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こちら - 日本マリンエンジニアリング学会

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こちら - 日本マリンエンジニアリング学会
メカトロニクス研究小委員会 活動報告書
平成 28 年 3 月
日本マリンエンジニアリング学会
ディーゼル機関研究委員会
メカトロニクス研究小委員会
1
1.はじめに
「メカトロニクス」は、メカニクス(機械工学)とエレクトロニクス(電子工学)を組み合わせ
た和製英語で、1969 年(昭和 44 年)に安川電機の商標として登録されたが、登録前から幅広い現
場において使用されていたことから同社が商標権を放棄し、現在では一般名称として使われている。
(Wikipedia 他参照)
当初は、電気で動かす機械という意味合いで狭義の「メカトロニクス」という用語が使用されて
いたが、自動車工場などの製造現場を中心に産業用ロボットの導入が進むにつれて、機械を精度よ
く動かすためのモータ制御システムや計測システムが注目され、「メカトロニクス」とは「機械技
術、電気技術、計測制御技術を統合して、装置・システムの性能を向上させる技術」という広義の
意味合いを持つようになった。
1960 年代に、米国の GE 社が半導体制御整流素子(SCR:Silicon Controlled Rectifier)を商品化
して以来、それまでラジオや通信機器に使用されていたトランジスタやダイオードなどが電力用半
導体素子に進化し、スイッチ、整流器、変圧器などで構成されていた電力変換器として、インバー
タやサイクロコンバータなど、装置・システムを高性能化する技術開発が盛んに進められた。工場
の製造ラインへの産業用ロボットの導入や、製鉄・製紙工場などにおける大容量で精密な制御が要
求される現場にもメカトロ技術の導入が進められた。
1970 年代に入ると、普及が拡大し始めた自動車を高性能化し、排気ガス対策を実現するための
手法として、自動変速装置やエンジンの電子制御が開発され、広く一般に普及するようになった。
2.委員会の設立の背景と目的
1980 年代に至って、信頼性が極限まで要求される船舶分野においても、陸上の工場・設備や自
動車などに広く普及し、安全性・信頼性の面でも実績を上げつつある「メカトロニクス」技術の船
舶分野への適用可能性を検討すべき時期になった。
海外においても、機器・システムの性能向上が実証されたメカトロニクス技術を舶用機器・シス
テムすなわち、舶用ディーゼルエンジンの回転数制御システム等に適用する例が散見され始めたこ
とから、1983 年、舶用機関学会の中小形ディーゼル機関研究委員会の傘下に「エンジンメカトロニ
クス研究小委員会」(委員長:大阪市立大
東野一郎教授)を発足させることとした。
1986 年 11 月 25 日に開催された第 22 回特別基金講演会「エンジンメカトロニクス」において小
委員会の東野委員長が発表された「舶用ディーゼル機関におけるメカトロニクスの現状と今後の研
究課題」の「まえがき」と「むすび」の章に、小委員会発足の経緯・背景と目的等に関する記述が
あるので、以下に原文のまま転記する。
1.まえがき
本学会の中小形ディーゼル機関研究委員会では、舶用ディーゼルにおけるメカトロニクス
の進展を願い、調査研究によってその現状と問題点、ならびに今後の研究課題を把握するこ
とを目的として、昭和58年5月に「エンジンメカトロニクス」研究小委員会を発足させた。
小委員会発足時に於て、すでに自動車用エンジンでは有害排出物低減と燃費低減の有効な
手段としてメカトロニクス技術が実用化されており、なお一層のメカトロニクス化が進行中で
1
あったが、舶用ディーゼル機関の分野ではメカトロニクス化の研究が始まったばかりであった。
上記の主旨に沿って、小委員会は中小形ディーゼル機関研究委員会に加盟している舶用機
関メーカのほか、エンジンメカトロニクスに関係の深い自動車メーカ、大学・官庁等の委員
によって構成し、58年5月~61年4月までの3年間に16回の研究会を開催した。研究
会はエンジンメカトロニクスの研究または実用化に携わっているメーカ、研究所、大学等か
らの話題提供と見学、ならびに相互間の討論を中心に進められたが、最後の2回は、これま
での研究会を総括する意味で「舶用ディーゼルのメカトロニクスは如何にあるべきか?」を
テーマとして自由討論を行った。その結果大勢の認識としては、これまでの研究活動によっ
て所期の目的はほぼ達成したので、これまでの3年間を小委員会の第1期とし、61年度か
らは第2期として委員を増強し、エンジンメカトロニクスの将来像を提案することに重点を
置くということになった。
本文では、研究会で得た知見と自由討論の結果に文献調査を補足し、小委員会設立の経過
に鑑み、先ず、ガソリンエンジンを含めてエンジンメカトロニクス全般の現状を概観した後
で、舶用ディーゼルにおける今後の研究課題を展望する。
(2章~6章:略)
7.むすび
以上、エンジンメカトロニクス研究小委員会第1期の調査結果を報告したが、舶用ディー
ゼルにおけるメカトロニクスの現状と今後の研究課題はつぎのように要約されよう。
(1) ガソリンエンジン等の陸上エンジンでは、メカトロニクスが有害排出物低減と燃費低
減ならびに運転性向上のために、メカトロニクスが10年以上も前から実用化されてい
るのに対して、舶用ディーゼルのメカトロニクスは研究段階にあってまだその評価は定
まっておらず、電子ガバナ以外は実用化の例がない。
(2) 舶用ディーゼルにおいては、メカトロニクスは陸上エンジンと同じような効果のほか
に、超自動化または知能化による省人化の効果が期待され、エンジンを近代化するため
の重要な要素技術として、今後も研究をつづけるべきであろう。
(3) 自動車用エンジンにおけるメカトロニクス発展の歴史から、舶用ディーゼルのメカト
ロニクスは、電子機器のみならずメカ系統に十分信頼性の高いものが開発可能と推定さ
れる。信頼性の面から今後の研究開発で特に注力すべきものは、アクチュエータ、油圧
管路の切替バルブ、センサ等であろう。
(4) 舶用ディーゼルにおいて、本格的なメカトロニクスエンジンが実用化されるかどうか
左右するのはコストと信頼性であろう。舶用エンジンでは信頼性テストを含めた開発費
用が大きい上に、生産台数が少ないのでイニシアルコストが高くなる。したがって、実
験船等による信頼性の検証実験は、複数社の共同研究または公的機関の実験船・練習船
等による研究が望ましい。
(5) エンジンメカトロニクスは自動車用ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、特に乗
用車用ガソリンエンジンで進んでいる。舶用ディーゼルエンジンのメカトロニクス化に
おいては、自動車業界と積極的に交流をすすめてその技術を取り入れると共に、これを
乗り越える方向で進むべきであろう。
(6) 乗用車用ガソリンエンジンにおいては、きびしい排出ガス規制と燃費低減に対応する
ため、産学が一体となってメカトロニクス技術の研究開発に取り組み成功した実績がある。
2
舶用業界においても、エンジンメカトロニクスという新しい分野の技術開発においては、
産・学・公的研究機関が、それぞれ特異の分野で補完し合い協力して研究開発を進めること
によって、研究開発を効率的に推進することが望まれる。本小委員会のねらいはここにある。
本文は小委員会第1期の報告であるため現状報告に重点が置かれ、今後の研究課題について
は、小委員会で2回にわたって行われた自由討論を整理して提示するにとどめた。第2期は
今後の方向を探ることが主題になっているので、62年度中には第1期の現状報告に、エン
ジンメカトロニクスの将来像と今後の研究課題をより具体的に整理したものを加え、第2期
の中間報告書として親委員会に提出する予定である。また、第2期の最終年度までには上記
の作業をさらに進めて、若干の課題について研究計画を行い、第3期は研究に着手したいと
考えている。
3.委員会の設置状況と変遷
3.1
委員会の設置状況
1983 年(昭和 58 年)に「中小形ディーゼル機関研究委員会」
(1988 年に「ディーゼル機関研
究委員会」に改称)傘下の研究小委員会として、
「エンジンメカトロニクス研究小委員会」が発
足した。以降、
「メカトロシステム研究小委員会」、「メカトロニクス研究小委員会」と名称を変
え、述べ 34 年間にわたり研究調査活動を実施した。
各委員会の設置状況と各委員会の委員長は下記の通りである。
1983~ エンジンメカトロニクス研究小委員会(Ⅰ)
委員長
東野 一郎(大阪市立大学)
1986~ エンジンメカトロニクス研究小委員会(Ⅱ)・・・ 研究対象にエンジン以外も含める
委員長
東野 一郎(大阪市立大学)
1989~ メカトロシステム研究小委員会 ・・・・・・・ 研究対象にシステム信頼性を追加
委員長
橋本 武(神戸商船大学)
1993~ メカトロニクス研究小委員会 ・・・・・・・・ 委員会名称変更
委員長
守田 栄之(大阪市立大学)
委員長
田守 芳勝(ヤンマー)
委員長
片木 威(神戸商船大学)
委員長
岸本 功(ナブコ)
委員長
服部 廣司(大阪産業大学)
委員長
小豆澤 照男(神戸大学)
委員長
山本 茂広(神戸大学)
1996~ メカトロニクス研究小委員会
1999~ メカトロニクス研究小委員会
2000~ メカトロニクス研究小委員会
2002~ メカトロニクス研究小委員会
2007~ メカトロニクス研究小委員会
2010~ メカトロニクス研究小委員会
3
3.2
委員会のメンバー構成
委員会のメンバーは、委員会の設立趣旨に賛同して頂ける会員企業を中心に、大学や研究機
関等からの幅広いメンバーで構成されている。2015 年度時点での会員企業や各機関からの参加
委員は下記のとおりである。(幹事、委員は五十音順)
委員長
山本
茂広
神戸大学大学院
幹事長
井元
誠次
ヤンマー
副委員長
田守
芳勝
元 ヤンマー
幹事
五嶋
照夫
元 社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
幹事
竹下
恵介
ナブテスコ
幹事
橋本
武
元 神戸商船大学
幹事
馬場
真二
日立造船
委員
小豆澤照男
元 神戸大学大学院
委員
東
元 帝京大学
委員
安藤
裕行
ウッズ
委員
岩堀
宏治
元 弓削商船高等専門学校
委員
大久保 隆介
西芝電機
委員
鴛海幸一郎
村田機械
委員
加嶋
重忠
渦潮電機
委員
川口
博昭
日立造船
委員
岸本
功
元 ナブテスコ
委員
黒田
誠
新潟原動機
委員
酒井
亮一
寺崎電気産業
委員
塩路
昌宏
京都大学
委員
下前
英和
三木プーリ
委員
清水
聖治
大島商船高等専門学校
委員
田辺
秀明
群馬大学
委員
戸川
直樹
阪神内燃機工業
委員
中條 淳也
ダイハツディーゼル
委員
中川
司
ケーイーアイ
委員
西尾
澄人
海上技術安全研究所
委員
林
直司
ウッズ
委員
林
芳幸
日本ウッドワードガバナー
委員
引間
俊雄
海技教育機構
委員
松下
邦幸
元 弓削商船高等専門学校
委員
三原
伊文
元 大島商船高等専門学校
委員
三宅
真司
ナカシマプロペラ
委員
村上
哲也
古野電気
委員
元井
直樹
神戸大学大学院
委員
吉原 広太郎
忠則
海技教育機構
4
4.委員会の活動状況
当委員会では、メカトロニクス関連技術に関する最先端技術を調査するため研究機関や企業の見
学を実施、また、舶用へのメカトロニクス関連技術の応用状況を調査するため舶用機器関連企業や
造船所など、幅広い関連施設の見学を実施した。これらの施設の見学に際しては、極力、関係者に
ミニ講演を実施していただき質疑応答や意見交換を通して最新技術への理解を深めた。また、見学
会などを通して得た情報をもとに特別基金講演会、月例講演会、学術講演会でのシンポジウムなど
を開催して、調査結果を広く会員へ報告する機会を設定した。
当委員会創設以来の活動状況の詳細については、巻末に添付した「付表 JIME メカトロニクス
研究小委員会活動来歴」を参照されたい。
4.1
見学会
見学会(+ミニ講演会)として、エンジンメカトロニクス研究小委員会(1983~1988)では
32 回、メカトロシステム研究小委員会(1989~1992)では 20 回、メカトロニクス研究小委員会
(1993~2015)では 91 回、総計 143 回の見学会を開催した。
見学内容を目的で分類すると、メカトロニクス応用分野の現状調査、メカトロニクス構成要
素の現状調査、ディーゼル機関の電子制御に関する現状調査などである。具体的には以下のよう
なテーマについて、それぞれ見学・調査を実施した。これらの見学会実施にあたっては、見学先
の技術者・研究者から見学テーマについての最新情報を講演していただき、質疑応答及び意見交
換を実施した。
(1) メカトロニクス応用分野の現状調査
(a) ロボット制御技術、ロボット駆動部品の調査
「産業用ロボットの現状」:豊田工大(1985)
「知能ロボット」:龍谷大(1996)
「新しいロボット技術」:ダイヘン(2001)
「VR 進化的学習ロボット」:大阪産業大学工学部(2002)
「レスキューロボット・歩行ロボット」:神戸大学工学部(2007)
「ロボット関係制御システム」
:名城大学(2009)
「駆動製品/ロボット(サーボ、インバータ、モータ、NC、ロボット等)」:三菱電機名古
屋製作所(2012)
(b) 大学見学、研究機関におけるメカトロニクス構成要素技術の調査
「メカトロニクス部門の研究」:大阪府立 産業総合研究所(1996)
「船舶操船シミュレータ」:神戸商船大(深江)(1997)
「高効率インテリジェントモータ」:大阪府立大学工学部(2001)
「三次元摩擦撹拌接合システム」:大阪府立産業技術総合研究所(2006)
「メカトロニクス用小型アクチュエータ」(2007:岡山大学)
「燃料電池の開発状況」:大同大学先端機械工学部(2009)
「画像計測の基礎と応用例」:神戸大海事科学部(2010)
「知能アーキテクチャ研究分野・情報数理学」:大阪大学産業研究所(2011)
「バイオ・ナノ ICT 等、情報通信技術」:未来ICT研究センター(神戸市)(2011)
5
「人工衛星による測位の現状とその応用」:神戸大学海事科学部(2012)
「遠隔地触覚情報通信のためのバイラテラル制御技術」:神戸大学海事科学部(2013)
2007.3
神戸大学工学部大須賀研見学
2007.7
岡山大学鈴森研見学
(c) 舶用機器以外の分野におけるメカトロニクス関連技術の調査
「油冷却機関の熱回収について」:松井鉄工(1983)
「グリーンファームとそのリモート監視システム」:ヤンマーディーゼル(1986)
「自動車電装品(カークーラー)の自動組み立てロボット」:日本電装(1988)
「原子力発電所と原発訓練センター」:関西電力 高浜原子力発電所(1990)
「太陽電池について」:シャープ 新庄工場(1991)
「電力関連技術」:関西電力 総合技術研究所(1993)
「海上自衛隊 舞鶴基地」:日立造船 舞鶴工場(1995)
「赤坂鉄工所、明陽電機工場見学」:赤坂鉄工、明陽電機(1996)
「車両・福祉関連分野におけるメカトロニクスの現況」:ナブコ技術開発本部(1998)
「電機製品のリサイクル工場の現状」:松下電機産業(2000)
「環境試験と信頼性について」:エスペック 福知山工場(2002)
「自動車におけるメカトロニクスの現状」:日本自動車研究所 JARI(2003)
「海洋リモートセンシングの研究」:神戸大学海事科学部(2004)
「人工筋肉」:産業総合研究所(池田市)(2005)
「電力設備の信頼度維持向上への取り組み」:関西電力研究所(尼崎市)(2005)
「車載用有害排気ガス分析装置、ガスセンサ」:堀場製作所(2007)
「試験計測器:材料試験機/粉体測定機器 産業用X線装置」:島津製作所(2008)
「松下電工解析センターと松下記念館」:松下電工(2008)
「電子機器のリサイクル・都市鉱山」:東京エコリサイクル(2009)
「加振機等信頼性試験装置」:IMV (2010)
「遠隔監視システム」:ヤンマーエレクトロニクス開発センター(2010)
6
「自動車電池製造現場とリチウム電池」: GS ユアサ(2010)
「大規模太陽光発電所・メガソーラーと火力発電所」:関西電力 堺港発電所(2012)
「鉄道システムの最新技術動向」:鉄道総合技術研究所(国立)(2013)
「水上消防署設備と消防局総合指令室」:大阪市 消防局(2013)
「大型放射光施設 SPring-8 と X 線自由電子レーザー施設 SACLA」:SPring-8(2014)
「大電流・高電圧・耐電圧試験装置」:音羽電機工業・長谷川電機工業(2014)
「ビルの省エネ技術と機器の遠隔監視システム」:ヤンマー本社ビル(2015)
「EUP 式電子制御機関、SCR システムの紹介」:ヤンマー尼崎工場(2015)
2013.9 鉄道総合技術研究所(国立)見学
2009.10 東京エコリサイクル見学
2014.11 音羽電機工業&長谷川電機工業見学
(2) メカトロニクス構成要素の現状調査
「油圧動弁機関について」:松井鉄工(1983)
「油圧機器について」:川崎重工業 西神戸工場(1985)
「高速電磁弁の開発」:ヂーゼル機器(1985)
「人工知能(AI)の現状」:富士通 関西システムラボ(1987)
「超音波モータ」:松下電器産業(1987)
7
「電子ガバナーの技術現状と動向」:日本ウッドワードガバナ 本社(1988)
「エキスパートシステムの構築」:CSK(1989)
「ニューロンコンピュータの基礎と応用」:神戸製鋼 高砂(1990)
「計測機器の現状」:小野測器テクニカルセンター(1995)
「金融機器、自動改札におけるメカトロニクス」:オムロン 草津工場(1997)
「GPS の基礎とその実際」:フルノ電機(2000)
「船内LANや舶用CANおよびマイコン通信プロトコルの実情」:ケーイーアイ(2003)
「超音波技術と魚群探知機等の応用製品」:本多電子工業(2007)
「今後の船内コンピュータシステム」:ケーイーアイ(2014)
「メカトロ機器と構成部品の現状」:オムロンコミュニケーションプラザ・京セラファイン
セラミック館(2015)
2015.7 京セラ・ファインセラミック館見学
(3) 舶用機器へのメカトロニクス適用例等の調査
(a) 舶用機器一般へのメカトロニクス適用例等の調査
「推進装置におけるメカトロニクスシステム」:ナカシマプロペラ(1990)
「造船関連技術」:ハリソン電機、日本地下石油備蓄、渦潮冷熱、渦潮電機(1993)
「新鋭造船所見学と造船ロボット」:日立造船 有明工場 機関開発研究所(1997)
「メカトロニクスに関する電磁ノイズ(EMC, EMI)問題」:フルノ・ラボテックス・インターナ
ショナル(1998)
「舶用コントロールパネル」:寺崎電機産業(1999)
「大型軸発電機の動向」:西芝電機 網干工場(2002)
「推進装置のメカトロニクス」:ナカシマプロペラ 本社工場(2004)
「汚染とバラスト水の排出規制」:ケーイーアイ(2006)
「船舶に関連するシステム制御技術と化学・環境分析」:川重テクノサービス(2007)
「舶用無線機器の現状」:日本無線 三鷹工場(2008)
「船舶における配電盤、制御盤、監視盤」:渦潮電機(2011)
(b) ディーゼル機関の電子制御に関する現状調査
8
「電子制御によるテスト機関の運転」:小松製作所(1983)
「二輪車におけるエレクトロニクス」:川崎重工業(1983)
「自動車にみる省燃費エレクトロニクス」:いすゞ自動車(1983)
「自動車の走行制御方式」:京都大学(1983)
「機関監視装置」:新潟鉄工(1983)
「噴射ポンプの電子制御化および調速機・進角装置の電子制御」:鉄道総研(1984)
「マイコンによるエンジンの最適制御」:大阪市立大学(1984)
「発電用ガスエンジンコントロール」:ヤンマーディーゼル(1984)
「ディーゼルエンジンのコンピュータコントロール」:船舶技研(1984)
「給排気弁開閉時期および燃料噴射時期のコンピュータコントロール」:ダイハツディーゼル
(1984)
「小形ディーゼルにおける電子制御」:ヂーゼル機器(1985)
「新鋭エンジン組立工場の自動化設備」:ヤンマーディーゼル びわ工場(1998)
「ディーゼル主機関のデータギャザリングとその活用」:湘洋エンジニアリング他(2004)
「舶用主機遠隔操縦装置、舶用主機制御装置(電子化エンジン) 」
:ナブテスコ 西神工場(2012)
「エンジン制御関連製品・小形ディーゼルエンジン生産ライン」:ヤンマー びわ工場(2013)
「2サイクルエンジンのメカトロニクスの最新動向」:日立造船 有明工場(2014)
4.2
特別基金講演会、月例講演会など
当委員会では、適宜、調査結果を整理して、広く会員に報告するため、月例講演会や特別基
金講演会などを主宰した。すなわち、開催時期においてタイムリーなテーマを選定し、最も適当
と思われる講師を選定して、講演会を企画・運営した。
本委員会が主宰した特別基金講演会、月例講演会等は以下の通りである。
(1) 特別基金講演会
(a) 1986.11.25 第 22 回特別基金講演会
於 大阪科学技術センター
テーマ「エンジンメカトロニクス」
① 舶用ディーゼル機関におけるメカトロニクスの現状と今後の研究課題
東野 一郎(大阪市立大学)
② 噴射時期可変形機関の電子制御
五嶋 照夫(ダイハツディーゼル)
③ ガスエンジンの過負荷防止装置
中瀬 武彦(キャタピラー三菱)
➃ 舶用電子リモコン装置
小林 利彰(ヤンマーディーゼル)
⑤ 小形舶用主機関のトータル制御装置
田中 満男(ヤンマーディーゼル)
⑥ 油圧駆動式電子制御噴射システム(KOMPICS-II)の開発
平木 彦三郎(小松製作所)
⑦ 噴射条件可変型燃料噴射装置
塚原 茂司(船舶技術研究所)
⑧ ディーゼル機関の燃焼状態監視への光ファイバの導入 ~予燃焼室形ディーゼル機関
ピストン頂部溶損原因調査への応用~
⑨ エンジンメカトロニクス分野における特許出願の動向
9
永瀬 和彦(鉄道技術研究所)
仁木 浩(特許庁)
(b) 1989.1.20 第 26 回特別基金講演会
於 大阪市立大学・文化交流センターホール
テーマ「エンジンと船のメカトロニクス」
① 船のメカトロニクスからエンジンメカトロニクスへ
東野 一郎(大阪市立大)、東 忠則(芦屋大学)
② エンジンの制御理論とその応用
守田 栄之(大阪市立大学)
③ 船舶におけるモニタと制御
西村 徹哉(寺崎電気産業)
➃ 可変ピッチプロペラとその制御機構について
⑤ 電子ガバナーとその動向
海津 源治(ナカシマプロペラ)
林 直司、徳光 洋文(日本ウッドワードガバナ)
⑥ 小形舶用エンジンのメカトロニクス
田守 芳勝(ヤンマーディーゼル)
⑦ 練習船"深江丸"とそのメカトロニクスについて
⑧ 船級協会からみたメカトロニクス
中井 昇(神戸商船大学)
松本 正人(日本海事協会)
⑨ ユーザーから見た船舶のメカトロニクス化
第 31 回 特別基金講演会
(c) 1991.11.29
松阪 武彦(栗林商船)
於 大阪市立大学・文化交流センター
テーマ「メカトロニクスシステムとその周辺 ~自動化、知能化、安全性、信頼性~」
① 機関・推進系への制御理論の一適用例について
守田 栄之(大阪市立大学)
② ディーゼル排気微粒子トラップの開発・研究
田辺 秀明、佐藤 豪(金沢工業大学)、内山 太郎、江波戸 智(旭硝子)
③ 舶用メカトロシステムにおけるインテリジェント化の可能性について
酒井 捷夫(山武ハネウエル)
➃ 電子ガバナー
河上 進、林 直司(日本ウッドワードガバナ)
⑤ 主機遠隔操縦装置の信頼性について
竹下 恵介(日本エヤーブレーキ)
⑥ 舶用ディーゼル機関とメカトロシステムの信頼性、安全性評価
橋本 武(神戸商船大学)、城戸 八郎(海技大学校)
⑦ 近代機械文明に関するシステム科学的研究
と信頼性~
~巨大メカトロニクスシステムの安全性
東 忠則(帝京大学)
、本部 廣哲、吉岡 絋二、新納 正也(南京都学園)
⑧ 機関監視システムと故障診断
田守 芳勝、田中 満男、金佐 直(ヤンマーディーゼル)
⑨ 舶用主機関のガス流れ系診断システム
(d) 1996.2.23
第 40 回 特別基金講演会
馬場 真二、中尾 徹、鈴木 暁(日立造船)
於 大阪市立大学・文化交流センター
テーマ「舶用メカトロニクスとその周辺技術」
① 舶用ディーゼル機関のコンピュータコントロールについて
守田 栄之(大阪市立大学)
② 舶用機関の運転監視・保全システムのための故障に関する知識の表現法
沼野 正義、石村 惠以子(船舶技術研究所)
③ テクノスーパーライナーの姿勢制御
日下 祐三(三井造船昭島研究所)
➃ ウォータージェット推進装置の制御システム
⑤ ジョイスティック式総括操縦装置
芝原 篤(新潟鐵工所)
森田 勇、野上 哲男(川崎重工業)
⑥ 最近の電子ガバナー
奈良 和夫(日本ウッドワードガバナー)
⑦ 推進軸系の振動分析とその応用
帆刈 勇喜男(赤坂鐵工所)
10
(e) 2007.2.2 第 50 回特別基金講演会
於 大阪市立大学・文化交流センター
テーマ「自動車と船のエンジンメカトロニクスの現状と今後」
① クリーンディーゼル用エンジン制御技術
加藤 彰(本田技術研究所)
② トヨタの乗用車ディーゼル制御の概要
福間 隆雄(トヨタ自動車)
③ 小型トラック用ハイブリッドシステムの開発
河野 洋一郎(三菱ふそう・トタックバス)
➃ オンボード排ガス計測器の展開について
木原 信隆(堀場製作所)
⑤ DU-Wärtsilä RT-flex エンジンについて
井上 清(ディーゼルユナイテッド)
⑥ 舶用電子制御ディーゼル機関の環境対応技術について“三菱 UEC Eco-Engine”
阪口 勝彦(三菱重工業)
⑦ MAN B&W 最新鋭電子制御機関 7S65ME-C の開発
元田 隆光(日立造船ディーゼルアンドエンジニアリング)
⑧ 電子制御エンジンの就航船での実績とユーザー評価
浦 智博(日本郵船)
(2) 月例講演会
(a) 1993.3.5 H5-3 月例講演会(日韓学術交流講演会) 於 山武ハネウェル・AP プラザ大阪
テーマ「船舶におけるメカトロニクスシステム」
① 主機・推進器系の制御の現状と将来動向の結果について(アンケート調査)
船内の自動化に関する調査ワーキンググループ
② 主機関の自動化の現状と将来動向
細川 成通(ディーゼルユナイテッド)
③ 可変ピッチプロペラの現状と将来動向
岡本 茂(テクノナカシマ)
➃ 自動化船の警報状況について
城戸 八郎(海技大学校)
⑤ メンテナンス支援システム
貝原 正人(ダイハツディーゼル)
⑥ The Present and Future Prospects of Marine Digital Governor in Korea
Y. H. Yu, K. S. Rhyu, J. H. Yang, J. K. Park, J. S. Ha
⑦ Automation of Baiting Machine
S. B. Kim, C. H. Lbe, J. S. Ha
⑧ 日韓学術交涜講演会を終えて
橋本 武(神戸商船大学)
(b) 2000.12.8 35-2 月例講演会(ディーゼル委員会 第 200 回記念講演会)於 神戸国際会議場
テーマ「燃料・燃焼・排気の制御」
① 「基調講演」ディーゼルエンジン技術の現状と将来
池上 詢(福井工業大学)
② 電子制御燃料噴射システムの技術動向
高石 龍夫(三菱重工業)
③ 最近の燃料油性状の動向
堤 裕司(商船三井)
➃ ディーゼル微粒子フィルターの技術動向
鈴木 省伍(いすゞセラミックス研究所)
⑤ 噴霧燃焼の可視化研究
高崎 講ニ(九州大学)
⑥ 中速ディーゼルエンジンの排出NOxに及ぼす燃料油の影響
近藤 博美(ヤンマーディーゼル)
⑦ 中速ディーゼル機関の低NOx燃焼技術
11
秋本 成太(ヤンマーディーゼル)
(c) 2002.2.27
36-2 月例講演会
於 神戸商船大学
テーマ「最近のディーゼル機関の電子制御について」
① ディーゼル機関の電子制御の動向と将来
西尾 澄人(海上技術安全研究所)
② 電子ガバナーと電子制御燃料噴射ポンプ
上月 重之(日本ウッドワードガバナー)
③ 小型ディーゼル機関の電子制御
田中 満男(ヤンマーディーゼル)
➃ 大型ディーゼル機関の電子制御
大窪 範夫(バルチラジャパン)
(d) 2004.2.6 38-1 月例講演会
於 神戸大学
テーマ「メカトロニクスのセンサー技術」
① メカトロニクスのセンサー
田守 芳勝(元ヤンマー)
② 画像センサーとその応用
田辺 幹郎(キーエンス)
③ 傾斜センサーとその動向
平井 孝和(オムロン)
➃ インダクトコーダーの原理と応用
鴛海 幸一郎(村田機械)
⑤ 全領域空燃比センサー他エンジン制御センサー
(e) 2004.11.26
39-1 月例講演会
宮田繁(日本特殊陶業)
於 神戸大学
テーマ「メカトロニクス技術(2)」
① エンジン制御センサ技術
嶋田智氏(日立製作所)
② 燃料噴射装置のメカトロ技術
林 芳幸(日本ウッドワードガバナー)
③ ディーゼル機関の各種センシング
丸山 泰夫(湘洋エンジニアリング)
➃ 環境試験装置と信頼性
(f) 2005.11.25 40-2 月例講演会
泉 重郎(エスペック)
於 神戸大学
テーマ「メカトロニクス技術(3)」
① 自動車用マイコンの特徴と動向
有園 武志(ルネサステクノロジ)
② 自動車用ワイヤハーネスの開発動向
山路 茂夫(矢崎部品)
③ メカトロニクスの制御設計(PID~ロバスト制御)
瀧山 武(大阪市立大学)
➃ メカトロニクスシステムの実施例と今後の展望
前田 隆義(ナブテスコ)
以上の他に、「エンジンメカトロニクスのあり方(1985)」、「エンジンメカトロニクスの
12
現状と研究課題(1986)」などのテーマについて討論会を実施し、また、エンジンメカトロニク
スに関するアンケート調査を実施した(1986)
ユーザ(造船所、船会社等 100 社)を対象として、将来の舶用エンジンおよびそのメカトロ
ニクス化に関するアンケート調査を実施し、解析結果(回収率 45%)を 1988 年 11 月 18 日にテ
クノオーシャン シンポジウムにて東野委員長が報告した。
(3) 学会誌小特集
(a)日本舶用機関学会誌 第 22 巻第 11 号(昭和 62 年 11 月)
「エンジンメカトロニクス小特集」
(巻頭言)小特集号に寄せて
東野 一郎
(随想)舶用ディーゼル機関のメカトロニクス化について
鍵山 保男
(随想)エンジンメカトロニクスに想う
田守 芳勝
(展望)エンジンメカトロニクス分野における特許出願の動向
仁木 浩
(解脱)舶用ディーゼル機関におけるメカトロニクスの現状と今後の研究課題
東野 一郎、束 忠則
(解説)ガスエンジンの過負荷防止装世の開発
中瀬 武彦、吉住 年行、杉山富久
(技術論文)ディーゼル機関の燃焼状態監視への光ファイバの導入
~ピストン頂部溶損原因調査への応用~
永瀬 和彦、舟津 浩二
(技術資料)電子制御式噴射時期可変形ディーゼル機関の開発
五鳩 照夫、岡本 哲、石橋 徳憲、山手 友士
(技術資料)油圧駆動式電子制御噴射システム(KOMPICS-Ⅱ)の開発
平木 彦三郎、里見 裕、佐藤 文秀、木沢 宏史
(b) 日本舶用機関学会誌 第 24 巻第 2 号(平成元年 2 月)
シンポジウム「舶用システム技術の回顕と展望」
① シンポジウムを司会して
向原 誠也
② 機能開発シミュレーションへの一提案 ~舶用2サイクルディーゼル機関の史的考察
~
串山 正
③ 船舶総合管理システム
吉田 修、鈴木 康雄、森田 博行
➃ 船舶の波浪中推進性能に関するトピックス ~波力利用振動翼の効果~
一色 浩
⑤ 舶用ディーゼル機関におけるエンジンメカトロニクスの今後の方向に関する提言
東野 一郎、東 忠則
⑥ 原子力プラントにおける異常検知,診断,保守技術
⑦ 省人化船における管装置のあり方
針山 日出夫
小坂田 奉文、川西 浩、岩下 達郎
(c) 舶用機関学会誌 Vol.27, No.6(平成 4 年 6 月)
「メカトロニクス小特集号」
※ 第 31 回月例講演会の発表論文をベースに、学会誌の特集号として掲載したもの。
(巻頭言)小特集号に寄せて
橋本 武
(論説)高度技術文明に関するシステム科学的研究 ~巨大メカトロニクスの安全性~
東 忠則、本部 廣哲、吉岡 絋二、新納 正也
13
(解説)機関・推進系への制御理論の一適用例
守田 栄之
(解説)舶用メカトロニクスにおけるインテリジェント化
酒井 捷夫
(解説)電子ガバナ
河上 進、林 直司
(論文)ディーゼル排気微粒子トラップの開発・研究
田辺 秀明、佐藤 豪、内山 太郎、江波戸 智
(技術資料)主機遠隔操縦装置の信頼性
竹下 恵介
(技術資料)舶用ディーゼル機関とメカトロニクスの信頼性・安全性評価
城戸 八郎、橋本 武
(技術資料)機関監視システムと故障診断
田守 芳勝、田中 満男、金佐 直
(技術資料)舶用主機関の過給系診断システム
馬場 真二、中尾 徹、鈴木 暁
その他、特集「エンジンメカトロニクス」、月刊「内燃機関」1987 年 7 月臨時増刊号を山海堂
より出版した。
4.3
国際交流
1990 年代半ばから 2000 年代初めにかけて、主として、韓国・台湾の大学関係者などを窓口
として、技術交流を図り情報交換を行った。また、ISME BUSAN 2009 において、当委員会関係
者が 5 件の論文発表を行うとともに、発表者とともに渡航した参加者が旧知の韓国の研究者と情
報交換を行った。
(1) 1992.6.25-26 第 1 回 日・韓 MECHATRONICS 学術講演会
於 韓国海洋大学校、現代重工業
韓国舶用機関学会・日本舶用機関学会共催
① 機関・推進器系への制御理論の一適用例
Application of Control Theory for Engine and Propulsive Systems
守田 栄之(大阪市立大学)
② 機関監視システムと故障診断システム
Fault Diagnosis and Engine Monitoring System
金佐 直、田守 芳勝、田中 満男(ヤンマーディーゼル)
③ 舶用主機関の過給系診断システム
Diagnostic System of Supercharging for Marine Engine and Propulsive Systems
馬場 真二、中尾 徹、鈴木 暁(日立造船)
➃ Speed Control of Induction Motor
Kim. S.B.(釜山水産大学校), Lee D. C.(釜山工業大学), Ha J. S.(韓国海洋大学校)
⑤ One-board Microcomputer を利用した DC Servomotor の位置制御
梁 注縞(釜山水産大学校), 河 注植、朴 進吉、劉 永、柳 吉、陳 康(韓国海洋大学校)
⑥ Robot Interface Welding System の開発
Development of Automatic Welding System by the Robot Interface
鄭 永和,安 乗元(総合機械)
⑦ 舶用ディーゼル機関とメカトロニクスの信頼性・安全性評価
Evaluation on Reliability and Safety of Marine Diesel Engine and Mechatronics
城戸 八郎(海技大学校)、橋本 武(神戸商船大学)
14
⑧ 電子ガバナ
河上 進、林 直司(日本ウッドワードガバナー)
Electric Governor
⑨ 主機遠隔操縦装置の信頼性
竹下 恵介、岸本 功(ナブコ)
Reliability of Main Engine Remote Control
⑩ ディーゼル排気微粒子トラップの研究・開発
Development and Study on Diesel Particulate Trap System
田辺 秀明、佐藤 豪(金沢工業大学)、内山 太郎、江波戸 智(旭硝子(株)中央研究所)
⑪ 船舶の総合自動化 乗組員最小化 對の位置制御
⑫ 油圧 性能試験のデータ処理
崔 漢中(現代重工業)
李 一永(釜山水産大学校)
(2) 1993.3.5 第 2 回 日・韓 MECHATRONICS 学術講演会 於 大阪 AP プラザ
韓国舶用機関学会・日本舶用機関学会共催
① 主機関の自動化の現状と将来動向
細川 成道(ディーゼルユナイテッド)
② 可変ピッチプロペラの自動化の現状と将来動向
岡本 茂(ナカシマプロペラ)
③ MO 船における警報と故障
城戸 八郎(海技大学校)
④ メンテナンス支援システム
貝原 正人(日立造船)
⑤ Automation of Baiting Machine
Kim S. B.(釜山水産大学校), Lee C. H.(韓国水産技術研究所), Ha J. S.(韓国海洋大学)
(3) 1994.11.2-6
日台技術交流講演会
台湾台北、基隆、高雄、台中
(日本 10 編、台湾 2 編)
(4) 1995.11.2-4
韓国海洋大学校 創立 50 周年記念式典、記念国際シンポジウム
特別講演;守田委員長、田守委員
(5) 2001.10.31 國際メカトロ技術交流会 韓国舶用機関学会学術講演会
於 韓国釜山コンベンションセンター
会場の韓国釜山コンベンションセンターにて
15
(6) ISME BUSAN 2009 にて、メカトロニクス関係の論文発表
① New generation oil mist detecting system “sensor type” MD-SX oil mist detector.
Junya Chujo, Masaru Mochizuki, Masayuki Nagata (ダイハツディーゼル(株))
② The development of a surveillance buoy as a protection monitor for coastal important facilities.
Kuniyuki Matsushita(弓削商船高専), Nobuo Kiriya, Motonobu Imasto(NMRI),
Hiroshi Asou, Osamu Toyama(Zeni Lite Buoy Co. Ltd.)
③ A model of ETM training for crisis by combinate mechatronics full mission simulators.
Hachiro Kido(海技大)
④ One consideration about the reliability of mechatoronics.
Takeshi Hashimoto(神戸商船大), Yoshikatsu Tamori(神戸大)
⑤ Fundamental study of an integrated control method for a linear motor driven container crane
system.
Sangbaek.An, Y.Taniguchi, S.Yamamoto (神戸大), T.Azukizawa(東京都市大)
ISME BUSAN 2009 での発表の様子
16
5.委員会の調査研究成果
5.1
メカトロニクス技術の基礎技術
メカトロニクスの構成要素であるセンサ、アクチュエータ、現代制御理論、などについて、
大学や研究機関における最先端の研究開発状況や、機器・装置製造メーカや造船所などにおける
実用化事例の見学などを通してメカトロニクス関連技術の現状を調査した。
センサに関しては、速度(回転数)センサとしてのガバナー、ギャップ長検出から魚群探知
などに応用される超音波センサ、圧力センサ、光センサ、半導体センサなどの小型化・高性能化
が進み、様々な機器・システムに応用されている。さらには、画像センサの精度向上とデータ処
理技術の向上に伴って、新たなコンセプトの画像センサの研究開発が進められており、舶用分野
への応用が期待される。
アクチュエータに関しては、半導体製造技術の応用展開から、マイクロマシン(MEMS)や
半導体センサなどの(超)小型素子の入手が容易となる一方、三次元摩擦撹拌接合システムのよ
うな製造技術の進展により高機能材料の製作が可能となり、機器・装置の一層の高性能化が期待
できる。さらに、永久磁石の高性能化と低価格化に伴い、高性能な永久磁石モータが出現し、鉄
道車両などに実用化されつつある。また、制御理論を実現する半導体素子と電力変換素子を一体
化して小型高性能化を実現するインテリジェントモータなどが実用化されつつある。
制御理論に関しては、現代制御理論の適用を可能にするマイクロコンピュータの高性能・低
価格化に支えられて、ファジィ制御、エキスパートシステム、学習制御、ニューロコンピューテ
ィングなどの実用化が試みられ、一部で実用化しつつある。
制御理論を適用したアクチュエータを励磁する電力変換装置としては、半導体電力変換素子
の高性能化に応じて、交流モータ駆動用のインバータやサイクロコンバータの大容量化や小型化
が進むとともに、電力変換器の効率も向上し、省エネルギーシステムの構築に大きく貢献している。
5.2
メカトロニクス技術の応用状況
産業用ロボットに代表される産業界での応用が広がる一方で、現代制御理論の進展に応じて、
知能ロボット、レスキューロボット、歩行ロボット、介護ロボット、特殊作業ロボットなど時代
の要請に応じたロボットの開発が進んでいる。
また、ATM などの金融機器、鉄道の自動改札機や郵便局の郵便番号自動読み取り・仕分装置
などの分野においては、重ねて投入された紙幣、切符、郵便物などを、1枚ずつに分離し、裏表
や上下を整え、金額や郵便番号を判別するため、トライボロジ・高速紙送り&仕分け機構・高速
読み取り技術などが開発されて実用化に至っている。
制御理論の応用に関しては、人工知能、エキスパートシステム、ニューロコンピューティン
グなどが、最近の情報通信技術(ICT)
、あるいは、バイオ関係技術やナノ技術などと統合して、
人工筋肉、高効率インテリジェントモータなどとして具現化されている。
また、GPS 利用測位技術や各種の計測技術の進展により、リモート監視システムが実用化し
つつある。
さらに、環境関連技術として、電機製品・電子機器のリサイクル技術、電磁ノイズ・EMC や、
排ガスセンサ、太陽光発電、燃料電池、リチウムイオン電池などの技術も進展が顕著であり、近
い将来、舶用装置・機器としての実用化が期待できる。
17
5.3
舶用メカトロニクスの要素技術
ディーゼル機関の電子燃料噴射システムが提案されており、コモンレールシステムなど、燃
料噴射タイミングを最適化することにより NOx・SOx などの規制に対応しながら、所定の出力
を得るような制御システムが開発されている。
また、海洋調査船や砕氷船など、高度な操船性が要求される船舶向けに、インバータなどの
パワーエレクトロニクス技術を活用した電気推進システムが実用化されつつある。
油圧機器、高速電磁弁、電子ガバナなどの高性能化が図られている一方で、舶用制御盤・配
電盤・監視盤などの高機能化が進展しつつあり、船内 LAN、舶用 CAN、船内コンピュータシス
テムなどの進展とともに、舶用機器・装置の信頼性向上が図られている。
5.4
舶用メカトロニクスの応用例
コモンレールシステム、燃料噴射ポンプの電子制御、調速機・進角装置の電子制御、マイコ
ンによるエンジンの最適制御、給排気弁開閉時期と燃料噴射時期のコンピュータ制御、ディーゼ
ル主機関のデータギャザリングとその活用、舶用主機遠隔操縦装置、舶用主機関制御装置(電子
化エンジン)などの研究開発が進められている。
また、インバータ制御電気推進システム、メカトロ応用推進装置、造船ロボット、舶用無線
機器などの研究開発も進められている。
5.5
舶用メカトロニクス技術の開発経緯
本項では、舶用機関学会誌、日本マリンエンジニアリング学会誌の年鑑記事に基づいて舶用
メカトロニクス技術の開発経緯を顧みることとする。学会誌の年鑑記事の中から、「メカトロ」
「電子」「電子制御」等のキーワードに関する記事の要点をピックアップし、メカトロニクスに
関係すると思われる各年毎のトピックスを時系列で記載したものを表1に記す。
表1からわかるように、メカトロニクスの「トロ」に対応するエレクトロニクスは 1960 年代
後半に、先ずは大型計算機、次にプロセスコンピュータとして発展の緒についた。この時期、舶
用機関関係では、大型計算機を使用しての舶用機器・構成部品の設計や、プロセスコンピュータ
を使用しての舶用装置のシーケンス制御という形でエレクトロニクス技術が応用されている。そ
の後、機械部品の構造解析・設計や、燃焼シミュレーションなどの形での大型計算機の利用や、
状態監視などでプロセスコンピュータが使用された。1970 年代後半になって半導体製造技術が
進展し、自動車用エンジンの電子制御専用ICが製作されたのを受けて、1979 年には舶用エン
ジンの燃料噴射制御を電子化する試みが行われた。その後、研究機関を中心にディーゼルエンジ
ンの電子制御技術の研究開発が進み、1990 年代から電子制御ディーゼルエンジンが本格的に実
船へ搭載され始め、近年では新造船の9割近くが電子制御エンジンを搭載するまでに至っている。
18
表1
1968
~
1969
学会誌の年鑑記事にみるメカトロニクス関連技術の開発経緯
1960 年代後半はトランジスタベースの大型計算機がようやく開発や設計の現場で使用可能になった
時期であり、ディーゼル機関の出力性能向上、軽量化、自動化・省力化に向けて、機械部品の構造
解析や燃焼解析や機械装置の動作シミュレーションが可能になった。また、プロセスコンピュータによ
る機器装置の動作状況データ収集・監視も可能となり、舶用関係においても、ディーゼルプラントのス
タンバイのためのシーケンス制御の研究、ディーゼルプラントの集中監視・異常検知などの研究が行
われた。
1970
低速大形ディーゼル機関の高出力化に対処するため、台板、架構の剛性の強化、軸受給油方式の
再検討、軸受材料の改良などの研究開発が行なわれた。中小形ディーゼル機関の分野でも、高過給
高性能化に向け、ピストンの強制冷却化、排気弁の高温対策、粗悪重油使用、各軸受材料の改良な
どの研究開発が進められた。また、プロセスコンピュータ(コアメモリ 16K、磁気ドラム 80K)を実船に搭
載してトラブル応急処理、トルクコントロール、データーロガーなどに使用して運航の信頼性を向上さ
せるなど、電子計算機を現実に船舶に搭載して高度集中制御の試みが行われた。
1971
日本造船研究協会「排気ターボ過給舶用中小形ディーゼル機関の性能シミュレーションの研究」で
は、電子計算機により機関性能を計算するプログラムを開発し、機関と過給機を含む系全体の性能を
計算。過給機タービンノズル面積、排気管容積等の性能に及ぼす影響、平均有効圧力を増大した場
合の機関性能の変化等を算出したが、精度には課題があった。また、同協会「船舶の高度集中制御
方式の研究」で実施した「ディーゼルプラントの電算機制御の実船試験」では、プロセスコンピュータを
実船に搭載し、ソフトウェア、ハードウェアの作動を確認した。乗組員に対するアンケート調査結果で
は、性能、安全性の向上、省力化には役立つが、操作・保守に専門知識が必要で、そのための専門
教育を行なう必要があるという意見が多かった。
1972
日本造船研究協会「排気ターボ高過給舶用中小形ディーゼル機関の性能シミュレーションの研究」で
は、開発した機関性能を計算する計算機プログラムにより、動圧タービン性能の理論解析を検討し、
排気管効率・風量補正係数を適当な値に定めることにより、風量、給気圧、過給機回転数などについ
ては精度良くシミュレートできる見通しを得た。さらに部分流入、動圧過給の場合に現われる排気ター
ビンの圧縮機作用を計算するプログラムを作成した。
~
1973
1974
日本舶用機器開発協会と企業の共同研究として、「中速ディーゼル機関の高出力化に関する研究」、
「高過給舶用ディーゼル機関の低負荷時の性能改善装置の開発」などが実施された。
1975
日本舶用機器開発協会と企業との共同開発として、「中速ディーゼル機関の高出力化に関する開
発」、「低公害機関の開発」など、機関室内の環境改善のための防音・防熱とそれに伴う機関運転状
態の遠隔監視装置、排気中の有害物質低減の基礎研究が実施された。また、「油圧動弁式内燃機関
の開発」では、油圧動弁機構と蓄圧式燃料噴射機構を組込んで低騒音化を目指した。
1976
日本造船研究協会では、「音響、振動解析による舶用ディーゼル機関の機械的異常診断法に関する
研究」、「舶用ディーゼル機関の排気脈動及びガス流れに関する研究」、「舶用ディーゼル機関燃焼
室及びその周辺の信頼性向上に関する研究」などの研究が実施された。
1977
ディーゼル機関メーカ各社は省エネ機関の開発に努めている。単なる低燃料消費機関の開発や低回
転プロペラの採用ではなく、いくつかの省エネ技術を組合せたディーゼル推進プラントの省エネシス
テムの開発へ発展し、そのための各種要素技術開発が熱心に行なわれている。日本舶用機器開発
協会は企業と共同で「低騒音形ディーゼル機関の開発」、「高過給高速ディーゼル機関の開発」など
の事業を行い、小形、軽量、高出力、高信頼性の機関の開発を目指した。
1978
日本造船研究協会は「舶用ディーゼル機関の排気脈動及びガス流れに関する研究」、「舶用ディーゼ
ル機関燃焼室及びその周辺の信頼性向上に関する研究」などの研究を実施。日本舶用機器開発協
会は各企業との共同開発「2,300 馬力 V 形高過給高速ディーゼル機関の開発」で小形、軽量、高出
力、信頼性の高い 12 シリンダ V 形機関を開発、「省燃料形舶用ディーゼル機関の開発」で、燃料消費
率を約 10%節減する 4 サイクル低速ディーゼル機関の開発を目指している。
1979
ディーゼル機関メーカ各社は、船舶運航の経済性の面から省エネ機関の開発に努めている。2 サイク
ル低速ディーゼル機関では静圧過給方式の採用、連続最大出力における燃料消費率の低減と燃料
噴射タイミング自動進角装置などを用いて常用出力での燃料消費率の低減などが実施された。4 サイ
クル中速機関はやや出遅れているが、過給システム、給排気系、燃料噴射系などの改善により、常用
出力における燃料消費率を低減している。日本舶用機器開発協会は企業と共同で燃料消費率を従
19
来比約 11%低減した低速 4 サイクル舶用ディーゼル機関を開発した。石川島播磨重工業は、9RLA90
形機関を完成。陸上試運転で、連続最大出力での燃料消費率を低減、燃料噴射タイミング自動進角
装置を作動させて常用出力でも燃料消費率を低減した。川崎重工業は、低速 2 サイクル機関につい
ては、ダブルノズル形燃料噴射弁の採用、非線形燃料噴射ポンプの開発、過給機効率の向上、掃排
気ポートの形状改善などにより、燃料消費率を従来形機関より 5~7%低減した。また、マイクロコンピュ
ータを使用して噴射系を制御する電子制御式燃料噴射装置を開発、これを組み込んだ機関を開発し
た。
1980
日本舶用機器開発協会はダイハツディーゼルと共同で「電子制御式ディーゼル機関の開発」を始め
た。機関本体に電子制御式の燃料噴射時期変更装置と給排気弁自動可変装置を組み込み、機械回
転数及び冷却水温度を検出してマイクロコンピュータで処理し、燃料噴射時期と給排気弁開閉時期を
最適値に制御しようとするもの。三菱重工業は、ディーゼル機関の実機において、燃料噴射系の改善
と排気弁開閉時期の最適化、燃料噴射系の最適化とシリンダ内最高圧の上昇などで、常用出力時の
燃料消費率を約 4%低減。また、機関のよりきめ細かな操縦と信頼性の向上を目的に機関のガバナを
含む制御系にマイクロコンピュータを使用した電子リモコン MEDEA (Mitsubishi Electronic Diesel
Engine Aids) システムを開発し、実船に装備した。石川島播磨重工業は、6RLA66 形機関を貨物船
の主機関として搭載、VTR540 形過給機、新仕様の燃料噴射系、噴射タイミング自動進角装置などの
採用で低燃費化。新潟鉄工所は、2 弁式の 4 サイクルトランクピストン形低速過給ディーゼル機関の最
大機種を開発、行程直径比を大きくして良好な燃焼が得られるように設計。赤阪鉄工所は、4 サイクル
舶用中形低速ディーゼル機関 2 機種を開発、ロングストローク化と高噴射率化により燃料消費率が約
10%低減、低回転プロペラの効率上昇分も含めると約 15%節減。川崎重工業は、ロングストローク化し
た低速 2 サイクル機関を完成、静圧過給方式のフルターボ方式、高効率過給機、燃料噴射系統の最
適化、シリンダ内最高圧上昇、掃排気ポートの位置と形状の改善などで低燃費化。
1981
新建造の多くの船舶に、省エネ及び省力化対策として種々の新技術が採用された。石川島播磨重工
は、ターボ発電機と主機関を連結した「高経済型直結発電システム」(SSG システム)を輸出タンカーに
搭載、連結機構に多段変速装置を採用して固定ピッチプロペラでも主機出力の 50~90%と広範囲で
直結の利点を利用。川崎重工は、ターボ発電機とサイリスタインバータ方式軸発電機を組合せてバルク
キャリアに装備、航海時の蒸気と電力を全て主機で供給し燃料を大幅に低減。住友重機械工業は、世
界で初めて 4 気筒大口径機関を搭載したプロダクトキャリヤを建造。Sulzer 社開発のユニフロー掃気方
式の超ロングストロークディーゼル RTA 型機関は燃料消費率が常用出力で 122g/PSh に達し、低燃費
化競争が新しい極面に入った。日本舶用機器開発協会とダイハツディーゼルとの共同開発「電子制御
式ディーゼル機関の開発」で燃費を約 10%改善。住友重機械工業は、舶用低速機関の住友-Sulzer
RLB シリーズ機を完成。シリンダ内最高圧上昇などにより従来比約 4g/PSh 燃料消費率を低減。常用
航海出力域の燃費をさらに改善するため、負荷に応じて自動的にシリンダ内最高圧を調整する自動
燃料噴射時期可変装置(VIT 装置)を開発。
1982
三井造船は、B&W L-GB/GBE 形機関の陸上テスト運転において燃料消費率 123.0g/PSh を記録、こ
れは熱効率 50.4%に相当、実用機では世界初めて熱効率 50%を突破した機関となった。新潟鉄工所
は、低燃費・低質油燃焼・低製造コスト・低メンテナンスコスト・高信頼性を目標とした中速中形高性能
機関と小形漁船用主機関・補機関及び陸用機関向を目指した軽量、小形コンパクトな高性能高速機
関を開発、コンピュータによる解析技術を駆使して開発を進め、低燃費化、低振動低騒音化を達成し
た。久保田鉄工は、小形漁船に要求される軽量、省燃費の機関を開発。高速から低速回転域まで良
好な燃料噴射系マッチングを確保するため、各種燃焼シミュレート解析と各部回転バランス・フレーム
剛性解析を行い、リミットデザインを実施した。
1983
前年に続き、超省エネルギ形の大形鉄鋼原料輸送船が 3 隻完成した。低回転・大直径の CPP 駆動推
進方式、廃ガスターボ発電機、吸収式冷房装置、軸発電装置、燃料噴射タイミング制御などが実装さ
れた。三井造船は、将来の LNG 船用主機関として、LNG のボイルオフガスを燃料とするガスインジェ
クションディーゼルエンジンを発表した。日本舶用機器開発協会はダイハツディーゼルとの共同事業
の成果として、マイクロプロセッサを使用した電子制御により、負荷及び回転数に応じて弁開閉タイミン
グと燃料噴射タイミングを最適に設定し、低負荷から高負荷域まで良好な燃焼を可能とする低燃費機
関を開発した。日本鋼管は、稼動中の運転データの収集・管理と、データを解析して機関性能を把握
し機関取扱い上の指針を得ることを目的とした PC/IR(PC 機関情報検索)システムをマイクロコンピュー
タ化。富士ディーゼルは、測量船用として、指示船速に対して機関回転数とプロペラ翼角を自動制御
して定船速に保持する定船速制御機能を有するマイクロコンピュータ採用の遠隔操縦装置を完成。
20
1984
船舶技術研究所「コンピュータ制御省エネルギ舶用エンジンの研究」は、Fuzzy(あいまい)理論を応用
して、制御パラメータの最適値を求める時間を短縮した。石川島播磨重工業は、IHI-Sulzer 7RTA58
型機関に低速機関として初めての主機駆動発電機を取付け、過給機のマッチング、燃料噴射系、圧
縮圧力の最適化により燃費最低となるよう調整した。中速 4 ストローク・サイクル機関では、主機の排熱
を最大限に利用するため過給空気エコノマイザを 3 段蒸発式排ガスボイラと組合せて、蒸気タービン
発電機駆動と雑用蒸気の供給を行い、さらに余剰動力を推進動力に利用するシステムを開発。
1985
池貝鉄工は、巡視艇及び高速客船用エンジンの出力アップと燃費の低減を目指した機関を開発。高
効率過給機の採用、過給方式の変更、噴射時期及びバルブタイミングの最適化により、予燃焼室式
で最低燃費 158g/PSh を達成。制御装置を電子化し、起動時、クラッチ嵌時、回転上昇時に運転条件
に合わせて最適噴射量に調整することで黒煙発生を防止するなど自動制御。
1986
日本鋼管で竣工した鉱石/石炭ばら積船には、光産業技術振興協会の委託を受けて研究開発された
本格的な船内光通信システム(光 LAN)が搭載された。
1987
松井鉄工所では、高圧型燃料噴射ポンプを採用して燃料消費率の低減を図ったロングストローク形
機関を開発、給排気弁は各 1 つの 2 弁式とし、始動弁とともに弁箱式として保守を簡便化。
三菱重工業は、自己開発の低速 2 サイクル機関 UEC-LS シリーズのうち最大口径の機関を完成、低
燃費化、高出力化の他に部品の軽量コンパクト化と部品点数の削減等を通じて取扱い性、信頼性の
向上が図られ、さらに、気象、海象や船の運行モードに応じて機関を最適な状態で運転できる
AFR(Automatic Flexible Rating)制御システムを用意した。
1988
一般商船にもニ重反転プロペラが登場。三菱重工業は自動車運搬船に換装装備し約 16%の省エネ
達成。日本造船研究協会は船舶技術研究所で高度自動運行システムの総合シミュレーション実験に
成功、知能化船の実現に一歩近づいた。最適自動運航システム、出入港自動化システムの開発を目
指す。日本造船振興財団は超電導電磁推進(内部磁場型)の模型船による自力航行実験に成功。運
輪省船舶技術研究所は、人工知能による機関故障予測の研究を推進。ディーゼルユナイテッドは、メ
カトロ式タイミング注油を開発。
1989
日立造船建造の超省エネルギーVLCC は、船体性能向上のための SSD (Super Stream Duct)の装
備、大幅なディレーティング、高効率過給機の適用等により、114.5g/PS・h の超低燃料消費率を達成。
石川島播磨重工業は、通常プロペラと CRP をバルクキャリアで性能比較し、通常プロペラ船に比べて
15%の省エネ効果を確認。三菱重工業は自動車運搬船に CRP を搭載、操船性、軸系各部データ、
省エネ性能等につき就航実績を調査。平均 13.5%(最大 17%)の省エネ効果を確認。
1990
三菱重工業建造の本格的な外洋大型客船「クリスタルハーモニー」が就航。
三菱重工業は、VLCC 向け最大口径機種の舶用大形ディーゼル機関となる UEC85LSII 形機関の開
発を開始。三菱 UE 形機関では、電子機器部品の採用により、機関の一層の高性能化、高信頼性化を
図り機関の高付加価値化を進めている。安定した機関回転数が得られる電子ガバナー、電子シリンダ
注油制御システム、ピストンリングモニタリングシステム、さらに高い機関性能の維持に著しい効果があ
る AFR 制御システム(AFR : Automatic Flexible Rating)などがある。
1991
石川島播磨重工業と三菱重工業の両社は二重反転プロペラ(CRP)装備の VLCC を受注。VLCC への
CRP の適用は世界で初めて。住友機械工業は日本舶用機器開発協会と共同で出力 480kW の超電導
直流単極電動機を開発試作、性能試験を完了した。舶用超電導電動機に要求される小型、軽量化を
めざし、外部円筒型としている.
1992
超電導電磁推進実験船「ヤマト 1 号」が 6 月世界で初めて有人自航テストに成功。三菱重工業では、
窒素酸化物(NOx)低減策の一つとして燃料水層状噴射方式を研究開発中。従来の燃料噴射弁に水
のラインを追設、燃料の中に水を電子制御により層状に挿入することで燃料室内に水と燃料を交互に
噴射させ、燃焼特性を低下させずに NOx を効率よく低減できることを確認。
1993
三菱重工業は、将来、規制がますます厳しくなる NOx 排出量削減策として、燃料噴射時期遅延と機
関のファインチューニングで対応するため、水を噴射燃料中に挿入する層状水噴射や電子ガバナ使
用 SCR(選択式還元触媒脱硝)などを研究開発している。
1994
スーパーライナー技術研究組合が造船業基盤整備事業協会から助成金、日本船舶振興会から補助
金を受けて、1989 年度から研究開発を行っていた新形式超高速船テクノスーパーライナー(TSL)の実
海域模型船が完成し、実海域で試験が行われた。
21
1995
ディーゼルユナイテッドでは、大形高速フェリー用主機関を開発、陸上公試にて、機関性能、信頼性、
NOx 低減など当初計画どおりであることを確認した。新潟鉄工所では、舶用主機関として高出力、高
性能、高効率・低燃費、低質燃料の使用可、低公害、長期無解放、メンテナンスの容易化、保守費節
減を重視した機関を開発した。日立造船では、TCS(ターボコンパウンドシステム)を採用した機関を完
成し、計画通りの燃料消費率低減を達成した。
1996
日立造船は、日立Sulzer中速機関で船舶用仕様の8ZAL40S機関を完成、2機2軸のRO-RO船に搭載
され、低燃費で高信頼性を有し、低振動低騒音を実現した。三井造船では、4サイクル中速ディーゼ
ル機関として世界最高レベルの出力率を持つ高出力機関を完成、陸上公試運転を実施した。本機関
は、高出力化・軽量化・低燃費化を目指し、燃料噴霧と空気混合を促進して良好に燃焼させ高熱効
率を実現するため高圧燃料噴射装置を採用するなど多くの新技術が織り込まれた画期的な高信頼性
の中速ディーゼル機関である。
1997
ヤンマーディーゼルは、中小形漁船主機関用として扱い易く軽量コンパクトなエンジンを開発、ツイン
ターボと特殊燃焼方式の採用により中低速でのトルク特性を向上、クリーンな排気、大幅な燃費の低
減、俊敏な加速性を実現。また、前年に開発した機関のシリーズ拡大を目指して、低燃費、低公害か
つ低質重油対応可能な舶用主機関並びに舶用補機発電機用の機関を開発。
1998
三井造船建造の海上保安庁向け大型測量船「昭洋」が完成。サイリスタモータ方式の主推進モータ
(2,100kW)による 2 基 2 軸の電気推進方式を採用、固定ピッチプロペラが採用された。
1999
三菱重工業が高速貨物フェリーを建造、速力約 30kt での航海が可能で、陸上輸送から海上輸送へ
のモーダルシフト促進が期待される。ディーゼルユナイテッドは、知能化機関を目指して低質油対応
のコモンレール方式大型 2 サイクルディーゼル機関を開発、MAPEX 診断システムにより状態監視し
ながらキーパラメーターを最適値に調整する。コモンレール燃料噴射システムによりスマートなパッケ
ージとした他、正確な噴射量制御、可変噴射率の採用、燃料ポンプの高効率化、噴射圧の自由な選
択が可能。電子制御油圧駆動方式の採用により、カム軸やその駆動システムが不要となった。
2000
船舶技術研究所「中型中速ディーゼル実験機関の燃料噴射系統の電子制御化に関する研究」は、A
重油を使用した実験で燃費を向上させながら NOx,PM を同時に低減、動弁系を油圧駆動により電子制
御化、燃料噴射時期一定でも低負荷域で燃費改善が見られた。ヤンマーディーゼルは、中小形漁船
主機用の軽量コンパクトな高出力ディーゼルエンジンを開発、ユニットインジェクタによる高圧噴射の実
現、排気量の増大、燃焼室無駄容積削減により実用域の性能を大幅に向上。「パワフルでクリーンかつ
使い易い」を追求するため、電子制御油圧式ガバナ、自動切換 2 速式減速逆転機及び電子トローリン
グ装置を装備したエコマリーンディーゼルを同時開発した。
2001
海上技術安全研究所「電子制御化ディーゼル機関関係の研究」は、燃料噴射系電子制御時の燃焼
パターンをモデル化、より適切な燃焼期間を求めるため各種条件でシミュレーションを実施。ダイハツ
ディーゼルでは、5/6DC-17 機関を開発、徹底した CAD/CAE/CFD および性能シミュレーション等のコン
ピュータ解析を活用、また、機関の取扱い性を容易にするための機付き電子モニタリング&安全・制御
装置、さらなる低排気エミッション性能を得るための電子燃料噴射装置をそれぞれオプションとして装備
している。ディーゼルユナイテッドは、大型のディーゼル機関としては世界で初めてのコモンレール式
電子制御燃料噴射システムとして 6RT-flex58TB 機関を 2003 年 1 月完成に向け製造に着手。電子制
御システム WECS-9500 によって制御されるコントロールユニットを採用、燃料噴射圧力、噴射量、噴
射時期、噴射パターンを任意に調整可能。
2002
川崎重工業では、計 3 台の S60MC-C 型機関に電子制御方式の新型シリンダ注油システムである「ア
ルファシリンダ注油システム」を採用。これは予め電動ポンプで 45bar に昇圧したシリンダ油を各シリン
ダに送り、シリンダ毎に装備した電磁弁の開閉によってシリンダへ注油するコモンレール方式のシリン
ダ注油システムで、シリンダ油の消費量削減が可能。新造機関への採用だけでなく、就航船ヘレトロ
フィットする改造工事を開始。
2003
川崎重工業では、EPA の認証を受けた 6S50MC-C 型機関に、低 NOx アトマイザを組み込んだスライ
ド式燃料弁を採用し、最適な過給機マッチングを実施して、IMO の NOx 規制値より約 30%低い EPA
Tier2 の規制値案を達成した。ダイハツディーゼルでは、環境問題に十分考慮した大型ディーゼル機
関を開発、機関の取扱い性を容易にし、更なる低排気エミッション性能を得るために、機付電子モニタ
リング及び電子ガバナ等の制御装胃と電子燃料噴射装置を採用。ディーゼルユナイテッドでは、電子
制御燃料噴射システム採用の大形ディーゼル機関として初めてのコモンレールを有する RT-flex シス
テムを組み込んだ機関を就航させ、その性能・信頼性を実証。三菱重工業の UEC-Eco 機関は、燃料
22
噴射系、排気動弁系、始動系を電子制御化し、これらのタイミング調整を機関運転中でもフレキシブ
ルに実施して低公害(NOx/スモークの低減)、燃費低減、操船性向上(最低回転数の低減,始動性の
向上)、信頼性向上を図った。各種検証試験実施後、2004 年中に出荷予定。日立造船ディーゼルア
ンドエンジニアリングでは、電子制御機関 MAN B & WME エンジンの日本での初号機となる
6S50ME-C 型機関を完成。
2004
IHIMU が主機関に電子制御機関を採用した大型コンテナ船を受注。川崎重工業は、2 サイクルディ
ーゼル機関 2 機種の初号機を完成。いずれも電子制御式の「アルファシリンダ注油システム」を採用、
シリンダ油消費量の低減化も図っている。ディーゼルユナイテッドは、より高い信頼性、低メンテナンス
コストの達成を目指して、コモンレールを有する電子制御機関 RT-flex 機関を開発中。三井造船は、電
子制御エンジン初号機が就航、優れた環境適合性、NOx 及びスモークの大幅な改善、燃料噴射及び
排気弁の電子制御により低負荷での運転及び加速性能の向上、さらに、より良いエンジン・バランスと
負荷制御を検証。三菱重工業は、ECL(Electronically Controlled Lubrication System)を開発、シリンダ
油を蓄圧し、注油量とタイミングを電磁弁により制御。平均有効圧力や出力に応じたシリンダ注油量制
御が可能で、シリンダ油消費量の一層の低減、操作性の向上、メンテナンス性の向上を達成。
2005
アイメックスでは、国内では初の電子制御式シリンダ注油システム(Alpha Lubricator System)を搭載し
た S35MC 型機関を出荷。川崎重工業では、電子制御型 2 サイクルディーゼル機関の初号機を完成。
燃料噴射ポンプと排気弁駆動装置を油圧駆動としコンピュータによる制御装置と電磁弁により電子制
御。ダイハツディーゼルでは、環境対応型の DC-17 型機関を開発、機付き電子モニタリング及び電子
ガバナ等の制御装置と電子燃料噴射装置等を採用。また、環境負荷低減の取組として、コモンレー
ルシステム他の試験を実施。三井造船では、原油価格高騰によりシリンダ油消費量削減要求が高ま
り、同社製の中大型機関では、電子制御注油器であるアルファ注油器の採用が増加傾向であった。
2006
川崎重工業は、「電子制御式機関 K98ME 型」を開発。MAN B&W ME 型電子制御式機関の中でも
世界最大で、大型コンテナ船に搭載し推進用主機関として使用。高い効率の過給機を組み合わせて
過給に必要な排ガス量を抑え、その分の余剰排ガスは過給機をバイパスして船体排気管へ導き排熱
回収を行って船全体の熱効率を高める TES(Thermal Efficiency System)を採用。神戸発動機は、三
菱重工開発の電子制御注油システム(ECL タイミング注油システム)を新造機関に初適用した。ディー
ゼルユナイテッドは、Wartsila 開発のコモンレール方式を採用した電子制御式低速 2 ストローク機関を
製造。Wartsila は、従来より飛躍的に注油率を低減可能とするパルスジェット注油システムを開発。三井
造船は、新たな電子制御機関を製造、統合形電子制御弁(FIVA 弁)を含め、従来機関に対して多くの
変更点が採用された。三菱重工業は、大型コンテナ船向け主機として当社初の RT-flex 機関を製造、
コモンレール式の電子制御機関で、低負荷でのスモーク低減等、環境に配慮した仕様。ナブテスコ
は、電子制御機関用トレーニング設備を制作。
2007
船級規則「コンピュータシステムの機能」が 2008 年 1 月施行。IACS UR E22 を取入れ、内蔵ソフトウェ
アに関する要件を含むコンピュータ制御を行うシステムの総合的な機能に関する要件を規定。日本舶
用工業会「低速 4 サイクル機関用電子制御システムの技術開発」は、燃料噴射時期、排気弁・吸気弁
の開閉、シリンダ注油、の電子制御化が開発目標。ディーゼルユナイテッドは、電子制御コモンレール
システム flex 機関の陸上運転で、LowNOx モードでは NOx 排出率を現状より約 20%低下することを
確認。阪神内燃機工業は、4 サイクル機関で初めてユニットポンプ方式採用の電子制御機関を開発、
燃料噴射と吸排気弁の作動が同一作動油で行え、作動油圧が低く信頼性が高く、レトロフィットが比
較的容易である。ナブテスコは、2 基 1 軸用ガバナ「Fuel Save Mode」装備ガバナ 2 機種を発表。
2008
2008 年 10 月に IMO の MARPOL 条約付属書Ⅳ改正案が正式に採択された。日本海事協会「電子
制御機関の電子制御装置の環境試験に関する研究」は、電子制御機関を搭載した船舶の海上試運
転時に当該機関の制御装置が受ける船内環境(振動と温度)を実態調査。川崎重工業が過給機カッ
ト運転モードを実用化。燃料油価格の変動、海上輸送貨物量の減退、地球温暖化ガス CO2 削減要請
に応える技術として、電子制御機関における部分負荷運転の燃費低減を図る過給機カット運転を実
用化。ディーゼルユナイテッドの 2008 年の舶用 2 サイクル機関製造台数は 33 台、そのうち flex 機関
は 21 台で、60%以上が電子制御機関であった。日立造船は、Wartsila 型の電子制御機関を製造、従
来機関のギア伝達式カム軸を廃止し、燃料噴射のタイミングや排気弁の動作を電子制御、燃料系統
に 1000bar に昇圧したコモンレールシステムを採用し、燃料噴射系統の簡略化を図っている。ナブテ
スコは、ガバナコントローラの表示部と通信機能を強化して、ガバナコントローラを必要とする電子制御
機関に対応した、ガバナの新機種を開発。
23
2009
川崎重工業は、左勝手(ポートデザイン)機関を製作、最新の ME-C8 電子制御型機関を採用。ディー
ゼルユナイテッドにおける 2 サイクル機関製造台数 35 台の内、flex 機関は 23 台と 65%以上が電子制
御機関であった。日立造船での 2009 年の製造台数は 55 台、うち電子制御機関は MAN B&W 型と
Wartsila 型の両方合わせて 6 台であった。Wartsila は、IMO の大気汚染物質排出2次規制に適合・低
燃料消費率・シリンダオイルの低消費率・高信頼性・オーバーホール間隔の長期化を目指した電子制
御方式の RT-flex 型を製品化する。ヤンマーは,環境対応とユーザーニーズの両立を目指して,
EUP(Electronic Unit Pump)式電子制御燃料噴射装置を搭載した中速 4 サイクル主機関を実用化。ナ
ブテスコは阪神内燃機工業と共同で、舶用主機関の環境対策として NOx 低減と CO2 低減を同時に実
現する、低速 4 サイクル機関用電子制御システムの開発を実施。
2010
赤阪鐵工所は,快適な機関室環境の提供を目的とした AX33B 形機関を開発。従来機関の改良に加
え、AP リングと電子制御式シリンダ注油システムの採用によりシステム油とシリンダ油の消費量を従来比
半減が目標。川崎重工業は、左勝手(ポートデザイン)機関を製作、本機関は TES (Thermal Efficiency
System)を採用、過給に必要な排ガス量を抑え,余剰排ガスをバイパスさせる開閉弁の開度を運転状況
に応じて主機の ECS(Engine Control System)により自動的に調整する。神戸発動機は、三菱重工業が
開発した 6UEC45LSE 型機関を 2009 年 2 月の初号機以降 30 台生産、18 台が就航中、その内 9 台が
電子制御注油システム(ECL タイミング注油システム)を搭載している。ディーゼルユナイテッドは、低
速 2 ストローク舶用主機関用の電子式タイミングシリンダ注油システム DU-TLS(DU-Timing Lubricating
System)を開発。2010 年の DU における 2 サイクル機関製造台数 26 台の内、flex 機関は 21 台と 80%
以上が電子制御機関の製造であった。日立造船における 2010 年の製造合計台数は 52 台、うち電子制
御機関は MAN B&W 型と Wartsila 型の両方合わせて 9 台と少しずつ増加している。
2011
赤阪鐵工所は、内航 499GT から 749GT までの各船種に最適な低速 4 ストロークディーゼル機関を開
発。本機は、従来の同径機関より長行程、かつ燃焼最高圧力を高めて低燃費化を実現しつつ NOx 二
次規制に適合した機関で、電子制御式シリンダ注油システム「ALS:Akasaka Lubricating System」を備
え、AP リングとの相乗効果で、燃焼室構成部品の信頼性、耐久性を高めると共に、システム油、シリン
ダ油消費の半減を図っている。ディーゼルユナイテッドにおける、2011 年の2サイクル機関製造台数
24 台の内、flex 機関は 21 台と 87%が電子制御機関であった。日立造船の 2011 年の製造合計台数
は 62 台、電子制御機関は MAN B&W 型と Wartsila 型の両方合わせて 6 台であった。ヤンマーは、
IMO の NOx 排出量二次規制に適合した新型舶用主機関 6EY22AW を開発。本機関では、電子制御
燃料噴射システムへの対応として、EUP(Electronic Unit Pump)式電子制御噴射システムの適用が可
能。燃料の噴射時期と噴射量を負荷・機関回転数に応じて最適制御することで、燃料消費量の低減
や黒煙発生の抑制、操船性の改善を実現。
2012
ジャパンマリンユナイテッドは、省エネルギー化を図った大型コンテナ船を引き渡した。本船は、電子
制御式エンジンを採用、過給機カット装置、インバータ制御冷却海水ポンプ省エネ装置等の最新設
備を備えるなど、環境負荷低減に大きく貢献するコンテナ船として期待される。崎重工は、液化天然ガ
ス(LNG)を燃料とする大型コンテナ船の開発を完了、バックアップ燃料として重油も利用できる二元
燃料推進システムに対応した低速ディーゼル機関(電子制御式)を採用し、環境負荷を低減してい
る。赤阪鐵工所は、新機種の低速4ストロークディーゼル機関を開発。IMO の NOx 二次規制への適
合と低燃費の両立、シリンダライナボアクリーニングと AP リングの採用及び、電子制御式シリンダ注油
システムの採用による、燃焼室構成部品の信頼性・耐久性向上とシステム・シリンダ油の消費低減の
両立など、環境対応・信頼性向上技術を踏襲した。ダイハツディーゼルは、2016 年発効の IMO NOx
第三次規制に対応するため、コンパクトで信頼性・耐久性の高い排ガス後処理装置の SCR システムを
開発。ディーゼルユナイテッドは、RT-flex コモンレール式電子制御機関の特徴を生かした省エネ仕様
Low Load Tuning(LLT)を採用した機関の陸上運転試験を完了させ、その効果を確認した。この省エ
ネ仕様は、高効率の過給機を採用して部分負荷での燃料消費率を低減、運転頻度の少ない高負荷
時は一部の排ガスを過給機タービン前からバイパスさせる。三井造船における新規の引き合いはほぼ
電子制御機関に切替り、受注済の従来機関を電子制御機関へ変更するという要求も多く到来した。
2013
新潟原動機は、環境負荷低減や省エネのニーズが高いタグボートを対象として、環境に配慮した国
内発のハイブリッド推進システムを開発。リチウム電池搭載タイプと電池なしタイプのハイブリッドタグボ
ートが就航した。
2014
ダイハツディーゼルなど数社が、IMO NOx 三次規制対応として、デュアルフューエル機関を開発し
た。
24
5.6
舶用メカトロニクスの現状と将来展望
当初はエンジンの出力向上を主な目的として研究開発されてきた燃料の電子噴射制御システ
ムは、省エネのための燃費向上や、環境負荷低減あるいは環境規制対応技術として見直され、研
究開発がすすめられ、一部に実用化しつつある。
また、観測船、砕氷船、漁船など操船性を向上するシステムとして、電気推進システムが実
用化されつつあり、更なる性能の向上が期待できる。
6.委員会活動の総括
上述したように、陸上の装置・システムを中心に発展してきたメカトロニクス技術は、その普及
拡大とともに安全性や信頼性が確立され、信頼性・安全性が極限まで要求される舶用システムにお
いても普及・拡大が進んでいる。
特に、1970 年代以降、爆発的に普及が拡大した自動車におけるエンジンの電子制御技術や、産
業用モータの高性能制御技術は、舶用エンジンの電子制御や電気推進システムへの応用が拡がり、
環境負荷の低減や操船性の大幅向上を実現している。
舶用機関への応用の是非が議論され始めた頃に発足した当委員会は、メカトロニクス技術が確立
し、舶用システムへの導入が拡大してきた今日、所期の目的を達成したものと考えられる。したが
って、当委員会は、本書を最終報告として、2016 年(平成 28 年)3 月をもって委員会活動を終了
する。
7.あとがき
ここでは、当委員会の活動を裏方として支えてきた現幹事の思い出などを記載して、当委員会の
活動状況を別の角度から見ることとする。
(幹事は五十音順に記載)
委員長 山本 茂広
神戸大学大学院
私のこの小委員会との関わりは、1998年に依頼を受けて当時行なっていた自律移動ロボット
の研究を紹介させて頂いたのが最初でした。その後、2002年に橋本先生の御退官と入れ替わる
ように幹事として本格的に参加するようになりました。さらに2010年の10月からは、小豆澤
先生から小委員長を引き継ぎました。発足から30年以上という長い歴史のある小委員会ですが、
その半数近くに関わってこられたことは私にとって幸せなことだったと思います。もちろん、その
間の全部の小委員会に参加出来たわけではありませんが、多くの企業、研究機関、教育機関にお邪
魔させて頂き、また、各分野の方々と交流を持たせて頂いたのは非常に有意義でした。一方、幹事
や最後は小委員長として、どれだけ小委員会のお役に立てたかというと、他の幹事の方々に頼りっ
ぱなしでしたので、今更ながらですが申し訳ない気持ちでいっぱいです。特に、せっかくここまで
長く続いてきたこの小委員会を私が小委員長をしているときに最後にしていいのかと心苦しく思
うところもあります。しかしながら、一応言い訳をさせてもらえば、この会はメカトロニクス「研
究」小委員会であり、研究というのはやはりその時代の最先端を行く必要があります。つまり、こ
れで終わりと考えるのではなく、新しいテーマを見つけてチャレンジするきっかけであると考えて
頂けると幸いです。親委員会のディーゼル機関研究委員会からも、「親委員会に興味のある方は是
25
非入ってください」と言われていますので、委員の皆様方もそれぞれ新しい活躍の場を見つけて頂
ければと思います。最後に、歴代の小委員長、幹事の方々、委員の皆様、小委員会の見学や講演等
でお世話になった方々に厚く御礼申し上げますとともに、皆様方のますますのご発展をお祈り申し
上げます。
副委員長
田守
芳勝
元 ヤンマー
1970年代が終わろうとしている頃だったと思うが、会社帰りの大阪駅で本会の創設者でもあ
った、故東野一郎先生にばったりお会いしたことがあった。先生は「東京でマイクロコンピュータ
のセミナーに行ってきた。田守君、これからはマイクロコンピュータの時代やで」と言われた。ま
だマイクロコンピュータの話はあまり目につかず、やっとシーケンサーに集積回路(LSI)が使わ
れだしていた時期だった。東京晴海で「産業ロボット」の見本市が開かれて出かけたが、会場方面
に行く都営バスが晴海ふ頭の大混雑で勝鬨橋の手前で渋滞で動かず、徒歩で晴海ふ頭の会場まで行
ったことを思い出します。メカトロニクスの幕開けだったと思う。
その頃は、私共のエンジンにメカトロニクスを導入することはまだ夢の夢であった。それから1
0年くらいたったころでも私の直属の上司であった、専務さんからは「わしの在職中は、田守が作
ったマイコンを使ったような危ない装置を船に積み込むようなことは一切許可せんからな」とくぎ
を刺されておりました。
このような時代に「舶用機関学会、ディーゼル機関研究委員会」の下部組織として「エンジンメ
カトロニクス研究小委員会」を発足させた東野先生をはじめとする先駆者に敬意を表したいと思い
ます。
小委員会発足と同時に声をかけられ、小委員会のお手伝いを始めて 30 数年経ちました。その時
研究委員会に入るには学会の会員でないとダメと言われ日本舶用機関学会に入会し、30数年がた
ちました。お陰様でこの春永年会員にしていただきました。
この長いようで短かった、委員会活動の中でずいぶん楽しい思いをさせて戴きました。橋本先生
にけしかけられ、メカトロニクスで海外との技術交流をという話になり、まずは隣国の韓国に行こ
うということになりました。当時から韓国にも舶用機関学会はあったのですが、知り合いもなく、
会社の営業部門の同僚に、韓国の舶用関連の商社の副社長を紹介してもらい、伝手を頼って韓国舶
用機関学会の金 春植会長にたどり着いた。当時韓国海洋大学校の教授をしておられた金先生に電
話を入れたが、金先生が何人もおられ、私の語学力では目的の金会長に取り付いでもらうのに30
分以上かかったのを覚えています。金会長は日本語も堪能で目的をお伝えし、その後は日本に面識
もある、制御の河 注植先生(元 韓国海洋大学長)をご紹介いただき現在の韓国との交流に発展し
た。韓国との交流に自信を得て、次の年は台湾に押し掛けた。台湾には日本に造詣が深い台湾成功
大学の黄教授がおられ、先生に手紙を出し随分とお世話になった。
そして次はシンガポールか、中国大陸へなどと言っているときにリーマンショック。企業も学術
交流で海外出張などとんでもないとの風潮になり、世界制覇の野望は消え去りました。
よき時代に、良き先輩や友人、良き委員会に巡り合い、本当に楽しいあっという間の30数年で
した。若い会員の皆様も次の時代の新しい芽を見つけ、それを錦の御旗として押し立て、担いで学
会活動を楽しんでください。
26
幹事長 井元 誠次
ヤンマー
私は2002年に、上司であった現田守副委員長に奨められ、本メカトロニクス小委員会に入会
させていただきました。2005年に幹事の前任者が転勤されたことで幹事を引き継がせていただ
き、歴代委員長もやられた現幹事の皆様のサポートにより、また特にナブテスコ竹下さんが会計を
しっかりやっていただいたおかげで、今2015年度まで何とかやって来られました。10年間継
続してきたこと、また楽しい社外交流ができたことには大いに満足しているものの、委員会として
発展させることができず、特に自社・他社の若い人達を引き寄せるようなテーマアップができてい
なかったことについては、諸先輩方に対して大変申し訳なく思っています。電子制御エンジンが普
及し出し、本委員会の看板である「メカトロニクス」という言葉があまり使われなくなったことを
考えれば、本委員会を閉会するのも時代の流れかと感じている次第です。
幹事
小豆澤 照男
元 神戸大学
平成19年度から3年間、当委員会の委員長を努めさせて頂きました。神戸大学着任前に電機メ
ーカでリニアモータ・磁気浮上システム他の研究に携わってきた関係で、「陸用メカトロニクス」
の現状に関する見学会やミニ講演の機会を設定してきました。一方、舶用メカトロニクスは「陸用」
と基本的な考え方が異なることが多く、改めて多くのことを勉強させて頂きました。
当委員会を解散するとの議論が始まった頃に、これまでの活動の成果を報告書にまとめることを
提案し、リタイアした者の使命であると考えて、本報告書の編集作業を担当しました。まずは、学
会の前事務局長である五嶋さんと井元幹事長が苦労して作成された活動来歴をもとに、委員会運営
資料や学会誌の年鑑記事を参考にして(一部引用して)本報告書にまとめました。ご協力いただい
た幹事の皆さま、委員の皆さま、歴代委員長・委員の皆さまに改めて敬意と感謝の意を表します。
幹事
五嶋 照夫
元 社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
メカトロ委員会発足時からの委員です。当初は親委員会である中小形ディーゼル機関研究委員会
の小委員会は2ないし3年を1期として、2期程度でまとめることになっていたので、この小委員
会も期限付きの委員会としてスタートしました。設立当初は幹事といった役割があったわけではな
く、委員会の終わりに、次回以降の開催予定を相談して決めていました。それから、メカトロニク
スに関する研究はエンジンだけにとどまらず、船全体に範囲を広げ、今後も継続しようということ
になり、小委員会の継続と委員の増強を行うことになり、それで、幹事会を結成したと記憶してい
ます。設立当初は中小形ディーゼル機関研究委員会の小委員会ということで、舶用中小形エンジン
メーカーと大学・研究所の学識経験者10数名の委員でのスタートでしたが、委員増強した時点で
は関連メーカー、関係研究所等を加え、30名前後の委員数となり、親委員会より大きな研究委員
会となり、現在に至っています。
私自身は設立当初からの委員ですが、当時の舶用機関は油圧・空圧による制御が主流で、メカト
ロニクスとは無縁の装置でした。従って、メカトロニクスとは言葉では知っていても、中身につい
ては理解できる状況にはありませんでした。そのような状況でしたので、この委員会ではずいぶん
勉強させていただいたと感謝しています。その後、舶用機関の周辺には急速にメカトロニクスの技
術が普及してきました。機関状態検出機器や周辺装置の制御、モニターを含む各種情報システムな
どはかなりのスピードで導入が進んできましたが、本来、この委員会が目指したメカトロエンジン
が実現するまでにはかなりの時間が必要でした。結局のところ排ガス規制が施行されるという事実
27
がメカトロエンジンを実現させたという結果となったことが残念です。
メカトロニクスによるエンジン革命はまだまだあると思いますので、今後は形を変えて、研究委
員会を継続・発展させてください。
幹事
竹下 恵介
ナブテスコ
メカトロニクス小委員会との関わりは、入社2年目からである。元 委員長であり、会社の上司
であった岸本さんより講演会で発表するようにとの指示があった。入社から間もない時期であり、
内容をあまり理解していないのに発表したことを記憶している。
1991年
第31回特別基金講演会(大阪市立大学・文化交流センター)
その後、小委員会への参加は途絶えていたが、2004年より前任者からの引き継ぎで参加する
ようになった。そして、2008年度より会計幹事を担当するようになった。
見学会では、色々な業種の会社や研究所等を見学でき、また通常の見学会では見ることのできな
いようなところまで見せて頂き、大変有意義であった。
幹事
橋本 武
元 神戸商船大学
1989年に東野先生の後の 2 代目委員長の就任を田守さんから依頼され、初対面でしたが彼の
人柄でお引き受けさせて頂きました。
そこでは、一つ注文を出しました。それは、私見ですが「信頼性」に関する考えをこの小委員会
に生かせる事をお願いしたのです。この件は快く引受けて頂けましたので2期の4年間のお付き合
いが始まり、今日に至っています。田守さんとは、同じ歳で同年代の好みで、以来30年余のお付
き合いをして頂けた事に感謝し、今後も宜しくお願いします。
『国際交流』に関する活動は 4.3 節の報告の通りですが、先ず、田守さんと「メカトロ」の海外
交流について相談しました。そこで、彼に1990年に韓国機関学会の金 春植会長との会談で、
日韓の両学会交流の基を築いて頂けた事には感謝しています。その翌年1991年、韓国学会の河
注植前会長(韓国海洋大学校教授)の来日で正式な交流が成立しました。
最初の本格的な交流は1992年の日本から韓国へ、翌年1993年には韓国からの来日、19
94年の台湾に訪問で、翌々年の南方方面は実現しませんでしたが、その詳細は報告の通りです。
最初に韓国を選んだのは、河 注植先生が大の親日家だったことです。それは、釜山の海洋大学
校(機関科)卒業後、日本の留学で東京工業大学から博士学位を取得された後、母校から教え子を
東京から九州までの各大学に多数、就学(修士・博士)させた事です。神戸商船大学(主に橋本研
究室)にも就学させて、彼らの follow up のために毎年、来学されました。(残念ながら2003
年に70歳で亡くなられましたが、存命ならこの報告に投稿して頂ける筈です、1992年からの
10年余に公私のご指導が頂けた事で韓国事情について知り得た事は幸せだったと考えます。)
ここで、この報告には有りませんが、河先生が神戸商船大学と韓国海洋大学との交流協定締結、
両大学の練習船の表敬訪問の礎を築かれた事、更に、この10年間に渡って、韓国海洋大学の50
周年、同学会30周年があり、片木先生、田守さん及び私等の訪韓で、講演した事、河先生が来日
され、幾度か講演して頂けた事等も、ここで記しておきます。
この30年余に渡り、講演会、シンポジュウムや勉強会に参加させて頂いた中で、メカトロ技術
とそのシステムが船舶動力システムに密接な関係があり、それは乗組員のための信頼性及び保全性
にも寄与している事を理解出来ました、これ等は、関係者の方々のご尽力のお陰と感謝しております。
28
幹事
馬場 真二
日立造船
本委員会へのかかわりは、1991年11月に開催された特別基金講演の最終講演者として、
レビューしたことから始まります。会社に入って4~5年の若輩者にとって、特別基金講演自身
がどのようなものなのか正直解かっておらず、一応の説明は出来たものの、持ち時間を大幅に余
らせてしまう失態となりました。通常の論文講演と思っておりましたが、特別講演だったので講
演料までいただき、聴講者の皆さんへも大変申し訳なく思い、深く記憶に残るレビューでした。
その後縁あってか、韓国での講演(1992)、台湾での講演(1994)にも同行させていた
だき、講演もいたしました。私にとっては、講演そのものより、同行された委員会の方々との交
流が貴重な経験でした。その後の活動においても会社の枠を超えたお付き合いができ、社会人と
して様々な意味でプラスになりました。
委員会幹事としては、上司であった浅田幹事の後継として、いつのまにか幹事会に参加してお
りました。途中、転勤で大阪地区を離れた際に、幹事会から離れておりました。また大阪に再度
転勤で戻った際、幹事会への復帰第一回目にして、会計を仰せつかり、約4年務めさせていただ
きました。
その間、様々な見学への参加で見識をひろげることが出来ました。また月例講演会や特別基金
講演会等の企画にも参加させていただくなど、色々と経験させてもらいました。これらの活動で
は、単なる学会活動以上のつながりや信頼を感じた交流をさせていただいたと思います。
また当社の有明工場には、1回目は1997年に有明のエンジン工場ができて間もないころの
見学、2度目は2014年に見学会の開催となりました。九州の遠隔地にかかわらず、多くの委
員の方々が参加いただきました。1度目の頃は、船舶のメカトロエンジンも遠い将来のような感
がありましたが、2度目の見学の時期には製造する船舶エンジンの殆どがメカトロエンジンとな
っており、技術革新の歴史を感じて頂けたかと思います。
委員会の終盤は、幹事としてあまりお役に立てることはできませんでしたが、メカトロ委員会
に所属させていただき大変感謝しております。メカトロ技術は、今後も日常の技術として、世の
中に浸透してゆき、進化を続けると思います。しっかりと見届けてゆきたいと思います。
※表紙の図面は下記資料より転載した。
田守芳勝「エンジンメカトロニクスに想う」、日本舶用機関学会誌 第 22 巻 第 11 号 p.700-701、昭和 62 年 11 月
29
付表 JIMEメカトロニクス小委員会活動来歴
年度・委員長 回 開催年月日
昭和 58 年度
(1983)
大阪市大
東野 一郎
昭和 59 年度
(1984)
大阪市大
東野 一郎
1
2
S58.7.1 ?
3
4
5
S59.2.10 ?
6
7
8
9
S59.4.20
S59.6.15
S59.08.31
S59.10.23
10
S60.01.25
11
S60.04.24
12
S60.05.24
昭和 60 年度
13
(1985)
大阪市大
東野先生
14
S60.08.30
S60.10.18
15
16
S60.12.20
S61.02.05
17
S61.6.24
昭和 61 年度 18
19
(1986)
大阪市大
20
東野先生
21
S61.07.31
S61.08.29
S61.09.29
22
23
S61.12.09
S62.01.30
S61.10.27
開催場所
参加者
区分
内容
「エンジンメカトロニクス研究小委員会(委員長:大阪市大・東野 一郎)」発足 [第1フェーズ]
川崎重工業(神戸)
幹事会
小松製作所 小山工場
見学・講演
・「電子制御によるテスト機関の運転」(見学と解説)
・「油圧動弁式内燃機関について」松井鉄工・水沼氏
松井鉄工 伊勢工場
見学・講演
・「油冷却機関の廃熱回収について」松井鉄工・羽山氏
川崎重工業 明石工場
見学・講演
・「川崎の二輪車におけるエレクトロニクス」川崎重工・日下氏
講演
・「自動車にみる省燃費エレクトロニクス」いすゞ自動車・浜中氏
講演
・「自動車の走行制御方式」 京都大学・金丸氏
講演
・「機関監視装置」新潟鉄工・小林氏
鉄道技術研究所(国立)
見学・講演
・「噴射圧制御による燃料噴射方式」 鉄道技研・永瀬氏
大阪市大文化交流センター
講演
・「マイコンによるエンジンの最適制御について」 大阪市大・守田氏
大阪市大文化交流センター
講演
・「発電機用ガスエンジンのコントロールについて」 ヤンマーディーゼル・田守氏
船舶技術研究所(三鷹)
見学・講演
・「ディーゼルエンジンのコンピュータコントロール」 船研・塚原氏
・「自動車のメカトロニクスについて」いすゞ自動車・浜中氏
大阪市大文化交流センター
講演
・「電子制御式ディーゼル機関 弁の開閉、噴射タイミングを負荷に応じて変化さ
せる機構」 ダイハツディーゼル・貝原氏
幹事会
・研究室見学
豊田工業大学
見学・講演
・講演「産業ロボットについて」 上田 實氏
・工場見学
川崎重工 西神戸工場
見学・講演
・講演「油圧機器について」 福永氏
・講演「高速電磁弁の開発」ヂーゼル機器・串田 丈夫氏
ヂーゼル機器 東松山工場
見学・講演
・講演「小形ディーゼルにおける電子制御の応用」ヂーゼル機器・小林 政善氏
不二越大阪支店
討論
・自由討論「エンジンメカトロニクスのあり方」
ダイハツディーゼル(大阪市)
討論
・「エンジンメカトロニクスのあり方に関する討論のまとめ」
「エンジンメカトロニクス研究小委員会(委員長:大阪市大・東野 一郎)」 継続 [第2フェーズ] エンジン以外も含める
・特許紹介;鉄研・永瀬和彦氏
大阪市大文化交流センター
講演
・講演「エンジンメカトロニクスの現状と研究課題」 東野 一郎氏、東 忠則氏
大阪大学工業会館
討論
・討論「エンジンメカトロニクスの現状と研究課題の討論」
大阪市大文化交流センター
講演
・講演「最新の超音波技術の動向」エロイカコーポレーション・鴨原 学徳氏
大阪市大文化交流センター
報告
・報告「小委員会第1期報告」 東野 一郎氏、東 忠則氏
・特許解説:鉄研 永瀬和彦氏
大阪大学工業会館
講演
・講演「生体における情報、制御機能について」 大阪大・藤井 克彦氏
大阪市大文化交流センター
講演
・講演「知識工学と船級検査」 NK・佐々木 康夫、馬場 宣裕氏
ヤンマーグリーンファーム琵琶湖
見学・講演
・ヤンマーグリーンファーム及び制御機器の見学
i
S61.11.25
大阪科学技術センター
24
S62.06.05
富士通 関西システムラボ
講演・見学
25
S62.08.28
大阪市大 文化交流センター
講演
S62.10.16
松下電器(門真)、ツイン21
講演・見学
S63.02.01
大阪市大 文化交流センター
講演
S62.7
山海堂「内燃機関」1987 年 7 月号
舶用機関学会誌 Vol.22, No.11
小特集「エンジンメカトロニクス」発行
(1987)
親委員会「中小形ディーゼル機関研究委員会」 → 「ディーゼル機関研究委員会」に改称
日本ウッドワードガバナ 本社(成
・講演「電子ガバナーの技術現状と動向について」 日本 WWG・林 直司氏
講演・見学
田)
・工場見学
大阪市大 文化交流センター
討論
・「ディーゼル機関の総合電子油圧制御」について検討
・「電装品の自動組み立てロボットにおけるメカトロニクス(特に、アクチュエータ、
日本電装
見学
センサ)」
第 26 回特別基金講演会「船とエンジンのメカトロニクス」を企画・主催
大阪市大 文化交流センター
学会講演会
講演 8 件
最終委員会
「メカトロシステム研究小委員会(委員長:神戸商船大・橋本 武)」:[第3フェーズ] とし、システム信頼性を追加
・橋本委員長から資料「21 世紀における未来船について」により話題提供があ
大阪市大 文化交流センター
講演&討議
り、研究委員会の全般方針を討議
・深江丸Ⅲ世試乗
神戸商船大学 練習船「深江丸」
講演・見学
・「深江丸Ⅲ世のメカトロニクスについて」深江丸機関長・中井 昇氏
・「エキスパートシステムの構築」 CSK・作山 嘉秋氏
大阪市大 文化交流センター
講演
・「モニタリングシステム」:ヤンマー・田守 芳勝氏
・「部品点数と信頼性に関して」:橋本委員長
大阪市大 文化交流センター
講演等
・エキスパートシステムに関するアンケートの集計結果について討論
・「エキスパートシステム『ニイガタ IRUSTEX』」 新潟鉄工・小林氏
大阪市大 文化交流センター
講演
・「エキスパートシステムの構築」;CSK・作山 嘉秋氏
昭和 62 年度
26
(1987)
大阪市大
東野 一郎
27
S62.11
28
昭和 63 年度
29
(1988)
大阪市大
30
東野 一郎
31
S63.04.22
S63.07.01
S63.10.24
H01.01.20
32
昭和 64 年度
(平成元年)
(1989)
神戸商船大
橋本 武
平成 2 年度
(1990)
・講演「グリーンファームのリモート監視システム」ヤンマーディーゼル・田守氏
第 22 回特別基金講演会 「エンジンメカトロニクス」 メカトロニクス研究小委主催
・エンジンメカトロニクスに関するアンケート調査実施
・講演「人工知能(AI)の現状について」 富士通・林 弘氏
・パソコンを用いたクレーンの故障診断、積込み等のデモ
・特許情報:鉄研・永瀬 和彦氏
・講演「ファジイ集合とファジイ制御について」 大阪大学大型計算センター・馬野
元秀氏
・技術館見学
・講演「ディーゼルエンジン用排ガストラップフィルター」 三原 敏弘氏
・講演「超音波モーター」 伊勢 悠紀彦氏
・講演「舶用ディーゼルの電子制御化に関するサイクル論的検討」 大阪工大・由
良 忠義氏
・講演「自動車用ディーゼル機関の制御について」 いすゞ自動車・横田 克彦氏
・エンジンメカトロニクスに関するアンケート結果についての検討
特集「エンジンメカトロニクス」
学会講演会
調査
1
H01.06.23
2
H01.09.05
3
H01.10.30
4
H02.01.22
5
H02.04.16
ii
神戸商船大
橋本 武
6 H02.06.22-23 関西電力 高浜原子力発電所他
7
H02.08.24
ナカシマプロペラ
8 H02.10.15-18 神戸国際会議場
平成 4 年度
(1992)
神戸商船大
橋本 武
平成 5 年度
(1993)
大阪市大
守田 栄之
平成 6 年度
(1994)
大阪市大
守田 栄之
平成 7 年度
(1995)
大阪市大
見学
ISME
H03.01.25
神戸製鋼所 高砂
講演・見学
H03.05.07
大阪市大 文化交流センター
幹事会
10
H03.07.22
シャープ 新庄工場
見学
11
H03.10.09
山武ハネウェル APプラザ大阪
調査報告
12
H03.11.29
大阪市大 文化交流センター
講演会
大阪市大 文化交流センター
大阪市大 文化交流センター
大阪市大 文化交流センター
韓国海洋大学校,現代重工ほか
山武ハネウェル APプラザ大阪
工業技術院(茨城県つくば)
調査報告
幹事会
検討会
日韓交流
報告
見学
9
平成 3 年度
(1991)
神戸商船大
橋本 武
見学
13 H03.01.31
14 H04.03.02
16 H04.04.24
17 H04.6.25-28
18 H04.09.24
19 H04.11.29
・原発訓練センター見学
・原子力発電所(定期保守点検中・炉内含む)見学
・工場見学
・「推進装置におけるメカトロニクスシステム」
・ISME KOBE '90 に参加(OS 座長、講演発表)
・工場見学、保守管理
・「ニューロンコンピュータの基礎と応用」大塚嘉久氏
・太陽電池製造工場見学
・「太陽電池について」
・研究ワーキンググループの報告
・第 31 回特別基金講演会「メカトロニクスシステムとその周辺」(企画・主催)
-自動化,信頼性,安全性,知能化- 講演9件
・研究ワーキンググループの報告
・日韓交流講演会について打ち合わせ
・日韓交流メカトロニクス学術講演会 講演 12 件
・日韓交流メカトロニクス学術講演会報告
・工業技術院研究設備見学
・H5-3 月例講演会 「船舶におけるメカトロニクスシステム」
20 H05.03.05 山武ハネウェル APプラザ大阪
学会講演会
-日韓交流講演会-
講演 6 件(内韓国 1 件)
「メカトロニクス研究小委員会(委員長:大阪市大・守田 栄之)」:委員会名を変更し、ディーゼル機関研究委員会の小委員会として継続
・活動方針等
1 H05.06.25 大阪市大 文化交流センター
31
講演
・「船舶とメカトロニクス」;東京商船大・堀籠 教夫氏
関西電力 総合技術研究所(伊
2 H05.08.27
25
見学会
・関西電力 総合技術研究所見学
丹)
3 H05.10.29-30 今治地区(泊)
29
見学会
・ハリソン電機、日本地下石油備蓄、潮冷熱、渦潮電機
・講演 3 件(ICMES'93 Hamburg 出席報告他);橋本委員長、貝原 正人氏、引間
4 H06.01.28 山武ハネウェルAPプラザ大阪
25
講演
俊雄氏
5 H06.04.15 運輸省 船舶技術研究所(三鷹)
18
講演・見学
・「故障予測法について」 運輸省 船舶技術研究所
6 H06.06.22 大阪市大 文化交流センター
25
講演
・講演 2 件;守田教授、田守 芳勝委員長
7 H06.09.30 大阪市大 文化交流センター
13
・海外(台湾)技術交流会発表論文紹介
・日台技術交流講演会(日本 10 編、台湾 2 編)
8 H06.11.02-06 台湾(基隆、高雄)
14
技術交流会
国立台湾海洋大学(基隆)、国立高雄海事専校(高雄)
・技術交流会;台湾造船(高雄)、成功大学(台中)
・テクニカルセンター見学。
9 H07.06.16 小野測器 テクニカルセンター
14
見学会
・事例紹介「最近の燃焼解析システム及び自動性能試験装置」
・講演「排気ガス規制の動向について」
iii
守田 栄之
「4サイクル中速力ムレスエンジン」佐藤氏
「大型舶用2ストロークメカトロエンジン」馬場氏
海上自衛艦「たかつき」見学
11 H07.11.17-18 日立造船 舞鶴工場
18
見学会
「日立造船のロボット技術」
12 H08.02.23 大阪市大 文化交流センター
20
学会講演会 第 40 回特別基金講演会「舶用メカトロニクスとその周辺技術」
創立 50 周年記念式典、記念国際シンポジウム
特別講演;「MarineDieselEngineContro」守田委員長、
H07.11.02-04 韓国海洋大学校
「Recent High-Speed Diesel Engines for Small Ships and Related Mechatronics」田
守委員
「メカトロニクス研究小委員会(委員長:ヤンマー 田守芳勝)」:委員長交代.ディーゼル機関研究委員会の小委員会として継続
・講演 橋本幹事
13 H08.07.12 神戸商船大
21
講演
:講演「農業機械におけるメカトロニクスの現状」田守委員長
平成 8 年度
・産総研メカトロニクス部門の研究室見学
(1996)
14 H08.10.04 大阪府立 産業総合研究所
19
見学会
・講演「ロボティックについて」浅間氏
ヤンマーディ
・赤阪鐵工所、明陽電機工場見学、焼津漁港見学
ーゼル
15 H08.11.22-23 赤阪鐵工所、明陽電機(焼津市)
12
見学会
第 183 ディーゼル機関研究委員会と合同開催
田守 芳勝
・龍谷大メカトロニクス知能システムグループ研究室見学
16 H09.3.31
18
龍谷大 瀬田学舎
講演・見学会 ・講演「遠隔操作とロボット技術」岩本教授
・講演「ニューラルネットワークによるシステムの知能化」堤助教授
・オムロン草津事業所見学
17 H09.08.29 オムロン 草津工場
14
見学会
・講演「金融機器のメカトロニクス」
平成 9 年度
(1997)
・日立造船 有明工場見学
18 H09.12.05 日立造船 有明工場
17
見学会
ヤンマーディ
・講演「日立造船の溶接ロボットについて」宮脇氏
ーゼル
・「航海操船シミュレータ」
田守 芳勝
19 H10.03.06 神戸商船大(深江)
講演・見学会 ・「パターン認識による自走ロボットについて」神戸商船大・山本助手
・「小形舶用におけるメカトロニクス」ヤンマーディーゼル・田守氏
・新鋭エンジン組立工場の自動化設備に関する講演、見学
20 H10.09.11 ヤンマーディーゼル びわ工場
講演、見学
ディーゼル機関研究員会と合同開催
平成 10 年度
(1998)
フルノ・ラボテック・インターナショ
・EMC,EMI の測定装置と設備の見学
21 H10.10.23
13
講演、見学
ヤンマーディ
ナル(西宮)
・「EMC の規制の動向(実際とその対応)」
ーゼル
・車両や福祉関連分野におけるメカトロニクスの現況見学
田守 芳勝
22 H11.03.19 ナブコ 技術開発本部
17
見学
・講演「マグレブ用ランディングギアの紹介」小路氏
・講演「高圧注水装置の紹介」加藤氏
22 H11.5.28
18
神戸商船大学
技術講演
・講演「ディーゼルエンジンの保全性とアベラビリティ」海技大学校・城戸氏
平成 11 年度
※ 上記の委員会から委員長片木先生、若手幹事団による運営となった。
(1999)
23 H11.7.21
24
寺崎電機産業
技術見学会 舶用コントロールパネルの製造
神戸商船大
24 H11.12.3
20
運輸省海技大学校
技術見学会 操船シミュレータを初めとする船員教育関連設備
片木 威
25 H12.2.15
50
神戸商船大学
講演会
有害排気ガス低減技術 3 題(D 委員会合同)
10
H07.10.02
大阪市大 文化交流センター
24
講演会
iv
フルノ電気
運輸省船舶技術研究所 大阪支
所
28
H12.11.16
松下電機産業
20
H12.12.8
神戸国際会議場
15
技術講演会
30
H13.3.1
神戸商船大学
24
技術講演会
31
H13.6.1
ダイヘン 本社工場
23
技術講演と
見学会
26
H12.5.19
27
平成 12 年度
(2000)
28
ナブコ
29
岸本 功
H12.7.19
24
見学と講演
設備見学と
話題提供
平成 13 年度
(2001)
32
ナブコ
岸本 功
33
34
H13.9.28
大阪府立大学 工学部
25
講演と見学
H13.10.31
H14.2.27
韓国釜山コンベンションセンター
神戸商船大学
8
26
講演会
月例講演会
35
H14.3.27
神戸商船大学
41
講演会
大阪産業大学 工学部
エスペック 福知山工場
20
21
見学と講演
見学と講演
弓削商船高専
19
見学と講演
見学と講演
自由討論と
講演
36 H14.5.24
平成 14 年度
37 H14.7.12
(2002)
大阪産大
H14.9.27~
服部 廣司
38
28
39
H14.12.6
西芝電機 網干工場
19
40
H15.1.31
神戸商船大学
25
平成 15 年度 41
(2003)
大阪産大
42
服部 廣司
43
平成 16 年度
44
(2004)
大阪産大
服部 廣司
45
H15.9.5
H16.2.6
大阪産業大学 梅田サテライトお
よびケーイーアイ
JARI
神戸商船大学
H16.7.2
神戸大学
26
ミニ講演会
H16.10.1
ナカシマプロペラ
20
見学会と話
題提供
H15.6.20
20
見学と講演
13
23
見学
月例講演会
v
「GPSの現況と基礎」林忠夫氏
「ニ酸化炭素の深海貯留技術」
「船舶における EMC について」
電機製品のリサイクル工場見学
講演「環境保全への取組みについて」
月例講演会(ディーゼル委員会第 200 回記念)「燃料・燃焼・排気の制御」
・「メカトロエンジンについて」船舶技研・西尾澄人氏
・「小型船のメカトロ」原田氏
・「船舶における重大故障と統計分析」城戸八郎氏
「新しいロボットの技術」ダイヘン・笠松氏
大阪府立大学 武田教授研究室見学
講演「省エネルギーに貢献する高効率モータの現状と将来」大阪府立大学・武田
洋次教授
ICME2001 國際メカトロ技術交流会 韓国舶用機関学会学術講演会
ディーゼル機関の最近の電子制御技術 4題(D 委員会主催)
橋本教授退官記念講演会
1.「舶用機関の信頼性への低減」橋本教授 2.「海水電解法による排ガス低減」
西田教授 3.「福祉分野のメカトロ技術」岸本氏 4.「回転系の適応速度制御」 河
注植教授
「VR 進化的学習ロボットについて」竹口助教授
「環境試験・複合環境信頼性試験」福本工場長
練習船「弓削丸」見学
講演「弓削丸機関室シミュレーターによる最適コースの選択」松下邦幸
講演「PDA を用いた機関室巡回支援システム」長尾和彦
講演「力覚ディスプレイによるバーチャル腕相撲対戦システム」山田貴志
「大型軸発電機の動向」 板谷 均氏
講演「世界海事大学に赴任して」引間教授
講演:「磁気浮上と磁気軸受について」小豆澤教授
「船内LANや舶用の世界におけるCANおよびマイコン通信プロトコルの実情な
どコンピュータの通信手法について」KEI・中川社長
JARI(財団法人 日本自動車研究所)の見学
「メカトロニクスのセンサー技術」
1)「海洋リモートセンシングの研究」神戸海事科学部 香西教授
2)「ディーゼル主機関のデータギャザリングとその活用」大島商船高専 三原教
授、湘洋エンジニアリング・丸山氏
ナカシマプロペラ本社工場見学
話題提供「推進装置のメカトロニクス」
月例講演会
(D委員会
主催)
46
H16.11.26
神戸大学
22
47
H17.1.28
神戸大学
31
48
49
H17.5.27
H17.9.22
産業総合研究所(池田市)
関西電力(尼崎市)
14
16
H17.11.25
神戸大学
27
月例講演会
(D委員会
主催)
神戸大学
大阪府立産業技術総合研究所
(産技研)
11
討論会
18
見学会
H18.9.22
神戸大学
13
ミニ講演会
H19.2.2
大阪市大 文化交流センター
19
講演会
55
H19.3.13
神戸大学工学部
20
見学会ミニ
講習会
56
H19.7.27
岡山大学
21
見学会
H19.10.5
H19.11.30
本多電子工業
堀場製作所
22
23
見学会
見学会
H20.3.7
川重テクノサービス
24
見学会
H20.7.4
島津製作所
25
見学会
松下電工
日本無線
神戸大学 海事科学部
名城大学
東京エコリサイクル
大同大学
大阪市大 文化交流センター
IMV(株)
26
27
28
29
30
31
32
33
見学会
見学会
講演会
見学会
見学会
見学会
講演会
見学会
平成 17 年度
(2005)
大阪産大
50
服部 廣司
51
H18.3.4
52
H18.7.14
平成 18 年度
53
(2006)
大阪産大
54
服部 廣司
平成 19 年度
57
(2007)
神戸大
58
小豆澤 照男
59
平成 20 年度 60
(2008)
61
神戸大
62
小豆澤 照男
63
平成 21 年度 64
65
(2009)
神戸大
66
小豆澤 照男 67
平成 22 年度 68
H20.9.26
H20.11.28
H21.1.23
H21.7.10
H21.10.2
H21.11.27
H22.3.11
H22.7.30
ミニ講演会
(D委員会
と合同)
見学と講演
見学と講演
「メカトロニクス技術-その 2- 1.「エンジン制御センサ技術」日立製作所・嶋田
智氏 2.「電子ガバナーのメカトロニクス」日本ウッドワードガバナー・林芳幸氏 3.「ディーゼル
機関のセンシングと活用」湘洋エンジニアリング・丸山泰夫氏 4.「環境試験装置と信頼
性」エスペック・泉 重郎氏
(1)「風力発電と地球温暖化問題」寺崎電気OB・村井和三郎氏
(2)「ハイブリッド発電システムの新制御法」神戸大学海事科学部・山本助教授
「人工筋肉」
「電力設備の信頼度維持向上への取り組み」
「メカトロニクス技術-その 3- 1)「自動車用マイコンの特徴と動向」ルネサステク
ノロジ・有園武志氏 2)「自動車用ワイヤハーネスの開発動向」矢崎総業・山路茂
夫氏 3)「メカトロニクスの制御設計(PID~ロバスト制御)」大阪市立大・瀧山武氏
4)「メカトロニクスシステムの実施例と今後の展望」ナブテスコ・前田隆義氏
「舶用のメカトロニクスの動向と課題」
(1)「三次元摩擦撹拌接合システム」 産技研・谷口正志氏
(2)「歩行支援器用段差乗越え技術の研究」 産技研・朴忠植氏
(1)「センサとアクチュエータに関する研究開発の動向」 神戸大学・小豆澤教授
(2)「海洋汚染とバラスト水の排出規制」 KEI・中川司氏
マリンエンジニアリング学会主催第 50 回特別基金講演会「自動車と船のエンジン
メカトロニクスの現状と今後」に協賛開催
「レスキューロボット、歩行ロボットの最新動向」 神戸大学・大須賀公一教授
岡山大学 鈴森研究室見学
講演「メカトロニクス用小型アクチュエータの研究」 岡山大学・鈴森教授
本多電子工業(株)超音波技術と魚群探知機等の応用製品
車載用有害排気ガス分析装置、ガスセンサ 生産工程の見学とミニ講演
船舶に関連するシステム制御技術と化学・環境分析の技術講演と分析装置の見
学
島津製作所 分析計測事業部 応用技術部京都アプリケーション開発センター
試験計測器:材料試験機/粉体測定機器 産業用X線装置
松下電工 解析センターと松下記念館
日本無線・三鷹工場
神戸大学海事科学部・小豆澤委員長退職記念講演
名城大学理工学部辰野研究室ロボット関係制御システム
東京エコリサイクル株式会社 電子機器のリサイクル・都市鉱山
大同大学先端機械工学部堀研究室 燃料電池の開発状況
ISME_BUSAN_2009 発表報告3テーマ
加振機等信頼性試験装置に関するミニ講演と見学
vi
(2010)
神戸大
山本 茂広
大阪市大 文化交流センター
13
講演会
H22.11.19
GS ユアサ
17
見学会
71
H23.3.18
神戸大
10
講演会
72
平成 23 年度 73
(2011)
74
神戸大
山本 茂広
75
H23.7.22
H23.9.22
渦潮電機(今治市)
情報通信研究機構 神戸研究所
12
10
見学会
見学会
H23.11.18
大阪大学
10
見学会
H24.4.27
神戸大学 海事科学部
13
講演会
H24.7.20
ナブテスコ 西神工場
15
見学会
69
H22.9.2
70
76
平成 24 年度
77
(2012)
神戸大
78
山本 茂広
79
H24.9.28
関西電力 堺港発電所
11
見学会
H24.11.16
H25.3.8
21
16
見学会
講演会
80
H25.6.28
三菱電機 名古屋製作所
神戸大学
ヤンマー びわ工場とミュージア
ム見学
14
見学会
H25.9.27
鉄道総合技術研究所
13
見学会
H25.11.15
大阪市 消防局
11
見学会
H26.3.7
神戸大学 海事科学部
14
講演会
H26.9.12
大型放射光施設 SPring-8
音羽電機工業・長谷川電機工業
雷テクノロジセンター
11
見学会
15
見学会
H27.1.23
日立造船 有明工場
17
見学と講演
H27.3.13
神戸大学 海事科学部
オムロンコミュニケーションプラザ
京セラファインセラミック館
ヤンマー本社新社屋ビルと
リモートサポートセンター
19
委員会
15
見学会
13
見学と講演
14
見学と講演
平成 25 年度
81
(2013)
神戸大
82
山本 茂広
83
84
平成 26 年度
85
(2014)
神戸大
86
山本 茂広
87
88
H26.11.13
H27.7.10
平成 27 年度
89
(2015)
神戸大
山本 茂広
90
H27.11.13
ヤンマー 尼崎工場
91
H28.3.18
大阪市大 文化交流センター
H27.9.11
委員会
vii
1)「原子力発電用非常用ディーゼルエンジンの監視及び故障診断システム」韓
国海洋大学校理工学大学教授・柳吉洙(Keel-Soo RHYU)氏 2)「遠隔監視シス
テムの紹介」ヤンマー エレクトロニクス開発センター・井元誠次氏
自動車電池工場見学と リチウム電池関連ミニ講演会
神戸大学海事科学部 山本研究室見学
講演「画像計測の基礎と応用例」山本准教授
船舶における配電盤、制御盤、監視盤
バイオ・ナノ ICT 等、情報通信技術の研究開発
大阪大学産業研究所 知能アーキテクチャ研究分野 大学院情報科学研究科
情報数理学専攻 沼尾研究室
神戸大学海事科学部
講演「高周波共振形電力変換技術の動向」神戸大学・三島准教授
「舶用主機遠隔操縦装置、舶用主機制御装置(電子化エンジン)」
関西電力 堺港発電所 PR 館、火力発電所、太陽光発電所
大規模太陽光発電所・メガソーラー
駆動製品/ロボット(サーボ、インバータ、モータ、NC、ロボット等)
研究室見学、講演「人工衛星による測位の現状とその応用」神戸大・河口教授
ヤンマー制御関連製品の紹介 ・小形ディーゼルエンジン生産ライン ・ヤンマ
ーミュージアム
鉄道総合技術研究所見学(リニア模型・リニア車両、ハイブリッド LRV、HILS 実
験棟、車両試験台、ブレーキ実験棟)
大阪市水上消防署設備、消防局総合指令室見学、木村署長講演
「遠隔地触覚情報通信のためのバイラテラル制御技術の紹介」神戸大学海事科
学部・元井 直樹講師
大型放射光施設 SPring-8 と X 線自由電子レーザー施設 SACLA
大電流試験設備、高電圧試験装置、耐電圧試験装置、高圧模擬配電設備、雷
ミュージアム
「2サイクルエンジンのメカトロニクスの最新動向」日立造船・馬場真二氏
「今後の船内コンピュータシステム」KEI システム・中川 司氏
メカトロニクス小委員会 30 年の振り返りと今後の運営について
・社会の課題にソリューションで応えるオムロンの事業・技術
・ファインセラミック技術の発展
・ビルの省エネ設計技術(ゼロエミッションビル)の現状
・農業機械等の隔監視技術の現状
・EUP 式電子制御機関の紹介:ヤンマー・北川氏
・SCR システムの紹介・ヤンマー 早田氏
小委員会の総括(32 年の委員会を振り返って)
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