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日立グループITパフォーマンスレポート2016 Hitachi Group IT Performance Report 2016 57 16,400,000,000 46 IT統括本部 東京都千代田区外神田一丁目18番13号 秋葉原ダイビル IT Strategy Division Hitachi, Ltd. Akihabara Daibiru Building, 18-13, Sotokanda 1-Chome, Chiyoda-ku, Tokyo, 101-8608 Japan © Hitachi, Ltd. 2016. All rights reserved. Oct 2016/02 190,000 385 2,300 株式会社 日立製作所 執行役専務 CIO Contents IT基本方針 2 IT部門の組織構造 3 ITガバナンスの徹底 5 2018中期経営計画に向け、2018日立グループIT中期計画を策定。 本IT中期計画は、成長、効率、統制を3つの柱とし、攻めのITを強化していきます。 データ利活用による成長への貢献 Message from CIO 1 4 1I T基本方針 ......................................................... 2 .......................................... 3 ....................................... 5 ITコスト最適化の取り組み ........................ 7 IT環境の整備 ...................................................... ・ITインフラの集約・統合 ・コード標準化とアプリケーションの集約・統合 ・グローバルコラボレーションの実現 8 日 立グ ル ープは、制 御・運 用 などのOT(O p e r at i onal Technology)と先進的なIT、プロダクト・システムを組み (1)日立グループの特徴 合わせ、協創によって新たな価値を創造する社会イノベー ション事業に取り組んでいます。 IoT(Internet of Things)時代における社会イノベー ション事業を進めるうえで、IT部門は、データ利活用こそが 最も重要なITの取り組みと定義しました。具体的には、 経営情報の見える化のさらなる深化やLumada*1の社内 活用など、経営と事業に対しデータの利活用を進め、成長 に貢献していきます。 クラウドやアナリティクス、AIなどの最新テクノロジーやグ ローバル標準を採用し、柔軟性・迅速性を高度化させ、コス フォーメーションを実現していきます。また、デジタルトランス フロント機能を強化したビジネスユニット(以下、BU)体制に移 フォーメーションはお客さまも注目する課題と捉えています。 行しました。日立グループは、BU体制の製作所と連結グループ 日立グループ内での経験とノウハウを蓄積し、お客さまとの 会社1,056社で構成されており、日立グループ・アイデンティ ティ(P3)の下に事業を展開しています。 (2016年3月末時点) 的なIT支出を削減し、攻めのITポートフォリオを確立するために 継続して取り組んでいます。 日立製作所は、2018中期経営計画で、社会イノベーション事業 成長 I T 部門は、これを支える2018日立グループ I T中期計画を “成長”、 “効率”、 “統制”を3つの柱として策定しました。 サイバーセキュリティの脅威に対し対応を行っていきます。 るかが重要と考えています。そのために注力する点を2つ取り これらの取り組みから日立グループ内で成果を出し、その ンマネージメント)、もう1つは、デジタルデータを活用したフロ ノウハウをお客さまとの協創に生かしていきたいと考えて ント・現場でのイノベーション(データドリブンイノベーション) います。 です。 1,000社を超える日立グループ全体で、IT資産の棚卸・削減を デジタル情報の 価値最大化 “成長”への2つの取り組みには、先進的な技術を絶えず把握し、 に示しました。本レポートが皆さまのお役に立ち、日立 日立グループにとって必要な技術方針を見直し、展開していくこ 進めています。また、日立グループ各社がそれぞれリソースを 占有するオンプレミスのITを、パブリッククラウドに含め、日立グ ループとして提供するクラウドサービスへ集約していくことが重 要と考えています。パブリッククラウドを含めた個人認証などを 統合化しプラットフォーム化を進めます。 上げました。1つはデジタルデータに基づく経営(データドリブ 本レポートは、IT部門の戦略と現在をできるかぎり定量的 協創にIoTイノベーションパートナーとして生かしていきます。 “効率”は、成長に向けた戦略的投資予算を確保するため、定常 を軸にIoT時代のイノベーションパートナーをめざしています。 “成長”は、膨大なデジタルデータの価値をいかにして最大化す 1 データドリブン事業・経営 (2)2018日立グループIT中期計画 ト最適性も兼ね備えるIT環境を用意します。また、引き続き グループITのさらなる理解につながれば幸いです。 これらの取り組みを通じて、日立グループのデジタルトランス 日立製作所は、4月1日をもってお客さまとの「協創」を加速する 効率 IT生産性の 最大化 統制 “統制”として、デジタルトランスフォーメーション推進に必要な、 グローバルIT ガバナンスの徹底 また、膨大な量の「モノ」の情報が広域ネットワークにつながり、 日立グループIT人財のスキルシフトを計画的に行っていきます。 また、パブリッククラウド活用が増大するなか、情報セキュリティ の対策も継続して取り組んでいきます。 とも必要です。そのために、コーポレートのIT戦略企画部門に専 門組織を設置しています。 2 *1 Lumada:IoT関連ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とする日立が提供するIoTプラットフォーム 株式会社 日立製作所 執行役専務 CIO Contents IT基本方針 2 IT部門の組織構造 3 ITガバナンスの徹底 5 2018中期経営計画に向け、2018日立グループIT中期計画を策定。 本IT中期計画は、成長、効率、統制を3つの柱とし、攻めのITを強化していきます。 データ利活用による成長への貢献 Message from CIO 1 4 1I T基本方針 ......................................................... 2 .......................................... 3 ....................................... 5 ITコスト最適化の取り組み ........................ 7 IT環境の整備 ...................................................... ・ITインフラの集約・統合 ・コード標準化とアプリケーションの集約・統合 ・グローバルコラボレーションの実現 8 日 立グ ル ープは、制 御・運 用 などのOT(O p e r at i onal Technology)と先進的なIT、プロダクト・システムを組み (1)日立グループの特徴 合わせ、協創によって新たな価値を創造する社会イノベー ション事業に取り組んでいます。 IoT(Internet of Things)時代における社会イノベー ション事業を進めるうえで、IT部門は、データ利活用こそが 最も重要なITの取り組みと定義しました。具体的には、 経営情報の見える化のさらなる深化やLumada*1の社内 活用など、経営と事業に対しデータの利活用を進め、成長 に貢献していきます。 クラウドやアナリティクス、AIなどの最新テクノロジーやグ ローバル標準を採用し、柔軟性・迅速性を高度化させ、コス フォーメーションを実現していきます。また、デジタルトランス フロント機能を強化したビジネスユニット(以下、BU)体制に移 フォーメーションはお客さまも注目する課題と捉えています。 行しました。日立グループは、BU体制の製作所と連結グループ 日立グループ内での経験とノウハウを蓄積し、お客さまとの 会社1,056社で構成されており、日立グループ・アイデンティ ティ(P3)の下に事業を展開しています。 (2016年3月末時点) 的なIT支出を削減し、攻めのITポートフォリオを確立するために 継続して取り組んでいます。 日立製作所は、2018中期経営計画で、社会イノベーション事業 成長 I T 部門は、これを支える2018日立グループ I T中期計画を “成長”、 “効率”、 “統制”を3つの柱として策定しました。 サイバーセキュリティの脅威に対し対応を行っていきます。 るかが重要と考えています。そのために注力する点を2つ取り これらの取り組みから日立グループ内で成果を出し、その ンマネージメント)、もう1つは、デジタルデータを活用したフロ ノウハウをお客さまとの協創に生かしていきたいと考えて ント・現場でのイノベーション(データドリブンイノベーション) います。 です。 1,000社を超える日立グループ全体で、IT資産の棚卸・削減を デジタル情報の 価値最大化 “成長”への2つの取り組みには、先進的な技術を絶えず把握し、 に示しました。本レポートが皆さまのお役に立ち、日立 日立グループにとって必要な技術方針を見直し、展開していくこ 進めています。また、日立グループ各社がそれぞれリソースを 占有するオンプレミスのITを、パブリッククラウドに含め、日立グ ループとして提供するクラウドサービスへ集約していくことが重 要と考えています。パブリッククラウドを含めた個人認証などを 統合化しプラットフォーム化を進めます。 上げました。1つはデジタルデータに基づく経営(データドリブ 本レポートは、IT部門の戦略と現在をできるかぎり定量的 協創にIoTイノベーションパートナーとして生かしていきます。 “効率”は、成長に向けた戦略的投資予算を確保するため、定常 を軸にIoT時代のイノベーションパートナーをめざしています。 “成長”は、膨大なデジタルデータの価値をいかにして最大化す 1 データドリブン事業・経営 (2)2018日立グループIT中期計画 ト最適性も兼ね備えるIT環境を用意します。また、引き続き グループITのさらなる理解につながれば幸いです。 これらの取り組みを通じて、日立グループのデジタルトランス 日立製作所は、4月1日をもってお客さまとの「協創」を加速する 効率 IT生産性の 最大化 統制 “統制”として、デジタルトランスフォーメーション推進に必要な、 グローバルIT ガバナンスの徹底 また、膨大な量の「モノ」の情報が広域ネットワークにつながり、 日立グループIT人財のスキルシフトを計画的に行っていきます。 また、パブリッククラウド活用が増大するなか、情報セキュリティ の対策も継続して取り組んでいきます。 とも必要です。そのために、コーポレートのIT戦略企画部門に専 門組織を設置しています。 2 *1 Lumada:IoT関連ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とする日立が提供するIoTプラットフォーム 2 IT部門の組織構造 事業ごとのITとグループ全体のIT IT部門の組織構造 幅広い事業形態を持つ日立グループにおいて、IT部門は、事業を支える高度なITと グループ共通ITの両立をグローバルで実現しています。 1 5 拠点数 海外 統括拠点 本社 (1)ITビジョン・ミッション・プリンシプル (2)IT部門の組織構造 日立グループIT部門ビジョン 多様な事業を展開する日立グループには、それぞれのグループ 日立グループITのビジョンは「日立の変革をITでリードし、社会 日立の変革をITでリードし、 イノベーションの実現に貢献する」ことです。 社会イノベーションの実現に貢献します。 このビジョンに向けて日立グループIT部門が一丸となるために、 日立グループ・アイデンティティの下、ビジョン(あるべき姿) 、ミッ ション(使命)を制定し、グループ各社のIT部門と共有しています。 さらに、7つのプリンシプル(行動指針)を策定しポスターを制作、 それぞれの現場において掲示することで定着化を図っています。 あります。各事業セグメントにおいて競争力を最大化する高度 日立グループIT部門ミッション にはグローバル事業の拡大に伴い、グループ共通のITガバナン ITにより経営基盤を改革し、 日立グループのビジネスモデル変革をリードします。 です。 2 Create the Next グローバル視点で 観て、触れて、考えよう 未来を描き、いままでに ないものを生み出そう 内各ビジネスユニットと主要なカンパニー・グループ会社を統 6 Win Trust 7 Be One Team 7 信頼を勝ち取ろう チームで一つになろう principles 標準IT人財 13 類型 (5) 「攻めのIT経営銘柄」に2年連続選定 欧州と米州を統括する責任者、アジアと中国を統括する責任者 2016年、日立製作所は、経済産業省と東京証券取引所が主催 をそれぞれ設置し、指揮命令系統を整備することで、グローバ する「攻めのIT経営銘柄」に2年連続で選ばれました。 「攻めのIT ルなIT計画や予算の一元管理が可能になりました。また、定期 経営銘柄2016」は、中長期的な企業価値の向上や競争力の強 的に、コーポレートIT部門と現地法人のIT部門が集まり、グロー 化といった視点から経営革新、収益水準・生産性の向上をもたら バル方針や具体的な施策、現地の取り組み事例を確認すること す積極的なIT活用に取り組んでいる企業を業種別に選定・公表 するものです。今回の選定は、IT活用の取り組みに関するアン ケートへの回答内容のスコアリングや、財務状況によるスクリー コーポレートシェアード サービス部門 グローバルサポートエリアは、5か所の統括拠点の下、9か所の ニングの結果、東京証券取引所に上場している約3,500社の中 支部拠点で海外のグループ会社をサポートしており、今後はロ から26社が選ばれました(2年連続の選定は12社)。 シア・中東などへも拡充を予定しています。 1 Think Globally 5 Act Speedily (3)グローバル体制 で、コーポレートポリシーの理解と情報共有を深めています。 ふかん こうした背景のもと、事業セグメントごとの迅速な判断と、共通 多くの人と対話し、 多様な視点をもとう I T戦略企画部門 スの構築と、グループ全体を俯瞰した共通施策の実現も必要 日立グループIT部門プリンシプル 7つの行動指針 ユーザー視点を大切に 全体最適を実現しよう CIO 一方では、ITコストの適正化、セキュリティリスクの高まり、さら ITによりワークスタイルを改革し、 日立グループのイノベーションをリードします。 スピード感をもって 行動しよう グループ コーポレート なITが必要とされるからです。 ITによりグローバルビジネスを革新し、 ビジネス拡大に貢献します。 3 Simplify & Optimize 4 Beyond Borders 3 会社の独立性を尊重した、事業セグメントごとのIT部門組織が 日立製作所 グループコーポレートが 事業セグメント親会社を統制 9 海外 支部拠点 日立グループ 施策の実現を両立するため、グループコーポレートが日立製作所 制し、さらに、ビジネスユニット・グループ会社が子会社を統制 日立製作所は、取り組み事例として、独自開発した人工知能技 ビジネスユニット ビジネスユニット (日立製作所内) (日立製作所内) グループ 会社 グループ 会社 ビジネスユニットCIO ビジネスユニットCIO グループ会社CIO グループ会社CIO IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 (4)IT人財強化 IT部門が経営・事業へのさらなる貢献をするために、日立グルー するという2階層構造により、共通施策実現のためのシェアード 術により、お客さまの業務改善施策の立案や経営課題の解決を 支援する「Hitachi AI Technology/業務改革サービス」と日立 グループ内の「情報の見える化」の取り組みを挙げています。 プIT部門が一体となった人財強化が必要と考えています。 サービスを提供しています。 日立グループでは、一般社団法人日本情報システム・ユーザ協 日 立 グ ル ー プ のI T部 門 員(社 員)は、2015年 現 在、国 内 に 3,153人、海 外に1,594人。合 計4,747人 が、グ ル ー プ 企 業 IT部門 IT部門 IT部門 子会社(傘下会社) IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 子会社(傘下会社) 子会社(傘下会社) 1,056社を支えています。 会の情報システムユーザスキル標準を基に、日立グループ標準 IT人財として、職種やスキル、キャリアパスなどを含み13に類型 化し、採用や育成、ローテーションのグループ共通施策を進めて 事業セグメント親会社が 傘下子会社を統制 います。 4 2 IT部門の組織構造 事業ごとのITとグループ全体のIT IT部門の組織構造 幅広い事業形態を持つ日立グループにおいて、IT部門は、事業を支える高度なITと グループ共通ITの両立をグローバルで実現しています。 1 5 拠点数 海外 統括拠点 本社 (1)ITビジョン・ミッション・プリンシプル (2)IT部門の組織構造 日立グループIT部門ビジョン 多様な事業を展開する日立グループには、それぞれのグループ 日立グループITのビジョンは「日立の変革をITでリードし、社会 日立の変革をITでリードし、 イノベーションの実現に貢献する」ことです。 社会イノベーションの実現に貢献します。 このビジョンに向けて日立グループIT部門が一丸となるために、 日立グループ・アイデンティティの下、ビジョン(あるべき姿) 、ミッ ション(使命)を制定し、グループ各社のIT部門と共有しています。 さらに、7つのプリンシプル(行動指針)を策定しポスターを制作、 それぞれの現場において掲示することで定着化を図っています。 あります。各事業セグメントにおいて競争力を最大化する高度 日立グループIT部門ミッション にはグローバル事業の拡大に伴い、グループ共通のITガバナン ITにより経営基盤を改革し、 日立グループのビジネスモデル変革をリードします。 です。 2 Create the Next グローバル視点で 観て、触れて、考えよう 未来を描き、いままでに ないものを生み出そう 内各ビジネスユニットと主要なカンパニー・グループ会社を統 6 Win Trust 7 Be One Team 7 信頼を勝ち取ろう チームで一つになろう principles 標準IT人財 13 類型 (5) 「攻めのIT経営銘柄」に2年連続選定 欧州と米州を統括する責任者、アジアと中国を統括する責任者 2016年、日立製作所は、経済産業省と東京証券取引所が主催 をそれぞれ設置し、指揮命令系統を整備することで、グローバ する「攻めのIT経営銘柄」に2年連続で選ばれました。 「攻めのIT ルなIT計画や予算の一元管理が可能になりました。また、定期 経営銘柄2016」は、中長期的な企業価値の向上や競争力の強 的に、コーポレートIT部門と現地法人のIT部門が集まり、グロー 化といった視点から経営革新、収益水準・生産性の向上をもたら バル方針や具体的な施策、現地の取り組み事例を確認すること す積極的なIT活用に取り組んでいる企業を業種別に選定・公表 するものです。今回の選定は、IT活用の取り組みに関するアン ケートへの回答内容のスコアリングや、財務状況によるスクリー コーポレートシェアード サービス部門 グローバルサポートエリアは、5か所の統括拠点の下、9か所の ニングの結果、東京証券取引所に上場している約3,500社の中 支部拠点で海外のグループ会社をサポートしており、今後はロ から26社が選ばれました(2年連続の選定は12社)。 シア・中東などへも拡充を予定しています。 1 Think Globally 5 Act Speedily (3)グローバル体制 で、コーポレートポリシーの理解と情報共有を深めています。 ふかん こうした背景のもと、事業セグメントごとの迅速な判断と、共通 多くの人と対話し、 多様な視点をもとう I T戦略企画部門 スの構築と、グループ全体を俯瞰した共通施策の実現も必要 日立グループIT部門プリンシプル 7つの行動指針 ユーザー視点を大切に 全体最適を実現しよう CIO 一方では、ITコストの適正化、セキュリティリスクの高まり、さら ITによりワークスタイルを改革し、 日立グループのイノベーションをリードします。 スピード感をもって 行動しよう グループ コーポレート なITが必要とされるからです。 ITによりグローバルビジネスを革新し、 ビジネス拡大に貢献します。 3 Simplify & Optimize 4 Beyond Borders 3 会社の独立性を尊重した、事業セグメントごとのIT部門組織が 日立製作所 グループコーポレートが 事業セグメント親会社を統制 9 海外 支部拠点 日立グループ 施策の実現を両立するため、グループコーポレートが日立製作所 制し、さらに、ビジネスユニット・グループ会社が子会社を統制 日立製作所は、取り組み事例として、独自開発した人工知能技 ビジネスユニット ビジネスユニット (日立製作所内) (日立製作所内) グループ 会社 グループ 会社 ビジネスユニットCIO ビジネスユニットCIO グループ会社CIO グループ会社CIO IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 (4)IT人財強化 IT部門が経営・事業へのさらなる貢献をするために、日立グルー するという2階層構造により、共通施策実現のためのシェアード 術により、お客さまの業務改善施策の立案や経営課題の解決を 支援する「Hitachi AI Technology/業務改革サービス」と日立 グループ内の「情報の見える化」の取り組みを挙げています。 プIT部門が一体となった人財強化が必要と考えています。 サービスを提供しています。 日立グループでは、一般社団法人日本情報システム・ユーザ協 日 立 グ ル ー プ のI T部 門 員(社 員)は、2015年 現 在、国 内 に 3,153人、海 外に1,594人。合 計4,747人 が、グ ル ー プ 企 業 IT部門 IT部門 IT部門 子会社(傘下会社) IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 IT部門 子会社(傘下会社) 子会社(傘下会社) 1,056社を支えています。 会の情報システムユーザスキル標準を基に、日立グループ標準 IT人財として、職種やスキル、キャリアパスなどを含み13に類型 化し、採用や育成、ローテーションのグループ共通施策を進めて 事業セグメント親会社が 傘下子会社を統制 います。 4 3 ITガバナンスの徹底 グループ・グローバルで共通の必須事項を明確化するために ITガバナンスの徹底 日立ユニバーサルI Tポリシーを制定。 I T環境と情報セキュリティを日々改善する取り組みをグループ全体で進めています。 全体最適と情報セキュリティの推進 Pマーク認定 事業者数 57 事業者 (1)日立ユニバーサルI Tポリシー (2) I Tポリシー達成状況の管理 (3) PMI*1ガイドライン グローバルな事業を支えるI Tガバナンスを確立するためには、 日立ユニバーサルITポリシーをグローバルに広く海外会社を含 グローバルな事業拡大の手段としてM&Aは不可欠となってお (4)情報セキュリティの徹底 (5)情報漏えいの防止 (6)個人情報の保護 日立では、情報セキュリティ統括責任者を委員長とする「情報セ 日立製作所では、情報漏えいを防止するために「機密情報漏洩 日立製作所は、2007年3月に個人情報保護に関する第三者認 世界各地のI T部門において、国境を越えて一貫したグローバル めて浸透させるため、ITポリシー達成状況のチェックリストを導 り、M&AにおけるIT統合・分離は事業再編の成功のために重要 キュリティ委員会」が、情報セキュリティと個人情報保護に関す 防止3原則」を定め、機密情報の取り扱いに細心の注意を払い、 証であるプライバシーマークを取得し、2015年3月に5回目の なI Tポリシーを定義し共有することが非常に重要です。 入し、グループ会社に自らの達成状況を自己点検し、改善に取り な役割を担います。 る取り組み方針、各種施策を決定しています。決定事項は「情報 事故防止に努めています。また万が一、事故が発生した場合は、 更新をしました。グループ一体で個人情報の保護に取り組み、 セキュリティ推進会議」などを通じて各事業所およびグループ 迅速にお客さまに連絡し、監督官庁に届け出るとともに、事故の 2015年5月現在、日本国内57事業者がプライバシーマークを そのため、日立グループのI T部門では、前述のビジョン・ミッション・ プ会社への浸透推進を狙いとして、小規模会社でも必須となる 会社に伝達し、情報セキュリティ責任者が職場に徹底します。 原因究明と再発防止対策に取り組み、被害を最小限にとどめる 取得しています。 プリンシプルに加え、24ケ条の日立ユニバーサルITポリシーを 65項目に絞り込んでいます。 組むことを要請しています。チェックリスト項目は、海外のグルー M&AにおけるIT統合・分離を円滑に推進し、想定したコストで 実施できるようにするためには、IT統合・分離の実施計画を事前 よう努めています。 に策定して臨むことが重要です。日立本社は、その実現のため 日立では、情報セキュリティと個人情報保護の取り組みにおい チェックリスト項目は、情報セキュリティやコンプライアンスなど に、IT統合・分離にあたって必要なIT部門の実施事項を示した て、特に次の2点を重視しています。 ITリスク対策に関する項目に加えて、ITシステムの構成管理と PMIガイドラインを制定し、グループ会社に活用を推奨して また、日立本社が提供するITサービスを、このITポリシーを達成 いった事業状況変化に対するITアジリティに関する項目で構成 います。 するための手段としてリンクさせ、ITポリシーとITサービスの両 しています。 定め、ITの柔軟性や情報セキュリティを確保するために必須の 実施事項を分かりやすく規定し、全IT部門で共有しています。 *1 PMI: Post Merger Integration 輪で、ITガバナンスを推進しています。 目的 日立グループの 経営方針 Hitachi Group Vision/Mission/Business Strategy (日立グループのあるべき姿/事業戦略) ガバナンス体系 5 守るべき情報資産を明確にし、脆弱性評価とリスク分析に基づ (7)IT-BCP けんろう 日立グループは、サーバの堅牢なデータセンタへの設置・運用 基盤の構築によるID管理とアクセス制御、メールやWebサイト を基本とし、災害対策レベルを復旧目標時間と復旧目標時点に のフィルタリングシステムなどをIT共通施策として実施していま 応じて定義、セカンダリサーバとデータバックアップ環境の整備 いて情報漏えい防止施策を実施しています。事故は「起きる す。昨今多発している標的型メールなどのサイバー攻撃に対して ならびにデータのバックアップなどの保全に努めています。 このITポリシー達成状況チェックリストの浸透度は、2012年に かもしれない」という考え方を一歩進めて、 「必ず起きるもの は、官民連携による情報共有の取り組みに加え、IT施策において また、BCPに沿って定期的な訓練に取り組んでいます。 は日立グループ全体の60%にとどまっていましたが、上記の必 だ」という前提に立って、緊急時のマニュアルを作成し、対応し も防御策を多層化(入口・出口対策)して対策を強化しています。 須項目への絞り込みを行った結果、2015年には92%に向上し ています。 ました。M&Aが活発化する中、特にグループ会社が海外子会 IT Vision/Mission/Principle (日立グループIT部門のあるべき姿/行動指針、判断基準) IT 1.予防体制の整備と事故発生時の迅速な対応 情報漏えい防止の具体的施策として、暗号化ソフト、セキュアな パソコン、電子ドキュメントのアクセス制御/失効処理ソフト、認証 社のITマネジメントを行う際に有効活用されています。 2.従業員の倫理観とセキュリティ意識の向上 ITインフラ環境統一による総合的なサイバーセキュリティ対策 情報収集 集中監視 担当者向け、管理者向けなど階層別にカリキュラムを用意し、 IT Strategy (日立グループの情報戦略) 92 ITポリシー達成状況チェックリストの浸透度 IT Policy(Universal IT Policy) (IT規則・基準の目的) Global Common IT Rules & Checklist /IT Guidelines (IT規則・基準、各種ガイドライン) IT Service (IT規則・基準を満たすためのサービス) 手段 % eラーニングによる全員教育などを通じて倫理観とセキュリ ティ意識の向上を図っています。また、監査を通じて問題点の 入口対策 出口対策 侵入 拡散・攻撃 早期発見と改善にも取り組んでいます。 情報セキュリティの担当役員からのメッセージ、第三者評価・認 証などのより詳細な内容は「情報セキュリティ報告書」に記載し ています。 mail メール セキュリティ PC セキュリティ ID セキュリティ ネットワークセキュリティ ドキュメント セキュリティ 6 3 ITガバナンスの徹底 グループ・グローバルで共通の必須事項を明確化するために ITガバナンスの徹底 日立ユニバーサルI Tポリシーを制定。 I T環境と情報セキュリティを日々改善する取り組みをグループ全体で進めています。 全体最適と情報セキュリティの推進 Pマーク認定 事業者数 57 事業者 (1)日立ユニバーサルI Tポリシー (2) I Tポリシー達成状況の管理 (3) PMI*1ガイドライン グローバルな事業を支えるI Tガバナンスを確立するためには、 日立ユニバーサルITポリシーをグローバルに広く海外会社を含 グローバルな事業拡大の手段としてM&Aは不可欠となってお (4)情報セキュリティの徹底 (5)情報漏えいの防止 (6)個人情報の保護 日立では、情報セキュリティ統括責任者を委員長とする「情報セ 日立製作所では、情報漏えいを防止するために「機密情報漏洩 日立製作所は、2007年3月に個人情報保護に関する第三者認 世界各地のI T部門において、国境を越えて一貫したグローバル めて浸透させるため、ITポリシー達成状況のチェックリストを導 り、M&AにおけるIT統合・分離は事業再編の成功のために重要 キュリティ委員会」が、情報セキュリティと個人情報保護に関す 防止3原則」を定め、機密情報の取り扱いに細心の注意を払い、 証であるプライバシーマークを取得し、2015年3月に5回目の なI Tポリシーを定義し共有することが非常に重要です。 入し、グループ会社に自らの達成状況を自己点検し、改善に取り な役割を担います。 る取り組み方針、各種施策を決定しています。決定事項は「情報 事故防止に努めています。また万が一、事故が発生した場合は、 更新をしました。グループ一体で個人情報の保護に取り組み、 セキュリティ推進会議」などを通じて各事業所およびグループ 迅速にお客さまに連絡し、監督官庁に届け出るとともに、事故の 2015年5月現在、日本国内57事業者がプライバシーマークを そのため、日立グループのI T部門では、前述のビジョン・ミッション・ プ会社への浸透推進を狙いとして、小規模会社でも必須となる 会社に伝達し、情報セキュリティ責任者が職場に徹底します。 原因究明と再発防止対策に取り組み、被害を最小限にとどめる 取得しています。 プリンシプルに加え、24ケ条の日立ユニバーサルITポリシーを 65項目に絞り込んでいます。 組むことを要請しています。チェックリスト項目は、海外のグルー M&AにおけるIT統合・分離を円滑に推進し、想定したコストで 実施できるようにするためには、IT統合・分離の実施計画を事前 よう努めています。 に策定して臨むことが重要です。日立本社は、その実現のため 日立では、情報セキュリティと個人情報保護の取り組みにおい チェックリスト項目は、情報セキュリティやコンプライアンスなど に、IT統合・分離にあたって必要なIT部門の実施事項を示した て、特に次の2点を重視しています。 ITリスク対策に関する項目に加えて、ITシステムの構成管理と PMIガイドラインを制定し、グループ会社に活用を推奨して また、日立本社が提供するITサービスを、このITポリシーを達成 いった事業状況変化に対するITアジリティに関する項目で構成 います。 するための手段としてリンクさせ、ITポリシーとITサービスの両 しています。 定め、ITの柔軟性や情報セキュリティを確保するために必須の 実施事項を分かりやすく規定し、全IT部門で共有しています。 *1 PMI: Post Merger Integration 輪で、ITガバナンスを推進しています。 目的 日立グループの 経営方針 Hitachi Group Vision/Mission/Business Strategy (日立グループのあるべき姿/事業戦略) ガバナンス体系 5 守るべき情報資産を明確にし、脆弱性評価とリスク分析に基づ (7)IT-BCP けんろう 日立グループは、サーバの堅牢なデータセンタへの設置・運用 基盤の構築によるID管理とアクセス制御、メールやWebサイト を基本とし、災害対策レベルを復旧目標時間と復旧目標時点に のフィルタリングシステムなどをIT共通施策として実施していま 応じて定義、セカンダリサーバとデータバックアップ環境の整備 いて情報漏えい防止施策を実施しています。事故は「起きる す。昨今多発している標的型メールなどのサイバー攻撃に対して ならびにデータのバックアップなどの保全に努めています。 このITポリシー達成状況チェックリストの浸透度は、2012年に かもしれない」という考え方を一歩進めて、 「必ず起きるもの は、官民連携による情報共有の取り組みに加え、IT施策において また、BCPに沿って定期的な訓練に取り組んでいます。 は日立グループ全体の60%にとどまっていましたが、上記の必 だ」という前提に立って、緊急時のマニュアルを作成し、対応し も防御策を多層化(入口・出口対策)して対策を強化しています。 須項目への絞り込みを行った結果、2015年には92%に向上し ています。 ました。M&Aが活発化する中、特にグループ会社が海外子会 IT Vision/Mission/Principle (日立グループIT部門のあるべき姿/行動指針、判断基準) IT 1.予防体制の整備と事故発生時の迅速な対応 情報漏えい防止の具体的施策として、暗号化ソフト、セキュアな パソコン、電子ドキュメントのアクセス制御/失効処理ソフト、認証 社のITマネジメントを行う際に有効活用されています。 2.従業員の倫理観とセキュリティ意識の向上 ITインフラ環境統一による総合的なサイバーセキュリティ対策 情報収集 集中監視 担当者向け、管理者向けなど階層別にカリキュラムを用意し、 IT Strategy (日立グループの情報戦略) 92 ITポリシー達成状況チェックリストの浸透度 IT Policy(Universal IT Policy) (IT規則・基準の目的) Global Common IT Rules & Checklist /IT Guidelines (IT規則・基準、各種ガイドライン) IT Service (IT規則・基準を満たすためのサービス) 手段 % eラーニングによる全員教育などを通じて倫理観とセキュリ ティ意識の向上を図っています。また、監査を通じて問題点の 入口対策 出口対策 侵入 拡散・攻撃 早期発見と改善にも取り組んでいます。 情報セキュリティの担当役員からのメッセージ、第三者評価・認 証などのより詳細な内容は「情報セキュリティ報告書」に記載し ています。 mail メール セキュリティ PC セキュリティ ID セキュリティ ネットワークセキュリティ ドキュメント セキュリティ 6 4I Tコスト最適化の取り組み 5I T環境の整備 定常的なI T支出を計画的に削減し、成長に必要となる戦略的I Tに再投資。 グループ共通のI Tは、 I T投資管理のPDCAを回して投資判断を透明化します。 IT生産性の最大化と攻めのITポートフォリオ確立 (1)定常的なI T支出の計画的な削減 具体的なI T支出の削減策として、ライセンスや通信関連費の集 164 (2) I T投資管理 約を中心とした「ソフトウェア調達条件の改善」 、アプリケーション グループ共通のITに関して投資の最適化を進めるため、グルー コスト競 争 力 の 強 化 を 図る「Hitachi Smart Transformation 資産全体を評価し、その投資価値や効果、優先度を明確化する Project」を推進しています。このプロジェクトの一環として、 I T部 APM *1、データセンタ統合を中心とした「I T資産最適化」、運用 こうした定常的なI T支出の削減によって得られた原資を、戦略的 会社だけでも約20,000台のサーバを持ち、それらは各所の ンクライアントを利用しています。シンクライアントを利用する ではパブリッククラウド利用ガイドラインを作成し、リスク対策の の共有と投資意思決定のプロセスを定義して管理を行っていま サーバ室、あるいは事務所内に設置されていました。しかし現 場合、デスクトップ環境やデータは、データセンタ内に存在して 指針を定め、グループ各社に適用するよう要請しています。利 業務のアウトソーシング、そしてパッケージソフトやクラウド活用 す。具体的な投資については、予算と業務効果に責任を持つプ 在、それらはISMS(情報セキュリティマネジメントシステム適合 おり、作業場所を移動しても移動前の作業をそのまま継続する 用にあたっては、グループ各社が日立コーポレートへ届出を行 による「ソーシング形態変更」の3点を重点施策として位置づけ、 ロセスオーナー(PO)とITの整備とIT効果に責任を持つトランス 性評価制度)、FISC(金融情報システムセンター)の認定を取得 ことが可能です。出張先での業務だけではなく、災害などによる い、日立コーポレートがガイドラインへの適合性検証を行うとい フォーメーションエンジニア(TE)を設定、権限と責任を明確化 した国内の堅牢な5か所のデータセンタに集約され、運用効率 自宅待機時、育児・介護のための在宅勤務など、さまざまな利用 う統制により、リスク対策の改善を図っています。パブリッククラ しています。 の向上と、BCP強化、サイバー攻撃への防御の一元化を実現し シーンで業務を安全に進めることができます。仮想デスクトップ ウドの利用届出件数を2014年度と2015年度で比較すると、 ています。また、2006年より日立グループのイントラネットの は、シンクライアントだけでなく、スマートデバイスからも利用 46%増加しています。 統合を開始し、現在では日本国内を含めグローバルに展開する できます。 取り組んでいます。 I T投資審議の流れとチェックポイント を推進していきます。 *1 APM: Application Portfolio Management 重点施策 I T投資 1 ソフトウェア 調達条件改善 主要アクション ・ライセンス集約購買の推進 ・通信関連費集約 ・APMのグループ内展開 2 定常的 IT支出 IT資産最適化 ・テスト、開発環境合理化 ・拠点集約による通信・サポート費削減 定常的 IT支出 ・グループ内運用業務の集約推進 3 7 ・IT関連施設・設備の統合 ソーシング 形態変更 (拠点運用、コールセンターなど) ・クラウドサービスの活用拡大 ・AMO*2活用検討開始 2011年度 2015年度 *2 AMO: Application Management Outsourcing 開発着手前の検討段階 (I T構想、企画フェーズの投資判断) 投資チェックポイント2 開発 グループ内への展開・利用者拡大の段階 (ビジネス環境やニーズ変動を反映) 投資チェックポイント4 に接続されています。 企画 新規に大規模開発・改造に臨む段階 (ライフサイクル全体の投資判断) 投資チェックポイント3 けんろう ほとんどのグループ拠点からも日立グループのイントラネット 投資チェックポイント1 度以降も、シェアードサービスへのさらなる集約などによる削減 プロジェクトライフサイクル I T投資 (3)パブリッククラウドの活用 プコーポレートのIT戦略企画部門に専門部署を設置。投資方針 164億円削減し、戦略的I T投資の原資を確保しました。2016年 戦略的 (2)仮想デスクトップの展開 (1)サーバ機器のデータセンタ集約 パブリッククラウドの安全な利用を促進するため、日立グループ 標は、2011年度と比較して160億円としました。最終的には 戦略的 運用効率の向上と、BCP強化、パブリッククラウドの活用 仮想デスクトップ環境では、ハードディスクに情報を残さないシ これらの削減策を通じて、2015年度の定常的I Tコストの削減目 定常的IT支出を削減し、成長に寄与する 戦略的IT投資を確保 ITインフラの集約・統合 2004年当時、日立グループでは、日本国内の事業所・グループ I T投資に振り向ける施策を進め、 I T部門は「社会イノベーション 事業」のさらなる成長に貢献しています。 加速します。 億円 日立グループでは、グローバル市場でのさらなる成長に向けて、 門では、グループ全体の定常的なI T支出の削減を行ってきました。 の厳選により、運用・保守コストを削減。 グローバルなコミュニケーション環境により、 “知の共有”やワークスタイル改革を 集約・統合によるIT環境の最適化 定常的ITコスト削減額 (2011年度比較) 2015年度 I Tインフラの集約・統合やアプリケーション資産の見える化、使用アプリケーション 展開 保守・運用を継続している段階 (効率化による継続的コスト削減) 保守 10 仮想デスクトップの展開台数 FISC ISMS 5 データ センタ か所 万台 46 パブリッククラウド利用届出件数 %増加 8 4I Tコスト最適化の取り組み 5I T環境の整備 定常的なI T支出を計画的に削減し、成長に必要となる戦略的I Tに再投資。 グループ共通のI Tは、 I T投資管理のPDCAを回して投資判断を透明化します。 IT生産性の最大化と攻めのITポートフォリオ確立 (1)定常的なI T支出の計画的な削減 具体的なI T支出の削減策として、ライセンスや通信関連費の集 164 (2) I T投資管理 約を中心とした「ソフトウェア調達条件の改善」 、アプリケーション グループ共通のITに関して投資の最適化を進めるため、グルー コスト競 争 力 の 強 化 を 図る「Hitachi Smart Transformation 資産全体を評価し、その投資価値や効果、優先度を明確化する Project」を推進しています。このプロジェクトの一環として、 I T部 APM *1、データセンタ統合を中心とした「I T資産最適化」、運用 こうした定常的なI T支出の削減によって得られた原資を、戦略的 会社だけでも約20,000台のサーバを持ち、それらは各所の ンクライアントを利用しています。シンクライアントを利用する ではパブリッククラウド利用ガイドラインを作成し、リスク対策の の共有と投資意思決定のプロセスを定義して管理を行っていま サーバ室、あるいは事務所内に設置されていました。しかし現 場合、デスクトップ環境やデータは、データセンタ内に存在して 指針を定め、グループ各社に適用するよう要請しています。利 業務のアウトソーシング、そしてパッケージソフトやクラウド活用 す。具体的な投資については、予算と業務効果に責任を持つプ 在、それらはISMS(情報セキュリティマネジメントシステム適合 おり、作業場所を移動しても移動前の作業をそのまま継続する 用にあたっては、グループ各社が日立コーポレートへ届出を行 による「ソーシング形態変更」の3点を重点施策として位置づけ、 ロセスオーナー(PO)とITの整備とIT効果に責任を持つトランス 性評価制度)、FISC(金融情報システムセンター)の認定を取得 ことが可能です。出張先での業務だけではなく、災害などによる い、日立コーポレートがガイドラインへの適合性検証を行うとい フォーメーションエンジニア(TE)を設定、権限と責任を明確化 した国内の堅牢な5か所のデータセンタに集約され、運用効率 自宅待機時、育児・介護のための在宅勤務など、さまざまな利用 う統制により、リスク対策の改善を図っています。パブリッククラ しています。 の向上と、BCP強化、サイバー攻撃への防御の一元化を実現し シーンで業務を安全に進めることができます。仮想デスクトップ ウドの利用届出件数を2014年度と2015年度で比較すると、 ています。また、2006年より日立グループのイントラネットの は、シンクライアントだけでなく、スマートデバイスからも利用 46%増加しています。 統合を開始し、現在では日本国内を含めグローバルに展開する できます。 取り組んでいます。 I T投資審議の流れとチェックポイント を推進していきます。 *1 APM: Application Portfolio Management 重点施策 I T投資 1 ソフトウェア 調達条件改善 主要アクション ・ライセンス集約購買の推進 ・通信関連費集約 ・APMのグループ内展開 2 定常的 IT支出 IT資産最適化 ・テスト、開発環境合理化 ・拠点集約による通信・サポート費削減 定常的 IT支出 ・グループ内運用業務の集約推進 3 7 ・IT関連施設・設備の統合 ソーシング 形態変更 (拠点運用、コールセンターなど) ・クラウドサービスの活用拡大 ・AMO*2活用検討開始 2011年度 2015年度 *2 AMO: Application Management Outsourcing 開発着手前の検討段階 (I T構想、企画フェーズの投資判断) 投資チェックポイント2 開発 グループ内への展開・利用者拡大の段階 (ビジネス環境やニーズ変動を反映) 投資チェックポイント4 に接続されています。 企画 新規に大規模開発・改造に臨む段階 (ライフサイクル全体の投資判断) 投資チェックポイント3 けんろう ほとんどのグループ拠点からも日立グループのイントラネット 投資チェックポイント1 度以降も、シェアードサービスへのさらなる集約などによる削減 プロジェクトライフサイクル I T投資 (3)パブリッククラウドの活用 プコーポレートのIT戦略企画部門に専門部署を設置。投資方針 164億円削減し、戦略的I T投資の原資を確保しました。2016年 戦略的 (2)仮想デスクトップの展開 (1)サーバ機器のデータセンタ集約 パブリッククラウドの安全な利用を促進するため、日立グループ 標は、2011年度と比較して160億円としました。最終的には 戦略的 運用効率の向上と、BCP強化、パブリッククラウドの活用 仮想デスクトップ環境では、ハードディスクに情報を残さないシ これらの削減策を通じて、2015年度の定常的I Tコストの削減目 定常的IT支出を削減し、成長に寄与する 戦略的IT投資を確保 ITインフラの集約・統合 2004年当時、日立グループでは、日本国内の事業所・グループ I T投資に振り向ける施策を進め、 I T部門は「社会イノベーション 事業」のさらなる成長に貢献しています。 加速します。 億円 日立グループでは、グローバル市場でのさらなる成長に向けて、 門では、グループ全体の定常的なI T支出の削減を行ってきました。 の厳選により、運用・保守コストを削減。 グローバルなコミュニケーション環境により、 “知の共有”やワークスタイル改革を 集約・統合によるIT環境の最適化 定常的ITコスト削減額 (2011年度比較) 2015年度 I Tインフラの集約・統合やアプリケーション資産の見える化、使用アプリケーション 展開 保守・運用を継続している段階 (効率化による継続的コスト削減) 保守 10 仮想デスクトップの展開台数 FISC ISMS 5 データ センタ か所 万台 46 パブリッククラウド利用届出件数 %増加 8 5I T環境の整備 IT環境の整備 グローバルコラボレーションの実現 集約・統合によるIT環境の最適化 I Tによるワークスタイル改革を加速、従業員満足度の向上にも貢献 4.3 2,300 エンタープライズSNSのグループサイト数 スマートデバイスの展開台数 コード標準化とアプリケーションの集約・統合 情報の見える化とグループ連携強化 万台 (1)グローバル統一コードの推進 (2)グローバル統一財務会計システムへの一斉移行 グループ経営をスピードアップするためには、経営情報を迅速に 日立グループの財務会計システムは、US-SOX(2006年度)およ 見える化することが重要です。そのためI T部門では、2005年から びJ-SOX(2008年度)、四半期報告制度(2008年度)、実質的独 企業コード、財務コード(勘定科目)、人員コード、調達コード、国・ 立会社制導入(2009年度)といった社会的要請に応え進化を遂 地域、通貨や単位など、主要な管理コードについてグループ全体 げてきました。2015年4月、グローバル会計基準IFRS に対応す での統一を進め、グループ各社の財務情報や取引情報をグロー べく、計32の国と地域385社610拠点にてグローバル統一財務 バルにつなぐことを可能にしました。現在、登録されている企業 会計システムへ一斉移行を完了しました。 *1 コードは648,000件で、さらに日々増加を続けています。また、こ れらのコードは一元管理され、日本、中国に設置されたコード管理 グローバル統一財務会計システムは、勘定科目のグローバル センタで常に最新の状態に保たれています。 統一などにより、事業状況の見える化や財務業務改革、事業 再編へのタイムリーな対応、コンプライアンス/監査対応を実現 しています。 *1 IFRS: International Financial Reporting Standards(国際財務報告基準) 64.8 385 移行会社数 (610 ) 拠点 (1)スマートデバイス 社 いつでもどこでもセキュアなクライアント環境を提供するグ に接続するサービスを提供し、出張先、あるいは自宅でもメール ローバルコラボレーションPCと、音声や映像を含むリアルタイ 連絡が可能となっています。さらに、さまざまな社内システムを ムコラボレーションにより、グローバルでの即時型コミュニケー 社外から利用可能とすることで、時間・場所に依存しない業務環 ションを強化しています。これにより、会議の効率化と意思決定 境を実現しています。 のスピードアップを促進しています。 13.3 (2)グローバルメール 国内外を問わない共通の操作性と機能を実現したメール環境 を、グローバルIT標準サービスとしてグループ各社に提供して います。日立グループがグローバルで一丸となり、安心・安全に コミュニケーションできる標準方式を北米で整備し、グローバル 全体での集約・標準化を行っています。 社員間に加えて、他社や事業パートナーなどとの間で業務ノウ ハウやスキルの共有を可能とし、知の結集と利活用を実現する エンタープライズ・ソーシャル・ネットワーキング・サービスの 活用も進んでいます。 “個人の作業”から“チームの作業”への 変革を支援し、ワークスタイル改革を加速させています。 19 万人 グローバルでのリアルタイム型コミュニケーション ・資料共有 ■相手の在席状況 の確認 グローバルメールの利用人数 万件 (4)エンタープライズSNS リアルタイムコミュニケーションの加入者数 現在登録されている企業コードの件数 9 (3)リアルタイムコミュニケーション スマートフォンなどのスマートデバイスから社内メールシステム ■スマートデバイスから メールシステムに接続 ■簡単なメッセージ の送信 ABCDEFG ABCDEFG ・プレゼンス ・インスタント メッセージ ・音声/ビデオ通話 万人 ■同じ資料をお互い に見ながら会話 ■音声/ビデオによる リアルタイム コミュニケーション 10 5I T環境の整備 IT環境の整備 グローバルコラボレーションの実現 集約・統合によるIT環境の最適化 I Tによるワークスタイル改革を加速、従業員満足度の向上にも貢献 4.3 2,300 エンタープライズSNSのグループサイト数 スマートデバイスの展開台数 コード標準化とアプリケーションの集約・統合 情報の見える化とグループ連携強化 万台 (1)グローバル統一コードの推進 (2)グローバル統一財務会計システムへの一斉移行 グループ経営をスピードアップするためには、経営情報を迅速に 日立グループの財務会計システムは、US-SOX(2006年度)およ 見える化することが重要です。そのためI T部門では、2005年から びJ-SOX(2008年度)、四半期報告制度(2008年度)、実質的独 企業コード、財務コード(勘定科目)、人員コード、調達コード、国・ 立会社制導入(2009年度)といった社会的要請に応え進化を遂 地域、通貨や単位など、主要な管理コードについてグループ全体 げてきました。2015年4月、グローバル会計基準IFRS に対応す での統一を進め、グループ各社の財務情報や取引情報をグロー べく、計32の国と地域385社610拠点にてグローバル統一財務 バルにつなぐことを可能にしました。現在、登録されている企業 会計システムへ一斉移行を完了しました。 *1 コードは648,000件で、さらに日々増加を続けています。また、こ れらのコードは一元管理され、日本、中国に設置されたコード管理 グローバル統一財務会計システムは、勘定科目のグローバル センタで常に最新の状態に保たれています。 統一などにより、事業状況の見える化や財務業務改革、事業 再編へのタイムリーな対応、コンプライアンス/監査対応を実現 しています。 *1 IFRS: International Financial Reporting Standards(国際財務報告基準) 64.8 385 移行会社数 (610 ) 拠点 (1)スマートデバイス 社 いつでもどこでもセキュアなクライアント環境を提供するグ に接続するサービスを提供し、出張先、あるいは自宅でもメール ローバルコラボレーションPCと、音声や映像を含むリアルタイ 連絡が可能となっています。さらに、さまざまな社内システムを ムコラボレーションにより、グローバルでの即時型コミュニケー 社外から利用可能とすることで、時間・場所に依存しない業務環 ションを強化しています。これにより、会議の効率化と意思決定 境を実現しています。 のスピードアップを促進しています。 13.3 (2)グローバルメール 国内外を問わない共通の操作性と機能を実現したメール環境 を、グローバルIT標準サービスとしてグループ各社に提供して います。日立グループがグローバルで一丸となり、安心・安全に コミュニケーションできる標準方式を北米で整備し、グローバル 全体での集約・標準化を行っています。 社員間に加えて、他社や事業パートナーなどとの間で業務ノウ ハウやスキルの共有を可能とし、知の結集と利活用を実現する エンタープライズ・ソーシャル・ネットワーキング・サービスの 活用も進んでいます。 “個人の作業”から“チームの作業”への 変革を支援し、ワークスタイル改革を加速させています。 19 万人 グローバルでのリアルタイム型コミュニケーション ・資料共有 ■相手の在席状況 の確認 グローバルメールの利用人数 万件 (4)エンタープライズSNS リアルタイムコミュニケーションの加入者数 現在登録されている企業コードの件数 9 (3)リアルタイムコミュニケーション スマートフォンなどのスマートデバイスから社内メールシステム ■スマートデバイスから メールシステムに接続 ■簡単なメッセージ の送信 ABCDEFG ABCDEFG ・プレゼンス ・インスタント メッセージ ・音声/ビデオ通話 万人 ■同じ資料をお互い に見ながら会話 ■音声/ビデオによる リアルタイム コミュニケーション 10 日立グループITパフォーマンスレポート2016 Hitachi Group IT Performance Report 2016 57 16,400,000,000 46 IT統括本部 東京都千代田区外神田一丁目18番13号 秋葉原ダイビル IT Strategy Division Hitachi, Ltd. Akihabara Daibiru Building, 18-13, Sotokanda 1-Chome, Chiyoda-ku, Tokyo, 101-8608 Japan © Hitachi, Ltd. 2016. All rights reserved. Oct 2016/02 190,000 385 2,300