Comments
Description
Transcript
第 71 講 近代国家の成立
第 9 章 グローバル化と地理 第 71 講 近代国家の成立 国 家 ・国家の三要素 → 主権・領域・国民 ・主 権 → 他国に干渉されずに、自国を支配統治する権利。 ・植民地 → 宗主国が主権を保有。領域、国民は宗主国の支配を受ける。現在でも ニューカレドニア(仏領)や仏領ギアナなど一部に残存。 ・形 態 → 領土がひとまとまりになっている。(単節国) 領土が分散している。(複節国) 他国によって分断されている。(飛節国:エクスクラーフェン) 例:アメリカのアラスカなど 東西に広がる国家。(等温線国家) 南北に広がる国家。(非等温線国家) ・君主の有無 → 君主が存在する国家。(君主国) 君主が統治している国家。:専制君主・首長国 憲法により制限された君主がいる国家。:立憲君主国 国民選出の代表が統治している国家。(共和国) ・政治体制 → 中央政府が直接統治している国家(中央集権国家)。 各州が一部の権限を持ち、委任され統治している国家(連邦制)。 513 第 71 講 近代国家の成立 領域と国境 ① 領 域 ・領 域 → 領土、領海、領空で区分。 ・領 土 → 国境に囲まれた陸地部分をさし、内水面を含む。 ・領 海 → 領土に接する海域 (低潮海岸線から12海里)。 ・領 空 → 領土と領海の上空をさす ※大気圏内のみをさすのが一般的。 ・排他的経済水域(EEZ) → 水産資源や海底地下資源の管轄権を認める水域。航 行は自由。水産資源のみを指し示すときは漁業選管 水域とも言う。(低潮海岸線から200海里) ② 国 境 ・自然的国境 → 海洋、山脈、河川等自然物を使った国境。 例:山 脈→ピレネー山脈、アルプス山脈 河 川→ライン川 オーデル川 アムール川など 隔絶性が小さく、変化しやすいため問題も多い (シャトルアラブ川やリオグランデ川) 湖 沼→チチカカ湖 ボーデン湖 ・人為的国境 → 緯線や経線を利用した国境 数理国境(緯線経線) :49 141 N、141 W(アメリカ・カナダ) E (インドネシア・パプアニューギニア) 22 N(エジプト・スーダン) 25 E(エジプト・リビア) ・上置国境 → 既存の地域的、文化的なまとまりを無視しておかれた国境。民族問 題等世情不安な地域が多い。 514 第 9 章 グローバル化と地理 【ワーク】 以下の世界地図に,代表的な数理国境を示そう。 515 第 71 講 近代国家の成立 516 第 9 章 グローバル化と地理 次の問に答えよ。 (1)国家の三要素を答えよ。 (2)領海の範囲を答えよ。 (3)海洋で、資源の権利を主張できる海域を何と呼ぶか。 (4)前問(3)の範囲を答えよ。 (5)領土が切り離され、連続していない国を何というか。 (6)前問(5)で、本土と切り離された地域を何と呼ぶか。 (7)前問(6)の代表例を答えよ。 (8)国の代表を国民の選挙等で選び、国内を統治する国を何と呼ぶか。 (9)エジプトの西側と南側の国境となっている緯線・経線の緯度・経度を答えよ。 (10)人工の建造物を国境としていた例を答えよ。 517 第 71 講 近代国家の成立 次の各文には誤りがある。誤りを訂正し、正しい文に書き換えよ。 (1)日本は国土面積が小さいため、領域は世界の国の中でも下位にある。 (2)領空は、航空機が航行できる高さは含まれない。 (3)古期造山帯の山脈は、隔絶性が高いため国境に向いている。 (4)見た目がはっきりしている河川は国境として、山脈より向いている。 (5)韓国と朝鮮民主主義人民共和国との国境は北緯 38 度線を利用している。 次の問に答えよ。 アフリカでは民族対立が頻発している。その背景の一つに国境の引かれ方がある。そのこ とについて 90 字以内で述べよ。 領土と国境、領海と排他的経済水域について述べた次の文章中の下線部① ④のうちから 適当でないものを一つ選べ。(2012 年センター本試・地理A) 領土の範囲は、陸地や海洋に設定された国境によって示される。国境には、フランスとス ペインとの国境のように①山脈を利用した自然的国境や、アメリカ合衆国とカナダとの国境 の一部のように②緯線や経線を利用した数理的国境が見られる。一方、領海の範囲は、③低 潮時の海岸線から 12 海里までと定める国が多い。領海の外側で、④公海を含む排他的経済 水域では、海洋資源に関する検疫は沿岸国に帰属するが、船舶の航行は自由である。 518