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カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム 9 形 カ ラ ー 受 像 機
UDC 621. 397. 62 : 621. 397. 132 論 文 カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム 9 形 カ ラ ー 受 像 機 八欧電機株式会社 杉 原 康 正 伊 藤 富 夫 洞 口 祐 色 切 換 格 子 つ きの 単 電 子 銃 カ ラー受 像 管 カ ラー ネ トロ ンを 開発 し,色 再 生 方 式 に 線順 次 式 の カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム を用 い た新 しい カ ラー受 像 機 を実 用 化 した .回 路 は す べ て トラ ン ジス タ化 し,ポ ー タ ブル カ ラ ー テ レ ビと して ま と め た .こ こに そ の動 作 原理,各 回 路 の設 計 概要,構 造,特 長 に つ い て 紹 介 す る. の もの と本 質 的 に異 な った新 しい製 品 とい う こ とが で き 1. ま え が き よ う. 3電 子 銃 シ ャ ドウ マ ス ク受 像 管 を 用 い た 受 像 機 は 多 く の す ぐれ た性 能 を もち な が ら も,画 面 が や や 暗 い こ と, 取 り扱 いが 厄 介 な こ と,ま た,価 格 が 高 い た め に,こ れ に 代 わ る べ きす ぐれ た もの を 探 究 す る努 力 が 各 国 で 進 め (1) 単 電 子 銃 受 像 管9形 カ ラー ネ トロ ンを 用 い た. (2) 色 再 生 に線 順 次方 式 に よ るカ ラー ネ ッ トシス テ ム を用 い た. (3) 全 トラ ン ジス タ化 した. られ て き た. い ま まで に市 販 され て きた カ ラー テ レ ビは,ほ とん ど す べ て シ ャ ドウ マ ス ク形 受 像 管 を 用 い た もの で あ り,各 メ ー カ ー の 回路 も大 同小 異 で あ っ たが,本 機 はつ ぎ に述 べ る基 本 的 な新 しい 考 え 方 か ら ま とめ られ て いて,従 来 筆 者 紹 介 す ぎ はらや す まさ 杉 原 康 正 業.昭 昭 和20年,旅 和25年,八 設 計 に 従 事,昭 順工科大学電気工学科卒 欧 電機 株 式 会 社 入 社,FM通 和27年,TV受 信機の 像 機 の試 作 設 計 に 専 念 し,カ ラーTV,ト ラ ン ジ ス タTVの 在,第 二 技 術 部 長.正 会 員 。 開 発 に 従 事,現 写 真1 GTC-9の 外観 い とうひさ お 伊 藤 富 夫 学 科 卒 業.同 昭 和28年,慶 年,八 応 義塾大学工学部電気工 欧 電機 株 式 会 社 入 社,TV受 の 試 作 設 計 に従 事 し,最 近 は カ ラーTV,ト タTVの 長.正 開 発 を 担 当,現 在,第 像機 ラ ンジ ス 二技術部技術第一課 会 員. ほらぐち あきら 洞 口 祐 昭和31年,東 北大学工学部通信工学科 卒業。 同年,八 欧電機 株式会社入社,測 定器の設計業 務 に従 事,昭 和36年 よ りカ ラーTVの 開発に従事, 現在,第 二技術部技術第一課第二係長.正 会員. "An Outline of Engineering Design of the COLORNET 9 Type Color TV Akira Horaguchi 28 (270) System Receiver" by Yasumasa Sugihara, Hisao Ito and (Yaou ElectricCo. Ltd., Kawasaki) 写 真2 白 黒放 送 の受 像 画 像 テ レ ビ ジ ョン カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム9形 (4)ポ カラー受像機〓 論 文 ー タ ブル カ ラー テ レビ と して 小 形 軽 量 化 した. 写 真1は 本 機 の外 観 を示 し,写 真2は 本 機 で 受 像 した 白 黒 画像 で あ る. 2. カ ラ ー ネ トロ ン カ ラー ネ トロ ン(COLORNETRON)は,い わ ゆるロ ー レ ンス管 を実 用 化 した 単 電 子 銃 受 像 管 の 商 品 名 で ,神 戸 工 業 株 式 会 社 との協 同 研 究 で 開 発 した もの で あ る. 図1は け い 光 体 前 面 の 電 極 の 配 列 を 図 解 した も ので, 色 切 換 格子 の ほ か に,そ の 直 前 に 集 束 格 子 を備 えて 電 子 ビー ム の 集束 の 改 善 に 大 きな 効 果 を あ げて い る.こ の種 の 受 像 管 の 特 長 は,電 子 ビー ムの 透 過 率 が80%以 シ ャ ドウマ ス ク形 受 像 管 の 約5倍 上 で, も あ り,非 常 に 明 る い 画 面 が 得 られ る.も う一 つ の 大 きな 特 長 は後 段 加 速,後 段 集束 で あ るた め,主 偏 向 電 力 は非 常 に少 な く,ト ラ ン ジ ス タ 化 の 条 件 を み た して い る. 画面 の 明 る さは,け い光 面 に与 え られ る電 子 エ ネ ル ギ ー に お お よ そ 比 例 す る もの とす れ ば,け い光 体 に加 え る 図2 カ ラー ネ トロ ンの カ ソー ド 電流対輝度特性 電 圧 とけ い 光 体 に 達 す る ビー ム電 流 の積 に比 例 す る.い ま,単 電 子 銃 受 像 管 の高 圧 をEpc,カ ソ ー ド電 流 をIkc, 電 流 透 過 率 を ηeとす る と,け い光 体 に達 す る電 力Pcは カ ソ ー ド電 流 銃 ほ ど多 く とれ な い の で,こ れ らを 総 合 して9形 (2) る.ま た,シ ャ ド ウ マ ス ク 形 受 像 管 の3電 配 比 を 考 慮 に 入 れ て,Ikc/Iksを1/2.5と (3)は 電子銃受像 の ηc/ηsは5と な 次 式,線 順 次 式,点 順 次 式 の3種 の方 法 が あ るが,わ れ わ れ は こ の3種 に つ い て種 々検 討 した 結 果,線 順 次 方 式 この 式 は ビー ム電 流 が に多 くの特 長 を見 い だ し,小 形 受 像 機 の 場 合 に は 実 用 化 走 査 期 間 中有 効 に利 用 さ が で き る確 信 を得 た.線 順 次 方 式 の お もな 特 長 を あ げ る れ た 場 合 で あ って,単 電 とつ ぎの とお りで あ る. (1) 色 の 切 換 えが 水 平 帰 線 期 間 内 に行 な わ れ る の 順 次式か面順次式の場合 で,ビ ー ム電 流 の 利 用 率 が 点 順 次 式 に比 較 して は るか に に か ぎ られ る.点 順 次 式 す ぐれ て い る. の 場合 に は 電子 ビー ム は 第4号 3. カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム 単 電 子 銃 受 像 管 で色 彩 像 を再 生 す る方 式 と して は面 順 子 銃 受 像 管 の 場 合 に は線 第19巻 あ る. 仮 定 す る と, つ ぎ の よ う に な る. カ ラ ー ネ トロ ン に お け る け い光 体 前 の 電極 配 列 ロ ンの カ ソー ド電 流 に対 す る明 る さの 関 係 を 示 した図 で 子 銃 の電 流 分 (4) 図1 のカ ラ ー ネ トロ ンは ,16形 の シ ャ ドウマ ス ク受 像 管 に比 して3 ∼4倍 の 明 るさ が得 られ て い る.図2は9形 カ ラー ネ ト (3) す る と,(3)式 較 す る と,高 圧 が 等 しい と きに は8倍 の 明 る さ に な る あ り,ビ ー ム 電 流 も シ ャ ドウマ ス ク受 像 管 の1個 の電 子 す ると 管 の 透 過 率 を80%と な が,実 際 に は受 像 管 が 小 形 で あ る た め高 圧 も低 く と って を11es,電 流 透 過 率 を ηs,け い光 体 に達 す る電 力 をPsと ャ ドウ マ ス ク の 透 過 率 を16%,単 ック径 あ っ て,16形 るか ら明 る さは4倍 に な る.し たが って,単 位 面 積 で比 (1) い ま,シ の バ ル ブを使 用 した90° 偏 向,ネ 効 画 面 は157mm×115mmで シ ャ ドウ マ ス ク受 像 管 に 比 較 して その 面 積 が 約1/4に 次 式 で 示 され る. シ ャ ドウマ ス ク受 像 管 の高 圧 をEps,全 トロ ンは,9形 20mmφ,有 (2) 色 切 換 周 波 数 が 水 平 走 査 周 波 数 の1/3で ブル ー ミング 特 性 に よ っ ら,3.58Mcで て制 限 さ れ,(4)式 要 す る電 力 が1/10以 の係 数 は2以 下 とな る. 本 機 に用 い た カ ラー ネ あ るか 切 換 え る点 順 次 式 に 比 較 して,切 換 え に 下 に 減少 す る.し た が って,容 易 に 回路 の トラ ン ジス タ化 が で きた. (3) 色 切換 え の 周 波 数 が 低 く,そ の 電 力 が 小 さ い た (271) 29 現 在 は ス ト レー ジカ ウ ン タで 階 段 波 を作 り, トラ ン ジ ス タ に よ る ス イ ッチ ン グ 回路 に よ っ て 簡 単 に色 切 換 え を行 な う と 同時 に,色 信 号 の 復 調 に は た だ1個 の 復 調 器 で 線 順 次 の色 差 信 号 を得 る方 法 を考 案 した.こ れ らに よ って, トラ ン ジ ス タ約10個 と 回路 部 品 数 十 個 を節 約 す る ことが で き た.ま た,復 調 器 が1個 であ る た め,白 バ ラ ンス は単 電 子 銃 で あ る こ と と あ い ま っ て,完 全 に安 定 させ る こ とが で き, 経 時 変 化 に よ る各 色 差 信 号 の不 平 衡 を 生 ず る ことが な く,安 定 に色 彩 の再 生 が で き る. NTSC信 号 の色 度 信 号 はI,Q信 て3.58Mcの 号によ っ 副 搬 送 波 を二 重平 衡 変 調 した も の で,こ れ を復 調 す るた め に は,図4の よう に副 搬 送 波 と同 じ周 波 数 で,希 望 す る検 波 軸 と 同 じ位 相 を もつ基 準 副 搬 送 波 を 挿入 しな け れ ば な らな い.線 順 次 式 の 場 合 の よ うに 色 切 図3 本 機 の 系 統 図 換 時 間 が副 搬 送 波 の1周 期 に対 して 充分 長 い め,不 要 輻 射 が非 常 に少 な くな った. (4) 場 合 に は,あ 受 像 管 内 へ 大 きな 切 換 電 力 が 注 入 され る こ とが な くな った の で,受 像 管 の製 造 技 術 上 有 利 で あ る. (5) 回 路 構 成 が 非 常 に単 純 に な り,切 換 周波 数 が 低 い の で,動 作 が 非 常 に安 定 で あ る. (6) 色 の忠 実 度 が点 順 次 式 に 比 較 して 良 好 で あ る. この 方 式 の た だ一 つ の欠 点 は,白 色 の再 生 の た め に3 本 の 走 査 線 を要 す る た め,等 価 走 査 線 数 が1/3に な るこ らか じめ復 調 器 に3色 の検 波 軸 を もつ 線 順 次 の基 準 副 搬 送 波 を加 え る こ とに よ り,出 力 と して た だ 1個 の復 調器 で 線順 次 の色 信 号 を 得 る こ とが で き る. 本 機 で は,検 波 軸 と して120° ず つ ず れ た対 称 形 を 用 い た.い ま,水 晶 発 振 器 に3.58Mcか の1/3だ け 上 ま たは 下 に は な れ た周 波 数 を 用 い る.副 搬 送 波 周 波 数 をfSC,水 の 周 波 数 をfRと ら水平 走 査 周 波 数 平 走 査 周波 数 をfH,水 晶発振器 す ると とで あ る.し か し,画 面 が小 さい 場 合 に は 充 分 実 用 に な (5) る. 受 像 管 の け い光 体 は,地 磁 気 の影 響 を受 け に くい よ う に,縦 方 向 に細 線 条 と して塗 布 した.そ れ を 線 順 次 式 で 横 方 向 に 走 査 す る た め,あ た か も,3色 のたて糸 とよこ 糸 の 交 点 が 発 光 して,微 細 な ネ ッ ト状 の 色 彩再 生 を す る と ころ か ら,カ ラー ネ ッ トシ ス テ ム と呼 ぶ こ とに した. 図3は 本 機 の 系 統 図 で,主 と して色 度 信 号 系 に つ い て示 説 明の 便 宜 上fSC+1/3fHに 水 平 走 査 の1周 期 をHで はあ る時 間 に 位 相 が 一 致 して か ら再 び同 じ位 相 に な る まで に 3Hの 時 間 が か か る.す な わ ち,fRはfSCに 対 して 360°位 相 が進 む こ とに な る.こ れ を 図解 した の が 図5 で あ る. 図 にお いてOPは し た. つ い て 説 明 す る. 表 わ す と,fRとfSCと はOPに 基 準 の3.58Mcの 位 相 を 示 し,OQ 対 して 連 続 的 に位 相 が 進 ん で い る こ とを示 す. 4. オ フ セ ッ トサ ブ キ ャ リア 復 調 方 式 カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム を 具 体 化 す る上 にお いて,線 順 次 の 色 切 換 回路 と線順 次 の 色 差 信 号 を 得 る方 法 は,従 来 用 い られ て い な い新 しい 方 法 で あ るだ け に,現 在 本 機 に 用 い て い る回路 に 到 達 す る まで に多 くの 労 力 を費 し,ま た苦 心 した 点 で あ る.す な わ ち,初 期 に は リ ング カ ウ ン タ ー に よ るゲ ー トパ ル スを 発 生 し,3個 の復 調 器 を順 次 ゲ ー トして 順 次 式 色 差 信 号 を 得 る初 歩 的 な方 法 か ら出発 した の で あ るが,多 くの 回 路 部 品 を必 要 と し,動 作 は複 雑 で,原 価 的 に も問 題 が あ っ た.そ の後 逐 次 改 良 を加 え 30 (272) 図4 復 調 器 テ レ ビ ジ ョン カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム9形 図5 カ ラ ー受 像 機 〓 論 文 基 準 副 搬 送 波 の位 相 解 説 図 そ こで,周 期Hの の こ ぎ り波 を 適 当 な振 幅 と極 性 で 水 晶 発 振 器 の 出力 を位 相 変 調 す れ ば,図5の0か の よ う に階 段 状 にHの らabcd 期 間 ご とに120° ず つ 位 相 推 移 し て,線 順 次 の対 称 形 検 波 軸 を得 る. fRはfSCに で,オ 対 して1/3fHだ け オ フセ ッ トされ るの フセ ッ トサ ブ キ ャ リア復 調 方 式 と呼 ぶ. fRとfSCの APC回 路 の 位 相 検 波 回 路 に加 え る カ ラ ーバ ー ス トは , と に抜 き 出 され た もの で な け れ ば な らな い .し 3Hご 図6 中 間 周 波 数 特 性 間 に は上 述 の よ うな 位 相 関 係 が あ る か ら 2映 像 検 波 器 の入 力 回路 に バ イ フ ァイ ラTト ラ ップ を 入 れ て,可 変 抵 抗 器 を調 整 して減 衰 が最 大 に な るよ うに し た が って,バ ー ス ト増 幅 器 に加 え るゲ ー トパ ル ス は,ス て い る.AGCに トレー ジカ ウ ン タ ま た は色 切 換 回路 よ り取 り出 した3H AGC特 の 周 期 を もつ パ ル スを 用 い る. 上の 利 得 が 特 に 問 題 と な り,チ ュ ー ナ や 中間 周 波 増 幅 の1段 目2段 目に 対 して は過 負 荷 特 性,終 段 の 中間 周 波 増 幅器 白 黒受 像 機 の トラ ン ジ ス タ化 は急 速 に進 展 し て い る ャ ドウマ ス ク形 受 像 機 の 場 合 に は,そ の大 き な偏 向電 力 の た め に,ま た,性 能 上 か ら要 求 され る技 術 上 の 困難 さの た め に,ま だ 研 究 段 階 に あ る も の と 思 わ れ る が,本 用 いて,50dB以 カ ラ ー受 像 機 の 場 合 に は信 号 伝 送 系 の微 分 位 相,微 分 5. 各 回 路 の 概 要 が,シ は キ ー ドAGCを 性 を 有 して い る. や 第2映 像 検 波 器 につ いて は,大 振 幅 に よ る非 直 線 ひ ず み に 特 に 注 意 しな けれ ば な らな い. 5.2 音 声 回 路 4.5Mcの 音 声 中 間 周波 信 号 を 中 間 周 波 増 幅 の 最 終 段 よ 機 は トラ ン ジ ス タ化 す る た めの 困 難 な問 題 を解 決 り取 り出 した以 外 は,白 黒 テ レ ビ と変 わ った と ころ は な して全 トラ ン ジス タ化 した もの で あ る.特 に,色 度 信 号 い が,利 得 を充 分 に と る た め に,音 声 中 間周 波 増 幅 段 は 系 や 色 切 換 回 路 に 多 くの 工 夫 が な され て い る. 3段 と した.音 声 出力 は小 形 ポ ー タ ブ ル テ レ ビで あ るの 5.1 NTSC信 号受信系 で,無 チ ュー ナ は,白 黒 テ レ ビに用 いて い る も の と本 質 的 に 相 違 は な い が,電 気 的 性 能 に改 良 を加 え た も の を用 い て ひず み 出力 を200mWと した. 5.3 同 期 偏 向 回路 同 期 分 離 回 路,同 期 増 幅 回路,AFC回 路,水 平 ・垂 い る.す な わ ち,通 過 帯 域 内の 周 波 数 特 性 や 発 振 周 波 数 直 発 振 回 路 は 白黒 トラ ン ジ ス タ テ レ ビと 同 様 で あ るか ら の漂 動 に対 して は,白 黒 テ レ ビよ り規 格 をせ ま く して あ 省 略 す る. る.ま た,ポ ー タ ブル テ レ ビと して 自蔵 ア ン テ ナで 広 範 囲 で実 用 で き るよ うに す るた め に,セ 10μV以 下 に と り,チ ッ トの 総 合 感 度 は ュ ー ナ の ノ イ ズ指 数 は6∼8dB 9形 カ ラー ネ トロ ン は偏 向角90°,ネ ック径20mmφ で あ るか ら,白 黒 トラ ン ジ ス タ テ レ ビに用 い て い る偏 向 ヨー クが その ま ま使 用 で き る う え に,後 段 加 速 で あ って で あ る. け い 光 体 に か か って い る加 速 電 圧 は14kVで 中 間周 波 増 幅 部 は2SA239×2, 2SA240×2の4段 の あ るが,主 偏 向 回 路 を 支 配 す る集 束 格 子 電 圧 はわ ず か に6kVで あ 増 幅 回路 で,音 声 トラ ップ の 深 さや 副 搬 送 波 周 波 数 付 近 るか ら,主 偏 向 電 力 は一 般 の9形 白黒 トラ ンジ ス タ テ レ の 特 性 に は,特 別 に細 か い 注 意 を しな けれ ば な らな い . ビよ り少 な くて す む.ま た,16形 シ ャ ドウ マ ス ク形 受 像 図6は,本 機 の 標準 の 中 間 周 波 回 路 の 通 過 帯 域 特 性 で, 機 で は,水 平 偏 向 電 力 が 約70W消 費 され て い る の に対 3.58Mc付 近 の 減衰 を少 な く して,音 声 トラ ップ の 減 衰 して,わ ず か に14W程 を50dB以 上 と る こ とは 非 常 に 困難 で あ る.本 機 で は 第 体 電 圧,集 束 格 子 電 圧,色 切 換 格 子 電 圧 が 比 例 的 に 変 化 第19巻 第4号 度 で 約1/5に す ぎ な い.け い光 (273) 31 図8 映像 増 幅 器 の 周 波 数 特 性 図7 高 圧 発 生 回路 す る な らば,ミ ス ラ ンデ ィ ン グに よ る色 ず れ は ほ とん ど 起 こ らな い し,ま た,ビ ー ム電 流 の平 均 値 が150μA以 下 で使 用 して い るの で,高 圧 に対 して 自動 制 御 回路 を設 け る必 要 が な く,回 路 や 構 造 が 非 常 に簡 単 に な った. 図7は 高 圧 発 生 回 路 を示 し,色 切 換 格 子 に は分 圧 方 式 で 電 圧 を 加 え,色 純 度 の微 細 調整 の た め に可 変 に して あ る.写 真3は 従 来 の カ ラー用 偏 向 ヨー ク と本 機 に 用 い た 偏 向 ヨー ク との 大 き さ を比 較 した もの で あ る. 5.4 映 像 増 幅 回 路 映 像 増 幅 回路 は,遅 延 回路 を入 れ る関係 か ら3段 とな っ て い るが,1段2段 る.第2映 目 と もに エ ミッ タ フ ォ ロ ワ で あ 像 検 波 出力 は だ い た い2Vp-pで,ま 像 管 の カ ッ トオ フ電 圧 は最 大60Vに 映 像 増 幅 回路 の 利 得 は30dB必 SC-70を 図9 帯 域 増 幅 器 各段 の 特 性 た,受 設 計 して あ るの で, 要 で あ るが,本 機 で は2 使 用 して コ ン トラス ト最 大 で 約38dBの 利得を と って あ る.周 波 数 特 性 は 図8に 示 す が,小 形 受 像 管 で は 充 分 な 解 像 度 を得 る ことが で き る. 同 期 信 号,キ ー ドAGC用 映 像 信 号,色 度 信 号 は す べ て 初 段 映 像 増 幅 器 の エ ミッタ か ら取 って い る. 5.5 帯 域 増 幅 回路 2段 の 帯 域 増 幅器 で,必 要 な 利得 と通 過 帯 域 特 性 を 得 て い る.必 要 な選 択 度 と帯 域 幅 は主 と して 初 段 の 帯 域 増 幅 器 の コ レク タ回 路 で 得 て い る.図9は 性 を 示 した もの で あ る.ア 各 段 の別 々の 特 図10 ンテ ナ入 力 端 子 か ら復 調器 ま 色度信号系総合特性 で の 総合 通 過 帯 域 特 性 は 図10の 幅 で少 な く と も ±500kc以 よ うで, -3dB 上 と るよ うに設 計 し た. 5.6 色 同期 増 幅 回 路 3Hの 周 期 の ゲ ー トパ ル ス で バ ー ス ト信 号 を 抜 き出 す こ とは前 述 した とお りで あ る.写 真4は ゲ ー トパ ル ス の 波形 で あ り,写 真5は ゲ ー トされ た バ ー ス トの 出力 波 形 で あ る.位 相 調 整 に は コ レク タ側 の等 価 同 調容 量 を 変 化 して 行 な って い る. 写 真3 32 (274) カ ラー 用 偏 向 ヨー ク 5.7 APC回 路 テ レ ビ ジ ョン カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム9形 写 真4 写 真5 文 ゲ ー トパ ル ス 上: ゲ ー トさ れ た バ ー ス ト出 力 波 形 下: 比 較 の た め の水 平 パ ル ス 図11 図12 写 真6 カ ラ ー受 像 機 〓 論 水晶発振器の制御特性 位 相 検 波 回 路 と水 晶発 振 回 路 基 準副搬送波の ベ ク トル 図 本 機 に は ス リー イ ンタ ー バ ルAP C回 路 を 用 い て い る,1Hご 来 ゲ ー トして い た もの を3Hご 御 電 圧 が1/3に や,水 と に従 図13 移 相 回 路 との ゲ ー トに す る と,制 減 少 す るの で,位 相 検 波 回 路 の 検 波 感 度 晶発 振 器 の制 御 感度 を上 げ るよ うに して い る. 図14 位 相変調 回路 図11は 水 晶発 振 回路 の制 御感 度 を示 した 図 で,リ ア ク タ ン ス素 子 と して バ リキ ャ ップ.1S48を 12はAPC回 5.8 用 い て い る.図 路 お よ び水 晶 発 振 回 路 を示 した. 位 相 変 調 回路 線 順 次 の 基 準 副 搬 送 波 を作 る た め に は,水 晶発 振 器 の 出 力 を 周 期Hの の こ ぎ り波 で 位 相 変 調 す れ ば よ い こ と て,こ れ に の こ ぎ り波 を加 え た.実 用 回路 は図14の う に した.図13に よ お いて コ イル の電 源 イ ン ピー ダ ンス が 無 視 で き る と仮 定 して,コ イル の 両 端 に 図 の よ う に電 圧 が 誘 起 す る と, は前 述 した とお りで あ るが,写 真6は 位 相 変 調 して1200 (6) 間 隔 に な って い る基 準 副 搬 送 波 の ベ ク トル 図 で あ る.位 相 変 調 のH期 間 内 の 偏 差 は ±5°以 内 に お さえ る こ とが で き,実 用 上 ま った く問題 に な らな い. 位 相 変 調 は原 理 的 に は図13の よ う な移 相 回路 を用 い, 自動 的 に位 相 変 位 を生 ず る よ う にバ リキ ャ ップ を用 い 第19巻 第4号 こ の 式 はC,Rの 選 び 方 に よ っ て θ は0° か ら約180℃ 近 く ま で 変 化 す る こ と を 示 し て い る.ま たC,Rの 値いか (275) 33 カ ラ ーネ ッ トシ ス テム 34 (276) テ レ ビ ジ ョン カ ラ ー ネ ッ トシ ス テム9形 凡 例 抵抗器 ●特記な きもの は1/8V形,1/3は1/3巻線形,1/10は1/10LPS ●CR複 合部品の抵抗 は1/10Wにてすべて±10% 蓄電器 ●△……0.01μF高誘電 率磁器 コンデンサ ●MP… メタラ イズ ドペーパ ーコンデンサ ●MM… メタ ライ ズドマイラー コンデ ンサ 1P∼150Pは 温度 補償用磁器 コンデンサ (指定 なきものはSL特 性) カ ラー 受 像 機 〓 論 文 ●220P∼4,700Pは ポ リスチ ロールコンデ ンサ 電 圧記入な きもの は50V ●0.001∼0.22はマイラー フィルムコンデ ンサ (指定な きものは±20%)電 圧記入 なきものは50V ●(AS) ,(AR)は 固体アル ミ電解 コンデンサ ●(LG)は ラグ形,(HF)は 高周波用 ,(L)は低 温用,(T)は チューブ ラ形,そ の他は片端子 形 ●1∼4,000は電解 コンデ ンサ。(容量〔 μF〕/耐圧〔V〕) 9形 カ ラ ー受 像 機 総 結 線 図 第19巻 第4号 (277) 35 ん に か か わ らず (8) が成 立 す るか ら,理 論 的 に はC,Rの 変 化 に よ って 出力 e0の 振 幅 は 変 化 しな い こ と を示 し,ま こと に都 合 が よ い. この オ フセ ッ トサ ブ キ ャ リア方 式 で は,120° の位 相 変 調 を す れ ば よい. 5.9 復調回路 復 調 器 に は トラ ン ジ ス タ1個 で よ く,そ のベ ー ス に線 類 次 の 基 準 副 搬 送 波 を加 え,エ て 復 調 す る と,コ とが で き る.コ 3.58Mcお ミ ッタ に色 度 信 号 を加 え レク タ側 に線 順 次 の色 差 信 号 を得 る こ レク タ側 に は適 当 な低 域 浜波 器 を 用 い て よ び そ の高 調波 を 減 衰 させ る.CRTの 第1 格 子 を 励 振 す る に充 分 な電 圧 に増 幅 す るた め に,色 信 号 増 幅 器 を1段 設 け て い る.周 波 数 特 性 は-3dBで kcで あ る.写 真7は 約400 カ ラー バ ー 信 号 の 出 力 波 形 で あ る. 復 調 器 の コ レク タ に は水 平 帰 線 消 去 信 号 が入 って い る. 5.10色 切換回路 300Vp-pで シ ャー シ の外 観 あ る.出 力 回路 は ト ラ ン ス結 合 で ス テ ップ ア ップ して い る. 色 切 換 格 子 に加 え る電 圧 は,周 期3Hの3段 波 で あ る.こ の よ うな 階 段 波 は,図15の 回 路 と水 平 走 査 周 波 数 の1/3の 生 して い る.1/3分 写 真9 階の階段 6. よ うな 蓄 積 計 数 分周器を組み合わせて発 周 器 に は ブ ロ ッキ ン グオ ッシ レー タ を 用 い た.写 真8は 色 切 換 電 圧 波 形 を 示 した. 色 切 換 出力 段 は ス イ ッ チ ン グ回 路 で,出 力 電 圧 は約 構 造 本 機 は トラ ン ジ ス タ化 に よ って小 形 軽 量 化 した 最 初 の カ ラー テ レ ビで あ って,高 圧 整 流 管 を 除 い て す べ て の 回 路 が トラ ン ジス タ化 され て い る.す な わ ち,ト タ47個,ダ ランジス イ オ ー ド27個 の ほ か,若 干 の 半 導 体 素 子 を 使 用 して い る.し た が って,消 費 電 力 はACで30W, DCで20Wで,シ ャ ドウ マ ス ク式 受 像 機 の わず か に1/10 以 下 で あ る.大 き さは 横 幅234mm,高 行265mm,重 量 は約7.8kgで さ255mm,奥 あ る. 単 電 子 銃 受 像 管 を 使 用 した た め,コ ンバ ーゼ ン ス ヨー クや コ ンバ ー ゼ ン ス ボー ドを 使 用 しな くて よ くな っ た こ と も,小 形 化 に 大 いに 役 立 って い る.受 像 管 の ま わ りは 図15 蓄積計数回路 簡 単 な磁 気 シー ル ドを す るの み で 地 磁 気 の影 響 を受 け る こ とが 非 常 に少 な く,カ ラ ー テ レ ビの ポ ー タ ブ ル化 を 促 進 した. 電 気 回 路 は4枚 の プ リ ン ト板 か ら成 って い て,ア フ タ ー サ ー ビス に便 利 な よ う に,コ ネ クタ で接 続 さ れ て い る.写 真9は シ ャー シの外 観 で あ る. キ ャ ビネ ッ トは プ ラス チ ッ クス で成 形 され,受 像 管 の 前 面 に は透 過率80%の 写 真7 カ ラバ ー信 号 の 出 力 波 形 い で い る.AC電 フ ィル タを 用 い,外 光 の 妨 害 を防 源 のみ な らず,DC電 源 で も使 用 で き るよ う設 計 され て い るの で,多 方 面 に 利 用 す る こ とが で き る. 7. む す び 今 回 実 用 化 した カ ラ ー ネ ッ トー9は,単 電子銃受像管 を使 用 した と い う こと以 上 に,線 順 次 方 式 を実 用化 した 写 真8 36 (278) 色切換電圧波形 こと に大 き な意 義 が あ る.線 順 次 方 式 は,ク ロー リング テ レビ ジ ョン カ ラ ー ネ ッ トシ ス テ ム9形 カ ラ ー 受像 機 〓 論 文 現 象 の た め に実 用 に な らな い とい う潜 在 観 念 か ら,多 く ム も,多 の技 術者 に 見 放 され て い たが,画 面 の縮 小 に よ って充 分 の ご批 判 と ご指 導 を 得 て 改 良 され る な らば幸 甚 で あ る. に実 用 性 の あ る領 域 に入 る と同 時 に,回 路 の トラ ンジ ス くの 未 熟 の 点 が ふ くまれ て い る の で,先 輩 諸 賢 最 後 に,カ ラー ネ トロ ンの 開 発 を 担 当 して い た だ い た タ化,小 形 軽 量 化,高 輝 度 化,高 忠 実 度 の色 再 生,不 要 神戸 工 業 株 式 会 社 映 像 管 課 々長 中村 正 氏,な 輻 射 の 減少,回 位.旧 神戸 工 業 株 式 会 社 取 締 役 佐 々木 正 氏 に 深 く感 謝 の 路 の 簡 易 化 と安 定 化 等,数 多 くの長 所 を らび担 当各 発 揮 す る こ とが で き た.ま た,単 電 子 銃 受 像 管 の使 用 に 意 を 表 す る と と もに,八 欧 電 機 株 式 会 社 常 務 取 締 役 志 賀 よ っ て地 磁 気 の影 響 を 減 少,コ ンバ ーゼ ン ス ヨ ー ク お よ 寛 氏,特 許 課 長 三 谷 勇 氏,お び そ の 回路 の 省 略 に よ って,取 り扱 いが 非 常 に簡 単 に な 導 と ご協 力 に 感 謝 致 しま す. よび 技 術 部 担 当 各 位 の ご指 (昭和39年10月20日 受付) り,原 価 低 減 も大 い に 期 待 で き る. 明 る さ は16形 シ ャ ドウマ ス クの 約2倍 こ とが で き,解 像 度 は 約250本 の 明 る さ を得 る 〔 参 で あ る. 考 文 1) 島 茂雄:ト 2) 三 熊 文 雄 編:ト ムで 色 彩 の再 生 を行 な う方 法 は,放 送 用 カ ラー 受 像 機 の 3) 編 集 委 員 会編:テ み な らず,カ 4) 川 上 正 光:電 5) J. W. Wentworth Color Television Engineering, McGraw-Hill, New York (1955) NTSC : Color Television Standards, McGraw-Hill, NeW York (1955) The Itazeltine Laboratories Staff : Principle of Color Television, John Wiley and Sons, New York (1955) D. G. Fink : Television Engineering Handbook, McGraw-Hill, New York (1957) こ の小 形 カ ラー ネ トロ ンを 用 い,カ ラーITV用,カ ラー ネ ッ トシ ス テ ラーVTR用 モ ニ ター と して も そ の特 長 を発 揮 し,将 来 か ぎ りな い 楽 しみ を 与 え て くれ る こと を期 待 して い る.ま た,将 来 の マ イ ク ロ ミ 6) ニ ア チ ャ リゼ ー シ ョ ンの方 向 に 沿 って ,カ ラー ネ ッ トシ 7) ス テ ムの 応 用 は ま す ま す拡 大 され る もの と思 わ れ る.し 8) か しなが ら,よ うや く実 用 化 され た カ ラー ネ ッ トシ ス テ メ ラの 合 子 回路,V巻,共 立 出版(1958) る が,こ デオ 記 録 内 容 を も つ 簡 易(斜 の テ ー プ と ま つ た く同 じ テ ー プ の 自動 編 集 機 のパ イ ロ ッ ト VTRテ モ デ ル が 完 成 し,技 室 内 で は,Editor(ま テ ー プ のQト め 走 査) ー プ を 作 っ て お く.編 が 簡 易VTRの 集 た はPD) 絵 を 見 な が ら,こ こ ぞ と思 う 点 で 編 集 卓 の ボ タ ン を ス タ ジ オ 収 録 し た4ヘ ッ ドVTR ラ ッ ク に は.時 押 す と,指 間 のボタ 易VTRは 術研 か ら現 用 試 験 が 行 な カ ッ トに つ い て,こ ン 押 し 作 業 を く り 返 せ ば よ く,簡 究 所 で 研 究 を 進 め て い た,ビ わ れ て い る. (1963) 単 位 の ア ドレス が 書 き込 まれ てい 理 性 を 結 合 す べ く,NHK技 術 現 業 局 の手 (1964) 文堂 レ ビジ ョ ン工 学 ハ ン ドブ ッ ク,オ ー ム社 (1959) は,各 映 画 の 表 現 力 とTVカ 刊 工業新聞社 ラ ンジ ス タ と通 信 工 学,誠 メ モ リ ー に 書 き 込 ま れ る.Editor ビデ オ テ ー プ の 自動 編 集 機 豆 テロッ プ で,40年4月 ラ ンジ ス タ回路,日 献〕 定 し た カ ッ トに つ い て の 映 像 の ア ド レ ス が,磁 気 ドラ ム 操 作 が 簡 単 で,ス モ ー シ ョ ン,逆 よ っ て,微 の,編 転,静 ロー 止 画 な どに 妙 な表 現力 を 得 るた め 集 点 を容 易 に探 し出 す こ と が で き る. 以 上 の 純 編 集 操 作 が 終 わ る と, Editorの イ メ ー ジ は す べ て 磁気 ド ラ ム メ モ リー に移 さ れ た わ け だ か ら,あ とは純 技 術 操 作 に よ つて 実 プ ロ テ ー プ を 作 る. す なわ ち磁 気 ドラム の 内 容 を 電 子 計 算 機 に 自 動 判 断,自 動制御さ せ て ス タ ジ オ 収 録 テ ー プ(4ヘ ドVTR)か 2の4ヘ ら第2の ッ ドVTR)に 自動 的 に ダ ビ ン グ を 行 な わ せ る.こ ス 計 算 機 は,ド ッ テ ー プ(第 のプロセ ラ ム 読 出,編 自 動 ダ ビ ン グ,特 集, 殊 効 果 な どの 機 能 モ ー ドを も ち,合 計 約600の 固 定 プ ロ グ ラ ム で 構 成 さ れ て い る. 本 装 置 が 番 組 制 作 の新 しい 手 段 向か っ て 右側 に はTR式4ヘ ッ ドVTR2台 が 置 か れ,1台 は ス タ ジ オ収 録 し た 原 テー プ,1台 は ダ ビ ン グ され る第2の テ ー プ を装 着 す る.左 側 は手 前 よ り,プ ロセ ス 制 御 計 算 機(2ラ ッ ク)制 御 卓,磁 気 ドラ ム メ モ リー の順 に配 列 し て あ る . 正 面 の ラ ッ クは,ビ デ オ テー プ入 出 力 信 号 の変 換 回 路 と ア ドレ ス発 生 器 で あ る.こ の ほか 編 集 室(2m×5m)に は,編 集 用 簡 易VTR,モ ニ ター,編 集 卓 が あ り, ダ ビ ン グ室 と電 気 的 に 結 合 され て い る. 第19巻 第4号 と し て,ど の 程 度 有 効 か は,上 試 験 の 結 果 明 ら か に な り,近 記 く会 員 諸 兄 に 報 告 で き る も の思 とわ れ る. (NHK技 研 藤村 安志) (279) 37