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平成21年第1回定例会(第5日)

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平成21年第1回定例会(第5日)
福岡市議会会議録 | 2009.03.04 平成21年第1回定例会(第5日) 本文
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2009.03.04 平成21年第1回定例会(第5日) 本文
◯副議長(久保
浩)
休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたしま
す。倉元達朗議員。
◯44番(倉元達朗)登壇
私は、日本共産党福岡市議団を代表して、吉田市長の施政方針と
2009年度予算案及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会に質問いたします。
今、未曾有の危機が日本経済と国民生活を襲っています。GDP国内総生産速報が示した実
質成長率の年換算マイナス12.7%、年間の企業倒産件数が前年比15.7%増の1万2,681件など、
まさに墜落するような景気悪化が進んでいます。アメリカ発の金融危機にトヨタやキヤノンな
ど大企業が周章ろうばいして、派遣や期間工など非正規労働者の大量首切りを進め、メガバン
クを初め、大銀行が中小企業への貸し渋り、貸しはがしに狂奔する極めて異常な許しがたい事
態が起きています。とりわけ、首を切られて寒空の路頭に放り出された派遣労働者が東京日比
谷公園に殺到した派遣村は、全国に衝撃を与えました。まじめに働いても、まともな生活さえ
できない低賃金のワーキンプア、貧困層が広がる、まさに日本全国が蟹工船と言われる悲惨な
状況であります。大企業は、雇用破壊を進める一方、数百兆円もの内部留保を持ち、株主配当
もふやしていますが、こんな身勝手は断じて許されず、我が党は厳しく糾弾するものです。経
済のゆがみともろさを生み出した現況は、小泉構造改革路線にほかなりません。すなわち労働
法制の規制緩和によって非正規労働者を急増させ、内需を犠牲にして、極端な外需頼み、特に
アメリカに依存する脆弱な経済をつくり、金融の規制緩和によって外資依存の投機的市場にし
てしまったのであります。こうした新自由主義に基づく経済政策は、その推進派の中からもざ
んげの声が上がっており、既に破綻していることは明らかです。ところが、自民・公明政権は
反省するどころか、構造改革にしがみついています。慌てて打ち出した経済対策は国民の苦難
にこたえるものになっていないばかりか、その目玉である定額給付金は、ばらまき一瞬、増税
一生と批判されています。今こそ財界、大企業の横暴を正し、外需から内需へ切りかえ、経済
の軸足を国民生活へ移す変革が必要であります。日本共産党は、ルールなき資本主義を正し、
ルールある経済社会へ根本から転換させることを目指していますが、これは国民的要求と一致
すると確信するものであります。
また、世界を見てみると、イラク戦争の失敗が決定的となって、アメリカの無法な戦争政策
は世界から孤立し、大統領選挙でもノーの審判が下されました。経済でもカジノ資本主義の大
破綻によってアメリカの信頼は地に落ち、ドル支配も揺らいでいます。アメリカ中心の世界は
過去のものとなり、G8が振興国を含めたG20へと拡大されたように、平和で対等、平等、自
主、自立の流れが世界の本流となっています。まさにアメリカ覇権主義が終わりを告げる新時
代です。ところが、日本政府は相変わらず日米軍事同盟絶対、アメリカ型資本主義が手本だと
いう思考停止状態にあります。そして在日米軍基地の強化、海外派兵の拡大を進めています
が、この道に未来はありません。
以上のように、経済でも外交でも、財界とアメリカに物が言えない自民党政治の枠内にとど
まっていては、明るい将来は見えてきません。自民、公明も民主党も国民にまともな展望を示
し得ないのであります。日本共産党は国民を苦しめる2つの政治悪、財界奉仕とアメリカ言い
なりの政治から抜け出し、国民が主人公の新しい国づくりを目指して奮闘する決意を表明する
ものであります。
そこで初めに、2009年度政府予算案についてお尋ねします。
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麻生内閣の新年度予算案は、急激な景気悪化にもかかわらず、国民の苦しみや不安を打開す
る実効ある対策もなければ、暮らしと内需の回復に役立つ方策もありません。雇用対策も短
期、一時的なものにすぎず、大企業による派遣切りをとめる対策もありません。社会保障予算
は、いわゆる埋蔵金で一時しのぎするだけで、毎年2,200億円削減という切り捨て路線に固執す
る一方、大企業、大資産家への減税はさらに拡大するなど、財界応援策は至れり尽くせりの大
盤振る舞いとなっています。
そこで市長は、国に対し安定雇用と失業者救済、社会保障の予算拡充、中小企業の仕事確
保、農業と地域経済の支援、教育、文化の拡充など、経済悪化に歯どめをかけ、内需拡大の経
済に踏み出す予算に抜本的に組み替えるよう要求すべきではありませんか。また、軍事費や大
型公共事業など無駄を削り、大企業の法人税率の段階的引き上げや所得税最高税率の引き上げ
など、応能負担の原則に基づく税制改革を行うことによって財源を確保すると同時に、道路特
定財源については形をかえて道路に使途を限定するようなやり方をやめ、名実ともに一般財源
化するよう求めるべきではありませんか、あわせて答弁を求めます。また、消費税増税をやめ
るよう国に要求すべきだと思いますが、市長の所見を伺います。
地球温暖化対策についてお尋ねします。
地球規模の気候変動は既に始まっており、温室効果ガスを大幅に削減することは、一刻の猶
予も許されない人類的課題となっています。そうした中、昨年7月に日本を議長国として開か
れた洞爺湖サミットでは、世界が注目していた先進国の中長期削減目標について、何の決定も
されませんでした。日本は6%削減の達成が迫られていますが、自公政権は国際的な取り組み
をリードできないどころか、京都議定書の目標さえ達成できるのか危うい状況であり、既に超
過達成したEU諸国に比べて大きくおくれています。温室効果ガス削減の具体的施策に消極的
なアメリカと財界の言いなりになってきた結果です。温暖化の被害を最小限にするためには、
産業革命前に比べて2度以内の気温上昇にとどめることが不可欠です。
そこで、我が国として、2020年までに30%削減することを明確にした中期目標を確立すると
ともに、総排出量の8割を占める産業界の削減を自主努力任せにすることなく、公的な削減協
定を義務づけ、太陽光、熱、風力、小型水力、バイオ、地熱などの自然エネルギーの利用を抜
本的に拡大するよう政府に要求すべきだと思いますが、市長の所見をお伺いいたします。
次に、市長の施政方針とグランドデザインについてお尋ねします。
吉田市長が市政運営方針で着実に実行すると述べた福岡市2011グランドデザインは、無駄な
大型開発を推進する一方で、借金のツケを市民に押しつけ、福祉を切り捨てるという重大な内
容であります。政策推進プランは、前市政から引き継いだ九州・アジア新時代の交流拠点都市
づくりとして、人工島、都心部、九大学研都市などの大型開発を推し進めるものです。一方、
増税や国保、介護保険、後期高齢者医療制度などの負担増、生活保護の削減、縮小、障害者自
立支援法の応益負担などに苦しむお年寄りや障がい者、低所得者に対する負担軽減策や支援策
は極めて不十分で、安心して暮らしたいという市民の願いに背を向けています。財政リニュー
アルプランでは、とりわけ受益者負担の適正化や扶助費の制度見直し、市職員の825人削減計画
などが打ち出され、福祉や市民サービスが切り捨てられようとしています。また、行政改革プ
ランは、民間でできることは民間になどと言って、公共施設の管理運営や福祉サービスなどの
民営化、民間委託を進め、行政の役割と責任を放棄しようとしております。自治体は本来、国
の悪政から住民の福祉を守るという防波堤の役割を果たし、社会保障の負担増や増税、生活困
窮と雇用不安に苦しむ市民を支えるべきであります。
また、吉田市長は、市民にわかりやすく目に見える形での市政運営を進めるなどと言われま
した。しかし、見直すと公約した大型開発や人工島事業、こども病院移転、公立保育所民営化
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は推進し、留守家庭子ども会の無料化や少人数学級の全学年実施、児童館設置、公共料金の福
祉減免は実現せず、必要ないと明言すると言った新空港建設でも動揺している。こうした数々
の公約違反に市民の怒りが噴出しており、どれだけ説明しても到底納得を得ることはできない
のであります。したがって、市長は、公約違反に対する市民の厳しい批判の声を真摯に受けと
め、開発行政と市民犠牲、公的責任放棄を柱としたグランドデザインを撤回するとともに、財
政再建と福祉や教育の充実を両立させる市民本位の行財政運営へと根本から改めるべきだと思
いますが、所見をお尋ねいたします。
次に、2009年度予算案の基調についてお尋ねいたします。
市長が躍進の年と位置づけた新年度予算案は、大型開発の無駄遣いを温存し、法人市民税の
大幅減収が見込まれる中、市債発行を前年度から61億円もふやすものとなっています。人工島
事業は107億円を充てて、吉田市政の3年間で約400億円に達する推進ぶりです。一方、厳しい
財政状況を口実に、福祉や教育など生活関連予算を抑制しています。中でも国民健康保険につ
いては、一般会計繰入金を2億7,000万円減らして、1人当たり保険料をわずか1,000円程度の
引き下げにとどめました。教育費は一般会計の7.25%と抑制され、また入所希望の多い保育所
や特別養護老人ホーム、市営住宅の大幅増設に背を向けています。市長が力を入れたという経
済対策及び雇用対策は、商工金融資金の新規貸付枠を拡大したものの、中小企業対策費は一般
会計のわずか0.2%で、雇用創出は県の基金を活用した短期的な対策や産業誘致などの間接的な
対策にすぎません。さらに財政健全化と称して、市民からの税や保険料などの取り立てを強化
することや、市職員の101人削減、業務の民間委託化、貴重な市有地の売却などで88億円の効果
を見込んでいますが、借金財政のツケを市民と市職員に押しつけるやり方は許されません。し
たがって、財界、大企業のもうけづくりのための無駄な大型開発を見直し、雇用、中小企業対
策、医療、福祉、介護など、社会保障、教育、環境、防災など、市民生活を最優先する予算に
抜本的に改めるとともに、当面、人工島を初め、大型開発推進予算を削除して、国保料引き下
げや公共料金の福祉減免など、市民負担軽減の財源へ振り向ける予算の組み替えを要求しま
す。市長の明確な答弁を求めるものであります。
次に、吉田市政の最重要問題について質問いたします。
質問の第1は、人工島事業についてであります。
質問の1点目は、公約に反して人工島事業を推進してきた市長の責任についてです。
市長は、人工島を市民の財産にしていくとして、新年度107億円の予算をつけ、事業推進する
としています。市長は、人工島事業を大胆に見直すと公約したものの、その検証では、財団法
人日本不動産研究所に調査委託し、契約書では事業推進上の課題を抽出することを指示してい
ます。そして一昨年12月、市長みずから人工島整備事業推進本部長となり推進しております。
これは市民には検証・検討と言いながら、最初から推進することを決めていたことにほかなら
ず、市民を裏切るもの以外の何物でもないと思いますが、明確な答弁を求めます。
質問の第2は、市工区についてであります。
世界的な経済危機のもと、博多港のコンテナ取扱量は減少しています。ところが、市長は新
年度、水深15メートルコンテナターミナル拡張整備や臨海部物流拠点の形成などに75億円をつ
ぎ込むとしています。さらに、住宅市街地総合整備事業や新青果市場、道路整備などに税金投
入しようとしています。したがって、売れる見込みのない9,000人分の住宅建設予定の市5工
区、及び必要性のない港湾関連用地の埋め立て、造成工事は直ちに凍結、中止し、岸壁など国
工区の埋立計画は撤回するとともに、人工島の売れない土地処分のため、投資額の10%、最大
10億円を大企業に投げ渡す企業立地交付金制度はやめるべきだと思いますが、所見をお伺いい
たします。
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質問の3点目は、博多港開発工区についてであります。
博多港開発工区の土地利用計画は、サイエンスパーク、中華街構想など二転三転し、土地処
分が計画どおりにいかずに、昨年、大規模集客施設の誘導のため、企業誘致を図る交付金制度
をつくりました。さらには、高速道路整備など次々と救済策を打ち出しており、今後さらに莫
大な税金が投入されることになるのであります。またセンター地区では、博多港開発の株主で
ある福岡銀行の子会社などの共同企業体が商業施設用地として購入を計画していますが、利用
目的を変更するなど、土地転がしで県立美術館やマリンメッセをも上回る大型コンベンション
施設も取りざたされております。したがって、こうした税金の無駄遣いの破綻救済をやめるべ
きだと思いますが、答弁を求めます。あわせて、県立美術館や大型コンベンション施設の検討
は、箱物行政はしないという市長公約に反するものであり、やめるべきだと思いますが、答弁
を求めます。
質問の第2は、こども病院の人工島移転にかかわる問題についてです。
吉田市長は、こども病院の人工島移転を見直すとの公約に反し、初めから人工島移転を前提
に前市長時代と同じコンサルタント会社に調査委託をし、現地建てかえは困難との報告書をつ
くらせ、ゼネコンから聞いたなどと言って、現地建てかえ費用を勝手に1.5倍に上乗せし、人工
島が最適との結論を導き出したのであります。また、ゼネコンとのヒアリングに関して、その
時期や担当外職員の同行について虚偽の答弁を認め、謝罪しました。一方、ゼネコン側は電話
で聞かれただけで、現地も見ていない、1.5倍とは言っていないと報道されており、真相は何ら
明らかにされておりません。しかも保健福祉局が日常的にゼネコンと接触している不正常な関
係、総務省との秘密裏の事前協議など、さらなる疑惑が浮上しているのであります。以上のこ
とから、我が党が指摘してきたとおり、検証偽証は明白であり、市長には検証を語る資格はあ
りません。したがって、検証・検討の再点検を行うなど、市民や専門家を入れた第三者による
調査機関を設置し、徹底した調査を行うべきだと思いますが、所見をお伺いします。
もともとこども病院の人工島移転は、博多港開発の土地が売れずに、融資銀行団の要求に基
づいて用地を買い取るという破綻救済そのものであります。人工島への移転は、利便性や医療
バランスを壊し、西部地域は小児救急医療の空白地となることなど、子どもの命と健康を脅か
すのは明らかです。これまで市民が繰り返し声を上げ、反対署名は総計20万筆に達し、また小
児科医や産科医の92人というほとんどの方々が反対の意思表示を行っています。また法律家、
医師、患者家族など幅広い市民参加のもと、福岡市立こども病院の人工島移転撤回を求める市
民会議が結成され、さらに研究者、弁護士、医療関係者、ジャーナリストなど200人に上る人た
ちの、こども病院の人工島移転実施の再考を求めるという意見書が市長に提出されました。こ
のように市民の批判の声は大きく広がっています。したがって、人工島移転の破綻救済を優先
し、子どもの命を犠牲にするこども病院の人工島移転計画は撤回すべきと思いますが、市長の
責任ある答弁を求めます。
質問の2点目は、こども病院、市民病院の経営形態についてです。
新病院基本構想では、経営改革が必要などとして地方独立行政法人に移行し、その後、新病
院の建設と管理にPFIを導入しようとしています。その収支計画は30年間、毎年17億円の赤
字を生むというものですが、人工島移転の過大な病院建設を前提にし、患者増加見込みも根拠
がないため、専門家からは赤字は年間40億円に膨らむとも指摘されています。全国で破綻して
いるPFI病院については、民間企業の利益を保障しながら、大きな赤字が市民に押しつけら
れているのが実態です。したがって、患者の命よりも経営効率や民間利益を優先し、公立病院
としての役割を果たせなくなる市立病院の地方独立行政法人化やPFI導入はやめるべきであ
ると思いますが、答弁を求めます。
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質問の第3は、空港問題についてであります。
国、県、市で構成している福岡空港調査連絡調整会議は、パブリック・インボルブメントの
ステップ4で、福岡空港の将来対応方策として、新空港整備案及び滑走路増設案を発表し、年
度内に整備方策案を決めるとしています。市長はさきの市長選挙で、新空港は必要ないと明言
します、このように公約しましたが、候補者のときと今は違うなどと言って、今日まで福岡空
港問題について、市民に何ひとつ語ることがなく、だんまりを決め込んでいます。GDPが伸
びれば航空需要がふえることが根拠とされてきましたが、これまでの実績に見られるように旅
客数は減少しており、何の根拠もありません。したがって、空港問題は近隣空港との連携、既
存ストックの有効活用で十分に対応でき、莫大な財政を必要とする新空港づくりや滑走路の増
設は必要ないと思いますが、答弁を求めます。
次に、貧困をなくす独自の雇用、中小企業、経済対策について質問します。
市長は市政運営方針で、景気悪化に伴う地域経済に適切に対応するため、経済対策や雇用対
策を最重要課題として積極的に取り組むと述べられました。しかし、その具体的な施策を見る
と、余りにも貧弱であり、本気でこの危機的情勢に立ち向かおうとしているのか、甚だ疑問で
あります。
そこで質問の第1は、雇用、失業者対策等についてです。
大企業が雇用を守る社会的責任を放棄し、大量の失業者を生み出しています。我が党市議団
にも派遣切りで職を奪われた、住居もなく、どうしていいかわからないという深刻な相談が多
数寄せられるなど、本市への影響は大きなものがあります。これ以上の失業者をつくらないこ
とが行政に求められている中、市長が打ち出した施策は失業後の対策ばかりであります。市長
は雇用悪化について実態把握に努め、市内主要企業、経済団体に対し、大量の首切りの中止を
求めるとともに、雇用拡大を要請すべきと思いますが、御所見をお伺いします。また、違法な
派遣切り、内定取り消しについては関係機関と連携して直ちに是正させるべきと思いますが、
お尋ねいたします。
市長は1,000人規模の雇用創出などの雇用対策を打ち出しましたが、雇用人数、雇用期間とも
に不十分だと言わなければなりません。国、県の予算範囲にとどめず、独自の予算を組み、市
による雇用をふやすべきと思いますが、答弁を求めます。失業者への住居支援や資金の無利子
貸し付けについても、条件が現状と合っておらず、困った人を救うものになっていません。制
度の条件を緩和し、真に失業者の生活保障となるように改善すべきと思いますが、御所見をお
伺いいたします。
使い捨て雇用を広げた労働法制の規制緩和路線の抜本的転換が求められています。非正規雇
用の正社員化の促進、最低賃金を時給1,000円以上に引き上げ、雇用保険給付を拡充し、雇用保
険財政を活用した失業者、求職者への生活援助制度の創設、失業給付を非正規の労働者にもき
ちんと給付できるようにするなど、労働者派遣法の改正を初めとする法律の強化を国に求める
べきと思いますが、御所見をお伺いします。
日本共産党市議団が取り組んだ青年おしごとアンケートは、サービス残業や賃金ピンはね、
有給休暇取り上げなどの労働法違反の実態や、低賃金と長時間労働、非正規雇用など不安定な
雇用の実態も明らかになりました。市長は見て見ぬふりは許されないのであります。
そこでお尋ねしますが、雇用のルールを広く市民に知らせ、企業に守らせるキャンペーンを
展開すべきと思いますが、答弁を求めるものであります。
質問の第2は、中小企業対策についてです。
地域経済の実態を見ると、中小企業の落ち込みは極めて厳しいものがあります。日銀短観
は、3月までの見通しは中小企業製造業でDIがマイナス48、非製造業でマイナス42となって
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おり、本市においても既に倒産、廃業する業者が相次いでいます。市長は経済対策として融資
枠の拡大を打ち出していますが、資金を借りたくても返す体力が残されていない中小零細業者
は少なくありません。今こそ抜本的な中小企業対策が求められております。しかしながら、新
年度の中小企業対策費はわずか15億円足らずにすぎません。市長はこの深刻な景気悪化から、
中小業者を守るために中小企業予算を抜本的に増額すべきと思いますが、御所見をお伺いしま
す。また、市長が先頭に立って、銀行に対する貸し渋り、貸しはがし中止の要請などを行うべ
きと思いますが、答弁を求めます。あわせて中小企業を支える制度融資の充実を図るべきと思
いますが、御所見をお伺いいたします。とりわけ建設業界は深刻であります。仕事づくりのた
めに小規模登録制度や住宅リフォーム助成制度の新設、実施、建設労働者に生活できる賃金を
保障するために、公契約条例を本市でも制定すべきと思いますが、答弁を求めます。
質問の第3は、農業の再建と漁業の振興についてです。
国民の食を支えるべき国内の農漁業は衰退が続き、食料自給率は40%と先進国で例のない低
水準に落ち込んだままです。同時に、農山漁村の崩壊が広がり、集落の維持や国土の保全が危
ぶまれる事態であります。本市においても、安全、安心な食料の安定供給のために、農林漁業
の再生、食料自給率50%以上への回復に最優先で取り組む必要があると思いますが、御所見を
お伺いします。また、本市の農林水産業予算を抜本的に増額すべきと思いますが、明確な答弁
を求めます。
漁船の燃油や施設園芸の加温用燃料の値上がりが本市の漁業者、農業者の経営を圧迫してい
ます。燃油高騰への直接補てん措置を国に要求するとともに、市独自に行うべきと思います
が、答弁を求めます。市長は、国に対し、安心して農業生産に励めるよう、価格保障、所得保
障の実施、家族経営を維持し、大規模経営を含む担い手の育成で農地を保全するためにも、品
目横断対策の中止、各国の食料主権を尊重する立場に立って、WTO農業協定を根本から見直
すように求めるべきと思いますが、お尋ねいたします。
次に、医療、介護、生活保護、障がい者福祉など社会保障を充実して、市民の健康、福祉を
守る問題についてお尋ねいたします。
第1は、国民健康保険行政についてです。
本市の国保世帯は、年200万円以下の低所得者がその約8割を占める中、所得割算定基礎額
200万円の3人世帯で46万円という全国一高い保険料を押しつけられています。そのため、払い
たくても払えない滞納者は、全被保険者世帯の5分の1に当たる4万4,000世帯と極めて深刻な
実態にあります。こうした中、市長は新年度、1人当たり保険料をわずか年1,000円程度の引き
下げを検討していますが、市民の願いとはほど遠いものです。本市人口の1割を超える14万
6,000人に及ぶ保険料引き下げ請願署名は、現在もさらに広がっております。したがって、市長
は、本市の国保赤字分や減免分などを保険料へ上乗せするなど異常なやり方をやめ、他都市並
みに一般会計繰入金を抜本的に増額して、保険料を大幅に引き下げるべきだと思うが、答弁を
求めます。また、払えない人から保険証を取り上げる資格証明書の発行は、全国最悪水準の1
万件以上に上っております。医療費の一時払いが困難な人を含めて、市民の医療を受ける権利
を奪い、受診抑制と病気の重症化を招く人権侵害の機械的な保険証取り上げをやめ、市民が安
心して医療を受けることができるようすべきだと思いますが、所見をお伺いします。あわせ
て、本市独自に18歳以下の子どものいる世帯には、無条件で正規の保険証を交付して救済すべ
きではありませんか、お尋ねをいたします。
第2は、後期高齢者医療制度の問題です。
2008年4月から実施された後期高齢者医療制度は、75歳以上のすべての高齢者をこれまでの
保険から切り離して、本市を含む福岡県広域連合では、標準年金収入201万円の単身世帯で年額
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8万5,100円と、全国一高い保険料を年金から天引きされ、しかも受けられる医療も診療報酬上
で差別するという、まさにうば捨て山の過酷な制度であります。また、本市の普通徴収されて
いる年額18万円以下の低年金の滞納者は2008年11月末で約30%の8,300人以上に上っており、
2009年4月からの全額窓口自己負担を強いる過酷な資格証交付は命にかかわる深刻な事態を引
き起こすのは必至であります。したがって、市長は小手先の見直しにとどまらず、直ちに同制
度を廃止するよう、国に要求すべきではありませんか、答弁を求めます。当面、市長は、75歳
以上の滞納者からの保険証取り上げをやめるよう国や県に要求するとともに、負担の公平と称
して65歳以上75歳未満の重度心身障がい者の後期高齢者医療制度への強制加入をやめ、市独自
の保険料減免制度を創設するなど、負担軽減のための救済策を講じるべきだと思いますが、所
見のほどを伺います。
第3は、10年目を迎える介護保険制度の改善についてであります。
高齢者の介護保険料については、3年ごとに引き上げられてきており、年金平均月額4万
7,000円のお年寄りにとって過重な負担となっています。市長は、2009年度からの第4期保険料
は据え置くなどとしていますが、全く不十分であり、一般会計から繰り入れ、保険料を大幅に
引き下げるとともに、本市独自の減免制度を実効性あるものに拡充すべきと思いますが、答弁
を求めます。また、この4月から、国は寝たきりなのに介助必要なしの自立に判定するなど、
要介護認定基準を大幅に後退させようとしております。これまでも本市においては不当に要介
護度を低く認定して、軽介護の保険利用サービスが切り捨てられて介護難民を生み出し、介護
予防を口実に、車いすや介護ベッドの貸与が一律に制限されてきています。市長は、こうした
要介護認定の改悪を許さず、介護取り上げをやめるべきではありませんか。お尋ねします。あ
わせて、6,000人以上に上る待機者を早急に改善するため、特別養護老人ホームの整備予算を大
幅に増額して計画的に増設するとともに、特養ホーム等の食費や居住費に対する本市独自の負
担軽減制度を創設すべきだと思うが、答弁を求めるものであります。今、介護事業所の運営や
人材不足が深刻になっております。市長は、次期の介護報酬改定を保険料上昇につながらない
よう、国庫負担を増額して5%以上に引き上げ、介護労働者の処遇改善を要求するとともに、
本市独自にでも介護施設職員の人件費補助などの方策を講じるべきと思いますが、所見をお伺
いいたします。
第4は、生活保護行政及びホームレス対策についてであります。
雇用破壊などによる貧困と格差の進行が一層広がっており、最後のよりどころである生活保
護行政の改善、拡充は急務となっています。市長は、新年度の生活保護予算を大幅に増額し
て、急増する申請希望者を積極的に受け入れ、救済すべきだと思いますが、答弁を求めます。
この間、保護受給者の老齢加算や母子加算の縮小、廃止など、生活保護支給費が切り下げら
れ、憲法25条が定めた最低限度の生活保障が崩され、全国各地で裁判訴訟まで起こっておりま
す。国に対し、老齢加算や母子加算を元に戻して、保護基準を引き下げないよう強く要求する
とともに、本市においては、市独自の夏期、年末福祉手当を創設すべきではありませんか。答
弁を求めます。
市内のホームレスは800人を超え、他都市とは逆に増加の一途をたどっており、深刻な実態に
あります。とりわけ派遣切りなど、解雇によって住むところを奪われた労働者など居住地のな
い人について、生活保護法19条1項は、その現在地を所管する福祉事務所が生活保護の実施責
任を負うこを定めており、住所不定を理由にした生活保護からの排除をやめるとともに、博多
区保護3課だけに限った異常なやり方を改め、すべての区で対応すべきではありませんか、市
長の答弁を求めます。
第5は、障がい者対策についてです。
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障害者自立支援法が実施されて2年半、その応益負担制度は重い自己負担増やサービス利用
抑制など、障がい者の生存と生活を著しく脅かし、事業所の運営も報酬削減で一段と深刻にな
っており、このままでは障がい者福祉の基盤が崩壊しかねません。2009年度の見直しに当たっ
て、市長は国に対し、小手先の見直しではなく、障害者自立支援法を廃止し、当事者の参加で
人間らしく生きるための新たな法制度を確立するよう求めるべきと思いますが、所見を伺いま
す。当面、不十分な本市独自の障がい者、障がい児に対する負担軽減制度をさらに拡充すると
ともに、報酬単価の引き下げなどによる減収に苦しむ障がい者施設や小規模作業所の運営を支
援するため、市補助金を大幅に増額すべきではありませんか、お尋ねをいたします。また、本
市の重度心身障がい者医療費助成制度は、障がい者の命と健康保持に不可欠の制度であり、所
得制限導入をやめて、将来にわたっても無料化を堅持すべきと思うが、市長の答弁を求めるも
のであります。
第6は、食品偽装など食の安全問題についてです。
今、食品偽装事件が相次いで発生し、消費者の食の安全、安心が著しく脅かされておりま
す。本市の飲食店や販売店、製造所、学校や社会福祉施設等の給食施設への食品衛生監視指導
は、わずか年1回程度で、4万5,000件を超える施設に食品衛生監視員は51人と極めて貧弱であ
ります。したがって、市民の食の安全を守るため、食品衛生監視員や監視回数を大幅にふやす
べきではありませんか、市長の答弁を求めるものであります。
次に、子どもの健やかな成長と教育の問題について質問いたします。
質問の第1は、保育行政についてであります。
厚労省の社会保障審議会は2月24日、現行の保育制度を大きく変え、利用者が保育所と直接
契約を結ぶ新たな保育の仕組みを導入する改悪案を決定しました。これが実施されれば、自治
体の保育実施義務はなくなり、自治体は保育所の整備計画をつくる役割しか持たなくなり、最
低基準を満たす事業者に参入を認めることとなり、質を下げて保育所をふやすという方向に進
む危険があります。直接契約になれば、親は子どもを抱え、複数の園を駆け回って入所できる
ところを探さなければならない上、絶対数が不足しているため入所できない子どもが生み出さ
れることになります。保育所の側にも、入所者選考という膨大な事務負担が発生します。
そこで市長、保育における国と自治体責任を後退させる直接契約、直接補助方式の導入はや
めるよう国に要望すべきではありませんか、お尋ねいたします。
2点目は、本市の保育行政についてであります。
2009年1月1日現在の待機児は614人となり、在園児の追い出しや既存保育園への詰め込みの
ための定員増や幼稚園への押しつけなどが行われており、深刻であります。このようなやり方
を改め、補助金をふやして早急に保育所の新設を進めるとともに、既存保育園の増改築などの
緊急対策で待機児の解消を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。また、公立保育所の民
営化について、形だけの検証を行って民営化の復活を行ったことは、明らかに公約違反であ
り、民営化をやめるべきだと思いますが、御所見をお伺いします。あわせて、認可外保育園へ
の補助金をふやすべきだと思いますが、答弁を求めます。
質問の第2は、留守家庭子ども会についてであります。
留守家庭子ども会の利用料の導入によって、共働き家庭やひとり親家庭の子育てにかかる経
済的負担はふえ、年収わずか420万円程度以上の共働き世帯では負担が倍増し、また従来あった
会費補助がなくなったため、低所得者世帯でも負担が2ないし3倍になり、やむなく滞納する
世帯も出ています。
そこで市長は、利用料をもとの無料に戻して、子どもが安心して放課後過ごすことができる
留守家庭子ども会にすべきだと思いますが、お尋ねいたします。また、留守家庭子ども会で
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は、老朽、狭隘化した箇所が79カ所あり、入会児童数が70人を超える大規模の子ども会が78カ
所にも上っており、子どもたちのけがや骨折が激増しています。施設改善をしないままの分割
で大規模解消とすることは許されず、施設の増設を急ぐこと、開設時間の延長などで負担増と
なっている指導員、補助指導員の待遇改善を図るべきと思いますが、答弁を求めるものであり
ます。
質問の第3は、児童館についてであります。
子どもたちが放課後や休日に安心して過ごすことができる重要な児童館は、国も推奨してお
り、全児童対策の役割を担っております。しかし、本市では20年以上も前から、子どもたちを
含め多くの市民が児童館建設の請願、陳情を繰り返し行っていますが、いまだに中央児童館1
カ所のままです。今日、その必要性はますます高まっており、中高生の放課後の居場所を含
め、早急な整備が求められます。市長は公約どおり、全区への設置を新年度着手するととも
に、専門職員のいる児童館を小学校ごとに設置すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたし
ます。
質問の第4は、子どもの医療費助成制度についてです。
子どもの医療費助成制度は、我が党市議団と多くの市民の粘り強い運動の中で、今日、初診
料まで含めて就学前まで確立されています。子育ての経済的負担がふえるもとで、子どもの医
療費助成制度は、子どもの育成のために必要不可欠なものとなっています。そこで、この制度
を中学生まで拡充すること、また乳幼児医療費助成制度を国の制度として行うよう要求するべ
きと思いますが、答弁を求めます。
質問の第5は、児童虐待を含む児童相談体制についてであります。
貧困の広がりを背景に、こども総合相談センターに寄せられたいじめや虐待、不登校などの
深刻な相談は2007年度で約1万5,000件にも上り、一時保護を要する児童がふえています。親身
な相談活動ができるように、児童福祉司を大幅に増員するとともに、児童相談所を増設すべき
だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
質問の第6は、教育行政についてであります。
小泉内閣以来の構造改革は、教育条件を悪化させるとともに、教育格差、子どもの貧困を広
げており、憲法及び子どもの権利条約に基づき、一人一人の子どもの学び、成長する権利の保
障を中心に据えた教育行政へ転換することが求められております。
そこで1点目は、抜本的な教育予算増額についてであります。
本市においては、教育予算は大きく削られ、学校現場の施設整備や教材購入に大きな支障を
来し、子どもと教職員に我慢と苦難が押しつけられてきました。ところが、新年度の教育費も
一般会計の7.25%とされ、極めて不十分であります。耐震化、過大規模校の解消、大規模改造
等、施設整備改善に取り組むために、教育予算を抜本的に増額すべきではありませんか。市長
の御所見をお伺いします。また、切実に求められている教室冷暖房について、早急に計画をつ
くるべきだと思いますが、お尋ねをいたします。
2点目は、義務教育の指導内容と体制についてです。
改訂された学習指導要領は、授業時間増による詰め込みで、子どもからさらにゆとりを奪
い、愛国心等を押しつける道徳の重視など、ますます現場の困難を拡大し、子どもの健全な発
達に逆行するものとなっております。現場に対し指導要領の押しつけをせず、憲法の精神に基
づき、学校の教育課程編成権を尊重し、教職員の自主的権限が十分発揮できるようにすべきだ
と思いますが、御所見をお伺いします。また、本市教育改革プログラムの改定に当たっては、
子どもの発達保障を基調とし、父母や教職員の声を生かし、人格の完成を目指すものにすべき
だと思いますが、教育長の所見を伺います。あわせて、学校規模適正化と称した一方的な学校
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統廃合は許されないと思いますが、教育長の御所見をお伺いします。
多額の費用を費やし強行されている全国一斉学力テストは、子どもの心を傷つけ、詰め込み
と競争に拍車をかけており、参加をやめるべきと思いますが、答弁を求めます。教職員の心の
病などの健康破壊は一層深刻になり、中途退職者もふえ続けております。教育長は、事態打開
のために抜本的対策を講ずるべきだと思いますが、明確な答弁を求めるものであります。ま
た、市長が強行した行革プランに基づく市費事務職員の削減は、現場の困難を拡大しており、
やめるべきではありませんか、市長の答弁を求めるものであります。
3点目は、30人学級についてです。
本市における35人以下学級は、市民の切実な願いを受け拡充され、小学校3年生まで実現し
たものの、今年度、市長が公約を破り拡充せず、現場での新たな困難を広げたのであります。
新年度、中学校1年生に35人学級を導入するとしていますが、これだけにとどめることは許さ
れず、常勤講師を採用し小学校全学年に拡充すべきではありませんか、答弁を求めます。ま
た、中学校においても、学年が上がるにつれて不登校生は増加しており、3年生までの実施計
画を立てるとともに、国と県に対し、小中学校すべての学年での30人学級の実施を求めるべき
だと思いますが、明確な答弁を求めるものであります。
4点目は、教育を受ける権利の保障についてです。
貧困と格差の拡大に加え、急速な雇用、景気悪化のもと、経済的理由による高校退学や給食
費滞納などの事態はますます深刻になっております。就学援助の基準を見直し、必要な方が受
けられるよう拡充するとともに、県に対し授業料補助の大幅増額、私学助成の拡充を求めると
ともに、本市高校奨学金の充実を図るべきではありませんか、お尋ねいたします。また、ます
ます深刻になっている不登校に対応し、学校適応指導教室を各区に設置し、充実を図るととも
に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの大幅な増員を国に求めるべきだと
思いますが、御所見をお伺いいたします。特別支援教育については、大幅な増員を国に求める
とともに、本市独自の介助員、加配制度の充実を図るべきだと思いますが、所見を求めます。
また、障がい児の増加に対応し、障がい児が安心して通学できるよう、特別支援学校、学級の
増設を図り、エレベーターの設置など、学校施設のバリアフリー化を早急に進めるべきだと思
いますが、あわせて答弁を求めます。
質問の第7は、文化、スポーツ施設についてであります。
本市の文化、スポーツ施設は不足しており、青年を初め、市民が安価で文化芸術、スポーツ
やサークル活動等に利用できる施設を身近なところにつくる必要があると思いますが、市長の
所見を伺います。また、早良区の地域交流センター整備については、手法や予定地の見直しも
行い、急ぐとともに、千早駅前の公共施設整備については、総合文化コミュニティー施設にホ
ール、児童館、図書館などの機能を持たせるべきではありませんか、お尋ねをいたします。
次に、生活、安全、環境を優先する都市づくりについて質問します。
第1は、公営住宅の問題についてであります。
先の見えない深刻な不況の中、公営住宅の役割は一層高まっており、入居枠の制限や家賃値
上げは実施すべきではなく、地場中小業者の仕事おこしにもつながる市営住宅を大幅に新設す
べきだと思いますが、答弁を求めます。また、公営住宅基準の高齢者等が多数居住するUR住
宅の削減や雇用促進住宅の全廃方針は、公共住宅政策の放棄にもつながるものであり、撤回す
るよう国に要求し、入居者が安心して住み続けられるよう対策をとるべきだと思いますが、御
所見をお伺いします。
第2は、地震及び水害対策の強化についてです。
民間建築物の耐震改修補助制度は本年度の適用ゼロであり、補助額の引き上げ等の拡充をす
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るとともに、広報も強め、民間住宅の耐震化率の引き上げを行い、また新耐震基準で建てられ
たものも補助対象とすべきだと思いますが、所見を伺います。住宅以外の民間建築物について
は、耐震化の指導を強化し、公共性の高い社会福祉施設については助成制度をつくり、耐震化
の促進を図るとともに、市有建築物の耐震化については計画を前倒しして早急に取り組むべき
だと思いますが、答弁を求めます。また、水害対策については、ゲリラ豪雨などに対応できる
よう、流下能力を引き上げるとともに、公的施設を利用した遊水池、地下貯留施設等の整備を
早期に完了させるなど、抜本的対策を行うべきだと思いますが、答弁を求めます。また、合流
式下水道緊急改善事業については、事業費の大幅増額を行い、博多区の早期完了とあわせて、
中央区も事業計画を立て、早期に着手すべきだと思いますが、所見を伺います。
第3は、住環境を守る問題についてであります。
開発誘導行政のもと、市内各地で良好な住宅地への突然のマンション建設等による紛争はい
まだに多発しており、市は被害を受ける住民の立場に立ち、本市の建築紛争の予防と調整に関
する条例の形骸化を許さず、住民への納得のいく説明と誠実な話し合い、関係住民の同意、建
築確認申請前の工事協定の締結、さらに罰則規定などを盛り込む条例改正を行うべきだと思い
ますが、所見を伺います。あわせて、開発規制を強化するために用途地域の見直しを行うとと
もに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の周知と積極的適用に努めるべきだと思
いますが、所見を伺います。また、緑地保全については、予算を大幅に増額し、積極的に推進
すべきだと思いますが、答弁を求めます。
第4は、九大移転等についてであります。
六本松の九大移転は、学生アパートや飲食店等、これまで大学を支えてきたまちに大きな打
撃を与え、跡地を活用した今後のまちづくりは、住民にとって切実な問題となっております。
六本松を考える会などが長年にわたって集約してきた地元住民や市民の声を無視することは許
されず、九大跡地の活用についてはURやゼネコン言いなりでなく、市が主体性をもって取り
組み、緑を配置した災害避難場所や文化施設、こども病院、児童館等々、公共的活用を行うべ
きだと思いますが、所見を伺います。また、箱崎キャンパス跡地利用については、一体的活用
と公園整備など住民の要望を反映させることが必要だと思いますが、あわせて答弁を求めま
す。
第5は、九州大学学術研究都市構想についてです。
同構想は研究開発機能などと称して、1社10億円もの交付金をつけ企業誘致を行うなど、際
限のない巨額の市費投入となるものであり、構想推進をやめ、同推進機構から撤退すべきと思
いますが、お尋ねをいたします。
第6は、新・福岡都心構想についてです。
同構想は天神通線、薬院舞鶴線等の幹線道路整備などを口実に、財界主導の計画である天神
などの都心の再開発に行政が関与する仕組みづくりにほかなりません。銀行やゼネコンなどの
もうけづくりのために莫大な税金を投入する同構想はやめるべきだと思いますが、所見を伺い
ます。また、渡辺通駅北土地区画整理・再開発事業は、58億円もの公金を投入し、九州電力や
都市未来ふくおか、福岡地所に便宜を図るためのものであり、このような事業計画は抜本的に
見直すべきだと思いますが、答弁を求めるものであります。
第7は、環境行政についてであります。
1点目は、温室効果ガス削減のための独自施策についてです。
地球温暖化防止のためには、地域の取り組みが重要であることは言うまでもありません。二
酸化炭素排出量の削減対策については、キャンペーンにとどまらず、市として地元企業と削減
協定締結などを行い、厳しく指導すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。また、
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自然エネルギーへの転換については、公共施設における太陽光発電や風力発電システムの導
入、拡充をさらに推進するとともに、住宅用太陽光発電設置に対する助成額をふやして促進す
べきだと思いますが、答弁を求めます。
2点目は、ごみ行政についてです。
ごみ減量のためには、住民押しつけ型の計画ではなく、分別の徹底とともに、環境汚染につ
ながる物質を生産の段階から排除することを行政が中心となり、市民の協力を得ながら取り組
むごみ処理基本計画に抜本的に改めることが求められていると思いますが、所見を伺います。
広域行政を口実にした大野城、太宰府市など他都市からのごみ受け入れは直ちにやめるととも
に、大量焼却主義に基づいた南部工場建てかえ計画は見直すべきだと思いますが、所見を伺い
ます。
3点目は、自然環境保全についてです。
博多湾の環境保全対策を強化するとともに、多様かつ希少な渡り鳥の飛来地として国際的に
重要な湿地である博多湾和白干潟を国設鳥獣保護区特別保護地区に指定させ、早急にラムサー
ル条約の登録湿地とするよう、国に強く働きかけていくべきだと思いますが、市長の答弁を求
めるものであります。
次に、市政運営のあり方に関する問題について質問します。
今日、政治と行政に対する市民の目は厳しく、民主的かつ公平、公正で、開かれた透明性の
高い行財政運営が行われることは、地方自治体にとって極めて重要な課題となっております。
そこで質問の第1は、市役所改革についてであります。
市長は、簡素で効率的な市役所などと言って、業務の民間委託化や公共施設の指定管理者へ
の民間参入、市有地の売却、そして職員の大幅削減を進めようとしております。しかしなが
ら、官から民へをスローガンにしたこうした自治体リストラは、既に破綻した構造改革路線に
しがみつくものにほかなりません。税務職場の派遣労働者導入は違法性が極めて濃厚であり、
また指定管理者制度における問題も浮上しており、我が党が指摘してきたとおり、公的責任が
放棄される事態となっているのであります。住民奉仕よりも効率を優先するやり方は改めるべ
きであります。したがって、行政業務を営利企業のもうけ道具に変質させる民間委託や民営
化、事業仕分けの推進をやめるとともに、区役所などの派遣労働者導入を中止し、公共施設の
管理は直営を基本にして営利企業の参入をやめるべきだと思いますが、市長の御所見をお伺い
します。また、ほかの政令市に比べ、異常に少ない本市職員をさらに減らすことは、職員に一
層の労働強化を押しつけ、市民サービスの深刻な後退を招くものであり、職員削減方針を撤回
して必要な部署の増員を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。
質問の第2は、政、官、業の癒着の一掃と談合防止についてです。
この間、博多港国際ターミナルの指定管理者選定や新病院整備にかかわって、行政と大企
業、ゼネコンとが日常的に接触するなど不正常な関係にあることが露呈しています。また、本
市の公共工事契約の落札率が高く、談合が繰り返されている疑いは極めて強いと言わなければ
なりません。我が党の指摘により、入札制度の一定の改善がされましたが、新年度から本格導
入されようとしている総合評価方式は、新たに談合を生み出す危険性をはらむものです。市政
をゆがめ、税金を食い物にする談合と公共事業の利権あさり、行政と業界との癒着は断じて許
されません。これは市長みずから襟を正すことがまずもって必要であります。したがって、市
長は、みずからの財界との不適切な関係を絶つとともに、政、官、業の癒着を一掃するための
具体的な措置を講じ、入札における総合評価方式の導入はやめて、談合防止策を抜本的に強化
すべきと思いますが、答弁を求めるものであります。
質問の第3は、市民参加と住民自治の確立についてです。
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総計20万人に達するこども病院人工島移転の反対署名を無視し、住民投票の実施さえ拒否し
たように、吉田市長に市民参加型の開かれた市政を行う意思はみじんも見られません。市長は
「聞きたかけん」やパブリック・コメントなどと言って市民の声に耳を傾けるようなポーズを
とっていますが、市民や各種団体から寄せられる切実な要望書を読むことなく担当局任せにし
ていることに批判の声が上がっています。市長はこうした姿勢を改め、市民意見を政策決定に
取り入れる仕組みや重要事項について市民の意思を問う常設の住民投票条例をつくるべきと思
いますが、答弁を求めるものであります。あわせて自治協議会との共働と称して、補助金をて
こに行政の下請け仕事を押しつけたり、自治組織に介入することは改めるべきだと思います
が、御所見をお伺いいたします。
質問の第4は、同和問題についてです。
人権を口実にした同和事業推進は許されず、同和地区を温存する異常な同和行政を直ちにや
め、部落解放同盟福岡市協議会への補助金を初め、同和関係予算を全額削除すべきだと思いま
すが、明確な答弁を求めるものです。
質問の第5は、男女平等の推進についてです。
労働環境悪化に伴う女性の健康被害、母性破壊は深刻であり、仕事と家庭、子育てとの両立
も困難が増しています。女性の権利保護のため第三者機関設置など条例改正を行うべきだと思
いますが、御所見をお伺いします。
質問の第6は、平和行政に関してです。
周知のとおり、日本国憲法9条は戦争放棄と戦力不保持を掲げる、世界に誇るべき日本の宝
であります。ところが政府は、この平和原則を踏みにじり、アメリカ言いなりに戦争できる国
づくりをねらっています。その地ならしとして、博多港への米軍艦入港、福岡空港への戦闘機
飛来が繰り返され、市民が危険にさらされています。しかし、吉田市長はこれに抗議しないど
ころか、先日の米イージス駆逐艦プレブル入港を含め、この1年間に4度も港湾施設を米軍に
差し出す異常な姿勢ですが、これは市民の平和の願いに反するものであります。市長は港湾管
理責任者としての権限を発動して軍艦入港をきっぱり拒否するよう態度を改めるべきと思いま
すが、答弁を求めます。あわせて、憲法を守る立場を明らかにすべきだと思いますが、市長の
明確な答弁を求めるものであります。
以上、私は市民の切実な要求である暮らし、福祉、教育、子育て、経済振興などの問題につ
いてただしてまいりましたが、市長が説明責任を果たし、市民の声に真摯に耳を傾ける姿勢を
持たなければ、その資格が問われるということを厳しく指摘し、市長並びに教育長の誠意あ
る、かつ明確な答弁を求めるものであります。長時間の御清聴に感謝し、日本共産党市議団の
代表質問を終わります。
◯副議長(久保
◯市長(吉田
浩)
宏)登壇
吉田市長。
ただいま日本共産党福岡市議団を代表して、倉元議員より御質問い
ただきましたので、まず私から御答弁いたします。
最初に、政府予算案についての御質問にお答えいたします。
平成21年度の政府予算案につきましては、現在国会において審議中でありますが、その編成
過程において、本市としても市民生活の充実と都市活力の創出を図るために必要な種々の提言
を行ってきたところであり、国会審議の推移を見守ってまいります。また、消費税を含む税制
のあり方につきましては、今後の税制抜本改革の中で、国において総合的に検討されるべきも
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のでありますが、地方自治体の自主性、自立性がさらに高まるよう、税源移譲などによる地方
税財源の充実強化について、国に対して強く働きかけてまいります。道路特定財源の一般財源
化については、道路整備を初め、地方が必要とする事業を地方の裁量で行うことができるよ
う、引き続き要望してまいります。
次に、地球温暖化対策についてのお尋ねでありますが、地球温暖化対策に対する国への要望
につきましては、今後とも、全国市長会などを通して必要な措置について要望してまいりま
す。
次に、施政方針と予算案についてのお尋ねでございます。
施政方針につきましては、厳しい経済状況や少子・高齢化、地球温暖化の進行など、社会の
変化に的確に対応するため、財政規律を保持しながら経済雇用対策に取り組むとともに、グラ
ンドデザインに掲げた「こども」、「環境」、「アジア」の3つのまちづくりの目標像の実現
を目指し、市民生活の充実と都市活力の創出に取り組んでまいります。平成21年度予算案につ
きましては、景気や雇用情勢の急速な悪化など、経済状況の厳しさが増す中、市債残高の縮減
など財政規律を保ちつつ、経済雇用対策などの重要施策を着実に推進し、将来への躍進の年に
するという決意で編成いたしました。また、平成20年度補正予算における公共事業の前倒しや
予備費の活用による雇用対策の実施など、平成20年度の各種取り組みと連動した15カ月予算と
し、切れ目のない施策の推進を図っております。さらにまちづくりの3つの目標像である「こ
ども」、「環境」、「アジア」の実現を目指して重要施策を積極的に推進していくことによ
り、市民生活の充実と都市活力の創出を図るとともに、事業の見直しや重点化、効率化を徹底
し、財源の確保に努めることとしたところであります。
次に、アイランドシティ整備事業についての御質問にお答えいたします。
アイランドシティ整備事業に関する公約の趣旨は、アイランドシティを本市の将来を支える
市民の財産としてとらえ、これを実現していくことであります。また、検証・検討につきまし
ては、事業の成果及び将来の見通しについて、あくまで客観的に評価を行ったところでありま
す。この検証・検討の成果を踏まえながら、今後とも港湾機能の強化を図るとともに、新たに
生まれる都市空間を活用して、先進的なまちづくりや新しい産業の集積を進めてまいります。
次に、アイランドシティ市5工区につきましては、先進的なまちづくりを推進するため、引
き続き土地造成を進めてまいります。港湾関連用地については、国際コンテナターミナルの直
背後地として活用していくため、しゅんせつ土砂の受け入れ、土地造成を進めてまいります。
また、岸壁の整備については、今後のコンテナターミナルの稼働状況や大型船舶の入港状況な
どを見きわめながら検討してまいります。また、企業立地促進交付金制度については、本市経
済の活性化や新たな雇用創出を図るための重要な施策であり、特にアイランドシティは重点的
に産業集積を図るエリアとして手厚い内容としているところであります。今後とも交付金制度
を十分に活用した企業誘致活動に取り組んでまいります。
次に、博多港開発株式会社工区につきましては、分譲計画面積の3分の2を分譲済みであ
り、既に2,700人の市民が生活を始められております。また、多くの市民が利用する道路、公園
などの都市施設は、既存の市街地と同様、国の補助事業を活用しながら、公共による整備を行
うとともに、商業業務機能等を集積するセンター地区における民間事業予定者や股関節、膝関
節専門病院、高齢者関連施設の事業者が決定するなど、官民共働によるまちづくりが進められ
ているところであります。今後とも多様な都市機能と良質な住環境が共存した魅力あるまちづ
くりを着実に進めてまいります。
次に、新病院の整備に関する御質問にお答えいたします。
まず、市立病院統合移転事業の検証・検討につきましては、中間報告や結果報告を初め、節
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福岡市議会会議録 | 2009.03.04 平成21年第1回定例会(第5日) 本文
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目節目で可能な限り情報提供を行い、さまざまな意見をいただきながら取り組んだものであり
ます。また、新病院については、検証・検討の後も病院事業運営審議会で審議いただき、多く
の市民の御意見もいただくなど、手順を踏みながら検討を重ねてきたところであり、今後改め
て調査を行うことは考えておりません。
次に、新病院の整備場所につきましては、敷地の活用性や療養環境など総合的な観点からア
イランドシティが適地と判断したものであります。こども病院は開院後およそ30年が経過し、
老朽化や狭隘化への対応に加え、将来にわたって優秀な医師等を確保し、全国トップレベルの
医療水準の向上を図るためには早急な整備が必要であります。今後とも議会を初め、市民の皆
様に十分御説明し、また御意見を伺いながら、21世紀にふさわしい子どもたちのための病院づ
くりを着実に進めてまいります。また、市立病院の経営形態につきましては、病院事業運営審
議会の答申を踏まえ、市が担うべき医療を安定的、継続的かつ効率的に提供していく観点か
ら、地方独立行政法人への移行に向けた取り組みを進めることとしております。PFIについ
ては、コスト縮減とともに、サービス向上を図るため採用するものでありますが、先行事例に
おける課題も踏まえた上でPFIの効果が十分に発揮できるよう、本市に適した仕組みを構築
してまいります。
次に、福岡空港に関するお尋ねでありますが、福岡空港の将来対応方策につきましては、総
合的な調査の結果やパブリック・インボルブメントでの意見などを踏まえるとともに、本市の
将来像やまちづくりなど、総合的に勘案しながら、県と連携して地元意見を取りまとめ、国と
ともに方向性を決定してまいります。
次に、経済対策についての御質問にお答えいたします。
まず、雇用、失業者対策などについてのお尋ねでありますが、企業に対する雇用拡大の要請
などにつきましては、平成20年12月に商工会議所に対し、会員企業における雇用の維持、確保
について協力を要請しております。今後とも、経済団体を初め、関係機関と連携して、雇用情
勢の把握や対策の実施に努めてまいります。違法な派遣切りなどにつきましては、国の福岡労
働局において指導監督が行われております。また、市による雇用創出につきましては、平成20
年度には、予備費を活用して本市独自の事業を実施するとともに、今後、国の雇用対策基金事
業を活用し、臨時職員としての雇用や民間委託による雇用創出事業の実施により、あわせて
1,000人規模の雇用創出に努めてまいります。離職者に対する住居支援やつなぎ資金の貸し付け
につきましては、雇用情勢などに留意しながら関係機関と連携して取り組んでまいります。ま
た、労働条件につきましては、国においてさまざまな施策が推進されており、その内容につい
てパンフレットを作成するなど広報に努めてまいります。なお、労働法制の改正などについて
は、国の動向を注視していきたいと考えております。
次に、中小企業対策についてのお尋ねであります。
中小企業対策につきましては、本市経済を支える中小企業の活性化が不可欠であり、その支
援に積極的に取り組んでまいります。とりわけ中小企業の経営基盤の充実は重要であり、本市
融資制度の充実を図るなど、資金調達を積極的に支援するとともに、経営相談や受注対策、販
路開拓などの支援を進めてまいります。また、新たに商店街にぎわい再生プロジェクトを実施
し、地域経済の活性化に努めてまいります。銀行に対する貸し渋りなどの中止の要請につきま
しては、本市制度融資の趣旨を踏まえて、適正に運営されるよう取扱金融機関に対して要請を
行っているところであります。今後とも、必要に応じて要請を行ってまいります。また、制度
融資の充実につきましては、十分な融資枠を確保するとともに、融資条件や据え置き期間を緩
和させた緊急経営安定化特別資金を創設するなど、制度の拡充を図ってまいります。小規模な
事業者に対する簡易な登録と発注につきましては、関係団体との協議を通して課題の整理を行
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ってまいります。また、住宅リフォーム助成制度については、不況業種が数多くある中、特定
業種だけを支援することは業種間の公平性の問題があり、困難と考えております。公契約条例
の制定については考えておりませんが、適正な下請契約の締結と下請代金の支払いについて
は、今後とも指導に努めてまいります。
次に、農業の再建と漁業の振興についてのお尋ねであります。
まず、農林漁業の再生につきましては、担い手の育成や生産基盤整備などにより、経営の安
定を図るとともに、高齢化や人口減少が進む農山漁村の活性化を図ってまいります。食料自給
率の向上については、地産地消の推進などにより、新鮮で信頼される農水産物の安定供給に努
めてまいります。農林水産業予算の増額につきましては、効率的かつ効果的な事業の推進を図
りながら、農林水産業の振興に努めてまいります。また、燃油高騰への直接補てん措置につき
ましては、国において緊急対策が講じられておりますが、本市としても省エネ設備の導入の支
援などにより、漁業者、農業者の経営安定に努めてまいります。WTO農業協定につきまして
は、国において国内農業の維持や食料安全保障の観点から対応がなされているところでありま
す。また、本市においては、国の水田経営所得安定対策を踏まえ、小規模兼業農家も含む多様
な担い手の育成に努めてまいります。
次に、市民の健康福祉についての御質問にお答えいたします。
まず、国民健康保険についてのお尋ねでありますが、国民健康保険料につきましては、法令
に基づき適正に算定しているところであります。また、一般会計からは176億円余りの繰り入れ
を行い、被保険者の負担軽減に努めております。資格証明書の発行につきましては、特別の事
情もなく、長期に保険料を滞納している世帯に対し、納付相談の機会の確保を目的として発行
しており、負担の公平の観点からも、やむを得ない措置と考えております。また、子どもへの
保険証の交付につきましては、平成20年12月から子どもの医療確保のため、本市独自に15歳以
下を対象に行っているところであります。平成21年度からは改正後の国民健康保険法に基づき
実施してまいります。資格証明書交付世帯については、実情などを十分お聞きした上で適切に
対応してまいります。
次に、後期高齢者医療制度についてのお尋ねでありますが、後期高齢者医療制度は、高齢者
の医療を支えていく仕組みとして必要なものであると考えております。国においては、制度運
用上の見直しが図られるとともに、高齢者医療制度のあり方について議論がなされているとこ
ろであり、その推移を見守ってまいります。また、後期高齢者医療制度の資格証明書の交付に
つきましては、負担の公平を図る観点から、必要な制度であると考えておりますが、その運用
には配慮が必要であり、現在、広域連合において具体的な交付基準の検討がなされているとこ
ろであります。保険料の減免については、制度上、本市独自の対応を行うことは困難でありま
す。なお、65歳から74歳までの重度心身障がい者医療費助成制度の対象者については、後期高
齢者医療制度との整合を図るとともに、県内他市町村との均衡などを考慮しているものであり
ます。
次に、介護保険制度についてのお尋ねでありますが、介護保険は負担と給付の関係が明確な
社会保険制度であり、保険料の負担割合などは法令により規定されております。なお、本市独
自の減免制度については引き続き実施してまいります。要介護の認定基準などにつきまして
は、利用者の実態に即した制度となるよう、必要に応じて国へ要望してまいります。また、特
別養護老人ホームにつきましては、第4期介護保険事業計画に基づき整備に努めてまいりま
す。食費、居住費の負担については、低所得者の負担軽減を行っており、今後とも配慮してま
いります。介護従事者の処遇改善につきましては、介護報酬の改定などにより積極的に図られ
るべきものと考えており、将来にわたって安定した介護保険制度となるよう国に要望してまい
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ります。
次に、生活保護とホームレスについてのお尋ねでありますが、まず、生活保護費につきまし
ては、平成21年度は平成20年度と比べ16億円余りの予算の増額を行っております。生活保護の
適用に当たっては、法令などに基づき適正な保護の実施に努めてまいります。また、生活保護
基準につきましては、社会、経済情勢の変化を踏まえて厚生労働大臣において改定が行われる
ものであり、今後の動向に留意してまいります。生活保護基準以外の給付を本市独自に行うこ
とは困難であります。
次に、ホームレスへの生活保護の適用につきましては、法令などに基づき適正に行ってまい
ります。生活保護の相談などについては、博多区保護第3課での対応を基本としつつ、他の区
とも連携して相談者の便宜を図ってまいります。
次に、障がい者についてのお尋ねでありますが、障害者自立支援法につきましては国におい
て見直しが進められているところであり、施策のさらなる充実などを国に要望してまいりま
す。障がい者、障がい児に対する負担軽減の拡充につきましては、国の軽減策を補完する本市
独自の軽減措置を平成21年度も継続いたします。また、障がい者施設などへの支援について
は、国において報酬の引き上げや特別対策が実施されますが、本市としても経営の安定化を図
るため、法定施設への移行を促進するなど支援してまいります。重度心身障がい者医療費助成
制度の所得制限の導入につきましては、将来にわたって持続可能で安定的な制度としていくた
めには、一定の所得以上の方には負担をいただく必要があると考えております。なお、自己負
担については、現下の社会経済情勢などを考慮し無料を継続します。
次に、食の安全についてのお尋ねでありますが、食品衛生監視員などの増員につきまして
は、現在、食品の安全性確保に関する基本方針の見直しを進めており、この基本方針に基づ
き、関係行政機関との連携を強化するとともに、技術研修などを通して食品衛生監視員の資質
の向上を図り、効果的、効率的な監視指導体制の構築に努めてまいります。
次に、子どもの健やかな成長と教育についての御質問にお答えいたします。
まず、保育行政についてのお尋ねでございます。
保育制度の見直しにつきましては、現在国で検討が進められており、その内容を注視してま
いります。待機児童の解消につきましては、平成18年度に4年間で1,100人の定員増を図る保育
所整備計画を策定し、これまでに700人分の整備を進めてきたところであります。平成21年度
は、新築や幼稚園の活用、既存保育所の増築などにより400人分の整備を進めるとともに、保育
需要の増加に対応するため、さまざまな整備手法を取り入れた新待機児童解消プランを策定
し、待機児童の解消に努めてまいります。また、公立保育所の民営化につきましては、外部委
員による検証委員会での検証結果や、民営化で生み出される人材と財源を活用したすべての子
育て家庭への支援の必要性などを総合的に勘案し、民営化を推進しているところであります。
認可外保育施設への補助につきましては、児童及び職員の健康診断や研修会への参加促進のた
めの助成を行っており、児童の健全育成に努めてまいります。
次に、留守家庭子ども会についてのお尋ねでありますが、留守家庭子ども会の利用料につき
ましては、議会において十分な議論が行われ、現行どおり有料という議決がなされたものと認
識しております。議会の結論を重く受けとめ、また議会におけるこれまでの御議論を踏まえな
がら、留守家庭子ども会事業のさらなる充実に努めてまいります。留守家庭子ども会の施設に
つきましては、計画的な整備を行い、平成26年度までに要改善施設の解消を図ります。指導員
の処遇については、開設時間の延長などに伴い、指導員を増員するなど、指導体制の充実を図
っており、報酬などについては妥当な水準にあると考えております。
次に、児童館の設置についてのお尋ねでありますが、これは私の公約ではありません。な
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お、子どもの遊び場や活動の場については、地域子ども育成事業を推進するとともに、子ども
の発達段階に応じて乳幼児親子のための子育て交流サロンや子どもプラザ、公民館の児童等集
会室の整備、小学生の放課後の居場所づくり、中学生や高校生の主体的な活動の場づくりな
ど、さまざまな地域資源を活用して、地域全体で子どもを見守り、はぐくむ環境づくりを進め
てまいります。
次に、子どもの医療費助成についてのお尋ねでありますが、乳幼児医療費助成制度の対象年
齢拡大につきましては、平成19年8月の制度拡充の効果や他都市の状況も踏まえながら、必要
性について検討してまいります。また、国の制度として創設することについては、市長会など
を通して要望をしてまいります。
次に、児童相談体制などにつきましては、平成21年度はこども総合相談センターにおいて、
児童福祉司を増員し、虐待を受けた子どもへの早期からの対応や心理的ケア、家族関係の修復
に向けた取り組みに力を入れるとともに、全区に新設する子育て支援課と迅速、的確な連携に
取り組むなど全市的な相談支援体制の充実を図ってまいります。
次に、教育行政についてのお尋ねであります。
教育予算につきましては、子どもたちの学力向上や不登校、引きこもり対策の強化などに重
点を置くとともに、学校施設の耐震化など、安心して学べる教育環境整備を進めており、今後
とも、充実に努めてまいります。
教育行政に関するその他の御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたしま
す。
次に、文化、スポーツ施設についてのお尋ねでありますが、文化、スポーツ施設につきまし
ては、市民センター、公民館、地区体育館、プール、音楽演劇練習場などを整備しており、今
後とも、既存施設の有効活用を図りながら環境整備に努めてまいります。また、早良区の地域
交流センターにつきましては、早急に整備候補地を選定するとともに、導入機能及び整備手法
など総合的に検討を進めてまいります。東区千早駅前の公共施設については、市民センター機
能を中心とした副都心にふさわしい施設の整備を検討してまいります。
次に、生活、安全、環境についての御質問にお答えいたします。
まず、公営住宅についてのお尋ねであります。
公営住宅の入居収入基準及び家賃制度につきましては、国において、より公平、的確に住宅
を提供できるよう見直されたものであり、低所得者層に負担増とならないよう配慮されている
ことに加え、本市独自の緩和措置を実施することにより、適切に対応してまいります。市営住
宅の整備については、既存住宅のおよそ半数が更新時期を迎えていることなどから、建てかえ
や改善を優先した住宅整備を進めてまいります。また、都市再生機構住宅の削減や雇用促進住
宅の廃止に伴う入居者の居住の安定確保につきましては、設置者である都市再生機構及び雇
用・能力開発機構が適切に対応することが基本であると考えており、十分な配慮がなされるよ
う、今後ともこれらの機構へ要請してまいります。
次に、地震、水害の対策についてのお尋ねであります。
まず、住宅の耐震改修助成制度の活用につきましては、出前講座の実施、揺れやすさマップ
の配布による普及啓発などにより積極的に推進してまいります。なお、助成制度の対象につい
ては、法律の趣旨に基づき、現行の耐震基準を満たさない昭和56年以前の建築物としているも
のであります。社会福祉施設など住宅以外の民間建築物の耐震化につきましては、その目標及
び施策を定めた耐震改修促進計画に基づき指導、助言などを行ってまいります。市有建築物に
ついては、公共施設の耐震対策計画に基づき学校施設の耐震化を前倒しで実施することによ
り、平成23年度までの完了を目指すとともに、その他の建築物についても防災上の重要性など
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を考慮しながら耐震化を積極的に進めてまいります。
次に、水害対策につきましては、引き続き河川改修や雨水幹線などの整備により、流下能力
の向上を図るとともに、雨水の貯留や浸透を導入した総合的な浸水対策に取り組んでまいりま
す。合流式下水道の改善につきましては、引き続き博多駅周辺地区の整備を進めるとともに、
平成21年度から天神周辺地区についても浸水対策と連携して取り組んでまいります。
次に、住環境についてのお尋ねでありますが、まず建築紛争の解決につきましては、近隣住
民と建築主との話し合いが基本であり、引き続き建築紛争予防条例に基づき、当事者間の調整
に努めてまいります。また、条例の改正については、他都市の事例も参考にしながら検討して
まいります。
次に、用途地域につきましては、将来の市街地像の実現のため、都市全体の観点から、指定
や必要な見直しを行っております。地区計画や建築協定などについては、地区の特性に応じ、
市民の皆様と連携しながら進めており、今後とも、これらの制度の周知や活用に努めてまいり
ます。緑地保全につきましては、今後とも市民と共働しながら計画的に推進してまいります。
次に、九州大学の移転についてのお尋ねであります。
六本松キャンパス跡地につきましては、六本松キャンパス跡地利用計画をもとに、地域の御
意見をお聞きしながら都市再生機構などの関係機関と跡地利用の具体化及びまちづくりのルー
ルづくりに取り組んでまいります。箱崎キャンパス跡地につきましては、移転スケジュールを
踏まえ、地域の御意見をお聞きしながら、九州大学と連携してまちづくり構想の策定に向けて
検討を進めてまいります。また、九州大学学術研究都市構想につきましては、同推進機構を初
め、地域や産学官の連携のもと、研究開発機能の立地誘導など、計画的、段階的にまちづくり
を推進してまいります。
次に、新・福岡都心構想についてのお尋ねでありますが、本市の都心部につきましては、こ
れからも魅力と活力を持ち続け、九州新幹線全線開通などの動きやさまざまな都市課題に対応
するため、本構想の考え方を踏まえ、民と官の共働により、生活しやすく、訪れる人にとって
も楽しいまちづくりに取り組んでまいります。渡辺通駅北土地区画整理事業につきましては、
狭隘道路や防災面での課題を解消し、都心部にふさわしい良好な市街地形成を図るため、地元
の意向を踏まえながら取り組んでいるものであります。
次に、環境についてのお尋ねであります。
まず、温室効果ガス削減のための独自策につきましては、事業所に対する省エネ指導を行う
とともに、市民、事業者の自主的な行動を促す共働の取り組みとして、市民のライフスタイル
や事業者のビジネススタイルの転換を図る「エコ・ウェイブ・ふくおか」ストップ・ザ・温暖
化の取り組みを引き続き展開してまいります。自然エネルギーへの転換につきましては、太陽
光発電システムを公民館などの公共施設に率先導入するとともに、住宅への設置に対する助成
を継続するほか、新たに小型風力発電システムの試験的導入を行います。
次に、ごみ減量などにつきましては、市民参画で策定したごみ処理基本計画に基づき、発生
抑制を最優先に、ごみの減量や適正排出に向けた啓発や指導を行うなど、引き続きごみ減量・
リサイクルを推進してまいります。他都市などからのごみの受け入れにつきましては、相互協
力及び広域行政の観点から受託しているものであります。また、本市を含めた都市圏南部地区
においては、新たに清掃工場や最終処分場の建設が必要であり、関係市町や福岡都市圏南部環
境事業組合とともに事業を進めてまいります。博多湾の環境につきましては、平成19年度に策
定した博多湾環境保全計画に基づき、県及び流域の自治体と連携し、市民、事業者、大学など
とも協力しながら保全に努めてまいります。和白干潟のラムサール条約登録については、国や
県と連携して、地域住民の理解を深めていくことが必要であり、将来的な課題であると考えて
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おります。
次に、市政運営のあり方についての御質問にお答えいたします。
まず、市役所改革につきましては、市民サービスの向上と経費の縮減を図るため、行政とし
ての責任を保ちつつ、民間部門のすぐれた能力を活用しているところであります。指定管理者
制度についても、本市の施策との整合性なども考慮しながら、適切に活用してまいります。ま
た、区役所などの派遣労働者の導入につきましては、公権力を行使しない補助的な業務につい
て、市民サービスの向上と、繁忙期における業務の平準化を図るため、国とも十分協議を行っ
た上で実施しているものであり、今後とも、引き続き適正に実施してまいります。事業の仕分
けにつきましては、行政評価充実のため、平成20年度から試行に取り組んでおり、今後も事務
や事業の見直しに努めてまいります。職員数につきましては、最少の経費で最大の効果を上げ
るという地方自治の基本理念にのっとり、事務事業の執行方法の見直しやスクラップ・アン
ド・ビルドを徹底することなどにより、適正管理に努めてきたところであります。今後とも、
市民サービスの維持向上や適正な職員配置に努めながら、簡素で効率的な市役所を構築してま
いります。
次に、行政と企業とのかかわりにつきましては、本市では、公務員倫理条例を制定し、不正
な働きかけに対する組織的対応に関する制度を導入したほか、職員からの相談や通報を受ける
職員相談サポートラインを実施するなど綱紀の粛正に努めております。また、談合防止策の強
化については、入札制度改革の中で一般競争入札の拡大やペナルティーの強化などの措置を講
じることにより、公正な競争の促進と不正行為の排除に努めているところです。総合評価方式
については、価格と技術評価の両面から落札者を決定することから、談合が困難な方式であ
り、工事品質の確保を図るため平成21年6月から導入します。また、市政を推進していく上で
必要な地元財界の方々との意見交換などについては、今後とも節度を持って行ってまいりま
す。
次に、市民参加と住民自治についてのお尋ねでありますが、市政への市民参加などにつきま
しては、市政情報の公表、提供や各種計画の策定過程におけるパブリックコメントの実施、公
園など市民に身近な施設の整備におけるワークショップなどを実施してまいります。今後と
も、市民の声を真摯に受けとめ、施策への市民意見の反映に努めてまいります。なお、住民投
票制度につきましては、間接民主制を補完するものではありますが、首長や議会の本来の機能
や責任との関係など、制度上の問題点も指摘されているところであり、慎重に検討してまいり
ます。自治協議会につきましては、行政と対等のパートナーとして、コミュニティーの主体的
な活動を市が支援し、共働によるまちづくりを推進することが必要であると考えており、今後
とも必要な支援を行ってまいります。
次に、同和行政につきましては、これまでの成果と課題を踏まえ、人権同和行政基本方針に
基づき、必要な施策を講じてまいります。また、部落解放同盟福岡市協議会に対する補助金に
ついては、残された同和問題の課題解決のために必要な活動に対して、引き続き支援してまい
ります。
また、男女平等の推進につきましては、男女共同参画を推進する条例に、市の責務と事業者
の役割を明記しており、働く女性が十分に能力を発揮できるよう、労働関係情報の提供や相談
事業など支援の充実に努めてまいります。
最後に、平和行政についてのお尋ねでありますが、まず、軍艦船の入港につきましては、国
の所管事項であります。軍艦船の港湾施設の利用については、入港目的が国際間の友好親善、
乗組員の休養などで商船の荷役などに支障がない場合は、これまでどおり対応をしてまいりま
す。日本国憲法につきましては、平和主義の理念のもと、本市議会において決議されている平
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和都市宣言の趣旨も踏まえ、市民生活の平和と安全を守り、世界の平和に貢献することを基本
精神として市政運営を進めてまいります。
以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、今後とも、市民と一緒に福岡のまちのあり
方を考え、市民が主役の市政への転換を図っていくとともに、市民の皆様から信頼していただ
ける清潔で公正な市政運営に取り組んでまいる所存であります。よろしくお願いいたします。
◯副議長(久保
浩)
◯教育長(山田裕嗣)
山田教育長。
教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えをいたしま
す。
まず、普通教室の暑熱対策につきましては、扇風機を平成20年度より段階的に整備してお
り、あわせて緑のカーテンとの相乗効果を検証してまいります。
次に、教育課程の編成につきましては、新学習指導要領の趣旨や内容をもとに、各学校にお
いて適切に行われるよう指導してまいります。
次に、教育改革プログラムの改定につきましては、保護者や教員の意見を十分聞きながら策
定作業を進めており、子どもたちの発達段階とニーズに応じたきめ細かな教育を基本として、
子どもたちをはぐくみ、人格の完成を目指すことといたしております。
次に、学校の統廃合につきましては、基本的な考え方や進め方などを定める学校規模適正化
に関する実施方針を平成20年度中に取りまとめ、それに基づき、対象となる校区の保護者や地
域住民の方々に必要性や今後の進め方などについて説明を行うとともに、十分な話し合いを行
い、合意を得ながら事業を進めてまいります。
次に、全国学力・学習状況調査につきましては、児童生徒の学力の傾向や課題を全国的視野
でとらえ、教育施策や教育指導改善に役立てるために実施されており、平成21年度も参加する
こととしております。
次に、教職員の心の病などへの対策につきましては、勤務時間の縮減に向けた取り組みや公
務の一層の簡素効率化などを推進するとともに、平成21年度は教職員健康管理専門員の増員や
メンタルヘルスに関する計画の策定など、対策の充実に努めてまいります。
次に、市費事務職員の配置につきましては、効率的な学校事務処理体制の確保に努めてまい
ります。
次に、少人数学級につきましては、小学校1年生から3年生における35人以下学級の実施に
加え、平成21年度から中1ギャップへの対応などを図るため、中学校1年生において学校の選
択による35人以下学級を実施いたします。今後の拡充につきましては、国や県、他都市の動
向、学校現場の意見などのほか、専科教員のモデル配置の検証結果も踏まえながら検討してま
いります。また、学級編制基準の改善につきましては、国及び県に要望してまいります。
次に、就学援助につきましては、従来の国の基準に順じて認定基準を定めているところでご
ざいます。なお、失業などの事情により収入が減少し、基準以下の状態となる場合には認定す
ることとしております。また、授業料補助の増額など、私学助成の拡充につきましては、県に
引き続き要望してまいります。高校奨学金につきましては、必要な奨学生採用枠を確保してま
いります。
次に、学校適応指導教室の設置などにつきましては、平成21年度に東区に適応指導教室のサ
テライト施設を新たに設置するとともに、スクールソーシャルワーカーを2名増員いたしま
す。また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの増員につきましては、今後
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とも、国に要望してまいります。
次に、特別支援教育につきましては、今後とも教職員などの充実を国や県に要望していくと
ともに、特別支援教育支援員を60人に増員し、支援の充実を図ってまいります。
最後に、特別支援学校、特別支援学級の増設につきましては、屋形原特別支援学校を拡充、
整備し、平成20年度から知的障がいのある児童生徒の受け入れを行うとともに、特別支援学級
の増設を必要に応じて進めております。また、学校施設のバリアフリー化につきましては、障
がいの重度重複化に対応するため、知的障がい特別支援学校にエレベーターを計画的に整備し
ており、平成21年度ですべての特別支援学校の整備が完了いたします。以上でございます。
◯副議長(久保
浩)
この際、休憩し、午後3時10分に再開いたします。
午後
2時58分
休憩
午後
3時12分
開議
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2011/02/08
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