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米国における公的な児童放課後プログラムに関する一考察

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米国における公的な児童放課後プログラムに関する一考察
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米国における公的な児童放課後プログラムに関する一考
察
高田, 菜穂子
社会教育研究, 20: 97-105
2002-03
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/28544
Right
Type
bulletin
Additional
Information
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Information
20_P97-105.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
米国における公的な克叢放課後プ口グラムに関する一考察
田菜穂子
1.はじめに
近年,教育問題が盛んに議論されている米国において,児童放課後プログラム A
f
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Program(学童保湾S
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) もその論議の対象となっている。 1
9
9
0年の統計に
叩
5ノf一セントが仕事をもっており,そのほとん
よれば,米国の就学している子のいる母親のうち約 7
どはフルタイムである(1)。児議放課後プログラムは,富裕者!蓄の居住する地域では半数以上の学校
で利用できるが,低所得者爆の多い地域では三分の一程度である
は,問答者の
1
9
9
9年の M
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t財団の調査で
9
0ノfーセントが子どもたちのための放課後プログラムがあることを望んでいた。児童霊
放課後プログラムは従来 YMCA等の諮問中心の運営であった。プログラムの
8
4ノf一セントは父母
から支払われる利用料のみによってまかなわれ,それは平均で子ども一人当たり一週間に 4
5ドルで
あったけ〉。クリントン政権によって政府による児童放課後プログラムの支援となる 2
1世紀地域学習
センタープログラム
稿では
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rProgramがすすめられている。本
2
1世紀地域学習センタープログラムを紹介するとともに,米国の児童を放課後プログラムに
かかわる動向を考察してみたい。
2
.2
1世紀地域学習センター構想の概略
2
1世紀地域学習センターは,クリントンーゴア政権の 1
9
9
8年会計年度に始まった,公的な児童
放課後プログラムへの合衆国政府による援助制度である (4)。過去の間様の制度としては,第二次世
界大戦中に制定されたランハム法 t
h
eLanhamA
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tがある。これは家需産業で働く母親の子ども
のために政府の財源で行われた始業前・放課後児蜜保育であったが,戦後急速に消えていった。今
田の制度は
1
9
9
8年度
4千万ドルの予算配分による 1
6
0
1ヶ所の公立小中学校内の地域学習セン
ター開設から始まった。その規模は年々拡大し,
ル
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1
9
9
9年度約 2億ドル, 2
0
0
0年度約 4億 5千万ド
2
0
0
1年度約 8億 5千万ドル,という経過をたどっている。開設の申講にあたっては,公立学
校とともに公あるいは非営利の機関,団体,地域企業,高等教育機関,科学・文化関連の地域の法
人などが提携する。このプログラムは,大人の自が蕗き麻薬の心配のない安全な環境で子どもたち
の学びの機会を拡大すること,に焦点がおかれている。さらにコミュニティーの住民に対する生涯
学習の機会の供給という意味も含まれている。学校は長時期開放され,余暇的な活動やコーラス,
97-
社会教育研究宣告 2
0号
2
0
0
2
バンド,美術やテクノロジー関連の学習,障がいをもっ子どもや若者へのサービスのみでなく,家
庭学習,基礎的学管の集中指導,麻薬・暴力予紡カウンセリング,中学生への高校入学後の大学準
備コース l
こ備える学習,慈本教科の学力増進のための場になるのである。利用料は無料である。
このような学習重視の児童放課後プログラムが成立した背景には,仕事をもっ父母たちの要求の
みでなく,さまざまな要素がふくまれている。まず¥教育省等がよく引用する統計の一つである
Mott財盟の調査では, 9
2ノf一セントの回答者が,放課後子どもたちが時閣を過ごすための活動や
場所があるほうが良い, としている。また自答者の 4分の 3は放課後プログラムはコロンパイ
校の乱射事件のような悲劇を予訪することができる,と答えている。教育省の報告では,放課後大
人の自の届かないところにいる子どものほうが,成績の面で劣りやすいし,務ちこぼれやすい,あ
るいは午後 2時から 8時までの間にほとんどの少年犯罪が発生する,といった研究を紹介してい
る。また,全米 PTA連合 N
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lPTAも児童放課後プログラムを推進する立場を表明しており,
子どもたちの犯罪防Ll:,犯罪被害防止,学業成績の向上,ソーシャルスキルの向上,社会により適
応したかたちの争いの収めかたを身につけること,セルフ・エスティームの向上,といった効果を
挙げている。
3
. ミシガン州カラマズ一帯ウッドワード小学校での事例
ウッドワード小学校 TheWoodwardS
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fTechnology andR
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hは米国中西部ミシ
の南西部に位霞する人口約 8万人のカラマズー市にある公立小学校である。ダウンタウンの
ガンナH
西側に位置しており,周囲は援史的建造物保全地域に指定されている。近隣の家はほとんどが
1
8
6
0年代から 1
9
2
0年代に建てられたもので,手入れの行き届いた家と屋根がくずれていたり老朽
化している家とが混在している。低所得者層,黒人!留の多い地域である。ウッドワード小学校は米
国の典型的な都市型の小学校といえるであろう o 1
9
9
7年度より生徒の人種的不均等を是正するた
めに,マグネット・スクール・プログラム(校院外に居住する子どもも希望により受け入れできる
制度)の適用校となった。この時期からさまざまな学校改革の試みが続き,児童の学業成緩も向上
3
0名,このうち約 7割は給食費の減額,あるいは無料化の対象となっ
を続けている。生徒数は約 3
ている。
9
9
9年に 2
1世紀地域学習センターの助成金を川内の他の 5地域とともに受け
カラマズー市では 1
0
0
0件以上あり,そのうち 1
8
5件のみが選ばれたという (5)。こ
取ることができた。助成金の申請は 2
の助成は 3年間継続することになっており,初年度は 2
3
0万ドルであった。これに慕づき小学校 5
校,中学校 3校で地域学習センターが開設された。次年度は対象校がさらに拡大された。
ウッドワード小学校ではカラマズー市の他の公立小学校と同様,従来は YMCAによる放課後プ
ログラムが組まれていた。利用料金は家族の所得により輿なるが,一臼約 8ドルで、あった。それと
98-
米留における公的な児童量放課後プログラムに関する一考察
併行して
1
9
9
9年度は学期の途中から高学年の希望生徒を対象に数学の補習が週 2田,無料でおこ
0
0
0年度より 2
l
t
世紀地域学習センターが開か
なわれた。これは学校独自のプログラムであった。 2
れた。このプログラムは政府の効成により無料であったが,実際の運営はほとんど YMCAにまか
されていた。利用者が 2
0
0名以上と非常に多く,また経験や技術をあまりもたない者がそれぞれの
教室を担当したため,放課後のすし詰めの教室内での子どもたちゃプログラムの評判は,教師たち
にも父母にも良いものとはいえなかった川。
校長のクリスティー・エンストロムは 2
0
0
1年度よりプログラムの計繭段階から参闘する方向で検
討をすすめていた(付帯資料)。彼女は 2
0
0
0年度のプログラムが失敗だったことを認識しながら
も,このプログラムのもつ可能』院に大きな期待を寄せている。つまり,このプログラムによって通
常の小学校の学習時間内にカバーしきれない要素を,そういった支援を必要とする子どもに届かせ
ることが可能になると考えているからである。それは社会階層間の不均等という問題を抱える子ど
もに学力というカをつけ,新しい経験をさせることで未来への機会を創造する,という現実的な解
決策でもある。
4
.考 察
児叢放課後プログラムは様々な角度からその高い意義を見出しうる制度である。プログラムの多
様なとらえられ方,切り口はそれぞれの現実を反狭している。その中で注臨したいのは,現実にこ
のプログラムを必要としている子どもたちに日々接しているクリスティー・エンストロム校長の声
である。彼女は長い授業時間で子どもたちが疲れていることも知った上で,このプログラムが学力
向上を主目的にしていることを肯定する。もちろん,子どもたちが楽しい時間そ過ごしたり,潟か
な人間関係を培いながら新たな経験をつみあげることの意味も認めているが,あえて子どもたちが
確臨たる学力をつけることを重視しているのである。それは米国社会の厳しい現実,社会階層間の
著しい経済格差を克服するために子どもたちが自ら獲得できる武器なのである。彼女が勤務する
ウッドワード小学校の貧国家庭の割合は約 7
0ノf一セントであり,その割合は地域によって大きく
異なるのである。
1
9
9
7年に標準的な所得水準の住宅地域にあった小学校から応募して赴任してき
た彼女は,他の教師やスタッフ,父母たちとともに学校改革を強力に推進してきた。その彼女の職
業への情熱は,教師としての責任感と子どもたちに対する愛情の相乗のように受け取れる。授業時
間内に教室でトラブルを起こした子はしばしば校長室へ行くように言い渡される。エンストロム校
長は,その一人一人の子どもたちの話に耳を傾け,説教し,ともに時間を過ごす。そういった直接
の交流の経験が彼女の中に蓄積されているのである。その彼女が放課後プログラム l
こもっ期待,そ
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れは学校教腕としての枠を拡げようとするものである。それは,ファミリー・サポート (
support) につながっているとも考えられよう。
9
9
社会教育研究第 2
0号
2
0
0
2
ファミリー・サポートとは,健康な子どもを育てる健康な家族を築くことを目的 i
こし,生活のあ
らゆる場面での子どもの発達を支援していくための予防的な方策である。プログラムというよりも
運動という側頭が強い(7)。シカコ会のハルハウスのようなセツルメントはその始まりのひとつであ
る(8)。ファミリー・サポートにかかわる専門家は多岐の分野にわたっている。特殊教育,児童発達
学,精神医学,心理療法,ソーシャルワーク,作業療法,言語療法,看護学,小児監学,等であ
る。本来のファミリー・サポートは毅支援中心の考え方であるが (9) 筆者はこのファミリーサポー
トのシステムの中で子どものおかれている位寵をより積極的にとらえ,親や専門職との関係の中の
能動的な主体として考えている。
その意味では,ウッドワード小学校の子どもたちが教育を返して力をつけ,将来を変化させると
こも変化を引き起こすことにもなる。その近所の人々にも影響
すれば,それは兄弟や親などの家族 l
を与え合う関係になるとも考えられ,さらに広い社会にも視野をひろげられるであろう。
エンストロム校長の例はファミリー・サポートを子どもに適用する格好の事例であるが,それは
また別の面から見れば,異なったとらえ方ができるであろう。たとえば,もしその子どもがスポー
ツが得意で学習が苦手だった場合,彼女はそれを支援できるであろうか。あるいは家庭の中の手伝
い,働き手として重要な役割をもった子どもがプログラムに参加することの常定的な,あるいは否
定的な影響は誰が判断できるのか。そういった麗では,放課後プログラムは教師がイニシャチブを
とるのではなく,子ども自身を含めた複数の支援者がファミワー・サポート・チームをつくるのが
望ましいのかもしれない。しかし,エンストロム校長の言葉からは,それまで誰からも目を向けら
れてこなかった子どもの姿がかいまみえるのである。
児童家放課後プログラムは,支援を必要としている子どもたちに,学力面で社会・経済的なカ援を
養い,また精神・身体面においてもそれぞれの子に個別的なケアの機会安提供することができると
校長は信じ実践者としてめざしている O 政府主導で開始されたこのプログラムは,現場の実践者
に真撃に受けとめられることによって,さらに深い意味をもつようになる。子どもたちの日常を知
る者だからこそできる,アウトリーチ的な意義が,このプログラムに含まれるのである。
5
. 日本の状況との比較
日本においても,米国と呼応するように, 1
9
9
8年に克叢福祉法が改正されることによって法整備
がすすみ(円、放課後留守家庭保育事業H として放課後児童クラブに対する補助金が急増している現
実がある。施設数は 1
9
6
7年 5
1
5ヶ所, 1
9
8
0年約 4,
0
0
0ヶ所, 1
9
9
9年に約 1
0,
0
0
0ヶ所,と推移してき
た。それはまた,政府の子育て支援政策の柱のひとつになっている。放課後留守家庭保育事業と
0歳未満の児童震であって,その保護者が労働等により昼間家
は,柄小学校に就学しているおおむね 1
庭にいないものに,政令で定める基準に従い,俊業の終了後に兇蜜厚生施設等の施設を利用して適
-100
米国における公的な児童量放線後プログラムに告書する一考察
切な遊び及び生活の場を与えて,その健全な育成を鴎る事業をいう (11)11
改正児童福祉法第 6条)
(
と定義づけられている{問。
事業に対する政府の援助は,日本の場合,それぞれの施設の子ども数に応じた配分となってい
る。実際的には指導員の人件費の補助,という考え方である。一定の基準を満たした施設は公設,
民営を間わず,補助の対象となる。米国の場合,政府のプログラムのみに重点的に資金が投入さ
世
れ,それ以外の民賠によるものなどは,すべて父母からの収入に頼っている。そのため,低所得t
帯への減額措霞はあるものの,一般に利用料は高額である。日本では,公設・民間の違い,あるい
はそれぞれの運営状況によるばらつきが大きく,無料のところから月額 2万円を越える所まで,さ
まざまである。保育料が高額なために入所をあきらめざるをえない家庭も多い実態が報告されてい
る
(
13)。
プログラムの内容については,日本の放課後留守家庭保育事業では,子どもの学習面は重視され
ていない。その一つの理由は,日本では学習裂が子どもの学校での学習を補う施設として一般化し
ていることが考えられる。放課後児叢クラブと塾をかけもちする子もいる。そしてまた,学校での
勉強を終えた子どもが安らぎ楽しめる場所を提供したい,という親の考え方もあるかもしれない。
臼本の学校の学習スタイルは米国の学校に比べると,より緊張度が高い,といった状況も考慮すべ
きであろう。学習勢に関しては,本稿では,一般的には子どもの放課後の生活をかたちづくるひと
つの場であることを認識するにとどめる。
一方,子どもの身体面,情緒簡の形成に視点が向けられているのが, E3本の放課後傷守家庭保育
事業である。身体をつかった遊びを通して育ってゆく仲間関係は,現代の日本の子どもに失われて
いるものととらえられ,再認識されている。放課後留守家庭保育事業での子どもたちの生き生きし
た姿から,その意義も見直されるのである。仲間との集団遊びのもつ意味を震要視する観点、は,特
に日本で強く見うけられる。指導員と子どもの関係については,まず,
と子どもの数との割
合は,平均すると子ども約 1
3人に指導員 1人,とむっている(14)。これは保育所の 8歳児保育に対
する国の基準が子ども
3
0人以下につき保母 1人であることと比較すると,よりきめの細かい,親
密な関係を可能にする数字である。日本の小学校では学年が上がるほど授業時聞が増えるので,自
然と低学年の子のほうが,長時間,指導員と近い関係をつくることができる。
障がい児の受け入れについては,米国の資料が不足しているため比較は無理であるが,日本の受
け入れ態勢の広がりは特筆すべきであろう。 1
9
9
3年には総施設数の 1
4パーセントだったものが,
1
9
9
8年までの 5年間で 2
1ノ"e-セントに増加している。
日本においても放課後留守家庭保育事業は広がっているが,実際の事例を見ながら,日本での
ファミリー・サポートのひとつのかたちとしての役割をさらに考えていきたい。
-101-
社会教育研究第 2
0号
2
0
0
2
6
. おわりに
本稿では米閣の児童放課後プログラムにかかわる事例を取り上げたが,このプログラムはまだ開
始からの期間が短く,実際は試行錯誤の段階であると言える。カラマズー市においても, 2
0
0
1年度
は受け入れ児主主数をおさえ,質の向上をめざしたが,連邦政府からの資金援助が当初定められた 3
年を越えても続けられるかどうかは定かではなかった問。ウッドワード小学校でどのようにプログ
ラムが展開してきたか,そして今後展開して行くのか,という問題は,実際はプログラムとそれに
かかわる人々だけの問題ではなく,それまでの地域やスタッフ,子どもとその家庭が抱えてきた問
題や,学校改革にかかわる教締たちゃ父母の取り組み,教育委員会の問題,そして社会的な問題ま
で関連しているのである。
日本における放課後留守家庭保育事業も,五きまざまな問題を抱えつつ広がりを見せている。間い
込まれた場を通してつくられる経験,育っていく親密な関係は子どもたちと周囲の大人に意味をも
たらしているのである。さらに,個々の事例の中に,現代の子ども・家族・学校・地域・社会が姿
を見せているのである。
<付帯資料>
児童放課後プログラムにかかわるヱンストローム校長へのインタビュー
インタビュー実施日
2
0
0
1年 6月 61
3
実 施 場 所
ウッドワード小学校校長釜
関 き 取 り
高田菜穂子
高田:
あなたは見童放諜後フ。ログラムに責任 (
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) はあるのですか?
校長: 本校には 2
1世紀プログラムがあります。本校で行われています。いくつかの学校に政府の
予算がつきます。効成金です。そして本校では大変な事態になりました。ひどいものです。
本来はすばらしい成果がでるように計画されていたのですが。何が起こったかというと,予
算計画が良くなかったのです。年度末までの予算を見直したとき,大きく削減を行いまし
た。そして現在,スタッフを減らし,内容もすべて縮小しました。ヤンキー先生はドラマの
クラスを担当していました。別の人はガーデニングクラブを,そして他にもすばらしいもの
がいろいろあったにもかかわらず,それらへの支出を打ち切ったのです。とにかく予算が
残っていなかったのですから。私は昨夜,本校での 2
1世紀プログラムのファシリテーター,
シエリアと会いました。私たちはプログラムのカラマズ一本部に保証してもらわなければな
らないことを話し合いました。まず,いくら支出できるかということ,プログラムの中で実
102-
米自主における公的な児童放課後プログラムに関する一考察
擦例ができるかということ,子どもの数を 1
0
0人から 1
2
5人程度におさえること,です。子
どもの数をおさえるためには,すべての保護者に手紙を出し,このプログラムのお金は放諜
後保育の必要な子どもたち,それも費用を支払うことができない状態にある子どもたち,の
ために使われるべきものであることを伝えます。そういう子どもたちが最も大切なのです。
そういった子どもたちが入っていることを翠んでいます。それから申込舶に受け入れます。
2
5人を受け入れられます。
とにかく申込頼に 1
高間:
それは(人数を制隈すること)むずかしいですね。
0
0人以上の子
校祭: わかっています,苦情は来るでしょう。でも大丈夫です。私たちは本年度 2
どもたちを受け入れてやってみました。でもうまくいかなかったのですから。子どもたちが
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) ではな
多すぎれば質の高い活動はできず,うまくいかないのです。これは保脊 (
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) なのです。これは子どもを
く,学習をより充実させるためのもの (
より豊かにするものです (
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)。私はそう大きな問題になるとは思いま
せん。なぜなら参加する必要のない子どもたちも入っていたのですから。そういった子たち
は地域の何か別のサービスを受けてよかったでしょう。私たちはやってみるつもりです。私
たちは子どもたちが参加できそうなアイディアがたくさんあります。私たちはキンダーガー
テン(幼児部)の教師の 1人か 2人をプログラムに配置するようにしたいと思っています。
そしてその教師たちに
4
. 5人の子どもたちをつけてあげたいのです。そういった子どもた
ちは誰にも本を読んでもらったり,居場所を考慮してもらったり,相手をしてもらったり,
といった経験ができるような環境にいなかった子どもです。私たちはフーロックで遊んだり,
キャンディーをなめたり,やさしい算数ゲームをしたり,体に良いおやつを食べたり,楽し
い会話を楽しんだり,そういった類のことを含んだカリキュラムをつくっているところで
す。私たちはつくることができるとわかっています。それによって私たちは子どもたちが学
校でより良い成緩をあげることを助けられますし,それが本来の居的なのです。
2
1世紀地域学習センターだけでなく)他の放課後プログラムもありま
それから本校には (
す
。 4・5学年の生徒は全員,放課後の算数と作文の放課後プログラムに参加します。ほと
1世紀プログラムに参加している子もい
んどの殺は参加させています。子どもたちの中には 2
ますし. >
恩
に 2度だけ放課後プログラムに参加する子もいますし,学校のダンスグループに
2
5人の枠以上の子どもたち
入っている子はその練習雪のために学校に残ります。ですから. 1
:3
0に大勢の子どもたちが校舎で走り回っている
が参加しているということになります。 4
というのは大騒ぎですが,それは深い意味をもっているのです。その予算が得られたなら
他の方法では得られないような機会を子どもたちにもたらすことができるのです。それ
ば. 1
は私たち皆(ウッドワード小学校の教師とスタッフ)の心に訴えるものがあります。私たち
は本当にそのプログラムを実行したいのです。クリス(校内放送スタジオのディレクター)
1
0
3
社会教脊研究第 2
0号
2
0
0
2
は子どもたちと映密撮影をしたいと言っています。その予算で子どもたちのためのさまざま
な良質な活動が可能になるのです。……(中略)……
日本にはこの留のような給食費の減額や無料化の措霞がありますか?
高田:
はい。でも対象者は少ないと思います。
校長:
たとえばミシガン州では,このカラマズーのような都市では,貧しい予は増えているので
す
。
高閲日本では)そう所得の差がないと患います。
校長米国では)所得の差はおおきいし,その差は大きくなっていると思います。それは私た
ちが子どもたちに良質な確聞とした教育を保障するために懸命に働く理由のひとつです。こ
こには多くの人がもっているようなお金,休暇旅行,コンピューター,家などをもっていな
い子どもがたくさんいます。ですから私たちはすべての子どもたちがベストそっくすように
必死に働きます。なぜなら私たちはこの子たちにとって教育は貧困から続け出す切符だと信
じているからです。子どもたちの 70 から 80 ノ~-セントは笈国家盟主です。その子たちが成長し
たときにそうなってほしくないのです。子どもたちに雷いました,選択枝をもちなさい,
と。あなたたちに選択肢をもってほしい,どの大学へもいける,海軍にも入れる,専門学校
へも。でも小学校を荒らしていたら,選択肢はありません。わかるでしょう o もし勉強しな
ければきっと選ぶことはできません。フロリダへ遊び]こ行くことなどありえないのですから
忘れることになるでしょう o 良い教育を受けなければなりません。そしてこの小学校では教
師遼が一人一人の子どものために必死に働いているのです。私はここ以上の場所を知りませ
ん。……(後略)……
1
0
4
米留における公的な児童量放課後プログラムに関する一考察
注
(
1
) 米国労働省, 1
9
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1年公表。 D
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. LawrenceErlbaum,1
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2より。
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lPTAのホームページ (
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) より。
即時上。
(
4
) TheElementaryandS
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sの広報誌 E
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,(
19
9
9
) より。
(
6
) 母親の 1人,ファラ・コクランによれば,教案は荒らされ,子どもたちは学校中を走り回って
2
0
0
1年 5月の聞き取りより。)
いたりしたという。 (
(
7
)
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. Weissbourd(
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9
9
4,p
.
5
2より。
(
8
) 関上, p
.
2
9
8より。
(
9
)
ファミリーサポートの活動の柱は,毅への教育,親のヱンパワーメン仁親の関与
C
i
n
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v
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m
e
n
t
),システム的な協力,となっている。(向上, p
.
5
8より。)
!l・高橋編著「教
側放課後留守家庭保育事業にかかわる法概念規定の解釈の経緯については,小 j
0
01,第 4主 4参照。
育福祉論入門J光生館, 2
(
1
1
) 平成 1
3年の厚生労働省の通達により
4年生以上の児童も積極的に受け入れるよう表明され
T
こ
。
う子どもたちは、、共働き,母子・父子家庭の
開会留学叢保育連絡協議会によれば,
子どもたち H としている。現実には,母親が仕事を持っていない子どもたちを受け入れしてい
るところもある。
(
1
3
) 会留学護保育連絡協議会『学童保育一実態調査のまとめ
.
1
2より。
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5
1998 年版~
p.
45より。
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