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家庭でできる食中毒予防(資料のダウンロード)(PDF:1258KB)

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家庭でできる食中毒予防(資料のダウンロード)(PDF:1258KB)
家庭でできる
食中毒予防
埼玉県マスコット「コバトン」
埼玉県食品安全課
総務・安全推進担当
食中毒とは
細菌
ウイルス
寄生虫
植物毒
動物毒
化学物質
食事とともに
食べる
下痢
発熱
おう吐
原因となる細菌、ウイルス、毒物などが付着し
た食品を食べることで、腹痛、下痢、発熱、おう
吐等の症状が表れる
食中毒の原因
発生件数、患者数とも、圧倒的に多いのは
細菌・ウイルス
細菌
…
ウイルス …
寄生虫 …
植物毒 …
動物毒 …
化学物質 …
による食中毒!
O157、黄色ブドウ球菌、
カンピロバクターなど
ノロウイルス、E型肝炎など
アニサキス、クドアなど
毒キノコ、山菜、ジャガイモの芽など
フグ毒、貝毒など
ヒスタミン、農薬など
食中毒の起こる時期
件数
150
150
ウイルス
全体
100
100
細菌
50
50
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
平成27年食中毒発生状況(厚生労働省)
12
月
平成27年 食中毒発生施設
不明, 118
家庭, 117
事業場, 42
その他, 17
仕出屋, 53
学校, 12
製造所, 7
病院, 7
販売店, 23
旅館, 64
飲食店, 742
総数:1,202件
平成27年食中毒発生状況(厚生労働省)
平成27年原因物質別事件数
動物性毒素 38
植物性毒素 58
不明 31
サルモネラ属菌
24 ぶどう球菌 33
病原大腸菌 23
化学物質 14
ウェルシュ菌 21
その他のウイ
ルス 4
寄生虫 144
カンピロバク
ター 318
ノロウイルス
481
総数:1,202件
その他の細菌
12
6
平成27年原因物質別患者数
植物性毒素,
178
動物性毒素, 69
不明, 601
化学物質, 410
サルモネラ属
菌, 1918
ぶどう球菌 619
病原性大腸菌,
518
寄生虫, 302
ウェルシュ菌,
551
カンピロバク
ター, 2089
ノロウイルス,
14876
総数:22,718人
7
カンピロバクター
【主な原因食品】
生肉
牛レバ刺し
【潜伏期間】
2~7日(やや長い)
【症状】
下痢、腹痛、発熱、頭痛、おう吐など
【特徴】
・健康な家畜の腸管や、肝臓にいる
・少ない菌数でも発症する
・近年、ノロウイルスとともに食中毒の発生が多い
・ギラン・バレー症候群(手足のしびれや運動障害)を発症
し、後遺症が残ることがある。
「新鮮だから安全」は間違いです!
• 新鮮な鶏肉には、より多くのカンピロバクター
が付いている可能性があります。
(カンピロバクターは、鶏などの動物の腸の中で
増殖する菌なので、処理後は減少していきます)
• 新鮮だからといって、肉(牛肉、豚肉、鶏肉、
その他の肉や内臓)を生のまま食べること
は、非常に危険です。
• よく加熱すれば菌は死滅するので安全です。
9
ノロウイルス
【主な原因食品など】
ウイルスに汚染されたカキ等の二枚貝
ウイルスに感染した人からの食品や器具の汚染
【潜伏期間】1~2日
カキのノロウイルスは
【症状】
どこから?
下痢、おう吐、腹痛、発熱等
①ノロウイルスを含むヒトの
おう吐・糞便が下水へ。
【特徴】
②下水処理場で除去しきれな
・冬季に集中して流行する。
かったウイルスが海に。
・人間の体内でのみ増殖し、おう吐 ③海水中に漂うウイルスを、
物、糞便とともに体外に
二枚貝(カキ等)が栄養分と
・健康保菌者が存在する
一緒に吸い込み、濾し取る。
④二枚貝の内臓(中腸腺)に、
・感染力が強く少量感染の代表
・次亜塩素系による消毒が効果的。 ウイルスが濃縮・蓄積。
アルコール系は効果が低い。
人間の体内でのみ増殖し、
おう吐物・糞便とともに体外に
トイレが
最大の汚染源
おう吐物
便器の
ふた
壁
レバー
便座の表裏
糞便
床
ドアノブ
11
ノロウイルスの感染
ノロウイルスによる食中毒は、
二枚貝(カキなど)よりも、
感染者(不顕性感染含む)由来の汚染食品
が原因であることが圧倒的に多い!
不顕性感染者(健康保菌者)が多く存在!
ウイルスに感染し、ウイルスを体内で
増殖・排出しているのに、下痢等の症
状がなく、健康に問題がない人
感染力が強く、少量のウイルスで感染
◆感染者(不顕性感染を含む)の便
1g中に
約1,000,000,000個!
10~100個 ほどのウイルスで感染!
◆埼玉県の人口
約727万人
100個のウイルスで
1人が感染と仮定すると
便1g程度で全県民を感染させられる!?
13
植物性自然毒
【有毒植物の例】
スイセンの球根
バイケイソウ、スイセン、
チョウセンアサガオ、トリカブト、イヌサフラン、
スイセンの葉
アジサイ、ジャガイモ など
【原因】
食用植物との誤認による摂食、
有毒部位の認識不足
【症状】
おう吐、下痢、発汗、頭痛、昏睡、
オオバギボウシ
バイケイソウ
けいれん、呼吸困難など
(可食)
(有毒)
【状況】
・野菜と非食用鑑賞植物を近くで栽培したことによる取り間違え
・山菜採りで、食べられる山菜と間違えて採取
・有毒部位の除去不足や大量摂食
リステリア・モノサイトゲネス
【主な原因食品など】
ナチュラルチーズ、生ハム、
肉や魚のパテ、スモークサーモン
【潜伏期間】平均3週間(24時間~1か月の場合もある)
【症状】
• インフルエンザ様症状、38 ~39 ℃の発熱、頭痛、おう吐など
• 健康な成人では無症状のまま経過することも多い
• 重症化すると髄膜炎および敗血症を引き起こし、意識障害や痙
攣が起こる場合もある
【特徴】
• 日本では、食中毒の報告事例はない。
• 適応温度域が広く0 ~45 ℃で、冷蔵庫中でも増殖、耐塩性が
強く、10%の食塩濃度でも増殖する。加熱殺菌は有効。
• 重症化することはまれだが、妊婦、高齢者は注意が必要。
E型肝炎ウイルス
【主な原因食品など】
加熱不足の豚の肝臓
シカやイノシシなど野生鳥獣(ジビエ)の生肉
【潜伏期間】2~9週間
【症状】
• 一過性の発熱、おう吐、腹痛、倦怠感
• 黄疸などの肝機能障害
• 劇症肝炎になることも→肝移植や血漿交換
【特徴】
• 無症状のことが多いが、劇症化すると死に至ることも・・・
• 豚、シカ、イノシシなどが保有している。
• 近年、患者数が増加している。
つけない
増やさない
やっつける
菌をつけない
①手洗い
・調理を始める前
・生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
・トイレの後
・動物に触れた後
・食卓につく前
などなど
②調理器具の使い分け
肉や魚についている菌が、包丁やまな板、箸などを介して
野菜などに付くのを防ぎましょう。
どうして手洗いが必要なの?
出典:お客様 従業員 家族をノロウイルスからまもる!!その知識と対策
(公益社団法人日本食品衛生協会)
手洗いの効果
「手洗いなし」との比較
手洗いの方法
残存ウイルス数
手洗いなし
約1,000,000個
流水で15秒手洗い
約10,000個
洗剤で10秒または30秒もみ洗い後、
流水で15秒すすぎ
約100個
洗剤で60秒もみ洗い後、流水で15秒
すすぎ
約10個
「洗剤で10秒もみ洗い後、流水で15
秒すすぎ」を2回繰り返す
数個
森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006
ノロウイルスは、10~100個でも感染します。
「しっかり2回」洗うが食中毒を防ぎます!
手洗い、しっかりできていますか?
洗い残しが多い部分
•
•
•
•
指先
指の間
関節のシワ
手首
他にも・・・
利き手や手の甲に洗い残しが多
くなりやすい!
二次汚染ってなに?
菌を増やさない
・ほとんどの菌は、35℃付近でもっともよく増殖
・10℃以下で増殖がゆっくりに、マイナス15℃以下で増殖停止
①作った料理は早めに食べましょう。
②低温で保存する。
冷蔵庫の上手な使い方
―庫内の温度上昇を防ぎましょう―
ドアポケットは
温度が高くなりがちです
温かい物は、
冷ましてから入れる
詰め過ぎない。
7割程度に!
菌をやっつける
・生の肉や魚には、菌やウイルスがついていることが多い。
・ほとんどの菌やウイルスは熱に弱い。
・包丁やふきんなど、調理器具にも菌やウイルスが付着する。
①食品はしっかり加熱!
②調理器具は清潔に!
「やっつける」①食品の加熱
• 中心温度75℃、1分間以上加熱
赤みがなくなる
⇒ 肉汁が透明になる
• ノロウイルスは85~90℃、90秒間の加熱必要
=ノロウイルスの流行する冬場は、より十分な加熱をこ
ころがける
合い挽き肉ハンバーグの
中心部温度と断面の状態
中心温度
65℃
70℃
75℃
出典:食中毒を防ぐ加熱(厚生労働省)
「やっつける」②調理器具の消毒
• 包丁・まな板は、洗剤で洗い、すすいだ後、
熱湯をかけ、よく乾燥させる。
• 市販の塩素系漂白剤も有効です。
• アルコール消毒剤を使うときは、「水気を取っ
てから」使う (※薄まると効果がなくなるた
め)
• ふきん、タオルは、洗った後、鍋の中で煮沸消
毒(5分間)
身近に潜む食中毒のリスク
身近に潜む食中毒のリスク
• 買い物の際、肉、魚を先に選んでカゴに入れ、
そのまま他の買い物を続けた。
ふやさ
ない
さまざまな細菌
食中毒の原因になる細菌は、常温付近
でよく増殖し、冷蔵状態では増殖が抑えら
れます。
買い物の時は、肉や魚などの生鮮品は
なるべく最後にカゴに入れ、常温になる時
間を短くしましょう。保冷剤や氷を利用する
のも有効です。
また、肉や魚の汁が他の物につかない
ようにポリ袋を使いましょう。
身近に潜む食中毒のリスク
• どうせ加熱するから大丈夫だろうと思い、手を
洗わずに調理をはじめた。
つけ
ない
さまざまな細菌
食中毒菌の中には、熱に強い毒素を作
りだす種類の菌もいます。(例:黄色ブドウ
球菌など)
調理の前には必ず、せっけんによる手洗
いをしましょう。
また、作業の切り替わるタイミングでも、
手洗いを行うことが大切です。
身近に潜む食中毒のリスク
• 肉を切った後の包丁・まな板をそのまま使って
、サラダ用の野菜を切った。
つけ
ない
さまざまな細菌
肉や魚を切った後の包丁やまな板には、
食中毒菌が付いている可能性がありま
す。
包丁やまな板は、肉用・魚用・野菜用と
別のものを使い分けるのが効果的です。
1つの包丁・まな板で調理する場合は、
切る順番を、生野菜を先、肉や魚を後にし
しましょう。肉や魚を切った後に野菜を切
る時は、器具をよく洗い、できれば熱湯で
消毒するのが良いでしょう。
身近に潜む食中毒のリスク
• 一晩経ったカレーはおいしいので、鍋に作った
カレーを入れたまま、翌朝まで常温で置いてお
いた。
ふやさ
ない
ウェルシュ菌など
一度加熱した料理でも、常温に長時間放
置すると、熱に強い菌が生き残っていた場
合に菌が増える原因になります。
すぐに食べない料理は、容器に小分けし
て、冷蔵庫に保存しましょう。
食べるときは、全体がグツグツと沸騰す
るまで温めなおしましょう。
身近に潜む食中毒のリスク
• バーベキューで、トングを使って肉を焼き、同じ
トングで子供に肉を取り分けてあげた。
つけ
ない
腸管出血性大腸菌、
カンピロバクター、
E型肝炎など
肉を焼くトングは、肉についていた食中
毒菌の二次汚染を受けています。
肉を焼くトングと、焼き終わった肉を取る
箸は分けて使いましょう。
身近に潜む食中毒のリスク
• バーベキューで、まだ赤い部分の残った、十分
に焼いていない肉を食べた。
やっつ
ける
腸管出血性大腸菌、
カンピロバクター、
E型肝炎、寄生虫など
肉は必ず、よく焼いて食べましょう。
特に豚肉は、E型肝炎ウイルスなど、感
染すると重篤化するものも多いので十分
に加熱してください。
バーベキューの場合、野菜にも肉汁が掛
かっている事も考えられます。野菜もよく
焼くことが望ましいでしょう。
賞味期限と消費期限
賞味期限・・・おいしく食べることができる期限
⇒「期限を過ぎたら食べられなくなる」という意味ではありま
せん。傷みにくい食品につけられます。
ex) カップめん、レトルト食品、缶詰、スナック菓子など
消費期限・・・安全に食べられる期限
⇒期限を過ぎたら、食べない方がよいという意味です。
傷みやすい食品につけられます。
ex) お弁当やおかず、サンドイッチ、生肉など
開封してない状態 で 決められた保存方法によって
保存した場合の、おいしさや安全を約束したものです。
開封したら早めに食べましょう!
賞味期限と消費期限の違い
品
質
賞味期限
消費期限
安全に食
べられる
限界
品質が穏やかに変化
する食品
品質が急速に
変化する食品
過ぎたけど食べられる
危ない
製造日
消費期限
賞味期限
保存日数
食中毒の予防に「完全」は無い
• 細菌やウイルスを「完全にゼロ」にはできない
• 「ゼロに近づける」ことはできる
• 食中毒のリスクを「完全にゼロ」にはできない
• 「ゼロに近づける」ことはできる
「できること」の組み合わせで
• 毎回の食事で完全な消毒・殺菌を行うよりも、
毎日の手洗いの習慣付けが重要
• 神経質になりすぎず、ポイントを押さえて
できることを続けていくのが大切です
食中毒に関する情報
①
厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/
②
埼玉県 食品安全課ホームページ
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0708/syokutyuudoku/
③ 食中毒予防パンフレット
・最寄りの保健所で無料配付
・ホームページで公開中
④ 食中毒に関する相談は、最寄りの保健所へ
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