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磁気ディスク装置と 磁気テープ装置の話 平成24年2月4日 杉本 行正 S45年電子(川上研) S47年電子院修(当麻研) 昭和23年(1948年)2月生まれの団塊の世代です。 ラジオ、オーディオ、パソコンとその時代の流行を追っていました。 昭和47年、NECに入社。36年間コンピュータストレージ製品の開発設計に従事しました。 2000年3月までは磁気ディスク装置(HDD)の開発設計に携わりました。(田町、府中、茨城) その内20年はHDDのヘッド位置決めサーボ系です。 その後、磁気テープ装置/磁気テープライブラリ装置の開発部門(米沢)に移りました。 平成20年2月、還暦を迎え定年退職しました。その直前に技術士の第2次試験を受験し、 平成20年3月に電気電子部門の技術士になりました。 1 1956年 最初の磁気ディスク装置 IBMのRAMAC 24インチディスク50枚、アーム2本 1200rpm 1枚に100トラック 記憶容量5百万文字(約4.4MB) HDDの大容量化を推し進める技術のほとんどはIBM社が開発した。 日本の磁気記録産業の競争力を強化するために、 1995年には産 学協同のSRC(Storage Research Consortium 情報ストレージ研究 2 推進機構)が作られた。 GMRヘッド 採用 MRヘッド 採用 トラック追従 サーボ採用 磁気ディスク装置誕生50周年記念のIDEMA JAPANパンフレットより 3 HDDは磁気テープ装置に比べてシンプルだが精密 4 HDDはナノ技術の塊 最新HDDの記録密度 • 494Gbits/sq.inの製品が出荷済み(Ultrastar C10K900) Track Pitch=114 nm~81nm Bit Length = 11 nm~16nm ヘッド浮上量は5nm程度 TP/BL=20(20年前)→1(将来) • 1Tbits/sq.inが目前 Track Pitch= 57 nm~25nm Bit Length = 11 nm~25nm ヘッド浮上量は5nm以下 光ディスクのトラックピッチは CD: 1.6um DVD ROM : 0.74um Blue Ray: 0.32um 青紫色のレーザー波長は405nm 半導体の回路幅は 最先端技術で30nm→22nm 5 HDD業界に残るメーカーは少数に絞られた HDD関連企業と統廃合 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 IBM 日立製作所 HDD部門統合 日立GST 業務移管 松下寿電子 HDD事業売却 PSE 北米HDD開発センター統合 東芝 HDD事業譲渡 富士通 Seagate 買収統合 HDDメーカー Maxtor HDD部門統合 Quantum HDD事業売却 三星電子 Western Digital 6 HDD関連企業と統廃合 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 Read Rite 統合 リードライトSMI 撤退 磁気ヘッドメーカー 日立金属 アルプス電気 磁気ヘッド事業売却 TDK 香港子会社設立1986年 SAE Magnetics 統合 Headway ヤマハ 撤退 日本ビクター 撤退 7 HDD関連企業と統廃合 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 Komag 買収 昭和電工 HD部門統合 三菱化学 連結子会社化 TSI HOYA HD部門統合 日本板硝子 磁気ディスクメーカー 旭コマグ 東ソー 撤退 撤退 富士電機 8 HDDの将来 • フラッシュメモリなど半導体メモリはHDDより高価 • モバイル用は多少高価でも高速で衝撃に強いSSDに移行して いるが、今のところ、大容量記憶装置としてHDDに代わる候補 はない。従ってフラッシュメモリとは棲み分けると予想されてい る。 • 従来技術では記録密度の限界に近づいている。3Tbits/in2以 上の記録密度を達成できる新技術(熱アシスト記録や特殊構 造のディスク媒体、2段サーボ)はコストアップの難問を抱える。 • 一方のフラッシュメモリの大容量化も同様に難問を抱え容易で はない。 • 5年先は予測困難 9 大規模用途の場合 10 磁気テープは未だ廃れていない 磁気テープ装置とテープオートメーションのビジネスは今も堅調 LTO:Linear Tape Open ‐‐‐‐‐‐現在最も主流の磁気テープ IBM、HP、シーゲート(現クアンタム)による共通仕様 11 Ultrium5 320 1280 6.4um LTOのカートリッジ 12 13 データバックアップはテープオートメーションによる自動化が定番 日立 NEC 14