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農業×ICT 総務省の取組 - 沖縄県 離島ICT実証・促進事業

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農業×ICT 総務省の取組 - 沖縄県 離島ICT実証・促進事業
農業×ICT 総務省の取組
第5回沖縄離島ICTシンポジウム in 石垣島
平成28年11月9日
総務省沖縄総合通信事務所
藤本 昌彦
沖縄総合通信事務所
1
総務省の情報通信分野の地⽅⽀分部局(全国11局)のうちの一つで沖縄県を担当
〒900-8795 沖縄県那覇市旭町1-9
カフーナ旭橋B-1街区 5F
目
次
2
〇〇 分野 ×ICT
1. スマート農業とは
2. 政府によるスマート農業の推進
3. 総務省における取組
I. 農業情報を共有するための標準化ガイドラインの策定
II. スマート農業の発展促進のための取組
III.成功モデルの横展開
IV.IoT(モノのインターネット)を活用した新たな取組
4. 新たな電波利用
I. ドローン/ロボット
II. 無線センサーネットワーク(自営系)
III. 携帯電話(通信モジュール/IP無線)
5. 最後に
〇〇分野 × ICT
○○分野
課題解決
高度化/発展
進化
作業
運用
3
計測・検知
伝達
IoT
ビッグデータ
AI
安価に
容易に
効率的/
効果的に
分析
発信・共有
現状継続のままでは、人口は5千万人以下に(内閣府資料より)
4
5
農業×ICT
1.スマート農業とは
農林水産業・食品産業分野における課題
6
○ 農林水産業・食品産業分野では、担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題。
○ 農林水産業の現場では、依然として人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多く、省力化、人手の確保、
負担の軽減が重要となっている。
○ 既存の団体や企業だけでは新たなイノベーションは生まれない。他分野からの参入を進め、これまでにない技術やノ
ウハウを活かしてイノベーションを生み出すことが必要となっている。
農業者の高齢化の進行、深刻な労働力不足
農林水産業・食品産業の現場の実状
○ 基幹的農業従事者の年齢構成(平成27年)
○ 選果や弁当の製造・盛付など多く
の雇用労力に頼っているが、労働力
の確保が困難になっている。
○ 農林水産業の現場には、機
械化が難しく手作業に頼らざる
を得ない危険な作業やきつい作
業が多く残されている。
資料:「2015年農林業センサス」
高齢化が進行し、平均年齢は67.0歳で65歳以上が
6割以上。
○ トラクターの操作などの熟練者で
なければできない作業が多く、若者
や女性の参入の妨げとなっている。
○ 農業者が減少する中、一人当
たりの作業面積の限界を打破す
ることが求められている。
【出典:農林水産省 資料】
スマート農業(農業ICT)とは
7
ロボット技術やICTを活用して、超省力・高品質生産を実現する新たな農業。
担い手の高齢化、耕作放棄地の拡大等の厳しい状況の下で、農林水産業の競争
力を強化し、農業を魅力ある産業とすることを目的としている。
1 超省力・大規模生産を実現
GPS自動走行システム等の導入による
農業機械の夜間走行・複数走行・
自動走行等で、作業能力の限界を打破
3 きつい作業、危険な作業から解放
収穫物の積み下ろしなどの重労働を
アシストスーツで軽労化するほか、
除草ロボットなどにより作業を自動化
2 作物の能力を最大限に発揮
センシング技術や過去のデータに基づくきめ細やかな
栽培により(精密農業)、作物のポテンシャルを最大限
に引き出し、多収・高品質を実現
4 誰もが取り組みやすい農業を実現
5 消費者・実需者に安心と信頼を提供
農業機械のアシスト装置により経験の浅い
オペレーターでも高精度の作業が可能となる
ほか、ノウハウをデータ化することで若者等が
農業に続々とトライ
クラウドシステムにより、生産の詳しい情報
を実需者や消費者にダイレクトにつなげ、
安心と信頼を届ける
【出典:農林水産省 「スマート農業の実現に向けた研究会」中間取りまとめ(平成26年3月)より】
スマート農業の現状
8
スマート農業全体の市場規模については、農業生産法人等の大規模経営体を中心に、拡大傾
向で推移しており、2020年には300億円と2015年の4倍以上に達する見込み。
一方、中小規模の経営体においては、ICT機器等の年間投資可能額を十分に確保できないこ
とが普及のネックとなっており、低廉なICTシステムが望まれている。
スマート農業の市場規模予測
ICT機器等の年間投資可能額
(百万円)
35,000
30,849
30,000
4倍以上
25,000
25,275
19,143
20,000
15,615
15,000
10,000
20万円以上
30万円未満
7%
12,360
10万円以上
20万円未満
23%
30万円以上
5%
5万円未満
26%
5万円以上
10万円未満
39%
9,275
7,253
5,000
0
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
<(株)矢野経済研究所「期待高まるスマート農業の現状と将来展望」>
全体の9割近くが「年間20万円未満」と回答
<農林水産省「農業分野におけるIT利活用に関する意識・意向調査結果」(H24.9.28)>
民間での取組事例 ①
9
獺祭クラウド
データ活用型ブランドみかん栽培
• 日本酒「獺祭」蔵元(旭酒造)が、生産者
と 協働し、栽培の難しい最高級酒米
「山田錦」の最適な栽培手法・ノウハウを
クラウドに蓄積、相互に情報(ビッグデー
タ)を共有。
• ブランドみかんの大規模生産者(早和果
樹園)が、農場のセンサーから取得した糖
度分布等に基づき伐採等の営農改善を
行い、高付加価値化・生産量向上を実現。
ほ場の糖度分析
食・農クラウド
伐採等の営農改善
ノウハウ蓄積+情報共有基盤
栽培実績
データ
農場センサ
効果的な
情報共有
生産者の
栽培記録
新規の生産者
ICTによる生産性向上を実現
「山田錦」の2014年度収穫量:48万俵
(最終目標60万俵:前年度比約30%増)
ICTによる高付加価値化・生産性向上を実現
ブランドみかん比率大幅増(20%→32%)
年間収穫量約10%増
「獺祭」ブランドの向上、蔵元・農家の経営改善
の好循環(※ 現在、「獺祭」は20か国・地域に輸出中)
能動的な働き方・ノウハウの継承、戦略的な栽培
の実現
民間での取組事例②
【NTTドコモのモバイル牛恩恵】
・NTTドコモとリモート社が開発したモバイル牛恩恵は、母牛の膣内に
センサーを留置して体温を監視することで、分娩の兆候を検知し、
利用者の携帯電話やスマートフォンにメールで通知。
・JA全農を通じて全国の繁殖農家に販売。子牛(1頭約75万円)の出
生時死亡を事前に防止。
5分間隔でセンサから
体温データをサーバーに送信
10
【NTTドコモの水田センサー】
・稲作では品質・食味に影響する水管理がもっとも重要だが、広大な水田の水
位の見回りには相当な労力がかかる。
・ NTTドコモは水位・水温・湿度等を自動で計測し、スマートフォンに表示可能
な水田センサシステムを開発。
・ベジタリア社等と新潟で大規模実証実験を実施。
水田センサ“PaddyWatch”のシステムイメージ
約24時間前、体温が下がると段取り通報
破水によりセンサーが抜けると駆けつけ通報
11
2.政府によるスマート農業の推進
政府決定(農業関係)
「日本再興戦略」改訂2016
12
(平成28年6月2日閣議決定)
第2 具体的施策Ⅰ 新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等
農業分野で普及しつつあるITシステムの高度化や、ビッグデータの利活用を推進するため、農業ITシステムで利用される各種の名称、規
格等の標準化やその実装を進める。このため、「農業情報創成・流通促進戦略に係る標準化ロードマップ」(平成28年3月31日IT総合戦略本
部・新戦略推進専門調査会農業分科会取りまとめ)に基づき、本年度においては、昨年度策定した農作業の名称や環境情報のデータ項目に
関する個別ガイドライン(本格運用版)、標準利用規約ガイド等を全国に展開・普及する取組等を推進するとともに、農作物の名称や農業情報
のデータ交換インターフェースに関する個別ガイドライン(本格運用版)の策定等を行う。
「ニッポン一億総活躍プラン」 (平成28年5月20日閣議決定)
5.「戦後最大の名目GDP600 兆円」に向けた取組の方向(9)攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化
地域で頑張る農業者の所得を増やし、若者が将来に夢や希望を持てる強くて豊かな農業を実現しなければならない。TPPによって切り拓か
れる8億人の市場は、日本の美味しく、安全な農産物を待っている。農地の集約を進め、生産資材のコスト低減やIT技術の活用により、中山
間地域を含めた地域の収益力・生産基盤の強化を図り、我が国の農業の競争力を高める。「総合的なTPP関連政策大綱」18等に基づく施策を
着実に実施するとともに、積極的に海外市場に挑戦しようとする農業者に対しては、販路開拓を支援し、輸出を促進する。
「世界最先端IT国家創造宣言〔改訂〕」 (平成28年5月20日閣議決定)
Ⅱ–3.【重点項目3】 超少子高齢社会における諸課題の解決(3)IT利活用による諸課題の解決に資する取組(農業関係)
・農業関連情報(農作物や農作業の名称等)の帰属や権利関係等の具体例を整理したガイドライン を全国に展開・普及することにより、生産者の
権利保護や熟練農家のノウハウ等のデータ化を推進するとともに、AIの活用による作業用ロボット開発やIoTを活用した農産物の物流の効率
化等にも取り組み、農業や周辺産業における飛躍的な生産性の向上を図り、農業の産業競争力強化、国際競争力強化を加速。
・農業への新規参入等を促進するため、農地情報公開システムのデータ更新を迅速に実施。また、農業分野における行政データや研究成果等
のオープンデータ化を図る取組を推進。
「科学技術イノベーション総合戦略2016」 (平成28年5月24日閣議決定)
(1)持続的な成長と地域社会の自立的な発展 I エネルギー、資源、食料の安定的な確保 ⅲ)スマート生産システム
農林水産業は地域の基盤産業であるが、就業者の減少や高齢化が急速に進んでおり、意欲のある若い世代の就業者の確保が産業のみならず
地域活性化のためにも喫緊の課題となっている。このため、これまで現場への導入が十分でなかったICTやロボット技術等を活用し、大規模生産
システムによる農作業の自動化・知能化、熟練者のノウハウの形式知化、機械化が困難な作業の軽労化など、超省力・高生産のスマート農業モ
デルを実現する。
IT総合戦略本部におけるスマート農業の推進体制
13
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)
本部⻑
内閣総理⼤⾂
副本部⻑ 情報通信技術(IT)政策担当⼤⾂、内閣官房⻑官、総務⼤⾂、経済産業⼤⾂
本部員
他の全ての国務⼤⾂、内閣情報通信政策監及び有識者
新戦略推進専門調査会(親会)
農業情報創成・流通促進戦略
関係府省連絡会議
会⻑︓内閣情報通信政策監(政府CIO)
委員︓⾼度情報通信ネットワーク社会の形成に関し優れた⾒識を有する者のうちから、
内閣総理⼤⾂が任命する者
医
療
健
康
防
災
減
災
道
路
交
通
人
材
育
成
規
制
改
革
新戦略推進専門調査会農業分科会
<構成員>
◎澁澤 栄
生越 由美
酒井 純
⾼市 益⾏
東京農工⼤学⼤学院教授
東京理科⼤学専門職⼤学院(MIP)教授
一般社団法人 食品需給研究センター調査研究部主任研究員
(独)農業・食品産業技術研究機構野菜茶業研究所
野菜生産技術研究領域⻑
田中 進
農業生産法人 株式会社サラダボウル代表取締役
古田 秘馬 (株)umari代表
◎は座⻑
<オブザーバ>
総務省情報流通⾏政局情報流通振興課
農林⽔産省⼤⾂官房政策課技術政策室
経済産業省商務情報政策局情報処理振興課
<事務局>
内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室
マイナン
バー
新
産
業
農業
電
子
行
政
<概要>
農業情報創成・流通促進戦略に基づき、今後戦略に示し
た方針の具体化(個別ガイドラインの策定等)に向け、関
係府省が連携して取り組む
(*)平成28年
10月より、「電
子行政分科
会」、「データ活
用基盤・課題
解決分科会」
に集約されて
いる
<構成員>(局⻑・審議官級)
内閣官房
内閣審議官(政府副CIO)
総務省
政策統括官(情報通信担当)
農林⽔産省 大臣官房技術総括審議官
経済産業省 商務情報政策局⻑
幹事会(課長級)
WG(担当者級)
農業情報創成・流通促進戦略(平成26年6月IT総合戦略本部決定)の概要
14
農業情報の多⾯的な利活⽤により、農業の産業競争⼒強化を加速化
1st Stage(〜2013)︓「情報収集」 → 2nd Stage(2014〜)︓「情報の創成・流通促進」
農業情報の相互運⽤性・可搬性の確保に資する標準化や情報の取扱いに関する本戦略に基づくガイドライン等の策定
農地情報の整備と活⽤
「AI農業」等農業情報を活⽤したビジネスモデル構築・知識
本戦略推進のための体制整備
農業の産 産業化
業競争⼒
コスト低減
生産予測の精緻化・安定出荷の実現
向上
情報流通によるバリューチェーンの構築
新規参入・担い手農家の早期育成
生産者の出荷実績等の情報流通・活⽤
付加価値向上(⾼品質化/収穫量up等)
・ 出荷実績に基づく、優れた生産者のブラ
ンド化
情報・ノウハウ等を活⽤した複合的な資
・ 評価に基づく販売先の拡⼤・単価向上
材・サービスの展開
・ 評価を利活⽤した新ビジネスの創出
流通した情報・ノウハウの利活⽤による
情報の創成・
付加価値情報(特別な品質や栽培方法
農業機械や施設のソリューション展開
流通促進
等)の流通による農産物の評価の向上、
モノ創りノウハウの利活⽤
海外市場拡⼤
多様な資材・サービスの新たな連携・
組合せ
市場開拓・
関連産業
販売⼒強化
の⾼度化
情報・ノウハウの価値に関する普及啓発
情報・ノウハウの海外流出防止のための留意事項に関
する普及啓発
農林⽔産物輸出額 1兆円の達成
15
3.総務省における取組
総務省におけるスマート農業の推進について
16
ビッグデータなどICTの利活用により、農林水産業の生産性向上・高付加価値化を図る「ス
マート農業」を農林水産省と連携して推進。
<スマート農業の取組例>
熟練農家の技術・ノウハウの形式知化
高い生産技術を持つ熟練農家の技術・ノウハウをデータ
化し、一般の農家も活用可能とすることで生産性を向上。
トラクターの自動運転等に資する高精度測位の実
現
準天頂衛星やGPSを活用した高精度測位システムの開発
等によって、トラクターの自動運転等を実現し、生産性を
向上。
「匠の技」に関する情報
地図情報、作業者の現在地、
作業進捗状況、収穫情報、
施肥量等を活用
熟練農家
センサー
センサー
農業クラウド
農地
・データベース構築
・ビッグデータ解析
トラクターの遠隔制御
生産性
「匠の技」の活用
農家
17
3.総務省における取組
I. 農業情報を共有するための標準化ガイドラインの策定
II. スマート農業の発展促進のための取組
III.成功モデルの横展開
IV.IoT(モノのインターネット)を活用した新たな取組
「農業情報創成・流通促進戦略」に係る個別ガイドラインの策定
18
IT総合戦略本部新戦略推進専門調査会「農業分科会」においては、農業情報を異なる生産者・機器・ベン
ダーの間で相互に利活用することを目的とした農業情報創成・流通促進戦略に係る個別ガイドライン(標準
化ガイドライン)の策定に取り組んでいるところ。
具体的には、「農作業の名称」、「農作物の名称」、「農薬に係る情報」、「肥料等に係る情報」、「環境情報
のデータ項目」、「データ交換のインタフェース」の6つを重点項目と定め、標準化ガイドラインを平成27年度
から都度策定・公表。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/nougyou.html
このうち、総務省は「環境情報のデータ項目」及び「データ交換のインタフェース」を担当。
農作業の名称
肥料等に係る情報
平成27年度策定
• 登録肥料に係る情報を機械判読が可能な
データ形式のあり方について検討。
• 採種・稲取り等の農作業の標準的な名称を
規定。
農林水産省
農林水産省
平成28年度~
(平成27年度試行版)
農作物の名称
平成28年度~
環境情報のデータ項目
平成27年度策定
• 農作物の名称について、稲・麦類等の大分
類、小麦・大麦等の中分類を規定。
• 温度、湿度、雨量、日射量等の環境情報の
データ項目を250項目以上規定。
• 規定外の項目もユーザーごとに拡張可能。 総務省
農薬に係る情報
データ交換インタフェース
農林水産省
平成28年度~
• 登録農薬に係る情報を機械判読が可能な
データ形式のあり方について検討。
平成28年度~
(平成27年度試行版)
• 農業情報を異なるシステム・ユーザー間で
交換するためのインタフェースを規定。
農林水産省
標準化ガイドラインの概要(総務省担当分)
総務省
19
農業情報を異なる生産者・機器の間で相互に利活用できる環境を構築するため、
①「環境情報のデータ項目」を定めたガイドラインを策定するとともに、②農業情報をやり取りす
るためのルールを定めた「データ交換のインタフェース」に関するガイドラインを策定。
環境情報のデータ項目
(センサーの仕様等
のメタ情報を含む)
データ交換のインタフェース
(API・データフォーマット)※
• データ項目:198
• メタ情報項目:65
<データ項目の例>
日本語名
温度
英語名
temperature
単位
※ Open Geospatial Consortium(国際的 NPO)が
策定しているインターフェース標準規格の1つで
ある「Sensor Observation Service (SOS)」を推奨
する方向で検討中。
A社
B社
環境情報
交換サービス
環境情報
交換サービス
Cel
生長点相対湿度 growing-point_relative_humidity %
降水量
precipitation
日照時間
sunshine duration
mm
h
風速
surface wind
m/s
計測結果
センサーデバイス
センサー
センサー
センサー
センサー
a1農地
センサーデバイス
センサーデバイス
a2農地
b農地
農業情報の標準化ガイドラインの活用例
20
農業生産法人等での環境データの一元的利用
•
農業生産法人等において、生産部門の管理者が多数の圃場のチェック(生育状況・環境・作業)を一元
的に⾏うことで、圃場間での作業スケジュールや作業工程等の最適化を⾏い、適期に適切な作業を実現。
日本と同じ仕組みで
海外展開
どこからでも確認・共有可能
生育環境
生育状況
・・・
・様々な環境センサーで
環境データを収集
・取得されたデータを
一元的に利⽤
地域単位のデータ集約による農作業の自動化
•
⽔田に設置したセンサから気温・湿度・⽔位・⽔温等を取得し、地域単位で一元的に利⽤することにより、
⾃動⽔門管理等の農作業の⾃動化を実現。
モニタリング
様々なシステムやセンサーから
情報を集約し、一元的に利⽤
水門・水栓の
自動開閉制御
水田センサー 環境センサー
水田センサー 環境センサー
水田センサー 環境センサー
農業ICT標準化研究会の概要
21
1 目的
スマート農業(農業ICT)の推進のための標準化ガイドライン(「農業情報創成・流通促進戦略」(H26.6.3 IT戦略
本部決定)で策定されることとなっている6つのガイドラインのうち、総務省が担当する「環境情報のデータ項目」
及び「データ交換のインターフェース」の2つ)の策定に向けた検討を行う。
2 構成員
(敬称略、五十音順)
座
長
南石 晃明
九州大学 大学院農学研究院 教授
アドバイザ
大垣共立銀行、紀ノ國屋、東京海上日動火災保険
委
員
浅井 裕一郎
株式会社浅井農園 代表取締役
オブザーバ
株式会社クボタ、ヤンマー株式会社、井関農機株式会社
大西 茂志
JA全中 常務理事
NECソリューションイノベータ株式会社、富士通株式会社
末澤 克彦
香川県農業試験場 府中果樹研究所 所長
内閣官房、農林水産省、経済産業省
高山 弘太郎
愛媛大学 農学部 准教授
中村 修
慶應義塾大学 環境情報学部 教授
3 検討項目
1.
2.
3.
4.
農業環境センサーがクラウドとデータ連携する
際のメタ情報の記述ルール等について検討
データの信頼性・比較可能性等のために必要と
なる要件等の検討
諸外国の規格との相互接続性の検討
他業種を含む農業情報利活用のユースケース
の検討
事務局
等
株式会社富士通総研、総務省(情報流通行政局情報流通振興課)
4 スケジュール・成果目標
第一回
H28.8.5
第二回
H28.12.15
第三回
H29.2.22
【成果目標】
○データ交換のインターフェースに関する標準化ガイドライン
(試⾏版)
(本格運用版)
○環境情報のデータ項目に関する標準化ガイドライン
(本格運用版)
(本格運用版)【改訂】
「環境情報のデータ項目に関する標準化ガイドライン(本格運用版)」概要
22
本ガイドラインは、環境情報の標準的なデータ項目として198項目を日本語・英語の両方の
言語で定めるとともに、センサーの仕様等のメタ情報の項目として65項目を定めるもの。
規定していない項目もユーザーごとに拡張可能となるよう、データ項目名の命名法及び単位
記述法についても定めている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/nougyou.html
データ項目の例
系
地
上
部
地
下
部
System
メタ情報の項目
198項目
分類
classification
日本語名
英語名
単位
表示
(HTML)
1. サービス利用条件
2. センサーの仕様及び計測条件
3. 計測結果
シュート shoot
温度
temperature
温度
temperature
Cel
°C
シュート shoot
温度
temperature
気温
air_temperature
Cel
°C
シュート shoot
温度
temperature
積算温度
accumulated_temperature
Cel
°C
シュート shoot
風
surface wind
風速
wind_speed
m/s
m/s
シュート shoot
放射
radiation
放射照度
irradiance
W/m2 W/m2
分類
シュート shoot
日照時間 sunshine duration 日照時間
sunshine_duration
h
h
性能
根
root
温度
土壌温度
soil_temperature
Cel
°C
根
root
土壌水分 soil moisture
土壌水分量
soil_moisture_content
kg/m3 kg/m3
根
root
土壌水分 soil moisture
土壌体積含水率 soil_volumetric_water_content [vol%] %VWC
根
root
灌水
irrigation
水深
根
root
灌水
irrigation
海面からの水位 water_level_msl
根
root
物理性
phisical properties 土壌貫入抵抗
根
root
物理性
phisical properties 気相率
temperature
water_depth
cm
cm
m
m
soil_penetration_resistance
MPa
MPa
gaseous phase ratio
[vol%] vol.%
65項目
<例:センサーの仕様に関するメタ情報の項目>
個体情報
出力
22
位置
コンポーネント名
モデルNo
メーカー名
場所名
用途
センサー種別
計測期間
計測誤差
分解能
計測範囲
集計幅
集計方法
計測間隔
計測間隔の精確性
計測タイミングの精確性
計測対象
計測項目
計測条件
項目名
計測場所
「農業情報のデータ交換のインタフェースに関する標準化ガイドライン(試行版)」概要
23
本ガイドラインは、国内の農業ITシステム間で農業情報のデータ交換を行うために必要となる
ソフトウェア間のAPI(Application Programming Interface)・データフォーマットについて、リファ
レンスモデルを提示することで、データ交換のプロセスの容易化を図るもの。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/nougyou.html
<農業情報の多面的利活用>
地理空間情報のオープンな標準規格を策定している国際的な
NPOであるOpen Geospatial Consortiumの標準規格を参照
生産ノウハウ共有
等
A社
環境情報
交換サービス
センサーデバイス
データフォーマット
API
農業ITシステムの
統合的な運用
分類
標準規格
サ ー ビ ス の Sensor Observation Service
インタフェー (SOS)
Sensor Planning Service
ス
(SPS)
データ
フォーマット
Observations & Measurements
(O&M)
PUCK Protocol Standard
Sensor Model Language
(SensorML)
SWE Common Data Model
センサー
SWE Service Model
農地
概要
観測情報を得るためのWEBサービスの
オープンインタフェース。
クライアントがデータ収集の要否を決
定し、収集のリクエストを行うことが
できるWEBサービスのオープンインタ
フェース。
観測・計測に関するモデル及びXML記
述。
センサードライバコード、デバイス情
報等に関するプロトコルの定義。
センサー内の処理及び観測処理の方法
を記述する標準モデルとXMLスキーマ。
OGC:SWEフレームワーク内のノード
間におけるセンサー関連データ交換の
ためのデータモデルの定義。
OGC:SWEフレームワーク外のデータ
モデルの定義。
23
24
3.総務省における取組
I. 農業情報を共有するための標準化ガイドラインの策定
II. スマート農業の発展促進のための取組
III.成功モデルの横展開
IV.IoT(モノのインターネット)を活用した新たな取組
① ICTを活用した農業生産指導システムの実証
25
地域経済・社会の活性化、日本農業技術の海外展開のために、高い生産技術を持つ篤農家の技術・ノウハウを
データ化し、一般の農家が活用可能とすることで、農業生産性を向上する。
「AI(アグリインフォマティクス)農業」の取り組みを活用することで、農業技術・ノウハウをデータ化し、多数の生産者
に対して必要な時に必要な営農指導の提供(コーチング・オン・デマンド)を実現するシステムの構築と実証を行う。
目標設定
1
2
どの品質(⾼中低)を
目指すか選択
入⼒
相談
指導員
3
データ記録
気温、⾬量や、
糖度、酸度、サイズ
を記録
生産者
SNS
メッセージや写真
のやりとり
生産者
生産者
目標設定⽀援システム
4
作業記録
農作業を記録
環境センサ
糖酸度
検査機
作業記録・指導
記録登録システム
5
生産指導
各園地の状況を一覧して
指導予定を⽴てる
⾃習
生産現場情報収集システム
指導員
学習
作業記録(写真)から
作成された教材で学習
生産者
【実施地域】
香川県
山梨県
タイ王国
【農産物】
みかん等
生産指導システム
指導員
直接指導
生産者
知識抽出⽀援システム
生産者
H26年度実施
①農業生産指導システムの実証による知見
26
●国内実証(香川県)
営農指導の対象とすべき園地(生産者)として、従来方式では6割以上を見逃していた指導優先度の高い園
地(生産者)を発見可能なことを確認。
参加者ヒアリングでは、生産者と指導員の3/4以上が「ミカン品質の向上、作業効率の向上、指
導効率の向上」に効果を感じている。
●国外実証(タイ)
システムを使うことで農作業のやり方が変化。
農場長は、農場の状況に早く気づくようになり、作業の判断がしやすくなったため、農場に行く回
数増。
部下への指示や部下からの質問、経営ユニットへの報告が具体的になり、部下からの質問・報
告回数自体は減少。
横経測定とタブレットへの入力練習(タイ)
春枝、夏枝、秋枝など実がなる枝の判定(香川県)
② 家電のモノ創り技術を活用した低廉な植物工場モデルの実証
27
低カリウムレタス(※)等の高付加価値作物の栽培については、植物工場等を活用して、家電メーカー等の参
入が活発化。
局所空調等の高度な我が国の家電のモノ創り技術を活用し、コンテナや廃校等の空きスペースを有効活用
した低廉な植物工場モデルを構築。
※ 低カリウムレタス:尿でカリウム排出が困難な腎臓病患者等向けに生産されているもの。養液栽培が一般的。
【
データ の生成 ・
蓄積】
人工栽培環境による栽培ノウハウの短期
抽出(数理統計処理活用)
高度環境制御技術の農地適用
(空調・人工光ノウハウの活用・展開)
【Before】
【実施地域】
大阪府門真市
新潟県新潟市
【After】
【農産物】
レタス等
適用
【
低廉な植物 工場 モデルの実証】
(例)温度均一化
H26年度実施
【情報流通による有効データ
の集積と実活用モデル生成】
最適栽培条件DB
【本実証で扱うデータ(例)】
クラウド上に栽培ノウハウを効率的に集積
【幅広いクラウド活用
で実用化展開加速】
(例)
廃校等の既存設備を小規模改修で活用:
地域振興、新規就農支援としての期待
(例)
大規模栽培システム
への普及展開
●栽培条件
・温度 ・湿度
・CO2濃度
・光量
●栽培植物の品質データ
遠隔から、栽培条件制御、
栽培指導、管理を実施。
・重量
・硬さ
・色
・糖度
・栄養価
②ICTを活用した農作物生産システムの実証による知見
28
● 実証結果
栽培条件最適化システムで求めた育成条件を使って、リーフレタ
スの栽培を実施し、 統計処理で求めた成長予測値と、ほぼ同等
レベルの栽培結果を達成。
● 本システムの実用性について
門真
植物栽培に関する影響パラメータ検証において、植物栽培検証を
1~2周期の短期間実施するだけで、 植物固有の適正な栽培
条件を数式化して表現可能。
数式化された栽培条件の再現性に関しても、特に人工光型植物
工場などの均質化できる栽培環境を確保できるとした前提条件
下では、栽培地域や季節を選ばず同じ品質の育成を再現可能。
新潟特区
(新潟市革新的農業実践特区)
ICT技術を活用することで、これまで栽培経験の全く無い作業者
に対しても、導入の際の簡単な栽培研修を 受講することで、すぐ
に現場対応が可能。
遠隔監視を活用した出来栄えチェックや、レシピの変更、栽培時
間調整などを活用することで、市場ニーズに 柔軟に対応できる野
菜供給の可能性も期待できる。
新潟特区での栽培結果
③ ICTを活用した青果物流通情報システムの実証
29
国産青果物の付加価値向上を図るため、ICTを活用して市場関係者をつなぐ情報流通プラットフォームを構築
し、国産青果物の付加価値を消費者へ適切に伝達するとともに、事業者間の非効率な情報伝達を解消するこ
とを目指す。
また、青果物情報のデータ規格を定義し、市場流通のみならず青果流通に関わる生産から消費までの関係者
が広く連携して情報を共有・活用できる環境を整え、国産青果物の付加価値向上を目指す。
①⻘果物関連情報
提供サービス
提供
サービス
②入荷・分荷情報
提供サービス
③トレーサビリティ
提供サービス
管理する
情報
⻘果物情報流通
プラットフォーム
基礎⻘果物
情報
付加価値
⻘果物情報
卸売
入荷情報
流通情報/
付加価値情報の流れ
卸売
分荷情報
実需者
評価情報
仲卸
入荷情報
⻘果物
価値情報
仲卸
分荷情報
オープン
データ
流通
情報
⻘果物関連
情報
標準API
評価情報の流れ
実証
フィールド
ユーザ認証
生産者
出荷
情報
卸売
仲卸
【実施地域】
東京都中央卸売市場
大田市場
実需者
H26年度実施
一般利⽤者
ICTを活用した青果物流通情報システムの実証による知見
30
● 青果物情報流通プラットフォームで検証したサービス
青果物関連情報提供サービス
市場内流通では難しかった「青果物の生産者からの情報」(付加価値情報)を仲卸事業者を
通じて「実需者」へ伝達する手段が実現。
トレーサビリティ情報提供サービス
本サービスでは、ロット(同一仕様の製品や部品を生産単位としてまとめた数量)の特定に
よる産地や販売先(仲卸事業者や仲卸事業者が登録した販売先)の特定が、15~20分で完
了した。通常、卸売事業者が当該ロットの産地や仲卸事業者を特定するのに1~2時間を
要する現状を大きく効率化し得ることが期待できる。仲卸事業者にとっても、ロット特定を効
率化することが期待できる。
入荷・分荷情報提供サービス
卸売事業者では、本サービスの機能を利用することにより、分荷作業における手作業を減
らすことが可能になり、分荷確定までの時間が30分~1時間の効率化が図られることを確
認。
● 青果物関連情報のデータ規格
『情報流通連携基盤システム外部仕様書』を参照することで、市場内流通における情報交換
データセットを作成し、データ規格として定義。実証を通じて、作成したデータセットが青果物
情報流通プラットフォームを経由して異なる企業間のデータ連携を実現する有効な形式であ
ることが確認。
④ GPS・準天頂衛星を活用した農業機械高精度測位システムの実証
31
現在、トラクターの自動走行等を始めとする農業分野の高度化のために、高精度な測位システムのニーズが
高まりつつあるが、そのためには、GPS・準天頂衛星の補正情報を得るための基地局を生産者が自前で設置す
る必要があり、導入コストが高止まりしている状況。
GPS・準天頂衛星の補正情報を得るための基地局について、測位精度・有効距離を格段に向上させるととも
に、複数の生産者で共有できるようにすることで、導入コストの低廉化を目指す実証を実施。
【現状】
(1)単独測位
(3)提案方式
(2)補正基地局
衛星
衛星
衛星
基地局を
地域で共有
高精度位置
情報生成
自前
基地局
無線
インターネット
補正情報
精度
1000cm
有効
距離
-
特徴
設備費 ○
運用費 ○
精度
×
目標精度
10cm以下
無線範囲
(500m~1Km)
設備費 ×
運用費 △
精度
○
H27年度実施
【実施地域】
北海道鹿追町 等
目標
有効距離
特 徴
インターネット
10cm以下
基地局範囲
(30Km)
設備費 ○
運用費 ○
精度
○
G空間情報を活用した農業機械高精度測位システムの実証による知見
32
測位精度検証
1時間の測位結果(緯度経度)
検証結果
経
度
・有効距離 : 基地局間が30kmまで有効を確認。
・精度 : 基地局間 30kmで、3cm×3cm以内の分散精度で測位することを確認。
5mm
5mm
分 散
30mm
基地局間
距 離
FIX率(75%以上)
緯度
経度
10km
100%
1.5cm
1.5cm
20km
100%
2.5cm
2.5cm
30km
97.6%
3cm
3cm
30mm
緯度
フィールド検証
農業機械の直線走行において平均33mm、再帰走行において平均43㎜で、10cm以内に収まり適用可能なことを確認。
目標値
10km
目標値
有効距離30km以内において、精度10cm以下の目標値は、達成することが確認された。
コスト的な視点
基地局有効距離30kmのため10kmのRTK方式に比較し基地局設置数を減らすことができる。
仮に60km四方を有効範囲とすると仮定した場合、本方式9基地局に対しRTKでは24基地局
が必要となるため、面積が増えるほど有効である。
10km
30km
有効範囲10kmと30kmの違い
準天頂衛星
33
準天頂衛星石垣島追跡管制局
石垣天文台から竹富島方面の眺め
2016年5月
ドームの中にはパラ
ボラアンテナ
(内閣府HPより 2016年3月)
主管制局:常陸太田、神戸(国交省航空衛星センター)
追跡管制局:上記2局の他、種子島、恩納村、久米島、
宮古島、石垣島(計7局)
準天頂衛星
34
準天頂衛星
(JAXA HPより)
(内閣府資料より)
準天頂衛星はほぼ真上にある
静止衛星軌道を傾け、かつ楕円にする
↓
日本上空に約8時間滞空する
↓
準天頂軌道に3個の準天頂衛星を配
置すると必ず1機が日本上空にある
準天頂衛星
35
36
3.総務省における取組
I. 農業情報を共有するための標準化ガイドラインの策定
II. スマート農業の発展促進のための取組
III.成功モデルの横展開
IV.IoT(モノのインターネット)を活用した新たな取組
① ICT街づくり推進事業
ICTまち・ひと・しごと創生推進事業
ICT街づくり推進事業実施地域一覧
38
センサーネットワークによる鳥獣被害対策(長野県塩尻市)
39
センサーネットワークによる鳥獣被害対策
課
題
長野県塩尻市では、イノシシ等が水田を荒らすことによる米収穫高の減少や耕作放棄地の拡大が年々深刻化。
電気柵や罠の設置などハード面での対策を実施するも、効果は限定的。
実
証
内
容
塩尻市が同市内の北小野地区において、水田周辺に獣検知センサーや罠捕獲センサーを設置。
獣検知センサーが獣を検知すると、①サイレン音やフラッシュ光で獣を追い払うとともに、②検知情報がクラウド
を介して農家や猟友会に地図付のメールで配信され、迅速な追い払いや捕獲に寄与。
罠捕獲センサーが罠に獣が掛かったことを検知すると、その情報がクラウドを介して農家や猟友会に地図付の
メールで配信され、罠に掛かった獣の迅速な撤去に寄与。(平成24~25年度:計6匹を捕獲)
成
果
・
効
果
北小野地区(稲作面積約27ha(※1))における実証の結果、被害面積が減少、稲作収入の増大が期待。
平成23年度
被害面積(※2)[%]
稲作収入(※3)[万円]
平成24年度
平成25年度
(実証1年目)
(実証2年目)
85
20
0
354
1,890
2,362
※1 塩尻市全体の稲作面積(約700ha)の約4% ※2 地元農家への聞き取り調査に基づき、日本ソフトウェアエンジニアリング株式会社が推計
※3 耕作可能面積及び1ha当たりの平均稲作収入を基に、日本ソフトウェアエンジニアリング株式会社が推計
長野県塩尻市は、総務省からの支援により、ICT街づくり推進事業(H24~25年度)を実施。
クラウド
追尾センサー
罠捕獲センサー
罠捕獲センサー
429MHz帯特定小電力無線
によるアドホックネットワーク
サイレン音
フラッシュ光
獣検知センサー
獣検知センサー(赤外線センサー)
林業の生産性向上(岡山県真庭市)
40
クラウドとロボットセンサーを活用した森林資源の情報共有と災害時の被害状況把握
課
題
岡山県真庭市は、美作(みまさか)地方に位置する地方都市(成熟都市)であり、面積の8割を森林が占める。
木材産業が発展しており、木質バイオマス発電所が平成27年度より稼働。燃料等森林資源の安定供給が課題。
過去に、大型台風の襲来による大規模な風倒木被害が発生。資源保全・土砂災害防止の視点から対策が必要。
実
証
内
容
地番現況図を共通IDとした森林林業クラウドを導入し、行政機関と資源生産事業者と情報共有を促進。
ロボットセンサー(UAV)を導入、樹木の位置や種類等を上空から柔軟に把握する体制を構築。
上記を災害時に活用し、風倒木や土砂災害発生箇所を迅速に把握し、関係者にて共有。
成
果
・
効
果
森林組合が土地所有者情報を把握する際、従来は1区画に2人がかりで終日(8時間程度)費やしていたが、森林林業
クラウドを用いた地番現況図の閲覧によって、簡易な画面上の操作(1分程度)で作業を完了させることが可能となった。
また、森林資源の分布(樹木の種類別面積、生育状況等)を把握する際、従来は1区画に2人がかりで終日(8時間程
度)費やしていたが、ロボットセンサーを用いた空中写真等、森林林業クラウドに蓄積された情報の活用により、簡易な
画面上の操作(1分程度)で作業を完了させることが可能となった。
岡山県真庭市は、総務省からの支援により、ICT街づくり推進事業(H25年度)を実施。
森林林業クラウド
ロボットセンサー
森林資源量の把握・関係者間の共有
森林資源の有効活用
木質バイオマス発電等への
燃料安定供給
ICTによる地方創生(沖縄県久米島)【農作物の地産地消】
41
農作物の地産地消システムによる売上増
課
目
題
的
・
農業従事者の高齢化等により、農業売上高(特に地元野菜)が年々減少。
一方で、地元農家は余剰生産物を廃棄し、地元ホテル等は野菜等を島外から購入するミスマッチが発生。
1戸当たりの野菜売上高(平成24年度):約76万円 平成17年度に比べて約46%の減少
内実
容証
地元農家と地元ホテル等がタブレット等を用いて簡易に操作・取引できるオンラインショップを開設。
成
果
・
効
果
一戸あたり約4千円/月(年額換算で約5万円)の販売収入を創出し、自給農家を含めた地元農家の
生産意欲向上に寄与。
新鮮な地元野菜を購入できるため、地元ホテル等における利用も進み、農作物の地産地消を促進。
沖縄県久米島町は、総務省からの支援により、ICT街づくり推進事業(H25年度)を実施。
オンラインショップ
商品データの登録
出荷者・注文
の確認
商品データの
閲覧・注文
生産者
仲介者
購入者
(小規模農家等)
(地元NPO法人)
(地元のホテル
・レストラン等)
タブレット等
タブレット等
タブレット等
決済
規格外や小規模生産
の農産物
配送・販売
ICTまち・ひと・しごと創生推進事業(街づくりの成功モデルの横展開)
ICT街づくりの成功モデル
平成27年度
①センサーを活用した鳥獣被害対策(長野県塩尻市)
獣検知センサーが獣の侵入を検知すると、サイレン音やフラッシュ光で獣を追い払うとともに、地元農
家や猟友会に地図付きのメールを配信し、迅速な追い払いや捕獲に寄与。 罠捕獲センサーに獣が
掛かった際にも、同様にメールを配信し、獣の迅速な処理に寄与。
横展開
2年間で被害面積が85%からゼロに減少。稲作収入の増大(約7倍)が期待。
42
平成28年度
岩手県大船渡市
香川県土庄町
佐賀県佐賀市
長崎県対馬市
新潟県三条市
岐阜県恵那市
岐阜県瑞浪市
徳島県阿波市
福岡県直方市
熊本県高森町
②クラウドを活用した森林資源の情報共有(岡山県真庭市)
クラウドシステムとして、土地所有者情報や、ロボットセンサー(ラジコンヘリ)で把握した樹木の分布
情報や成育情報を整理し、市役所や森林組合が共有できる仕組みを構築。森林資源分布や所有
者の把握作業が2人・日/1区画から簡単なパソコン画面上の操作(1分程度)に短縮。
横展開
愛媛県西予市
北海道中川町
福井県高浜町
兵庫県佐用町
鳥取県三朝町
③クラウドを活用した農作物の地産地消(沖縄県久米島町)
クラウドシステムとして、農家やホテルが余剰野菜をネット上で簡単に売買できる仕組みを構築。
一戸あたり約5万円/年の販売収入を創出し、地元農家の生産意欲向上に寄与。
横展開
鹿児島県三島村
沖縄県粟国村
沖縄県南大東村
④マイナンバーカードの活用を想定した母子健康情報提供(群馬県前橋市)
クラウドシステムとして、母子健康手帳・健康診断結果の情報を電子化。マイナンバーカードを想定し
たICカードで保護者や医師、保健師が情報を共有・閲覧できる仕組みを構築。予防接種の打ち間違
いの排除や、きめ細やかな保健指導による医療費の削減が期待。また、レントゲンやMRIの画像を病
院間で医師が共有・閲覧できるクラウドシステムも構築。検査の重複排除や患者負担軽減に寄与。 横展開
クラウドシステムの運営を担う一般社団法人を設立し、他地域への横展開を推進。
群馬県渋川市、
沼田市、藤岡市、
富岡市
千葉県浦安市
富山県南砺市
高知県南国市
福島県
会津若松市
⑤マイナンバーカードの活用を想定した高齢者の健康支援・買い物支援(奈良県葛城
クラウドシステムとして、マイナンバーカードを想定したICカードを公民館のタブレットにかざすだけで
市)
活動量計からの健康情報の把握や、健康状態に合わせたレシピの提示・食品購入といったサービス
横展開
を受けられる仕組みを構築。 高齢者が公民館へ外出することで、地域の活性化にも寄与。
長崎県平戸市
沖縄県久米島町
岩手県葛巻町
(鳥取県南部町モデル)
ICTまち・ひと・しごと創生推進事業(平成28年度補正予算)
43
平成28年11月1日報道発表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000197.html
補助対象分野
(1)ICT街づくり推進事業における主な成果事例の横展開
① センサーネットワークによる鳥獣被害対策(長野県塩尻市)
② マイナンバーカードの活用を想定した母子健康支援(群馬県前橋市)
③ マイナンバーカードの活用を想定した高齢者の健康見守り(鳥取県南部町)
④ クラウドを活用した森林資源の情報共有(岡山県真庭市)
(2)地域の産業の効率化や生産性向上に貢献するとともに、地域の活性化に資するもの
提案書提出期限:平成28年12月2日(金)
スケジュール
平成28年12月~平成29年1月: 外部有識者による評価、採択候補先の選定
平成29年2月頃
: 交付決定(予定)
提案者
地方公共団体、民間企業等
補助率
① 小規模地方公共団体(※)にあっては1/2以内又は定額(上限3,000万円)
② 小規模地方公共団体以外にあっては1/2以内
※ 小規模地方公共団体とは、都道府県、政令指定都市、中核市、特例市及びこれらが参画する特別地方公共団体を除いた地方公共団体をいう
②地域情報化大賞
IT漁業による地方創生
45
(公立はこだて未来大学マリンIT・ラボ【北海道函館市】)
水産業におけるリソース・シェアリング(情報と資源の共有)
「地域情報化大賞
2015」
(北海道発!IT漁業プロジェクト)
大賞/総務大臣賞受賞
課題:沿岸漁業の厳しい現状↘
・漁業者の高齢化、後継者不足
・海洋環境の変化、水産資源の減少
・燃油の高騰、魚価の低迷
解決:沿岸漁業の明るい未来↗
・IT漁業による技術継承、後継者育成
・IT漁業による生産管理、資源管理
・IT漁業による効率化、高付加価値化
競争的な漁業
勘と経験の専有
(変化に弱い)
漁船漁業のための「うみのレントゲン」
協調的な漁業
※ICTを活用した資源管理システムで水産資源を見える化
情報と資源の共有
(変化に強い)
IT漁業
・ICTの役割:水産資源と海洋環境を見える化すること
・漁業者の役割:持続的な沿岸漁業に取り組むこと
養殖業のための「うみのアメダス」
※ ICTを活用した海洋観測システムで海洋環境を見える化
「勘」と「経験」と「情報」による持続可能な沿岸漁業を実現!
うみのレントゲン
・なまこ資源のV字回復(1.6倍)、1.4億円のなまこ貯蓄
・漁業協同組合など全国の30団体(計158隻)に技術移転
UP!
うみのアメダス
・従来の海洋観測ブイの10分の1の価格、50分の1のランニングコスト
・延べ326基のユビキタスブイによる全国沿岸の水温観測網を構築
なまこ資源の推移(留萌市)
公⽴はこだて未来⼤学マリンIT・ラボは、総務省からの⽀援により3期7年にわたりSCOPEを実施または実施中(平成21〜22年度、平成23〜24年度、平成26〜28年度)。
地域をつないで一つのバリューチェーン「リコピン人参プロジェクト」
46
(NKアグリ株式会社【和歌山県和歌山市】)
農業IoTで「地域の旬」を繋ぐ、地域共創による農業の経営安定化
(地域をつないでバリューチェーン「リコピン人参こいくれない」プロジェクト)
「地域情報化大賞
2015」
部門賞受賞
通常の人参は1地域での出荷可能期間は1ヶ月余りだが、
NKアグリのリコピン高含有人参「こいくれない」は、育成、
栄養価と相関性のある環境条件を解明、IoT環境セン
サーを設置することにより複数の産地でも導入可能な収
穫時期予測システムを構築した。
開始から2年で10都道府県約60人の生産者との連携
し、6カ月間出荷出来るブランドを構築。全国5ヵ所のIoT
センサーによる収穫予測により、相場に左右されない安
定価格での買取,販売で,生産者の作業計画性,経営の安
定化に寄与。全国の量販店で流通。
複数地域の生産者の経営安定化に寄与。地域間の共創環境を創生
・リコピン人参500トンの生産で経済波及効果4.5億円(2015年度目標)
・全国30都道府県、約40社の量販店で6か月流通(2015年度目標)
・10都道府県の約60人の農業生産者の所得の安定化
・現在も生産者を募集中。今後、品目の増強と海外への販売も視野。
47
3.総務省における取組
I. 農業情報を共有するための標準化ガイドラインの策定
II. スマート農業の発展促進のための取組
III.成功モデルの横展開
IV.IoT(モノのインターネット)を活用した新たな取組
IoTサービス創出支援事業(身近なIoTプロジェクト)の概要
48
施策の目的
第4次産業革命の実現に向け、IoTサービスの創出・展開に当たって克服すべき課題を特定し、その課題の解決に資する参照モデルを構
築するとともに、必要なルール整備等につなげる。
施策の概要
地方自治体、大学、ユーザ企業等から成る地域の主体が、家庭、食など生活に身近な分野におけるIoTサービスの実証事業に取り組み、
克服すべき課題を特定し、その解決に資する参照モデルを構築するとともに、データ利活用の促進に必要なルールの明確化等を行う。
事業イメージ
対象分野: ①家庭(スマートホーム)、
②防災、③放送、④医療、
⑤教育、⑥農業、⑦小売、
⑧シェアリングエコノミー 等
提案主体:地方自治体、大学、データを扱うユーザ
企業等から構成される地域のコンソーシ
アム
成
果: (1) IoTサービスの創出・展開に当たって
克服すべき課題の解決に資する先行
的な参照モデルの構築
(2) 必要なルールの明確化等
⇒ 第4次産業革命の実現(付加価値
創出30兆円)に寄与
「身近なIoTプロジェクト」の実施状況(H27補正:IoTサービス創出支援事業)
49
本年6月から、医療、農業(食)など生活に身近な分野において、地域発の先導的なIoTサービスの
創出・展開を後押しする実証事業を「身近なIoTプロジェクト」として、全国各地の8チームで実施中。
新潟県見附市等(医療)
宮城県東松島市(農業)
福岡県福岡市(都市)
福島県会津若松市(医療)
神奈川県南足柄市(教育)
静岡県及び関東地方(放送)
福岡県朝倉市(農業)
沖縄県那覇市及び
東京都目黒区(家庭)
発酵土壌づくりのためのセンシングネットワークシステムと
ナレッジ提供のためのアルゴリズム開発
50
実施地域
福岡県朝倉市 アグリガーデンスクール&アカデミー内、県立朝倉光陽高校内、JA筑
前あさくら管内、中山間圃場
事業概要
健康機能性の高い農産物をつくるための「発酵土壌づくり」のニーズはにわかに高まっ
てきており、様々な企業や団体・研究機関から個人レベルまでニーズの拡がりが見られ
る。このようなタイミングにおいて、初期の土壌データのセンシングと同データに基づ
く発酵土壌づくりのためのナレッジ提供サービスを行うため、「センシングネットワー
クシステムの開発と効果的なナレッジ提供のためのアルゴリズム」を開発する。
実証期間終
了後の予定
朝倉地域外も含むモニターを募集し、さらなる実証研究を重ね、実用化に向けて、各コ
ストの算出、センサー製品単価、工程管理に基づくナレッジ提供事業モデルを確立する。
(株)アグリガーデンスクール&アカデミー
⾼健康機能性農産物の最適土壌環境研究
分析
講師陣
実証
コンソーシアム
企業・大学
データ収集
発酵土壌との比較結果をフィードバック
活用
慣⾏土壌
発酵土壌
工程解析
ノウハウ蓄積
ナレッジ化
慣⾏農法モデル
JA筑前あさくら組合員
センサーによる
情報採取
AGSA実験圃場
にて実証実験
考察/仮説
データ
NECソリューションイノベータ(株)
発酵土壌づくりのためのナレッジ提供
土づくり手法
土づくり作業記録
新規就農モデル
福岡県⽴朝倉光陽⾼校
NECソリューションイノベータ(株)
センサーによる
情報採取
高校内圃場
中山間圃場
(耕作放棄地)
海洋ビッグデータを活用したスマート漁業モデル事業
51
実施地域
宮城県東松島市浜市沖
事業概要
定置網漁において海洋ビッグデータを活用することで、新しい効率的漁業モデルを実証する。
①漁獲モデル:データに裏付けされた効率的な漁業と、獲りたい魚を獲る漁業を実現する。
②小売モデル:首都圏の個人飲食店を含む小規模飲食店が漁業者に直接、先行予約する新しい
海産物産地直送モデルを構築する。
実証期間終
了後の予定
継続的にデータを取得したい。漁業者にとって非常に大きなメリットをもたらすもので、
社会実装する際のランニング費用は利用者が負担するモデルでの商品化を目指す。
漁師の経験や勘に頼っていた部分を、IoTやビッグデータを活⽤したスマートな漁業に変革。
<IoT入⼒データ>
気象データ × 潮流データ × 画像データ(⽔中)× 漁獲データ
通信ネットワークを通じて収集・分析
<期待される出⼒データ>
⇒ (翌日の)出漁計画
-⿂種・漁獲量予測
-漁場
-網の投入方法
飲食店
「海の中からの産地直送販売」の実現
→ 漁師の収入安定へ
http://www.midika-iot.jp/
第1回会合 平成28年6月28日 総務省講堂
早苗コラム(高市早苗HP)抜粋
53
IoTサービス創出支援事業(平成28年度補正予算)
54
平成28年10月28日報道発表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000148.html
(
対象分野
ア 都市(スマートシティ)
イ 家庭(スマートホーム)
ウ 防災
エ 放送
オ 医療・福祉
カ 教育
キ 農業
ク 小売
ケ シェアリングエコノミー
提案書提出期限:平成28年12月9日(金)
スケジュール
・平成29年1~2月頃:評価会開催、委託先候補の決定
・平成29年3~4月頃:契約条件の調整、委託契約の締結
・平成29年9月末頃 :中間報告書の提出
・平成30年3月頃
:成果報告書の提出
提案者
地方公共団体、民間法人、大学、NPO法人等からなるコンソーシアムとするが、データの活
用主体であるユーザ企業等を含むことを必須とする
委託金額
1提案当たり6千万円以下
4.新たな電波利用
I. ドローン/ロボット
II. 無線センサーネットワーク(自営系)
III.携帯電話(通信モジュール/IP無線)
産業用無人ヘリコプター(既存)
56
情報通信審議会情報通信技術分科会陸上無線通信委員会報告より
ドローン/ロボット用の既存周波数
無線LAN
無線LAN
(情報通信審議会情報通信技術分科会陸上無線通信委員会報告より)
57
情報通信審議会における検討
58
総務省では、ドローンを含むロボットの電波利用の高度化のため、2015年3月より、情報通
信審議会において、使用可能周波数の拡大や最大空中線電力の増力等に向けた技術的
検討を実施。(2016年3月22日答申)
ロボットの利用イメージと電波の利用イメージ
無線LAN(免許不要)
300m程度しか飛ばない
( )内は既存周波数
空中撮影
ドローン
画像伝送
(1.2GHz帯、2.4GHz帯、50GHz帯等)
社会インフラ維持・管理
データ伝送
(920MHz帯、2.4GHz帯等)
操縦者
農薬散布
ラジコンヘリ
ドローン
操縦コマンド伝送
(73MHz帯、400MHz帯、920MHz帯、2.4GHz帯等)
各種産業用
救助用ロボット等
無人重機
無人化施工
災害対応※
画像伝送のイメージ
電波を利用するロボットの具体的な利用用途
利用区分
具体的な利用用途
地上
・火山の無人観測
・建設/土木工事の無人化施工
・災害現場における調査/復旧作業
・農業機械の無人化
・車両の自動運転
・案内/誘導サービス
屋内
・災害現場における調査/復旧作業
・トンネル内災害調査
・戸建住宅床下点検
・屋内荷物の自動搬送
・案内/誘導サービス
上空
・災害現場による観測
・火山の無人観測
・橋梁/建造物の老朽化点検
・送電線の点検
・壁面調査
・プラント/工場/施設等の警備監視作業
・ソーラー発電のパネル異常検出
・農産物生育状況の確認
・農薬散布
・空撮/地図作成
・荷物/物資輸送
・番組制作/取材
海上
・水中ロボット等の位置把握等の測量探査
・水中でのインフラ点検
・深浅測量
59
59
電波利用に対する要求条件
60
電波利用に対するニーズ
高画質で長距離の画像伝送が可能となるよう、大容量の通信を可能とすること。
ロボットを一つの運用場所で複数台運用できるように、いくつかの通信チャネルが使用可能であること。
主に使用する回線の他に、混信やその他の電波伝搬上の障害等の何らかの事情により、当該主回線が不通となっ
た場合に備えて、バックアップ用に別の通信回線が使用可能であること。
低コストの無線機実現の観点から、周波数は既存システムに利用されている汎用的な周波数帯が望ましい。
ロボット用無線システムに対する要求条件
通信距離
伝送容量
同時運用台数
上空利用
地上利用
屋内利用
メインの回線(2.4GHz帯、5.7GHz帯)
【高品質画像、位置データ、操縦用コマンドなど】
: ~5km程度
: ~1km程度、
: ~200m程度
バックアップ用回線(169MHz帯)
【白黒画像、操縦用コマンド】
メイン回線
: 最大54Mbps
バックアップ用回線 : ~200kbps
上空利用
地上利用
小型無人機
上空利用
~5km程度
: 5台程度
: 20台程度
屋内利用
~200m程度
屋外地上利用
~1km程度
屋内用ロボット
無人重機
画像/データ/操縦用コマンド
画像/データ/操縦用コマンド
ドローン/ロボット用新周波数(メイン回線)
61
(1)2.4GHz帯及び5.7GHz帯(メイン回線用周波数)
主に高画質で長距離の映像伝送用の周波数を拡大。上空利用で5km程度の通信距離を確保し、例えば、人が立
ち入れない火山の噴火現場の映像をドローンによりリアルタイムで取得するなどが可能となる。
2.4GHz
帯
主な技術的条件
新周波数帯
周波数帯
2483.5~2494 MHz
最⼤空中線電⼒
1 W※
チャネル幅
最⼤10MHz
5.7GHz
帯
新周波数帯
主な技術的条件
周波数帯
5650~5755 MHz
最⼤空中線電⼒
1 W※
チャネル幅
5 / 10 /20 MHz
※既存の無線LANシステムと比較すると約4倍(EIRP比較では約10倍)の増力
ドローン/ロボット用新周波数(バックアップ回線等)
62
メイン回線が通信不能となった場合の最低限の復旧用バックアップ回線用として、169MHz帯を利用
主な技術的条件
169MHz帯
周波数帯
169.050〜169.3775MHz
169.8075〜170MHz
最⼤空中線電⼒
1W
占有周波数帯幅
300kHz以内
無人ヘリコプターの増加を踏まえ、73MHz帯の産業用模型飛行機の制御用周波数を4波増波
73MHz帯模型飛行機用周波数の増
波
③地上/水上用に3波追加
※総数:11波
上空使用(模型飛行機用)
※産業用以外
72.76
①使用区域を「上空用」に変更
72.77
72.75
72.79
72.81
地上/水上⇒上空
地上/水上使用(模型飛行機以外の使用)
73.23
73.22
上空使用(模型飛行機用)
73.27
73.25
73.24
73.26
73.29
73.28
73.31
73.30
73.32
②上空用に1波追加
携帯電話の上空での利用について
携帯電話の上空利用に向けて
サービスエリアが広く、高速・大容量のデータ伝送が可能な携帯電話をドローンに搭載し、画像・データ
伝送等に利用したいとのニーズが高まっている。
携帯電話網は地上での利用を前提に設計されているため、上空での通信環境の調査を実施。ドローン
の通信品質の確保や地上の携帯電話利用への影響などの課題があることから、引き続き検証が必要。
このため、携帯電話の上空利用について、既設の無線局等の運用等に支障を与えない範囲で、試験的
な導入を図る。 (実用化試験局制度を活用。携帯電話等事業者のみが免許を受けられる)
携帯電話の上空利用のイメージ
ドローン
携帯電話の上空利用に対するニーズの高まり
・ドローンに携帯電話モジュールを搭載して
広域で機体の制御や映像伝送をしたい
携帯電話
基地局
携帯電話の上空利用に関する検討
携帯電話の上空での利用に関する受信環境調査を
実施し、技術上・運用上の課題等を整理。
携帯電話
基地局
ドローンの通信品質の確保や地上の携帯電話利用
への影響などの課題があり、引き続き検証する必
要があることから、試験的に携帯電話の上空利用
の導入を図る。
携帯電話網は陸上(地上)での利用を前提にシステム設計
(基地局は下方向に電波を発射し、基地局間及び他システムとの干渉を抑え、電波の利用効率を高めている。)
※既設の無線局等の運用等に支障を与えない範囲で運用することが条件
63
(参考) 携帯電話の上空利用に関する通信環境調査の結果概要
通信方向
下りリンク
(基地局→
上空の携帯電話)
主な用途
制御
(操縦など)
シミュレーション結果
・高度が高いほど、基地局密
度が高いほど、通信品質が
劣化
・また、ドローン制御に要求さ
れる通信品質を確保できる
場所率も低下
上りリンク
(上空の携帯電話
→基地局)
データ・画像
の取得
64
主な結論と課題
・高速通信には適さない
・高度及び基地局密度に応じた、通信が
確保される下限の品質について、引き続
き検討が必要
・高度や台数、基地局密度に
よらず、高品質
・高速通信が可能。ドローンからのデー
タ・画像の取得には問題ない
・上空の携帯電話の台数が
多いほど、基地局密度が低
いほど、地上の携帯電話利
用(上り)の通信品質の劣化
度合いが大きくなる
・地上の携帯電話の運用に支障をきたさ
ない範囲で利用することが必要
・上空の携帯電話の送信電力値、同一地
域で同時送信可能な台数の上限等につ
いて、引き続き検討が必要
・隣接帯域等を利用する携帯電話サービ
ス及び他業務の運用に支障をきたさな
い範囲で利用することが必要
・隣接帯域等を利用する携帯電話サービ
ス及び他業務への影響について、引き
続き検討が必要
(参考) 国交省 改正航空法
(1)飛行の禁止空域
禁止空域で飛行させようとする場合は国土交通大臣の許可が必要
無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドラインより
(2)飛行のルール
以下の飛行は原則禁止。飛行させようとする場合は国土交通大臣の承認が必要
65
4.新たな電波利用
I. ドローン/ロボット
II. 無線センサーネットワーク(自営系)
III.携帯電話(通信モジュール/IP無線)
センサーネットワーク
67
無線LAN(Wi-Fi)
消
費
電
力
Bluetooth
Wi-SUN
ワイヤレス・スマートユーティリティ・ネットワーク
国際標準:IEEE802.15.4g
ZigBee
Wi-SUN
省電力通信方式
伝送速度
不必要な電波を出さない、受信時間を制御等により、1ヶ月
2000オペレーションで、単三乾電池3 個程度の消費電力で
10年程度動作
サービスエリアの拡張が簡単
無線機間で多段中継し(最大30ホップ程度まで)、メータ情報
をバケツリレーの形で一定のデータ収集局まで収集
無線機と放射線量測定器と
の接続例
全国の10 電力会社のスマートメーターに
採用され、約8,000 万台導入される予定
農業用センサー
もずく養殖場のモニタリング
~Wi-SUN無線センサネットワークの実証実験~
68
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、知念漁業協同組合と連携し、NICTが開発
したWi-SUN 注)無線技術を用いたセンサーネットワークによる「もずく養殖場のモニタリング」を
開始(平成27年12月~)。
電池駆動の省電力Wi-SUN無線機を搭載した3基の海上ブイ(うち2基に水温・塩分濃度センサ
を搭載)が、沖縄県南城市のもずく養殖場内の、陸から1~2km離れた区画に配置。モニタされ
た水温・塩分濃度データは、定期的にブイ間の省電力マルチホップ通信で収集され、NICTのク
ラウド内に管理。
注) Wi-SUN : Wireless Smart Utility Network
平成24年1月24日に設立されたIEEE 802.15.4g規格準拠無線機の世界初の規格認証団体(WiSUNアライアンス)及びその認証規格。東京電力を始め多くの電力会社がスマートメータに採
用。
設置場所
海上ブイの概要
水中写真
NICT報道発表資料より
http://www.nict.go.jp/press/2015/12/17-1.html
4.新たな電波利用
I. ドローン/ロボット
II. 無線センサーネットワーク(自営系)
III.携帯電話(通信モジュール/IP無線)
システム構成
ドコモ
の
回線
クラウド
ドコモM2M
プラットフォーム
モバイル通
信
田んぼの⾒回り代⾏します
PaddyWatchとは、センサで圃場の水位・水温・温度・湿度を測定し、タブレッ
トやスマートフォン等を使って遠隔地から圃場の状況を確認できるサービスです。
また、緊急時にはメールでお知らせいたします。
閉域回
線
アプリケーショ
ンサーバー
水田センサ
水位
水温
温度
湿度
M2Mサーバー
データストレー
ジ
イン
ター
ネット
モバイル通
信
水田センサ[4つの特
⻑]
1
電 源 不 要 ポイン
メールでお知らせ
ト
市販乾電池で
1シーズン稼働します。
設置が簡単
ポイン
ト
タブレット画面
機器代⾦
初 期 費 用
専業農家・兼業農家の水田管理
労⼒の効率化
他の作業への振り分け
経費削減
農薬・肥料の効率散布
ロス率削減で収穫アップ
坪数
第1工場
病害虫・雑草対策、高温障害対策
第2工場
25坪
50坪
日産株数
288株
600株
建屋
プレハブ
鉄骨建屋(新
築)
照明
蛍光灯
LED
電気料⾦
-
第1工場とほぼ
同等の⾦額
建設費⽤
-
第1工場の2倍
以下の⾦額
ポイン
ト
4
専用アプリがあるので、スマートフォンや
タブレットで確認できます。
サービス利⽤
月 額料費 用
水田センサ本体
99,800円/台(税別)
設置用ステンレスポール160cm
5,700円/本(税別)
1,980円/月(税別)
※サービス利用料には、クラウドサーバー/アプリケーション/ピンポイント天候予測の利用料及び通信料が含まれます。
※本仕様については、性能改良、部品の生産中⽌等の理由により形状・仕様を変更する事があります。
※本製品は、広域多地点の圃場環境計測および科学的な水稲栽培による収益化を目指す農匠ナビ1000プロジェクト等の研究成果と知⾒に基
づき、九州⼤学⼤学院農学研究院南石晃明教授及び農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター吉田智一上席研究員の監修
により開発されています。
サービス提供者
お問い合わせ先ドコモ・コーポレートインフォメーションセンター
第1工場と第2工場の比較
項目
いつでもどこでも確認
スマートフォン画面
導入メリット
省電⼒・コスト削減
3
※今後対応予定
2
特別な⼯事は不要で、
すぐにご利用頂けます。
水田センサの写真
ポイン
ト
水位や水温など閾値から外れた際に、
メールでお知らせします。
0120-808-539
※ 携帯電話、PHSからもご利用になれます。
※ 海外からはご利用になれません。
対応時間︓平⽇ 午前9時〜午後6時(土・⽇・祝⽇・年末年始を除く)
○掲載されている会社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。○本カタログ掲載の画面は、実物と若⼲異なる場合があります。
○本カタログ掲載のサービス内容・機能、料⾦などは、予告なしに変更する場合があります。
©2016 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.
沖縄セルラー 植物工場
第1工場
蛍光灯
第2工場
LED
*広さ、設備を2倍にしてグレードアップしても総工費は2倍以下
第2工場の電気代は規模を2倍にしても、第1工場と同じ電気料⾦。
コストダウン努⼒の内容
・地元の企業と協⼒する → 輸送費や作業員の交通費、宿泊費を少しでも減らす
・⾃ら設計する
→ 必要最低限の仕様にとどめる
・直接メーカーから調達する → 中間マージン発生を極⼒抑える
( 工場内遠隔監視システム
目的 工場内の環境制御が適切に⾏われているかどうかの確認と、異常時のアラーム通知
で緊急時の対応を⾏う為。
電⼒監視システム
目的 工場内でどれだけの電⼒を使⽤しているかの把握と、省エネを実施できる箇所を探す
為と、次期工場でどれぐらいの電⼒が必要になるかを把握する為。
*上記2つを複合的に組み合わせて運⽤、各社等農業関連のシステムはありますが
この規模ぐらいの植物工場にはオーバースペック且つ⾼すぎるのでシステムを⾃作
(他社数百万円〜数千万円→沖縄セルラー100万円以内で構築)
第一工場生産分全て→A&W様へ、
第二工場生産分→リウボウストア様へ
5.最後に
超高速ブロードバンド
光(FTTH)サービスエリア
73
超高速ブロードバンド
74
光(FTTH)サービスエリア
台
風
75
平成28年10月3~4日
台風18号 久米島
中心気圧:905hPa
観測された最大瞬間風速:59.7m
(沖縄本島地方に特別警報)
平成27年9月28日
台風21号 与那国
中心気圧:925hPa
観測された最大瞬間風速:81.1m
台
風
76
石垣島伊原間付近
ダブルの電柱が続く
西銘元総務副大臣の石垣島視察
平成27年台風21号後(10月4日)
石垣島には8月23日に台風15号も
中心気圧:925hPa
観測された最大瞬間風速:71m
ご清聴ありがとうございました!
総務省 沖縄総合通信事務所
Tel: 098-865-2300
http://www.soumu.go.jp/soutsu/okinawa/
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