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MK-00149_Issue1 (Clues to genetic disorders
事例研究 唾液からのDNAが遺伝性疾患研究の手がかりに 松本 直通教授 横浜市立大学大学院医学研究科 環境分子医科学(遺伝学) 研究概要 松本教授と横浜市立大学の研究チームは、メンデル型遺伝病などの疾患に ついて、3年間におよぶプロジェクトに携わっています。遺伝病は病理学的 に単一欠陥をもたらすDNA構造の単一変異によるものです。単一遺伝子の欠 陥が原因で鎌状赤血球貧血、テイ=サックス病、嚢胞性線維症などの疾患 を患っている人は4,000人以上います。遺伝病には、殆どの効果的な治療が ありません。松本教授は、長年にわたり遺伝性疾患に関するゲノム解析に 携わっており、エクソームや次世代シークエンサーが遺伝変異を解析する ためにより正確な技術をもたらすことが分かってきました。また病気の原 因である遺伝子を特定するために遺伝子検査やカウンセリングを実施する ことは重要です。松本教授は、患者とその家族からDNAサンプル1,000検体 を収集、解析するために3年間に渡るプロジェクトを計画しました。 最大の挑戦 患者は検査のために定期的な通院、および採血が必要です。しかしながら、 遺伝病についての研究は、患者の家族からもDNAサンプルを必要と しています。ここで、研究チームが直面した主な課題は、病院まで同行し なかった患者の家族からサンプルを採取することでした。DNAの品質は、 PCRの候補遺伝子の塩基配列決定、およびエクソーム解析(Agilent社製 SureSelectと、Illumina社製HiSeq2000を使用)に用いるため厳しい条件を満 たす必要がありました。またDNA採取にかかるコストは、プロジェクト予 算内で費用対効果が高くなければなりませんでした。 採取方法 松本教授は血液採取に加えて、解析のための品質基準を満たしながら、 DNAサンプルの自己採取が容易な代替手段を探しており、Oragene®(DNA DNAサンプルの自己採取が容易な代替手段を探しており、 唾液採取キット)は、まさに採血に代わる新たな方法でした。 (アメリカ国外) (アメリカ国内) 地域により、DNA ゲノテック 製品の一部は販売されていません。詳しくはお近くの代理店までお問合わせください。 DNA Genotek Inc. 2 ビーヴァブルックロード オタワ、オンタリオ、カナダ K2K 1L1 OraSure Technologies, Inc.の子会社 フリーダイヤル(北アメリカ):1.866.813.6354 電話:613.723.5757 • ファックス:613.723.5057 www.dnagenotek.com [email protected] 上質のサンプル 実証済みの成果 Oragene/唾液採取キットを選んだ理由 松本教授は、依然行っていた研究プロジェクト1でOrageneを採用しました。 これまでの経験に基づいてOrageneで得られたDNAは品質基準を満たし、 患者の家族にとって使いやすい自己採取法であることが分かりました。 またOrageneは、郵便を介して送ることができるので、解析のために収集 したサンプルを容易で迅速に回収することができます。このOrageneより 利便性と患者の家族からサンプル採取がより容易になりました。 成果 Orageneは、PCR-ダイレクトシークエンシング、および次世代シークエン シングに要求される品質基準(表1)を満たしながら、松本教授の研究に95% を超える順守率を達成しました。またサンプルから得られたデータ(表2) は、血液を用いた結果と同等でした。結果として、コッフィン・シリス症 候群、脊髄小脳失調、HCAHC、早期乳児てんかん性脳症、その他等を含 むいくつかのメンデル型遺伝性疾患の変異の原因の同定に役立てることが できました。 Table 1 DNA ID Sample ID After purification Concentration (ng/µL) Total amount (ng) A260/A280 A260/A230 dsDNA concentration (ng/µL) 1 362.9 18145 1.90 2.03 89.2 2 368.1 18405 1.91 1.84 97.4 3 394.7 19735 1.94 1.89 58.8 4 234.2 11710 1.86 2.00 40.7 5 324.2 16210 1.89 1.83 62.3 Measured by Nanodrop Measured by Qubit (Invitrogen system) Table 2 Sample ID Total output Mean depth Percent bases Percent bases Percent bases Percent aligned above 5 above 10 above 20 to genome 1 4200958785 125.51 96 94.5 90.6 97.01446718 2 3722946669 111.23 95.7 93.9 89.3 97.39562778 3 4384176351 130.98 95.9 94.5 90.8 95.30240887 4 3690525897 110.26 95.7 94 89.4 96.83854435 5 3720171081 111.14 95.7 94.1 89.6 96.95681714 1 Yoneda Y., Haginoya K., Arai H., Yamaoka S., Tsurusaki Y., Doi H., Miyake N., (...), Saitsu H. De novo and inherited mutations in COL4A2, encoding the type IV collagen α2 chain cause porencephaly (2012) American Journal of Human Genetics, 90 (1), pp. 86-90. Oragene®•DNA はアメリカ合衆国では販売されておりません。 Oragene®•DISCOVER は研究用のみであり、診断プロセスでの使用には適していません。 ®Oragene はDNA Genotek Inc. の登録商標です。これに含まれる全てのブランドおよび名称は所有者の財産です。 上質のサンプル• 実証済みの成果 MK-00149 (JA - Japanese) Issue 1/2013-03 © 2013 DNA Genotek Inc., OraSure Technologies, Inc.の子会社, 無断複写複製は特定の場合を除い禁止されています。 www.dnagenotek.com