アプリケーションが必要な場合帯域を確保し、必要ない場合帯域を解放する、最適なQoS制御 - ダイナミックルーティング トラフィックの少ない経路を抽出し、帯域を確保するためにダイナミックに経路選択を行う制御 - 動的QoS制御とダイナミックルーティングに活用できるトラフィックモニタリング 動的QoS制御とダイナミックルーティングを行うためのトラフィックモニタリング ■アクセス網管理技術 - アクセス間ハンドオーバー技術 - 大規模アクセスエリアカバー技術 多種多様なアクセス網により、可能な限りが広い範囲でアクセス可能となるようにする 【今後の研究テーマ】 障害情報や変更情報の収集・検知・分析技術と動的なネットワークの構成技術 フレキシブルに構成可能なネットワークの構成技術および運用技術 52 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(4) ダイナミックネットワーク② テストベッドを使う研究テーマの例 ○ダイナミックネットワーク構成技術 (概要) ネットワークをダイナミックに構成可能となる研究開発をする。 (詳細テーマ) ・ネットワーク資源とコンピュータ資源の高度な連携技術 ・アプリケーションウェアネットワーク制御技術 ・動的ネットワーク構成技術 ・アプリケーション対応QoS制御技術 ・レイヤレス/クロスレイヤ構造ネットワーク技術 個別のサービスに最適化された構造を持つ ネットワークの集合体として形成されるネットワーク VoIP Quality ○障害検知およびダイナミック資源配置割り当て技術 (概要) ネットワーク上の膨大な資源やトラフィックデータを分析し、サービス 特性、アプリケーション毎の特性、物理的配置による特性、障害の 特性を分析することにより、ボトルネックを解消することを目的として、 ダイナミックな資源配置と割り当てを行う研究開発をする。 (詳細テーマ) ・資源およびトラフィックのリアルタイム監視技術 ・トラフィックおよび資源利用に関するボトルネック解析技術 ・ボトルネック解析に基づくダイナミックな資源配置と資源割り当て技術 Streaming Quality R-Value Max Avg Min S/N M ax Avg M in 8:00 9:00 Time W eb Quality Mbps 8:00 9:00 Time Max Avg Min 8:00 9:00 Time 53 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2.各分野の研究動向とテーマ(5) ワイヤレスネットワーク① モバイルネットワーク、衛星ネットワーク及び固定ネットワークがシームレスに接続した環境において、ユーザが自分の置かれている状 況を意識せずに、一つの高機能端末(高機能アプライアンス)で手軽に安心して、ITSを含む多様なアプリケーションにおいて必要な コンテンツを最適な状態で享受し続けることができるようなユビキタスモビリティ環境実現のための研究開発。 【国内外の研究開発動向】 ■スケーラブルなモバイルネットワーク技術 ・ブロードバンドワイヤレス HSDPA、3G-LTE、4Gと続く無線リンクの広帯域化と光技術の結合によるモバイルネットワークの経済化 ・新世代ロバストワイヤレス:広帯域無線伝送方式、低遅延・高効率メディアアクセス制御技術、高耐性フェージング補償技術、高効率高周波帯デバイス技術 ■異種ネットワークシームレス接続技術 ・固定系ネットワークと移動系ネットワークの融合、通信と放送の融合 - IMS,MMDなどの検討が進捗中。 - 音声・データに加えて画像のモバイル化(ワンセグ)、パーソナル化(IPTV)が進行。 ・ユビキタス・コネクティビティの実現 - あらゆる機器にブラウザ、IMS(IP Multimedia Subsystem)、VoIP、A/Vモジュールを提供して、ネット化を推進。 - 次世代携帯電話にソフトウェアプラットフォームを提供し、新機能を追加していく。 ・ネットワーク環境の多様化、大規模化 - 多様な無線・モバイル網、アクセス&バックボーン回線の高速化 - 従来は通信を想定していなかった極端な環境(DTN) ・異種ネットワークシームレス化技術:FMC間メディア・プロトコル変換技術、オーバレイ動的構成技術、インタードメイン間品質管理技術 ・アドホック・マルチホップ無線技術:マルチホップ無線中継技術、アドホック経路制御技術、無線ネットワーク構成管理・自己組織化技術 ・スマート無線端末技術:ソフトウェア無線技術、端末自動構成技術、コグニティブ無線技術 ■電波資源開発技術 ・電波資源開発:高度電波共用技術、周波数の移行促進技術、周波数帯域の狭帯域化技術 ■超高速で高信頼な新世代衛星通信システム実現技術 ・高度無線応用技術:高精度位置特定技術、無線攻撃検出技術、時空間情報配信技術、位置認証技術高度UWB技術 ・ユビキタスITS技術:マルチバンドアンテナ技術、マルチバンドデバイス技術、ユビキタスITSプラットフォーム技術 ・衛星搭載交換機による超高速の広域ネットワーク構築技術、超広帯域・高出力中継器等の開発技術(WINDS) 【今後の研究テーマ】 シームレスな QoS 、周波数の超高効率有効利用技術などの技術への先導的取組 無線と有線の融合技術 54 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(5) ワイヤレスネットワーク② テストベッドを使う研究テーマの例 ○モビリティネットワーク構成技術 (概要) 利用者の物理的位置の移動に対して、ダイナミックルーティングで対応可能とする研究開発を行う。 (詳細テーマ) 物理的ネットワークとサービスを分離し、アプリケーションレベルで論理的にサービスを構成可能にす る研究開発 ○光リンク・無線リンク融合技術 (概要) ネットワーク層をターゲットとして、光リンクと無線リンクの制御の融合技術の研究開発を行う。 (詳細テーマ) ネットワーク層の機能を取込み、光リンクと無線リンクの制御を融合したプロトコル ○ユビキタスアプライアンス技術 (概要) 接続されたネットワークと各種の機器をダイナミックかつ フレキシブルに接続可能とする技術の開発を行う。 (詳細テーマ) ・各利用者のプライベート無線利用空間、パブリック無線 ネットワーク、情報流通プラットフォーム技術 55 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(6) アプリケーション (リッチコンテンツ)① コンテンツが流通し、柔軟にコミュニティが形成され、利用者のニーズに合わせて役立つコミュニティや知識を選択すること などにより、各種コンテンツを創造・流通・利活用できる環境を実現。 あたかもその場にいるような臨場感を実現する超高臨場感映像・音響システムや、任意視点空間像再生型立体映像シ ステムを、教育や医療分野に活用し、小・中・高・大における遠隔学習や高精細度学習コンテンツの流通を中心とした高 度な学習の支援、高精細度コンテンツや高臨場感会議システムによる高度医療の実現を確立。 【国内外の研究開発動向】 ■コンテンツ創造に必要な専門家の知識の活用 ・検索・発見技術、認知・理解技術、知識処理技術、コンテンツ制作モデル化技術、セマンティック処理技術、コンテンツ記述言語技術 ■ニーズに合わせたコンテンツ制作・流通・提示技術 ・セキュリティ技術、個人情報管理技術、ユーザデータモデル化技術、コンテキストアウェア配信技術 ■知識学習・推論システム 情報の信頼性・信憑性検証機構 ・認知・理解技術、モダリティ変換技術、コンテンツ制御(作成・配信・収集・要約)エージェント技術 ・メディアアクセス技術:検索・発見・ナビゲーション技術、コンテンツ変換・提示技術、統合ブラウザ技術、スマートストレージ ■コミュニケーションエンハンスメント技術 ・五感通信では、視覚・聴覚分野は、他分野に比べ全般的に比較的研究開発が進展。脳内の情報処理過程については、全般的に研究途上である。 米国:DARPA(国防総省高等研究計画局)、NASA(航空宇宙局)等、各研究機関で、個別プロジェクトの一環として要素技術の研究開発を実施。 欧州:第6次フレームワークプログラム(2002年∼2006年)の研究テーマの1つに多感覚のインターフェースの研究が位置づけられている。 ■超高精細撮像・表示技術(スーパーハイビジョン) ・超高精細撮像・表示技術:撮像デバイス技術、表示デバイス技術、レンズ技術、高速・大容量記録技術、映像システム統合技術 ■映像と音響等の統合化技術 ・メディア表現技術:超高臨場感・3次元映像メディアを用いた新しい映像表現技術、五感コンテンツ提示技術、心理学的な観点からの臨場感評価技術 【研究テーマ】 エンド・ツー・エンドにおける帯域確保技術 利用者の嗜好に合致したコンテンツ発見技術 高精細映像伝送技術、超臨場感コミュニケーション技術 56 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(6) アプリケーション (リッチコンテンツ)② テストベッドを使う研究テーマの例 ○超高精細映像伝送技術 ・スーパーハイビジョン(SHV)、4Kデジタルシネマ等の超高精細映像 の伝送に必要な高速ネットワーク技術、帯域制御技術 ○同室感通信技術 (概要) 感覚の壁、距離の壁・時間の壁を克服する同室感環境を実現する (詳細テーマ) ・多画面、音響、カメラ等による空間構築技術 ・OS、ミドルウェア、基本アプリケーション等ソフトウェア技術 ・ネットワークに形成した空間でのコミュニティによる新たな アプリケーション創作環境 ○ユビキタス映像取材システム ・リソースを見つけ出して利用できるプラグアンドプレイ ・有線・無線伝送路を意識せずに利用できる仮想ネットワーク ・機動的中継のためのアドホックネットワーク ・HDTV、SHV素材をどこからでも送る 57 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(7) アプリケーション (e-Science)① 高エネルギー科学、天文学等の科学技術研究分野において、ネットワークで相互に接続されたリソースを高度に活用する ことによって新たな発見を可能とする研究のための分散資源共有環境を実現。 狭域・都市域センサーシステムからグローバルな地上系・衛星系統合観測ネットワークまでを統合することで実環境を認識 するネットワークを実現し、災害察知、災害復旧支援などにより災害から国民の生命・財産を保護。 【国内外の研究開発動向】 ■原子・分子レベルから宇宙空間までの環境情報をトータルにカバーする世界最高精度の計測・センサー技術、宇宙システム技術 - センシング・ネットワーク技術 - グローバル環境計測技術 - 電波による地表面可視化技術 - 電波伝搬障害 - 宇宙環境計測 - 予測技術 ■災害・環境変動等に関するセンサーからの取得情報のリアルタイムシミュレーション、可視化技術、情報発信技術、システム化技術 - 災害情報共有プラットフォーム技術 - センサーネットワークによる気象情報・地震情報・洪水情報を含む自然災害情報収集技術 - センサーネットワークによる人工物情報(建築物、道路等社会基盤)災害情報収集技術 - 自然災害情報や人工物災害情報を含む災害情報分析技術と視覚化技術 - 災害情報分析と連携したハザードマップ構成技術 ■高精度時空間・周波数標準の発生・供給プラットフォームの維持・発展 - 時空統合標準技術、時空計測技術 - 次世代時刻周波数標準技術•日本標準時の高度化 ■誰でも安心・安全に情報をやり取りできる総合的な電磁環境基盤の確立 - 妨害波測定技術•電磁界ばく露評価技術 - 漏洩電磁波検出対策技術 【研究テーマ】 スケーラブルネットワーク技術、ワイヤレスネットワーク技術と連携した大規模かつ複雑なセンサーネットワークを含むネットワークによる 情報収集技術、ネットワーク制御管理技術 高エネルギー物理学、天文学、地学、地震対策等防災分野など、分野毎に必要な分散資源共有技術の研究開発 58 第四章 今後のネットワーク技術の研究分野と研究テーマ 4-2. 各分野の研究動向とテーマ(7) アプリケーション (e-Science)② テストベッドを使う研究テーマの例 ○センサーネットワーク技術 (概要) センサーノードが生成する地球環境に関するディジタル情報をグローバル スケールで流通・共有することで、気象災害対策、地球温暖化対策、教育 教材、住民サービス等の、マルチサービス提供環境を構築するための研究 開発を行う。 (詳細テーマ) ・非常に多数のセンサーノードに対応したネットワーク制御管理技術 ・多量データの処理・管理技術 ○科学技術研究のための分散資源共有ミドルウェア技術 (概要) 物理学においては、天文、核融合、素粒子その他の分野で、天文台・核融合炉・加速器、検出装置等の巨大設備が世 界各国に存在しており、それらの間での情報共有やコンピュータによる分析作業は必須となっている。このため、分散した 計算・情報資源を管理・共有するためのミドルウェア技術に関する研究開発を行う。 天文台 研究機関 (詳細テーマ) ・広域大容量データ共有技術 ・グリッドに基づく広域分散計算技術 グリッドに基づく 分散資源共有環境 ・微細情報検出可能センサー技術 計算センター 研究機関 ・微細情報検出センサーネットワーク統合技術 と共有データベース ・セキュアなデータ共有技術 核融合炉や加速器 59 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-1. 次期テストベッドネットワークの目指すべき姿 次期テストベッドネットワークでは、従来のJGNやJGN2と同様に将来のICT社会の姿を展望し、目指すべき ICT社会の将来像の実現を加速するという役割を踏襲しつつ、ネットワーク分野、ICT分野の先端的な研究開 発のための実証実験の環境を提供し、我が国の当該分野の発展に大きく貢献することを目的とする。こうした 先端的な研究開発の推進を通じて、我が国のICT分野の国際競争力の向上、ICT産業の振興、ICT人材の 育成を図るとともに、地域の情報化が促進されることを目指す。 2. 国際競争力の向上 4. ICT人材の育成 海外の研究開発テストベッドとの相互接 続等により、国際的なネットワーク環境を 構築し、国際共同研究等を推進。 ネットワーク分野の研究開発、ネット ワークの運用等を通じて、次世代を担う ICT人材の育成に貢献する。 1. 先端的な研究開発の促進 先端的な研究開発を促進するテストベッド ネットワーク環境を提供し、ネットワーク等 の研究、アプリケーションやサービスの開 発のための実証実験、相互接続検証等を 行う環境を提供。 3. ICT産業の振興 5. 地域の情報化 我が国のICT産業界のイノベーションの 進展につながる研究開発、商品化につな がるような実証実験を支えるプラット フォームとしての役割を果たす。 自治体の情報ハイウェイ等との連携、地 域における各種プロジェクトを通じて、地 域の情報化、地域の活性化に貢献する。 61 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-2. 次期テストベッドネットワーク構築に向けた課題(1) 1. 先端的な研究開発の促進 昨今、世界的にも、ネットワーク・アーキテクチャの研究などネットワークを根本的に見直す動きも出てきてい るほか、各種分野の先端的研究開発もネットワークと結びつくことにより、その可能性が大きく拡大する等、テ ストベッドネットワークは先端的な研究を支えるツールとして、その重要性が増大している。次期テストベッド ネットワークでは、光ネットワーク機器技術、量子暗号通信技術等をはじめとする10年∼15年後のALL光ネッ トワークを見据えた中長期的な視点に立った基礎的・先端的な研究開発、スーパーコンピューターとの連携も 念頭においた地球規模の研究開発、イノベーションの進展につながるような研究開発等を行う環境を提供す るとともに、先端的なネットワーク研究の実環境における運用を目指したネットワーク運用技術に関する研究・ 実証実験を行う環境を提供する。また、市場導入を目指した機器等の開発につながる実証実験、あるいは サービス、システム等、各種アプリケーションに関する実証実験等を行うための環境の提供を行い、包括的に 我が国のネットワーク分野の技術開発の発展に貢献することを目指す。 【先端的な研究開発プロジェクト例】 ここでは、第四章で整理した今後のネットワーク分野の研究開発課題に基づき、今後、特に、次期テストベッ ドネットワークにおいて実施していくことが想定される研究プロジェクト事例を抽出する。 1.フォトニックネットワーク − 高機能フォトニックネットワーク技術 (超大容量光インタフェース技術、波長多重技術、光スイッチング技術等) − 光NW制御技術(GMPLSの高度化・相互接続等) 等 2.オーバーレイネットワーク − 世界規模広域分散実証実験基盤技術 等 62 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-2. 次期テストベッドネットワーク構築に向けた課題(2) 3.ディペンダブルネットワーク − 安心・安全ネットワーク構成技術 (障害情報の検知分析自動回復技術、障害発生時の被害最小化技術等) − 大規模ネットワークシミュレーション技術 − セキュリティインシデント分析検出技術 等 4.ダイナミックネットワーク − ダイナミックネットワーク構成技術 (動的ネットワーク構成技術、アプリケーション/ユーザによるネットワーク制御技術等) − センサーネットワーク技術 等 5.ワイヤレスネットワーク − モビリティネットワーク構成技術(無線/光融合技術等) − モバイルサービス開発技術 − 超高速衛星ネットワーク構成技術 等 6.アプリケーション − 超高精細映像音声伝送技術・超臨場感コミュニケーション技術 − 環境情報/宇宙/災害情報の計測 − 遠隔医療、遠隔教育 等 63 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-2. 次期テストベッドネットワーク構築に向けた課題(3) 【ネットワーク運用に関する研究開発・実証実験】 次期テストベッドネットワークでは、ネットワーク分野の基礎的・先端的な研究に加え、ネットワーク運用技 術の重要性に鑑み、先端的なアーキテクチャ等を実環境において運用することを目指した、ネットワーク運 用に関する研究開発・実証実験を実施する環境を提供する。 【研究開発支援】 次期テストベッドネットワークの構築と合わせて、ネットワーク分野の研究開発・実証実験プロジェクトに対 する支援等についても検討を行うこととする。具体的には、“テストベッド”+“研究開発プロジェクト支援”と いう形で研究開発を支援することを想定し、特に研究開発プロジェクト支援の検討にあたっては、競争的環 境におけるプロジェクトの選定、新しい人材の発掘等を十分考慮することとする。 【次期テストベッドの推進体制】 次期テストベッドネットワークの効果的な運用・管理及び本ネットワークを活用した研究開発の推進等を図 るために、JGN、JGN2と同様、ネットワーク分野、ICT分野等の各分野における有識者等の産・学・官によ る有識者会合を設置し、その推進に当たる。 【研究コミュニティとの連携】 次期テストベッドネットワークは、大学、民間企業、研究機関等、幅広く研究者に対して、その環境を提供 するものであり、その活動の推進にあたっては、学会、各種フォーラム等の研究コミュニティと連携を図りつ つ、進めていくものとする。 64 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-2. 次期テストベッドネットワーク構築に向けた課題(4) 2. 国際競争力の向上 次期テストベッドネットワークでは、各国のテストベッドと相互接続することにより、北米・欧州・アジアとの 国際共同研究を積極的に推進するとともに、地球規模の大規模なネットワーク環境を提供する。また、諸外 国のネットワークに関するプロジェクトと連携することにより、次期テストベッドネットワークの国際的なプレゼ ンスの向上が図られるとともに、ネットワーク関係者の国際的なコミュニティ醸成にも多いに役立ち、我が国 のネットワーク研究の戦略強化につながることが多いに期待できる。こうした活動を通じて、我が国が強い分 野の海外展開、あるいはオープンソースの国際展開等が促進され、さらには、ITU、IETF、IEEE等の国際 標準化組織における積極的な活動等を通じて、我が国の技術の国際標準化、さらには世界のビジネスシー ンへの展開を可能にする等、我が国のネットワーク関連分野の国際競争力の向上を目指す。 − 我が国が強い分野の海外展開 ● フォトニック関係の機器開発等 ● IPv6、VoIP等の普及・国際標準化等 − 海外の新世代ネットワークアーキテクチャの研究プロジェクトとの連携 【欧米の研究プロジェクト例】 米国NSFのプロジェクト(GENI(テストベッド)、FIND(研究開発プロジェクト)) 欧州EUのプロジェクト(FP7(研究開発プロジェクト)) 65 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-2. 次期テストベッドネットワーク構築に向けた課題(5) 3. ICT産業の振興 次期テストベッドネットワークでは、大学、公的研究機関における基礎的な研究開発に限らず、民間企 業のシステムの開発や機器・サービスの商品化等につながるような実証実験の実施も積極的に推進し ていく。民間企業が利用するにあたり、ネットワークの利用形態、知的財産権の扱い等についての課題が あることから、今後、技術的な課題のみならず、こうした制度的な課題についても、検討を行うこととする。 4. ICT人材の育成 次期テストベッドネットワークでは、各種研究活動やネットワークの運用を通じて、我が国の本分野をリー ドしていくような研究者の人材育成につながることが期待される。特に、海外との国際共同研究等を通じ て、国際的にも通用する我が国を代表するような人材の育成が期待される。また、こうした環境と合わせ て、新しい人材発掘が可能となるような競争的な研究開発支援の方策等についても検討を行うこととする。 5. 地域の情報化 次期テストベッドネットワークでは、地域ネットワークとの連携、アクセス系のネットワークの柔軟な構築 により、足回り回線も含めた回線の整備等、地域の研究者等が利用しやすい環境を提供し、地域の活性 化・情報化が発展することが期待される。また、こうした研究活動を通じて、地域の産業育成、人材育成が 一層進むことが期待される。 66 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-3. 次期テストベッドネットワークに期待される要件 今後のネットワーク技術の方向性 今後のネットワーク技術の方向性 1)ネットワークの大容量化・高速化への対応 1)ネットワークの大容量化・高速化への対応 次期テストベッドネットワークに期待される要件 次期テストベッドネットワークに期待される要件 1.先端的な研究開発の実証プラットホーム 1.先端的な研究開発の実証プラットホーム 2)大規模なトラフィック・リソースの変化へ 2)大規模なトラフィック・リソースの変化へ の対応 の対応 2.ダイナミックなネットワークの運用 2.ダイナミックなネットワークの運用 3)端末やセンサー等接続機器の増大への 3)端末やセンサー等接続機器の増大への 対応 対応 3.研究と一体化した運用 3.研究と一体化した運用 4)複数のネットワーク間の相互接続性の向上 4)複数のネットワーク間の相互接続性の向上 4.海外のテストベッドネットワークとの連携 4.海外のテストベッドネットワークとの連携 5)災害やサイバー攻撃などへの対応 5)災害やサイバー攻撃などへの対応 6)アプリケーションと連携した研究開発 6)アプリケーションと連携した研究開発 5.地域ネットワークとの連携 5.地域ネットワークとの連携 第四章で総括したように、今後のネットワーク技術の方向性と研究分野の整理を勘案すると、次期テストベッドネット 第四章で総括したように、今後のネットワーク技術の方向性と研究分野の整理を勘案すると、次期テストベッドネット ワークに求められる要件としては、「先端的な研究開発の実証プラットホーム」、「ダイナミックなネットワークの運用」、 ワークに求められる要件としては、「先端的な研究開発の実証プラットホーム」、「ダイナミックなネットワークの運用」、 「研究と一体化した運用」、「海外のテストベッドネットワークとの連携」、「地域ネットワークとの連携」が挙げられる。 「研究と一体化した運用」、「海外のテストベッドネットワークとの連携」、「地域ネットワークとの連携」が挙げられる。 67 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-4. 次期テストベッドネットワーク構築に向けて(1) 次期テストベッドネットワークは、我が国唯一の先端的な研究開発の実証実験を行う全国規模のオー プンなネットワークとして、単一レイヤだけではなく複数のレイヤ間の制御、利用者のニーズに応じた足 回り回線の提供等、ダイナミックなネットワーク構成を目指す。また、欧米亜との連携と競争を促進するた め、海外のテストベッドネットワークとの相互接続を行うとともに、地域の研究者の利用環境、最新のICT の全国的な普及も念頭におき、地域ネットワークとの相互接続も積極的に行う。 (1)先端的な研究開発の実証プラットフォーム(“テストベッド+研究開発支援”スキームの整備) テストベッドネットワークの第一の使命は、先端的な研究開発の実証実験フィールドを提供することにあり、そ のため、次期テストベッドネットワークは、JGNやJGN2で培った成果を生かしつつ、多種多様な研究開発を支 える実証プラットホームとして、第四章で総括した今後のネットワーク技術の研究を支援し得る最先端のネット ワーク機能を有することを目指すとともに、利用手続きや知的財産権の取り扱い等の運用ルール等利用環境の 改善等について十分に検討を行うこととする。また、テストベッドネットワークの構築と合わせて、先端的な研究 開発を支援するためのファンド的なプロジェクト支援のスキームの導入について検討を行う。 (2)ダイナミックなネットワーク(柔軟なネットワークの構成等) 次期テストベッドネットワークでは、利用者の多様化するニーズに対してネットワークの各レイヤのみならず複 数のレイヤ間の制御を行ったり、迅速かつ最適な帯域確保や経路選択を可能とするダイナミックな経路制御の 実現を目指す。また、網構成に関しては、 、固定的・継続的な基幹網と、ワイヤレスネットワークとの連携を含め、 研究テーマおよび研究者等のニーズに応じた場所、帯域、期間を柔軟に設定できるようなアクセス網の構成、さ らには運用の体制確立を目指す。 68 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-4. 次期テストベッドネットワーク構築に向けて(2) (3)研究と一体化した運用(ネットワークに関する運用と研究の連携) L2/L3サービスを安定的に提供するための定常的なネットワーク運用と、フォトニックネットワークに代表されるL1や 複数レイヤ間での網構成に関する研究開発を実施するための研究的なネットワーク運用を一体的に行う。これにより、 将来予想される大規模かつ多面的な利用者のニーズに対するネットワーク運用のノウハウの蓄積を図ることが可能と なるほか、将来のネットワークアーキテクチャの研究開発への活用も多いに期待できる。 (4)海外のテストベッドネットワークとの連携 我が国唯一の研究開発を目的とした次期テストベッドネットワークとして、海外のテストベッドとの相互接続を行い、 欧米亜との国際共同研究を推進するとともに、地球規模のテストベッド構築の一翼を担う。これにより、欧米諸国の新 世代ネットワークに関するプロジェクトとの連携をはじめ、海外との国際共同研究が進展するほか、国際標準化活動、 オープンソースの国際展開等、我が国の国際競争力の向上、また国際的な人材の育成にもつながることが期待され る。 (5)地域ネットワークとの連携 次期テストベッドネットワークでは、効率的な全国規模のネットワーク構築の観点、地域における足回り回線の確保、 さらに最新ネットワーク技術の一層の普及と成果の展開、利用者の利便性向上の観点から、各地域で展開される地域 ネットワークとの相互接続を積極的に行う。これにより、一層地域の情報化に貢献することが期待される。 69 第五章 次期テストベッドネットワーク構築に向けて 5-5. 次期テストベッドネットワーク構築に向けた考え方(図) 次期テストベッドネットワーク (H16.4∼H20.3) 研究開発体制 (H20.4∼ ) 7つのRCによる拠点研究 (4ヶ年計画での特定テーマに基づく研究) 公募型の スキームを想定 ■ テストベッド ■ テストベッド テストベッドと オペレーション 先端的な研究開発 先端的な研究開発 全国展開/接続箇所固定(64箇所) 全国展開/接続箇所固定(64箇所) のネットワーク構成 のネットワーク構成 ■ オペレーション 先端的な研究開発 先端的な研究開発 柔軟なネットワーク構成 柔軟なネットワーク構成 固定的コア回線 固定的コア回線+ +研究内容 研究内容 (場所/期間/帯域)に応じた構成 (場所/期間/帯域)に応じた構成 ■ オペレーション NORC NOC L2/L3サービスの L2/L3サービスの 安定的オペレーション 安定的オペレーション 新しい支援スキームの整備 新しい支援スキームの整備 + 運用研究 運用研究 研究と一体的なネットワーク運用 研究と一体的なネットワーク運用 Network Network Operation Operation Research ResearchCenter Center 運用研究 + オペレーション 運用研究 + オペレーション (オペレーションと一体となったネットワークの運用研究) (オペレーションと一体となったネットワークの運用研究) 70