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バス交通に関する勉強会
5・3パス交通に関する勉強会 5.3.1日程 勉強会は、他都市の事例等やその他先進的な取り組み状況等の情報収集、整理を目的と して、以下の日程において行った。 回 第1回 兌ル テ 9D緝ネ ィ鰾 「 S」 勉強会講師名 メ 鈴木文彦 交通ジャーナリスト 第2回 兌ル テ 9D繆ネ ?「 第3回 兌ル テ 9D繆ネ ?「 S」 S」 豚 R W8ワネ螽6 5延 ネ,ネィ ク嶌,佰ネ* +メ 駟 メ 秋山哲男 東京都立大学大学院 工学研究科 ,h+ク,ノ ノMコ2 (7 X6ィ6X4( ク6 5 - * 亳9 メ 三星昭宏 近畿大学理工学部 土木工学科 佰 ,ィ6 8ィ4 7H8ィ ケd ,h6 5委 ,「 写真勉強会風景 ー105- 5・32 第1回バス交通に関わる勉強会の概要 (1)講師紹介 講師名:鈴木文彦 職 業:交通ジャーナリスト 専攻分野:都市交通計画 加入団体:日本交通学会会員;鉄道史学会会員 学 歴:東北大学理学部地学科卒業(1981)、東京学芸大学大学院修士課程(地理学)倭 了(1984) 文献等‥『高速バス大百科』 『はじめての高速バス』 (中央書院)、 『日本のバス年代記』 『路 線バスの現在・未来』 (グランプリ出版)、 『多摩の鉄道百年』 (分担執筆・日本経 済評論社)、 『よみがえる過疎バス』 (日本バス友の会)、 『ハイウェイバス』 (到文 社)、 『次世代交通カード革命』 (NTT出版)、 『新・ふるさとバス白書』 (技報堂 出版)、 『バスはよみがえる』 (日本評論社) 講師.鈴木氏 (2)講義の概要 ロバス利用をめぐる背景 全国的にバス利用者が、ピークだったのが昭和40年代の前半ぐらいだったと考えると、 現在と比較して全国平均の乗車人数が、約4割減少したことになる。その背景としては、 都市化・過疎化の問題、道路事情の変化、人口の少子高齢化の問題など、色々な要因を含 んでいるので・一概には言えないが、やはりマイカーの増加とバス利用者の減少に強い因 果関係があると思われる。ただ、バス側にも利用者減少に繋がっていた問題点はあって、 その両面から今後の対策を考えていかなければならないと思う。 -106- □欧米の状況 欧米においても、過疎化の問題や高齢化など、取り巻く環境がそれほど日本と異なるわ けではない。そんな中で、欧米の公共交通が日本と違い活性化されているのは、地域での 公共交通の位置付けがしっかりなされているということに起因している。ヨーロッパ諸国 などでは、都心部の公共交通に対するサービスレベルが非常に高く、安くて便利である。 しかも、マイカーに対する交通規制もかなり引かれているということもあり、バスを利用 する方が都心-のアクセスが容易であるo これは、公共交通がライフラインの一部として 位置づけられ、行政側が公共投資的な感覚で費用の多くの部分を負担するという状況から 生まれてくるものである。 □日本におけるコミュニティバスの失敗 日本における多くのコミュニティバス失敗の要因は、何の為にバスを走らせるのか、誰 の為に、どういう目的でということに対するコンセプトがしっかりしていなかったという 事と、コミュニティバスが、その地でどういう位置付けになっているかということが整理 されないまま、事業が遂行されたという事である。 □日本の不採算路線維持の取り組み例 不採算路線を維持するために日本各地で取り入れられた事例は以下のようなものが挙げ られる。 一国の補助制度とは別に、市町村が負担する方法 一生括バスの維持の為にその地域の世帯が維持資金を負担する 一地域の自治体が資金を集めて貸切りバスに運行を委託する □今後重要なこと 今までのバスに対する固定観念を変えて新しい発想でバス交通というものを今後考えて いくことが重要となってくる。 -107_ 5.33 第2回 バス交通に関わる勉強会の概要 (1)講師紹介 講師名:秋山哲男 氏 職 業:東京都立大学大学院工学研究科教授 専攻分野:都市計画 テーマ:高齢者・障害者の交通政策に関する国際間比較;高齢者障害者の、モビリティンディキャップ;高齢者・障害者の交通システム 加入団体:土木学会、日本都市計画学会、国際交通安全学会 学 歴:明星大学理工学部土木工学科卒;明星大学大学院理工学研究科土木工学専攻修士 課程修了 学 位:工学博士 文献等:『バスはよみがえる』2000(日本評論社)、『移動と交通講座高齢社会の技術(6)』 1996 (日本評論社)、『福祉のまちづくりと地域交通システム』1993 (地域開発)、 『モビリティ確保からみたバス問題』 1993 (都市問題) 講師:秋山氏 (2)講義概要 ロコミュニティバスの要件 コミュニティバスを考える上で、地方自治体の責務というのが重要になってくる。その 一つは、市民の足を守るというモビリティ確保(福祉)であり、 2つ目は、都市交通の環境 負荷を少なくする(環境)ということである。 ロコミュニティバス政策 今までは、市民の足を確保する為のコミュニティバスは、地方分権とか人権擁護とか、 市民参加にはふさわしい政策であったが、現在に至っては、コミュニティバス政策を地方 自治体の単位ではなく、都市全体に拡大していくような総合的交通政策の一環として捉え -108- て行かなければならない段階に来ている。 ロコミュニティバスの特性 ①バスとタクシーの間を埋める②ドア・ツー・ドア性を高める。 ③交通不便地域差の 向上④新しい領域のサービス等が考えられる。 口日本のスペシャルトランスポートサービス 日本のスペシャルトランスポートサービス、高齢者・障害者の専用の交通手段というの は、その半分が病院送迎である。透析者、高齢者、障害者の半分は、スペシャルトランス ポートに対する需要があると考えれば、病院送迎をどうするかを考えていく必要がある。 □日本のコミュニティバスの位置付け 日本の過疎地域・中山間地域、地方中小都市、大都市周辺において、それぞれの地域や 抱えている問題、利用者の需要によって、バスの運営形態が異なる。 ①公共事業(公共資 金によるバス事業)、 ②公共自家用サービス(自治体が自家用車両を用いて乗合輸送を提供)、 ③運行委託方式(自治体サービス供給計画に基づいた委託)。この方式の中には、車両を自 治体が保持する資本貸与方式とすべて委託する一括請負方式が含まれている。 ④民間事業 一任方式(自由な参入に委ねられる方式である) -109- 5.3.4 第3回 バス交通に関わる勉強会の概要 (1)講師紹介 講師名:近畿大学理工学部土木工学科 教授 三塁昭宏氏 専攻分野:都市交通計画 加入団体:土木学会;日本都市計画学会 学 歴:名古屋大学工学部土木工学科〔昭和43年〕卒、名古屋大学大学院工学研究科土 木工学専攻〔昭和47年〕 学 位:工学博士 文献等: 『移動と交通講座高齢社会の技術(6)』1996 (日本評論社)、 『交通工学』1990 (理工図書) 講師:三星氏 (2)講義概要 □奈良の事例(町中) 中心市街地の魅力向上と活性化を図る為にでDM実験を取り入れ、奈良の主要通りをトラ ンジットモール化し、その中に中型バスを入れて、イメージ戦略を図ろうという読み 口大阪府の事例(豊中) 商店街活性化に向けて住民参加型の実験を行った。商店街をトランジットモール化し、 そこにバスを入れるために、豊中駅前地区を朝、乗用車乗り入れ禁止にする。環境定期券 を出して、公共交通機関、定期券を持っている人が土曜・日曜・祝日に家族と一緒に表示 区間を乗ると割引または格安になるとか、商店街で買物をした方に、循環バスの乗車券を 配布するなど、その結果をして、歩行者交通が大幅に増加したという結果がでている。 -110_ □大津の事例 中心市街地の周辺部に駐車場を置いて、バス・アンド・ライド、レール・アンド・ライ ド、路線バスの3つの公共交通で都心部にアクセスするという実験で、このことによって どれだけ東西の幹線道路の混雑が緩和されるかを見るものである。 ロバスを魅力的にする為に必要なこと ①バスサービスを新しく改善するo ②バスの車両自体を改善する。 ③上記の事を市民に アピールしていく. ④イメージ戦略(公共交通のイメージの向上). □今後の関西におけるスペシャルトランスポートサービス(STサービス)の課題 介護保険制度との関係(介護保険で何をどこまでカバーするか) ②NPOやボランティア 組織との連携 □福祉バスの特徴 福祉送迎バスというのは、要介護者の2キロから8キロのトリップを幅広くカバーする のに有効な交通機関である。実際、介助により要介護者は負担感を感じており、介助者自 身にとっても負担は大きい。なるべく1人で外出できるようにするためにスペシャルトラ ンスポートの存在理由がある。 □帯広市におけるスペシャルトランスポートの重要性 17万人の人口を持つ帯広市においても、スペシャルトランスポートの問題というのは避 けられない状況だと思われる。まず、最初に住民の方々の足をどうされているのかという 実態をつかんで、問題点を抽出する。そして、通常のバス路線における高齢者、障害者に 対する対応レベル、それからその介助者(家族など)による送迎というレベル、その間に 位置するSTサービスや100バスのような交通手段を考察していく。 □帯広市におけるバリアフリーの重要性 帯広市において、駅を中心とした周辺を総合的に整備していく中で、バリアフリーは必 要用件として、含めなければならない。 -111-