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音楽分野の著作権管理団体の在り方に関する一考察
日本知財学会第12回学術研究発表会要旨概要 日本大学大学院知的財産研究科 第5期生 永峰春樹 【発表日】平成26年11月30日(日) 【場 所】東京理科大学 葛飾キャンパス 【発表テーマ】 音楽分野の著作権管理団体の在り方に関する一考察 【概要】 音楽分野の著作権管理団体においては、日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理業務をほぼ独占 しているのが現状である。JASRAC については、競争原理が働かないことからくる市場占有率 の問題や技術の進歩による新たな音楽の利用方法が著作権法に抵触する問題、包括徴収方式に て採用されているサンプリング調査に関する問題等が存在している。 そこで、JASRAC をはじめとする音楽著作権管理団体による音楽著作権の管理事業の現状と 管理方法の在り方について検討した結果を以下に示す。 JASRAC が公正取引委員会から独占禁止法違反として排除措置命令を受け、その後高裁での 判決が出るまでに 5 年弱かかっている。今後、最高裁での判決が出るまでには更に時間がかか るであろう。この状況では、いつまで経っても「著作権等管理事業法」によって参入基準が緩 和された効果は得られない。報告者は、JASRAC の排除措置命令を認める高裁判決を尊重した 判断を最高裁は下すべきだと考える。 排除措置命令が下されたならば、携帯電話のキャリアなどの大きな通信事業者に課されてい る「ドミナント規制」を参考にして、複数の管理団体が自由な競争状態にある音楽著作権管理 のための制度設計をしていくのはどうかと考える。例えば、市場占有率が 70%を超えたら、 競業者との約款を管轄官庁に提出し、それが不適正なものと判断された場合には、管轄官庁か ら指導や命令等を行えるような方式とする。これにより、競争原理が働き、公平な自由競争が 期待できると考える。 【所感】 私は、学会発表に参加するのは初めてであった。予稿原稿や発表スライドの作成の準備等は、 大変であったが、準備をする中で、様々な課題や疑問を見つけることができ、それは今後の研 究に役に立つと思えるものであった。また、他大学の先生や学生、企業の方々に向けて発表す る機会は、普段ないことで貴重であり、非常に良い経験になったと思う。 以上