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答申書(PDF:379KB)
答申にあたって 豊中市は、平成7年(1995 年)10 月に環境理念と基本政策の枠組みを明らかに した「豊中市環境基本条例」を制定しました。その後、平成 11 年(1999 年)3 月には、この条例の理念を実現するために「豊中市環境基本計画」を策定し、 時期を同じくして「とよなか市民環境会議」のもと、市民・事業者・行政の行 動計画である「豊中アジェンダ 21」が策定されました。この2つの計画は理念 や目標を共有しながら、両輪となり豊中市の環境保全を総合的、計画的に推進 し、平成 17 年(2005 年)には社会や環境課題の変化を反映させるために両計画 の中間見直しを実施し、環境課題の解決に向けて時代に対応した取組みを進め てきました。 このような背景のもとに、本審議会は、平成 22 年(2010 年)6 月 25 日に、豊 中市長から「第2次豊中市環境基本計画の策定について」諮問を受け、本審議 会では、専門委員会も含め、審議・検討を進めてきました。その一連の審議・ 検討の経過と結果をまとめましたので、ここに答申といたします。 今後も引き続き、市民、事業者、NPO及び市が一体となって本計画の推進 に取組む必要があります。本答申をもとに第2次豊中市環境基本計画を策定さ れ、市民・事業者・行政の協働とパートナーシップのもと豊中市の環境保全に 向けた取組みが進められることを強く要望します。 第2次豊中市環境基本計画検討の経過 平成 22 年(2010 年)6月 25 日に豊中市長から「第2次環境基本計画の策定 について」諮問を受け、併せて示された、行政案「第2次豊中市環境基本計画 (素案)」について、審議を行いました。 審議会における以下の主要な意見を盛り込み「第2次豊中市環境基本計画 (案)」として取りまとめました。 第2次豊中市環境基本計画策定に向けての審議会意見 ○全体について ・豊中市ではこれまで、市民主体のまちづくりへの支援や、市民の自主的な 公民館活動の推進に先進的に取り組まれています。また、それらの活動を 通して、まちづくり条例や市民公益活動推進条例、自治基本条例などの法 的な整備を行い、市の基本姿勢として、市民・事業者等と協働したしくみ づくりを推進されています。 環境分野においては、市民・事業者・NPO・行政によるパートナーシッ プ組織「とよなか市民環境会議」を立ち上げて「豊中アジェンダ 21」を策 定し、その実現のために各主体が一体となって取組みを進めています。ま た、ごみ減量や緑化推進、美化活動にも積極的に市民・事業者等が関わっ てきた経過があります。 このように、豊中市がこれまで市民・事業者等とともに培ってきた協働の 取組みや、市民の環境に対する思いや活動は素晴らしいものがあり、その 「豊中らしさ」を大切にしながら、今後それぞれの地域において環境活動 が一層推進されるよう、 「第2次豊中アジェンダ 21」と連携・協働しながら、 市民・事業者・NPO・行政の適切な役割分担のもと、地域における主体 的な行動が広がっていくことを望みます。 ・豊中市では、環境基本計画を推進するために、環境分野における各個別計 画を策定することで総合行政への取り組みが進められています。 また、環境マネジメントシステムのしくみとしての環境報告書「とよなか の環境Ⅰ・Ⅱ」を発行されています。 その報告書の発行は、専門家を含む市民協議の場づくりであり、協働の仕 組みづくりとして実践されています。この第2次豊中市環境基本計画にお いてもその実践を大切し、そこから生まれる成果をさらに発展されるよう 望みます。 ○10 年後の豊中のイメージについて ・豊中市の特徴や豊中らしさが反映された計画となるよう、目標年次の平成 32 年(2020 年)の豊中市が想像できる内容を盛り込む必要があります。ま た、市民のみなさんの理解が得られ親しみやすい計画になるよう、イラス トなど活用し分かりやすく表現する必要があります。 ○環境目標、関連指標について ・「低炭素社会づくり」の関連指標に掲げている高効率給湯器の設置台数は、 ヒートポンプ技術の性能や効率係数など、現在業界で議論がなされている ところです。 家庭における温室効果ガス排出量の要因として大きな割合を占める給湯に 関する項目として高効率給湯器の設置台数を関連指標に設定しますが、二 酸化炭素の削減予測量の算出は行わず、設置台数の把握にとどめ、今後の 動向に留意する必要があります。 ・ 「都市における自然との共生をめざした社会づくり」における評価指標を「み どり率 27%」としました。豊中市ではこれまで樹林・樹木が市域に占める 割合を示す「緑被率」が 17%になることを目標として取組んできたことか ら、 「緑被率」及び樹林・樹木以外の「草地、農地、水面、屋上緑化」を含 んだ「みどり率」について活発な議論が行われました。 評価指標を「みどり率」とするものの、これまでと同様に「緑被率」につ いて市は今後も動向を把握し、「みどり率」「緑被率」双方の割合が増える よう、市民との協働による取組みを一層進める必要があります。 ・「安全で快適な都市環境づくり」における評価指標を「環境基準達成状況 100%」としています。第2次豊中市環境基本計画の進行管理にあたっては、 環境基本法により環境基準として定められている項目間で公平な評価が行 えるよう、進行管理に向けて評価方法を慎重に検討する必要があります。 ○その他 ・第2次豊中市環境基本計画の進行管理にあたっては、市民・事業者・行政 による環境活動に対する取組みが評価できるよう、数値による定量的評価 だけでなく定性的評価を用い、多面的に評価できる方法を検討してくださ い。