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第2次秋田県地球温暖化対策推進計画 (素案)

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第2次秋田県地球温暖化対策推進計画 (素案)
第2次秋田県地球温暖化対策推進計画
(素案)
秋
田
県
目
次
第1章 計画策定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第2章 計画の基本的事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1
計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2
対象とする温室効果ガス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3
計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第3章 地球温暖化の現状と取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1
地球温暖化のメカニズム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
2
地球温暖化の現状と今後の見通し・・・・・・・・・・・・・・・・3
3
地球温暖化防止に向けたこれまでの取組・・・・・・・・・・・・10
4
秋田県における温暖化対策の取組・・・・・・・・・・・・・・・11
第4章 温室効果ガスの排出状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
1 温室効果ガスの総排出量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
2 二酸化炭素の排出量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
3 部門別の二酸化炭素排出量・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
4 二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出状況・・・・・・・・・・・35
5 森林吸収量の現況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
第5章 再生可能エネルギーの導入状況と目標・・・・・・・・・・・・・38
1 国内の導入状況と国の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
2 秋田県における再生可能エネルギーの導入状況・・・・・・・・・41
3 秋田県における導入促進施策及び取組・・・・・・・・・・・・・44
4
再生可能エネルギーの導入目標・・・・・・・・・・・・・・・・45
第6章 温室効果ガス排出量の削減目標・・・・・・・・・・・・・・・・48
1 目標年度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
2 温室効果ガス排出量の2030(平成42)年度の将来推計・・・・・・・48
3
2030(平成42)年度における削減目標・・・・・・・・・・・・・・51
第7章 温室効果ガス排出抑制等に関する施策・・・・・・・・・・・・・57
1
秋田県における温暖化対策の基本方針・・・・・・・・・・・・・57
2
重点的に取り組む施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
3
分野別の対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
(1)省エネルギー対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
(2)省エネ以外の排出抑制等対策の推進
・・・・・・・・・・・・60
(3)再生可能エネルギー等の導入の推進・・・・・・・・・・・・・61
(4)循環型社会の形成(廃棄物の発生抑制等) ・・・・・・・・・63
(5)低炭素型地域づくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・63
(6)森林の保全・整備による二酸化炭素吸収促進・・・・・・・・・64
(7)環境教育・学習の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
(8)環境価値の創出とカーボンオフセットの普及・・・・・・・・・64
4
分野横断的な取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65
5
各主体ごとに取り組む施策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・65
第8章 地球温暖化への適応策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72
1
背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72
2
秋田県における気候及び変動予測・・・・・・・・・・・・・・・74
3
秋田県における地球温暖化の影響・・・・・・・・・・・・・・・78
4
秋田県における適応への取組・・・・・・・・・・・・・・・・・82
第9章 計画の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・86
1
各主体の推進体制について・・・・・・・・・・・・・・・・・・86
2
総合的な推進を行うための組織について・・・・・・・・・・・・87
3
計画の進行管理について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87
4
計画の見直しについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87
パブリックコメント用 素案
第1章 計画策定の趣旨
1992 年6月、世界は「気候変動枠組条約」を採択し、地球温暖化対策に世界全体で取り組んでい
くことに合意しました。
この条約のもと、1997 年に、先進国の温室効果ガスの削減を約束する「京都議定書」が採択さ
れ、先進各国が第一約束期間(2008 年~2012 年)の温室効果ガス排出量の削減目標を定めました。
京都議定書第一約束期間以降の温室効果ガス排出削減については、2009 年以降、気候変動枠組
条約締約国会議で議論が進められてきましたが、2015 年にパリで開催された COP21 において、地球
温暖化に関する新たな国際的な枠組みである「パリ協定」が採択されました。
こうした動きの中、国では、新たな温室効果ガス削減目標を、2030 年度に 2013 年度比 26%減と
した
「日本の約束草案」
を 2015 年に国連事務局に提出したほか、
「気候変動の影響への適応計画
(2015
年策定)
」や「地球温暖化対策計画(2016 年策定)
」により、取組を強化しています。
本県では、1999 年3月に「温暖化対策 美の国あきた計画」を策定、2007 年3月に同計画を改
定し、温暖化対策に取り組んできました。2011 年3月には「秋田県地球温暖化対策推進条例」を制
定するとともに、同条例に基づき「秋田県地球温暖化対策推進計画」を策定し、2020 年度までに
1990 年度比で 11%削減することを目標として、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進してき
たところです。
しかし、2011 年 3 月に東日本大震災が発生して以降、本県の温室効果ガス排出量は増加傾向を続
けており、2013 年度における本県の温室効果ガスの総排出量は目標数値を大きく上回っています。
このような震災後の社会情勢の変化や世界の動向、国の計画、地球温暖化に関する最新の知見を
踏まえて計画の見直しを行い、第2次計画として策定し、地球温暖化対策をより強力に推進するも
のです。
1
パブリックコメント用 素案
第2章
1
計画の基本的事項
計画の位置づけ
(1)地球温暖化対策の推進に関する法律(以下「地球温暖化対策推進法」という。)
第 21 条第3項の規定に基づく「地方公共団体実行計画」として位置づけます。
(2)秋田県地球温暖化対策推進条例第7条において、地球温暖化対策を総合的かつ
計画的に推進する目的で策定する「地球温暖化対策推進計画」として位置づけま
す。
2
対象とする温室効果ガス
本計画で対象とする温室効果ガスは、地球温暖化対策推進法で対象とされている
二酸化炭素(CO 2 )、メタン(CH 4 )、一酸化二窒素(N 2 O)、ハイドロフルオロカー
ボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs) 、 六ふっ化硫黄(SF 6 )及び三ふっ化
窒素(NF 3 )の7種類の温室効果ガスとします。
表 2-1
対象とする温室効果ガスの地球温暖化係数及び主な発生源
温室効果ガスの種類
二酸化炭素(CO2)
メタン(CH 4)
一酸化二窒素(N2O)
ハイドロフルオロカーボン(HFCs)
パーフルオロカーボン(PFCs)
地球温暖化
係数(※)
主な発生源
1
(エネルギー起源)化石燃料による発電、熱発生
(非エネルギー起源)工業プロセス、廃棄物の焼却など
25 稲作、家畜の腸内発酵、廃棄物の埋立てなど
298 家畜排せつ物の管理、農用地の土壌、燃料の燃焼など
12~14,800 冷媒、発泡剤など
7,390~17,340 半導体・液晶製造、洗浄剤・溶剤など
六ふっ化硫黄(SF6)
22,800 電気絶縁ガス使用機器、半導体・液晶製造など
三ふっ化窒素(NF3)
17,200 三ふっ化窒素製造時の漏出、半導体・液晶製造
※ 各温室効果ガスの地球温暖化をもたらす効果の程度を、二酸化炭素の当該効果に対する比で表したもの
3
計画の期間
本計画の期間は、2017(平成 29)年度から 2030(平成 42)年度までとします。
2
パブリックコメント用 素案
第3章
1
地球温暖化の現状と取組
地球温暖化のメカニズム
太陽からの放射エネルギー(太陽光)の大部分は地表面に吸収され、日射によっ
て暖められた地表面から赤外線の形で熱が放出されます。一方、大気中にある二酸
化炭素やメタンなどは、この赤外線を吸収する性質があるため、熱の一部は宇宙空
間に放出されずに再び地表に向けて放射され、地表面と大気はより高い温度となり
ます。
こうした働きは、植物を栽培するための温室に似ていることから「温室効果」と
呼ばれ、二酸化炭素やメタンなどの気体は「温室効果ガス」と呼ばれてい ます。
大気中に、この温室効果ガスが適度に存在しているため、現在の地球の平均気温
は約 14℃に保たれています。もし、温室効果ガスが全く存在しなければ、地球の平
均気温はマイナス 19℃程度になるといわれており、温室効果ガスは生き物が生きて
いくためには不可欠なものです。
ところが、1750 年代の産業革命以降、石炭や石油など化石燃料の大量消費や森林
伐採により、温室効果ガスの濃度が急速に増加し、 現在では産業革命前の約 1.4 倍
となり、この結果、自然の気候変動の範囲を超えて地球の平均気温が上昇し続けて
います。この現象を「地球温暖化」とよんでいます。
図 3-1
2
地球温暖化 のメカニズム
地球温暖化の現状と今後の見通し
(1)IPCC 第5次評価報告書
2014 年 10 月に発表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC) ※ 1 第5次
評価報告書統合報告書 ※ 2 」では、気候システムの温暖化には疑う余地がないこと、
温室効果ガスの継続的な排出は更なる温暖化と気候システムの全ての要素に長期
にわたる変化をもたらすことを結論づけたほか、適応及び緩和が気候変動のリス
クを低減し管理するための相互補完的な戦略 であり、多くの適応及び緩和の選択
肢は気候変動への対処に役立ちうるとしています。
3
パブリックコメント用 素案
※1
※2
「気候変動に関する政府間パネル( IPCC)」は、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連
環境計画(UNEP)により設立された国連の組織です。各国政府を通じて推薦された科学者
が参加し、気候変動に関する科学研究から得られた最新の知見を評価し、評価報告書にま
とめて公表しています。
「第5次評価報告書統合報告書」の要点
①
観測された変化及びその要因
気 候 シ ス テ ム の 温 暖 化 に は 疑 う 余 地 は な く 、ま た 、1950年 代 以 降 、観 測 さ れ た 変 化 の 多
くは数十年から数千年間にわたり、前例のないものである。
②
将来の気候変動、リスク 及び影響
温室効果ガスの継続的な排出は、更なる温暖化と気候システムの全ての要素に長期にわた
る変化をもたらし、それにより、人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影
響を生じる可能性が高まる。気候変動を抑制する場合には、温室効果ガスの排出を大幅かつ
持続的に削減する必要があり、排出削減と適応を合わせて実施することによって、気候変動
のリスクが抑制されることとなるだろう。
③
適応、緩和、持続可能な開発に 向けた将来経路
適応及び緩和は、気候変動のリスクを低減し管理するための補完的な戦略である。今後数
十年間の大幅な排出削減により、21世紀とそれ以降の気候リスクを低減し、効果的な適応の
見通しを高め、長期的な緩和費用と課題を減らし、持続可能な開発のための気候にレジリエ
ントな(強靭な)経路に貢献することができる。
④
適応及び緩和
多 く の 適 応 及 び 緩 和 の 選 択 肢 は 気 候 変 動 へ の 対 処 に 役 立 ち う る が 、単 一 の 選 択 肢 だ け で
十 分 と い う も の は な い 。こ れ ら の 効 果 的 な 実 施 は 、政 策 と 全 て の 規 模 で の 協 力 次 第 で あ り 、
他の社会的目標に適応や緩和がリンクされた統合的対応を通じて強化されうる。
コラム
「緩和」と「適応」
「緩和」とは、省エネルギー
対策や再生可能エネルギーの導
入等による温室効果ガスの排出
削減や森林等の吸収源対策など
により、地球温暖化の進行を防
止する対策です。
「適応」は、災害、農業、自
然生態系、健康等に関して、「緩
和」策を講じても避けられない
影響に対する備えとして、社会
や経済のシステムを再構築する
ことで影響を軽減する対策で
す。
出典 文部科学省・気象庁・環境省
「気候変動の観測 ・予測及 び影響評価統合レポート」2012 年度版
4
パブリックコメント用 素案
(2)地球温暖化の現状
①
大気中の温室効果ガスの濃度
世界の大気中の温室効果ガスの濃度は増加を続けており、2014年の二酸化炭
素の世界平均濃度は397.7ppmに達し、工業化以前(約278ppm)と比べて大きく
増加しています。
また、国内の二酸化炭素の濃度も、図3-2のとおり上昇傾向が続いています。
表3-1
温室効果ガス等の世界平均濃度
大気中の濃度
温室効果ガスの種類
工業化以前
(1750年頃)
工業化以降
の増加率
前年との差
二酸化炭素
約278 ppm
397.7 ppm
+ 43%
+1.9 ppm
メタン
約722 ppb
1,833 ppb
+ 154%
+9
一酸化二窒素
約270 ppb
327.1 ppb
+ 21%
+1.1 ppb
2014年平均濃度
出典
図3-2
気象庁「気候変動監視レポート 2015」
綾里(岩手県)、南鳥島 (東京都)及び与那国島(沖縄県)
における大気中の二酸化炭素濃度の経年変化
出典
②
ppb
気象庁「気候変動監視レポート2015」
平均気温の推移
世界の年平均気温は、100 年あたり 0.71℃の割合で上昇しています。
(図 3-3)
日本の年平均気温も、1898~2015 年の観測結果によると、100 年あたり 1.16℃
の割合で上昇しています。また、記録的な高温となった年の多くが 1990 年代以
降に集中しています。(図 3-4)
5
パブリックコメント用 素案
図 3-3
※
世界の年平均気温の変化
図 3-4
日本の年平均気温の経年変化
日本の年平均気温について、細線(黒)は、国内 15 観測地点での年平均気温の基準値から
の偏差を平均した値を示している。太線(青)は偏差の 5 年移動平均を示し、直線(赤)は
長期的な傾向を示している。基準値は 1981~2010 年の平均値。
出典
気象庁「気候変動監視レポート 2015」
(3)地球温暖化により顕在化している現象
①
異常気象
海水温の上昇、海の酸性化、 雪氷の減少に加え、強い台風やハリケーン、集
中豪雨、干ばつや熱波などの極端な気象現象が世界中で観測されています。日
本でも、豪雨の出現回数が増加傾向にある反面、異常小雨の出現率も増加して
います。
図 3-5
国内での1時間降水量 50mm 以上の
発生回数
図 3-6 国内での月降水量の少ない方から
1~4 位(異常少雨)の年間出現数の
経年変化
※折れ線は5年移 動平均
出典
②
気象庁「気候変動監視レポート2015」
農業
水稲では、全国で、高温による品質の低下等の影 響が確認されているほか、
一部の地域や極端な高温年には収量の減少も見られます。
果樹では、成熟期のりんごやぶどうの着色不良・着色遅延等が報告されてい
ます。
家畜では、乳用牛の乳量・乳成分・繁殖成績の低下や肉用牛、豚及び肉用鶏
の増体率の低下等が報告されています。
6
パブリックコメント用 素案
③
感染症・熱中症
デング熱等の感染症を媒介する「ヒトスジシマカ」の分布域が東北地方北部
まで拡大しています。また、熱中症搬送患者数の増加が全国各地で報告されて
います。
図 3-7
ヒトスジシマカ分布域の拡大( 1998~2012 年)
出典
S-8 温暖化影響・適応研究プロジェクトチーム
「温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研
究 2014 報告書」
図 3-8
都市別熱中症搬送者数の年次推移
出典
④
環境省「夏期のイベントにおける熱中症対策ガイドライン」
生態系
動植物の分布域の変化やサンゴの白化、さくらの開花の早期化などの影響 が
確認されています。
7
パブリックコメント用 素案
(4)将来予測される影響
①
気温のさらなる上昇
IPCC 第5次評価報告書では、 いくつかの異なる温室効果ガス排出シナリオ
(仮説)に基づき、2081 年から 2100 年の世界の平均地上気温は、1986 年から
2005 年の平均よりも最小で 0.3℃、最大で 4.8℃上昇すると予測されています。
図 3-9 は、異なる4つの温室効果ガス排出シナリオについて計算された世界
平均地上気温の上昇を予測したものです。「RCP8.5(温暖化対策を今以上に施
さなかった場合のシナリオ)」では 2.6~4.8℃の気温上昇が予測されています。
一方、「RCP2.6(可能な限りの温暖化対策を施した場合のシナリオ)」では、
0.3~1.7℃の気温上昇と予測されています。
図 3-9
1986~2005 年平均に対する世界平均地上気温の変化
※ C O 2 排 出 削 減に 向け た 4 つの シ
ナリオ
・ RCP2.6 ( 地 球温 暖 化を 引き起 こ す
効 果 が 2100 年ま で にピ ー クを迎 え
そ の 後 減少 )
・ RCP4.5 ( 2100 年以 降 に高 位で 安 定
化)
・ RCP6.0( 2100年 以 降に 中 位で 安 定 化)
・ RCP8.5 ( 2100年 以 降も 上昇 )
出典
図 3-10
IPCC 第5次評価報告書第1作業部会報告書(2013)
環境省パンフレット「STOP THE 温暖化 2015」
年平均地上気温変化(1986~2005 年平均と 2081~2100 年平均の差)
RCP2.6
出典
RCP8.5
気候変動 2014:気候変動に関する政府間パネル第5次評価統合報告書
政策決定者向け要約
「21 世紀末における日本の気候(環境省・気象庁)」では 、日本の年平均気
温も全国的に上昇すると予測しています。
「RCP2.6」では全国平均で 0.5~1.7℃、
「RCP8.5」では 3.4~5.4℃上昇し、低緯度より高緯度の方の気温上昇が大きい
と予測されています。
8
パブリックコメント用 素案
ま た 、日 最 高 気 温 ・日 最 低 気温 と も 全 国 的に 上 昇 する と 予 測 さ れて お り、
「RCP8.5」では日最高気温が 3.3~5.3℃、日最低気温も 3.5~5.5℃(全国平均・
年平均)上昇すると予測されています。
②
大雨及び無降水日数の増加
大雨による降水量は全国的に増加し、「RCP2.6」でも約 10%、「RCP8.5」で
は約 25%増加する予測となっています。
一方、無降水日数も全国的に増加し、「RCP8.5」では約 10 日増加すると予測
されています。
③
降雪量の減少
年降雪量は全国的に減少し、特に東日本 の日本海側で減少量が大きくな ると
予測されています。一方、北海道内陸の一部地域では増加する傾向も予測され
ています。
④
農業生産への影響
ア
コメへの影響
全国の水稲の収量は、現在より 3℃を超える高温では北日本を除き減収す
ることが予想されています。
一等米の比率は、高温耐性品種への作付転換が進まない場合、登熟期間の
気温が上昇することにより、全国的に低下することが予測されています。
イ
果樹の栽培適地の変化
うんしゅうみかんやりんごは、気候変動により栽培に有利な温度帯が北上す
ると予測されており、既存の主要産地が栽培適地 ではなくなる可能性があり
ます。
ぶどう、もも、おうとう等については、既存の主要産地が栽培適地ではな
くなる可能性のほか、高温による生育障害が発生することが想定されます。
⑤
森林への影響
人工林では、降水量の少ない地域でスギ人工林の生育が不適になる地域が増
加する可能性があります。
天然林では、分布領域が冷温帯の種で減少し、暖温帯 の種で拡大するものが
あると予測されています。
⑥
健康への影響
温暖化によって、蚊などの感染症媒介生物の分布が変化することが予想され
ています。ヒトスジシマカの分布域が更に拡大することは、将来的にデング熱
流行のリスクがある地域が拡大することになります 。
また、熱波等による熱中症リスクも高まると予想されます。
9
パブリックコメント用 素案
⑦
生物多様性への影響
IPCC 第5次評価報告書では、気候変動によって、陸上と淡水に生息する動物
や植物などの生物種の大部分について、絶滅のリスクが増えると予測されてい
ます。
3
地球温暖化防止に向けたこれまでの取組
(1)世界の動向
「気候変動に関する国際連合枠組条約(1992 年採択、1994 年発効。以下「気候
変動枠組条約」という。)」に基づき 1997 年の気候変動枠組条約第 3 回締約国会議
(COP3)で採択された京都議定書では、温室効果ガス排出量を削減する国際的な
取組は、まず先進国から始めることとして、京都議定書第一約束期間( 2008~2012
年)中における先進国の温室効果ガス削減の数値目標を定めました。
京都議定書第一約束期間以降の温室効果ガス排出削減については、 2009 年にコ
ペンハーゲンで開催された COP15 以降、気候変動枠組条約締約国会議で議論が進
められてきましたが、2015 年にパリで開催された COP21 において、地球温暖化に
関する新たな国際的な枠組みである「パリ協定」が採択されました。
パリ協定の主な内容
・世界共通の長期目標として、産業革命前からの地 球平均気温上昇を 2℃未満に抑え、
1.5℃に抑える努力を追求する。
・すべての国が温室効果ガスの削減目標を5年ごとに提出・更新する。
・締約国は、 適応(気 候 変動の悪影響 への対処 ) 能力を拡充し 、強靱性 を 強化し、脆
弱性を減少させる世界全体の目標を設定する。
(2) 国の取組
我が国では、1998(平成 10)年に地球温暖化対策推進法を制定し、地球温暖化
対策に取り組んでいます。
2002(平成 14)年6月に京都議定書に批准し、2005(平成 17)年には基準年比
6%削減の達成に向け、「京都議定書目標達成計画」を閣議決定するとともに、
2008(平成 20)年には京都議定書の削減目標の達成に向け、地球温暖化対策推進
法を改正しています。
これらの取組により、第一約束期間中の5か年平均の総排出量は、森林吸収 量 1
及び京都メカニズムクレジット 2 を加味すると基準年比 8.7%減となり、京都議定
書の目標である基準年比6%減を達成しました。
2015(平成 27)年には、国の新たな温室効果ガス削減目標を 2030 年度に 2013
年度比 26%減とした「日本の約束草案」を国連気候変動枠組条約事務局に提出し
たほか、
「気候変動の影響への適応計画」を策定しました。2016(平成 28)年には、
1
2
樹木が成長する過程で大 気中の二酸化炭素を吸収し光合成により固定した量。
他国での排出削減プロジ ェクトの実施による排出削減量等のうち認証を受けたもの。取得すれば自国
の議定書上の約束達成に用いることができる。
10
パブリックコメント用 素案
パリ協定や約束草案を踏まえた総合計画である「 地球温暖化対策計画」を策定し、
取組を強化しています。
4
秋田県における温暖化対策の取組
(1)秋田県地球温暖化対策推進計画(前計画)の概要
県内の温暖化対策を総合的・計画的に進めていくため、1999(平成 11)年3月
に「秋田県地球温暖化対策地域推進計画(温暖化対策美の国あきた計画)」を策
定し、地球温暖化対策に取り組んできました。
2011(平成 23)年3月には、地球温暖化の防止について、県、県民、事業者等
の責務を明らかにするとともに、地球温暖化対策に関し必要な事項を定めた「秋
田県地球温暖化対策推進条例」を制定するとともに、2011(平成 23)年4月に「秋
田県地球温暖化対策推進計画」を策定し、対策を強化しました。
また、2016(平成 28)年3月には「第2期秋田県新エネルギー産業戦略」を策
定し、産業振興の面からも、再生可能エネルギーの導入に力を入れています。
これまでの国及び県の取組の経緯
(国)
(県)
地球温暖化対策推進法の制定(H10.10)
秋田県地球温暖化対策地域推進計画
京都議定書目標達成計画の策定(H17.4)
(H11.3 策定、H19.3 改定 )
地球温暖化対策推進法の改正(H20.6)
秋田県新エネルギー導入ビジョン(H23.3)
秋田県地球温暖化対策推進条例(H23.3)
秋田県地球温暖化対策推進計画(H23.4)
新たな温室効果ガス削減目標を決定(H27.7)
第2期秋田県新エネルギー産業戦略(H28.3)
地球温暖化対策計画を策定(H28.5)
第3次秋田県循環型社会形成推進基本計画
気候変動の影響への適応計画を策定(H27.11)
(H28.3)
(2)秋田県地球温暖化対策推進計画における削減目標
2011(平成 23)年 4 月に策定した「秋田県地球温暖化対策推進計画」では、2020
(平成 32)年度における削減可能量を積み上げて、削減目標を設定しました。
具体的には、省エネ機器や低燃費車の導入、 住宅や建築物の断熱化等による削
減可能量、再生可能エネルギーの導入による削減可能量、東北電力による排出係
数低減対策効果、さらに廃棄物の排出削減による効果を加味して、削減目標を
「1990 年度比 11%削減」としました。
11
パブリックコメント用 素案
(3)目標の達成状況
2011(平成 23)年度以降、温室効果ガスの排出量は増加傾向にあり、2013(平
成 25)年度は基準年度(1990 年度)を大きく上回っています。
これは、東日本大震災により火力発電所の稼働が増加し電力排出係数が 大きく
なったことが主な要因だと考えられます。
図 3-11
秋田県地球温暖化対策推進計画 (前計画)における削減目標と排出量の推移
(参考)
電力排出係数(東北電力株式会社)の推移
(kg-CO2/kWh)
0.7
0.600
0.6
0.591
0.547
0.510
0.5
0.441
0.473
0.469
0.468
0.340
0.322
0.403
0.429
0.546
0.560
0.589
0.4
0.3
0.326
0.2
実排出係数
実排出係数
0.1
調整後排出係数
0.0
1990
※
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
「プレスリリース 2011 年度の CO 2 排出実績について」「プレスリリース
CO 2 排出実績について」(東北電力株式会社)を基に作成。
12
2013
(年度)
2015 年度の
パブリックコメント用 素案
(4)これまでの温暖化対策の取組状況
①
対策の推進体制
ア
「秋田県地球温暖化防止活動推進センター」
地球温暖化対策推進法第 38 条の規定により、知事は、県内における地球温
暖化対策の促進を図るため、県内1団体を「地球温暖化防止活動推進センタ
ー」として指定しています。
イ
「秋田県地球温暖化防止活動推進員」
地球温暖化対策推進法第 37 条の規定により、知事は、地域における地球温
暖化対策の知識の普及等のため「地球温暖化防止活動推進員」を委嘱するこ
とができます。2016(平成 28)年4月現在、109 人に委嘱しています。
ウ
「地球温暖化対策地域協議会」
地球温暖化対策推進法第 40 条の規定に基づく組織であり、行政や企業、各
種団体、地球温暖化防止活動推進センターや地球温暖化防止活動推進員など
が参加して、地域の温暖化対策を進めています。
2016(平成 28)年 11 月時点で県内の6団体が国の登録を受けていま す。
このうち「ストップ・ザ・温暖化あきた県民会議」は、温暖化対策の県民
運動の全県的な推進母体として設立されています。
「ストップ・ザ・温暖化あきた県民会議」の概要
県民、事業者、行政が幅広く参加、連携し、地球温暖化対策を積極的に推進するこ
とを目的として、平成 19 年 10 月に設置されました。
発足当時の会員は、県、市長会、町村会、国の機関、消費者団体、商工団体等の各
種団体、企業など 21 団体でしたが、その後新規参加団体も増え、平成 28 年 11 月現
在、55 団体・個人の会員が登録されています。
<ストップ・ザ・温暖化あきた県民会議の活動内容>
①地球温暖化の防止に向けた具 体的な活動の推進に関すること
②地球温暖化の防止の啓発普及に関すること
③地球温暖化の防止についての連絡調整及び情報交換に関すること
④そのほか、地球温暖化対策の推進に必要な活動に関すること
<これまでの取組>
省 CO 2 型住宅普及部会において、パンフレット「秋田のエコリフォーム早わかり」
を作成、配布するなど秋田版省 CO 2 型住宅の普及に取り組みました。
②
温室効果ガス排出抑制等に関する施策
前計画では、削減目標の達成に向け、
「省エネルギー対策」と「再生可能エネ
ルギーの導入」を大きな2本の柱としながら、「環境教育の推進」「環境価値の
創出とカーボンオフセット 3 の普及」など、8つの分野において総合的に対策を
進めてきました。
主な対策は表 3-2 のとおりです。
3
カーボンオフセットとは 、自らの活動に伴い排出する CO 2 等の温室効果ガスを 認識・削減した上で、
他者が行う温室効果ガス削減・吸収の取組に資金等を提供し、自らの排出量を埋め合わせる取組。
13
パブリックコメント用 素案
表 3-2
計画期間(H23 年度~H28 年度)における温室効果ガス削減のための対策の実施状況
施策
主な取組
ア 家庭の省エネ診断の受診の促進
・省エネナビの貸し出しによる節電「見える化」
・うちエコ診断員の育成(H23)、うちエコ診断の実施(~H25)
イ 住宅の断熱化の促進
・エコリフォームに係る普及啓発
・省エネ住宅普及促進
・省エネ対策などの住宅のリフォーム等工事に対する補助
・断熱改修に係る講座、相談会等の開催
①
民生家庭部門
ウ 家電製品や暖房、給湯機器の省エネ化の
促進
・省エネ機器普及促進
・高効率給湯器等の設置に対する補助(~H25)
・LED照明への更新に対し補助(H27)
・環境家計簿の普及促進
・家庭の省エネチャレンジ事業等の実施
・秋田県地球温暖化防止活動推進センターによる普及啓発、情報発信
・地球温暖化防止活動推進員の育成
・「環境の達人」地域派遣事業
エ 省エネ関連情報の提供、普及啓発
・環境マネジメントシステムの普及促進
・条例計画書制度の実施
・事業者向け省エネサポート事業の実施
・県独自の無料省エネ診断の実施(H23~25)
・小口需要家向け巡回指導及び説明会の実施(H23)
ア エネルギー管理の推進
イ 建物の断熱化の促進
②
民生業務部門
ウ 高効率機器の普及支援
・高効率機器の普及促進
・省エネ診断を踏まえた省エネ改修費に対する助成(H23~25)
・国等の補助事業に係る説明会の開催
エ 省エネに取り組む企業に対する積極的な評価
・表彰制度「環境大賞」の実施
(1)
排出抑制対策の推進
オ 地方公共団体の率先行動による効果の実証と
啓発
(省エネルギー対策)
カ 情報共有及び発信
・省エネルギー優良事例集の作成(H27)、配布
・エコドライブの普及促進
・エコドライブ宣言事業所の登録
・エコドライブ講習会の開催(~H27)
・エコドライブシミュレーター体験(H27~)
ア エコドライブの一層の促進
③
運輸・自動車部門
イ 低燃費車の普及促進
・エコカー普及促進
・路線バスの電動化改造(EV化)支援(H23~27)
・県庁第二庁舎へのEV用急速充電器の設置
ウ 情報共有及び発信
・あきた次世代自動車普及促進協議会の設置、セミナー開催
・次世代自動車普及啓発イベントの開催
(再掲)
・環境マネジメントシステムの普及促進
・条例計画書制度の実施
・事業者向け省エネサポート事業の実施
・県独自の無料省エネ診断の実施(H23~25)
・小口需要家向け巡回指導及び説明会の実施(H23)
ア エネルギー管理の推進
④
産業部門
・県有建築物ESCO事業の実施
・LED照明等への更新、改修
・環境保全率先実行計画の実施
・省エネ法に基づく中長期計画の策定、実施
・GND基金を活用しての省エネ・グリーン化の促進(~H27)
イ 建物の断熱化の促進
ウ 高効率機器の普及支援
(再掲)
・高効率機器の普及促進
・省エネ診断を踏まえた省エネ改修費に対する助成(H23~25)
・国等の補助事業に係る説明会の開催
エ 省エネに取り組む企業に対する積極的な評価
・表彰制度「環境大賞」の実施(再掲)
① 冷凍空調機、エアゾール製品、発泡断熱材のノンフロン化
・ノンフロン製品の普及啓発
② 地方公共団体による率先購入、利用
・あきたエコマネジメントシステムの実施
③ 廃棄時の適正処理
・フロン排出抑制法に基づく立入検査、指導
(2)
排出抑制対策の推進
(代替フロン等対策)
14
パブリックコメント用 素案
施策
① 種類毎の取組
ア 太陽光発電
・太陽光発電システムの普及促進
・太陽光発電システムの設置に対する補助(~H26)
・太陽光発電を活用したキク電照栽培実証(~H26)
・メガソーラー導入のための調査(H23)
・防災拠点等への太陽光発電設備等の導入(H24~27)
イ 風力発電
・風力発電導入のための風況調査等
・再生可能エネルギー発電事業者に対する支援(H24~)
ウ バイオマス発電
(3)
主な取組
・バイオマス発電の普及促進
・木質バイオマス発電所への林地残材の供給支援(H23~24)
エ 小水力発電
・小水力発電の実証に対する支援
・県営ダムにおける河川維持放流水を利用した小水力発電所の建設(H24~25)、運転
オ 地熱発電
・地熱発電の普及促進
・地熱バイナリー発電等の事業化可能性調査の実施(H25)
カ 太陽熱利用
・太陽熱利用の普及促進
・太陽熱温水器等の設置に対する補助(~H25)
キ バイオマス熱利用
・木質ペレットストーブの導入支援
・木質ボイラー導入に対する助成
ク 温度差熱利用
・温度差熱利用の普及促進
・地中熱等を活用した周年農業実証事業(H24~25)
・地中熱ヒートポンプに対するGND基金による導入支援(~H27)
ケ 雪氷熱利用
・雪氷熱利用の普及促進
コ バイオマス燃料製造
・セルロース系バイオマスからのバイオリファイナリー技術の開発
・稲わらを原料とするバイオエタノール実証(~H24)
・副生グリセリンを燃料とする花き生産用暖房機器の評価(~H24)
再生可能エネルギー等の
導入の推進
サ コージェネレーション
シ 燃料電池
ス クリーンエネルギー自動車
② 共通する取組
ア 新エネルギー導入促進の拠点づく
りと情報発信
イ 地域間連携の推進と人材育成
(4)
・コージェネレーション及び燃料電池に関する普及促進
・スマートグリッド関連技術実証事業(H23)
・家庭用燃料電池、ガスエンジン発電給湯暖房機器の設置に対する補助(~H25)
・あきた次世代自動車普及促進協議会の設置、セミナー開催(再掲)
・次世代自動車普及啓発イベントを開催(再掲)
・エタノール10%混合ガソリンによる軽自動車の走行実証試験等(H23)
・公用車へのバイオディーゼル燃料の使用(~H25)
・路線バスの電動化改造(EV化)支援(H23~27)(再掲)
・あきた洋上風力発電関連産業フォーラムの設立、開催(H27~)
・発電事業者と県内企業とのマッチング会議等の開催(H27~)
・新エネルギー導入促進連絡会議の開催(H23~25)
・秋田県バイオエタノール推進会議の開催(~H25)
・新エネルギーに係るセミナーの開催
・新エネルギー関連企業に対するコーディネーターによる支援の実施
・太陽光発電事業講習会の開催(H24)
・風力事業者等育成事業の実施(H24~)
① すべての主体による廃棄物の3Rの
推進及び適正処理
・レジ袋削減、マイバック推進運動
・地域ごみゼロあきた推進会議による食品ロス削減等の実践活動(H23~27)
・不法投棄未然防止啓発活動、海岸漂着物発生抑制事業の実施
② 循環を基調としたライフスタイル・事
業活動への転換
・認定リサイクル製品の普及
・環境保全型農業の推進
③ 地域循環圏の形成
・家庭系廃食用油の回収及びバイオディーゼル燃料の利活用促進(~H26)
・稲わらの圃場搬出及び副産物還元による土壌等への影響調査(H24)
・下水バイオマスの利活用促進
④ 循環型ビジネスの振興
・認定リサイクル製品の率先使用
・使用済小型家電等のリサイクルシステム構築のための調査等
循環型社会の形成
(廃棄物の発生抑制等)
① 公共交通の利用促進
(5)
② 交通の円滑化
環境に配慮した交通の推進
③ 歩行者・自転車対策の促進
・秋田内陸縦貫鉄道、由利高原鉄道への支援
・マイタウン・バスの運行支援
・エコ交通キャンペーンの実施(~H26)
・EVバスの通年営業支援(H25~27)
④ グリーン物流の促進
15
パブリックコメント用 素案
施策
(6)
森林の保全・整備による
二酸化炭素吸収促進
主な取組
① 森林整備の推進
・植栽、下刈、枝打、間伐等の実施
・皆伐・再造林一貫作業モデル事業の実施(H27~)
② 松くい虫・ナラ枯れ対策の推進
・松枯れ、ナラ枯れ被害木の駆除及び樹幹注入等の実施
・森林生物被害の実態等調査
③ 木材の利用の推進
・地元の木材を優先的に活用する「ウッドファースト事業」の実施(H27~)
・公共建築物の木造化、木質化に対する支援
・県産材を使用した木造住宅の建築に対する助成
④ 県民参加の森林づくりの推進
・学校関係緑化コンクールの開催
・ふれあいの森の整備
環境に関する研修会の開催
・環境あきた県民塾や各種研修会の開催
・あきたエコマイスター地域協議会の自主活動への支援
こどもエコクラブ活動の支援
・こどもエコクラブの活動支援及び環境副読本の配布
環境学習施設の利用促進
・「秋田県環境と文化のむら」における環境学習リーダー研修会の実施
・能代エナジアムパークを自然体験活動等の体験の機会の場に認定(H27)
環境学習の推進
・学校や地域の学習会等への「環境の達人」の派遣
・環境活動ニュースレターの発行、各種リーフレット等の作成・配布
・秋田県地球温暖化防止活動推進センターが実施する環境学習への支援
啓発イベントの実施
・あきたエコ&リサイクルフェスティバルの開催
・ライトダウンイベント、家庭の省エネチャレンジ事業等の実施
(7)
環境教育・学習の推進
(8)
・県有林の一部を対象としたJ-VER制度モデル事業の実施
・カーボン・マーケットEXPOへの出展(H24~25)
・J-クレジット制度に関するパネル等を林業関係 イベントで掲示、配布(H26)
・木材利用による二酸化炭素固定認証制度の実施(H26~)
・県有施設ESCO事業による削減量の国内クレジット化(H24)
・国内クレジット制度やJ-クレジット制度に関する説明会の開催
① 環境価値の創出
環境価値の創出と
カーボンオフセット
の普及
・あきたエコ&リサイクルフェスティバルにおいて消費される電力のグリーン電力証
書等によるオフセット
② カーボンオフセットの率先実行
16
パブリックコメント用 素案
第4章
温室効果ガスの排出状況
本計画の策定に当たっては、秋田県における 7 種類の温室効果ガスについて、「地球温暖化対策
地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル(平成 21 年 6 月環境省。以下「マニュアル」
という。)」に示された手法を基本に排出量の算定を行いました。
二酸化炭素については、活動種類別の排出実態を把握するため、産業部門、民生家庭部門、民生
業務部門、運輸部門、エネルギー転換部門、廃棄物部門に加え、工業プロセス等部門でも新たに排
出量を算定しました。
メタンについては水田由来、家畜由来、廃棄物由来、その他の 4 区分に分けて、一酸化二窒素に
ついては耕地由来、家畜由来、廃棄物由来、その他の 4 区分に分けて算定しました。
また、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄
(SF6)に加え、新たに三ふっ化窒素(NF3)も算定しました。
上記手法により、1990(平成 2)年度、2005(平成 17)年度、2010(平成 22)年度から 2013(平
成 25)年度の排出量について、これまでの公表値を再度計算し、より実態に即した削減目標が設定
できるよう精度の向上を図りました。
1 温室効果ガスの総排出量
(1)現況年(2013(平成 25)年度)の温室効果ガス総排出量
直近の 2013(平成 25)年度における県内の温室効果ガスの総排出量は、10,816 千トン(二
酸化炭素換算。以下同じ。)であり、全国の排出量の 0.8%となっています。
また、温室効果ガスに占める二酸化炭素の割合は 91.6%となっており、全国に比べてメタン
や一酸化二窒素の割合が大きくなっています。
表 4-1 2013(平成 25)年度の温室効果ガスの総排出量
秋田県
区 分
二酸化炭素
排出量
(千トン-CO2)
構成比
全国
全国比
排出量
(百万トン-CO2)
構成比
9,907
91.6%
0.8%
1,312
93.2%
メタン
446
4.1%
1.2%
36
2.6%
一酸化二窒素
319
3.0%
1.5%
21
1.5%
HFCs
115
1.1%
0.4%
32
2.3%
PFCs
20
0.2%
0.6%
3
0.2%
SF6
8
0.1%
0.4%
2
0.1%
NF3
1
0.0%
0.1%
1
0.1%
合 計
10,816
100%
0.8%
1,408
100%
※ 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2014 年度)確報値」による。
17
パブリックコメント用 素案
(2)温室効果ガス総排出量の推移
1990(平成 2)年度、2005(平成 17)年度及び 2010(平成 22)年度から 2013(平成 25)年
度の総排出量の推移は、次のとおりです。2011 年度以降、増加傾向が続いています。
表 4-2 秋田県の温室効果ガス総排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\ 年度
二酸化炭素
1990年度※ 2005年度 2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
6,908
9,656
8,547
9,454
9,812
9,907
+2.6%
メタン
599
503
435
427
433
446
-11.3%
一酸化二窒素
490
393
312
320
334
319
-18.7%
HFCs
18
48
84
88
90
115
+138.6%
PFCs
77
55
26
22
17
20
-64.2%
111
34
15
13
12
8
-77.2%
2
2
2
2
1
-51.1%
8,203 10,691
9,421
10,326
10,700
10,816
+1.2%
-3.4%
+0.1%
+1.2%
SF6
NF3
合 計
2005年度比
増加率
-
-
-
-11.9%
※ 1990 年度の HFCs、PFCs 及び SF6 は、1995 年度の排出量を示す。
図 4-1 県内の温室効果ガス総排出量の推移
18
-
パブリックコメント用 素案
2 二酸化炭素の排出量
(1)現況年(2013(平成 25)年度)の二酸化炭素の排出量
本県における 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 9,907 千トンです。部門別では、
産業部門の占める割合が 23%と全国の数値(33%)と比べて低く、一方、民生家庭部門の割合
が 21%、民生業務部門が 24%、運輸部門が 20%と、いずれも全国の数値(民生家庭部門 15%、
民生業務部門 21%、運輸部門 17%)より高いという特徴が見られます。
表 4-3 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量
秋田県
部門別
産
排出量
(千トン-CO2)
構成比
全国
全国比
排出量
(百万トン-CO2)
構成比
業
2,254
23%
0.5%
432
33%
民生家庭
2,049
21%
1.0%
201
15%
民生業務
2,369
24%
0.9%
278
21%
運
2,003
20%
0.9%
225
17%
エネルギー転換
551
6%
0.6%
99
8%
廃棄物
438
4%
1.5%
29
2%
工業プロセス等
243
2%
0.5%
48
4%
9,907
100%
0.8%
1,312
100%
輸
合 計
※ 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2014 年度)確報値」による。
図 4-2 秋田県の二酸化炭素排出量の内訳
エ ネ転換
6%
廃棄物
4%
図 4-3 全国の二酸化炭素排出量の内訳
工業プ ロ セス等
2%
エ ネ転換
8%
廃棄物
2%
産業
23%
産業
33%
運輸
17%
運輸
20%
業務
24%
家庭
21%
業務
21%
19
工業プ ロ セス等
4%
家庭
15%
パブリックコメント用 素案
(2)二酸化炭素排出量の推移
1990(平成 2)年度、2005(平成 17)年度及び 2010(平成 22)年度から 2013(平成 25)年
度の排出量の推移は、次のとおりです。2011 年度以降、増加傾向が続いています。
表 4-4 秋田県における二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
部門\年度
産
1990年度 2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
業
1,720
2,103
1,834
2,132
2,296
2,254
+7.2%
民生家庭
1,437
1,989
1,813
2,035
2,100
2,049
+3.0%
民生業務
1,128
1,734
1,643
2,049
2,145
2,369
+36.6%
運
1,874
2,481
2,107
2,063
2,020
2,003
-19.3%
エネルギー転換
147
555
437
567
563
551
-0.9%
廃棄物
286
490
418
427
429
438
-10.7%
工業プロセス等
316
304
295
181
259
243
-19.8%
6,908
9,656
8,547
9,454
9,812
9,907
+2.6%
-2.1%
+1.6%
+2.6%
-
輸
合 計
2005年度比
増加率
-
-
-11.5%
図 4-4 県内の二酸化炭素排出量の推移
( (千ト
千トンン-CO
-CO2 )2)
10,000
10,000
8,000
8,000
工業プ ロ セス等
産業
家庭
廃棄物
業務
エ ネ転換
運輸
運輸
エ
ネ転換
業務
廃棄物
家庭
工業プ
産業 ロ セス等
6,000
6,000
4,000
4,000
2,000
2,000
00
1990
1990
2005
2005
2010
2010
2011
2011
20
2012
2012
2013
2013
(( 年度)
年度)
パブリックコメント用 素案
3 部門別の二酸化炭素排出量
(1)産業部門
① 現況年(2013(平成 25)年度)の排出量
産業部門の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 2,254 千トンであり、二酸化炭素の
総排出量の 23%を占めています。
区分毎の内訳を見ると、製造業からの排出が全体の 84%であり全国より低い割合となって
いること、建設鉱業、農林水産業からの排出割合が全国より高いことが分かります。
表 4-5 産業部門の二酸化炭素排出量
秋田県
区分
産
排出量
(千トン-CO2)
全国
構成比
排出量
(百万トン-CO2)
全国比
構成比
業
2,254
100%
0.5%
432
100%
製造業
1,882
84%
0.5%
415
96%
建設鉱業
152
7%
1.2%
13
3%
農林水産業
220
10%
5.8%
4
1%
※1 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2014 年度)確報値」による。
※2 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
② 排出量の推移
1990(平成 2)年度、2005(平成 17)年度及び 2010(平成 22)年度から 2013(平成 25)
年度の排出量の推移は次のとおりです。2011 年度以降増加傾向でしたが、2013 年度は前年
度並みとなっています。
表 4-6 産業部門の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
産
1990年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
業
1,720
2,103
1,834
2,132
2,296
2,254
+7.2%
製造業
1,275
1,636
1,465
1,788
1,862
1,882
+15.1%
建設鉱業
234
221
160
156
170
152
-31.4%
農林水産業
212
246
210
187
264
220
-10.5%
-12.8%
+1.4%
+9.2%
+7.2%
2005年度比
増加率
-
-
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
21
-
パブリックコメント用 素案
図 4-5 産業部門の二酸化炭素排出量の推移
千トンン-CO
-CO2 )2)
( (千ト
2,500
2,500
2,000
2,000
1,500
1,500
製造業
農林水産業
1,000
1,000
建設鉱業
建設鉱業
農林水産業
製造業
500
500
00
1990
1990
2005
2005
2010
2010
2011
2011
2012
2012
年度)
(( 年度)
2013
2013
③ エネルギー種別ごとの排出量の推移
製造業におけるエネルギー種別ごとの二酸化炭素排出量の推移は次のとおりです。
2013(平
成 25)年度では電力由来の排出量が全体の 79%を占めています。
表 4-7 製造業におけるエネルギー種別ごとの二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
製造業
1,275
1,636
1,465
1,788
1,862
1,882
+15.1%
電力
853
1,239
1,079
1,391
1,509
1,487
+20.0%
重油
359
303
86
87
79
71
-76.6%
39
20
14
12
8
8
-60.8%
1
17
19
21
21
22
+27.1%
25
58
18
18
19
17
-70.5%
0
0
248
259
227
278
-
-10.5%
+9.3%
+13.8%
+15.1%
-
軽質油
都市ガス
LPG
石炭
2005年度比
増加率
-
-
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
図 4-6 製造業におけるエネルギー種別
ごとの排出量の内訳(2005 年度)
都市ガス
1%
軽質油
1%
図 4-7 製造業におけるエネルギー種別
ごとの排出量の内訳(2013 年度)
LPG
4%
都市ガス
1%
軽質油
0%
重油
18%
LPG
1%
石炭
15%
重油
4%
電力
79%
電力
76%
22
パブリックコメント用 素案
(2)民生家庭部門
① 排出量の推移
民生家庭部門の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 2,049 千トンと総排出量の 21%
を占めており、2005(平成 17)年度より 3.0%増加しています。
また、世帯当たりの排出量は合計で約 5.2 トンと 2005(平成 17)年度より約 3%増加、人
口一人当たりの排出量では、2005(平成 17)年度より約 12%増加していますが、いずれも、
2011(平成 23)年度以降は、ほぼ横ばいの状態が続いています。
表 4-8 民生家庭部門の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
民生家庭
1990年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
1,437
1,989
1,813
2,035
2,100
2,049
+3.0%
523
1,020
929
1,150
1,266
1,226
+20.2%
LPG由来
75
60
43
93
80
53
-11.3%
都市ガス由来
90
52
59
59
59
59
+14.3%
749
857
782
732
695
710
-17.2%
-8.8%
+2.3%
+5.6%
+3.0%
電力由来
灯油由来
2005年度比
増加率
-
-
-
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
図 4-8 世帯当たりの二酸化炭素排出量
図 4-9 人口一人当たりの二酸化炭素排出量
の推移
の推移
※1 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ」を基に計算。
※2 秋田県の世帯数は、国勢調査実施年は「国勢調査」(総務省)の「時系列データ-世帯の種類別世帯数及び世帯
人員-全国、都道府県(大正 9 年~平成 22 年)」、その他は「秋田県の人口と世帯(月報)」(秋田県)を参照。
※3 秋田県の人口は、国勢調査実施年は「国勢調査」(総務省)の「時系列データ-世帯の種類別世帯数及び世帯人
員-全国、都道府県(大正 9 年~平成 22 年)」、その他は「秋田県の市町村別・年齢別人口-各年 10 月 1 日現在
-(昭和 56 年~平成 27 年)」(秋田県)を参照。
② エネルギー種別ごとの排出量の推移
2013(平成 25)年度の排出量をエネルギー種別で見ると、電力由来が 60%、灯油由来が
35%となっています。
世帯当たりのエネルギー種別二酸化炭素排出量を全国のデータと比較すると、灯油由来の
排出が全国の 4 倍以上となっており、全体でも約 1.4 倍の排出となっています。
23
パブリックコメント用 素案
図 4-10 家庭部門におけるエネルギー種別
図 4-11 家庭部門における世帯当たり排出量の比較
ごとの排出量の推移
(2013(平成 25)年度)
千ト ン
ン-CO
-CO22))
(( 千ト
2500
2500
1500
1500
1000
1000
500
500
(2,035)
(1,989)
2000
2000
(2,100)
(2,049)
695
710
(1,813)
(1,437)
732
857
1,020
52
60
52
60
523
749
90
75
90
749 75
523
1,150
782
929
59
43
59
43
59
93
59
93
電力
灯油
LPG
都市ガス
1,266 59
80
1,226 59
53
59
80
59
53
1,020
857
1,150
1,266
929
782
732
695
710
2005
2005
2010
2010
2011
2011
2012
2012
2013
2013
1,226
都市ガス
LPG
灯油
電力
00
1990
1990
年度)
(( 年度)
※1 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2014 年度)確報値」による。なお、秋田県のエネルギー
種別内訳と比較するため、全国の内訳にあった「ガソリン、一般廃棄物、水道、軽油、熱」の値は除外している。
※2 ( )は合計値を示す。
③ 灯油消費量の推移
秋田市の世帯当たりの灯油消費量を見ると、2005(平成 17)年は札幌市の消費量を超える
レベルとなっていましたが、2005(平成 17)年以降は減少傾向となり、2008(平成 20)年以
降は横ばいの状態が続いています(図 4-12)。
冬季の平均気温と灯油消費量との関係をみると、図 4-13 のとおりとなります。灯油消費量
の変動要因としては、平均気温以外の要素(灯油価格など)も大きいと推測されます。
灯油由来の排出割合が大きい理由としては、寒冷地であることに加え、断熱化された住宅
の割合が少ないことが考えられます。
図 4-12 世帯当たりの灯油消費量の推移の比較
( ℓ)
1,600
1,400
青森市
1,200
札幌市
1,000
秋田市
盛岡市
山形市
800
600
400
仙台市
200
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
※ 「家計調査」(総務省)の「家計収支編-家計調査年報-二人以上の世帯」を基に作成。
24
2013
( 年)
パブリックコメント用 素案
図 4-13 秋田市における冬季の平均気温と灯油消費量の推移
冬季( 1-3月) の
灯油消費量( ℓ)
1,200
平均気温( ℃)
4.0
1,000
3.0
800
2.0
600
1.0
400
0.0
200
-1.0
0
1990
2005
灯油消費量
2006
2007
2008
冬季平均気温
2009
2010
2011
2012
-2.0
2013 ( 年)
2区間移動平均( 冬季平均気温)
※1 冬季(1-3 月)の平均気温は、「過去の気象データ検索-秋田地方気象台」(気象庁)を基に作成。
※2 冬季(1-3 月)の平均気温は、各年 1~3 月の日平均値の平均値を用いた。なお、2012 年 1 月の日平均値は準
正常値(統計を行う対象資料が許容範囲で欠けている)。
※3 灯油消費量は、「家計調査」(総務省)の「家計収支編-家計調査年報-二人以上の世帯」を基に作成。
図 4-14 秋田市における灯油価格と灯油消費量の推移
灯油価格( 円/ℓ)
120
灯油消費量( ℓ)
1,200
1,000
100
800
80
600
60
400
40
灯油消費量
200
灯油価格
0
1990
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
20
0
2013 ( 年)
※1 「家計調査」(総務省)の「家計収支編-家計調査年報-二人以上の世帯」を基に作成。
※2 灯油価格は「1 世帯当たり年間の灯油支出金額÷1 世帯当たり年間の灯油購入数量」で算出。
図 4-15 秋田県の住宅の断熱水準割合
図 4-16 全国の住宅の断熱水準割合
の推計結果(2012 年)
の推計結果(2012 年)
※
※
※
※
S55 年基準相当、H4 年基準相当:昭和 55 年省エネ基準及び平成 4 年省エネ基準を満たす住宅
H25 年基準相当:平成 28 年現在の省エネ基準を満たす住宅
秋田県の結果については、秋田県立大学 建築環境システム学科環境学講座により推計。
全国の結果については国土交通省資料をもとに作成。
25
パブリックコメント用 素案
④ 電力需要等の推移
家庭向けの電力需要は 1990(平成 2)年度と比較して増加していますが、2011(平成 23)
年度から微減の傾向となっています。
図 4-17 秋田県における家庭用電力需要と世帯数の推移
※1 人口及び世帯は、国勢調査実施年は「国勢調査」(総務省)の「時系列データ-世帯の種類別世帯数及び世帯
人員-全国、都道府県(大正 9 年~平成 22 年)」、その他は「秋田県の市町村別・年齢別人口-各年 10 月 1 日
現在-(昭和 56 年~平成 27 年)」「秋田県の人口と世帯(月報)」(秋田県)を基に作成。各年 10 月 1 日現在
の値。
※2 電力消費量は東北電力(株)データをもとに温暖化対策課が集計。
26
パブリックコメント用 素案
(3)民生業務部門
① 現況年(2013(平成 25)年度)の排出量
民生業務部門の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 2,369 千トンであり、総排出量
の 24%を占めています。
区分毎の内訳を見ると、商業・金融・不動産及び公共サービスからの排出がそれぞれ全体
の約 30%と最も多くなっています。
表 4-9 民生業務部門の二酸化炭素排出量
秋田県
区分
排出量
(千トン-CO2)
民生業務
全国
全国比
排出量
(百万トン-CO2)
構成比
0.9%
278
100%
構成比
2,369
100%
水道廃棄物1
291
12%
-
商業・金融・不動産2
706
30%
-
公共サービス3
690
29%
-
対事業所サービス4
145
6%
-
対個人サービス5
537
23%
-
※ 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2014 年度)確報値」による。
② 排出量の推移
民生業務部門における二酸化炭素排出量の推移は次のとおりです。2011 年度以降も増加傾
向が続いています。増加要因としては、小売店舗の営業時間の延長等が考えられます。
表 4-10 民生業務部門の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
民生業務
水道廃棄物
1990年度 2005年度 2010年度 2011年度 2012年度
1,128 1,734 1,643 2,049
2,145
2013年度と2005
年度との比較
2,369
+36.6%
94
150
155
186
194
291
+94.0%
商業・金融・不動産
308
463
483
694
675
706
+52.5%
公共サービス
387
634
564
652
717
690
+8.8%
95
111
89
114
117
145
+30.6%
245
376
352
403
441
537
+42.8%
対事業所サービス
対個人サービス
2005年度比
-
-
-5.2% +18.2% +23.7%
増加率
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
1
2013年度
+36.6%
-
日本標準産業分類(小分類)の「36 水道業」「88 廃棄物処理業」
2
日本標準産業分類(中分類)の「I 卸売業、小売業」「J 金融業、保険業」「K 不動産業、物品賃貸業」
3
日本標準産業分類(中分類)の「O 教育、学習支援業」「P 医療、福祉」「Q 複合サービス事業」「S 公務」、及び小分類
の「71 学術・開発研究機関」「49 郵便業」
4
日本標準産業分類(小分類)の「70 物品賃貸業」「72 専門サービス業」「73 広告業」「74 技術サービス業」「89 自動
車整備業」「90 機械等修理業」「91 職業紹介・労働者派遣業」「92 その他の事業サービス業」
5
日本標準産業分類(中項目)の「M 宿泊業、飲食サービス業」「N 生活関連サービス業、娯楽業」
27
パブリックコメント用 素案
図 4-18 民生業務部門の二酸化炭素排出量の推移
( 千ト ン -CO22 ))
2500
2000
対個人サービ ス
水道廃棄物
1500
対事業所サービ
ス
商業・
金融・ 不動産
公共サービ ス
1000
商業・ 金融・ 不動産
対事業所サービ
ス
水道廃棄物 ス
対個人サービ
500
0
1990
2005
2010
2011
2012
( 年度)
2013
③ エネルギー種別ごとの排出量の推移
エネルギー種別では 2013(平成 25)年度において電力由来の排出量が全体の 56%を占め
ていますが、液体燃料(重油・軽質油)も3割近くを占めています。
表 4-11 エネルギー種別ごとの二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度 2005年度 2010年度
民生業務部門
1,128
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
1,734
1,643
2,049
2,145
2,369
+36.6%
電力
588 1,006
914
1,247
1,372
1,336
+32.8%
重油
188
239
232
259
238
374
+56.5%
軽質油
238
247
229
256
238
295
+19.4%
都市ガス
57
207
252
274
283
351
+69.6%
LPG
45
35
16
14
14
13
-62.9%
その他
14
0
0
0
0
0
-
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
図 4-19 エネルギー種別ごとの二酸化炭素
排出量(2005 年度)
都市ガス
12%
軽質油
14%
重油
14%
図 4-20 エネルギー種別ごとの二酸化炭素
排出量(2013 年度)
LPG
2%
LPG
1%
都市ガス
15%
軽質油
12%
電力
58%
重油
16%
28
電力
56%
パブリックコメント用 素案
<参考> 民生業務部門における小売業の規模の推移について
本県の小売業における売場面積の規模と全体に占める割合の推移を見ると、事業場数が
減少し、小規模の売場面積も減少していますが、1,000m2以上の売場面積の合計面積は増
加しており、大規模化、集約化が進んでいることが分かります。
小売業の売場面積の規模ごとの面積の合計(単位:m2)
売場面積
2004 年度
2007 年度
2014 年度
100m2 未満
373,014
323,598
204,743
1,000m2 未満
568,550
556,819
530,777
611,447
720,712
758,472
1,553,011
1,601,129
1,493,992
2
1,000m 以上
合 計
小売業の事業場数の推移
2004 年度
事業場数
2007 年度
14,463
2014 年度
13,009
8,854
小売業における売場面積の規模と事業場数の推移
(売場面積の合計m 2)
(事業場数)
1,800,000
18,000
1,600,000
16,000
1,400,000
14,000
1,200,000
1,000,000
758,472
611,447
720,712
10,000
800,000
600,000
8,000
568,550
6,000
556,819
530,777
400,000
200,000
12,000
373,014
323,598
0
2004
2007
204,743
4,000
2,000
0
2014 (年度)
100m2未満
100m2 未満
1000m2未満
1,000m2 未満
1000m2以上
1,000m2 以上
小売業事業場数
小売業事業場数
「商業統計調査」(秋田県)のうち、2004 年度は「第6表 小売業の産業分類中・小分類別、売場規模
別表(甲+乙)」、2007 年度は「第9表 小売業の産業分類中・小分類別、売場規模別表(甲+乙)」、
2014 年度は「第4表 小売業の産業分類小分類別、売場面積規模別の事業所数、年間商品販売額及び売
場面積」を基に作成。
29
パブリックコメント用 素案
(4)運輸部門
① 現況年(2013(平成 25)年度)の排出量
運輸部門の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 2,003 千トンであり、総排出量の
20%を占めています。
区分毎の内訳を見ると、自動車からの排出が全体の大部分を占めています。
表 4-12 運輸部門の二酸化炭素排出量
秋田県
区分
排出量
(千トン-CO2)
運輸
全国
構成比
排出量
(百万トン-CO2)
全国比
構成比
2,003
100%
0.9%
225
100%
1,914
96%
1.0%
194
86%
鉄道
13
1%
0.1%
10
4%
船舶
29
1%
0.3%
11
5%
航空
46
2%
0.5%
10
5%
自動車
※1 全国の値は、「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2014 年度)確報値」による。
※2 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
② 排出量の推移
2010(平成 22)年度からは微減の状況となっており、2005(平成 17)年度より 19.3%減
少しています。
表 4-13 運輸部門の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
運
1990年度 2005年度 2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005年
度との比較
輸
1,874
2,481
2,107
2,063
2,020
2,003
-19.3%
自動車
1,786
2,369
2,026
1,979
1,932
1,914
-19.2%
鉄道
14
14
11
13
13
13
-4.2%
船舶
40
44
29
33
29
29
-34.0%
航空
34
54
41
38
45
46
-15.2%
2005年度比
増加率
-
-
-15.1%
-16.9%
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
30
-18.6%
-19.3%
-
パブリックコメント用 素案
図 4-21 運輸部門の二酸化炭素排出量の推移
(( 千ト
千ト ン
ン-CO 22))
3,000
3,000
2,500
2,500
2,000
2,000
航空
自動車
船舶
鉄道
1,500
1,500
鉄道
船舶
1,000
1,000
自動車
航空
500
500
00
1990
1990
2005
2005
2010
2010
2011
2011
2012
2012
2013
2013
(( 年度)
年度)
③ 自動車からの排出量の推移
自動車から排出される二酸化炭素は、運輸部門の大半を占めています。2013(平成 25)年
度の二酸化炭素排出量の内訳は、ガソリン由来が 58%、軽油由来が 42%となっています。い
ずれも 2005(平成 17)年度から減少傾向です。
表 4-14 自動車からのエネルギー種別ごとの二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度
自動車
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
1,786
2,369
2,026
1,979
1,932
1,914
-19.2%
ガソリン
951
1,279
1,211
1,167
1,143
1,105
-13.6%
軽油
801
1,078
800
797
776
796
-26.2%
33
12
15
15
14
13
+12.5%
-14.5%
-16.5%
-18.4%
-19.2%
LPG
2005年度比
増加率
-
-
図 4-22 自動車からのエネルギー種別ごとの二酸化炭素排出量の推移
千トンン
-CO2)2)
( (千ト
-CO
2,500
2,500
2,000
2,000
1,500
1,500
ガソ リ ン
LPG
軽油
軽油
1,000
1,000
LPGリ ン
ガソ
500
500
00
1990
1990
2005
2005
2010
2010
2011
2011
31
2012
2012
2013
2013
年度)
(( 年度)
-
パブリックコメント用 素案
<参考> 県内の自動車保有台数の推移
県内の自動車保有台数の推移を見ると、乗用車が減少傾向、軽乗用車が増加傾向で推
移しています。
また、次世代自動車の登録台数は着実に増加しています。
県内の自動車保有台数の推移
(台)
450,000
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
2005
2006
2007
軽乗用車
2008
2009
乗用車
貨物
2010
2011
小型貨物
2012
軽貨物
※ 国土交通省データ等を基に作成。毎年度 3 月末時点の登録台数。
※ 次世代自動車:ハイブリッド車、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、
クリーンディーゼル車、圧縮天然ガス車、低燃費かつ低排出ガス認定車。
32
2013
(年度)
パブリックコメント用 素案
(5)エネルギー転換部門
エネルギー転換部門の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 551 千トンであり、総排
出量の 6%を占めています。
東北電力の秋田火力発電所及び能代火力発電所において発電所を稼働させるために使用さ
れた電力分(所内電力)、都市ガス事業者における自家消費分から算定しており、大半が火力
発電所からの排出となっています。
表 4-15 エネルギー転換部門の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度 2005年度 2010年度
エネルギー転換
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
147
555
437
567
563
551
-0.9%
秋田火力発電所
147
164
57
164
158
143
-12.6%
能代火力発電所
0
391
379
403
405
407
+4.0%
都市ガス事業者
0.3
0.2
0.2
0.2
0.2
0.2
-9.2%
-21.4%
+2.2%
+1.4%
-0.9%
2005年度比
増加率
-
-
図 4-23 エネルギー転換部門の二酸化炭素排出量の推移
千ト ン
ン-CO
-CO22))
(( 千ト
600
600.0
500
500.0
400
400.0
秋田火力
都市ガス
300
300.0
能代火力
都市ガス
秋田火力
200
200.0
100
100.0
0.00
1990
1990
2005
2005
2010
2011
33
2012
2013
( 年度)
-
パブリックコメント用 素案
(6)廃棄物部門
廃棄物部門の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 438 千トンであり、2005(平成 17)
年度より 10.7%減少しており、2010(平成 22)年度からはほぼ横ばい状態となっています。
産業廃棄物については廃油及び廃プラスチックの焼却量から、一般廃棄物については廃プラ
スチックの焼却量から算定しています。
表 4-16 廃棄物部門の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度
廃棄物
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度と2005
年度との比較
2013年度
286
490
418
427
429
438
-10.7%
産業廃棄物
73
238
179
179
224
207
-12.9%
一般廃棄物
213
252
239
248
205
231
-8.5%
-14.8%
-12.9%
-12.5%
-10.7%
2005年度比
増加率
-
-
-
図 4-24 廃棄物部門の二酸化炭素排出量の推移
( 千ト ン -CO 2)
600
500
400
産業廃棄物
一般廃棄物
300
一般廃棄物
産業廃棄物
200
100
0
1990
2005
2010
2011
2012
2013
( 年度)
(7)工業プロセス等
工業プロセス等の 2013(平成 25)年度の二酸化炭素排出量は 243 千トンであり、2005(平
成 17)年度より 19.8%減少しており、2005(平成 17)年度からは減少傾向となっています。
表 4-17 工業プロセス等の二酸化炭素排出量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
工業プロセス等
鉱物産業6
その他
2005年度比
増加率
6
1990年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2013年度と2005
年度との比較
316
304
295
181
259
243
-19.8%
280
272
256
146
224
207
-23.9%
36
32
39
35
35
36
+12.5%
-2.8%
-40.5%
-14.6%
-19.8%
-
-
セメント製造、生石灰製造等
34
-
パブリックコメント用 素案
4 二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出状況
(1)メタン
メタンの排出量の推移は次のとおりであり、水田や家畜が主な発生源となっています。
表 4-18 メタンの排出量の推移
(千トン-CO2)
区分 \ 年度
1990年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
水田由来
404
359
346
341
345
351
家畜由来
117
59
61
61
60
57
廃棄物由来
66
77
21
19
22
27
その他
12
8
7
6
7
11
合 計
599
503
435
427
433
446
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
(2)一酸化二窒素(N2O)
N2O の排出量の推移は次のとおりであり、耕地や家畜が主な発生源となっています。
表 4-19 一酸化二窒素の排出量の推移
(千トン-CO2)
区分 \ 年度
1990年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
耕地由来
266
209
184
189
203
189
家畜由来
156
115
76
83
82
80
廃棄物由来
24
24
19
18
19
20
その他
45
45
33
31
30
30
合 計
490
393
312
320
334
319
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
(3)ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
HFCs の排出量の推移は次のとおりであり、空調等の冷媒が主な発生源となっています。
表 4-20 ハイドロフルオロカーボン類の排出量の推移
(千トン-CO2)
区分 \ 年度
1995年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
冷媒由来
4
36
78
82
85
110
半導体製造由来
2
0
1
1
1
1
エアゾール由来
12
12
5
5
4
4
合 計
18
48
84
88
90
115
35
パブリックコメント用 素案
(4)パーフルオロカーボン類(PFCs)
PFCs の排出量の推移は次のとおりであり、半導体製造が主な発生源となっています。
表 4-21 パーフルオロカーボン類の排出量の推移
(千トン-CO2)
区分 \ 年度
1995年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
洗浄剤由来
44
9
6
5
5
6
半導体製造由来
33
46
20
17
12
13
合 計
77
55
26
22
17
20
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
(5)六ふっ化硫黄(SF6)
SF6の排出量の推移は次のとおりであり、電気絶縁機器が主な発生源となっています。
表 4-22 六ふっ化硫黄の排出量の推移
(千トン-CO2)
区分 \ 年度
1995年度
2005年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
半導体製造由来
13
21
8
6
4
2
金属製造由来
97
8
1
1
1
1
1
5
5
6
7
6
111
34
15
13
12
8
電気絶縁機器由来
合 計
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
(6)三ふっ化窒素(NF3)
NF3の排出量の推移は次のとおりであり、半導体製造が主な発生源となっています。
表 4-23 三ふっ化窒素の排出量の推移
(千トン-CO2)
区分 \ 年度
1995年度
半導体製造由来
-
2005年度
2
2010年度
2
2011年度
2
2012年度
2
2013年度
1
※ 1995 年度は、都道府県別産業中分類別の製造品出荷額等が非公表となっているため、排出量の算定を行なってい
ない。
36
パブリックコメント用 素案
5 森林吸収量の現況
京都議定書第一約束期間(2008 年度~2012 年度)以降における本県と全国の森林吸収量は、次
のとおり推移しています。
なお、森林吸収量については、林野庁のデータを使用しています。
表 4-24 森林吸収量の推移
(千トン-CO2)
区分\年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
秋田県
2,603
2,504
2,746
1,591
1,991
3,183
全 国
44,623
45,899
48,363
50,486
51,682
50,483
5.8%
5.5%
5.7%
3.2%
3.9%
6.3%
全国に占める
秋田県の割合
森林吸収量の対象となる森林
京都議定書で森林吸収源の対象と認められる森林は次の3種類です。
・新規植林 (過去 50 年来森林がなかった土地に植林。)
・再植林
(1990 年時点で森林でなかった土地に植林。)
・森林経営 (持続可能な方法で森林の多様な機能を十分発揮するための一連の
作業。既にある森林のうち、間伐等がされた森林が対象。)
日本では、森林吸収量の大部分が、森林経営対象林の吸収量となっています。
37
パブリックコメント用 素案
第5章 再生可能エネルギーの導入状況と目標
1 国内の導入状況と国の取組
(1)電力利用
我が国では、平成 24 年7月からの固定価格買取制度(以下「FIT 制度」)の開始等により、
再生可能エネルギーの導入が加速化しています。
平成 27 年 9 月末時点での国内における再生可能エネルギーの導入量(表 5-1)は、合計で
約 6,248 万 kW となっており、その大部分は太陽光発電の増加によるものです。
また、発電電力量ベースでは、平成 26 年度における国内の総発電電力量のうち約 12%が再
生可能エネルギーによるものとなっています(表 5-2)。
表 5-1 国内における再生可能エネルギー(電力利用)の導入状況(設備容量)
平成 24 年 6 月末までの累計導入量 平成 24 年 7 月~平成 27 年 9 月末まで
電源種
(万kW)
の導入量(万kW)
風力
約260
36.5
地熱
約 50
0.9
太陽光(住宅)
約470
352.3
太陽光(非住宅)
約 90
1,928.8
水力
2,790
約230
34.1
約3,890
2,357.6
バイオマス
合計
5.0(※)
出典 H28.1.19 第 20 回調達価格等算定委員会(経済産業省)配付資料
※ 水力発電データについては、経済産業省ウェブサイト「包蔵水力データ(H27.3.31 現在)
(参考)FIT 制度の買取価格の変遷
電源種
\
(円/kWh、税別)
年度
2012
2013
2014
2015
2016
20kW 以上
22
22
22
22
22
20kW 未満
55
55
55
55
55
36
36
15,000kW 以上
26
26
26
26
地熱
15,000kW 未満
40
40
40
40
10kW 以上
40
36
32
29
太陽光
10kW 未満
42
38
37
33
1,000kW 以上30,000kW 未満
24
24
24
24
水力
200kW 以上1,000kW 未満
29
29
29
29
200kW 未満
34
34
34
34
メタン発酵ガス
39
39
39
39
間伐材由来の木質バイオマス(2,000kW 以
32
32
32
32
上)
バイオマス
一般木材・農作物残さ
24
24
24
24
建設資材廃棄物
13
13
13
13
一般廃棄物・その他バイオマス
17
17
17
17
※1 それぞれ単価に税がプラスされる。
※2 「なっとく!再生可能エネルギー」(経済産業省資源エネルギー庁ホームページ)を参考に作成。
36
26
40
24
31
24
29
34
39
風力
(陸上)
洋上風力
38
32
24
13
17
パブリックコメント用 素案
表 5-2 国内における発電電力量の電源別割合(平成 26 年度)
電源種
割合(%)
LNG
46.2
石炭
31.0
石油等
10.6
原子力
0.0
水力
9.0
再生可能エネルギー(水力除く)
3.2
出典 2016 経済産業省「エネルギー白書」
FIT 制度創設以来、3年間で再生可能エネルギーの導入量が大きく増加するといった成果が
あがっており、平成 27 年7月に公表された「長期エネルギー需給見通し」では、2030 年度に
おいて再生可能エネルギー(水力含む)が電源構成の 22~24%を占めるとの見通しが示され
ました。
一方で、電源間でのバランスの不均衡さや、電力系統面での制約が顕在化し、これらの課題
に対する解決策として、買取価格や連系ルール見直し、送電網強化などの検討や取組が行われ
てきています。
また、風力発電や地熱発電については、地元との調整や、環境アセスメントの迅速化に向け
た取組のほか、各種法制度や手続の見直し、「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能
エネルギー電気の発電の促進に関する法律(農山漁村再生可能エネルギー法)」等の積極的な
活用を図り、地域の活性化に資する再生可能エネルギーの導入を推進しています。
図 5-1 太陽熱温水器新規設置台数
(2)熱利用
再生可能エネルギーを用いた熱利用と
して、太陽熱利用、バイオマス熱利用、
温度差熱利用、雪氷熱利用等があります。
太陽熱利用機器の普及は、1990 年代前
半のピーク後、新規設置台数が年々減少
しており、2014 年度の新規設置台数は 33
※1 「鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計年報」(経済産業省)、ソーラー
システム振興協会自主統計を基に作成
出典 2016 経済産業省「エネルギー白書」
千台※1となっています。
その他の熱利用としては、2013 年度に
バイオマス熱利用が 186 万 kL※2、化石由
来廃棄物熱利用が 150 万 kL※2 となってお
り、近年微増の傾向にあります。
図 5-2 バイオマス・廃棄物の熱利用量
熱利用量( 万kL)
400
化石由来廃棄物
350
バイ オマス
300
152
250
また、雪氷熱や工場排熱など、今まで
200
150
利用されていなかったエネルギーをヒー
トポンプを用いて冷熱源に活用する取組
が活発化しています。
164
161
68
79
2002
2003
165
122
142
156
2004
2005
2006
100
50
148
147
138
136
141
150
198
175
171
174
179
186
186
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
150
149
0
※2 出典 平成 27 年 2 月 経済産業省「平成 26 年度新エネルギー等
導入促進基礎調査(バイオマス・廃棄物による発電利用及び熱
利用の導入実績調査)報告書」
39
パブリックコメント用 素案
(3)その他エネルギーの高度利用
図 5-3 次世代自動車の保有台数の推移
① 次世代自動車
次世代自動車には、燃料電池自動車、
電気自動車、ハイブリッド自動車、ク
リーンディーゼル自動車などがありま
す。わが国では、ハイブリッド自動車
を中心に普及台数が増加しており、
2014年度末にはハイブリッド自動車が
約 466 万台※3、電気自動車が約 5.3 万
台※3、プラグインハイブリッド自動車
※3 「自動車保有車両数」(自動車検査登録情報協会)を基に作成
出典 2016 経済産業省「エネルギー白書」
車が約 4.4 万台※3、燃料電池自動車が
155 台※3となっています。
図 5-4 家庭用燃料電池の累積導入台数
② 燃料電池1
燃料電池は、我が国では 2009 年から
一般消費者向けとして家庭用燃料電池
の市場販売が開始し、2015 年 12 月末
時点で約 15.3 万台※4が導入されてい
ます。
※4 「コージェネ導入実績報告」(コージェネレーション・エネルギー
高度利用センター)を基に作成
出典 2016 経済産業省「エネルギー白書」
③ コージェネレーション2
我が国では、産業や民生を中心とし
図 5-5 コージェネレーション設備容量の推移
てコージェネレーションの導入が進
み、民生用では病院、ホテルなどの熱
・電力需要の大きな業種で、産業では
化学、食品などの熱を多く消費する業
種を中心に導入されてきています。
※
民生用には、戸別設置型の家庭用燃料電池やガスエンジンコージェ
ネは含まない
※
「コージェネ導入実績報告」(コージェネレーション・エネルギー
高度利用センター)を基に作成
出典 2016 経済産業省「エネルギー白書」
1
2
水素と酸素を化学的に反応させ直接電気を発生させる発電装置
ガス等で発電する際に発生する熱を、温水や蒸気として利用するシステム
40
パブリックコメント用 素案
2 秋田県における再生可能エネルギーの導入状況
(1)電力利用
2015(平成 27)年度末時点での県内における再生可能エネルギーの導入量は表 5-3 に示す
とおりであり、風力発電と地熱発電が多いことが本県の特徴として挙げられます。平成 23 年
3月に策定した「秋田県新エネルギー導入ビジョン」にて掲げた 2020 年度導入目標を、太陽
光発電では既に達成しています。沿岸部の風況や、豊富な地熱資源に恵まれた本県では、さら
なる発電事業の計画も進んでいます。
表 5-3 県内における再生可能エネルギー(電力利用)の導入実績
電源種
単位
風力
kW
地熱
kW
太陽光
旧目標※1
導入実績
2009年度※2
2015年度※2
124,494 281,133
88,300
2020年度
330,000
88,300
111,010
kW
5,663 116,422
83,200
小水力
kW
7,300
8,442
13,500
バイオマス※3
kW
39,390
39,417
40,450
※1 「秋田県新エネルギー導入ビジョン」(平成 23 年 3 月 秋田県)における目標数値
※2 温暖化対策課まとめ
※3 「秋田県新エネルギー導入ビジョン」では、バイオマス発電の導入実績及び目標数値には全設備容量ではな
くバイオマス利用分のみをカウントした。
導入状況は、図 5-6~図 5-10 に示すとおりです。風力発電は日本海沿岸に集中しており、
太陽光発電は男鹿半島南部、水力発電は山間部に多い傾向にあります。
41
パブリックコメント用 素案
図 5-6 風力発電の導入状況
図 5-7 地熱発電の導入状況
図 5-8 太陽光発電の導入状況
図 5-9 水力発電の導入状況
42
パブリックコメント用 素案
図 5-10 バイオマス発電の導入状況
出典 県資源エネルギー産業課「秋田県内の再生可能
エネルギーを利用した発電の導入状況」
(平成28 年9 月時点)
(2)熱利用及びその他エネルギーの高度利用
本県における導入実績を表 5-4 に示します。本県においては、豊富な森林資源や製材廃材を
活用したバイオマス熱利用、冬季の積雪を活用した雪氷熱利用、コージェネレーション・燃料
電池の活用などに取り組んでおり、平成 23 年3月に策定した「秋田県新エネルギー導入ビジ
ョン」にて掲げた 2020 年度導入目標値を、製材廃材等を利用したバイオマス熱利用、温度差
熱利用では既に達成しています。
表 5-4 県内における再生可能エネルギー(熱利用)及びその他エネルギーの高度利用の導入実績
種
類
単位
旧目標※1
導入実績
2009年度※2
2015年度※2
2020年度
太陽熱利用
kL
18
25
300
バイオマス熱利用
t
30,500
44,616
39,000
温度差熱利用
kW
340
5,738
650
雪氷熱利用
t
1,940
2,039
4,000
バイオマス燃料製造
kL
592
123
15,700
コージェネレーション・燃料電池
kW
52,757
38,359
80,000
次世代自動車
台
7,891
42,601
155,000
廃棄物発電
kW
24,500
25,058
26,000
※1 「秋田県新エネルギー導入ビジョン」(平成 23 年 3 月 秋田県)における目標数値
※2 温暖化対策課まとめ
43
パブリックコメント用 素案
3 秋田県における導入促進施策及び取組
本県においては、平成 23 年3月に「新エネルギー導入ビジョン」、平成 23 年5月に「秋田県
新エネルギー産業戦略」を策定し、再生可能エネルギーの導入促進に取り組んできました。個別
の取組については、第3章に掲げた表 3-2 のとおりです。
平成 28 年3月には、「第2期秋田県新エネルギー産業戦略」を策定し、再生可能エネルギー
の導入促進と関連産業の振興及び雇用創出につなげるための取組を強化しています。
当該戦略では、3つの政策を掲げていますが、その一つに「再生可能エネルギーの導入拡大」
を掲げており、具体的な施策として表 5-5 に示す取組を掲げています。
表 5-5 政策 I「再生可能エネルギーの導入拡大」の施策と取組
政策 I
再生可能エネルギーの導入拡大
施策1 洋上風力発電の導入促進
取組① 秋田港、能代港における事業化の促進
取組② 一般海域における事業化の促進
取組③ 関連する送電網整備の促進
施策2 陸上における風力発電の導入促進
取組① 新規発電所の事業化の促進
取組② 既存発電所のリプレースの促進
施策3 地熱発電の導入促進
取組① 新規発電所の事業化の促進
施策4 太陽光発電の導入促進
取組① 新規発電所の事業化の促進
取組② 住宅用太陽光発電の導入促進
施策5 水力発電の導入促進
取組① 県営水力発電所の新設や能力増強
取組② 農業水利施設における事業化の推進
施策6 バイオマス発電の導入促進
取組① 新規発電所の事業化の促進
施策7 再生可能エネルギーの多面的利用の促進
取組① 発電施設を活用した地域振興や、地域との共生の促進
取組② 熱エネルギーの利用促進
取組③ 電力システム改革に対応した再生可能エネルギーの活用
取組④ 効率的なエネルギー管理システムの普及拡大
出典 「第2期秋田県新エネルギー産業戦略」(平成 28 年 3 月 秋田県)
これらの取組においては、発電事業者自らの事業化を支援・促進するために、県が国に働きか
けたり、各種調整等において支援を行うなどの取組の他、県自らが各種調査や事業資金等への補
助・融資などを行うこととしています。
44
パブリックコメント用 素案
4 再生可能エネルギーの導入目標
(1)電力利用
2030 年度までの本県の再生可能エネルギー(電力利用)の導入目標(設備容量)を表 5-6
及び図 5-11 に示します。導入目標は「第2期秋田県新エネルギー産業戦略」における目標数
値としました。導入に係る考え方は表 5-7 のとおりです。
表 5-6 県内における再生可能エネルギー(電力利用)の導入目標(設備容量)
(単位:kW)
電源種
2015 年度末
(実績)※1
2020 年度末※2
2025 年度末※2
2030 年度末の
導入目標
風 力
281,133
620,000
815,000
地 熱
88,300
130,300
130,300 第2期秋田県新エネル
太陽光
116,422
240,000
255,000
水 力
301,622
305,000
310,000
85,800
110,800
110,800
873,277
1,406,100
1,621,100
バイオマス※3
合 計
ギー産業戦略の目標数
値を維持する
1,621,100
※1 温暖化対策課まとめ
※2 2020 年度末、2025 年度末の目標値は「第 2 期秋田県新エネルギー産業戦略」の目標数値
※3 実績及び目標数値は全設備容量をカウント
図 5-11 県内における再生可能エネルギー(電力利用)の導入目標(設備容量)
45
パブリックコメント用 素案
表 5-7 再生可能エネルギー(電力利用)の導入目標設定の考え方
電源種
導入目標設定の考え方
風 力
・陸上における風力発電については、2020 年度までは毎年7万 kW、2021 年度以降は毎年1万 kW
の増加を目指す。
・洋上風力発電については、秋田港及び能代港(計 14 万 5 千 kW)における事業化を目指す。
・2026 年度以降はこの導入量を維持する。
地 熱
・山葵沢発電所(4 万 2 千 kW)について事業化を目指す。
・2026 年度以降はこの導入量を維持する。
太陽光
・メガソーラーを含む事業用については、2018 年度までに、FIT 制度における現状の設備認定量(約
33 万 kW)の 6 割の 20 万 kW が事業化されることを想定し、当初 3 年間における毎年 4 万 kW の増
加を目指す。
・2026 年度以降はこの導入量を維持する。
水 力
・水力発電所については、県及び民間企業における、5 か所の能力増強と 4 か所の事業化により、
約 8,300kW の増加を目指す。
・農業用水路を活用した小水力発電については、5 か所程度の事業化を目指す。
・2026 年度以降はこの導入量を維持する。
バイオマス
・2016 年度における 2 万 kW 級、2018 年度における 5 千 kW 級の事業化により、2 万 5 千 kW 級の増
加を目指す。
・2026 年度以降はこの導入量を維持する。
(2)熱利用及びその他エネルギーの高度利用
熱利用及びその他エネルギー高度利用の 2030 年度の目標値を表 5-8 に示します。導入目標
の考え方は、表 5-9 に示すとおりとし、近年の導入実績の傾向や今後の産業振興の計画等を踏
まえ推計しました。
表 5-8 県内における再生可能エネルギー(熱利用)及びその他エネルギーの高度利用の導入目標
種
類
単位
導入実績
※1
2009年度
導入目標
※1
2015年度
2030年度
太陽熱利用
kL
18
25
40
バイオマス熱利用
t
30,500
44,616
109,600
温度差熱利用
kW
340
5,738
8,848
雪氷熱利用
t
1,940
2,039
4,000
バイオマス燃料製造
kL
592
123
123
コージェネレーション・燃料電池
kW
52,757
38,359
80,000
次世代自動車
台
7,891
42,601
155,000
廃棄物発電
kW
24,500
25,058
設定しない
※1 温暖化対策課まとめ
46
パブリックコメント用 素案
表 5-9 再生可能エネルギー(熱利用)及びその他エネルギーの高度利用の導入目標設定の考え方
種類
導入目標設定の考え方
太陽熱利用
・県内では普及があまり進んでいない。今後も爆発的な導入は見込めず、太陽光発
電と屋根の取り合いになる可能性もあることから、2009 年度~2013 年度の5年
間の実績ベースで、1kL/年程度の導入が進むと推計。
バイオマス熱利用
・「第2期あきた元気創造プラン」の中で、林業・木材産業について全国最大級の
「木材総合加工産地」を目指すこととし、スギ製品出荷量は 2017 年度に 2012 年
度の 17%増、関連指標として木質バイオマス燃料利用量を 109,600t とすること
を目標にしている。
⇒ 全量バイオマス熱利用に使用されると想定して目標を設定。
温度差熱利用
・既に 2020 年度の目標値(650kW)を達成している。2030 年度までに、2009 年度
~2013 年度の導入量の約半分のペース(233kW/年程度)で増加すると見込んで推
計。
雪氷熱利用
・雪氷熱利用は、2020 年度の旧目標が未達であることから、目標数値は据え置き。
バイオマス燃料製造
・国の方針変更や県内の状況を踏まえ、対象は BDF のみとし、導入目標は 2015 年
度実績を維持することとした。
コージェネレーショ
・2020 年度の旧目標が未達であることから、目標数値は据え置き。
ン・燃料電池
次世代自動車
・2020 年度の旧目標が未達であることから、目標数値は据え置き。
廃棄物発電
・平成 20 年の新エネ法改正により、「廃棄物発電」が新エネルギーに含まれなく
なったことから、対象から除外する。
47
パブリックコメント用 素案
第6章 温室効果ガス排出量の削減目標
1 目標年度
国の「地球温暖化対策計画」に準じ、次のとおりとします。
・基準年
2013(平成 25)年度
・目標年度
2030(平成 42)年度
・計画期間
2017(平成 29)年度から 2030(平成 42)年度
2 温室効果ガス排出量の 2030(平成 42)年度の将来推計
温室効果ガス排出量の削減目標を設定するため、排出原単位を現状に固定した「現状趨勢ケー
ス(追加的な対策を見込まないケース※)」による、温室効果ガス排出量の将来推計を行います。
※
省エネ機器等の導入割合、機器等の省エネ性能等が現状(2013(平成 25)年度)のレベ
ルのままで推移した場合
(1)推計方法について
① エネルギー起源 CO2
2030 年度の試算結果1において、現状趨勢ケースでは、2030 年度のエネルギー起源 CO2が、
2010 年度から 2013 年度の変動範囲と同程度とみられるため、2010 年度から 2013 年度の各
部門の傾向と、国立社会保障・人口問題研究所が公表している世帯数の将来推計結果をもと
に推計します。
② その他の CO2
エネルギー転換部門については、排出量の大半が発電所で使用されるエネルギーであるこ
とを踏まえ推計します。
廃棄物部門については、「第3次秋田県循環型社会形成推進基本計画」に示された 2020
年度までの廃棄物発生量の将来予測に、国立社会保障・人口問題研究所が公表している人口
の将来推計結果を加味して推計します。
工業プロセス等については、2013 年度の排出レベルで推移するものとします。
③ メタン及び一酸化二窒素
廃棄物部門については、「第3次秋田県循環型社会形成推進基本計画」に示された 2020
年度までの廃棄物発生量の将来予測に、国立社会保障・人口問題研究所が公表している人口
の将来推計結果を加味して推計します。
その他の排出量については、2013(平成 25)年度排出レベルで推移するものとします。
④ 代替フロン等
2013(平成 25)年度排出レベルで推移するものとします。
(2)推計結果について
① エネルギー起源 CO2
1
「環境経済・政策学会 20 周年記念シンポジウム」
(2015 年 5 月 8 日開催)におけるスライド「AIM(アジア太平洋統合モ
デル)による日本の約束草案の評価」による。
48
パブリックコメント用 素案
本県の各部門の 2030(平成 42)年度の趨勢ケース排出量を予測すると、次のとおりとな
ります。
表 6-1 エネルギー起源 CO2の 2030(平成 42)年度の予測排出量(現状趨勢ケース)
(千トン-CO2)
区分\年度
産
1990年度
2005年度
2010年度
2012年度
2013年度
2030年度
業
1,720 2,103
1,834 2,296
2,254
2,236
民生家庭
1,437 1,989
1,813 2,100
2,049
1,780
民生業務
1,128 1,734
1,643 2,145
2,369
2,369
運
輸
1,874 2,481
2,107 2,020
2,003
2,003
合
計
6,159 8,307
7,397 8,561
8,675
8,388
※1 産業部門及び民生家庭部門については、2011 年度以降、ほぼ横ばいの傾向であるため、2011~2013 年度
排出レベルで推移するものとし、家庭部門には世帯数の減少予測を加味した。
※2 民生業務部門については増加傾向、運輸部門については減少傾向がみられるが、関連要素の将来動向が不
明確であり、2030 年度のエネルギー起源 CO2 排出量全体としては横ばい傾向であることから、2013 年度排
出レベルを継続するものとした。
② その他 CO2
その他 CO2の 2030(平成 42)年度の趨勢ケース排出量を予測すると、次のとおりとなり
ます。
表 6-2 その他 CO2の 2030(平成 42)年度の予測排出量(現状趨勢ケース)
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度
2005年度
2010年度
2012年度
2013年度
2030年度
エネルギー転換
147
555
437
563
551
680
廃棄物
286
490
418
429
438
405
工業プロセス等
316
304
295
259
243
243
749 1,349 1,150 1,251
1,232
1,328
合 計
③ メタン(CO2換算後)
人口の変動等に伴い、固形廃棄物の埋立て、一般廃棄物及び産業廃棄物の焼却、排水処理
で生じる廃棄物由来の排出量が減少することが見込まれます。
表 6-3 メタンの 2030(平成 42)年度の予測排出量(現状趨勢ケース)
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度
2005年度
2010年度
2012年度
2013年度
2030年度
水田由来
404
359
346
345
351
351
家畜由来
117
59
61
60
57
57
廃棄物由来
66
77
21
22
27
25
その他
12
8
7
7
11
11
合 計
599
503
435
433
446
444
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
49
パブリックコメント用 素案
④ 一酸化二窒素(CO2換算後)
人口の変動等に伴い、一般廃棄物及び産業廃棄物の焼却、排水処理で生じる廃棄物由来の
排出量が減少することが見込まれます。
なお、下水汚泥の焼却による排出量については、公共下水道人口が減少する一方で、汚泥
の広域処理が計画されていることから、現状と同程度の排出量を見込みます。
表 6-4 一酸化二窒素の 2030(平成 42)年度の予測排出量(現状趨勢ケース)
(千トン-CO2)
区分\年度
1990年度
2005年度
2010年度
2012年度
2013年度
2030年度
耕地由来
266
209
184
203
189
189
家畜由来
156
115
76
82
80
80
廃棄物由来
24
24
19
19
20
18
その他
45
45
33
30
30
30
合 計
490
393
312
334
319
318
※ 端数処理の関係で合計と各項目の和が一致しない場合がある。
⑤ 代替フロン等4物質(CO2換算後)
代替フロン等4物質については、排出要因の変動が不明確なため、現状排出レベルを見込
みます。
表 6-5 代替フロン等4物質の 2030(平 42)年度の予測排出量(現状趨勢ケース)
(千トン-CO2)
区分\年度
1995年度
2005年度
2010年度
2012年度
2013年度
2030年度
HFCs
18
48
84
90
115
115
PFCs
77
55
26
17
20
20
SF6
111
34
15
12
8
8
NF3
-
2
2
2
1
1
139
127
121
144
144
合 計
206
50
パブリックコメント用 素案
⑥ 合計
2030(平成 42)年度の趨勢ケース排出量は、排出量合計で 10,622 千トン-CO2となり、基
準年度の 2013(平成 25)年度より 1.8%減少します。
表 6-6 温室効果ガス合計の 2030(平成 42)年度の予測排出量
(千トン-CO2)
区分\年度
エネルギー起源
CO2
1990年度
2005年度
2010年度
2012年度
2013年度
2030年度
6,159 8,307 7,397
8,561
8,675
8,388
749 1,349 1,150
1,251
1,232
1,328
その他CO2
メタン
599
503
435
433
446
444
一酸化二窒素
490
393
312
334
319
318
代替フロン等
4物質
206
139
127
121
144
144
合 計
8,203 10,691 9,421 10,700 10,816 10,622
3 2030(平成 42)年度における削減目標
(1)設定にあたっての基本的な考え方について
国の地球温暖化対策計画に即し、2030(平成 42)年度における削減可能量を積み上げて削
減目標を設定します。
具体的には、省エネ機器の導入や既存を含む住宅や建築物の断熱化等による削減可能量、再
生可能エネルギーの導入による削減効果、さらに廃棄物の排出削減による効果等を加味して目
標を設定します。
(2)削減目標の内訳について
2030(平成 42)年度における排出量の目標は、2030(平成 42)年度の現状趨勢ケース排出
量から削減可能量を差し引いた数値である、8,002 千トンと設定します。
この目標数値は、2013(平成 25)年度の排出量(10,816 千トン-CO2)と比較して、約 26%
の削減となります。
51
パブリックコメント用 素案
表 6-7 温室効果ガスの削減目標
(千トン-CO2)
2030年度
趨勢ケース排出量
2030年度
対策後排出量
削減目標
省エネルギーによる削減量
10,622
1,105
産業部門
162
民生家庭部門
237
民生業務部門
449
運輸部門
257
再生可能エネルギーの導入による
削減効果
廃棄物の排出削減による効果
43
8,002
24
HFCsの回収による効果
58
森林吸収量
1,390
合
計
2,620
図 6-1 温室効果ガスの排出量と削減目標
表 6-8 省エネルギーによる削減量の内訳
(千トン-CO2)
区分\年度
2013 年度
2030 年度
(現状趨勢)
削減量
2030 年度
(対策後)
2013 年度からの
削減割合
産業部門
2,254
2,236
162
2,074
▲
民生家庭部門
2,049
1,780
237
1,543
▲ 24.7%
民生業務部門
2,369
2,369
449
1,920
▲ 19.0%
運輸部門
2,003
2,003
257
1,746
▲ 12.8%
52
8.0%
パブリックコメント用 素案
(3)削減方法による削減目標の内訳
① 省エネルギーによる削減効果
産業部門、民生家庭部門、民生業務部門、運輸部門において、合計 1,105 千トンの削減が
見込まれます。
ア 産業部門
:
162 千トン
対策メニュー
削減量の積算に見込んだ前提
産業界における自主的取組の推進
経団連低炭素社会実行計画における各業種の自主
削減量の県内分を積み上げ
削減量
16 千トン
省エネルギー性能の高い設備・機器の導入促進
24 千トン
高効率空調機への更新
外気冷気空調システムの導入
高効率冷温水機の導入
事業者アンケート調査の結果をもとに、2030 年度
までに新たに導入されることによる削減量
5 千トン
7 千トン
3 千トン
高効率照明の導入
徹底的なエネルギー管理の実施
CO2 濃度管理
46 千トン
4 千トン
外気取入れの適正化
空調機のスケジュール制御
空調のインバータ設定
事業者アンケート調査の結果をもとに、2030 年度
までに新たに実施されることによる削減量
45 千トン
5 千トン
冷却水設定温度の調整
4 千トン
駐車場換気ファンの間欠運転
3 千トン
イ 民生家庭部門 :
237 千トン
対策メニュー
削減量の積算に見込んだ前提
削減量
住宅の省エネ化
新築住宅における省エネ基準適
合の推進
既存住宅の断熱改修の推進
2030 年度の新築住宅の省エネ基準適合率が 100%
(2103 年度は 52%)
2030 年度の省エネ基準を満たす住宅ストックの割
合が 2013 年度比 5 倍の 30%
50 千トン
2 千トン
高効率な省エネルギー機器の普及
高効率給湯器の導入
2030 年度までの累計導入台数が 2013 年度比 5 倍
54 千トン
高効率照明の導入
2030 年度までの累計導入割合が 100%
54 千トン
トップランナー基準を達成した機器への置き換え
が進む。目標年度以降は出荷機器の全数が達成機
器となる。
31 千トン
トップランナー制度等による機器
の省エネ性能向上
HEMS・スマートメーターを利用し
2030 年度の HEMS 等の導入率が 100%
た徹底的なエネルギー管理の実施
44 千トン
国民運動の推進
クールビズ及びウォームビズの
実施
家庭エコ診断
2030 年度のクールビズ・ウォームビズの実施率が
100%
2030 年度の家庭エコ診断の実施率が 2013 年度比
127 倍(全世帯の 7.2%)となる。
53
1 千トン
1 千トン
パブリックコメント用 素案
ウ 民生業務部門 : 449 千トン
対策メニュー
削減量の積算に見込んだ前提
削減量
建築物の省エネ化
新築建築物における省エネ基準
適合の推進
新築建築物(床面積 2,000m2 以上)における省エネ
基準適合率 100%
88 千トン
建築物の省エネ化(改修)
2030 年度の省エネ基準を満たす建築物ストックの
割合 39%(2013 年度は 23%)
10 千トン
業務用給湯器の導入
2030 年度までの累計導入割合が 44%(2012 年度は
7%)
13 千トン
高効率照明の導入
2030 年度までの累計導入割合が 100%
76 千トン
高効率な省エネルギー機器の普及
トップランナー制度等による
機器の省エネ性能向上
BEMS の活用、省エネ診断等による
徹底的なエネルギー管理の実施
トップランナー基準を達成した機器への置き換え
が進む。目標年度以降は出荷機器の全数が達成機
器となる。
業務部門における BEMS の普及率が 47%(2013 年
度は 8%)
141 千トン
81 千トン
国民運動の推進
1 千トン
ウォームビズの実施
2030 年度のクールビズ・ウォームビズの実施率が
100%
照明の効率的な利用
照度削減率の変化量を約 30%まで向上させる。
7 千トン
クールビズの実施
その他の省エネルギー対策等
空調のインバータ設定値の
見直し
事業者アンケート調査の結果をもとに、2030 年度
までに新たに実施されることによる削減量
1 千トン
31 千トン
エ 運輸部門 : 257 千トン
対策メニュー
次世代自動車の普及、燃費改善
削減量の積算に見込んだ前提
削減量
2030 年の本県の新車販売に占める次世代自動車の
割合が 70%(2013 年度は 23%)
235 千トン
道路交通流対策
「平成 28 年度秋田県交通安全実施計画」における
信号機の系統化、感応化等の対策が 2030 年度まで
毎年継続する。
本県にある信号灯機の LED 化が、国の「地球温暖
交通安全施設の整備(信号灯器
化対策計画」における全国での LED 化と同じ割合
の LED 化の推進)
で実施される。
交通安全施設の整備(信号機の
改良)
営業用トラック、バス、タクシーなどの事業用自
環境に配慮した自動車使用等の促
動車へのエコドライブ関連機器の導入が、国の「地
進による自動車運送事業等のグリ
球温暖化対策計画」における全国での導入と同じ
ーン化
割合で実施される。
2 千トン
1 千トン
7 千トン
国民運動の推進
エコドライブ
乗用車、自家用貨物車のエコドライブ実施率を約
45%まで向上させる(2015 年度は 35%)。
54
12 千トン
パブリックコメント用 素案
② 再生可能エネルギーの導入による削減効果
2030 年度の再生可能エネルギー等の導入目標を達成した場合の削減効果の増加分は次の
とおりであり、43 千トンとなります。
なお、売電分の CO2削減効果は電力係数の低減効果として排出削減量にカウントされてい
るため、自家消費分のみカウントします。
表 6-9 エネルギー種別ごとの二酸化炭素削減効果
目標(2030年度)
種
類
削減効果(2014年度
からの新規増加分
単 原油換算 CO2削減
目標数値
位
(kL) 効果(千t) 千t-CO2)
備 考
自家消費分は住宅向け
太陽光発電
255,000 kW
45,808
19.1 で5割、事業所向けで
84
9割とする
0 全量売電を想定
風力発電
815,000 kW
695,617
1,277
バイオマス発電
110,800 kW
132,713
244
水力発電
310,000 kW
298,335
548
0 全量売電を想定
地熱発電
130,300 kW
245,592
482
0 全量売電を想定
40 kL
40
0.1
0.05 全量自家消費される
109,600 t
19,824
40
23.0
同上
温度差熱利用
8,848 kW
436
0.7
0.2
同上
雪氷熱利用
4,000
t
37
0.07
0.05
同上
123
kL
103
0.2
0
同上
太陽熱利用
バイオマス熱利用
バイオマス燃料
製造(BDF)
0.2 自家消費分をカウント
合 計(千トン-CO2)
42.6
※ コージェネレーション・燃料電池及び次世代自動車による削減効果は省エネ対策による効果に含まれるため、
ここにはカウントしない。
③ 廃棄物の排出削減による効果
「第3次秋田県循環型社会形成推進基本計画」では、平成 32 年度(2020 年度)の目標を
次のとおり設定しています。
表 6-10 廃棄物の減量その他適正処理に関する目標
指
標
目標値
940
1人1日当たりの一般廃棄物排出量
産業廃棄物の排出量
産業廃棄物の最終処分量
単 位
備 考
g/人・日
H25 年度 1,002(g/人・日)
2,260
千トン
H25 年度比
+3%
295
千トン
H25 年度比
-1%
2030(平成 42)年度においても、この目標数値を達成している場合、2030(平成 42)年度
の趨勢ケース排出量から 24 千トンの削減が見込まれます。
55
パブリックコメント用 素案
表 6-11 廃棄物の排出削減による効果
対策メニュー
削減量
削減量の積算に見込んだ前提
一般廃棄物
県民1人1日当たり
ごみ排出量の削減
一般廃棄物の 1 人 1 日当たり排出量を
940g/人・日に削減。
産業廃棄物
排出量
産業廃棄物の排出量を、226 万 t に減量。
24 千トン
1 千トン
※ 一般廃棄物の削減量が 23.5 千トン、産業廃棄物の削減量が 0.8 千トンのため、合計は 24 千トンとなる。
④ HFCs の回収による効果
業務用冷凍空調機器からの廃棄時等のフロン類の回収が進められていることを勘案し、本
対策により、58 千トンの削減が見込まれます。
表 6-12 HFCs の回収による効果
対策メニュー
削減量
(CO2換算)
削減量の積算に見込んだ前提
業務用冷凍空調機器からの
廃棄時等のフロン類の回収
の促進
58 千トン
2030 年度の回収率 70%(2013 年度は 34%)
⑤ 森林吸収量
森林吸収量については、京都議定書第一約束期間(2008~2012 年度)以降の本県の年間吸
収量の平均が全国の約5%を占めていたことから、2030 年度においても同じ割合を占めると
想定します。
国の 2030 年度の目標数値が 27,800 千トン-CO2であることから、本県の吸収量の目標数値
は 1,390 千トンとします。
表 6-13 森林吸収量の目標数値
区分\年度
2008~2013年度
の平均
2020年度(参考)
2030年度の目標
秋田県
2,437 千トン
1,900 千トン
1,390 千トン
全 国
48,590 千トン
38,000 千トン
27,800 千トン
5.0%
5.0%
5.0%
全国に占める
秋田県の割合
※ 2008~2013 年度の平均については、林野庁データをもとに算定。
※ 2020 年度、2030 年度の全国の数値は「地球温暖化対策計画(H28.5 閣議決定)」による。
56
パブリックコメント用 素案
第7章
1
温室効果ガス排出抑制等に関する施策
秋田県における温暖化対策の基本方針
第4章でも述べたとおり、秋田県における温室効果ガス排出量は 2011(平成 23)
年度以降、増加を続けています。
このため、秋田県の温室効果ガスが増加している現状と、近年の気候の変化を県
民一人ひとりが認識するとともに、温室効果ガス削減目標の達成に向け、それぞれ
の立場で、温室効果ガスの削減に結びつく選択が、当たり前に取り組まれる「スト
ップ・ザ・温暖化あきた」の実現を目指します。
2
重点的に取り組む施策
本県は積雪寒冷地に位置して いることから、住宅や建築物の高断熱化を進めるな
ど暖房エネルギーの削減対策に重点的に取り組みます。
また、「ストップ・ザ・温暖化あきた 県民会議」による官民一体の行動により、
県民運動や普及啓発を推進します。
3
分野別の対策
(1) 省エネルギー対策の推進
①
共通する取組
省エネルギー対策を効果的に進めるためには次の視点が重要です。
Ⅰ
エネルギーの使用量を把握
Ⅱ
できる範囲で節電等の省エネ行動を実施
Ⅲ
機器の更新時には省エネ型を購入
Ⅳ
新築や改修時期にあわせ建物の高断熱化を実施
これらの取組を促すため、機器等の導入による省エネ効果や国等の支援制度
等を分かりやすく情報提供します。
また、これらの取組を全県に広げるため、「ストップ・ザ・温暖化あきた県
民会議」において、意識や情報の共有を図り、官民一体となって行動します。
②
民生家庭部門での取組
ア
エネルギー使用量の「見える化」と省エネ行動の実施
家庭の省エネを効果的に進めるためには、家庭のどの部分でどのくらい
のエネルギーを使っているかを「見える化」することが基本 です。
HEMS ※ 1(住宅のエネルギー管理システム)の導入促進、環境家計簿 ※ 2(エ
コ家計簿)の普及、家庭の省エネ診断の受診促進を通じて、省エネ行動の
実践に繋げます。
イ
家電製品や給湯機器の省エネ化
給湯機器や家電製品は、トップランナー型や「5つ星製品 ※ 3 」に更新す
ることでエネルギー消費量を大幅に削減できることから、国の支援制度等
を活用し普及を加速させます。
57
パブリックコメント用 素案
ウ
住宅の高断熱化
積雪寒冷地に位置する秋田県においては、家庭で使用される暖房エネル
ギーを削減するためにも、住宅の断熱性を向上させていくことが重要です。
「秋田県住生活基本計画」に基づき、長期優良住宅や省エネルギー住宅、
自然エネルギーを使用した住宅の普及促進により、環境に配慮した住まい
づくりを推進します。
また、関係団体と連携して、ZEH ※ 4(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
などの省エネルギー・省 CO 2 のモデル的な住宅の普及を促進するとともに、
断熱化事例の情報や住宅エコリフォーム事例に関する情報について提供し
ます。
※1
HEMS とは、家庭で使うエネルギーを把握するための管理システム です。電気
使用量をモニター画面などで「見える化」することで効率 的な管理を行うとと
もに省エネ行動につなげることができます。
※2
環境家計簿とは、 電気、ガス、灯油の使用量などを記録し、二酸化炭素の排
出量に換算することで、生活の中でどれだけの二酸化炭素が排出されているか
把握できる家計簿です。
※3
「小売事業者表示制度(小売業者が製品の省エネ情報を表示する制度)」に
おいて、省エネ性能が 5段階評価中、最も高く評価されている製品 です。
現在、エアコン、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、テレビ、電気便座、照明器具に
おいて省エネ情報が表示されています。
※4
ZEH とは、住 宅の高断熱化等による省エネルギー及び太陽光発電システム等
による創エネルギーにより、1年間に消費するエネルギーが正味ゼロ以下にな
る住宅のことです。
③
民生業務部門での取組
ア
エネルギー使用量の把握と省エネ行動の実施
事業所の省エネを効果的に進めるためには、自身がどのくらいのエネル
ギーを使っているかを把握する必要があります。
このため、BEMS ※ 5 (ビルのエネルギー管理システム)や業務用省エネナ
ビ等の導入によるエネルギーの「見える化」を促進し、省エネ行動の実践
に繋げます。
また、「ISO14001」や「エコアクション 21」等の環境マネジメントシス
テム ※ 6 の導入を促進するとともに、一般財団法人省エネルギーセンター等
と連携し、省エネルギー診断の受診を促します。
イ
高効率機器の導入
空調や照明機器などは、高効率(トップランナー)型にすることでエネ
ルギー消費量を大幅に削減できることから、高効率機器の費用対効果に対
する認識を浸透させるとともに、国の支援制度等を活用し 、省エネルギー
技術や省エネルギー設備・機器等の普及を推進します。
58
パブリックコメント用 素案
ウ
建築物の高断熱化
建築物の新築・改築時等における ZEB ※ 7(ネット・ゼロ・エネルギー・ビ
ル)などの断熱構造化を促進し、オフィス等の空調や暖房に係るエネルギ
ー使用量を削減します。
エ
地方公共団体の率先行動による効果の実証と啓発
大規模な施設については ESCO 事業 ※ 8 の導入を進めるとともに、その他の
施設においても、省エネ診断の受診や各種省エネ対策を率先的に実施し 、
機器の更新に当たっては省エネ機器の導入に努めます。
県有施設改築の際には「グリーン診断・改修」を実施することにより、
効果的かつ効率的に省エネ技術を導入するとともに、建築物全体における
ライフサイクルを通じた排出量抑制という指標の定着に努めます。
また、公共施設で取り組んでいる省エネの効果を施設利用者ら来場者に
「見える化」することで、地域住民の省エネ対策の実施を促します。
市町村に対しても、各市町村が策定する地方公共団体実行計画の着実な
実施に向けた支援を行います。
※5
BEMS とは、オフィスビルで使うエネルギーを把握するための管理システムで
す。電気使用量をモニター画面など で把握・制御 することで効率的なエネルギ
ー管理を行うことができます。
※6
環境マネジメン トシステムとは、事業活動全般について環境配慮の要素を取
り入れ、それを管理しつつ環境への負荷の低減を図るためのシステムです。
国際規格である「 ISO14001」や環境省が普及を進めている「エコアクション
21」などがあります。
※7
ZEB とは、建築物の高断熱化等による省エネルギー及び太陽光発電システム
等による創エネルギーにより、1年間に消費するエネルギーが正味ゼロ以下に
なる建築物のことです。
※8
ESCO 事業とは、省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、省エネル
ギー効果の保証等によ り顧客の光熱費の削減分の一部を報酬として受け取るビ
ジネスのことです。
④
運輸・自動車部門での取組
ア
エコドライブ
秋田県では自動車を利用せざるをえない場合が多いことから、より環境
に配慮した運転技術(エコドライブ)を定着していくことが重要です。
関係する団体と連携し、エコドライブ宣言 登録制度の普及促進を図ると
ともに、地域単位や業界単位で活動が拡がるよう取組を進めます。
イ
次世代自動車の導入
乗用車や貨物車は、次世代自動車に切り替えることでエネルギー消費量
を大幅に削減できることから、費用対効果に対する認識を浸透させるとと
もに、国の支援制度等を活用し普及を加速させます。
59
パブリックコメント用 素案
⑤
産業部門
ア
エネルギー使用量の把握と省エネ行動の実施
工場の省エネを効果的に進めるためには、自身がどのくらいのエネルギ
ーを使っているかを把握する必要があります。
このため、FEMS ※ 9 (工場のエネルギー管理システム)や業務用省エネナ
ビ等の導入によるエネルギーの「見える化」を促進し、省エネ行動の実践
に繋げます。
また、「ISO14001」や「エコアクション 21」等の環境マネジメントシス
テムの導入を促進するとともに、一般財団法人省エネルギーセンター等と
連携しながら、省エネルギー診断の受診を促します。
イ
高効率機器の導入
空調や照明機器などは、高効率(トップランナー)型にすることでエネ
ルギー消費量を大幅に削減できることから、高効率機器の費用対効果に対
する認識を浸透させるとともに、国の支援制度等を活用し 、省エネルギー
技術や省エネルギー設備・機器等の普及を推進します。
ウ
建築物の高断熱化
建築物の新築・改築時等における断熱構造化を促進し、空調や暖房に係
るエネルギー使用量を削減します。
※9
FEMS とは、工場内のエネルギー管理システムです。工場内の配電設備、空調
設備、照明設備、製造ラインの設備等の電力使用量 をモニター画面など で把握・
制御することで 効率的な管理を行うことができます。
(2)省エネ以外の 排出抑制等対策の推進
①
代替フロン等対策
ア
冷凍空調機、エアゾール製品、発泡断熱材のノンフロン化
関係機関や関連団体等と連携し、ノンフロンなど地球温暖化係数の低い
化学物質を使用している製品の普及を促進します。
イ
地方公共団体による率先購入、利用
業務用冷凍冷蔵庫、業務用空調機器、エアゾール製品を購入するときは 、
ノンフロン製品など地球温暖化係数の低い冷媒を使用した製品を選択し
ます。
また、発泡断熱材にはノンフロンなど地球温暖化係数の低い発泡剤を使
用した断熱材を選択します。
ウ
機器使用時や廃棄時の適正処理
フロン等を使用している機器 の管理や廃棄に当たって は、フロン排出抑
制法、家電リサイクル法、自動車リサイクル法に基づき、使用時の適切な
管理及び廃棄時の適正処理を推進します。
60
パブリックコメント用 素案
②
温室効果ガス排出量がより少ない製品 ・役務の利用
ア
県産材の利用
木材は炭素を貯留していることから、木材を製品として利用することは
二酸化炭素の排出抑制につながります。
「秋田県木材利用促進条例」、「あきた県産材利用推進方針」、「あき
た県産材利用推進計画」に基づき、秋田スギその他の県内産の木材(以下
「県産材」という。)の利用を推進します。
イ 環境保全型農業の推進
農地へ堆肥などの有機物を施用することは、炭素を貯留する効果に加え、
稲作に伴い発生するメタンの排出量を抑制できることから、 「第2期ふる
さと秋田農林水産ビジョン」に基づき、有機栽培など、環境にやさしい農
業を推進します。
ウ 低炭素型サービスの選択
温室効果ガス排出削減に配慮した 物流や サービス の 選択 を促進 します 。
③ 低炭素型技術開発等の推進
ア
水素エネルギーに関する取組の推進
「第2期秋田県新エネルギー産業戦略」に基づき、県内における推進体
制の構築等を進めます。
イ
研究開発の推進
「あきた科学技術振興ビジョン」に基づき、環境・資源・新エネルギー
分野に係る産学官が連携した研究開発の支援を進めます。
(3)再生可能エネルギー等の導入の推進
①
再生可能エネルギー発電の拡大
「第2期秋田県新エネルギー産業戦略」、「農業水利施設を活用した小水
力発電マスタープラン」、「木質バイオマス発電の推進に関するガイドライ
ン」に基づき、再生可能エネルギーによる発電を促進します。
ア
洋上風力発電
・秋田港、能代港における事業化
・一般海域における事業化
・関連する送電網整備
イ
陸上における風力発電
・新規発電所の事業化
・既存発電所のリプレース
ウ
地熱発電
・新規発電所の事業化
エ
太陽光発電
・新規発電所の事業化
・住宅用太陽光発電の導入
オ
水力発電
・県営水力発電所の新設や能力増強
61
パブリックコメント用 素案
・農業水利施設における事業化の推進
カ
バイオマス発電
・新規発電所の事業化
キ
再生可能エネルギーの多面的利用
・発電に伴う熱エネルギーの利用
・効率的なエネルギー管理システムの普及拡大
②
再生可能エネルギーの熱利用の促進
ア
太陽熱利用
エネルギー変換効率が高いこと、平均的な設備コスト が比較的安価であ
ること、用途も給湯・暖房・プール加温等幅広い という特徴があることか
ら、これらの情報を発信します。
イ
バイオマス熱利用
「第2期ふるさと秋田農林水産ビジョン」や関連計画に基づき、公共施
設や農業分野等での利用体制を整備するとともに、ユーザーに安定供給で
きる体制を構築し、木質バイオマスの利用拡大を図ります。
ウ
温度差熱利用
地中熱利用については、公共施設において先進的な導入事例があるほか、
住宅用の冷暖房としての利用もあることから、こうした事例を収集し 情報
を発信します。
エ
雪氷熱利用
初期投資が大きくなる場合が多いものの、ランニングコストの面で大き
なメリットがあり、公共施設において先進的な導入事例があることから、
こうした事例の収集及び情報の発信を行います。
オ
バイオマス燃料製造(BDF)
「地域で原料を集め、地域で BDF に加工し、地域で利用する」という地
域レベルでの小さな循環に対し支援します。
③
エネルギー高度利用技術の普及
ア
コージェネレーション
導入を検討する事業者等に対し、先進的な事例、CO 2 削減効果、国等の補
助制度などの情報を提供します。
イ
燃料電池
家庭用の機器(給湯・発電機)が販売されているほか、産業用機器の開
発も進められています。
総合エネルギー効率が高いことから、機器の費用対効果に対する認識を
浸透させるとともに、国の支援制度等を活用し普及を加速させます。
ウ
次世代自動車
県の公用車の更新に当たっては、次世代自動車の率先導入に努めます。
また、電気自動車向けの急速充電器の設置促進や、次世代自動車啓発イ
ベント等などを通じて普及を図ります。
62
パブリックコメント用 素案
(4)循環型社会の形成(廃棄物の発生抑制等)
「第3次秋田県循環型社会形成推進基本計画」に基づき、環境と経済が好循
環した持続可能な社会を目指します。また、「あきた循環のみず推進計画」に
基づき、下水道汚泥等バイオマスの利活用を促進します。
①
3Rの推進と地域循環圏の形成
・家庭系ごみのさらなる減量化
・3Rの推進に向けた分別収集
・事業者ごみの排出量の削減に向けた取組
・下水道汚泥の利活用
・林地残材等、未利用バイオマスの利活用
②
循環型社会ビジネスの振興
・廃棄物の3Rを意識した事業
・認定リサイクル製品の普及
・リサイクル資源の確保に向けた取組
・持続可能なリサイクルシステム構築に向けた取組
③
廃棄物の適正処理の推進
・不法投棄の未然防止に向けた啓発活動
・人口減少社会を見据えた廃棄物処理の広域化及び適正処理の確保
・PCB、水銀廃棄物などの有害廃棄物の適正処理に向けた取組
・関係機関との連携に向けた不適正処理事案への対応
・東日本大震災の知見を踏まえた災害廃棄物処理に関する計画の策定
(5)低炭素型地域づくりの推進
都市機能の集約の促進や公共交通機関の利用者の利便性の向上等により、温
室効果ガスの排出の抑制に資する地域環境を整備します。
① 環境に配慮した交通
「秋田県総合交通ビジョン」に基づき、すべての人と環境に配慮した交通
を目指します。
・公共交通の利用
・交通の円滑化
・歩行者・自転車対策
・グリーン物流 1
②
コンパクトなまちづくり
県版立地適正化計画策定ガイドラインを作成し、市町村による立地適正化
計画の策定を支援します。
また、「秋田県都市計画区域マスタープラン」等に基づき都市の緑化を推
進します。
③
生活排水処理の広域共同化
「あきた循環のみず推進計画」に基づき、下水道とし尿処理施設の集約化
1
トラックによる幹線貨物 輸送の海運や鉄道への転換、トラック輸送の効率化、共同輸配送等により、
輸送効率を改善した物流
63
パブリックコメント用 素案
など、県と市町村による生活排水処理の広域共同化を進めます。
(6)森林の保全・整備による二酸化炭素吸収促進
本県の県土面積の約 7 割にあたる 82 万 ha は森林であり、森林蓄積量は約 1
億 4 千万m 3 の森林県です。森林は、二酸化炭素の吸収源としての大きな役割を
担っています。
このため、「秋田県水と緑の基本計画」や「特定間伐等の実施の促進に関す
る基本方針」に基づき、二酸化炭素を吸収する森林の健全な整備・保全を推進
します。
なお、植林などの環境活動は地域内外から多くの方々が参加しており、交流
のきっかけとなっていることを捉え、環境活動を通じた交流促進を図っていく
とともに、地域の環境資源や文化的な資産を、環境教育やツーリズムに活かし
ていく取組についても積極的に推進します。
① 森林整備
・スギ人工林の適切な森林整備
・スギ人工林の混交林等への誘導
・広葉樹林の保全
・天然林等の再生
・多様な広葉樹の植樹活動
・民有林「緑の回廊」の維持管理
② 松くい虫対策及びナラ枯れ対策
・松くい虫対策
・松くい虫防除への住民参加
・ナラ枯れ対策
・研究開発
③ 県民参加の森林づくり
・企業による水と緑の森づくり制度
・植林などの環境活動を通じた地域づくり
(7)環境教育・学習の推進
県民や事業者自らが地球温暖化問題に対する理解と認識を深め、 ライフスタ
イルやワークスタイルを見直し、環境負荷をできるだけ与えないように具体的
に行動することが重要です。このような行動を広げていくためには、幼児から
高齢者までの幅広い世代を対象に、環境教育・学習を推進する必要があります。
このため、「秋田県環境教育等に関する行動計画」 に基づき、家庭、学校、
地域、職場における環境教育・学習を推進します。
・環境学習の機会・場づくり
・人材の育成・活用
・教材の整備・活用
・情報の発信・提供
(8)環境価値の創出とカーボンオフセットの普及
①
環境価値の創出
64
パブリックコメント用 素案
J-クレジット制度 2 等を利用した環境価値の創出の促進、「秋田の森林づ
くり
森林整備による二酸化炭素吸収量の認証制度 」や「秋田県産材利用促
進 CO 2 固定量認証制度」の普及に取り組みます。
②
また、県自らも率先して制度を活用し、積極的に普及に取り組みます。
環境価値の活用
県内で創出されたJ-クレジット等の環境価値について、活用方法等に係
る情報を発信するとともに、活用が促進される仕組みを整備します。
③
カーボンオフセットの率先実行
県主催の会議やイベントで発生する二酸化炭素については、県内産の環境
価値を活用して、率先してオフセットします。
④
共同省エネルギー事業への環境価値の活用
J-クレジットを活用した、大規模事業者と中小事業者との 共同省エネル
ギー事業の普及に取り組みます。
4
分野横断的な取組
各対策を効果的に進めるため、関連する取組については相互に連携を図りながら
進めます。
(1)家庭用冷蔵庫及びエアコンの買換え時
・省エネ(5つ星)型・ノンフロン型の選択
・使用後の家電の適正処理
(2)業務用冷凍冷蔵機器及び業務用空調機器 の更新時
・高効率(トップランナー)型・ノンフロン型の選択
・使用中の機器の適正な維持管理及び整備 によるフロン類漏洩防止
・使用後の機器のフロン類回収、適正処理
(3)自動車の買換え時
・次世代自動車の選択
・エコドライブの実施
・適正整備の実施による燃費改善
・自動車フロンの適正処理、使用済み自動車の適正処理
(4)森林吸収源の確保
・森林の保全・整備
・住宅や建築物等における県産材利用
・木質バイオマスの燃料利用
・J-クレジット等の創出、活用
5
各主体ごとに取り組む施策
温室効果ガスの削減目標を達成するには、行政はもとより県民、事業者が、それ
ぞれの立場に応じた役割を果たし、様々な知恵を結集し、幅広く連携しながら取り
2
省エネルギー機器の導入 や森林経営などの取組による温室効果ガスの排出削減量や吸収量を 、
「 クレジ
ット」として国が認証する制度
65
パブリックコメント用 素案
組むことが不可欠です。
そのため、各主体のとるべき具体的な取組を示します。
(1)行政
① 省エネルギー対策の推進
・家庭での「エネルギーの見える化」
・事業所のエネルギー管理
・省エネ行動の種類や効果の情報発信
・家電、機器等の省エネ化
・住宅、建築物の高断熱化
・エコドライブの普及
・地方公共団体による率先行動による省エネ効果の実証
・条例計画書制度を踏まえた効果的な省エネ支援策の実施
② 省エネ以外の排出抑制等対策の推進
・ノンフロン製品の率先購入
・使用中の機器の適正な維持管理及び整備によるフロン類漏洩防止
・フロン使用機器の廃棄時の適正処理の実施
・温室効果ガス排出削減に配慮した物流やサービスの選択
・県産材や木製品の利用
・地球温暖化対策に係る研究開発の支援
③ 再生可能エネルギーの導入の推進
・導入支援
・公共施設での使用
④ 循環型社会の形成(廃棄物の発生抑制等)
・すべての主体による廃棄物の3Rの推進及び適正処理
・循環を基調としたライフスタイル・事業活動への転換
・地域循環圏の形成
・循環型ビジネスの振興
⑤ 低炭素型地域づくりの推進
・公共交通機関の利用
・交通の円滑化
・歩行者・自転車対策
・グリーン物流
⑥ 森林の保全・整備による二酸化炭素吸収促進
・森林整備
・松くい虫対策及びナラ枯れ対策
・県民参加の森林づくりの普及
⑦ 環境教育・学習の推進
・研修会、啓発イベントの実施
・環境学習施設の利用
・こどもエコクラブ活動の支援
・環境学習
⑧ 環境価値の創出とカーボンオフセットの普及
・J-クレジット制度の普及及び利活用
・カーボンオフセットの率先実施
・J-クレジットを活用した共同省エネルギー事業の普及
66
パブリックコメント用 素案
(2)県民
①
省エネルギー対策
・エネルギーの「見える化」、省エネ行動
・家電、給湯器の買い換え時に省エネ型を選択
・エコドライブの実施
・新築やリフォームにあわせた住宅の断熱化
・自動車の買換え時に次世代自動車を選択
②
省エネ以外の排出抑制対策
・冷蔵庫、空調機、エアゾール製品のノンフロン製品の購入
・家電等の廃棄時の適正処理の実施
・県産材や木製品の利用
・温室効果ガス排出削減に配慮した物流やサービスの選択
③
再生可能エネルギーの導入
・住宅用太陽光発電システムの使用
・木質ペレットストーブ等の使用
④
循環型社会の形成(廃棄物の発生抑制等)
・循環を基調としたライフスタイル・事業活動への転換
⑤
低炭素型地域づくり
・公共交通機関の利用
⑥
森林の保全・整備による二酸化炭素吸収促進
・県民参加の森林づくりへの協力
⑦
環境教育・学習への参加
(3)事業者
①
省エネルギー対策
・エネルギー管理、省エネ行動の実施
・高効率機器の導入
・建築物の断熱化
・エコドライブの実施
②
省エネ以外の排出抑制対策
・空調機、エアゾール製品、発泡断熱材のノンフロン製品の購入
・廃棄時の適正処理の実施
・県産材や木製品の利用
・温室効果ガス排出削減に配慮した物流やサービスの選択
③
再生可能エネルギーの導入
④
循環型社会の形成(廃棄物の発生抑制等)
・循環を基調としたライフスタイル・事業活動への転換
⑤
低炭素型地域づくり
・公共交通機関の利用
・物流のグリーン化
67
パブリックコメント用 素案
⑥
森林の保全・整備による二酸化炭素吸収促進
・県民参加の森林づくりへの協力
⑦
環境教育・学習への参加
⑧
環境価値の創出とカーボンオフセットの実施
・J-クレジット等の創出、活用
・カーボンオフセットの実施
・共同省エネルギー事業の実施
68
パブリックコメント用 素案
温室効果ガス排出抑制等に関する施策の概要
機器等の導入による省エネ効果等の情報の提供
共通する取組
「ストップ・ザ・温暖化あきた県民会議」による
官民一体の行動
エネルギー使用量の「見える化」と省エネ行動の実施
民生家庭部門
家電製品や給湯機器の省エネ化
住宅の高断熱化
エネルギー使用量の把握と省エネ行動の実施
省エネルギー対策
の推進
高効率機器の導入
民生業務部門
建築物の高断熱化
地方公共団体の率先行動による効果の実証と啓発
運輸・自動車
部門
エコドライブ
次世代自動車の導入
エネルギー使用量の把握と省エネ行動の実施
産業部門
高効率機器の導入
建築物の高断熱化
冷凍空調機、エアゾール製品等のノンフロン化
代替フロン等
対策
地方公共団体による率先購入、利用
機器使用時や廃棄時の適正処理
省エネ以外の排出
抑制等対策の推進
温室効果ガス
排出量がより
少ない製品等
の利用
県産材の利用
環境保全型農業の推進
低炭素型サービスの選択
水素エネルギーに関する取組の推進
低炭素型技術
開発等の推進
研究開発の推進
69
パブリックコメント用 素案
再生可能エネルギー発電の拡大
洋上風力発電
陸上における風力発電
地熱発電
太陽光発電
水力発電
バイオマス発電
再生可能エネルギーの多面的利用の促進
再生可能エネルギー
等の導入の推進
再生可能エネルギーの熱利用の促進
太陽熱利用
バイオマス熱利用
温度差熱利用
雪氷熱利用
バイオマス燃料製造(BDF)
エネルギー高度利用技術の普及
コージェネレーション
燃料電池
次世代自動車
循環型社会の形成(廃
棄物の発生抑制等)
3Rの推進と地域循環圏の形成
循環型社会ビジネスの振興
廃棄物の適正処理の推進
低炭素型地域づくりの
推進
環境に配慮した交通
森林の保全・整備による
二酸化炭素吸収促進
森林整備
環境教育・学習の
推進
環境価値の創出とカー
ボンオフセットの普及
コンパクトなまちづくり
生活排水処理の広域共同化
県民参加の森林づくり
松くい虫対策及びナラ枯れ対策
環境学習の機会・場づくり
人材の育成・活用
教材の整備・活用
情報の発信・提供
環境価値の創出
環境価値の活用
カーボンオフセットの率先実行
共同省エネ事業への活用
70
パブリックコメント用 素案
分野横断的な取組
○家庭用冷蔵庫・エアコンの買換え時
・省エネ(5つ星)型の選択によるCO2排出削減
・ノンフロン型の選択
・使用後の家電の適正処理
省エネルギー対策の推進
○業務用冷凍冷蔵機器・空調機器の更新時
省エネ以外の排出抑制等
対策の推進
・高効率(トップランナー)型の選択によるCO2排出削減
・ノンフロン型の選択
・使用中の機器の適正な維持管理及び整備によるフロン漏洩防止
・使用後の機器のフロン類回収及び適正処理
循環型社会の形成
○自動車の買換え時
・次世代自動車の選択
・エコドライブの実施
・自動車の適正整備による燃費改善
・自動車フロンの適正処理、使用済み自動車の適正処理
省エネ以外の排出抑制等
対策の推進
循環型社会の形成
再生可能エネルギー等の
導入の推進
○森林吸収源の確保
・森林の保全・整備
・住宅や建築物における県産材利用の促進
・木質バイオマスの利活用促進
・J-クレジット等の活用の促進
森林の保全・整備による
二酸化炭素吸収促進
環境価値の創出と
カーボンオフセットの普及
71
パブリックコメント用 素案
第8章
1
地球温暖化への適応策
背景
(1)国際的な対応
2013 年 9 月から 2014 年 11 月にかけて公表された IPCC 第 5 次評価報告書では、
将来、温室効果ガスの排出量がどのようなシナリオをとったとしても、世界の 平
均気温は上昇し、21 世紀末に向けて、気候変動の影響のリスクが高くなると予測
するとともに、緩和(排出削減のための取組)と適応(気候変動による悪影響へ
の対応)が、気候変動のリスクを低減し管理するための相互補完的な戦略だとし
ています。
これを受け、2015 年の気候変動枠組条約締約国会議において採択されたパリ協
定では、「締約国は、気候変動に対し、適応能力を拡充し、強靱性を強化し、脆弱
性を減少させる世界全体の目標を設定する」ことを規定しました。
(2)国の対応
①
気候変動の影響への適応計画
平成 27 年 11 月に閣議決定された「気候変動の影響への適応計画」では、 目
指すべき社会の姿を、
「気候変動の影響への適応策の推進により、当該影響によ
る国民の生命、財産及び生活、経済、自然環境等への被害を最小化あるいは回
避し、迅速に回復できる、安全・安心で持続可能な社会」とし て、5つの基本
戦略を設定するとともに、7つの分野における気候変動の影響評価(表 8-1)と
適応の基本的な施策を示しています。
なお、基本戦略のひとつに「地域での適応の推進」を位置づけています。
「地域での適応の推進」の概要
・地域の特性を踏まえるとともに、地域の現場において主体的に検討し、取り組
むことが重要
・地方公共団体における気候 変動の影響評価の実施や適応計画の策定及び実施を
促進する必要がある
②
農林水産省及び国土交通省における適応計画
農林水産省では、高温耐性の付与を基本とした米の品種開発や標高の高い
地帯での果樹園の整備など、特に影響が大きいとされる品目への重点的な対
応、山地災害発生の危険が高い地区のより的確な把握等の災害対策の推進、
将来影響の知見が少ない人工林や海洋生態系等に関する予測研究の推進など
を盛り込んだ「農林水産省気候変動適応計画」を平成 27 年8月に策定しまし
た。
また、国土交通省では、気候変動の影響による被害を最小化する施策を、
様々な主体の適切な役割分担と、科学的な知見に基づき計画的に講 ずること
により、国民の生命・財産の保全、社会・経済活動を支えるインフラ等の 機
能の継続的確保、国民の生活の質の維持を図り、状況の変化を適切に活用す
72
パブリックコメント用 素案
ることを理念とした「国土交通省気候変動適応計画」を平成 27 年 11 月に策
定しました。
いずれの計画においても、地域がその特性に応じて適応策を講ずることが
できるよう支援することを盛り込んでいます。
表 8-1
分野
国の適応計画における気候変動の影響評価結果の概要
大項目
農業・林業・水 農業
産業
小項目
緊急性 確信度
水稲、果樹、病害虫・雑草・動物感染症
○
○
麦、大豆、飼料作物等、畜産
△
△
農業生産基盤
○
△
林業
木材生産、特用林産物
○
□
水産業
回遊性魚介類
○
△
増養殖等
○
□
水環境・水資 水環境
源
水資源
湖沼・ダム湖
△
△
水供給(地表水)
○
△
自然生態系
高山帯・亜高山帯
○
△
自然林・二次林
△
○
人工林、物質収支
△
△
野生鳥獣による影響
○
□
淡水生態系
湖沼、河川、湿原
△
□
沿岸及び海洋生態系
温帯・亜寒帯
○
△
分布・個体群の変動
在来種
○
○
洪水
○
○
内水
○
△
海面上昇
△
○
高潮・高波
○
○
海岸浸食
△
△
山地
土石流・地滑り等
○
△
その他
強風等
△
△
暑熱
死亡リスク、熱中症
○
○
感染症
節足動物媒介感染症
△
△
△
△
レジャー
△
○
水道、交通等
○
□
暑熱による生活への影響等
○
○
陸域生態系
自然災害・沿 河川
岸域
沿岸
健康
産業・経済活 金融・保険
動
観光業
国民生活・都 インフラ
市生活
その他
凡例
緊急性・確信度 ○:高い △:中程度 □:低い ※
「気候変動への適応計画(平成 27 年 11 月閣議決 定)」をもとに 、重大性が「特に大きい」もの
を抜粋して作成
73
パブリックコメント用 素案
2
秋田県における気候及び変動予測
(1)気温の変化
①
秋田の平均気温の推移
秋田地方気象台(以下「秋田」という。)の年平均気温は、1886 年から 2015
年の観測結果によると、100 年あたり 1.4℃の割合で上昇しています。
図8-1
秋田の年平均気 温の推移 (1886~2015年)
青線は各年の年平均気温
( ℃ )、赤 線 は 5 年 移 動平
均 値 、直 線 は長 期 変化 傾向
を示す。
1896 年 12 月 、 1926 年
12 月 に 観 測 場 所 を移 転し
た た め、移 転の 影 響を 取り
除 く 補 正を 行 って い る。
デ ー タ 提供
秋 田 地 方気 象 台
②
秋田県における年・季節平均気温の将来予測
IPCC 温室効果ガス排出シナリオ(SRES
A1B ※ )に基づき気象庁の気候予測モ
デルで将来気候(2076~2095 年平均)と現在気候(1980~1999 年平均)の差を
計算した結果、年及び、いずれの季節においても明確な上昇が見られました。
図 8-2
季節別平均気 温の変化予測(秋田県)
赤 棒 グ ラフ は 現在 気 候と 将来気 候 の 差 。
細 線 は 現在 気 候 、将 来気 候 それぞ れ に おけ
る 年 々 変動 の 標準 偏 差。
デ ー タ 提 供 :秋 田地 方 気象 台
※
SRES A1B
IPCC 第4次報告書に用いられた温室効果ガス排出シナリオの一つ。21 世紀末(2076~2095 年
平均)の日本の平均気温が、1980~1999 年の平均と比較して 3.2℃上昇 す る と 予 測 さ れ て い る 。
③
秋田の真夏日等の日数の推移
1886 年から 2015 年の観測結果では、夏日の年間日数には増加傾向が明瞭に現
れています。真夏日の日数は統計的に有意な変化の傾向は見られていませんが、
熱帯夜の年間日数は 10 年あたり 0.4 日の割合で、猛暑日の年間日数は 10 年あ
74
パブリックコメント用 素案
たり 0.2 日の割合で増加しています。
図 8-3
秋田 の夏日の年間日数の推移
(1886~2015 年)
図 8-4
図 8-5 秋田の熱帯夜の年間日数の推移
(1886~2015 年)
※
④
秋田の真夏日の年間日数の推移
(1886~2015 年)
図 8-6 秋田の猛暑日の年間日数の推移
(1886~2015 年)
棒 グラ フ は各 年 の日 数。 折 れ 線 は 5 年 移 動 平 均 値 、 破 線 は 統 計 切 断 時 期 、 直 線 は 長 期 変 化 傾 向 を 表 す 。
観 測 所 の移 転 に伴 う 統計 切断の た め 、長 期 変化 傾 向 は 1927~ 2015 年 を調 べ た。
デ ー タ 提供 : 秋田 地 方気 象台
秋田県における日最高気温及び日最低気温の将来予測
年・季節平均気温と同様の手法で計算した結果、年及び、いずれの季節にお
いても明確な上昇が見られました。
夏の変化量が比較的小さく、秋と冬の変化量が比較的大きい結果となってい
ます。
75
パブリックコメント用 素案
図 8-7
日最高気温の変化予測(秋田県)
図 8-8 日最低気温の変化 予測(秋田県)
赤 棒 グ ラフ は 現在 気 候と 将来気 候 の 差。 細 線は 現 在気 候、将 来 気 候そ れ ぞれ に おけ る年々 変 動 の標 準 偏差 。
デ ー タ 提供 : 秋田 地 方気 象台
(2)降水量の変化
①
大雨の発生回数の変化
秋田県内の観測点のうち、1979 年から 2015 年まで降水量の観測を継続してい
る 30 地点のデータを集計したところ、一時間降水量 30mm 以上、日降水量 100mm
以上の年間発生回数は、いずれも 1979~1988 年の平均と比べると最近 10 年間
の平均は増えていますが、いずれの発生回数も年 ごとのばらつきが大きく、変
化傾向は見られません。
図 8-9 秋田県内の 1 時間降水量 30mm 以上
の年間発生回数の推移(1979~2015 年)
図 8-10 秋田県内の日降水量 100mm 以上の
年間発生回数の推移(1979~2015 年)
棒 グ ラ フ は 1 時間 降 水 量 30mm 以 上 の 年間 発 生回 数 。
横 線 は 連続 す る 10 年な い し 16 年 の 平 均を 表 す。
棒グ ラ フ は日 降 水量 1 00mm 以 上の 年 間 発生 回 数。
横 線 は 連 続 す る 10 年 な い し 16 年 の 平 均 を 表 す 。
デ ー タ 提供
②
秋田 地 方気 象台
大雨の発生回数の将来予測
年・季節平均気温と同様の手法で計算した結果、
「激しい雨」の頻度が春から
秋にかけて明確な増加が見られ、年頻度も明確な増加が見られる予測となって
います。
76
パブリックコメント用 素案
図 8-11
1時間降水量 30mm 以上の1地点当たり
の年間発生回数の変化予測(秋田県)
図 8-12
1時間降水量 50mm 以上の1地点当たり
の年間発生回数の変化予測(秋田県)
棒 グ ラ フは 現 在気 候 (灰 )と将 来 気 候( 赤 )に お ける 1地点 当 た りの 回 数 。 細 線は 現在気 候 、 将来 気 候そ
れ ぞ れ にお け る年 々 変動 の標準 偏 差 。
デ ー タ提 供 :秋 田地方 気 象 台
(3)降雪量の変化
①
秋田の年間降雪量等の推移
1891 年から 2015 年の観測結果によると、秋田の寒候年(※)最深積雪は、100
年当たり 13.6cm の割合で減少しています。秋田の日最深積雪 5cm 以上の年間日数
も 100 年当たり 18.5 日の割合で減少しています。
図 8-13 秋田の寒候年最深積雪の推移
(1891~2015 寒候年)
図 8-14
秋田の日最深積雪 5cm 以上の年間
日数の推移(1891~2015 寒候年)
棒 グ ラ フは 各 寒侯 年 最深 積雪値 。 折 れ線 は 5 年 移 動平 均値、 直 線 は長 期 変化 傾 向を 表す。
デ ー タ 提供 : 秋田 地 方気 象台
※ 寒 候年 : 前年 8 月か ら当年 7 月 まで の 1年 間
②
年間降雪量等の将来予測
年・季節平均気温と同様の手法で計算した結果、年、12 月及び3月において現在
気候の年々変動の標準偏差を超える明確な減少が見られる予測となっています 。
77
パブリックコメント用 素案
図 8-15
降雪量の変 化(秋田県)
赤 棒 グ ラフ は 現在 気 候と 将来気 候 の 差。細 線は 現 在気
候 、 将 来気 候 それ ぞ れに おける 年 々 変動 の 標準 偏 差。
デ ー タ 提供 : 秋田 地 方気 象台
掲載した将来予測資料に関する注意点
・気候モデルは、すべての現象を完全に再現できるものではないので、再現性に注意して利用する
必要がある。
・狭い領域を対象とした予測結果には大きな不確実性が含まれるので、広域での評価結果との整合
性を考慮する必要がある。
・地球温暖化予測の前提となる温室効果ガスの将来変化は、単一のシナリオについてのみ予測対象
としている。このため、他のシナリオを用いた場合には、異なる予測結果となる可能性がある。
・降水の変化予測は、気温に比べて一般に不確実性が大きい。これは、台風や梅雨前線に伴う大雨
等の顕著現象の頻度や程度は年々の変動が大きいことに加え、空間的な代表性が小さい(狭い地
域で集中的に降る等)うえに発生頻度が稀であって 20 年程度の計算対象期間を設けても統計解析
の標本数が少ないため、系統的な変化傾向が現れにくい場合があることによる。
・地球温暖化予測は、自然変動に伴う気候の「ジグザグ」な揺らぎの影響を取り除いて、温室効果
ガスの増加に伴って「じわじわ」と進行する長期的な変化の傾向を検出することが目的で ある。
3
秋田県における地球温暖化の影響
(1)現在影響が現れている事象
①
水稲
生育期間の高温化により、水稲の出穂期が早くなっています。主力品種であ
る「あきたこまち」の出穂期は育成当初の昭和 59 年時点で8月7日でしたが、
過去 10 年間の平均では7月 31 日で7日ほど早まっています。このことから、
登熟期間中、高温に遭遇する恐れが増え、収量・品質の変動が大きくなってい
ます。
平成 22 年には、登熟期間の高温により収量・品質が低下しました。
②
大豆
播種期にあたる6月は梅雨入りの時期ですが、近年、多照・少雨で経過する
傾向にあり、土壌水分不足により発芽が遅れたり不揃いとなる事例が増えてい
ます。
また、7月以降は集中豪雨による湿害や土壌病害による立ち枯れなどの被害
が発生する一方、干ばつによる生育停滞も発生し、生育に大きな影響を与えて
います。
78
パブリックコメント用 素案
③
野菜・花き
気候の高温傾向により、野菜・花きの栽培管理に苦慮することが多くなって
いることから、高温耐性を付与した品種の作出や、地域の気候に適合する栽培
管理技術の確立が求められています。
特に花き関係では、盆・彼岸に出荷するための開花調節管理に苦慮すること
が多くなっており、これに対応した栽培管理技術が必要となっています。
④
果樹
りんごの着色(赤色)は一定の低温との遭遇が必要なため、暖かい秋には着
色が劣るほか、8月から9月にかけて気温が高 く、日射が強いとりんご果実の
表面に日焼けが生じ商品化率が低下します 。
また、果樹の耐凍性は、秋から真冬にかけて気温の低下とともに高まります
が、近年は温暖化傾向により、耐凍性の獲得や消失の時期が従来と異なってき
ていると予想されます。
⑤
畜産
気温の上昇により、家畜(牛、鶏)の熱中症による死亡や、草地の干ばつが発
生しています。
⑥
漁業
魚介類によっては、南方種の分布域が拡大し、北方種の減少がみられます 。
⑦
生態系
積雪深 30cm 以上が 70 日以上続く地域は生息不適地とされ、これまで県内で
生息していなかったイノシシが、平成 23 年度以降目撃されるようになり、その
目撃件数も増加しています。
また、温暖化の影響とする確証はありませんが、山頂部の植生を十数年前と
比較すると、特に低木類の樹高が高くなって見晴らしが悪くなるなどの変化が
一部で生じています。
桜(ソメイヨシノ)開花日に長期的変化傾向は見られませんが、カエデ紅葉
日は 10 年あたり 2.8 日の割合で遅くなっています。
図 8-16
秋田の桜開 花日と 2 月~4 月の3か月 平均気温の推移( 1932~2015 年)
赤線はサクラ開花日、青線は 2
月 ~ 4 月の 3 か月 平 均気 温 (℃)。
直 線 は 1953 年 から 2015 年 まで の
長 期 変 化傾 向 を表 す 。
1952 年 以前 の 値( ○) は 参考値
である。
デ ー タ 提供 : 秋田 地 方気 象台
79
パブリックコメント用 素案
図 8-17
秋田のカエデ紅葉日と 9 月~11 月の3か 月平均気温の推移(1953~2015 年)
赤 線 は カエ デ 紅葉 日、青線 は
9 月 ~ 11 月 の 3 か 月 平 均 気温
( ℃ )。直 線は 長 期変 化 傾向 を表
す。
データ提供:秋田地方気象
台
⑧
農地
豪雨による農地の法面崩落、水路決壊等が発生しています。
⑨
水道施設
異常出水による被災(流出、浸水)や渇水に伴う節水への協力要請、給水制
限が発生しています。
⑩
健康
熱中症により救急搬送される患者数は、平成 20 年度及び平成 21 年度は 100
人台でしたが、平成 22 年以降は 300 人弱~500 人台で推移しています。
図 8-18
秋田県における熱中症患者発生件数(救急搬送)の推移
出 典:国 立研 究開 発 法人 国 立環境 研
究 所 HP「 環境 情 報メ デ ィア 環境 展
望台」
(2)将来影響が現れることが危惧される事象
現在既に影響が現れている事象の進行に加え、新たに次の事象で影響が現れる
ことが危惧されます。
①
病害虫防除
害虫の発生量の増加による農作物への被害(食害及びアブラムシ、アザミウ
マ等により媒介されるウイルス病)が増大します 。
高温で発生が多くなる病害(イネ紋枯病、トマト青枯病、キュウリ褐斑病、
スイカ炭腐病や各種野菜の軟腐病等)の 発生期間が長くなるうえ、発生量も多
くなり、収量や品質の低下を招きます。発生状況に応じた防除暦を新しく作成
80
パブリックコメント用 素案
する必要があります。
②
生態系
温暖化が進行すると、世界遺産である白神山地内のブナの生育適地が失われ
る可能性があるとの研究報告があります 。その場合は現在ブナが主体の森林生
態系が、ミズナラなどが優占する森林へと変わってしまう可能性があります 。
「環境省環境研究総合推進費 S-8
温暖化影響評価・適応政策に関する総合的
研究」における研究成果では、すべての気候モデルにおいて、本県の ブナ林分
布が減少すると予測されています。
図 8-19
ブナ潜在生息域面積の将来変化予測
気候モデル
開発機関
特徴
MIROC
東京大学/国立研究開発法人国立環境
研究所/国立研究開発法人海洋研究開
発機構
MRI
気象庁気象研究所
GFDL
米国 NOAA 地球物理流体力 学研究所
HadGEM
英国気象庁ハドレーセンター
※RCP2.6~RCP8.5 については、「第3章
当該モデルを利用して日本を含むアジア
の気候やモンスーン、梅雨前線等の再現
性や将来変化の研究が実施されている。
日本周辺の年平均気温と降水量の変化の
傾向を確認し、そのばらつきの幅を捉え
られるように選ばれた気候モデル
図 3-9」を参照のこと。
出 典 :「環 境 省 気 候変 動 適応情 報 プ ラッ ト フォ ー ム ウェブ サ イ ト」
( http://www.adaptation-platform.nies.go.jp/map/akita/ForestFagus.html )
81
パブリックコメント用 素案
③
農業
短時間集中豪雨による局地的な冠水害の発生、高温による家畜の繁殖成績・
増体の悪化、飼料作物の適応品種の変化、豪雨による農業用ため池の決壊など
のリスクが増加します。
④
インフラ
道路法面、道路路体の崩落リスクや、アンパスや地下トンネル等の冠水リス
クが増加します。
また、冠水による信号機滅灯リスクも増加します。
⑤
健康
「環境省環境研究総合推進費 S-8
温暖化影響評価・適応政策に関する総合的
研究」における研究成果では、すべての気候モデルにおいて熱中症搬送リスク、
蚊媒介感染症リスクが増加すると予測されています。
図 8-20
熱中症搬送者数の将来予測
図 8-21
ヒトスジシマカの生息域の将来予測
出 典 :「環 境 省 気 候変 動 適応情 報 プ ラッ ト フォ ー ムウ ェブサ イ ト 」
( http://www.adaptation-platform.nies.go.jp/map/akita/HealthHS.html)
( http://www.adaptation-platform.nies.go.jp/map/akita/HealthEAAD.html )
4
秋田県における適応への取組
(1)これまでの取組
国の適応計画をもとに取組を整理すると表 8-2 のとおりとなります。
(2)今後の方向性
①
方針
現在既に影響が生じている事象に対して優先的に取り組みます。 将来的に影
響が予測される分野については、段階的に対応します。
②
防災・減災対策
秋田県地域防災計画等に基づき総合的・計画的に進めます。水道インフラの
安定水源の確保に努めます。
82
パブリックコメント用 素案
③
健康被害への対応
熱中症予防に係る情報提供や、蚊媒介感染症対策を実施します。
④
農業への対応
短時間集中豪雨による局地的な冠水害対策 や、高温障害対策を実施します。
(3)予想される影響に対する個別の取組
①
農業
・高温登熟耐性品種の育成など温暖化に対応した育種
・冠水による水稲減収尺度の解明と圃場施設改善・管理技術の開発
・ため池に係るハザードマップの作成、地域住民への情報提供
・暑熱ストレス軽減対策による家畜の繁殖機能改善の研究
・高温障害を防止する栽培体系の構築、適応品種の選定と開発
②
水道施設
・安定水源の確保
・水道事業者における応援給水体制の強化
③
健康
・熱中症予防のための情報発信
・国内蚊媒介感染症発生時の発生動向調査の強化
83
パブリックコメント用 素案
表 8-2
適応関連分野及び項目に係るこれまでの取組
国の適応計画による分類
分野
大項目
農業・林業・ 農業
水産業
本県の施策・事業(終了事業も含む)
小項目
水稲
地球温暖化に対応した水稲品種の開発と栽培技術の確立(農業試験場)
高温登熟を避ける水稲品種「あきたこまち」の好適出穂期と移植時期の推定(農業試験場)
分げつ期の気温経過が水稲生育と土壌アンモニア態窒素の消長に及ぼす影響(農業試験場)
農業気象情報の伝達(農林政策課)
温暖化の進行に適応する生産安定技術の開発(農業試験場)
東北における冠水による水稲減収尺度の解明とほ場施設改善・管理技術の開発(農業試験場)
果樹
温暖化に対応した樹種の検討と選抜(イチジク)(果樹試験場)
果樹産地再生の基盤となる新品種の育成と選抜(果樹試験場)
ナシ・ブドウ・モモ・その他果樹の育成系統及び新品種の適応性検定(果樹試験場)
温暖化に起因するリンゴ果実の着色障害・日焼け回避技術の開発(果樹試験場)
温暖化に起因する果樹の主幹凍害を抑制する技術の確立(果樹試験場)
積雪沈降力による果樹の樹体被害を省力的に回避する技術の確立(果樹試験場)
気象及び主要果樹の生態・果実品質等に関する調査(果樹試験場)
畜産
牛の暑熱ストレス軽減対策による繁殖機能改善の検討(畜産試験場)
気候変動に応じた飼料作物の栽培体系の構築(畜産試験場)
病害虫・雑草・動物感染症
生産環境の変化に対応した園芸作物病害虫防除技術の開発(農業試験場)
水稲の生育中後期におけるノビエ・ホタルイの生育解明と防除法の開発(農業試験場)
野鳥の死亡及び異常等の監視(自然保護課)
農業生産基盤
(渇水、豪雨等)
農業農村整備事業(農地整備課)
林業
木材生産(人工林等)
東北地方の多雪環境に適した低コスト再造林システムの開発(林業研究研修センター)
水産業
回遊性魚介類
ハタハタの資源管理と活用に関する研究(水産振興センター)
増養殖等
種苗生産の低コスト化と効果を高める放流の技術開発(水産振興センター)
湖沼・ダム湖
公共用水域の水質監視(環境管理課、八郎湖環境対策室)
本県に侵入し広域的に拡大する森林生物被害の生態と防除に関する研究(林業研究研修センター)
水環境・水
資源
水環境
シジミなど湖沼河川の水産資源の維持、管理、活用に関する研究(水産振興センター)
河川
公共用水域の水質監視(環境管理課、八郎湖環境対策室)
シジミなど湖沼河川の水産資源の維持、管理、活用に関する研究(水産振興センター)
沿岸域及び閉鎖性海域
公共用水域の水質監視(環境管理課)
海水温モニタリング(水産振興センター)
水資源
水供給(地表水)
温暖化に伴う気候変動が水資源供給量に及ぼす影響(林業研究研修センター)
農林業に係る気候変動の影響評価(林業研究研修センター)
自然生態系 陸域生態系
水需要
応援給水体制の整備(生活衛生課)
自然林・二次林
森林資源モニタリング調査(林業研究研修センター)
森林病害虫防除対策事業(森林整備課、林業木材産業課)
淡水生態系
人工林
森林資源モニタリング調査(林業研究研修センター)
野生鳥獣による影響
第二種特定鳥獣(ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザル)管理計画(自然保護課)
湖沼
内水面重要魚種の増殖効果を高める研究(水産振興センター)
シジミなど湖沼河川の水産資源の維持、管理、活用に関する研究(水産振興センター)
八郎湖におけるアオコ監視カメラの運用(八郎湖環境対策室)
河川
内水面重要魚種の増殖効果を高める研究(水産振興センター)
シジミなど湖沼河川の水産資源の維持、管理、活用に関する研究(水産振興センター)
沿岸生態系
海洋生態系
温帯・亜寒帯
我が国周辺水域資源調査(水産振興センター)
藻場と磯根資源の維持・増大及び活用に関する技術開発(水産振興センター)
ハタハタの資源管理と活用に関する研究(水産振興センター)
底魚資源の持続的利用と操業の効率化に関する技術開発(水産振興センター)
大型クラゲ出現調査及び情報提供事業(水産振興センター)
分布・個体群
の変動
第二種特定鳥獣(ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザル)管理計画(自然保護課)
イノシシの目撃情報収集(自然保護課)
84
パブリックコメント用 素案
国の適応計画による分類
分野
大項目
小項目
自然災害・
沿岸域
河川
洪水
沿岸
高潮・高波
本県の施策・事業(終了事業も含む)
河川改修事業(河川砂防課)
東北における冠水による水稲減収尺度の解明とほ場施設改善・管理技術の開発(農業試験場)
高潮対策、侵食対策事業(河川砂防課、水産漁港課)
海岸防災林の低コスト造成手法の開発(林業研究研修センター)
山地
海岸浸食
高潮対策、侵食対策事業(河川砂防課、水産漁港課)
土石流・地滑り等
土石流、地すべり、急傾斜地崩壊対策事業(河川砂防課)
山地災害、地すべり、山腹崩落防止対策(森林整備課、農地整備課)
農地地すべり対策事業(農地整備課)
山林災害リスクを低減する技術開発(林業研究研修センター)
土砂災害警戒情報の作成・発表(秋田地方気象台・河川砂防課)
その他
強風等
多様な森林の造成(森林整備課)
暑熱
熱中症
熱中症情報の県ウェブサイトへの掲載、パンフレット配布等(健康推進課、各保健所)
感染症
節足動物媒介感染症
ダニ媒介性感染症の診断等に関する研究(健康環境センター)
防風保安林の整備・拡充(森林整備課)
健康
蚊媒介性感染症に関する情報提供、県ウェブサイトへの掲載(健康推進課)
感染症発生動向調査(健康環境センター)
産業・経済
活動
国民生活・
都市生活
エネルギー
エネルギー需給
防災拠点における再生可能エネルギー設備の導入(温暖化対策課)
インフラ
水道、交通等
上水道の施設の耐震化の促進(生活衛生課)
下水道施設の長寿命化・耐震化事業の推進(下水道課)
漁港施設の長寿命化・耐震化事業(水産漁港課)
民間事業者との物資調達・輸送協定の締結(総合防災課)
道路及び橋梁の点検整備(道路課)
停電時における交通信号機滅灯対策の推進(警察本部交通規制課)
その他
暑熱による生活への影響等
エコドライブの推進(温暖化対策課)
あきた省エネ住宅の普及促進(温暖化対策課)
事業者向け省エネサポート(温暖化対策課)
クールビズ普及(温暖化対策課)
家庭の省エネキャンペーン(温暖化対策課)
85
パブリックコメント用
第9章
素案
計画の推進
計画の推進に当たっては、県民、事業者、行政は、それぞれの推進体制を整備する
とともに、連携を強化し、効率的に取り組みます。
1
各主体の推進体制について
(1)県
施策の推進に当たっては、
「秋田県地球温暖化対策推進庁内会議」において、各
部局における地球温暖化対策・施策の総合調整を図るなど、全庁的に推進します。
また、市町村、秋田県地球温暖化防止活動推進センター、各地球温暖化対策地
域協議会、秋田県地球温暖化防止活動推進員、商工団体等と連携し、効果的に計
画を推進するとともに、県民、事業者、市町村等の取組を支援します。
(2)市町村
地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体 実行計画の策定及び実施、地球温
暖化対策地域協議会の設置支援、環境マネジメントシステムの導入などを行うと
ともに、地域の自然的・社会的特性に応じた温室効果ガスの排出抑制対策を推進
します。
(3)秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県内における温暖化対策の普及を行う拠点として、県、市町村、各地球温暖化
対策地域協議会、秋田県地球温暖化防止活動推進員と連携しながら、県民に対す
る情報提供、普及啓発活動を行うとともに、秋田県地球温暖化防止活動推進員及
び地球温暖化対策の推進を図るための活動を行っている民間の団体の活動を支援
します。
また、日常生活に関する温暖化対策について、照会及び相談に応じ るとともに、
必要な助言を行います。
(4)各地球温暖化対策地域協議会
日常生活に関する温室効果ガスの排出の抑制等に関し必要となるべき措置につ
いて協議し、具体的に対策を実践します。
このうちの「ストップ・ザ・温暖化あきた県民会議」は、温暖化対策に係る県
民運動を推進します。
(5)秋田県地球温暖化防止活動推進員
地球温暖化の現状及び地球温暖化対策の重要性について県民の理解を深め、地
域に密着した普及啓発活動を行います。
また、県民の求めに応じ日常生活に関する温室効果ガスの排出の抑制等のため
の措置について調査を行い、当該調査に基づく指導及び助言を 行い、地球温暖化
対策の推進を図るための活動を行う県民に対し、当該活動に関する情報の提供そ
86
パブリックコメント用
素案
の他の協力を行います。
2
総合的な推進を行うための組織について
各主体の活動を効率的に推進するため、県民、民間団体、事業者、行政等から組
織されている「ストップ・ザ・温暖化あきた県民会議」を中心として情報を共有し、
地球温暖化対策を効果的に推進します。
3
計画の進行管理について
県は本計画を着実に推進し、実効性のあるものとするため、 本計画に基づく措
置、施策の実施の状況、温室効果ガス排出量を県環境審議会地球温暖化対策部会
に報告し点検・評価を受けるとともに、毎年、その結果を 公表します。
4
計画の見直しについて
本計画は、地球温暖化防止に関する国際的な動向の変化、国における各種目標の
見直し、地球温暖化対策技術の開発及び普及の状況等を踏まえ、 おおむね5年ごと
に見直しを行います。
87
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