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Oracle ASMとマルチパス化 一般的なベスト・プラクティスと情報マトリックス

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Oracle ASMとマルチパス化 一般的なベスト・プラクティスと情報マトリックス
Oracle ASM とマルチパス化
一般的なベスト・プラクティスと情報マトリックス
2008 年 3 月
はじめに
今日の厳しいビジネス環境では、ビジネス継続戦略を練る際に冗長性を織り込み、障害発生時にもストレー
ジ・デバイスにアクセスできるサーバ・リソースを確保しておく必要があります。ディスクやコントロー
ラに障害が発生したり、密集したデータ・パスによるボトルネックの発生や、データ・パス全体の故障に
よる主要な情報へのアクセスの切断が生じたりする可能性があるからです。
ストレージ RAID テクノロジは、ストレージ・デバイス(ディスク)に高可用性を提供する優れたソリュー
ションですが、サーバーとストレージ間の物理パスに関する問題は解決しません。サーバーからストレー
ジに単一のパスしかなく、1 つのコンポーネントに障害が発生した場合、ディスクにどれほど冗長性を持た
せていてもデータを使用し続けることはできません。
マルチパス化ソリューションは、サーバーとストレージ間の冗長物理パス・コンポーネント(アダプタ、
ケーブル、スイッチ)を使用してフェイルオーバーを提供するよう設計されています。これらのコンポー
ネントの 1 つ以上に障害が発生してもアプリケーションはデータにアクセスできるため、SAN 内のシング
ル・ポイント障害が解消され、ストレージ・デバイスとデータへのアクセスを続行できます。また、マル
チパス化ソリューションでは、使用可能なすべてのパスに I/O 負荷を分散させることにより、システムの
パフォーマンスを向上させることができます。さらに自動フェイルオーバーおよびフェイルバックを通じ、
より高いレベルのデータ可用性を実現します。アクティブ-アクティブ(すべてのチャネルが I/O をアク
ティブに実行)およびアクティブ-パッシブ(1 つのチャネルがアクティブ I/O でその他のチャネルがスタ
ンバイ)機能は、ベンダー・オプションで使用できます。
マルチパス化ソフトウェアは、オペレーティング・システム(OS)デバイス・ドライバ・レベルで実装さ
れ、抽象化(擬似デバイス)を提供し、I/O 操作を使用可能なすべての I/O パス間で共有、分散できるよう
にします。マルチパス化のおもな利点は、次のとおりです。
o
o
o
o
I/O パスの高可用性
マルチパス LUN 用の擬似デバイス・インタフェース
パスのフェイルオーバーおよびフェイルバック
アクティブ-アクティブ構成での I/O のロード・バランシング
Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)は、マルチパス化テクノロジの無料ソリューションで
す。Oracle ASM によって、管理の複雑さが解消され、データの配布によりパフォーマンスが改善し、可用
性が向上します。ただし、Oracle ASM 自体にマルチパス化機能はありません。
Oracle ASM は、ホストのマルチパス化ソフトウェアへの依存性がなく、ほとんどの環境で透過的に機能す
る必要があります。オラクルとそのパートナにより公開された次のベスト・プラクティスを実践してくだ
さい。
Oracle ASM とマルチパス構成の一般的なベスト・プラクティス
Oracle ASM は、複数のパスで同じディスクを検出した場合にエラーを発行するよう設計されています。
Oracle ASM が第 1 デバイスを選択すれば(検出されれば)、擬似デバイスは選択されない場合があります。
エラーを返すことで、Oracle ASM が開くべきパスがユーザーに明示されます。マルチパス構成では、単一
ディスクに複数のデバイス名を付けることができます。したがって、擬似デバイスのうちの 1 つだけが検
出されるように、Oracle ASM を構成する必要があります。以下に、3 つのパスを持つディスクの例を示し
ます。
1.
2.
3.
ディスクへの第 1 パス(/dev/rdsk/c3t1d5s4)
ディスクへの第 2 パス(/dev/c4t1d5s4)
擬似デバイス名(/dev/rdsk/emcpower1)
ASM_DISKSTRING という Oracle ASM の初期化パラメータが、ディスク検出時に Oracle ASM の検索する
パスを制限します。ここでは擬似デバイス名のみが検出されるように構成する必要があります。たとえば、
EMC PowerPath マ ル チ パ ス 化 ソ フ ト ウ ェ ア を 使 用 し て い る 場 合 は 、 ASM_DISKSTRING を
/dev/rdsk/emcpower*に設定できます。擬似デバイスに I/O が送信されると、マルチパス・ドライバがそれを
インターセプトして、内在するサブ・パスにロード・バランシングとフェイルオーバー/フェイルバックを
提供します。
Oracle ASMLIB ディスク使用時のマルチパス化
Linux 上で Oracle ASMLIB と Oracle ASM を使用している場合は、最初にマルチパス・ディスクをスキャン
するか、またはスキャン時に単一パスのディスクを排除するよう Oracle ASMLIB を構成することで、確実
にマルチパス・ディスクを検出できます。
Oracle ASMLIB により、ディスクのスキャン順序の 2 つの変更が可能になります。第 1 に、特定のディス
クを排除できます。つまり、Oracle ASMLIB はそれらのディスクを完全に無視します。第 2 に、システム
管理者が最初にスキャンされるディスクを指定できます。まずは指定リストにあるディスクがスキャンさ
れ、その後システム内のその他のディスクがスキャンされます。
また、Oracle ASM 構成変数を設定することにより、任意のディスク・スキャン動作を指定できます。
ORACLEASM_SCANORDER 変数では、最初にスキャンされるディスクを指定します。ORACLEASM_
SCANEXCLUDE 変数では、無視されるディスクを指定します。
Oracle ASMLIBとマルチパス・ディスクの構成について、詳しくはOracle Technology Network(OTN)を参
照してください。http://www.oracle.com/technology/tech/linux/asmlib/multipath.html (英語)
Oracle ASM とマルチパス化 - 一般的なベスト・プラクティスと情報マトリックス
パートナ
マルチパス化
対応ストレージ
対応 OS
構成のベスト・プラクティスと注意
DS8000 DS6000 ESS
AIX バージョン
SDDPCM がインストールされてストレージ・デバイスが構成されると、論
(Shark)
5.2B、5.3 以上.
理デバイス名/dev/rhdisk がストレージの LUN ごとに作成されます。これら
ソフトウェア
IBM
SDDPCM-MPIO
のデバイスは、Oracle ASM ディスク・グループの構築に使用されます。
•
Oracle ASM ディスク・グループ構成時には、/dev/rhdiskn というデ
バイス名を使用します。
•
各 rhdisk デバイスに、"no reserve"ポリシーの設定が必要です。
DS8000/6000 および ESS ストレージでは、この設定は PCM により
自動的に処理されます。
•
デバイス特性を、予約ポリシーに対応するように次のとおり変更
します。chdev -l hdisk1 -a reserve_policy=no_reserve
注:AIX の SDD に問題があれば以下を参照してください。
http://www-1.ibm.com/support/docview.wss?uid=ssg1S7000303&aid=1
MPIO については、次の URL を参照してください。
http://publib16.boulder.ibm.com/doc_link/en_US/a_doc_lib/aixbman /baseadmn/
manage_mpio.htm
SDD
DS8000 DS6000 ESS
AIX および Linux -構成後、SDD は/dev/vpath デバイスを生成します。
vpath デバイスにパーティ
(Shark)SVC
ションを作成して、RAW デバイス(/dev/raw/rawx)と vpath パーティショ
ンを関連付けます。
-Linux SSD ドライバ 1.6.0.1-4 以上を使用します。
-現在、SDD/AIX では Oracle ASM を使用できません。
-現在、Linux の SDD および Oracle ASMLIB インタフェース・オプションは
サポートされていません。
RDAC
DS4000
AIX、Windows、 -デバイス(/dev/rhdiskx)として使用します。
Linux
-デバイス特性を、予約ポリシーに対応するように次のとおり変更します。
chdev -l hdisk1 -a reserve_policy=no_reserve
Linux
Device Mapper
すべてのストレージ Linux
-Device Mapper を構成し、/dev/mapper を ASM_DISKSTRING として使用し
(RedHat および ます。
SLES)
注: RH4 およびSLESにおけるリブート時のデバイスの権限が変更される問
題の詳細については次の 2 つのホワイトペーパーを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/products/database/asm/pdf/devicemapper-udevasm%20sles9.pdf(英語)
http://www.oracle.com/technology/products/database/asm/pdf/devicemapper-udevcrs-asm rh4.pdf(英語)
HP
SecurePath
EVA3000、4000、5000、HP-UX
HP SecurePath には、EVA3000 や EVA5000 などのアクティブ/パッシブ・モ
6000、8000、
デルのアレイ用と、EVA3000/4000/5000/6000/8000 や XP シリーズなどのア
XP シリーズ
クティブ/アクティブ・モデルのアレイ用の 2 つのドライバがバンドルされ
ています。EVA3000 や EVA5000 には、アクティブ/アクティブとアクティブ
/パッシブの 2 つのフレーバが提供されています。これは純粋なファーム
ウェア・ベースです。
-アクティブ/パッシブ:SecurePath が仮想パス"/dev/rdsk/c58t0d0"を生成し、
すべての物理パスと関連付けます。仮想パスは Oracle ASM ディスクのもの
です。
-アクティブ/アクティブ:パスのいずれかを仮想パスとして使用できます。
詳しくは、次のURLのテクニカル・ホワイト・ペーパーを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/products/database/asm/pdf/HP-UX%20-ASM-S
tgWorks-MP%2002-06.pdf (英語)
Sun
Traffic Manager
Sun Traffic Manager には Oracle ASM との相互運用性がありますが、現在、
(MPXIO)
ベスト・プラクティスを説明する固有の情報やホワイト・ペーパーはあり
ません。
EMC
PowerPath
EMC ストレージ
すべての OS
Linux の場合:
-PowerPath の擬似名を使用して、次のように RAW デバイスを作成します。
-raw /dev/raw/raw10 /dev/emcpowerg1
-再起動時にこれらの RAW デバイスのバインディングを維持するには、次
のように/etc/sysconfig/rawdevices ファイルに入力する必要があります。
-/dev/raw/raw10 /dev/emcpowerg1
-再起動時に常に RAW デバイスのバインディングが行われるようにするに
は、chkconfig ユーティリティを使用します。
-/sbin/chkconfig rawdevices
AIX の場合:Oracle ASM では、論理ボリュームまたは RAW パーティショ
ンを同時に使用できます。擬似デバイス(/dev/rhdiskpowerx)を使用する必
要があります。
HP-UX の場合:Oracle ASM では、RAW パーティションを使用できます。
ネイティブ・デバイス・パス(/dev/rdsk/cxtydz)を使用する必要があります。
詳しくは、次のURLのベスト・プラクティス・ガイドを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/products/database/asm/pdf/asm-on-emc5_3.pdf
(英語)
日 立 デ ー タ シ ス HDLM
HDS ストレージ
すべての OS
テムズ
Hitachi Dynamic Link Manager(HDLM)ソフトウェアは、ストレージ・シス
テムへのアクセス・パスを管理します。HDLM は、パス間で負荷を分散し、
使用中のパスに障害が発生した場合に別のパスへ切り替えることで、シス
テムの可用性と信頼性を向上する機能を提供します。
Linux では、LUN への各パスにデバイス名(/dev/sda や/dev/sdb など)が割
り当てられます。HDLM は、同じ LUN へのパスを検出して、共通の HDLM
名(/dev/sddlmaa など)を割り当てます。Linux での HDLM デバイス形式は、
/dev/sddlm[a-p][a-p][1-15]です。HDLM デバイスのパーティションは、sddlm*
名の後の番号で表されます。デバイス全体は、番号指定なしで表されます。
HDLM のロード・バランシングとパス・フェイルオーバー機能をアクティ
ブにするには、HDLM デバイス名を使用する必要があります。
詳しくは、OS プラットフォーム別の該当する HDLM ユーザー・ガイドを参
照してください。
Symantec
DMP
すべてのストレージ す べ て の 対 応 プ DMP は、Veritas Storage Foundation Logical Volume Manager にバンドルされて
ラットフォーム
います。Oracle ASM ディスクは、DMP マルチパス化を使用するため、論理
ボリュームとして構成する必要があります。Oracle ASM は、vxvm 論理ボ
リューム上の dmp デバイス(/dev/vx/rdmp/cxtydzsx)である必要があります。
Symantec と Oracle のテクニカル・ホワイト・ペーパー(近日公開予定)を
参照してください。
Microsoft
MPIO
Windows
Microsoft のマルチパス化ドライバ Microsoft MPIO のリリースにより、ソフ
トウェアおよびハードウェア・ベンダーは、独自のストレージ・デバイス
用のソリューションに加え、Microsoft Windows 2000/2003 Server プラット
フォーム(Microsoft Windows Storage Server 2003 を含む)で効果的に使用で
きるソリューションの開発が可能になりました。
非 MPIO
Windows
(注意の欄を参照)
HP、Sun、EMC、HDS、Veritas には、Windows 上で稼働する製品をサポー
トするマルチパス化ソフトウェアがあります(SecurePath、Traffic Manager、
HDML、Powerpath、VxVM/DMP)。HBA ベンダーの Qlogic は、Qlogic HBA
使用時にマルチパスのフェイルオーバーおよびフェイルバックを提供する
ドライバと管理アプリケーションを開発しました。Qlogic のマルチパス・ド
ライバは最小限の機能しか備えていませんが、ほとんどの Oracle ASM ユー
ザーに適しています。
Pillar Data
Axiom Path Manager Pillar ストレージ
Systems
(APM)
すべての OS
03-06_0.pdf(英語)
富士通
ETERNUS マルチパ 富士通ストレージ
サーバーと ETERNUS ストレージ・システム間のインタフェースでも高可
ス・ドライバ
用性メカニズムを提供します。このメカニズムは、複数の Fibre Channel パ
http://www.oracle.com/technology/products/database/asm/pdf/Pillar-ASM_TWP
スを管理する ETERNUS マルチパス・ドライバまたは GR マルチパス・ドラ
イバにより提供されます。
http://otndnld.oracle.co.jp/products/database/oracle10g/availability/pdf/asm_best_p
ractices0907-fujitsu_jp.pdf
NEC
NEC Path Manager
NEC ストレージ
http://otndnld.oracle.co.jp/products/database/oracle10g/availability/pdf/nec_asm_w
p_ddr.pdf
Oracle ASMとマルチパス化一般的なベスト・プラクティスと情報マトリックス
2008年3月
著者:Ara Shakian
共著者:Nitin Vengurlakar
Oracle Corporation
World Headquarters
500 Oracle Parkway
Redwood Shores, CA 94065
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