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平成 18 年 9 月 10 日 パリ産業情報センター 駐在員 社本 朗

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平成 18 年 9 月 10 日 パリ産業情報センター 駐在員 社本 朗
平成 18 年 9 月 10 日
パリ産業情報センター
駐在員
社本 朗
一般調査報告書
JB(ジョイント・尾州)ブランド、パリで展示商談会開催
9 月 18 日から 20 日の 3 日間、日本でも最大級の毛織物産業の集積地である尾州
産地(愛知県西部等)が「JB(ジョイント・尾州)」ブランドを掲げてパリのエスパス・シャ
トレ・ヴィクトリアにて第 3 回 JB パリ展示商談会を開催した。フランス、イタリアメジャー
ブランドの関係者から「風合いと技術がすばらしい」と高い評価を得て、47 社 715 点の
サンプル請求を受けるという成果を挙げた。
<「高級感の表現」、「加工技術を駆使した面白み」の視点で作成した生地を展示>
今回の展示商談会には、JB(ジョイント・尾州)のメンバー企業 11 社が、フランスの
ファッションコンサルタントのトレンド分析をもとに、2007/2008 秋冬向け生地 113 点を
展示した。それらの商品は次のような特徴を有している。
1)コスト:下は 12.15 ユーロ/m(幅 140cm)から上は 68.8 ユーロ/m(幅 150cm)まで
の幅広い価格帯。m当たりの平均は 25.68 ユーロ(平均幅 142cm)
2)素材:尾州が得意とするウール素材が中心。ウールはより細番手使いに、ウール
との複合ではカシミヤなどの高級獣毛、シルクとの複合など高級志向。
3)デザイン:縮絨の有無による柄表現や刺繍、フロッキー加工、エンボス加工等さま
ざまな加工技術を用いて、従来にない尾州ならではのデザイン性を付与。尾州が得
意とする「織り技術」によりからみ織りやピンタック織りなどで意匠性を最大限付与。
4)目付量:平均 366g/㎡と本格的重衣料向け素材が中心
会場の「シャトレ・ヴィクトリア」
会場内の展示の様子
<展示商談会の成果-「多くのサンプル請求と見本反請求」->
展示商談会には、ポール・カ(フランス婦人服のブランド)、クリスチャン・ラクロワ、ポ
ンポワン(フランス子供服の大手)といった有名服飾ブランドのデザイナーやバイヤー
などが 3 日間で計 247 名が来訪。また 47 社 715 点のサンプルと 6 社 30 点の見本反
の請求を受けた。来場者からは「風合いと技術的探求ともすばらしい」、「みやすい展
示会」などの評価のほか、「日本から高価な生地を送料を払って購入するには他では
見られない商品でないと意味がない」という意見もあった。
展示商談会の開催に携わった JB ブランド構築事業実行委員会の関係者は、「来場
者からのサンプル請求数とより実商売に結びつく可能性の高い見本反の請求数は、
今まで 2 回にわたり展示商談会をやってきた賜物。これは、ジョイント・尾州として 11
社が一体となって活動したからこそ得られたもの」と 2 回の実績と地域全体としての取
組の成果を強調した。
商談の様子
<ブランド浸透とビジネス成功に向けた幅広い取組>
JB では、今回の展示商談会の直後に、出展企業メンバーの一部がイタリアのアパ
レル企業等を個別訪問してジョイント尾州 11 社の商品を売り込み、イタリアの有力ブラ
ンドからも相当のサンプル請求を得た。
今後は、展示商談会の顧客を中心に個別訪問を行うほか、社会貢献活動として、
欧州最大の芸術大学「クレアポール」のファッションデザイン学部の学生が 2007 年春
に行うファッションショー向けに尾州産の生地を無償提供し、次代を担うデザイナーに
尾州ブランドを浸透させていく。
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