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mtDNA エキストラクターWBキット 25回用

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mtDNA エキストラクターWBキット 25回用
コード No. 293–54401
全血中 mtDNA 抽出用
mtDNA Extractor WB Kit
mtDNA エキストラクターWBキット 25回用
使
用
説
明
書
近年,糖尿病やアルツハイマー病とミトコンドリア DNA(mtDNA)変異との関連
を示唆する報告がなされ始め,mtDNA の解析が盛んに行われるようになってきまし
た1),2),3),4).しかし,高純度の mtDNA を調製するには,煩雑な操作と多くの時間が必
要であり,多検体処理を目的とした研究には適していません.現在行われている mtDNA の分析は,細胞から total DNA を抽出する際に含まれる微量の mtDNA を用いて,
多量のゲノム DNA の混在下で行われています.
mtDNA エキストラクターWB キットは,全血から短時間かつ容易に高純度の mtDNA
を抽出することができ,多検体処理に適しています.
〔特
長〕
Ⅰ.簡単な操作で短時間(約 90分間)に mtDNA を抽出できます.
Ⅱ.EDTA 処理血およびヘパリン処理血から mtDNA を抽出できます.
Ⅲ.抽出した mtDNA は高純度でゲノム DNA の混入が少なく,制限酵素処理や DNA
増幅反応に使用できます.
Ⅳ.少量多検体の DNA 増幅反応の前処理に適しています.
Ⅴ.フェノールやクロロホルムなどの有害な劇物溶剤を使用しません.
〔内
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
〔貯
容〕
Leukocyte Isolation Solution
DNA Extraction SolutionⅠ
DNA Extraction SolutionⅡ(A)
DNA Extraction SolutionⅡ(B)
DNA Extraction SolutionⅢ
Sodium Iodide Solution
Washing Solution
法〕
5.0 ml
26.5 ml
1.3 ml
1.3 ml
1.9 ml
7.5 ml
50.0 ml
1本
1本
1本
1本
1本
1本
1本
2∼10℃保存
〔キット以外に必要なもの〕
試 薬
1) イソプロパノール(特級,Code 166–04836)
2) TE バッファー(遺伝子工学研究用,Code 316–90025)
器
1)
2)
3)
4)
具
1.5 ml マイクロチューブ(滅菌済)
ボルテックスミキサー
微量高速遠心機(最大 12,000×g)
減圧乾燥機
−1−
12.5 ml
適量
〔使用方法〕
(1) 100 Fl のヒト新鮮血*1をマイクロチューブに入れます.
*1 EDTA 処理血およびヘパリン処理血が使用できますが,溶血した血液は使
用しないで下さい.
(2) 200 Fl の Leukocyte Isolation Solution を加え,マイクロチューブを10回以上
転倒混和して,十分に混合します*2.
*2 混合する程,白血球が分離し易くなります.
(3) マイクロチューブを室温で 15分間静置して二層に分離させます*3.
*3 上層に赤血球が少量浮遊していても問題ありません.
二層に分離しない場合は 15分間以上静置して下さい.
(4) 白血球を含む上層を,ピペットで新しいマイクロチューブに移します.
(5) 室温で 10分間遠心(500×g)
した後,ピペッティングにより上清を除きます.
(6) 500 Fl の DNA Extraction SolutionⅠを加え,タッピングによりペレットを懸
濁します*4.
*4 ボルテックスミキサーなどでの激しい混合は避けて下さい.
(7) 室温で 10分間遠心(500×g)した後,ピペッティングにより上清を除きます.
(8) ステップ (6) および (7) を 1回繰り返します.
(9) 50 Fl の DNA Extraction SolutionⅠを加え,タッピングによりペレットを懸
濁します.
(10) 50 Fl の DNA Extraction SolutionⅡ(A) および 50 Fl の DNA Extraction SolutionⅡ(B)*5 を別のマイクロチューブ内で混合し(用時調製)*6 ,この混合液
100 Fl をサンプルに加えて,ボルテックスミキサーで2∼3回軽く混合した後,
5分間氷中に置きます.
*5 DNA Extraction SolutionⅡ(B) が沈殿を生じた場合は,37℃の水で温めて
完全に溶解後,室温に冷却してから使用して下さい.
*6 DNA Extraction SolutionⅡ(A) および (B) を混合後,2∼10℃で3週間保存
可能です.
(11) 75 Fl の予め氷冷しておいた DNA Extraction SolutionⅢを加え,ボルテック
スミキサーで混合した後,5分間氷中に置きます.
(12) 4℃で 5分間遠心(12,000×g)した後,上清(約200 Fl )をピペットで新しい
マイクロチューブに移します*7.
*7 ピペットで沈殿を吸わないよう注意して下さい(上清を全量採取する必要
はありません).また,茶褐色の沈殿を吸ってしまった場合は,再度遠心し
て完全に沈殿を除いて下さい.
(13) 300 Fl の Sodium Iodide Solution を加えて混合します.
(14) 500 Fl のイソプロパノールを加えて混合します*8.
*8 イソプロパノールの品質の劣化やグレードにより液が黄色に着色すること
がありますので,特級品を使用して下さい.
−2−
(15) 室温で10分間遠心(12,000×g)
した後,上清を除きます*9.
*9 共沈剤が含まれていますので,ペレットを視認することができます.
(16) 1 ml の Washing Solution を加えて混合します.
(17) 室温で5分間遠心(12,000×g)
した後,上清を除きます.
(18) ステップ (16) および (17) を 1回繰り返します.
(19) ペレット (DNA) を減圧乾燥した後,TE バッファーに溶解します*10.
*10 最終的に得られた mtDNA には RNA が混入していますので,これを除去
する場合は RNase 処理(最終濃度 10 Fg/ml,室温で1時間反応)を行っ
て下さい.
〔トラブルシューティング〕
問
題
Leukocyte Isolation Solution 添加後,液が二層に
分離しない.
DNA 増幅反応で DNA が
増幅されない.
ゲノムDNAの混入が多
い.
原
因
溶血した血液を使用して
いる.
対
策
溶血していない血液を使
用して下さい.
液の混合が不十分.
転倒撹拌により十分に液
を混合して下さい.
径の大きなチューブを使
用している.
径が大きすぎると分離し
にくくなりますので,1.5
mlマイクロチューブを使
用して下さい.
抽出操作中に DNA ペレ
ットを上清と一緒に捨て
てしまった.
DNA ペレットは遠心後,
容器の底から剥がれやす
いため,注意して上清を
除いて下さい.
DNA Extraction Solution
Ⅲ添加,遠心後,沈殿が
上清に混入した.
沈殿は大部分がヘモグロ
ビンで, D N A 増幅反 応
を阻害する可能性があり
ますので,再度遠心して
完全に沈殿を除いて下さい.
DNA の洗浄が不十分.
Washing Solution で洗浄
後,さらにエタノール沈
殿を行い,DNAを十分に
洗浄して下さい.
DNA Extraction Solution
Ⅱ(A) および (B) の混合液
を長期間保存後に使用し
た.
基本的には用時調製です
が,保存する場合は,3
週間以内に使用して下さ
い.
DNA Extraction Solution
Ⅰ,ⅡおよびⅢをそれぞ
れ添加後,液を十分に混
合していない.
添加後,ボルテックスミ
キサーで十分に液を混合
して下さい.
〔参考文献〕
1) 安田和基:医学のあゆみ, 174, 420 (1995).
2) Robert, E. D. et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 4526 (1997).
3) Poulton, J. et al. : Prenatal Diagnosis, 16, 1247 (1996).
4) Timothy, H. et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92, 6892 (1995).
−3−
−4−
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