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属/樹脂接合技術『DLAMP』

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属/樹脂接合技術『DLAMP』
⾦属/樹脂接合技術『DLAMP』
Daicel LAser irradiated Metal-Polymer complex
レーザ照射
1.開発背景
◆金属の樹脂化
部品軽量化策としての『 ⾦属の樹脂化 』 の検討が注目。
・・・・樹脂材料は、
・軽量
・錆びない
・形状の⾃由度が⾼い
という⻑所がある⼀⽅、⾦属材料と⽐して
・耐熱温度が低い
・機械的強度が弱いなど の課題もあり。
※CFRP、⻑繊維強化樹脂など⾦属代替材料の開発が加速中︕
◆金属樹脂複合材
『⾦属部品のスペックを極⼒ 落とさずに軽量(樹脂)化する』
・・・ひとつの手段として、
⾦属と樹脂の複合化 による軽量化に期待が寄せられています。
ダイセルポリマーとして、⾦属/樹脂の接合技術 を考案
1.開発背景
◆一般的な金属-樹脂の接合方法
機械的な接合
接着剤での接合
(かしめ、ネジ止め等で固定)
樹脂
リベット
接着剤
樹脂
⾦属
⾦属
機械的接合
課題
接着剤
設計の自由度が低い
接合強度が低い
接合部に応力が集中する
金属、樹脂の適用範囲がせまい
金属製の繫ぎ必要(リベット等)
⇒軽量化難しい
前処理工程(脱脂・洗浄)が必要
部品点数、工程数が長い
1.開発背景
(1)接着剤法
(2)薬液処理法
樹脂部材
接着剤層
薬液
樹脂部材
金属部材
金属部材
金属部材
(3)ダイセル/ダイセルポリマー法 (本手法)
レーザ
薬液処理面
ナノスケールの小さい凹凸
ガラス繊維 マトリクス樹脂部
ミクロンサイズ
の凹凸
長繊維強化樹脂
接合の効果
Ⅰ.アンカー効果
金属部材
⇒本日発表
Ⅱ.化学結合
インサート成形
Ⅲ.長繊維の補強効果
レーザー加工
(1) 接着剤法
(2) 薬液処理法
(3) 本手法
加工時間
△
△
○
設備費
○
○
△(レーザ高価)
ランニングコスト
△
×(還元剤高価)
○(電気代のみ)
環境
△
×(廃液)
○
材料の自由度
○
△
○(精度高い)
4
2.レーザー処理による接合⽅法について
◆実験フロー
レーザ
アルミ (A5052)
(1)レーザ加工
(2)インサート成形
PA66-LGF60
固定
(3)強度測定
荷重
2.レーザー処理による接合⽅法について
◆インサート成形とは
◆プロセス
溶融樹脂
複合材
1) 型開き
2) 処理金属を挿入
3) 型閉め
4) 樹脂の流し込み
5) 型開き
◆特⻑
・⾦属-樹脂の「接合」と樹脂の「成形」を同時に⾏える
・⾦属樹脂複合材の形状⾃由度が高い
・成形サイクルが短い
6) 成形品取り出し
3.DLAMPについて
◆特徴
・CWレーザーを使⽤する全く新しい接合技術です。
・レーザーの処理条件変更で、様々な⾦属へ適⽤可能です。
(アルミ、ADC12、SUS、Mg、SPCC等)
・部分処理(⽚⾯処理、 パターニング)が可能です。
・ランニングコストが安価です(電気代のみ)。
・廃液や端材などの廃棄物は発生しません。
断面写真
イメージ図
樹脂部
ステッチアンカー
⾦属内部の空隙に樹脂が縫いこ
まれたような構造を形成
金属部
国際特許出願中
3.DLAMPについて
◆表面処理方法
レーザー
樹脂
レーザ照射
金属
金属
⇒ステッチアンカー(縫込み構造)形成
表面形状
断面形状
樹脂
金属
樹脂が閉塞空間
へ浸入している
引き抜きモードにも対応した、強固な接合強度を達成︕
8
3.DLAMPについて
◆連続波(CW)レーザーとは
連続波(CW)
出
力
一定出力で連続発振する
⇒加工早いが、エネ
ルギー密度小
時間
パルス状の出力を一
定の繰返し周波数で
発振する
⇒加工遅いが、エネ
ルギー密度大
出
力
時間
CWレーザー
パルス波レーザー
溶融のみ
金属
パルス波
作業環境良い
金属が昇華
作業環境悪い
⇒CWの方が加工が早く、作業環境がよい。
9
3.DLAMPについて
◆連続波(CW)レーザーとは
パルス波レーザー
CWレーザー
1)溶融
金属
金属
昇華(溶融しない)
2)凝固
⇒溶接に利用
500μ
m
⇒加工精度高い
(幅、深さ)
⇒表面加工に利用
500μ
m
10
3.DLAMPについて
(1)引抜強度
荷重
CW
パルス波
引抜強度
43MPa
8MPa
せん断強度
52MPa
46MPa
樹脂
金属
金属:アルミ合金(A5052)、樹脂:PA66-LGF60
(2)せん断強度
荷重
金属
樹脂
樹脂
樹脂
固定治具
固定治具
樹脂
レーザ
樹脂が細孔内部ま
で浸入している。
金属
⇒ステッチアンカー(縫込み構造)
金属
⇒CWの方が、引抜強度が高い。
11
3.DLAMPについて
◆適応金属
金属
アルミ系
鉄系
銅系
チタン系
亜鉛系
マグネ系
A5052
ADC12
アルマイトA5052
SUS304
SPCC
クロメートSPCC
洋白(C7521)
黄銅(C2801)
青銅(CAC406)
純銅(C1020)
ベリリウム銅
(C1720)
純チタン(TP340)
ZDC2
AZ31
15 mm
樹脂
PA66-LGF60
引抜強度
MPa
43
40
37
44
21
24
28
31
22
41
4 mm
樹脂
50 mm
処理面積
20×6 mm
金属
3 mm
30 mm
30 mm
荷
重
引抜速度
5mm/min
樹脂
36
28
47
26
固定冶具
金属
引抜強度(MPa)
最大荷重(N)/接触面積(mm2)
DLAMP技術資料第二章
12
4.DLAMPについて
破壊形態
◆せん断強度
金属
測定条件
※突押速度
=1 mm/min
荷
重
15 mm
1 mm
界面剥離+凝集破壊
凝集破壊
樹脂
樹脂
樹脂
金属
金属
金属
固定冶具
金属
60 mm
樹脂
Fe系
11 mm
50 mm
界面剥離
処理面積
10×4 mm
樹脂
PA66系
(長繊維強化樹脂GF60wt%)
破壊形態
4 mm
PP系
(長繊維強化樹脂GF40wt%)
破壊形態
Al系
Mg系
SUS304
A5052
ADC12
AZ31
54MPa
52MPa
49MPa
45MPa
凝集破壊
凝集破壊
凝集破壊
+界面剥離
凝集破壊
+界面剥離
26MPa
26MPa
凝集破壊
凝集破壊
4.DLAMPについて
◆引抜強度 測定条件
※引抜速度
=5 mm/min
破壊形態
荷
重
樹
脂
15 mm
界面剥離
界面剥離+凝集破壊
凝集破壊
樹脂
樹脂
樹脂
金属
金属
金属
固定冶具
4 mm
金属
引抜強度(MPa)=最大荷重(N)/接触面積(mm2)
50 mm
樹
脂
処理面積
20×6 mm
3 mm
30 mm
Fe系
PA66系
(長繊維強化樹脂GF60wt%)
金
属
破壊形態
30 mm
PP系
(長繊維強化樹脂GF40wt%)
破壊形態
PA66系
(長繊維強化樹脂CF40wt%)
破壊形態
Al系
SUS304
A5052
ADC12
44MPa
43MPa
40MPa
凝集破壊+界面剥離 凝集破壊+界面剥離 凝集破壊+界面剥離
20MPa
20MPa
凝集破壊+界面剥離 凝集破壊+界面剥離
46MPa
凝集破壊+界面剥離
4.DLAMPについて
◆接合強度(せん断)のバラツキ
15
4.DLAMPについて
◆高温環境下(120℃,500h)
※引抜速度
=5 mm/min
荷
重
樹脂
固定冶具
金属
金属: SUS304
>95%以上の強度保持率
4.DLAMPについて
◆冷熱繰返し環境下(-40℃⇔90℃,1000サイクル)
※引抜速度
=5 mm/min
荷
重
樹脂
固定冶具
金属
金属: SUS304
>90%以上の強度保持率
4.DLAMPについて
◆冷熱繰返し環境下(-40℃⇔90℃,1000サイクル)
50
45
40
引抜強度(
引抜強度(MPa)
35
30
PA66
25
PA66-LGF30
20
PA66-LGF30改
※引抜速度
=5 mm/min
荷
重
樹脂
PA66-LGF60
15
10
固定冶具
5
金属
0
0
200
400
600
サイクル数(回)
800
1000
1200
金属: SUS304
5.DLAMP 適用例
歯車
DLAMP®処理部
5.DLAMP 適用例
歯車
■形状
歯車樹脂
5mm
16mm
軸(SUS304)
φ6mm
写真はアクリル
・歯車外
・歯幅
・モジュール
・圧力角
・ゲート
・歯数
樹脂
ジュラコン M90-44
(POM)
金属軸
SUS304
■比較評価、評価項目
*ジュラコンはポリプラスチックス社の商標です
軸形状
DLAMP
綾目 深い
綾目 浅い
Dカット
コバン
処理なし
×
軸強度(破壊トルク)
JGMA
16mm
5mm
1.0
20度
3点
14
5.DLAMP 適用例
歯車
B1 DLAMP
センター穴
(嚙合い試験用)
■軸形状
センター穴
(嚙合い試験用)
4mm
18mm
歯車樹脂
4mm
6mm
6mm
6mm
B6 処理なし
10mm
6mm 2mm
断面
4mm
センター穴
(嚙合い試験用)
DLAMP処理
センター穴
(嚙合い試験用)
6mm
24mm
6mm
4mm
4mm
6mm
6mm
10mm
6mm 2mm
5.DLAMP 適用例
歯車
■軸形状
センター穴
(嚙合い試験用)
センター穴
(嚙合い試験用)
4mm
18mm
B2 深い綾目
4mm
6mm
6mm
10mm
6mm 2mm
断面
4mm
センター穴
(嚙合い試験用)
深い綾目
6mm
センター穴
(嚙合い試験用)
4mm
18mm
B3 浅い綾目
4mm
6mm
6mm
10mm
6mm 2mm
浅い綾目
5.DLAMP 適用例
歯車
センター穴
(嚙合い試験用)
■軸形状
センター穴
(嚙合い試験用)
4mm
18mm
B4 Dカット
6mm
4mm
軸中央部はDカット
6mm
10mm
6mm 2mm
1mm
5mm
断面
4mm
6mm
センター穴
(嚙合い試験用)
6mm
センター穴
(嚙合い試験用)
4mm
18mm
B5 コバン
6mm
4mm
6mm
軸中央部はコバン
10mm
6mm 2mm
4mm
6mm
5.DLAMP 適用例
歯車
■測定
①JGMA かみ合い測定
②軸接合強度測定
ジグで歯車固定
トルクレンチで破壊トルクを測定
5.DLAMP 適用例
歯車
詳細な評価は、今後の課題であるが、DLAMPは軸との接合強度が高く、歯車形状が
優れているといった傾向が得られている。
歯車形状と軸破壊トルク
軸破壊トルク(N・m)
m)
10
8
DLAMP
6
綾目深い
4
綾目浅い
2
Dカット
コバン
0
20
25
30
35
1ピッチかみ合い誤差(μm)
40
5.今後の展開
「DLAMP ®」は、金属の樹脂化を進めるための補完技術であり、あくまでDPの樹脂材料拡販が目的。
しかし、「DLAMP®」技術をブラッシュアップし広く普及させていくためには、自社の樹脂材料だけに
拘らず、技術ライセンスも視野に入れ、幅広く顧客ニーズに対応していく予定。
他社の協力も得ながら効率良く進めていく。
<STEP2>
応⽤形状での
接合実験
<STEP1>
基礎的実験
<STEP3>
最終(量産)製品
への適⽤
熱可塑性樹脂
DPポリマー 現有材料
アロイ
STEP1
長繊維
DP 供給可能材
PC、PA、単体等
供給?
供給不可
PBT・・
PVC?
熱硬化樹脂
ゴム
初期評価については、レーザックス(協業契約締結済み)とうまく協業しながら効率良く対応。
STEP2
材料開発も平行して進めながら、ユーザーと協力しながら開 初期評価の結果も見てユーザーも選択しながら、ユー
発・評価を進める
ザー主導で検討進める。
STEP2
ユーザー主導で量産化検討。
ライセンス条件も確認しながら、ユーザー主導で量産化検
討。
26
5.今後の展開
◆お客様との取組み
<STEP3>
最終(量産)製品
への適用
<STEP2>
応用形状での
接合実験
金属
<STEP1>
基礎的実験
樹脂
樹脂
金属
27
セルロース系バイオプラ「セルブレンEC」
28
1.開発背景
世界的な環境問題、資源問題に対する取り組みの必要性
CO2削減、
廃棄物の削減、石油資源枯渇
非石油系材料の開発が重要な課題となっている 。
弊社においては、2000年頃から非石油系材料の開発に取組んできた。
ダイセルポリマー
㈱ダイセル
樹脂コンポジット化技術
セルロース化学技術
2005年 4月新聞発表
セルロース繊維強化樹脂(「セルブレンC」)上市
2011年 9月新聞発表
富士ゼロックス様向けセルロース系難燃樹脂開発
2012年11月新聞発表
『セルブレンEC』上市
1.開発背景
◆ セルロースとは
・地球上で、毎年約2,000億t製造(光合成)されている有機高分
子物質
・繊維状で高い結晶性を示す
セルロースⅠ型(天然)
結晶弾性率 138GPa
セルロースⅡ型(再生セルロース) 結晶弾性率
88GPa
・明確なガラス転移温度や融点がなく(250℃以上と非常に高く)、
200℃以上で熱分解してしまう為、熱可塑性を示さない。
セルロースの化学構造
30
2.セルブレンC(セルロース繊維強化樹脂)
◆セルブレンCとは、
セルロース繊維の特長
豊富な資源量
再生可能
カーボンニュートラル
燃焼時の残渣が発生しない
優れた機械的特性
軽量(低比重、
セルロース繊維1.5 vs ガラス繊維2.5 )
熱可塑樹脂の課題
CO2削減
石油枯渇
繊維強化樹脂の課題
廃棄物削減
(焼却時の燃焼残渣低減)
軽量化(自動車の燃費向上)
開発 の コンセプト
セルロース繊維の特長をいかしながら、熱可塑性樹脂、繊維強化樹脂の課題に取り組む。
熱可塑性樹脂のフィラーとしてのセルロースの活用
||
熱可塑性樹脂を『セルロース繊維』で強化 した材料の開発
31
2.セルブレンC(セルロース繊維強化樹脂)
剛性:ガラス繊維代替
音響特性(剛性、損失係数)
:スピーカー関連、各種
楽器等
1mm
100μm
コンテナ:剛性、
軽量
箸 剛性、肌触り(手触
り)感
リード:剛性、損失係数、耐久性
(耐水性)
32 ハーモニカ
リードの先端の拡大
3.セルロース系バイオプラ「セルブレンEC」
◆セルブレンECとは、
1)酢酸セルロース(セルロースエステル)と新規可塑剤とを組合わせ
た新規セルロース系イオプラスチック
2)従来の酢酸セルロース系樹脂と比較して
・フタル酸エステル系の可塑剤を使用していない。
現在の脱フタル酸エステルの市場の大きな流れに対応
・高温高湿下での可塑剤の揮発やブリードアウトが極めて少ない。
・高温高湿下での成形品の変形・そりが極めて少ない。
・従来のセルロース系樹脂では対応できなかった工業製品用途へ
の展開が可能。
33
3.セルロース系バイオプラ「セルブレンEC」
◆セルロースエステルとは
セルロース分子骨格を構成するグルコース環上にある3つの水酸基がエ
ステル化されたもの。3つの水酸基が全てエステル化されたものは、置換度
が3、2つの水酸基がエステル化されたものは、置換度が2となる。
セルロースエステルの物性は、置換度やn数(アルキル炭素数)に応じ
て大きく変わる。
R : CnH2n+1 or H
セルロースエステルの構造
34
3.セルロース系バイオプラ「セルブレンEC」
セルロースエステルのアルキル基炭素数と融点の関係
Cellulose Esters
Acetate
Propionate
Butyrate
Valerianate
Caprorate
Enanthatate
Caprylate
Pelargonate
Caprate
Laurate
Myristate
炭素数
1
2
3
4
5
6
7
8
9
11
13
置換度
2.83
2.96
2.8
2.79
2.83
3.04
2.84
-
Mw
1.48×105
1.77×105
2.15×105
2.15×105
2.07×105
2.03×105
3.54×105
2.32×105
2.18×105
2.87×105
融点(℃)
278
241
189
128
110
103
93
87
102
112
108
昭和54~55年度科学研究費補助金研究成果報告書
「脂肪酸セルロースエステル同族体の物性に関する研究」京都大学 即元 京、白石信夫
35
3.セルロース系バイオプラ「セルブレンEC」
・脂肪酸セルロースエステルのなかでは、セルロースアセテートが
融点やガラス転移点は、最も高い。
しかし、
・セルロースアセテートは、工業的に広く使用されているセルロース
エステルである。
コストを重視し、第1STEPとして、
セルロースアセテートをベースとした樹脂の開発を進めた。
(今回は、この内容について報告)
セルロースアセテートをベースとした、リアクテイブコンパウンドに
よる可塑化(第2STEP)も視野に入れながら。
36
『セルブレンEC』のご紹介
37
4.セルブレン EC シリーズ とは
◇ パルプなど木質資源である「セルロース」から生まれた
セルロースアセテート系樹脂です
セルブレンEC
セルロースアセテート
パルプ
セルロース
38
4.セルブレン EC シリーズ とは
1. 天然セルロースが原料の環境にやさしいプラスチックです。
再生可能で地球上に広く分布するセルロースが素原料とし、石油を原料とした
従来のプラスチックでは実現できない地球環境保全に貢献します。
パルプなどの木質資源(非可食性バイオマス)を原料とするため、トウモロコシな
どの穀物資源を原料とするポリ乳酸(PLA)j樹脂とは異なり、食料資源問題に
影響を与えません。
バイオマスプラスチック
従来のプラスチック
再生可能なバイオマス原料を利用
再生不可能な原料を使用
非可食原料
可食原料
原料
セルロース
トウモロコシ(澱粉)
石油
セルロースアセテート
ポリ乳酸
セルブレンEC
PLA樹脂
ABS樹脂、PP樹脂など
39
4.セルブレン EC シリーズ とは
2.セルロース由来成分を40~50%含む バイオマスプラです。
セルブレンECシリーズは、日本バイオプラスチック協会(JBPA)認定商品です。
(中間製品に登録済み。バイオマスプラ(BP)マークを取得しています。)
バイオマスプラ PL,Ver.2013.2(Apr.) :分類C(中間製品)
寄託
番号
PL#
PL名・製品名・申請者名・形状
物質名
PL名
申請者名
形状
バイオマ
スプラス
チック度
(%)
PL#
C00126
セルロース樹脂系
コンパウンド
セルブレンEC110シリーズ EC11060000
ダイセルポリマー コンパウンド
43.4
C00126
C00127
セルロース樹脂系
コンパウンド
セルブレンEC210シリーズ
ダイセルポリマー コンパウンド
48.0
C00127
バイオマスプラが25wt%以上
含まれている製品。
・・・であることを証明
40
4.セルブレン EC シリーズ とは
◇ セルブレンEC シリーズは、環境に配慮したバランスの取れた物性を有する
バイオマスプラスチックです。
◇ 一般グレード、透明グレード、難燃グレードなどがあり、幅広い用途で
お使いいただけます。
特徴
優れた物性
バランス
ABS樹脂に相当するバランスのとれた機械強度を実現しています。
他のバイオマスプラスチックのPLA樹脂に比べて、衝撃強度や耐熱
性の点で、優れています。
石油系溶剤、オイル、ガソリンなどの影響が軽微です。
成形加工性
射出成形、押出し成形による加工に適しています。
二次加工性
切削加工などの二次加工性が優れています。
環境を配慮した
可塑剤を使用
セルロースアセテート樹脂は可塑剤を添加し成形加工用途で使用
されます。
セルブレンECは、新たに開発した非フタル酸エステル系可塑剤を使
用し、欧州で始まっている環境規制に対応します。
41
4.セルブレン EC シリーズ とは
セルブレンEC シリーズ のグレードと物性
特性
Properties
密度
Density
メルトフローレート
Melt Flow Rate
引張強さ
Tensile Strength
曲げ強さ
Flexural Srtrength
曲げ弾性率
Flexural Modulus
シャルピー衝撃強度
Impact Strength,
Charpy
荷重たわみ温度
DTUL
バイオマスプラ登録
試験法
Test method
単位
Unit
測定条件
Condition
一般
EC110
透明
EC210
難燃V-2
EC430
ISO 1183
g/cm3
-
1.24
1.28
1.29
ISO 1133
g/10min
220℃
/10kg
8
14
43
ISO527
MPa
-
51
53
55
ISO178
MPa
-
55
63
65
ISO178
MPa
-
2,200
2,600
2,400
ISO179/1eA
kJ/m2
23℃
9
10
9
ISO75
℃
0.45MPa
1.8MPa
96
66
92
66
81
59
-
登録済み
JBPA
※ これらの数値は代表値であって、品質保証値ではありません。
登録済み 登録済み
42
4.セルブレン EC シリーズ とは
セルブレンEC シリーズ と他のプラスチックとの物性比較
バイオプラスチックのPLA樹脂に比べて、衝撃強度や耐熱温度の点で優れています。
特性
Properties
密度
Density
メルトフローレート
Melt Flow Rate
引張強さ
Tensile Strength
曲げ強さ
Flexural Srtrength
曲げ弾性率
Flexural Modulus
シャルピー衝撃強度
Impact Strength,
Charpy
荷重たわみ温度
DTUL
試験法
Test method
単位
Unit
ISO 1183
g/cm3
ISO 1133
g/10min
ISO527
測定条件
Condition
一般
EC110
一般
ABS
透明
XBN942
透明
PLA
1.24
1.05
1.28
1.25
8
19
15
-
MPa
51
51
55
63
ISO178
MPa
55
75
67
106
ISO178
MPa
2,200
2,500
2,600
4,300
ISO179/1eA
kJ/m2
23℃
9
20
11
1.6
ISO75
℃
0.45MPa
1.8MPa
96
66
78
95
68
58
-
220℃
/10kg
※ これらの数値は代表値であって、品質保証値ではありません。
43
セルブレンECの特徴
・天然セルロースが原料の環境にやさしいプラスチックです。
・物性バランスに優れます(透明性、衝撃強度)。
・ガソリン等の炭化水素系溶剤への影響が軽微です。
・切削加工等の2次加工性に優れます。
・新開発の非フタル酸エステル系可塑剤を使用しています。
・耐傷付き性に優れます。他のプラスチックにはない色艶、柄、
肌触りの良さが特徴です。
・従来のセルロース系樹脂と異なり、高温高湿下での成形品の
変形や可塑剤の揮発・ブリードアウトはほとんどありません。
44
CELBLEN EC
Daicel Polymer Ltd.
Cellulose Acetate Plastic
Cellulose as raw material
・‘CELBLEN EC’ is made of wood which is available everywhere in nature.
・ ‘CELBLEN EC’ is made of wood pulp with no food resource problem.
Cellulose
Advantage of CELBLEN EC
・Newly developed non-Phthalate plasticizer can respond to the restriction in European Union.
・The new plasticizer is very low volatility in comparison to other plasticizer. (phtalate ester,
triacetin, citrate ester)
・‘CELBLEN EC’ are cellulose esters containing 40-50% plant-based materials.
Properties
CELBLEN
Properties
Density
Melt Flow Rate
Test
Unit
method
ISO 1183
ISO 1133
g/cm3
g/10min
EC210
CA/ triacetin
(80/20)
CA / citrate ester
(80/20)
1.28
1.3
1.29
14
2
6
Condition
220℃/10kg
Tensile Strength
ISO527
MPa
53
82
67
Flexural Strength
ISO178
MPa
63
110
91
Flexural Modulus
ISO178
MPa
2,600
3,600
2,900
ISO179/1eA
kJ/m2
23℃
11
5
7
DTUL
ISO75
℃
0.45MPa
1.8MPa
92
66
93
81
Deformation
For heat and humidity
Weight decrement
For heat and humidity
65℃/85%RH
500hrs
65℃/85%RH
500hrs
○
×
×
<0.3
>1
>1
Impact Strength, Charpy
%
CA : Cellulose Acetate
ご清聴ありがとうございました。
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