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東南アジアの自然災害

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東南アジアの自然災害
東南アジアの自然災害
2014年4月
Interisk Asia Pte Ltd
1
東南アジアの自然災害の概況
各国の自然災害リスクのイメージ
自 然 災 害
洪水
暴風
雤
地震
津波
干ばつ
森林火災
熱波
寒波
霜
ひょう
シンガポール
○
○
△
△
△
△
インドネシア
◎
◎
◎
◎
△
△
マレーシア
○
○
○
○
△
△
タイ
◎
△
△
△
△
△
フィリピン
◎
◎
◎
○
△
△
ベトナム
◎
◎
○
△
△
△
(南アジア)
インド
◎
◎
◎
◎
△
△
(豪州)
オーストラリア
◎
◎
◎
◎
◎
◎
ニュージーランド
◎
◎
◎
○
○
○
地域
東南アジア
国名
2
洪水リスク ~タイ①~
~ 日本貿易振興機構(JETRO)のHP ~
【被害状況】
○死者:752人、行方不明者:3人
○洪水発生県:44県(全75県中)
○浸水エリア:合計約18,000km2
(クェートの国土面積あるいは四国or岩手県)
浸水被害
境界線
【工業団地の被害状況】
○洪水発生工業団地
(7ヶ所:入居全804社のうち日系企業約449社)
○一部浸水が発生した工業団地
(1ヶ所:入居全83社のうち同20社)
○警戒を要する工業団地
(5ヶ所:入居全820社以上のうち同177社以上)
警戒発令
3
洪水リスク ~タイ②~
チャオプラヤ川の流域
~ 2011 年 大洪水発生の要因 ~
・雤季の長引く大雤(台風が多く、月平均降雤量が
平年の1.5倍の地域もあり)
・森林伐採・乱開発による上流の保水能力低下
・上流のダムからの放水のタイミング
・下流、都市部の運河整備の遅れ
・運河の堤防を巡る政府と住民との抗争
・地下水の汲み上げ過ぎによる地盤沈下
・タイ湾の潮位の上昇傾向
アユタヤ
海抜4-5m
距離:約100km
高低差:2-3m程度!
バンコク
海抜1-2m
2012-13年もバンコク一部地域
や一部の主要工業団地で冠
水はあったものの、大規模な
洪水被害には至らず!
〔出典:ウィキペディア〕
4
洪水リスク ~タイ③~
政府による洪水対策
<短期的対応>
チャオプラヤ川の洪水対策マスタープラン(JICA主導)を当初採用、現行プラン見直しを実施中。
- 構造物対策:河川改修、放水路、既存堤防の嵩上げ、拠点防御の輪中堤、流域遊水効果の保全
- 非構造物対策:貯水池の効果的運用、氾濫原管理、流域管理、組織強化
<長期的対応>
国内全25河川を対象とした治水対策のインフラ整備の国際コンペを実施、中国・韓国・タイの企業が
落札。その他、過去から計画されている継続的な取組の代表例は以下のとおり。現状を見る限り何
れも大きな進捗は見られない。
- King’s Dike(北部からの洪水流からバンコクを守る外周堤)
- バンコク東部の洪水対策(バンパコン川への排水ルート整備)
- バンコク西部の洪水対策
“King’s Dike”
南側は一般の道路!
5
洪水リスク ~タイ④~
工業団地による洪水対策
<外周堤防の増強>
浸水被害を受けた全7工業団地では、外周全体を取り囲む堤防を新設・増強済あるいは実施中。
①ロジャナ工業団地 : 地上高3.8m(海抜6.05m)<2011年 浸水深3.0m>
〔出典:同工業団地HP〕
②ナワナコン工業団地 : 地上高4.0m(海抜5.4m)<2011年 浸水深3.5m>
- 周囲を小刻みに囲む
- 過去の浸水深+0.5m
以上が目安
⇒ 各企業での自衛
対策が重要!
6
洪水リスク ~インドネシア①~
~ ジャカルタの洪水リスク ~
毎年のように洪水が至る所で発生し、過去「5-6年周期」で広範囲に大洪水が発生、特に2007年は過去最大
の被害。2012-14年もジャカルタ中心部および近郊の市街地・工業団地で比較的大規模な被害が発生。
 平均海抜7mの平坦な低地、特に北部地域を中心に首都全体の約40%は海抜0m地帯。異常気象による
海面上昇、地盤沈下の影響大。
 都内27水系13主要河川は、南の丘陵地帯から北のジャカルタ湾に注いでいる。上流の南部地域の沼地の
開発により保水能力が低下、雤期における水量の増加傾向も著しい。都内の運河の整備・清掃管理も不
十分であり、大潮が重なると集中豪雤による内水氾濫も起こりやすい。
 運河整備等のプロジェクトを数々抱えて進行中ではあるが、何れも遅れ気味あるいは完成しても実際に
効果が表れていないのが実情。
【ジャカルタの歴史的な洪水】
発生年
2007 年
2002 年
1996 年
以前
被害状況
-
都内の約 70%が浸水(45,480ha)、最大浸水深 4-5m
-
死者 48 人、42 万人以上が避難
-
被害総額:USD1.0-1.2 B
-
都内の約 30%が浸水(16,778ha)、最大浸水深 3m
-
死者 32 人、4 万人以上が避難
-
被害総額:USD500-700M
-
死者 10 人
1942 年、1918 年、1854 年、1714 年、1699 年に広域的な洪水発生の記録あり。
7
洪水リスク ~インドネシア②~
ジャカルタおよび周辺地域の浸水実績と洪水危険度
【洪水危険度マップ】
【浸水実績マップ(2002年,2007年)】
8
洪水リスク ~インドネシア③~
インドネシアにおける近年の主な洪水被害
発生年月
場所
概要
1996/02
ジャカルタと周辺
集中豪雤(2日間で216mm)による洪水が発生。
2000/11
スマトラ島
局地的な豪雤により、洪水や地滑りが相次ぐ。死者・行方不明者207名。
2001/02
西ジャワ州
豪雤が続き洪水や地滑りにより94人が死亡。
2001/02
東ジャワ州
豪雤が続き住宅数千棟と数百haの田畑が冠水。
2002/02
ジャカルタと周辺
長期間にわたる豪雤(10日間で400mm超)による洪水が発生。市内各所が浸水した。
2003/11
北スマトラ州
ボホロック郡で大規模洪水が発生、170人以上死亡。
2005/06
カリマンタン島
集中豪雤による洪水や地滑りなどにより20人以上が死亡、4万人が避難。
2006/01
ジャカルタの東方
豪雤による洪水と地滑りによる死者数は63人。
2006/06
南スラウェシ州
集中豪雤による洪水や地滑りなどにより200人以上が死亡。
2006/12
スマトラ島
豪雤により大洪水が発生し、死者90人以上、約30万人が避難。特にスマトラ島北部
のアチェ州では被害が甚大で60人が死亡。
2007/02
ジャカルタ東部
2週間にわたる豪雤により洪水が発生。死者は20人以上に上り、約19万人が避難。
2010/10
東部
(ニューギニア島)
降り続いた大雤で洪水発生、91人が死亡、150人以上が負傷、約100人が行方不明。
濁流で橋が倒壊、道路が土砂で覆われて救助活動は難航。
2012/01
ジャカルタと周辺
豪雤が続き洪水発生、4.5万人が避難、40人以上が死亡。
2013/01
ジャカルタと周辺
豪雤が続き2-3mの洪水発生、3万人以上が避難、7人が死亡。
出典:報道機関HP、Risk(損害保険料率算定会) 等
9
洪水リスク ~フィリピン①~
【フィリピンの工業団地】
地域的なリスクは…
マニラから南側は、タガイタイ高原(標高約700m、タール火山)に向かって丘陵地帯が続く。主要工業団地は
ある程度の標高、スロープがあり、河川があっても低い場所を流れているため、全般的にリスクは高くない。
一方、北側は平坦な地域が広がり、河川の氾濫地域も多く、全般的にリスクが高い。
10
洪水リスク ~フィリピン②~
~ マニラの洪水リスク ~
毎年多くの台風が発生、一部ルソン島に上陸、甚大な洪水被害をもたらす。2012年8月の台風9号(サオラー)
では、マニラの半分以上の地域が最大3mも浸水、首都機能が麻痺状態。近年では2009年9月の台風16号
(オンドイ)により記録的な洪水が発生(下図参照)。
 メトロ・マニラは海抜30m以下の低湿地帯であった沼地を都市開発。水はけが悪く、集中豪雤で道路の至
る所が水没、特に旧市街は海に近く、土地が低いため洪水が起こりやすい。
 旧市街を中心に下水道の普及率も低く、代わりに張り巡らされているオープン式の排水路が、雤季になる
と溢れ出して洪水発生の原因となる。排水路はマニラ湾に注ぐ河川につながっているが、満潮や大潮では
排水が逆流、オーバーフロー。河口堰、水門、ポンプステーション等の治水計画も整備途上。
11
洪水リスク ~フィリピン③~
マニラの浸水実績と危険度
過去2回の大洪水では、2012年はメトロ・マニラの約50%が最大3m、2009年は約80%が最大6mも浸水。
周辺も含めた大部分が過去に浸水歴がある、あるいは浸水危険のある地域に該当。
【浸水実績マップ(2012年8月8日時点)】
【洪水危険度マップ】
〔出典:nababaha.com〕
12
洪水リスク ~ベトナム①~
メコン河流域と工業団地の分布
ハノイおよびバクザン省
(タンロンⅠⅡ工業団地等)
ホーチミン
【出典:国土交通省国土地理院】
13
洪水リスク ~ベトナム②~
ベトナムにおける近年の主な洪水被害
発生年月
場所
概要
2007/10
中部
暴風雤による洪水が発生。死者は114人にのぼった。
2008/08
北部
北部に襲来した熱帯低気圧カムリがもたらした豪雤と暴風により、洪水や
土砂災害等が発生し、死者133人、行方不明者34人、倒壊家屋990棟、被
害総額115万USドルに及ぶ被害が発生した。
2008/11
中部・北部
雷を伴った激しい雤が降り、各地で洪水被害が発生。死者は尐なくとも49
人、家屋浸水は10万戸以上。
2009/07
北部
大雤による洪水、地滑り発生。死者22人、倒壊家屋19軒、浸水家屋509軒。
2010/10
中部
台風Megiにより、洪水及び土砂崩れが発生。死者約150人、堤防崩壊約27
キロメートル、養殖場の浸水約2.4万ha。
2011/10
南部
メコンデルタで発生した洪水で尐なくとも24人が死亡。浸水世帯は57,175棟、
冠水した水田は約2.3万ha。被害規模は約35億円と推定。
2012/09
中部・北部 豪雤により29人が死亡、2人が行方不明。
2013/11
中部・北部 スーパー台風30号「ハイエン」で90万人以上が避難、6人が死亡。
2013/11
中部
台風31号の大雤で31人が死亡、7万人以上が避難。ダム放水の被害も大。
出典:報道機関HP、Risk(損害保険料率算定会) 等
14
洪水リスク ~ベトナム③~
国内最大規模/タンロン工業団地の洪水リスクの概要
ホン川(紅河)
ホン川の洪水対策:堤防(+3.5m)、緩衝地帯、
水門・放水路の整備
工業団地内の対策:地盤高(+2.3m)、排水溝・
調整池・ポンプ場の整備、ソフト面の充実
⇒ 政府方針(上流農村地域での放流・冠水、
ダム開放)に大きく左右される…
〔出典:タンロン工業団地HP等〕
15
洪水リスク ~マレーシア①~
“Affected areas by Malaysia Flood”
(THE STRAITS TIMES <2013/12/05>より)
~ クアンタンで過去最悪の洪水被害! ~
・昨年12月初旬より、パハン州、クランタン州、
トレンガヌ州、ジョホール州を中心に、雤季
(11-3月の北東モンスーンシーズン)の豪雤
により、過去最悪の洪水が発生。
・特にパハン州では、州都クアンタンを中心に
広範囲にわたって浸水被害が発生。市街地
では浸水深が1m、数千棟の家屋が浸水、2
万人以上の住民が避難。
今年に入り打って変わって渇水が続い
て給水制限となる異常事態が発生!
⇒ 「マレーシア首都圏で給水制限の
対象エリアを拡大、360万人に影響」
( Response.jp 3/10 ニュースより)
16
洪水リスク ~マレーシア②~
~ 近年の特徴 ~
◆雤季の局地的な集中豪雤が顕著で、河川氾濫による洪水により、毎年のように各地で被害が発生。
◆気候変動による降雤量および降雤パターンの変化に伴い、洪水・土砂災害の経済的損失が今後益々
拡大することが懸念。
◆乱開発により従来の下水・排水溝の設備が機能し切れない、あるいは下水道設備のメンテ不備による
冠水事故も雤季を中心に多発。
◆クアラルンプールを始め、ペナン州、ケダ州、セランゴール州もここ数年、集中豪雤による洪水が発生。
マレーシア主要地域と東京の月別平均降水量 (mm)
地域名
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
クアラルンプール
159
154
223
276
182
119
120
133
イポー
132
150
170
259
211
152
157
158
ペナン島
70
93
141
214
240
170
208
ジョホールバル
156
138
203
233
222
152
コタキナバル
133
63
71
124
218
クチン
683
522
339
286
東京
45
60
99
125
9月
10月
11月
12月
258
263
223
216
297
275
251
235
341
380
246
107
178
188
192
221
242
247
311
277
256
314
334
296
241
253
199
199
211
271
326
343
465
138
185
126
147
180
164
89
46
173
17
洪水リスク ~マレーシア③~
マレーシアにおける近年の主な洪水被害
発生年月
場所
2006/12
ジョホール州
洪水により7万人以上が避難、7人が死亡。
2007/12
ジョホール州
広範囲で洪水が発生、ジョホールバル、セガマット、バトゥパハ、コタティンギ、ク
ルアン等、3000人以上が避難。コタティンギではジョホール川が氾濫。
2009/11
ペラ州・クランタン州
2010/11
北部
2011/01-02
2011/12
概要
クランタン州とペラ州で洪水が発生し、一時合わせて4,000人以上が避難。
洪水により数万人の住民が避難。隣国タイとの鉄道も中断。
ジョホール州
洪水により約4万人が避難、3名が死亡。3河川が氾濫。セガマットはライフライ
ンが断絶。クルアン等は土砂崩れでマレー鉄道運休。
ネグリ・
センビラン州
タンピン、ジェンポル、クアラ・ピラ、レンバウ、ゲマス地区の住民が避難、低地の
住宅等が浸水。ゲマス地区の数カ所の道路が閉鎖。
マラッカ州
ジャシンやアロー・ガジャ地区で道路が閉鎖。洪水による死者1名。
パハン州
ラウブ、ロンピン、ベントン、マランの500人以上が避難。2メートル以上浸水した
道路もあり、数カ所の道路が全面通行止め。
サバ州
東海岸では3日間降り続いた雤の影響でコタ・メルドゥ、ベルラン、サンダカン、
ピタス地区の約4千人が避難。
各地
KLやセランゴール州の各地で暴風を伴う雷雤が起き、ケポンやバンダル・メン
ジャララ、ハルタマスなどで洪水が起きるなど、大きな被害が出た。
セランゴール州やマラッカ、サラワク、ジョホール、ペラ州でも洪水警報が出され、
7カ所に設けられた避難所におよそ900人が避難。
出典:報道機関HP、Risk(損害保険料率算定会) 等
18
洪水リスク ~シンガポール①~

近年の洪水氾濫被害(2010年)
〔出典:The Straits Times<June 2010>〕
-
過去30年間で最悪の損害
合計降水量101mm(6月1ヶ
月間の約60%)
集中豪雤によりオーチャード
ロード等の中心部の大通り
が3時間で冠水、ビルの店舗、
地下駐車場も浸水被害大
今年に入ってから殆ど雤が降らず、
2月は 145年ぶりの尐雤、先週あたり
からようやく本格的な降雤あり。
19
洪水リスク ~シンガポール②~

Flood prone areas in Singapore (以下、PUB/National Water AgencyのHPより)
No / Location
1. Hong Kah area
2. Second Chin Bee Road
3. Boon Lay Drive/Boon Lay Way
4. Old Lim Chu Kang / Jalan Murai
5. Commonwealth Ave / Commonwealth Drive / Queensway
6. Jalan Mat Jambol
7. Neo Pee Teck Lane/ Pasir Panjang
8. Nee Soon Road
9. Admiralty Road West near Sembawang shipyard
10. Clover Park Estate

Hotspots in Singapore
No / Location
1. Tengah Flyover exit 35 toward KJE
2. Wan Lee Road
3. Alexandra Rd/ Pasir Panjang Rd/ Telok Blangah Rd junction
4. PIE, Anak Bukit Flyover (near exit 26A)
5. PIE, Anak Bukit Flyover (near exit 26B)
6. Dunearn Road from Wilby Road to Blackmore Drive
7. Cuscaden Rd / Tomlinson Rd junction
8. Orchard Road/ Claymore Drive Junction
9. Orchard Road/ Scotts Road Junction
10. Napier Rd/ Tanglin Rd Junction
Flood Gate (Forum)
Projects underway to protect Singapore against floods
20
暴風雤リスク

熱帯低気圧(台風・サイクロン)の危険度
(Munich Reinsurance Company社/World of Natural Hazardsより)
21
暴風雤(台風)リスク ~フィリピン①~


過去の台風による死亡者数ワースト5
台風名称(()内はアジア名)
発生時期
死亡者数
①
HAIYAN (Yolanda) <台風30号>
2013年11月4日-11日
死者
:6,000人超
行方不明:約2,000人
②
URING (Thelma)
1991年11月2日-7日
5,101人
③
NITANG (Ike)
1984年8月31日-9月4日
1,363人
④
SENDONG (Washi) <台風21号>
2011年12月16日-17日
1,257人
⑤
TRIX
1952年10月16日-23日
995人
過去の台風の最大瞬間風速トップ5
台風名称(()内はアジア名)
発生時期
最大瞬間風速
観測場所
① HAIYAN (Yolanda)
2013年11月4日-11日
105m/秒
中部
② REMING (Durian)
2006年11月26日-12月1日
88.9m/秒
ビラク
③ SENING (Joan)
1970年10月11日-15日
76.4m/秒
ビラク
④ ROSING (Angela)
1995年10月30日-11月4日
72.2m/秒
ビラク
⑤ ANDING (Irma)
1981年11月21日-27日
72.2m/秒
ダエト
22
暴風雤(台風)リスク ~フィリピン②~

観測史上最大級のスーパー台風30号(ハイエン)
詳細ベストトラック/中心気圧時系列グラフ
(時間=経路図:UTC世界協定時 / 経路データ:JST)

【高潮の危険な場所/湾地形】
レイテ島タクロバンの高潮
被害拡大の要因
【吸い上げ効果】
【吹き寄せ効果】
(以上、国土交通省HPより)
23
地震リスク

地震の危険度と火山の分布
(Munich Reinsurance Company社/World of Natural Hazardsより)
24
地震リスク ~インドネシア①~

過去の主な地震(その1)

歴史的に多くの大地震が発生。マグニチュード6を超え、死者が記録された主な地震は次表のとおり。
カリマンタン(ボルネオ)島を除くインドネシアの全域にわたり、犠牲者を伴う大地震が相次いで発生し
ていることが分かります。
発生年月日
発生場所
エリア
マグニチュード
死者・不明者
不明
1,500
1917.01.20
Bali
バリ島
1965.01.24
Sanana
スラウェシ島・東
7.6
71
1976.06.25
Papua
ニューギニア
7.1
5,000
1992.12.12
Flores
スラウェシ島・南
7.8
2,500
2000.06.04
Southern Sumatra
スマトラ島沖
7.9
103
2002.10.10
Irian Jaya
ニューギニア
7.6
8
2002.11.02
Northern Sumatra
スマトラ島沖
7.4
3
2003.05.26
Halmahera
スラウェシ
7.0
1
2004.02.05
Irian Jaya
ニューギニア
7.0
37
2004.11.11
Kepulauan Alor
スラウェシ島・北東
7.5
34
2004.11.26
Papua
ニューギニア
7.1
32
2004.12.26
Sumatra-Andaman Islands
スマトラ島沖
9.1
227,898
25
地震リスク ~インドネシア②~

過去の主な地震(その2)
発生年月日
発生場所
エリア
マグニチュード
死者・不明者
2005.03.28
Northern Sumatra
スマトラ島沖
8.6
1,313
2006.03.14
Seram
ジャワ
6.7
4
2006.05.27
Java (ジョグジャカルタ)
ジャワ島中部
6.3
5,749
2006.07.17
South of Java
ジャワ
7.7
730
2007.01.21
Molucca Sea
スラウェシ島・東
7.5
4
2007.03.06
Southern Sumatra
スマトラ島沖
6.4
67
2007.09.12
Southern Sumatra
スマトラ島沖
8.5
25
2007.11.25
Sumbawa Region
ジャワ島・東
6.5
3
2008.02.20
Simeulue
スマトラ島沖
7.4
3
2008.11.16
Minahasa, Sulawesi
スラウェシ
7.4
6
2009.01.03
North Coast of Papua
ニューギニア
7.6
5
2009.09.02
Java
ジャワ
7.0
72
2009.09.30
Sumatra
スマトラ島沖
7.6
1,100以上
2010.10.25
Sumatra
スマトラ島沖
7.7
576
26
地震リスク ~ベトナム①~

地震マップ・津波危険想定区域
ゾーン 2
ゾーン 1
ゾーン 0
(Munich Reinsurance Company社/World of Natural Hazardsより)
- ゾーン0:震度3の地震が475年に1回発生する程度(日本の震度に置き換え)
- ゾーン1:震度4~5弱の地震が475年に1回発生する程度
- ゾーン2:震度5弱~5強の地震が475年に1回発生する程度
ベトナムでは、M6.6-7.0クラスの地震が80年に1回、M5.1-6.0クラスの地震が3年に1回発生
27
地震リスク ~ベトナム②~

活断層図
赤線:活断層(※特に、中国南部から南東方向に伸びる「レッドリバー断層」が有名。近年の研究では、
ハノイに被害を与えるような大規模な地震が発生する可能性も示唆)
赤丸:過去の震源と地震の大きさ(マグニチュード)
28
地震リスク ~ベトナム③~

津波被害想定
29
地震リスク ~マレーシア①~

地震マップ・津波危険想定区域
(Munich Reinsurance Company社/Globe of Natural Hazardsより)
30
地震リスク ~マレーシア②~

津波被害履歴
1816年5月1日
ペナン
1837年9月29日
クアラルンプール
2004年12月26日
【スマトラ島沖地震(2004年)によるマレーシアでの津波被害】
State
Dead
Missing
Injured
Penang
52
5
Kedah
12
Perak
Damaged
Homes
Boats
205
615
1332
-
92
900
n/a
3
1
3
20
n/a
Selangor
1
-
-
-
-
Total
68
6
300
1535
1332
(POHD.* Data provided by control Centre, Royal Malaysian Police HQ, Jan, 2005 )
[* POHD: The Penang Office for Human Development]
31
地震リスク ~タイ①~

地震の特徴と近年の地震

タイでは比較的小規模な地震が発生。今のところバンコクから離れた場所を震源とする地震しか発生
していないが、バンコクが深い軟弱な沖積土上にあるため、揺れは一定発生。建物の耐震性も懸念。
(2007年に建築基準法が改正)
北部・西部の国境付近を中心に13の活断層を確認。政府はタイ北部10県の地震可能性地域に加え、
西部カーンチャナブリー県と国境を接するミャンマーの大活断層の危険性を考慮し、新たにサムット
サーコン県、バンコク、パトゥムタニー県、サムットプラカーン県等を地震可能性地域として追加指定。

発生年月
発生場所(地震名称)
マグニチュード
2004.12.26
スマトラ島沖地震(タイ南部6県:プーケット、クラビ
等、アンダマン海で津波による大きな被害発生)
死者・不明者
約23万人(タイでは死者
5,305人、負傷者8,457人)
9.1
2006.11.17 チャンライ
4.4
不明
2006.12.13 チェンマイ
5.1
不明
2007.04.22 チャンライ
4.5
不明
2007.06.19 チェンマイ
4.5
不明
2008.12.23 スラタニー
4.1
不明
2011.03.24 ミャンマーとラオス国境(ミャンマー東部地震)
6.9
2011.03.24 メーチャン活断層付近(ミャンマー東部地震余震)
タイ2人、ミャンマー75人
4.8、5.4、5.0、6.2
なし
2011.05.25 プーケット島沖
4.4
なし
2011.11.21 ミャンマー北西部
5.9
なし
出典:タイ政府発表、報道機関HP、ニュース 等
32
地震リスク ~タイ②~
~ タイの活断層マップ ~
(Department of Mineral Resources
and Meteorological Departmeent)
22県に及ぶ13の活断層
(M6-7程度の地震発生の可能性あり)
- Mae Chan (チェンライ県、チェンマイ県)
- Mae Hong Son (メーホンソン県、ターク県)
- Moei (ターク県、カンペンペット県)
- Mae Ta (チェンマイ県、ランパーン県、チェンライ県)
- Thoen (ランパーン県、プレー県)
- Phayao (パヤオ県、チェンライ県、ランパーン県)
- Pua (ナーン県)
- Uttaradit (ウッタラディット県)
- Chedi Sam Ong (カンチャナブリ県)
- Srisawat
(カンチャナブリ県、スパンブリ県、ウタイタニ県、ターク県)
- Ranong
(ラノーン県、チュンポン、プラチャップキリカーン、パンガー)
- Klong Marui (スラタニー県、クラビ県、パンガー県)
- Tha Khaek (ノンカイ県、ナコンパトム県)
※バンコク市内での調査では、震度5程度の地震でも
何らかのリスクが出るビルはバンコク内に2,700棟、
そのうち危険性の高いビル12棟が公表されている。
33
地震リスク ~タイ③~
~ タイの地震危険度マップ ~
(Department of Mineral Resources)
[危険度の区分]
○緑色(ゾーン0)
メルカリ震度階級3未満<日本の震度1~2>
⇒ まれに揺れを感じる程度
○黄色(ゾーン1)
メルカリ震度階級3~5<同震度2~3程度>
⇒ 屋内で揺れを感じる。特に高層階では感じやすい。
○オレンジ色(ゾーン2A)
メルカリ震度階級5~7<同震度4~5弱程度>
⇒ 誰もが揺れを感じる。不安定なものは倒れる。
○ピンク色(ゾーン2B)
メルカリ震度階級7~8<同震度5強~6弱程度>
⇒ 通常の強度がある建物についても、軽度から
中程度の被害を受ける。
34
地震リスク ~シンガポール~

プレートの分布図
~ シンガポールの地震リスクの特徴 ~
a) Sumatra subduction zoneからシンガポールまでの最短距離は
約500km、地震規模はマグニチュード9クラスの地震が想定。
この領域では2000年、04年、05年、07年に地震が発生したが、
05年と07年の破壊領域の間に大きな空白域が存在、この領域
はシンガポールからの距離が比較的近いことから地震が発生
した場合の影響が懸念される。
b) Sumatra faultからの距離は約400kmで、その長さは1,500km
以上とされている。過去最大のマグニチュード7.7 (1892)で、
それを越えても7.8が限界だと見られている。
⇒ シンガポールでは、構造物の多くは地震を想定していない
英国基準に従って建設、耐震設計が十分考慮されておらず、
さらに台風常襲地域ではないことから、風に対する設計基準
も比較的緩く、耐震性が不安視されている。
⇒ 都市化が急速に進んでいるシンガポールにおいて、軟弱な
地盤では揺れが増幅して大きな被害をもたらす可能性や、
特に拡大しつつある広域な埋立地では液状化危険の可能性
がある。
(出典:Aydan et al., 2007 東海大学より)
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