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第1章 長期的な視点に立った危機管理・防災戦略

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第1章 長期的な視点に立った危機管理・防災戦略
第5節
1
多様化する危機事象への対応
放火防止対策
毎年の火災原因のトップである、放火火災の防止のため、市民、事業者、消防局・消防団をはじ
めとした行政関係機関が協働し安全で安心して暮らせるまちづくりを進め、そのための取組みを市
民運動として展開していく。
(1)市民による取組み
①放火されない環境づくり
放火犯は機会犯が多いことから、建物内外に可燃物を放置しないことで放火を防止するため
の環境づくりを進める。
②コミュニティの育成
イベントの実施や「声かけ運動」等による地域コミュニティ意識の連携を深めて、地域の見
守り、コミュニティを活性化する。
③放火発生危険個所の排除
・防災パトロールの実施
定期的に拍子木等で夜間パトロールを実施して、放火犯に警戒心を与え、地域住民が安心感
を共有できるコミュニティづくりを進める。
・安全で住み良いまちの診断
放火が多発した地域に対して「放火火災防止戦略プラン」に基づき地域の危険度を住民自ら
が評価し、判定結果に基づいた放火されにくい環境づくりを推進する。
④ハード面の整備
・門灯、センサーライト等の普及促進
建物周辺を明るくし、監視性を高めて放火されない環境をつくるため、センサーライト等防
犯機器の普及促進を図る。
(2)事業者による取組み
・社員、テナント関係者等に対する放火防止意識の周知・啓発
・共用部分やバックヤードに放置されている可燃物の安全管理と保管場所の施錠
・放置されている可憐物の整理及び外部侵入者の防止
・建物外周部の不燃化
・死角となりやすい廊下、階段室、便所等の共用部分の可燃物の整理整頓や除去
・物置、空き室、雑品倉庫等の施錠管理
・監視カメラ等の設置による監視体制、死角となる場所の随意の巡視警戒
・建物外周部の不燃化及び放置されている可燃物の整理
・安全なゴミ集積場所の確保
(3)被害軽減のための社会システムの活用
放火は監視性が低くなる夜間から未明にかけて多く発生する傾向がある。新聞販売店、タクシ
ー会社、コンビニエンスストア等と連携し、早期発見、早期通報体制の確立を図る。
(4)消防局、消防団による取組み
①放火火災防止広報の実施
・自治会等への地元組織への広報
・事業所、学校等への広報
35
防火査察や訓練指導の際に放火防止を呼びかけていく。また、学校における訓練指導時に火
遊び防止を指導する。
・拍子木文化の復興
拍子木を活用した夜回りは住民に安心感を抱かせ、地域への帰属意識を高める効果があり、
放火防止、子供の安全を守るため、拍子木文化を普及させる。
・多様な媒体による広報
ダイヤル 119(AM神戸)、生活あんぜんあんしん情報誌「雪」、ホームページ等で広報する。
②放火火災発生危険個所の排除
・防災安全マップの作成
地域の「ハザードマップ」作りを支援する。
・防火訪問とパトロールの実施
定期的な夜間パトロールを実施して、屋外の可燃物や荒ゴミ等放置可燃物の状況を把握し、
地区自治会、関係部局と関係を密にして放火防止にあたる。
③パトロールの強化
年末警戒や火災注意報等発令時に行っているパトロールに加え、災害現場引揚時等にも消防
車両の赤色灯を点灯して走るなど、地域の監視効果を高める。
④放火火災防災対策等の要望
住宅関係の公的機関等に対し、住宅に付属する駐輪場、ごみステーション等にセンサー付ラ
イト、炎感知等の放火火災防止対策用機器の設置推進を要望し、関係機関・関係団体等に防災
カバーの普及促進、ごみ集積場や公園の放火対策等について要望する。
2
交通安全対策に関する取り組み
交通安全対策を総合的かつ効果的に推進するため、昭和 45 年 6 月に交通安全対策基本法が制定さ
れた。これに基づき市では昭和 46 年以降、これまで 7 次にわたり神戸市交通安全計画を策定し、国、
県、市、関係団体等において各般にわたる対策を強力に推進してきている。この結果、震災直後に
は道路交通の混雑化やマナーの低下により、一時的に死亡事故は増加したもののその後着実に減少
しており、第 7 次計画(平成 13~17 年度)での目標値(年間交通事故死者数を 59 人以下とする)
を平成 14 年以降 4 年連続で達成した。
しかしここ数年、交通事故発生件数等については増加傾向が見られると同時に、高齢化の進行に
伴い、高齢者の死亡事故が高水準で推移しているなど、一方では予断を許さない状況も生じている。
このため、21 世紀の安全な交通社会の形成に向けて、経済社会情勢の変化を踏まえるとともに、交
通事故の実態に対応した交通安全対策が必要である。市では平成 18 年度に「第 8 次神戸市交通安全
計画」を策定し、平成 18 年度から 22 年度までの 5 年間に市域で講ずるべき施策の大綱を定めるこ
とにより「やさしさ」と「ぬくもり」が実感でき、
「協働と参画」の理念に沿った「安全で安心なま
ちづくり」を進めていく。
○実施計画
市交通安全計画に基づき、年度ごとに市が講ずるべき交通安全施策の概要をとりまとめる。
○市民運動実施要綱
交通安全対策推進協議会(市・県警・関係機関・市民団体・報道機関等で構成)において、
年度ごとに各機関・団体における施策、推進事項などを定める。
事 業 名
第8次神戸市交通安
全計画
全事業量等
H18-22 年度
年 間 交 通 事 故 死 者 数 42
人以下
年間交通事故死傷者数
12,000 人以下
36
備考(実績等)
3
消費者の安全・安心の確保
消費者利益の確保は、消費者行政に対する基本的かつ最も重要な要請事項であり、常に施策の基
本となすべきものである。この具体化としては条例の遵守を確保することが重要であり、そのため
に表示・取引き・包装の適正化や適正軽量取引の確保、食品やすまいの安全性の確保に関する取り
組み等、これまでも本市が実施してきた消費者施策については、今後も引き続き強力に推進する必
要がある。また、物資の安定および災害等の緊急時における取り組みについては、消費生活上の必
需物資が消費者へ安定的に供給されるために今後とも物価の安定を図るとともに、震災等の緊急時
においても必要量の必需物資が確保されることが、消費者の安全・安心をはかるためには非常に重
要であり、このために制度整備が必要である。
(1)条例の遵守の確保
【具体的施策】条例の遵守状況の監視
定期的に調査を実施するとともに、事業者との意見交換会を実施するなど、条例の趣旨の徹底
に努める。
(2)悪質業者対策
【具体的施策 1】国・兵庫県・警察との連携強化
特定商取引法違反行為に対しては、市による指導・勧告・公表等を速やかに実施するとともに、
兵庫県および兵庫県警の行政処分および取り締まりが速やかに実施されるように連携を取ってい
く。
【具体的施策 2】広域的消費者被害対応の積極的推進
広域的な対応が必要な被害事例に対して、関係地方公共団体とも協議を行った上で、それぞれ
が必要な対応を行うことにより、消費者被害の拡大防止・早期救済を図る。
【具体的施策 3】事業者・事業者団体を通じた情報提供の促進等
事業者団体独自の自主行動基準等の策定の推進を図るため、専門家を派遣する等の支援策を実
施する。加えて、小売事業者等の店舗での被害情報を掲示する等、事業者に協力を依頼し、消費
者への情報提供手段の拡大によって、より広く効果的な情報提供を行う。
【具体的施策 4】地域との連携
悪質商法追放モデル地区を全区に拡大し、25 地区以上とする。
悪質商法追放モデル地区で効果が認められたステッカーおよびポスターの配布や高齢者への声
かけ等の施策をされに推進し、区役所と連携しながら、地域における悪質商法追放の雰囲気づく
りを推進する等の施策をより充実する。
悪質事業者に関する地域からの情報提供を促進することにより、事業者に対する早期の事情聴
取や指導等の実施を図る。
(3)物価の安定および災害時の緊急時における取り組み
【具体的施策 1】緊急時の事態への対応
食料品等の供給に関し、事業者・事業者団体等との連携・協力体制を確立するとともに、地域
へ出向いて巡回相談やパトロールを実施する等、相談・監視体制の強化を図る。また、悪質な訪
問販売等を行う事業者に対する指導を強化する。
【具体施策 2】便乗値上げ等の防止
価格情報の調査を継続的に実施するとともに、便乗値上げ等の行為に対しては、事業者の実態
を調査した上で、是正するよう勧告を行う。
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4
アスベスト対策
アスベストの測定地点の増強、解体時の立入検査など監視体制を強化するとともに、全市有施設
の使用実態を改めて調査し、除去など必要な措置を早急に講じる。また、市民の健康に関する相談
に適切に対応し、健康被害に関する救済措置の確立について国に対し要望する。
(1)アスベスト濃度分析・監視
大気中のアスベスト調査について、平成 17 年度より測定地点を現在の 2 ヶ所から全区へ拡大す
るとともに、建物解体時のアスベスト飛散防止対策の指導を徹底し、対策の効果を確認するため、
周辺環境濃度の測定等を実施する。
(2)公共施設のアスベスト対策
市の保有する全ての施設(約 3,800 施設)についてアスベストを含む吹き付け材等の使用状況
を調査し、必要に応じて適切な措置を講じる。
(3)民間建築物アスベスト対策支援
市内の民間住宅(建物の所有者)を対象に、飛散性の高い吹付けアスベストの分析費用の一部
を助成する。
また、飛散性アスベストを使用している民間建築物の解体・改修を行う場合のアスベスト除去
作業に要する費用について、環境保全資金融資制度の公害防止資金の対象とし、適正な解体・改
修を促進する。
さらに、多数の者が利用する民間建築物について、飛散性アスベスト除去等の改修を行う者に、
優良建築物等整備事業を活用して補助を行う。
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