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平成28年度和歌山県立文書館マイクロフィルム撮影業務仕様書 1
平成28年度和歌山県立文書館マイクロフィルム撮影業務仕様書 1 マイクロフィルム撮影の委託 ①業務の概要等 ・和歌山県立文書館(以下「文書館」という。)が収集した古文書等をマイク ロフィルムに撮影し、撮影したマイクロフィルムから複製フィルム、マイク ロコピー及び電子化データ(PDFファイル)を作成する。 ・本業務により作成されたマイクロフィルム(3②に定めるマスターフィル ム)は、公文書を撮影した場合と同様に原本性を確保するものでなければな らない。 ・受託者は、第三者に対し、本業務の履行に際して知り得た事項をもらし、又 は資料原本やマイクロフィルム等を閲覧・複写等させてはならない。 ②委託期間 ・契約締結日から平成29年3月31日までとする。 ③撮影の対象等 ・本業務では、文書館が収集した古文書等のうち文書館職員が指定したもの (以下「対象資料」という。)についてマイクロフィルム撮影等を行う。 ・撮影コマ数は7,800コマを下限として文書館職員が指定する。 ④業務の実施場所等 ・受託者は、3①1「文書館内で使用することができるカメラ」に定めるマイク ロフィルム撮影専用カメラを文書館撮影室に設置し、撮影業務を実施する。 ・2①「対象資料の撮影準備」に定める業務は、文書館の作業室又は撮影室で 行う。 ・上記を除く業務については、受託者が希望する場合、文書館作業室に必要な 機材を設置し、実施することができる。 ・文書館内での業務は文書館職員の勤務時間内に行う。 ・撮影業務は、原則として文書館内で行うが、A2判以上の大きさの対象資料 を撮影する場合及び文書館が特に指定した資料に限り、必要に応じて受託者 の撮影室で行うことができる。ただし、その場合に使用するカメラは3①2 「A2判を超える対象資料を撮影する場合に限り、文書館外で使用すること ができるカメラ」に限る。 ・撮影業務のため対象資料を館外へ搬出する際に、受託者は文書館の「文書館 文書等一時持出簿」(別記様式)に必要事項を記入し、返却時には必ず文書 館担当者の確認を受けなければならない。 ・館外で撮影を行う場合、対象資料の撮影場所への往復の輸送は全て受託者の 責任において行う。 ⑤撮影者の資格等 ・本業務においてマイクロフィルムの撮影を実際に行う者(以下「撮影者」と いう。)は、公益社団法人日本文書情報情報マネジメント協会(以下「JIIM A」という。)が認定する文書情報管理士の資格を有し、かつ古文書等の取扱 いに熟練した者とする。なお、受託者は、撮影者の文書情報管理士認定証書 の写し及び業務経験を記した書類を文書館に提出し、その承認を得るものと する。また、撮影者は文書館での撮影作業時は常に文書情報管理士の証明カ ードを携行していなければならない。 ⑥文書館職員の立会い ・文書館職員は、本業務の全ての作業に立ち会うことがある。 2 対象資料の撮影準備及び取扱い ①対象資料の撮影準備 ・対象資料の撮影に先立ち、文書館職員の指示に従って対象資料に資料番号を 記した付箋を挟み込み、指定の容器に収納する。 ・上記付箋及び容器は、文書館が用意する。 ②取扱いの注意 ・対象資料を汚損しないよう、常に清潔を保ち、本条に定める業務を行う場所 では鉛筆以外の筆記用具を使用してはならない。 ・対象資料には様々な要因により強度が低下しているものが多いため、破損し ないよう慎重に取り扱う。 ・撮影の際は、対象資料の散逸・紛失等がおこらないよう常に1点ずつ取り扱 い、撮影終了後はすみやかに元どおりの状態に収納する。 ・撮影作業等により対象資料を破損・汚損等するおそれがある場合は、事前に 文書館職員と協議した上で、その指示に従う。 ・撮影後、対象資料は異常のないかぎり前項の付箋を確実に挟み込み、撮影前 と同じ状態で収納する。 ・何らかの原因により、対象資料を元どおりに収納することが不適切と考えら れる場合は、文書館職員に連絡し、その指示に従う。 ・対象資料の補修を行ってはならない。 ・対象資料の損傷に気付いた場合又は作業の過程で対象資料の破損や付箋の剥 落などが生じた場合には、直ちに文書館職員に連絡し、その指示に従う。 ・付箋等の剥落個所を特定できる場合は、文書館職員に対し、剥落個所を正確 に伝える。 ③撮影時の取扱い a対象資料の搬出 ・対象資料の紛失等を防止するため、当日撮影する分量だけを収蔵庫から搬出 するものとする。 b撮影時の禁止事項 ・対象資料の破損等を防止するため、次の作業を行ってはならない。 冊子等の解体 対象資料のアイロンがけ その他対象資料を破損又は汚損するおそれのある作業 c撮影時の敷物について ・撮影台の上には、対象資料保護のため清潔な紙又は布(以下「敷物」とい う。)を敷く。 ・敷物の色は、マスターフィルム等において対象資料の形態が不明瞭となるこ とを防止するため薄灰色とする。 ・受託者(撮影者)は、対象資料に対して色移りや化学的変化等の悪影響を与 えない、良質の素材の敷物を持参しなければならない。 d間紙の挿入について ・独断で間紙を挿入してはならない。ただし、3④「マスターフィルムの精度 等」の基準を確保することが困難な場合は、文書館職員に連絡し、協議のう えでその指示に従う。 ・間紙は、前号の敷物の規定に準じ、良質な紙を使用する。 ・間紙は、撮影に必要な量を受託者(撮影者)が持参する。 3 使用するカメラ及びマイクロフィルムの品質等 ①使用カメラ ・受託者は次に定めるカメラを使用して撮影業務を行う。 1 文書館内で使用することができるカメラ ・富士写真フィルム㈱製「FMAC1600A」と同等又はそれ以上の性 能を有する、撮影実用解像力140本/㎜以上で、1コマで最低A1判まで 撮影できる16mmフィルム対応平床式マイクロカメラで、カメラヘッド データ投影部に富士写真フィルム㈱製LCBボード及び液晶一式(部品 番号113U23CC―5501―S)を装備する等によって、完成後 のマイクロフィルムにおける対象資料とコマ番号が同方向になるように し(4③参照)、かつ15㎝までの厚みのある対象資料に対応できるよ うにしたもの ・富士写真フィルム㈱製「FMAC600D」と同等又はそれ以上の性能 を有する、撮影実用解像力140本/㎜以上で、1コマで最低A2判まで撮 影できる16mmフィルム対応平床式マイクロカメラで、カメラヘッドデ ータ投影部に富士写真フィルム㈱製LCBボード及び液晶一式(部品番 号113U23CC―5501―S)を装備する等によって、完成後の マイクロフィルムにおける対象資料とコマ番号が同方向になるようにし (4③参照)、かつ15㎝までの厚みのある対象資料に対応できるよう にしたもの 2 A2判を超える対象資料を撮影する場合に限り、文書館外で使用すること ができるカメラ ・富士写真フィルム㈱製「FMAC1600A」と同等又はそれ以上の性 能を有する、撮影実用解像力140本/㎜以上で、1コマで最低A1判まで 撮影できる16mmフィルム対応平床式マイクロカメラで、カメラヘッド データ投影部に富士写真フィルム㈱製LCBボード及び液晶一式(部品 番号113U23CC―5501―S)を装備する等によって、完成後 のマイクロフィルムにおける対象資料とコマ番号が同方向になるように したもの(4③参照) ※A2判の大きさを超える対象資料に冊子体のものはないので、A2判を 超える対象資料を撮影する場合に限って使用する場合には、「厚み」に 対応する必要はない。 ②マイクロフィルムの形式及び品質等 ・受託者は、撮影によりネガフィルム(以下「マスターフィルム」という。) を1本ずつ作成する。 ・撮影に使用するフィルムの形式は、JIS-K7541(1995)「写真-フィルムの寸法 -マイクログラフィックス用」の規格にもとづく、16mm無孔銀塩ロールフ ィルムとする。また、使用期限内のフィルムを用いること。 ・撮影に使用するフィルムの品質は、富士写真フィルム㈱製「富士マイクロフ ィルムネガティブSHR65.5m及び同30.5m」と同等又はそれ以上の ものとする。また、JIS-K7558(1986)「安全写真フィルム」の規格による安全 フィルムであること。 ・受託者は、上記の形式と品質を満たすマイクロフィルムを用意し、撮影時に 必要な本数を持参する。 ・受託者は、マスターフィルムについて、フィルムの接合等、中長期的にみて フィルムを劣化させる可能性がある処置を行ってはならない。 ③フィルム送り及び1コマの標準寸法等 ・1コマのサイズ及びフィルム送りは、次のとおりとする。 フルサイズ 13mm×19.3mm ハーフサイズ 13mm×9.3mm コマ間隔 0.7mm ・フィルムのリーダー部とトレーラー部はそれぞれ70cm以上とする。 ④マスターフィルムの精度等 a濃度 ・原則としてJIS-B7187(1997)「16mm及び35mm銀-ゼラチンマイクロフィル ム撮影方法」の規格に準じる。 背景濃度 1.0±0.2以内 未露光部分の濃度 0.12以下 ・上記濃度では利用に支障をきたすことが予想される場合には、対象資料の可 読性を重視し、濃度を調整して撮影する。 ・原則として間紙は使用しないが、撮影者の判断により、対象資料を破損しな い範囲で必要に応じて使用することができる。 b可読性(解像力) ・各縮小率において140本/mm以上を基準とする。 c撮影縮小率 ・1/20から1/48の範囲において、撮影者が対象資料ごとに最も適切な 縮小率を選択する。 ・A1サイズ以上の対象資料については、分割撮影を行うことができる。 dドキュメントマークとコマ番号 ・本業務で撮影する全てのコマに、画像検索システムに用いるドキュメントマ ークとコマ番号を写し込む。 ・ドキュメントマークの位置・寸法・濃度等は,JIIMA-Z6003(1979)「16mmマ イクロフィルムのドキュメントマーク(ブリップ)」の規定による。 ・コマ番号の向きは対象資料と同方向でなければならない(コマ番号が裏返し になってはならない。4③「撮影順序」を参照のこと。)。 4 マイクロフィルム作成の規定 ①マイクロフィルムの撮影 ・撮影は、JIS-B7187(1997)「16mm及び35mm銀-ゼラチンマイクロフィルム 撮影方法」の規定により行う。 ・撮影作業は、資料ごとに表・裏又は表から裏(始めから終わり)にかけて順 次実施する。 ・形態等により、本条の規定による撮影が不適当であると思われる対象資料に ついては、文書館職員が別途撮影方法を指示することがある。 ②対象資料の撮影コマ数換算方法 a対象頁 ・原則として、対象資料のうち撮影が可能な全ての頁(書籍等の印刷物・郵便 物・写真等を含む。)を対象頁として撮影する。 ・撮影は、対象資料の全体(冊子の場合は見開き2頁分)をフルサイズ1コマ に撮影することを原則とする。 b分割撮影 ・分割撮影は、原則として対象資料の大きさがA1判以上の場合に実施する。 ただし、1コマで撮影可能な場合でも、利用時の困難が予想される場合には、 撮影者は文書館職員と協議して、必要に応じて分割撮影を行うものとする。 ・分割撮影は、⑥「分割撮影の方法」の規定のほか、JIS-B7187(1997)付属書 (規定)「図面用マイクロフィルムの撮影方法」により実施する。 ・分割撮影時の撮影頁数(コマ数)は、上記の規定に従って個別に算出する。 c対象資料の明暗差が大きい場合の撮影 ・対象資料の紙色等の明暗が極端に異なる場合には、同一頁上であっても2頁 以上に換算し、可読性を重視して明暗の濃度を調整の上で複数コマ撮影する。 d貼付資料の撮影 ・対象資料の同一個所に付箋等の貼付資料が複数枚貼られている場合は、めく ることができる全ての付箋等を1頁とみなし、上から下へとめくりながら撮 影する。 e絵図等の撮影 ・絵図等の細線の再現性を考慮し、原則としてバックライト装置及び自動露光 装置を使用するものとする。 ・図面撮影時には、幅10mm長さ200mm以上で1mm間隔の目盛りがあるスケ ールをフレーム内に写し込む。 f折紙の撮影 ・対象資料が折紙の場合は、(竪紙の状態に)展開した上で表面・裏面の撮影 を行う。 g一括状態の撮影 ・複数の対象資料が紙縒等によって一括されている場合は、最初に一括状態を 撮影した上で、各対象資料の撮影を行う。 ③撮影順序 ・マイクロフィルム(各巻)は下記の順序により撮影する。 ┌コマNo, ┌ドキュメントマーク フィルム先頭→ 0005■ 0004■ 0003■ 0002■ 0001■ ←以下 対象資料 出所名 撮影 テスト 始 リーダー部 撮影部分 ターゲット 依頼書 チャート ターゲット 70cm以上 ←フィルム終 トレーラー部 70cm以上 2500■ 終 ターゲット 2499■ テスト チャート 2498■ 文書情報管 理士認定証 2497■ 撮影 証明書 2496■ 以上→ 対象資料 撮影部分 ④ターゲット種類 aターゲットの原則 ・撮影者は、前項の撮影順序に基づいて、次のターゲットをフィルムごとに撮 影する。 ・撮影者(受託者)は、必要なターゲットを作成し、撮影時に持参する。 ・各ターゲットは、B4版白色の用紙にゴチック体で記入する。 b「始ターゲット」「終ターゲット」 ・「始ターゲット」及び「終ターゲット」の様式は次のとおりとする。 ・「REEL No,」は、撮影順序に基づいて各リールに付与する。 REEL No,H28-○○ REEL No,H28-○○ 始 終 和歌山県立文書館 和歌山県立文書館 「始ターゲット」 「終ターゲット」 cテストチャート ・JIS-Z6008(1982)「マイクロ写真用解像力試験図票とその用法」の規定による。 d撮影依頼票 ・JIIMA規格「マイクロ写真撮影依頼票」を使用する。 e出所名ターゲット ○ ○ 家 文 書( ) ( )には出所ごとの撮影順に従 いフィルム番号を付与する。 撮影年月日 ・対象資料が所蔵されていた出所(家)を明示するため、上記の「出所名ター ゲット」を撮影する。 ・同一フィルムに複数の出所(家)の対象資料を撮影する場合は、出所ごとに 必ず「出所名ターゲット」を撮影する。 ・同一の出所(家)にかかわるマスターフィルムが2本以上にわたる際は、フ ィルムごとに「出所名ターゲット」を撮影する。 ・同一の出所(家)にかかわるマスターフィルムが2本以上にわたると予想さ れる場合、出所ごとの撮影順に従ってフィルム番号を付与する。 ・新聞・書籍等を撮影する場合は、上記に準じ「名称及び月・巻」「撮影年月 日」を記したターゲットを作成する。 f撮影証明書 ・JIIMA規格「マイクロ写真撮影証明書」を使用する。 ⑤フレーム構成 ・撮影者は、対象資料の形態や分割撮影等の撮影方法の別にかかわらず、撮影 した全てのコマの下端に、次の3項目をマイクロリーダー・マイクロコピー 等で判読できるように写し込むことを原則とする。ただし、新聞等を撮影す る場合には、必要に応じてフレーム構成の変更を指示することがある。 <焼付け時左端から> 出所名(家名) ・対象資料が所蔵されていた出所(家)の名称 ・焼付け後、各コマに撮影された資料の識別に利用する 資料番号 ・各対象資料に付加された個別の番号 ・番号の左側に「資料番号」と表示すること ・焼付け後、各コマに撮影された資料の識別に利用する スケール(原寸大)撮影した資料の大きさを示す ・出所(家)名及び資料番号は、受託者(撮影者)が、文書館の指示に従って 正確に作成すること。なお、字体はゴチック体とする。 ・フレーム内での対象資料の撮影位置は常に一定とし、コマごとに変わらない よう留意すること。なお、マイクロコピーは右とじにファイルする。 ・裏面撮影や分割撮影等を行う場合は、本仕様書の規定に従って撮影状況等を 示す各種のカードを作成し、資料番号の右側に置いて写し込む。なお、各カ ードの大きさは資料番号等の大きさに合わせること。 ・フレーム内の位置構成は、下図(プリント時の概略)を参照のこと。 対 象 資 料 ←右とじ製本 出所名 ○○家文書 資料 番号 スケール(原寸大) 4567 資料番号 各種カード(必要な場合のみ) ⑥分割撮影の方法 a分割撮影の原則 ・分割撮影の際は、撮影コマを相互に関連づけることができるよう、対象資料 の一部を重複して撮影する。重複部分は記載の複雑な部分をさけて100mm 以上とする。 ・分割撮影の際は、フレーム内での対象資料の撮影位置を常に一定とし、コマ ごとに変わらないよう留意すること。 ・分割撮影の際は、各コマに分割番号を付与したうえで撮影作業を行う。 ・分割番号は「分割1」「分割2」「分割5止」等の要領で何分割目かを明示 したカードを作成し、各コマに写し込む。 b対象資料が幅841mm以下で、長さ1189mm以上の場合 分割3止 分割2 重複部分幅100mm以上 分割1 ←文書はじめ c対象資料が幅841mm以上、長さ1189mm以上の場合 分割2 (分割3) 分割1 ←文書はじめ 重複部分幅100mm以上 分割4止 分割3 (分割2) ( )内の順序は、基本順序では資料の 解読が困難な際に用いる。 ⑦裏面撮影 a裏面の撮影 ・裏面に書入れ等(割印を含む)がある一紙等については、裏面撮影を行う。 ・裏面が白紙の対象資料の裏面は撮影しない。 b裏面カードの写込み ・裏面を撮影する場合には、これを明示するために「裏」と記したカード(以 下「裏面カード」という。)を作成し、対象資料の形態にかかわらず裏面を 撮影した全てのコマに写し込むことを原則とする。 c一紙等(1コマで撮影できる対象資料)の裏面撮影 ・資料を展開して表面を撮影し、ついで裏面の撮影を行う。 d分割撮影した対象資料の裏面書入れ等が1コマで撮影できる場合 ・表面の撮影後、書き入れ等のある部分のみ撮影する。 表面 文書はじめ 分割3止 分割2 分割1 ←分割番号 裏返す 裏面 書き入れ等 撮影しない 撮影しない 裏 撮影する ←裏面カード e分割撮影を必要とする裏面撮影 ・書入れ等のある部分が1コマでは撮影できないときは、下記の要領で裏面の 分割番号を付して撮影する。 表面 資料はじめ 分割3止 分割2 分割1 ←分割番号 裏返す 裏面 書入れ等 書入れ等 裏―2止 裏―1 ←裏面の分割番号 撮影しない 撮影する 撮影する ・表面の分割撮影を行った対象資料の裏面に書入れ等が不連続にある場合は、 下記の要領で書入れ等のある部分のみを撮影する。 表面 文書はじめ 分割3止 分割2 分割1 ←分割番号 裏返す 裏面 書入れ等 書入れ等 裏―2止 裏―1 ←裏面の分割番号 撮影する 撮影しない 撮影する ⑧巻子・掛け軸等の撮影 ・撮影の順序は、まず巻いたままの状態で巻子等の全体を撮影してから展開し、 表面・裏面(必要な場合のみ)の順に撮影する。 ・資料に題簽が貼付されている場合は、題簽のある側のみ撮影する。ただし、 題簽以外に書込み等がある場合は、それがある側も撮影する。 ・題簽はこれを1コマにおさめる。 ・掛け軸の表面撮影は、本紙部分のみを対象資料として撮影する。 ⑨挟み込み資料の撮影について a挟み込み資料撮影の原則 ・冊子等に挟み込まれている資料(以下「挟資料」という。)は、その形態に 応じて本条の規定に準じ撮影する。 ・撮影のため挟資料を取り出した場合、撮影終了後、撮影者が確実に元の収納 個所に戻す。 b挟資料の資料番号 ・挟資料は、それ自身の資料番号で撮影し、撮影後は必ず元の資料番号(挟資 料が収納されていた対象資料の資料番号)に戻すこと。 ・挟資料に資料番号が付されていない場合、撮影者は文書館職員に連絡し、そ の指示に従うこと。 ・撮影者は、挟資料の見落としに注意すること。 c冊子の丁部分(袋状部分)に納められた挟資料を撮影する順番 ・前後の頁の撮影コマの間に挟資料を撮影する。 d見開き頁間の挟資料を撮影する順番 ・見開き頁を左右分割撮影している場合は、左右見開き頁の撮影コマの間に挟 資料を撮影する。 ・見開き頁を1コマで撮影している場合は、 1 見開き頁に挟資料をはさんだまま(頁を開いた時の状態で)で撮影する。 2 挟資料を撮影する。 3 挟資料を除去し、見開き頁を撮影する。 ⑩帳簿等の白紙頁の撮影 a白紙撮影の対象 ・帳簿等の対象資料において、白紙頁が連続する場合、下記カード(以下「白 紙カード」という。)により撮影の一部を省略する。 以下○○丁白紙 →丁数(左の○○)は撮影者が数えて記入する。 ・表紙・裏表紙及びその見返し部分は、白紙であってももれなく撮影する。 b分割撮影しない場合の撮影順序 1 白紙部分の直前の見開き頁(左右頁又は左右どちらかの頁に文字等がある 見開き頁)まで通常撮影。 2 白紙見開き頁の左頁から白紙部分の丁数をかぞえて白紙カードに記入し、 撮影時に写し込む。 c分割撮影時の撮影順序 1 文字等の有無にかかわらず、右頁までは通常撮影。 2 左頁から白紙部分の丁数をかぞえ、白紙カードに丁数を記入する。 3 左頁下に白紙カードを添え(下図参照)、撮影する。 白紙カードを ← おいて撮影 以下白紙 左頁 資料番号等 右頁 → 右頁は白 紙であって も通常撮影 白紙カード ・重複撮影部分(上図斜線部分)は、本条⑥「分割撮影の方法」の規定に準じ る。 d白紙の連続後、再度記載がある場合 ・上記b又はcの規定により、白紙部分の1丁目(左頁)から再度記載がある 個所までの丁数を記入した白紙カードを添えて撮影する。 ・記載個所については、通常の撮影を行う。 ・白紙と記載個所が連続する場合は、上記作業を繰り返す。 ・白紙が終わりまで続く場合は、最終丁及び裏表紙の内外を撮影する。 ⑪合本・合冊された対象資料を見開きで撮影する場合 ・合冊等のため、見開きの左右頁で資料番号が異なる対象資料の撮影時は、下 記のとおり2つの資料番号を並べて撮影し、左右頁の資料番号が一致した時 点で不要な資料番号を取り除いて撮影を継続することとする。 スケール ○○家文書 出所名 5 4 資料番号(合冊等の並びに合わせる) ⑫板状に固着して剥離・展開が困難な冊子等 ・固着した部分は無理に剥離せず、文書館職員と協議の上、表・裏表紙及び撮 影可能な部分の撮影にとどめる。 ・撮影できない資料(部分)については、文書番号に続けて下記のカードを置 いて1コマ撮影し、以下の撮影を省略する。 資料状態不良のため撮影不能 5 フィルムの訂正 ①再撮影の実施 ・撮影作業中にフィルムの訂正が必要となった場合、撮影者は訂正ターゲット を撮影した上で、再度撮影を行わなければならない。 ・再撮影は1リールあたり15個所以内とする。 ・訂正のために要したコマは撮影枚数に含めてはならない。 ②フィルムの訂正の順序 ・撮影時の訂正は、下記の順序により行う。 ←以下 通常撮影 再撮影 訂正 ターゲット 撮影ミス 通常撮影 (コマ番号・ドキュメントマークは省略) ③「訂正ターゲット」 ・JIIMA規格「マイクロ写真撮影訂正票」を使用する。 6 補完撮影 ①補完撮影の実施 ・撮影終了後にフィルムの訂正が必要となった場合、受託者(撮影者)は撮影 したフィルムとは別に、訂正個所を撮影した補完フィルムを撮影しなければ ならない。 ・補完フィルムは、訂正が必要なフィルムごとに個別に作成することとする。 ・補完フィルムの精度等は、第3条「マイクロフィルムの品質等」に準じる。 ②撮影順序 ・補完フィルムは下記の順序により撮影する。 フィルム先頭→ 2505■ ←以下 対象資料 撮影部分 2504■ 補完用 出所名 ターゲット 2503■ 補完用 撮影 依頼書 テスト チャート ←フィルム終 2579■ 補完用 終 ターゲット 2578■ 2577■ トレーラー部 70cm以上 テスト チャート 2502■ 文書情報管 理士認定証 2501■ 補完用 始 ターゲット リーダー部 70cm以上 2576■ 補完用 撮影 証明書 2575■ 以上→ 対象資料 撮影部分 ③補完用ターゲット種類 a補完用ターゲットの原則 ・撮影者は、4④「ターゲット種類」の規定に準じ、補完用ターゲットを作成 し、補完撮影時に使用する。 b補完用「始ターゲット」と「終ターゲット」 ・補完撮影を行う場合、補完用「始ターゲット」と「終ターゲット」は、4④ bに定める「始ターゲット」「終ターゲット」の「REEL No,」の末尾に 「(補完)」と明記したものを用いる。 ・上記の「REEL No,」は補完撮影の対象となるマスターフィルムと同様とする。 c補完用「出所名ターゲット」 ・補完用「出所名ターゲット」は、補完撮影を行う対象資料1点ごとに撮影す る。 ○ ○ 家 文書 再撮影年月日 資料番号 ・新聞・書籍等を補完撮影する場合は、上記に準じ「名称及び月・巻」「撮影 年月日」を記したターゲットを作成する。また、「コマNo, 」を必要に応じ て記入する。 d「テストチャート」 ・JIS-Z6008(1982)「マイクロ写真用解像力試験図票とその用法」の規定による。 e補完撮影依頼票 ・JIIMA規格「マイクロ写真撮影訂正票」を使用する。 f撮影証明書 ・JIIMA規格「マイクロ写真補完撮影証明書」を使用する。 ④補完フィルムの明示 ・8②dに定める保管箱において、「REELNo,」につづけて「(補完)」と表記 する。 7 複製フィルムの作成 ①複製フィルムの作成 ・受託者は、各マスターフィルムについて1本の複製フィルムを作成する。 ②複製フィルムの形式及び品質等 ・複製フィルムに使用するフィルムの形式は、マスターフィルムの形式に準じ 16mm無孔銀塩ロールフィルムとする。 ・複製フィルムに使用するフィルムの品質は、富士写真フィルム㈱製ダイレク トデュプリケイティングフィルムと同等又はそれ以上のものとする。 ③複製フィルム作成機材 ・ヒューストンフェアレス76社製「エクステック・デュプリケータ」を使用 する。 ④複製フィルムの精度等 a濃度 ・JIS-B7187(1997)「16mm及び35mm銀-ゼラチンマイクロフィルム撮影方 法」の規格に準じる。 背景濃度 1.0±0.2以内 未露光部分の濃度 0.3以下 b可読性(解像力) ・各縮小率において120本/mm以上を基準とする。 cその他 ・再撮影や補完撮影を行ったマスターフィルムの複製フィルムを作成する場合、 受託者は、接合等を行い、撮影内容・順序等を正したフィルムを作成する。 ・複製フィルムの接合は、JIS-B7187(1997)「16mm及び35mm銀-ゼラチンマ イクロフィルム撮影方法」の規定により行う。 8 マスターフィルム等の現像・包装等 ①マスターフィルム等の現像 a現像機 ・本業務で作成される全てのマスターフィルム及び複製フィルム(以下「マス ターフィルム等」という。)の現像は、全自動式の現像機により行うこと。 b使用薬品 ・マスターフィルム等の現像には、自動現像機又はマイクロフィルムが指定す る銘柄の新鮮な現像液及び定着液を使用すること。 c現像時間等 ・マスターフィルム等の現像時間・液温・水量及び乾燥時間等については、自 動現像機の使用を厳守すること。 ・その他JIS-Z6009(1994)「銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方 法」の現像処理の規定に準じること。 ②マスターフィルム等の包装等 aリール等の材質 ・納品時にマスターフィルム等の包装に用いるプラスチック製保存用リール・ 中性紙製帯状テープ・中性紙製保管箱等の材料は、すべてJIS-Z6009(1994) 「銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法」に定める永久保存用 材料の基準を満たすものとする。なお、リールについてはJIIMA-B7189(198 3)「16mm及び35mmマイクロフィルム用リール」の規定にも準じること。 b撮影フィルム等の巻き方 ・JIS-B7187(1997)「16mm及び35mm銀-ゼラチンマイクロフィルム撮影方 法」により、前項に定める保存用リールに巻かれていること。 ・巻き終わったマスターフィルム等は、前項に定める帯状テープによりフィル ム面を保護すること。 c複製フィルムの包装等 ・複製フィルムは、JIIMA-Z6012(1993)「16mmマイクロフィルム用カートリッ ジ」に規定されたカートリッジに1本ずつ装填すること。 ・各カートリッジには、混同を避けるため、「REEL No,」を明記したラベルを ラミネート加工した上で貼付しておくこと。 d保管箱 ・マスターフィルムは、本項bの規定により巻き替えと保護を行った後、中性 紙製保管箱に収めた上で納品する。 ・補完フィルムを作成したマスターフィルムについては、補完箱上蓋のREEL N o,につづいて「(資料番号・補完フィルムあり)」と表記した上で納品する。 ・保管箱には、次の各項目を下図に従って記入する。 <上蓋> REEL No, ・保管箱に収めるリールのナンバーと同様とする。 ・撮影年度は略称「H28」等とする。 ・補完フィルムはREEL No,の末尾に(補完)と明記する。 撮影出所名 ・リールに収められた出所(家)名を記入する。 ・一つの出所にかかわるマスターフィルムが複数の場合は、撮 影順に従って、出所ごとの撮影番号も記入する。 ・新聞・書籍等は出所名に代わり「名称及び月・巻」を記入す る。 ・補完フィルムを作成したマスターフィルムは、出所名に続け けて「(資料番号・補完フィルムあり)」と明記する。 <下蓋> 作成検査日 検査保証印・・・11「マイクロフィルム納品時の検査」の規定による。 <上蓋> <下蓋> REEL NO,H28-○○ ○○家文書( <天地そろえる> 検査保 証印 ) 作成検査日 年 月 日 <高さ・天地そろえる> 9 検索インデックス ①検索インデックスの作成 ・本業務により撮影したマイクロフィルムを活用するため、受託者は、エクセ ル形式で検索インデックスを作成し、フィルムと併せて納品する。 ・検索インデックスは、対象資料ごとに下記内容を入力したものとする。 区分 …出所名 資料番号 …各対象資料に付されている番号 REEL No, …当該対象資料が収められているリールのナンバー コマNo, …各対象資料が始まるコマのナンバー 標題 …文書館職員が作成したデータによる 備 考 …4⑫「板状に固着して剥離・展開が困難な冊子等」の一部の みを撮影した場合等、撮影方法又は対象資料についての特記 事項 ・補完フィルムを撮影した場合は、その旨を検索インデックスの「標題」の末 尾に明示する。 ②検索インデックスの納品 ・受託者は、検索インデックスのデータを記録したCD-R等を納品する。 ・受託者は、検索インデックスの内容をA4判縦書きに出力した一覧表を納品 する。 <一覧表出力例> 区分 資料番号 REEL No, コマNo 標題 備 考 ○○家文書 ア- 1 H28-1 0005 ○○につき一札 10 マイクロコピーの作成 ①第7条により作成した複製フィルムから、対象資料全てのマイクロコピーを作 成する。 ②マイクロコピーの構成 ・4⑤「フレーム構成」に定める構成物が全て入るように、A4判のマイクロ コピーを作成する。 ・対象資料中の文字がはっきりと識別できるよう、ピント合わせに留意する。 ・次項に定める右綴じのファイリングを行うために充分な余白を確保する。 ③ファイリング ・マイクロコピーに2穴パンチで穴を空け、ファイルに右綴じする。 ・マイクロコピーは資料番号順に綴じてファイルし、背表紙に次の内容を明記 したラベルを貼付する。 出所名 …「○○家文書」 出所ごとのファイル通番号 収録した資料番号…(「ア―1~ア―64」等) ・各ファイルの頁ごとに頁番号を付与(ナンバリング)する。 11 マイクロフィルム納品時の検査 ①受託者による検査 ・文書館に納品される全てのマスターフィルム等は、当仕様書の規定に適合し、 かつ下記の事項にも合格したものとする。 JIS-B7187(1997)「16mm及び35mmマイクロフィルム撮影方法」 JIS-Z6009(1994)「銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法」 日本マイクロ写真協会JMA:A-T-1(1963)による現像処理後のマイクロフィル ム検査基準(解像力・残留銀およびハイポ検査) ・フィルム面には擦り傷や汚れ、指紋等の付着があってはならない。 ②合格の証明 ・受託者は、上記検査の終了後、全マスターフィルム等が本仕様書の全ての項 目に合格したことの証明として、各保管ケースの検査保証印欄に捺印する。 ③納品時の検査 ・受託者は、本業務により作成した全てのフィルムに検索インデックス及びマ イクロコピーを添えて文書館宛て納品する。 ・納品後、文書館はマスターフィルム等の内容が原文書と相違なく正写された ものであることを確認する。 ④瑕疵担保 ・マスターフィルム及び補完フィルムは、納入後10年間を保証期間とする。 ・保証期間内に受託者側の事由によりマスターフィルム等に変質等が発生して 不良品であることが判明した場合又はフィルムに原本性が確保されていない ことが判明した場合には、受託者の責任において、すみやかに再撮影を行っ て納入するものとする。 12 電子データの作成 本業務でマイクロフィルム撮影した全てのコマ(撮影ミスしたものを除く。) を電子データ化する。 (1) PDFファイルの作成 マスターフィルム等の全てのコマをスキャンして、次の要領でPDFファイルを 作成する。 ア 解像度 解像度は、300dpiとする。 イ しおり 資料番号が付与された対象資料1点ごとにしおりを作成する。 しおりの移動先表示倍率は、全て「全体表示」に設定する。 しおりで使用する文字は、数字やスペースも含め全て全角文字とする。 ファイルの開き方は、全て初期表示を「しおりとページ」、倍率を「全体 表示」に設定する。 ウ ファイル名 出所(家)名+出所ごとのマスターフィルムの通し番号半角4桁+拡張子 とする。 (例)長保寺文書〔徳義社資料〕0261.pdf (2) HTMファイルの作成 次のHTMファイルを作成する。 ア PDFファイルにリンクするHTMファイル 上記(1)により作成したPDFファイルにリンクするHTMファイルを下記の要領 で作成する。なお、ファイル名は、「pdf_index05.htm」とする。 (例) 長保寺文書〔徳義社資料〕 リール番号 H28- H28- : イ : : 資料番号 1 2 : A-81-023 ~ A-82-074 A-83-001 ~ A-83-070 : : PDFファイルへ : : : : : : : 上記アにリンクするHTMファイル 文書館が保有するHTMファイル「長保寺start.htm」に下記の要領で上書き し、上記アにリンクするHTMファイルを作成する。 (例) 長保寺文書 ー 既 存 の デ タ 作成年度 ファイル形式 平成 8年度(H8) PDF JPG 平成 9年度(H9) PDF JPG 平成10年度(H10) PDF JPG 長保寺文書〔徳義社資料〕 作成年度 ファイル形式 平成27年度(H27) PDF 平成28年度(H28) PDF 上記アのHTMファイルへ (3) フォルダ 上記により作成した電子データは、次のとおりフォルダに収納する。 H28 → HTMファイル(pdf_index05.htm)を収納 H28-1 → PDFファイル(長保寺文書〔徳義社資料〕0261.pdf)を収納 : H28-2 → PDFファイル(長保寺文書〔徳義社資料〕0262.pdf)を収納 : H28-3 → PDFファイル(長保寺文書〔徳義社資料〕0263.pdf)を収納 : H28-4 → PDFファイル(長保寺文書〔徳義社資料〕0264.pdf)を収納 (4) 納品 本条の定めにより作成した電子データは、適当な媒体に記録した上で納品す る。 13 業務対象物の引渡し及び成果品の納入場所 業務対象物の引渡し及び成果品の納入は、文書館で行うこととする。 14 委託業務実績報告書の作成 本業務の終了後、受託者は、次の事項を記載した「委託業務実績報告書」を作 成し、和歌山県知事宛てに提出しなければならない。 ①本業務の名称と年度 ②委託金額 ③受託期間 ④契約締結年月日 ⑤完了年月日 15 その他 この仕様書に定めのない事項については、必要に応じ、文書館職員と協議の上 で決定することとする。 別記様式 文書館文書等一時持出簿 持 出 日 年 月 日 一時持出文書等の名称等 資 料 番 号 資 料 名 一 時 持 所 属 出 担 当 者 担当者氏名 印 返 却 日 年 月 日 係 員 受領印